The Morning Star Observer

2026年09月28日 月曜日夕刊 (Evening Edition)ArchiveAbout

ポルトガル、ロナウド外しでノルウェーに勝利 ギリシャがドイツを撃破、アイルランドはガザ巡る抗議の中イスラエルに快勝

UEFAネーションズリーグは日曜日、欧州各地で激戦と政治的な緊張が交錯する一日となった。ギリシャがアウクスブルクでドイツを1-0で破る番狂わせを演じ、ポルトガルはクリスティアーノ・ロナウドを外した中でノルウェーに2-1で勝利した。一方、アイルランドはガザ戦争を巡る抗議が渦巻く中、イスラエルに3-0で快勝した。

ドイツでは、ユルゲン・クロップ監督が初勝利を逃した。後半に途中出場のディミトリオス・クルベリスが放ったシュートがディフレクションして決勝点となり、ギリシャが歴史的な勝利を収めた。クロップ監督は木曜日のオランダ戦から5人を入れ替え、選手のアピールの機会を増やそうとしたが、チームはボール支配で優勢を保ちながらも、コンスタンティノス・ツォラキスが守るゴールを脅かす場面をほとんど作れなかった。試合後、クロップ監督はARDに対し「個人的には全く気にしていない。人生で望んだ以上に多くの試合に負けてきた。我々にはまさにこういう試合が必要なのだ」と語った。ドイツ紙FAZは、クロップ監督がこの敗戦を「傑出した試合」と表現し、スペインがウェンブリーでイングランドに3-2で勝利した試合と比較したことを伝えている。同紙は、ドイツ代表の問題を「自信の欠如」と分析し、バルセロナで活躍するカリム・アデイェミが代表ではケビン・シャーデのラミン・ヤマルにならざるを得ない構造を指摘した。グループA4で1ポイントのドイツは、首位ギリシャ(6ポイント)、オランダ(4ポイント)に続く3位に沈み、準々決勝進出が危うくなっている。

オスロでは、ポルトガルのジョルジェ・ジェズス監督が41歳のロナウドをベンチに置き、代わりに先発させたゴンサロ・ラモスが決勝点を挙げた。ジョアン・フェリックスが17分に先制点を挙げたが、ノルウェーのアーリング・ハーランドが決定機を相次いで外した末に、後半6分に同点ゴールを決めた。しかし直後、ノルウェーのGKオルヤン・ニーランドがラモスにパスを渡す形でボールを奪われ、ラモスが冷静にチップシュートを流し込んで勝ち越した。マレーシアの新海峡タイムズは、ラモスが「呼ばれた時に自分の力を示し、チームに貢献することが最も重要だ」と語ったと伝え、ロナウドとの序列についての言及を避けたと報じた。ポルトガルはこれで2連勝となり、タイトル防衛に向け好スタートを切った。

ベオグラードでは、オランダがセルビアに2-1で勝利し、シャビ・エルナンデス監督が初勝利を挙げた。メックス・メールディンクが前半30分にPKで先制し、後半24分に左足で追加点を挙げた。オランダは昨年のワールドカップでモロッコに敗れた後、バルセロナの偉人シャビを監督に招いていた。デンマークはコペンハーゲンでウェールズを2-0で下し、4連勝を飾った。リーグBではオーストリアがコソボに3-1で勝利し、2連勝とした。

ハンガリーのデブレツェンで行われたイスラエル対アイルランド戦は、試合前から政治的緊張が高まる一戦となった。アイルランドの選手たちはガザで失われた命に敬意を表して黒い腕章を着け、イスラエル国歌が流れる間は頭を下げた。両チームは伝統的な試合前の握手を交わさず、ペナントの交換も行われなかった。試合はアイルランドの選手投票によって開催が決定されたが、GKギャビン・バズヌは「無実の人々が殺されている」として出場を辞退した。試合はトロイ・パロットが14分に先制し、アダム・イダが2分後に追加点、ジャック・モイランが25分に3点目を挙げて、アイルランドが3-0で快勝した。モイランは得点後に黒い腕章にキスをし、イスラエルのサポーターからブーイングが起こった。

この試合を巡っては、メディアごとに論調が分かれた。イスラエルのタイムズ・オブ・イスラエルは、イスラエルのキャプテンが「彼らは明らかに我々を嫌っている。我々も彼らが好きではない」と語ったと伝え、ギデオン・サール外相がアイルランドを「歴史の間違った側にいる」と非難したことを報じた。サール外相は、1939年にアイルランド代表がブレーメンでドイツ戦の前にナチス式敬礼をしたことや、第二次世界大戦中のアイルランドの中立、ヒトラーの死に対するデ・ヴァレラ首相の弔意を挙げ、「90年近くが経ったが、アイルランドが歴史の間違った側にいるという独特の才能は健在だ」と付け加えた。一方、カタールのアルジャジーラとミドル・イースト・アイは、アイルランドの選手たちが「ガザのジェノサイド」への連帯を示したと強調し、アイルランドのキャプテン、ダラ・オシェイが試合の報酬をガザ支援に寄付すると約束したことを伝えた。シンガポールのストレーツ・タイムズは、アイルランドのサポーターが試合をボイコットする動きを見せ、公共放送RTEがスタジオパネルなしで放送したことなどを報じた。台湾の台北タイムズは、FAIのデビッド・クーレルCEOが「かなりの多数派」が試合開催に同意したと語ったと伝え、アイルランドの政治家ダニエル・エニスが「これは選手の失敗ではなく、アイルランド政府とFAI、UEFAの失敗だ」と述べたことを紹介した。

アイルランドはこの勝利で勝ち点3とし、グループB3で3位に浮上した。首位はオーストリアで勝ち点6、2位はコソボで勝ち点3(得失点差でアイルランドを上回る)。イスラエルは2戦全敗で最下位に沈んだ。両チームは10月4日にセルビアのバチカ・トポラで再戦する予定で、この試合は無観客で行われるため、ボイコットを巡る議論が再燃する可能性がある。

トランプ大統領、イランのホルムズ海峡再開提案を拒否も今週中の再交渉に期待 原油価格は反発

トランプ米大統領は、イランが国連総会で提示した7日間の停戦とホルムズ海峡再開を柱とする和平提案を土曜日に拒否した。しかし日曜日にはニュースサイト「Axios」との電話インタビューで、今週中に交渉が再開されるとの見通しを示した。トランプ氏は「彼らは合意したいのだが、それは私が望む合意ではない。1年前なら合意していたかもしれない内容だ。彼らは手を出しすぎた」と述べた。これを受け、アジア市場では月曜日の原油価格が反発。北海ブレントは1.8%高の1バレル106.14ドル、米WTIは1%高の93.34ドルとなった。ホルムズ海峡は世界の石油供給の要衝であり、2月末の米イスラエルによるイラン攻撃開始以来、事実上封鎖状態が続いている。

イラン外相アラグチ氏は、米国による海上封鎖の解除、イラン産原油への制裁緩和、レバノンを含む地域停戦の再開がホルムズ海峡再開の条件だと主張し、「我々の条件は明確であり、海峡再開に向けた動きはこれらの条件が満たされるかにかかっている。我々はそこから後退しない」と国営放送IRIBを通じて述べた。一方、国連大使のウォルツ氏はNBCとのインタビューで、イランの提案は「かなり皮肉な試み」だと批判し、「交渉のテーブルに着くためだけに、封鎖解除、国際制裁の撤廃、数十億ドルの資産へのアクセスを求めた」と指摘した。イラン革命防衛隊は日曜日、ホルムズ海峡で米国の無人潜水機「レムス600」を拿捕したと発表した。偵察目的で使用されていたとし、データ回収のため専門家が調査中だとしている。

米国とイランは6月に戦争終結と海峡再開、核協議開始を柱とする覚書に署名したが、7月にイランが海峡の承認ルートを外れた商船を攻撃したことで合意は崩壊した。イランは船に通過前の許可取得を義務付けており、従わない船は定期的に標的となる。米国は報復としてイラン沿岸部を断続的に空爆している。トランプ氏はFOXニュースとのインタビューで「我々はまもなくこの戦争に勝利するだろう。勝利すれば石油は戦前の水準まで急落する」と述べ、イランが核兵器を獲得するのを防ぐことが米国の主要な目的だと強調した。ワシントン・ポスト紙によると、トランプ氏は11月の中間選挙後にイランへの空爆を再開するだろうと側近に語っているという。

メディアの論調には差異が見られる。アルゼンチンやマレーシア、カタールなどアジア・中東系メディアは原油価格の変動と市場への影響を中心に報じ、イランの提案が「非現実的」とされた経緯を簡潔に伝える傾向がある。イスラエルのタイムズ・オブ・イスラエルはトランプ氏の「手を出しすぎた」という発言とイランの「後退しない」という姿勢の対立を強調し、インドのタイムズ・オブ・インディアはウォルツ国連大使の「容認できない皮肉な試み」という強硬な批判と、イラン側の「大使は提案を読んでいない」という反論を対比させている。ロシアのタス通信はトランプ氏の「勝利」への自信と石油価格下落予測を伝える一方、イランのペゼシュキアン大統領がサウジアラビアとイエメンの仲介に意欲を示したことを報じた。シンガポールのCNAは、フーシ派によるサウジアラビアへのミサイル・ドローン攻撃が続き、地域の供給が不安定なままであると指摘し、9月の中東産原油輸出が日量1280万バレルに回復したというKplerのデータも紹介した。全体として、米国の強硬姿勢とイランの条件堅持という膠着状態が、原油市場の高止まりと地域緊張の継続を招いているという認識は各国メディアで一致している。

世界の指導者交代と主権の行方——メキシコ大統領が就任2年目前に外国の干渉を拒否、セルビア大統領は首相転身へ、ECB次期総裁選びが本格化

世界の政治・経済の焦点が、複数の国で同時に指導者の交代と主権の定義に集まっている。メキシコのクラウディア・シェインバウム大統領は就任2年目を前に、外国の干渉を退ける演説を行った。一方、セルビアのアレクサンダル・ヴチッチ大統領は首相転身を目指して辞任し、10月25日の繰り上げ総選挙に挑む。欧州ではECB(欧州中央銀行)の次期総裁選びが動き出し、スペインとオランダが相次いで候補を擁立した。さらにケニアのウィリアム・ルト大統領がナイジェリアのダンゴテ製油所を訪問し、アフリカの工業化への期待を示した。

メキシコでは、シェインバウム大統領が9月27日、メキシコシティの中央広場ソカロで32州を巡る集会ツアーの締めくくりとなる演説を行った。同大統領は「メキシコ人は干渉も、介入主義も、領土の侵犯も望んでいない」と述べ、外国の干渉を拒否する姿勢を明確にした。この演説は、米国が麻薬カルテル問題でメキシコに圧力を強める中で行われた。ブラジルのメディア『The Rio Times』は、シェインバウム大統領が米国やドナルド・トランプ大統領の名を直接挙げなかったものの、文脈は明白だと指摘する。同大統領は憲法改正に触れ、第40条に外国の干渉を拒否する文言を追加し、第19条には国家主権に反する外国人に対する最も厳しい罰則を定めた。これは2025年にワシントンがメキシコのカルテルをテロ組織に指定したことを受けて提案されたものだ。演説では新たな政策は発表されず、今週再開される米国との貿易交渉に向けたトーンを示すものとなった。メディアの論調としては、『The Rio Times』が国内の結束を強調しつつ、米国との交渉が続く中での「国内向けの強硬な修辞」と「海外での交渉継続」というパターンを指摘している。

セルビアでは、ヴチッチ大統領が9月27日に辞任を発表した。同大統領は憲法で3期目が禁じられているため、10月25日の繰り上げ総選挙でセルビア進歩党(SNS)の首相候補として出馬する。議会議長のアナ・ブルナビッチが暫定大統領に就任し、大統領選挙は年内に行われる見通しだ。この辞任は、2024年11月にノヴィ・サドの鉄道駅の屋根が崩落し16人が死亡した事故をきっかけに、約2年間続いた学生主導の抗議運動を受けてのものだ。各国メディアの論調には顕著な違いが見られる。中国メディアは「よく練られた動き」として、首相という地位を通じて権力の近くに留まる戦略と評価する。イスラエルの『The Times of Israel』は、ヴチッチ氏がセルビアをイスラエルの欧州における最も親密な同盟国の一つにしたと強調する。ウクライナの『Kyiv Independent』は「ロシアに友好的な大統領」という枠組みで報じ、8月のゼレンスキー大統領のセルビア訪問に言及した。カタールの『Al Jazeera』は、学生運動「Students Win」がヴチッチ政権にとって10年以上で最大の挑戦となっていると分析し、選挙後も政治危機が続く可能性を指摘する。同紙は、ヴチッチ氏が辞任直前に抗議活動に関連した23人を含む49人を恩赦したことも伝えた。

欧州では、ECBの次期総裁選びが本格化した。スペインの『El País』によると、イザベル・シュナーベルECB理事が2027年1月にIMFへ移籍することを受け、スペインは元スペイン銀行総裁で現国際決済銀行(BIS)総裁のパブロ・エルナンデス・デ・コス氏を擁立した。オランダも元オランダ中央銀行総裁のクラース・ノット氏を推す。クリスティーヌ・ラガルド総裁の任期は2027年10月までだが、早期退任の可能性も示唆されている。スペインメディアは、エルナンデス・デ・コス氏が「ハト派でもタカ派でもない中立的な政策アプローチ」でラガルド路線の継承者として好位置にあると報じる一方、ドイツが既に欧州委員会委員長や銀行監督機構の要職を占めているため、ECB総裁の座は難しいとの見方も紹介している。

アフリカでは、ケニアのルト大統領がナイジェリアのラゴス郊外にあるダンゴテ製油所を訪問した。英メディア『Premium Times』によると、ルト大統領は同製油所を「科学と工学と芸術の傑作」と評し、ケニア政府がこの事業を全面的に支援すると述べた。ダンゴテ・グループはケニアのラム島に日量70万バレルの製油所を建設する計画で、9月30日に着工する。同グループはアフリカの工業化を目指す「ビジョン2030」の一環として、ケニアに約500億ドルを投資する計画だ。この製油所は東アフリカ諸国の燃料輸入依存を減らし、地域のエネルギー安全保障を強化する狙いがある。イラン(Iran)との緊張による中東産燃料の価格変動リスクを軽減する効果も期待される。

これらの動きは、各国が主権の定義を巡って国内政治と国際関係の狭間で舵取りを迫られていることを示す。メキシコは米国の圧力に直面しながらも国内の結束を強調し、セルビアは長期政権の継続を賭けた選挙に突入する。ECBの人事は欧州の権力バランスを左右し、アフリカの工業化は地域の経済構造を変える可能性を秘める。いずれも、今後の国際秩序の行方を占う重要な試金石となるだろう。

ロシアのドローン攻撃がウクライナ各地で猛威、ゼレンスキー大統領は和平の偽装を非難

ロシア軍は9月27日から28日にかけて、ウクライナ全土に対して大規模なドローン攻撃を実施した。キーウ郊外のソフィイスカ・ボルシチャーヒウカの市場ではドローンが直撃し2人が死亡、約10人が負傷した。キーウ市内でも複数回の攻撃があり、少なくとも1人が死亡、9人が負傷した。オデーサ州では大規模な攻撃で1人が死亡、2人が負傷し、住宅や医療施設、ホテル、商店、穀物倉庫が損壊した。ウクライナ当局によれば、26日から27日にかけての攻撃で全国で少なくとも14人が死亡、57人が負傷した。

ゼレンスキー大統領はX(旧ツイッター)で、ロシアが幼稚園や学校、住宅を攻撃しているのは「世界中でテロリズムと呼ばれるものだ」と非難した。さらに、ロシアは西側の厳しい制裁や対応を避けるために、国際社会に誤った和平のシグナルを送っていると指摘した。「ロシアは、世界が聞きたいと思うような励みになる外交的シグナルを送ることに長けている」と述べ、戦争とテロのための時間を稼いでいると批判した。一方、トランプ米大統領はゼレンスキー大統領に対し、ロシアの石油精製所への攻撃を「少し緩和するよう」求めたところ、ゼレンスキー氏は「おそらくそうするだろう」と応じたと明かした。ロシア国防省は、自国の防空部隊が一夜で254機のウクライナ無人機を撃墜したと発表した。

ロシアの石油インフラへの攻撃も続いている。ウクライナの通信チャンネル「Exilenova+」は、クラスノダール地方のパブロフスカヤ石油貯蔵所で大規模な火災が発生したと報じた。ウクライナ軍はロシアの石油精製能力の45%を無力化したと主張している。また、ロシアの独立系メディア「メディアゾナ」とBBCロシア局の共同調査によれば、ウクライナで死亡したロシア兵の身元が25万8989人確認された。実際の死者数はさらに多いとみられる。ロシアのFSBは、ロンドンと協力する亡命者グループの代表クセニア・マクシモワ氏を国際指名手配したと発表した。

各国メディアの論調には違いが見られる。ドイツの『シュピーゲル』はゼレンスキー大統領のロシア批判を前面に打ち出し、ロシアの和平の偽装を強調した。日本の『ジャパンタイムズ』はキーウの市民の視点から、スーパーの棚からコーラや野菜が消えた様子を伝え、日常生活への影響を浮き彫りにした。ケニアの『アフリカニュース』と韓国の『ヘラルドコープ』は、具体的な死者数や負傷者数、インフラ被害の詳細を淡々と報じた。一方、ロシアの『タス通信』は、防空の成功やインドへの石油供給の用意、FSBの対亡命者姿勢など、自国に有利な側面を強調した。ウクライナの『キーウ・インディペンデント』は、ロシア兵の死者数や石油貯蔵所の火災など、戦況の詳細を伝えた。根幹となる事実(攻撃の規模、死者数、ゼレンスキーの批判)は全メディアが一致して報じているが、ロシア側とウクライナ側のメディアでは、攻撃の原因や成果の解釈に隔たりがある。

政治 (Politics)

トランプ氏、習氏に米国製兵器の購入を提案 台湾向け武器売却をめぐり米中首脳会談の余波

米国駐中国大使デービッド・パーデューは27日、FOXニュースの番組で、ドナルド・トランプ大統領が中国の習近平国家主席に対し、米国製兵器の購入を提案したと明らかにした。トランプ氏は「我々は世界の他の国々に武器を売っている」と述べ、その際に習氏に「いくつか買ってみないか」と尋ねたという。パーデュー氏は、トランプ氏が中国との関係で「非常に良い交渉カード」と評してきた台湾向け武器売却をめぐる懸念を和らげようとしていると説明した。

この発言は、先週ワシントンで行われたトランプ氏と習氏の首脳会談から数日後のもので、米国が台湾向けに承認待ちの約140億ドル規模の武器パッケージを抱える中で注目を集めた。FOXニュースのシャノン・ブリーム氏が、台湾への武器売却を遅らせることで習氏をなだめているのではないかと質問したのに対し、パーデュー氏は「トランプ氏は台湾に対して誰よりも強硬だ」と反論し、既に相当量の武器売却を承認済みだと述べた。さらにトランプ氏と習氏は会うたびに今後の武器売却について話し合っていると付け加えた。

一方、米国国務省は匿名筋の話として「米国の法律は中国への武器売却を禁じており、中国に武器を売る提案も計画もない」と即座に否定した。実際、米国が中国に通常兵器を売らなくなってから30年以上が経過している。この提案が実現すれば、数世代にわたる米国の対中・対台湾政策を覆し、米国の技術が潜在的な敵対国にさらされることになる。

台湾紙『タイペイ・タイムズ』は、この首脳会談をめぐり複数の論点を報じている。同紙によると、行政院大陸委員会の沈有忠副主任委員は、ホワイトハウスが発表した首脳会談のファクトシートが「米中は第二次世界大戦で同盟国だった」と記したことに対し、当時中華民国(台湾)が米国の同盟国であり、中華人民共和国はまだ存在していなかったと反論した。また、国家安全保障担当の匿名高官は、習氏が台湾への武器売却削減を求めたものの具体的な成果を得られず、貿易やハイテク規制でも譲歩を引き出せなかったため、中国はプロパガンダに訴えるだろうと指摘した。

一方、中国国民党の李彦秀立法委員は、今回の首脳会談で米台が連携してきた「反中国カード」の効果が薄れたと分析した。米国は台湾問題が中国の「中核的利益」であることを理解しており、トランプ氏にとって「台湾カード」は依然として重要な交渉材料だが、国務省の声明は与党・民主進歩党の国内向けメッセージに救いを与えたと述べた。また、トランプ氏は封じ込めやデカップリングではなく、「アメとムチ」を組み合わせて経済的利益や戦略的譲歩を引き出そうとしていると指摘した。

この首脳会談では、パンダ外交も話題を集めた。中国は26日、成都からアトランタ動物園へジャイアントパンダの「平平」と「福雙」を送り出した。2頭は2020年生まれの雄と雌で、今後10年間アトランタで過ごす。中国国営新華社通信によると、フェデックスのチャーター機で15時間かけて輸送され、蒸しトウモロコシのパンやタケノコ、ニンジンなどが用意された。アトランタ動物園のレイモンド・B・キング社長は「アトランタ市とジョージア州にとって歴史的な瞬間だ」と歓迎した。パンダの到着は、習氏のホワイトハウス訪問で発表された数少ない具体的成果の一つとなった。

トランプ氏と習氏は昨年10月以来3回目の首脳会談を実施し、関税と輸出規制に関する経済停戦を2027年1月10日まで2か月間延長することで合意した。さらに、11月に中国・深圳で開催されるAPEC首脳会議と、12月に米フロリダ州マイアミで開催されるG20で再会する見通しだ。米通商代表部のジェイミソン・グリア代表は、600億ドル相当の貿易品を対象に関税引き下げに向けた品目リストを発表し、中国側は77品目、米国側は1600品目以上を特定した。しかし、シンガポールのヒンリッチ財団のデボラ・エルムス氏は「全体の貿易量を動かすものではない」と指摘した。

米国と中国は、台湾問題、人工知能(AI)競争、イラン情勢などで対立を続けながらも、対話を通じた関係安定化を模索している。米国は法律上、台湾に自衛手段を提供する義務を負い、台湾の主要な非公式安全保障パートナーであり武器供給国であり続ける。一方で中国は台湾を自国領土とみなし、米国の武器売却に反対している。今回のトランプ氏の提案は、その構図に変化をもたらす可能性を秘めているが、国務省の即座の否定が示すように、実現のハードルは高い。

ネタニヤフ首相がアブダビを電撃訪問、UAE大統領と会談 中東安保環境の変化が背景

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相が日曜日、アラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビを訪問し、UAEのシェイク・モハメド・ビン・ザイード・アル・ナヒヤーン大統領と会談した。イスラエル政府高官がロイター通信に明らかにした。ネタニヤフ首相の事務所とUAE外務省は、この訪問について直ちに公式声明を発表しなかった。

今回の訪問は、イスラエル紙ハーレツが今月初めに報じた一件に注目が集まる中で行われた。ハーレツ紙は、2023年10月7日のハマスによるイスラエル攻撃の1週間半前に、シェイク・モハメド大統領がネタニヤフ首相に対し、ハマスが大規模作戦を準備していると警告したと報じた。しかし、この情報はイスラエルの諜報機関や軍に伝えられなかったという。ネタニヤフ首相はこの報道を否定し、同紙に対して法的措置を取ると警告している。厳しい再選選挙戦を戦う首相に対し、野党指導者らは10月7日の攻撃前の安全保障上の失敗について責任があると非難している。UAEはハーレツ紙の報道について直接コメントしていないが、2020年の国交樹立以来、両国が「開かれた直接のコミュニケーション回線」を維持してきたと述べている。UAEの関係筋は以前、安全保障問題は「国家指導者のレベル」ではなく「関連機関」を通じて他国と協議しているとロイターに語っていた。

メディア間の論調には差異が見られる。イスラエルのメディア(チャンネル12、KAN、ハーレツ紙、エルサレム・ポスト紙)は、ネタニヤフ首相がUAE大統領との会談のため1日で予告なしの訪問を行ったと報じ、KANは首相が無名のイスラエル人実業家が所有する自家用ジェットで飛んだと伝えた。中東のメディア(マレーシアのニュー・ストレーツ・タイムズ、カタールのミドル・イースト・アイ)も同様に訪問を報じ、ミドル・イースト・アイはチャンネル12の報道として、首相が自家用機でアブダビに移動したと指摘した。インドのタイムズ・オブ・インディアは、この訪問が「繊細な地域の安全保障環境」を両国が航行する中で行われたとし、ハーレツ紙の警告報道をめぐる論争に焦点を当てた。パキスタンのデイリー・タイムズは、両国当局が訪問を公式確認していない点を強調し、議題や滞在期間について詳細が明らかにされていないと報じた。

今年初め、イスラエル首相府が5月にネタニヤフ首相が湾岸諸国を「極秘訪問」し大統領と会談したと発表した際、UAEはこれを否定していた。当時、会談を知る人物は、両首脳が3月26日にアブダビのオアシス都市アル・アインで会談したと述べた。UAEとイスラエルは2020年のアブラハム合意に基づき国交を樹立し、UAEはイスラエルと正式な関係を築いた最初のアラブ諸国の一つとなった。イラン戦争中に攻撃を受けて以来、UAEは米国とイスラエルとの関係強化を図ってきた。イスラエルとの関係は、UAEに地域への関与の手段と、ワシントンへの独自のチャネルを提供している。今回の会談は、両国間の外交的関与が続く中で行われたが、公式な確認は依然としてない。

レオ14世、仏訪問を終え欧州の平和と教会の再生訴える アルゼンチンでは祝日制定へ

ローマ教皇レオ14世は28日、フランス東部メスで欧州連合(EU)加盟27カ国の代表らを前に演説し、欧州建設の源流に立ち返り平和を実現するよう訴えた。同日夕にはメス大聖堂でミサを執り行い、フランス訪問を締めくくった。エマニュエル・マクロン大統領もミサに出席した。フランス訪問は4日間におよび、パリとルルドでも大規模な集会が開かれた。レオ14世は滞在中、聖職者による性的虐待の被害者7人と非公開で面会し、被害の再発防止に取り組む決意を改めて表明した。

フランスのメディアは、メス訪問の意義を欧州との関連で強調した。『ル・フィガロ』は、メスが独仏和解と欧州統合に尽力したロベール・シューマンの故郷に近いことから、レオ14世が欧州と和解をテーマに語ると報じた。同紙はまた、1801年にナポレオンとピウス7世が締結したコンコルダートが現在もアルザス=モゼル地方で効力を持つ点に触れ、政教関係の独自性を指摘した。フランス24は、メスでの演説が欧州統合を平和の源泉と位置づける国際的なメッセージになると伝えた。一方、『ジャパンタイムズ』やアルジャジーラなど英語圏メディアは、ルルドでの性的虐待問題への対応を主な焦点として報じた。レオ14世はルルドのミサで約15万人の信者を前に、教会が自らの過ちを認め「深い傷」を癒す必要性を説いた。80歳の被害者ジャン=マリー・デルボス氏は、教皇が自らを抱きしめた瞬間を「特別な出来事だった」と振り返った。被害者らは教皇の共感と問題理解に感銘を受けた一方、具体的な行動が伴うことを望んだ。

このフランス訪問は、教皇の公式な国賓訪問として18年ぶりとなった。レオ14世は滞在中、約130万人の信者と交流したとされる。また、人工知能の発展や安楽死をめぐる教会の立場についても言及した。訪問を終えた教皇は、今後アルゼンチンとウルグアイ、ペルーを訪問する予定だ。アルゼンチン政府は、11月8日から11日までのレオ14世訪問に合わせ、9日を全国の祝日とする政令を公布した。10日はコルドバ州のみ、11日はブエノスアイレス州のみが祝日となる。ペルーのリマでは、教皇の到着を前に高さ14メートルの頭部彫刻が制作されている。

タイで洪水死者8人、バンコクは災害宣言 憲法裁は選挙合法性の判断へ

タイでは9月16日以降の洪水により8人が死亡した。政府が月曜日(9月28日)に発表した。死者は全て東部の県で確認されており、サケーオ県で5人、チャンタブリー県で2人、サラブリー県で1人だった。首都バンコクでは週末に災害宣言が出されたが、公式な死者は報告されていない。

防災・軽減局(DDPM)によると、バンコクを除く27県で50万世帯以上、170万人が洪水の影響を受けた。バンコクではさらに5万2000世帯が影響を受け、約48時間にわたる大雨で運河が氾濫し道路が冠水した。政府報道官のエカポブ・ピアンピセス氏は「バンコクの一部地域では依然として水位が高い」と述べ、排水システムにより移動可能な状態まで水位が下がったと説明した。ロイター通信の報道によると、バンコク東部の少なくとも1地区では膝上までの高さの水に住民が浸かる状況が見られた。学校は閉鎖され、在宅勤務が呼びかけられた。タイは雨季のピークである9月に洪水が発生しやすいが、住民の多くは今年の方が例年より深刻だと感じている。

一方、タイ憲法裁判所は同日、2月の総選挙の合法性をめぐる訴えに対する判決を下す予定だ。選挙管理委員会が投票用紙に印刷したバーコードとQRコードで投票者の選択が特定できる可能性があるとして、オンブズマンが申し立てていた。約3800万人が投票した2月8日の選挙では、アヌティン・チャーンウィーラクル首相率いるブムジャイタイ党が勝利し、500議席中290議席以上を支配する連立政権を樹立した。タマサート大学のプリニャ・タエワナルミトクル講師は「訴えの棄却が最も可能性の高い結果だ」と述べ、全国的な再選挙の可能性は低いと指摘した。しかし、判決が選挙を支持しても、政府とブムジャイタイ党に対する国民の不信感が深まる可能性がある。ランシット大学のワンウィチット・ブーンプロン講師は「政府はおそらく続投するだろうが、国民の信頼の危機から圧力が高まるだろう」と述べた。

マチャド側近マセロが帰国、野党指導者の帰還は依然実現せず

ベネズエラ野党指導者マリア・コリナ・マチャドの最側近の一人であるクラウディア・マセロが27日夜、首都カラカス近郊のマイケティア国際空港に到着し、約1年半の亡命生活に終止符を打った。マセロはマチャドが創設した政党ベンテ・ベネズエラの広報責任者を務める34歳で、到着時に「今日、ベネズエラに戻るのは、自分に自信を与え、他の人にも戻るべきだと自信を与えるためだ。家に帰る時だ。この国を立て直す時だ」と記者団に語った。彼女の帰国は、マチャド自身の帰国が実現しない中で、野党側に一定の前進をもたらす出来事となった。

マセロの帰国は、複数のメディアが同日に報じたマチャド支持者による大規模なデモ行進と時を同じくした。カラカスでは数百人の活動家がベンテ・ベネズエラのシンボルカラーである空色のシャツを着てオートバイを走らせ、クラクションを鳴らしベネズエラ国旗を振った。同様のデモはバレンシア、マラカイボ、メリダなど各州都でも行われた。デモ参加者はマチャドの安全な帰還、明確な選挙スケジュール、2027年の大統領選挙実施を要求した。マラカイボでは、ベンテ・ベネズエラの地元幹部フェルナンド・トレアルバが国家警備隊に一時拘束されたが、数時間後に解放された。

マセロは2024年3月、マチャド側近5人とともにカラカスのアルゼンチン大使公邸に避難した。ベネズエラ検察が彼らを共謀と反逆の罪で訴追していたためだ。約13カ月間の籠城の後、2025年5月に米国へ向かった。この大使館グループのうち、オマール・ゴンサレスが8月28日に最初に帰国しており、マセロは2人目の帰国者となる。ペドロ・ウルチュルトゥ、マガリ・メダ、ウンベルト・ビジャロボスの3人は依然国外にいる。

一方、マチャド自身の帰国は依然実現していない。彼女は2025年12月にノルウェーでノーベル平和賞を受賞するためベネズエラを離れ、その後パナマに滞在している。ベンテ・ベネズエラによると、マチャドはこれまでに7回帰国を試みて失敗した。先週だけでも海路と空路で3回試みたが、いずれも実現しなかった。キュラソー、ボネール、アルバといったオランダ領の島々が着陸許可を出さなかったと報じられている。ベネズエラ政府は帰国を妨げているという野党側の主張を否定しており、政府首席交渉官のホルヘ・ロドリゲスは「まさか、神にかけて」と述べて反論した。また、マドゥロ政権を1月の米軍作戦で排除したトランプ政権がマチャドの帰国を望んでいないとの見方をアナリストが示す一方、米国当局はこれを否定している。

マセロの帰国は、米国後援による政府と野党の第2回協議が閉幕した直後に実現した。協議は9月17日にカラカスで始まり、終了後に39人の政治犯が解放された。国連の事実調査団は9月16日、国家の抑圧機構は「無傷のまま」残っていると指摘した。ベネズエラの暫定大統領デルシー・ロドリゲスは国連総会で選挙実施を約束したが、具体的な日付は示さなかった。ベンテ・ベネズエラの全国組織担当ヘンリー・アルビアレスは「我々が求めているのは、まもなく実現するはずのマリア・コリナ・マチャドの到着だ」と述べ、今後数時間から数週間でさらなる帰国者が続くと予測した。

複数のメディアの報道を比較すると、アルゼンチン紙はマセロの帰国をマチャド帰還への期待と結びつけて詳細に報じ、スペイン紙は大使館籠城の経緯やオペレーション・グアカマヤの名称など歴史的文脈を重視した。ブラジル紙はマセロ帰国の政治的な意味合いを分析し、亡命者の無事な帰国が「開かれた扉」の実質的な試金石となると指摘した。一方、中国、ドイツ、韓国、カタールのメディアは同日のデモ行進に焦点を当て、マチャドの帰国失敗の経緯と選挙要求を中心に報じた。いずれのメディアもマチャドの帰国失敗とマセロの帰国という事実認識では一致しているが、その解釈においては、米国の関与や政府の妨害の有無をめぐって見解が分かれた。

米中が300億ドル規模の関税相互引き下げ対象リストを公表、トランプ政権とAI大手の対話も進展

ホワイトハウスは27日、中国との間で300億ドル規模の貿易取り決めに基づき関税引き下げの恩恵を受ける可能性がある製品リストを公表した。税率や実施時期は明示されていない。米国は花火、小型家電、クリスマス飾り、子供用自動車シート、非接続玩具、スポーツ用ボールなど77カテゴリーの中国製品について関税を引き下げる可能性がある。中国側は牛肉、豚肉、鶏肉、水産物、乳製品、小麦、トウモロコシ、石炭、ウイスキー、化粧品、木材、医療機器など1600以上のカテゴリーを対象に挙げた。両政府が公表した文書によると、両国は2024年の貿易フローに基づき算出されたこれらのリストを「相互に有利な関税引き下げを適用する観点から検討する」としている。これは現時点で関税そのものが変更されたわけではないことを意味する。

この動きは、トランプ大統領と習近平国家主席がワシントンで首脳会談を行った後に発表された。ホワイトハウスは25日、習氏の訪米を受けて「非敏感品目」に対するより有利な関税待遇に関する「勧告」で合意したと発表し、北京も26日に相互関税引き下げの「取り決め」を確認した。米国はまた、2027年と2028年に中国が米国産石炭を年間少なくとも1000万トン輸入するという中国側の公約を発表したが、この点は中国側の声明には含まれていない。紛争の中心であるレアアースについては、ホワイトハウスによると協議が続いている。

アルゼンチン紙クラリンは、この合意が2025年10月に締結された脆弱な貿易休戦の延長線上にあると指摘し、トランプ政権が開始した関税引き上げに中国が対抗措置で応じた経緯を強調した。休戦は1月10日まで延長されている。一方、シンガポールのCNAは、トランプ大統領と習主席が昨年韓国での会合で貿易休戦に合意し、関税が一時100%超に達した応酬の末の合意であると報じた。米財務長官スコット・ベッセントの発言として、当初11月に失効予定だった協定が1月10日まで延長されたと伝えている。ジャパンタイムズは、両国が首脳会談後に安定化に向けた措置を取っているとし、リスト公表を「超大国間の緊張緩和の一歩」と位置付けた。各メディアは事実認識では一致するものの、アルゼンチン紙は米国側の発表と中国側の発表の相違(石炭輸入公約)に言及するなど、詳細な検証に重点を置いている。

一方、トランプ政権とAI業界の対話も進展を見せている。アンソロピックのダリオ・アモデイCEOは27日夜、トランプ大統領とホワイトハウスで初の一対一の夕食会を行う。この会合は、AI開発のペースを巡る両者の対立が続くなかで実現した。トランプ大統領はシカゴでのゴルフ大会から戻る際、記者団に対し「今夜はアンソロピックのトップと夕食をとる」と述べ、長い一日になるとしながらも「処理できる」と語った。アモデイ氏は2月に完全自律型兵器や国内での大規模監視へのモデル利用を拒否したことでトランプ政権から制裁を受け、6月には商務省が画期的モデル「マイソス」に一時輸出規制を課すなど、関係は緊張してきた。さらに連邦控訴裁判所がアンソロピックを「サプライチェーンリスク」と分類した国防総省の決定を支持した2日後の開催となる。

トランプ大統領はAI開発の減速に否定的な姿勢を改めて示し、新たな規制は中国に主導権を渡すことになるとの認識を強調した。「中国より1年半ほど先行している」とフォックスニュースに語り、「我々がリードしており、何兆ドルもの価値のあるものを建設している。それを手放す理由がどこにあるのか」と述べた。アモデイ氏が提唱する開発一時停止の呼びかけについては「完璧な小さな天使になろうとしている」と評した。一方、マイクロソフト共同創業者のビル・ゲイツ氏もNBCの番組でトランプ大統領との会談を希望し、「規制は業界を劇的に妨げるものではない」と主張、AIリスクへの懸念を「ホラ話」と評したトランプ氏の認識に「まったくホラ話ではない」と反論した。アンソロピックの研究者ジェイコブ・コクソン氏は「この10年でAIが人類を滅ぼす可能性」を警告し、同社のイヴァン・フビンガー氏は10年以内にその確率が10%超と指摘している。トランプ大統領は「心配していない」と述べ、火曜日に下院議長マイク・ジョンソン氏とともに主要AI企業の幹部と会談する予定だ。ジャパンタイムズはアモデイ氏が木曜日の習主席歓迎晩餐会を欠席し、ライバルのサム・アルトマン氏が出席した点を対比的に報じた。マレーシアのニュー・ストレーツ・タイムズとカタールのアルジャジーラは、この夕食会を「数カ月にわたる公開対立の後の初の一対一会合」と位置付け、両者の緊張緩和の兆しとして伝えている。

さらにトランプ政権と報道機関の対立も続いている。司法長官トッド・ブランチ氏は27日、CNN、MS Now、ポリティコの3社をホワイトハウスから締め出した判断について、ホワイトハウスにいることは「特権であり、権利ではない」と主張した。ブランチ氏は、トランプ大統領がこれらメディアの不正確な報道に「うんざりしている」ためだと説明し、エアフォースワンへの搭乗についても「ホワイトハウスが日常的に誰が搭乗するかを決めている」と述べた。連邦判事ティモシー・ケリー氏は先週、3社の資格を14日間暫定的に回復するよう命じたが、土曜日にはCNNが大統領専用機のプール取材から再び外された。ブランチ氏は影響を受けた3社の報道が「国家安全保障上の問題」に相当するとの政権の立場を繰り返した。ビル・クリントン元大統領はクリントン・グローバル・イニシアチブ2026で「ホワイトハウス記者団を締め出したくなったことは何度もある。憲法が存在する理由は、誰も怒りに免疫がないからだ」と述べ、政権の判断を批判した。ガーディアン紙は、11月の中間選挙を1カ月余り後に控え、トランプ大統領の支持率がロイター/イプソス調査で32%と過去最低となった一方、報道機関への信頼もギャラップ調査で28%と低水準にあると指摘した。

戦火と海峡が織りなす世界の分断——イラン戦争の経済的余波、ウクライナ帰還者会議、そして文化の記憶

中東の戦火が世界の物流と経済に影を落としている。カタールのメディア『Middle East Eye』は、イラン戦争がパキスタン、トルコ、エジプトの三カ国を四方から圧迫していると報じた。ホルムズ海峡周辺の緊張、バブ・エル・マンデブ海峡での小競り合い、喜望峰経由への航路変更は、燃料費・食料価格・通貨に小さな負担を積み重ねる。三カ国は同時に、それぞれインド、ギリシャ、イスラエルとの国境問題を抱え、海の経済戦線と陸の安全保障戦線の二正面作戦を強いられている。エジプトのスエズ運河収入は60%以上も急落し、パキスタンのインフレは再び11%を超え、トルコのインフレも30%前後から再上昇した。

一方、ウクライナでは毎朝9時、ロシアの空爆警報に使われる拡声器から時計の音が流れ、街が一分間の黙とうに沈む。カナダ、ノルウェー、ウクライナの三カ国は9月28日と29日にトロントで『平和への道:ウクライナの子どもたち、拘束された市民、捕虜の帰還に関する第2回国際会議』を開催する。カナダのウルリック・シャノン大使、ウクライナのミコラ・ナホルヌイ大使、ノルウェーのエリク・フセム大使は共同論説で、強制移送された数千人のウクライナの子どもたち、ロシアに不法拘束された市民、捕虜の帰還こそが人道的要請であり、和平プロセスの核心だと訴えた。南アフリカの『Daily Maverick』も同趣旨の論説を掲載し、カナダ・ノルウェー・ウクライナの駐南アフリカ高等弁務官・大使らが連名で、国際社会に行動を促した。

文化の分野では、スペインのメディアが、ペネロペ・クルスが映画『La bola negra』でクプレティスタのネネ・ロメロを演じることに注目した。20世紀初頭に大衆を熱狂させたクプレティスタたちは、歌と踊りで喜びと官能性を擁護し、男性支配の産業で成功を収めた。オルガ・マリア・ラモスがクルスを助言し、その母オルガ・ラモスはフランコ独裁下で検閲を避けてビクトリア・ケントに言及した『チョティス・デル・ピチ』を歌い続けた。クルスが歌う『バタジョン・デ・モディスティージャス』は、女性が戦争に行くという当時としては新奇な考えを戯画化し、家父長制への不満を表現した。

考古学の分野では、インドの『Times of India』が、シリア内戦中に考古学者らがISISの破壊から約3万点の至宝を救出した研究を報じた。シャルジャ大学のマアムン・アブドゥルカリム教授が『Museum Management and Curatorship』誌に発表した論文は、2014年から2015年にかけてデリゾール博物館のコレクションを救出した作戦を分析した。教授は当時シリアの古代遺物・博物館総局長を務め、救出作戦は「意思決定、制度的回復力、信頼、急速な適応力」を要したと指摘する。「我々は3万点の博物館資料を救うために3万点を救ったのではない。戦争が消し去ろうとした数千年の記憶を守ったのだ」と述べた。

さらに、イスラエルの極右宗教シオニズム党党首ベザレル・スモトリッチ財務相は、占領下のヨルダン川西岸で「ガザでやったことをやる」ため戦争を仕掛けるよう求めた。『Middle East Eye』によると、スモトリッチはパレスチナ自治政府の解体も要求し、11月の総選挙を控えて強硬姿勢を鮮明にした。一方、アメリカの『The Atlantic Council』は、イランの戦争が西側に及ぶ可能性を指摘する。英空軍フェアフォード基地への攻撃が未遂に終わり、5人の男が逮捕された。同基地にはイラン空爆を実施したB-1やB-52爆撃機が駐留しており、テヘランが中東を超えて遠くまで攻撃する用意があることを示唆した。

南アフリカでは、女性殺害の危機が続く。『Daily Maverick』は、エクルレニで7月以降に10人の女性が殺害され、そのうちエリザベス・“ツォンツォ”・モセラクゴモさん(38)が最初に身元が判明したと報じた。彼女は9月9日にランニングから戻らず、8歳の娘が行方不明を届け出た。南アフリカ警察は連続殺人の可能性を調査する特別チームを設置し、40万ランドの報奨金を提示した。住民のカイリン・ニーナバーさん(23)は「女性は被害者にならない方法を教えられるが、男性は加害者にならない方法を教えられない」と、安全責任を女性に負わせる風潮に反発した。

イエメン・タイズで市場空爆、フーシ派と政府軍が主張対立 停戦崩壊で戦闘激化

イエメン南西部の都市タイズで27日、フーシ派支配地域の市場が空爆を受け、同派によれば少なくとも7人が死亡、40人が負傷した。フーシ派軍事スポークスマンのヤヒヤー・サリー氏はサウジアラビアによる2回の空爆を非難し、死傷者は約50人に達すると主張した。同派のアル=マシーラTVは、負傷者に子ども5人が含まれると報じた。一方、イエメン国際承認政府は、標的は市場ではなく近くのフーシ派軍事キャンプと車両だったと反論した。

タイズはイエメン第3の都市で、文化の首都とも呼ばれ、約100万人が暮らす。政府軍が市中心部を掌握し、フーシ派が北部と東部に陣取る。9月に入りフーシ派が紅海沿岸の要衝モカを制圧し、バブ・エル・マンデブ海峡を押さえたことで、戦闘は激化した。サウジアラビア主導の連合軍はフーシ派陣地に数百回の空爆を実施し、フーシ派はサウジ南西部の都市やインフラにドローンやミサイルを発射する。

今回の空爆を巡っては、フーシ派と政府軍で主張が食い違い、独立した検証が難しい状況だ。フーシ派はサウジアラビアの空爆で「血が不当に流された」と述べ、報復を誓った。政府軍報道官のマージド・アブドゥッラー・アル=ナジーリー大佐は、72時間で756回の作戦を実施し、イラン人4人を含む2316人の戦闘員を標的にしたと発表したが、独立した裏付けはない。

イエメン内戦は2014年にフーシ派が首都サヌアを制圧して始まり、翌年サウジアラビアが国際連合軍を率いて介入した。数年間の比較的平穏を経て、中東戦争の拡大を背景に7月に再燃した。フーシ派は9月に電撃攻勢を仕掛け、紅海沿岸全域を制圧。同時に、イランが封鎖したホルムズ海峡に加え、サウジのエネルギー輸出にも封鎖を課している。サウジは26日、首都リヤドに向かうフーシ派のドローン2機を迎撃したと発表し、リヤドの学校は27日から1週間オンライン授業に切り替えた。

各メディアの報道を比較すると、英BBCはタイズ前線の現地ルポを中心に、モカ失陥後の戦況悪化と住民の苦境を伝える。韓国聯合ニュースやカタールのアルジャジーラなどは、フーシ派の主張を基調にサウジ空爆の犠牲者数を報じる一方、パキスタンのデイリー・タイムズは政府軍の見解を併記し、両者の主張が対立している点を強調した。フーシ派の死者数についても、アル=マシーラTVは7人、AFP取材のフーシ派筋は戦闘員約30人と民間人8人と異なる数字を伝えており、情報源によって数値にばらつきがある。

北朝鮮兵士移送をめぐり韓国がウクライナに公式謝罪要求、機密合意の否定に「強い遺憾」

韓国大統領府は9月27日、ウクライナに対し公式な説明と謝罪を要求した。ウクライナが北朝鮮の捕虜2人の韓国への移送を公表し、その後、両者の間に秘密保持合意がなかったと虚偽の発表を行ったと非難したものだ。

韓国大統領府の成基洪(ソン・ギホン)広報首席秘書官は声明で「大統領府は、ウクライナによる一方的な公表と、その後行われた秘密保持合意がなかったとする虚偽の発表に強い遺憾を表明する」と述べた。政府は必要に応じて追加措置を検討しているという。

成氏によれば、ウクライナは様々な経路を通じてソウルと捕虜移送について繰り返し協議し、機密を要請していた。公表すれば、捕虜をウクライナ人捕虜と交換する機会を放棄したとして国内の批判を招く恐れがあるというのがその理由だった。韓国は捕虜とその家族の安全など、安全保障・外交・人道上の懸念から移送を非公開にすることで合意した。

その後、ウクライナのゼレンスキー大統領が国連総会で移送を十分な事前協議なしに公表し、さらに秘密保持合意の存在を否定した。成氏はこの否定が両政府間の信頼を損ない、二国間関係に悪影響を及ぼすと述べた。

韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領は先に、ウクライナが秘密保持合意に反して移送を公表したと述べ、X(旧ツイッター)への投稿で「合意があったのにウクライナ側が公表した経緯は分からないが、深く残念だ」と記した。

一方、専門家の間では、韓国が移送を極秘にしたのは米朝対話の機運を損なわないためだとの見方が出ている。世宗研究所のピーター・ウォード研究員は、捕虜の福祉や人権を損なう場合には第三国への移送が人道的・人権法上十分な根拠を持つと指摘した。韓国はウクライナに対し、これまで非殺傷兵器の支援に留めているが、李政権は北朝鮮との対話再開を積極的に模索しており、トランプ米大統領も北朝鮮との対話に意欲を示している。

この問題は、捕虜2人の今後の処遇、すなわち尋問・保安審査を経て北朝鮮離脱住民としての保護を受けるかどうかという新たな論点も浮上させた。韓国統一省は関連法と過去の慣行に基づき審査すると表明した。国家情報院が最大90日間の一時保護と調査を行い、その後、定住支援が始まる見通しだ。

サウジ外相がワシントン到着、ルビオ国務長官と協議へ チリ国防相はフォークランド200年統治を強調

サウジアラビアのファイサル・ビン・ファルハーン外相が28日、ワシントンに到着し、ルビオ米国務長官と会談する。サウジ国営通信が伝えた。両氏は二国間関係に加え、地域・国際情勢の主要な展開について協議する。リヤドとイエメンのフーシ派との間で敵対行動が激化する中での訪問となる。サウジのムハンマド・ビン・サルマン皇太子は今月、イラン支援を受けるフーシ派に対し米軍の支援を要請したが、ワシントンは空爆を見送り、情報・目標特定支援を提供することで合意したとロイターが関係者筋の話として報じた。中東の主要メディアであるUAEとカタールの報道は、いずれもサウジ外相の到着とルビオ氏との会談予定を淡々と伝えている。両紙はフーシ派との緊張という背景を踏まえつつも、会談の焦点を地域・国際情勢全般に置いている。

一方、南米ではチリのバロス国防相が、フォークランド諸島(マルビナス諸島)をめぐるアルゼンチンの領有権主張を支持しつつも、英国による約200年にわたる統治を「友好的な国による事実上の主権行使」と表現し、物議を醸した。バロス氏はマガジャネス州のラジオ・ポーラルのインタビューで、チリはアルゼンチンの主張を支持するが、英国は200年間主権を行使してきた事実があり、両国が平和的かつ文明的に協議すべきだと述べた。また、プンタ・アレーナスと同諸島を結ぶ海運ルート構想を支持し、マガジャネス住民が英国政府と貿易する権利を擁護した。この発言に対し、アルゼンチンメディアはチリが支持を「条件付け」したと報じた。ブラジルのリオ・タイムズ紙は、バロス氏が条件を設定したわけではないが、1833年の英国統治を「占領」とみなすアルゼンチンが好まない「主権行使」という語彙を用いた点を強調し、島民の「意思」に言及したことで英国の立場に近づいたと分析した。英紙ザ・サンへのインタビューで、英国防相ウェス・ストリーティングは「アルゼンチンには島を奪う能力はない。英国には守る能力がある」と強気の姿勢を示した。

チリではさらに、カスト大統領が米主導の「アメリカの盾」に参加したことをめぐり、初の外相問責が行われた。28日午後、ペレス・マッケンナ外相が下院で社会党のベネガス議員の質問に答える。野党は対アルゼンチン・対米関係の一連の紛争を理由に問責を求めた。米国が主導するこの組織犯罪対策連合には、重要鉱物や投資審査の条項が含まれ、中国を念頭に置いたものだとの批判がある。チリは世界最大の銅生産国で、中国が最大の顧客である。カスト大統領は外相への「全面的な支持」を表明した。問責は投票を伴わないが、上院は10月7日に特別会合を開く予定だ。

台湾では、林佳龍外相が日曜、ベリーズとグアテマラへ経済使節団を率いて出発した。ベリーズのブリセニョ首相、グアテマラのアレバロ大統領と会談し、台湾が資金提供する複数のプロジェクトを視察する。使節団はグリーンエネルギー、スマート交通、AI、宇宙技術、バイオテクノロジー、医療、観光、金融・貿易など30人以上の代表で構成され、米台ビジネス協議会も参加する。英国では、ミリバンド外相がリバプールのピザ・エクスプレスで、パレスチナ・アクションの指定をめぐり活動家らに直面した。近くでは労働党大会に抗議する50人以上が逮捕された。

これらの動きは、中東、南米、アジア、欧州の各地域で、大国間の角逐と地域紛争が外交の最前線に浮上していることを示す。サウジと米国の協議はイランとフーシ派をめぐる緊張の行方に、チリの外相問責はカスト政権の対外政策の方向性に、台湾の使節団は中国との外交競争の継続に、それぞれ影響を与えるだろう。

シティ・ハスマー博士死去、マレーシアに追悼の波——ヘリ墜落事故と死刑廃止抗議の起訴も同時報じる

マレーシアのマハティール元首相の妻、シティ・ハスマー・モハマド・アリ博士が9月28日、クアラルンプールの国立心臓研究所(IJN)で死去した。享年100歳。息子のモクザニ・マハティール氏が死を確認した。同国メディアは一斉にこの知らせを伝え、政治指導者や市民から追悼の声が相次いだ。首相アンワル・イブラヒム氏は国葬の実施を指示し、政府首席秘書官と軍司令官に葬儀の準備を命じた。遺体は同日午後、プトラジャヤの国立霊廟にある故エンドン・マフムード氏の墓の隣に埋葬される予定だ。

シティ・ハスマー博士は1926年7月12日、セランゴール州クランで生まれ、シンガポールのキング・エドワード7世医科大学で医学を学び、1955年に卒業した。マレーシアにおける初期のマレー人女性医師の一人であり、公衆衛生、特に母子保健の分野で長年にわたり貢献した。1965年にはケダ州の母子保健部門で初の女性医務官に、1974年には同州初の女性母子保健担当官に任命された。夫マハティール氏とは1956年に結婚し、7人の子供をもうけた。2026年8月には結婚70周年を迎え、夫妻は存命の元首脳とその配偶者として初めてともに百歳を超えたと報じられた。

マレーシア国内メディア(New Straits Times、マレー・メール等)は、シティ・ハスマー博士の死去を大規模に報道し、その生涯と功績を詳述した。一方、シンガポールのCNAは、彼女が元首相夫人としての地位を活用し、母子保健、家族計画、識字率向上、薬物乱用防止、精神衛生を提唱した点を強調した。また、ASEANレコードにより「存命中の元首相配偶者として最高齢」と認定されたことも伝えた。中国系メディア(SCMP)は、彼女がマレーシアで最も初期のマレー人女性医師の一人であり、医学、公衆衛生、社会福祉の分野で長いキャリアを持ったと簡潔に報じた。各メディアの論調に大きな相違はなく、いずれも彼女の死去を国家的損失として悼む内容で一致している。

一方、カナダではケベック州サント=ブリジッド=ディベルヴィルで発生したヘリコプター墜落事故の犠牲者への追悼が続いている。CBCによると、9月26日の事故で4人が死亡し、犠牲者にはラジオパーソナリティのガブリエル・ジャスミン氏、パイロットのスザンヌ・ジュトラス氏らが含まれる。ジャスミン氏のパートナー、オセアン・ペロー氏はソーシャルメディアで「世界で最高の父親」と称え、母と弟も同時に失った悲しみを綴った。ジュトラス氏は地域の文化フェスティバルでヘリコプターツアーを定期的に提供しており、主催者は彼女を「過去3年間のお気に入りのパイロット」と追悼した。ケベック州警察は調査を終え、カナダ運輸安全委員会に引き継いだ。

さらにシンガポールでは、ジャーナリストのキルステン・ハン氏やテレビ俳優のリム・カイ・シュー氏、ネオ・スウィー・リン夫妻ら6人が、死刑廃止を求める公共集会に参加した罪で起訴された。SCMPが報じたところによると、彼らは2025年2月3日に州裁判所前で開かれた集会と、チャンギ刑務所前でのキャンドルライト・ビジルに参加した。リム氏とネオ氏は人気シットコム『プア・チュー・カン』に出演したことで知られ、リム氏はNetflixの『アバター:伝説の少年アン』で僧侶ギャツォ役を演じた。この起訴は、死刑制度をめぐるシンガポール国内の議論を再燃させるものだ。

これら3つの出来事は、いずれも2026年9月末の世界の動きを象徴する。マレーシアでは国を挙げての追悼が続き、シンガポールでは市民の政治参加が司法の場に持ち込まれ、カナダでは地域社会が突然の悲劇に揺れる。特にシティ・ハスマー博士の死去は、マレーシア政治史における一時代の終焉を意味し、その影響は今後も語り継がれるだろう。

ベン・グヴィル、獄中のハマス幹部に「お前を殺したい」と宣告 イスラエルとハマスの応酬激化

イスラエルのベン・グヴィル国家保安相が、獄中のハマス幹部ハッサン・サラーメに対面する動画を公開し、「お前を殺したい。お前を死なせたい」と死刑を宣告した。サラーメは1996年のエルサレムでのバス連続爆破事件を主導したとされる人物で、現在イスラエルの刑務所で複数の終身刑に服している。ベン・グヴィルは武装した覆面の警護に挟まれた状態でサラーメの前に立ち、自らが課した収監環境が彼の人生を「地獄」にしていると述べたうえで、死刑執行への意向を伝えた。

この動画をめぐっては、イスラエルとハマスの間で応酬が生じた。ハマスはこの「挑発的な動画」を、イスラエルによる「国際法のあからさまな違反」のさらなる証左だと非難しつつ、威嚇が囚人たちの決意を弱めることはないと強調した。ハマスは声明で、占領者の刑務所から囚人を解放するためあらゆる手段を尽くすと誓い、ベン・グヴィルら「ファシスト政権の指導者たち」の運命は歴史上の他の戦争犯罪者と同じになると述べた。

ベン・グヴィルは動画の投稿で、自身が国防相に就任すればサラーメのような囚人を「死に追いやる」とし、ガザとヨルダン川西岸からパレスチナ人を追い出す移民政策も推進すると付け加えた。イスラエルでは3月に、軍事法廷で裁かれるパレスチナ人の特定テロ事件に死刑を適用する法律がクネセト(議会)で可決されており、ベン・グヴィルはこの措置を積極的に後押ししてきた。彼は過去にも刑務所を訪れて囚人と対峙する動画を公開し、パレスチナ人収容者の待遇強化を訴えてきた経緯がある。

一方、中東ではイスラエル軍のレバノン南部への攻撃が続いている。停戦枠組みが合意されているにもかかわらず、アルジャジーラはビント・ジュベイル地区のティブニンとハリスの間でイスラエル軍が攻撃を行い、濃い煙が立ち上っていると報じた。また、イスラエルのアパッチヘリコプターがマヤファドゥーン近郊の商業施設を攻撃した。ガザでは夜明け以降のイスラエル軍の攻撃で少なくとも4人のパレスチナ人が死亡し、12人が負傷したとアルジャジーラが医療関係者の話として伝えた。

今回の報道では、イスラエル紙タイムズ・オブ・イスラエルとインドのメディアが、ベン・グヴィルの動画とサラーメの罪状、そして1996年の事件で45人が死亡したという事実を中心に伝えた。カタールのアルジャジーラと中東のメディアは、ハマスの反応とパレスチナ人の立場を強調し、イスラエルの政策への批判的な論調を強めている。各国メディアは、ベン・グヴィルがサラーメの前に立ったという事実認識では一致する一方、その意味づけでは、イスラエル側の「正義の執行」という見方と、パレスチナ側の「占領の象徴的な暴力」という見方に分かれている。また、マレーシアのニュー・ストレーツ・タイムズは、スマトラ島の火災由来の煙が南ジョホール州に煙霧をもたらしていると報じ、東南アジアの環境問題にも紙面を割いた。

香港、AI都市脳とグリーンボンドで都市統治と資金調達の新段階へ

香港政府は9月28日、4年物ユーロ建てデジタルグリーンボンドを発行し、最終価格ガイダンスをミッドスワップに11ベーシスポイント上乗せした水準に設定した。同債券は火曜日に決済され、年2回の固定クーポンを支払う。最終的な発行規模とクーポンは未定である。香港証券取引所への上場が計画され、調達資金は政府のグリーンボンド枠組みに基づき適格な環境プロジェクトの資金調達または借り換えに充てられる。債券は紙の証書ではなく電子的に記録され、HSBCのOrionデジタルプラットフォームを利用し、ユーロクリアやクリアストリームと連携する香港金融管理局の中央通貨市場部門を通じて決済される。香港の格付けはムーディーズがAa3、S&PがAA+、フィッチがAA-である。

一方、香港政府は都市統治の効率化を目指す「シティ・ブレイン」構想を推進している。このプラットフォームは、CCTVカメラ、追跡システム、スマートセンサー、政府データベース、ソーシャルメディア、モバイルアプリなど多様なソースからのリアルタイムデータを集中管理し、信号機の最適化、廃棄物管理、その他の都市統治の側面に活用することを約束する。政務司長の陳国基氏は、この構想が監視を目的としたものではないと説明し、「交通と都市環境の監視であり、個人や犯罪の監視、泥棒の捕獲ではない」と述べた。同氏は2026年第4四半期に発足するタスクフォースを統括する。この構想に対し、香港の独立系メディアHong Kong Free Pressの論説は、監視を超えて拡大する可能性を指摘し、衛生検査から徴税まで様々な公的権限が活用されてきた文脈で、新たな監視手段が政府に歓迎されない組織や個人に適用される可能性に言及した。

気候変動の影響も香港の都市統治に課題を突きつけている。香港天文台のデータによると、猛暑日(日最高気温33度以上)の年間平均は2000年代の13.4日から2020年代には50日以上に増加した。2021年と2023年には54日を記録した。熱帯夜(日最低気温28度以上)も増加し、2015年以降は年間平均46日となり、2021年には過去最多の61日を記録した。8月の平均気温は「平年値」とされる28.7度を過去10年間で頻繁に上回った。今年は9月21日時点で猛暑日が4日、8月末までに熱帯夜が35日観測された。また、今年の赤色暴雨警報は15回、黒色暴雨警報は3回発令され、ともに過去2番目の多さとなった。昨年は赤色16回、黒色5回でともに過去最多だった。

こうした気候変動と都市統治の課題に対し、香港政府はデジタル債券による資金調達とAI技術の活用という二つの新たなアプローチを打ち出した。グリーンボンドは環境プロジェクトへの資金供給を通じて持続可能な都市開発を支援し、シティ・ブレインはデータ駆動型の効率的な都市運営を目指す。香港経済は現在、実質賃金上昇率が1.1%にとどまるなど慎重な状況にあるが、香港人材管理学会の調査では2027年にインフレ調整前で2.9%の賃金上昇が見込まれている。AIと自動化の普及が労働需要の構造的再編を促し、熟練人材の獲得競争が激化する中で、政府の投資誘致と都市機能強化の取り組みは、長期的な競争力維持に向けた重要な布石となる。

パキスタン、対テロ強硬姿勢とSCO議長国外交を並行展開 印パ両国はアジア大会クリケット準決勝で対戦へ

インドのモディ首相は9月27日、ラジオ演説『マン・キ・バート』でパキスタンに対し強硬なメッセージを送った。2016年9月28〜29日の外科的攻撃から10周年を迎えるのを機に、バラコート空爆からシンドゥール作戦に至るまで、インドはテロに「ふさわしい報復」を与え続けてきたと強調した。インド紙『タイムズ・オブ・インディア』は、モディ政権の行動力がテロ支援の不処罰時代の終焉を証明したと報じている。

一方、パキスタンは上海協力機構(SCO)の議長国として外交の主導権を握ろうとしている。パキスタン外務省は9月28〜30日にイスラマバードでSCO国家調整官会合を開催すると発表した。議長国テーマは『ビジョンを行動に:連結性、革新、共有繁栄』で、インドもアロク・ディムリ氏を派遣する。インド紙は、モディ首相が来年の首脳会議に出席するかが焦点だと指摘するが、パキスタン紙『デイリー・タイムズ』は議長国としての役割遂行に焦点を当てる。

スポーツ面では、名古屋で開催中のアジア大会クリケットで印パ両国が準決勝進出を決めた。マレーシア紙『ニュー・ストレーツ・タイムズ』によると、両国の準々決勝は雨と水浸しのフィールドで無試合となり、シード上位の両国が勝ち上がった。アフガニスタンのモハマド・アクラム監督は「雨がすべてを台無しにした」と嘆き、インドの15歳の新星ヴァイバフ・スーリヤヴァンシのプレーを観られなかった観客も残念がった。

パキスタンとアフガニスタンの関係は緊張が続く。パキスタン情報省は、ヌリスタン州の内紛にパキスタン軍が関与したとするアフガニスタン・タリバン政権の主張を「根拠がなく虚偽だ」と公式に否定した。パキスタン紙は、タリバン政権が国内の不満を外に向けるための「作り話」だと断じ、対テロ行動の不履行を批判する。また、9月23日の無人機侵入と領空侵犯に対する抗議(デマルシュ)も伝えた。

気候変動では、パキスタン宇宙・大気圏研究委員会(スパルコ)が衛星画像で、未凍結の氷河湖が7月の40から8月には105に急増したと発表した。パキスタン紙は、グロフ(氷河湖決壊洪水)のリスク増大を警告し、カラコラム国際大学のカラマト・アリ博士は衛星観測だけでなく現地調査の必要性を訴えた。一方、デング熱対策では、パキスタンが季節対応から通年の国家行動計画への転換を求められている。世界保健機関(WHO)によると2024年は史上最悪のデング熱年で、パキスタンでも症例が30倍に増加した。連邦保健省と州政府の連携強化、国家データセンターの創設、シンガポールのプロジェクト・ウォルバキアの成功例(蚊の抑制率80〜90%)の導入が提言されている。

パキスタンは対テロ強硬姿勢とSCO議長国としての外交を並行して進める一方、アフガニスタンとの摩擦、気候変動と公衆衛生という国内課題に直面している。インドとの関係は、クリケットの準決勝で一時的に競争がスポーツに移るが、来年のSCO首脳会議でのモディ首相の出席が今後の関係を占う試金石となる。

経済 (Economy)

中米、600億ドル規模の関税相互引き下げで合意 貿易休戦は2027年1月まで延長

中国と米国は、玩具や家電、食肉、石炭、医療機器など幅広い品目を対象に、双方各300億ドル相当の関税を相互に引き下げることで合意した。中国商務省が9月28日に公表した詳細によると、対象品目の9割以上が、両国の国内手続き完了後、追加関税が撤廃され「最恵国」水準の税率に引き下げられる。この合意は、9月20日から23日までニューヨークとワシントンで開催された第8回中米経済貿易協議の成果の一つであり、両首脳の会談に先立ってまとめられた。

関税引き下げの内訳は、米国が玩具、家電、ベビー用品、食器、毛布、魔法瓶、釣具、クリスマス用品など中国製品77品目を対象とする一方、中国は牛肉、豚肉、鶏肉、魚介、乳製品、トウモロコシ、小麦、ソルガム、果物、野菜など米国農産品を中心に1619品目をリストアップした。中国のリストには、二国間貿易で最重要の農産品である大豆(食用の大豆粒)が含まれていないが、大豆の種子や大豆油、大豆ミールなどの派生品は対象となった。石炭やパーソナルケア用品、MRI装置、手術用ロボット、補聴器、ペースメーカーなどの医療機器も含まれる。

この関税パッケージは、新設された中米貿易理事会が最初の任務として管理する。同理事会には農業作業部会が設置され、年内に初会合が開かれる予定だ。また、中国商務省は同日、今月10日に期限を迎える予定だった貿易休戦を2027年1月10日まで延長することで米国と合意したと正式に確認した。この延長は、習近平国家主席の訪米中に米財務長官スコット・ベッセントが発表していたが、中国側が明示的に追認するのは初めてだった。

今回の発表を巡っては、各国メディアの論調に違いが見られる。アルゼンチン紙は関税引き下げの品目詳細と貿易理事会の設置を中心に、中米関係の「成果」として前向きに報じた。シンガポールのCNAは、休戦延長が「企業協力のための比較的安定した予測可能な政策環境」を生み出すという中国商務省の見解を紹介し、AI対話や航空便増便など幅広い合意事項を包括的に伝えた。一方、ベトナムのVNエクスプレスは、最大の輸入品目である大豆が関税引き下げリストから除外された点を強調し、市場が待ち望んでいた農産品分野の合意が完全なものではないと指摘した。中国の国有買い入れ企業が米国産大豆を1200万トン以上購入した一方、追加関税10%が民間搾油業者にとって依然として重荷であるとの貿易業者の懸念も伝えている。

この合意は、世界最大の二大経済大国間の貿易関係に一定の安定をもたらすものだ。特に、2027年から2028年にかけての米国産石炭輸入を可能にする石炭貿易合意や、外国金融機関の中国市場参入承認、AI分野の「インシデント」に関する通信チャネル設置など、経済関係の多面的な枠組みが構築された。しかし、大豆除外に見られるように、全ての貿易障壁が取り除かれたわけではなく、今後の交渉で解決すべき課題も残されている。休戦期間中の継続協議を通じて、より恒久的な「合意された解決策」に到達できるかが焦点となる。

金価格の急落とアジア大会の熱戦、世界経済とスポーツの最新動向

週明けの世界市場で金価格が急落した。インドのMCX金先物は2%超下落し、国際スポット金も1.5%安となった。バングラデシュでは国内金価格が再値下げされ、ロシアのCOMEX金先物は8月5日以来初めて1トロイオンス当たり4,250ドルを下回った。一方、愛知・名古屋アジア大会では、中国のヤン・ジーイーが女子やり投げで大会記録を更新する70.46メートルを投げて金メダルを獲得。韓国のカン・ジュンイはスケートボード男子ストリートで韓国初の金メダルを手にした。カザフスタンの競歩選手トクサンバエワは靴の規定違反で金メダルを剥奪され、中国のダンゼン・クゾンが繰り上がりで金メダルとなった。

金価格下落の主因は、米国債利回りの上昇と原油高だ。インドの経済紙『タイムズ・オブ・インディア』は、米10年債利回りが5.13%と2007年以来の高水準に達し、CMEフェドウォッチが示す10月末の米連邦準備理事会(FRB)による25ベーシスポイント利上げ確率が68.1%に上昇したと報じた。同紙は、原油高が金の安全資産としての魅力を上回り、FRBの追加引き締め観測を通じてドル高とイールドカーブのスティープ化を招き、金利を生まない金に逆風となっていると分析する。インドの専門家アシシュ・ラジョディヤ氏は、金の支持線を1グラム当たり1万4,800ルピーと1万4,600ルピー、抵抗線を1万5,250ルピーと1万5,500ルピーと指摘した。マノジ・クマール・ジャイン氏は、米イラン和平交渉の進展を待って新規ポジションを取るよう助言し、既存の買いポジションには金で1万4,960ルピー、銀で23万ルピーを下回ったら損切りするよう推奨した。

バングラデシュの『バングラデシュ・ジュエラーズ・アソシエーション(バジュス)』は、22カラット金を1グラム当たり185タカ値下げし、税込みで1万9,785タカとした。1ボリ(11.664グラム)当たりでは約23万770タカとなる。銀も値下げされ、22カラット銀は1グラム当たり385タカとなった。バジュスは、原材料価格の下落を反映した決定だと説明した。ロシアのタス通信は、COMEX金先物が1トロイオンス当たり4,246.2ドルまで下落し、その後4,251.7ドルに戻したと伝えた。インドとロシアの報道は、米国債利回りと原油高という共通の要因を挙げつつ、インドは国内市場の投機動向を、ロシアは国際商品市場の値動きをそれぞれ強調している。

アジア大会では、中国の18歳ヤン・ジーイーが女子やり投げで唯一の投てきとなる70.46メートルを記録し、日本のオリンピック王者・北口榛花を抑えて優勝した。ヤンは「最初の2投で結果を出す計画だったが、初投でその距離に達するとは思わなかった」と語った。タイのプリポル・ブーンソンは男子200メートルでアジア記録となる19.88秒をマークし、100メートルとの2冠を達成した。シンガポールのシャンティ・ペレイラは女子200メートルを制した。韓国のカン・ジュンイは、男子ストリート決勝で最終トリックを成功させ、合計180.85点で韓国初のスケートボード金メダルを獲得。彼は「自分だけのより難しい技を発明して世界に見せたい」と語り、コーチのシン・ジョンヒョク氏は「新時代の始まりだ」と評した。カザフのトクサンバエワは、日曜日の女子マラソン競歩で3時間22分20秒のトップでゴールしたが、靴の規定違反で記録が無効となり、中国のダンゼン・クゾンが金メダルに繰り上がった。韓国は金メダル21個を獲得し、最終週にアーチェリーとテコンドーでの追加獲得を狙う。

コモディティ価格高騰が世界経済に波及、ホンジュラス燃料11週連続値上げ・インド家電10月値上げ・台湾は据え置き

世界のコモディティ価格高騰が各国の物価に影響を及ぼしている。ホンジュラスでは燃料価格が11週連続で上昇し、インドでは10月1日から家電製品の値上げが相次ぐ。一方、台湾は政府の価格安定策により燃料価格を2週連続で据え置いた。中東情勢の緊迫化が原油・金属・輸送コストを押し上げ、世界経済に不確実性をもたらしている。

ホンジュラスでは、エネルギー省が9月28日からテグシガルパのプレミアムガソリンを1ガロン当たりL153.17(約5.70米ドル)に値上げした。これは11週連続の上昇となる。政府はレギュラーガソリンとディーゼルの値上げ分の補助率を65%から70%に引き上げたが、上昇を和らげるだけで止めるには至っていない。1月にはレギュラーガソリンがL89.53だったが、現在はL135.26まで上昇した。ディーゼルはL153.53、25ポンドの調理用ガスボンベはL249.62で据え置かれた。財務長官エミリオ・ヘルナンデス・エルキュレスは2027年もエネルギー・燃料補助金を継続する方針を示したが、2026年度予算のL6億8000万(約2500万米ドル)に対し、6月までにL8億6000万を支出済みで、年末にはL12億〜13億に達する見込みだ。インフレ率は8月に6.2%となり、中央銀行の目標4%を上回った。

インドでは、銅・鉄鋼・アルミニウム・原油派生品・輸送費の上昇を背景に、エアコン、テレビ、洗濯機などの家電価格が10月1日から5〜8%値上げされる。これは2026年で3回目の値上げとなる。ブルースターのB・ティアガラジャン取締役は、銅・鉄鋼・プラスチックの価格上昇を戦争の影響と指摘し、今年3回目の値上げだと述べた。ゴドレイのカマル・ナンディ氏は、コモディティ価格が前回改定から8〜10%上昇したため、業界全体の値上げは「不可避」だとし、5〜7%の値上げがブランドごとに10月か11月から実施されると語った。ただし、ディーラーが旧価格の在庫を抱えているため、ディワリ祭までは旧価格で購入できる可能性がある。ハイアールは10月1日からエアコンを約5%、テレビと洗濯機を2〜3%値上げする。同社インド社長のNS・サティッシュ氏は、銅価格が昨年の1トン当たり8000〜9000ドルから1万4500ドルに上昇したと指摘し、1月までに累計約15%の値上げを計画している。ダイキンは9月16日から8〜10%値上げ済みで、LGとボッシュ(日立ブランド)も約5%値上げした。トムソンなどのブランドを展開するスーパープラストロニクスは10月以降にテレビを約7%値上げする。インテックスはフェスティバル需要を支えるため当面は全面的な値上げを見送り、メモリーチップやエネルギー価格の上昇を吸収している。

インドの2つの報道を比較すると、タイムズ・オブ・インディア系の記事はコスト上昇と値上げの事実関係を淡々と伝える一方、別の記事はイラン戦争の影響を前面に押し出し、フェスティバルシーズンの買い物客への打撃を強調している。後者はブルースターのティアガラジャン氏が「戦争でコモディティ価格が上がっている」と述べたと報じ、輸送遅延(20〜30日)による供給網の混乱も指摘した。両記事とも値上げの事実とその理由(銅・鉄鋼・プラスチック・輸送費)では一致するが、前者は「第3回目の値上げ」という業界の動向に焦点を当て、後者は「戦争が消費者物価に与える影響」という観点から報じている。この差は、同じインド国内でも経済紙と一般紙で論調が異なることを示す。

台湾では、中油と台塑石化が9月28日からのガソリン・ディーゼル価格を2週連続で据え置いた。フーシ派によるサウジアラビアのヤンブー港付近への攻撃で紅海の原油輸送路への懸念が高まり、ブレント先物は0.43%上昇して1バレル当たり104.32ドル、WTIは3.82%下落して92.41ドルとなったが、政府の価格安定策により国内価格は据え置かれた。92、95、98オクタンのレギュラーガソリンはそれぞれ1リットル当たりNT$31.2、NT$32.7、NT$34.7、プレミアムディーゼルは中油がNT$29.9、台塑がNT$29.7を維持した。政府は隣接市場より低い価格を維持し、インフレ圧力を緩和する方針だ。

香港では、8月の民間住宅価格指数が前月比0.06%上昇し、ほぼ横ばいとなった。7月には16か月ぶりの下落(改定後0.8%減)を記録したが、株式市場の調整と中国本土の対外投資規制強化で住宅市場の勢いが衰えた。それでも年初来では7.0%上昇しており、本土の専門家需要の増加と供給過剰の緩和が市場を支えている。パキスタンでは、サルゴーダ県のキノウ(柑橘類)生産者会議が開かれ、生産者への適正価格と輸出促進策が協議された。キノウ栽培者協会コンビーナーのバリスター・モフシン・シャーナワズ・ランジハ氏は、シーズン前に生産者へ合理的な価格を保証する取り組みを進め、輸出の効果的な仕組みを開発中だと述べた。首相との協議も予定しており、サルゴーダの農業発展を優先課題と位置付けた。フィリピンではLPG価格が1キロ当たり3ペソ値下げされた後、10ペソ値上げの可能性が報じられている。

これらの動きは、中東の戦争とコモディティ価格の高騰が、燃料・家電・住宅・農産物など幅広い分野で各国の物価に影響を与えていることを示す。ホンジュラスとインドでは価格上昇が顕著で、政府の補助金や在庫が短期的な緩衝材となっている。台湾は価格安定策で国民負担を抑えているが、世界市場の高止まりが続けば、いずれ価格転嫁を迫られる可能性がある。各国の対応は補助金拡大、値上げ吸収、価格据え置きと分かれており、世界経済の不確実性が続く中で、政策の持続可能性が問われている。

アジア株式市場、原油高と米長期金利上昇でまちまち 韓国は半導体安で急落

2026年9月28日、アジアの株式市場は原油価格の再上昇と米国債利回りの高止まりを背景に、まちまちの展開となった。米国とイランのホルムズ海峡再開をめぐる協議の行方に不透明感が残るなか、ブレント先物は1バレル107.16ドルまで上昇し、今月の上昇率は約18%に達した。米国債30年物利回りは5.5173%と2004年以来の高水準近辺で推移し、2年物利回りも今月55ベーシスポイント急上昇した。こうした金利上昇は、AI投資拡大のための資金調達を進めるテクノロジー企業の借入コストを押し上げ、企業収益の評価にも圧力となっている。

市場の反応は国・地域で分かれた。韓国総合株価指数(KOSPI)は半導体大手の利益確定売りに押され、2.7%下落の6,889.74で取引を終えた。サムスン電子は5.43%安、SKハイニクスは5.05%安となり、外国人投資家と機関投資家がそれぞれ3兆2,000億ウォン、1兆ウォンの純売りを出した。一方、日本の日経平均はほぼ横ばい、中国の上海総合指数は1.9%下落して1年ぶり安値を付けた。中国では、米国議員が連邦政府のAIデータセンターに中国製部品の使用を禁じる法案を提出したことがハイテク株の重荷となった。シンガポールを拠点とする複数のメディアは、米国とイランの停戦への不透明感と米国債利回り上昇がアジア市場全体の重しとなっていると報じた。

マレーシアでは、米国債利回りの上昇と原油価格の反発を受けて国債が売られ、10年物利回りは週間で1〜4ベーシスポイント上昇して4%台に戻した。CIMB証券のエコノミストらは、9月30日の政府投資債(GII)償還と四半期末の資金需要を控え、銀行が流動性バッファーを積み増していると指摘した。インドでは、モティラル・オスワル・ウェルス・マネジメントがパール・グローバルとインデジーンを今週の有望株として推奨し、パール・グローバルは生産能力拡張計画を背景に14%の上昇余地があると分析した。市場全体では、米国の堅調な経済指標が企業収益への期待を支える一方、金利の高止まりが株式市場の上値を抑える構図が続いている。

社会 (Society)

南アフリカで相次ぐ銃乱射、2026年の大量殺人は196人に到達——組織犯罪と選挙前の移民排斥が交錯

南アフリカで週末、ヨハネスブルク近郊カールトンビルとケープタウン郊外ルワンドルの二つの銃乱射事件が発生し、合わせて27人が死亡、26人が負傷した。警察によれば、カールトンビルの酒場ではAK-47小銃と拳銃で武装した8人の男が客に発砲し、17人が死亡、15人が負傷した。数時間後のケープタウン郊外では、武装集団がパーティー参加者を襲撃し、10人が死亡、11人が負傷した。南アフリカ警察(SAPS)は容疑者8人を追跡している。

これらの事件は孤立したものではない。組織犯罪対策団体GI-TOCの上級顧問ジュリアン・ラデマイヤー氏は、2026年に入って南アフリカで41件の大量殺人が発生し、死者数は約196人に達したと指摘する。同氏は「過少報告があるため、実際はさらに多いと考えられる」と述べた。カールトンビル事件は、6月にヨハネスブルクで13人が死亡したジャンパーズ事件を上回り、2026年で最悪の大量殺人となった。動機についてラデマイヤー氏は、金鉱地帯であることから違法採掘、あるいは恐喝の可能性を挙げた。SAPSの四半期統計では全国の殺人件数が5.9%減少したが、組織犯罪とギャング暴力は依然として深刻である。

一方、南アフリカでは11月4日の地方選挙を前に移民排斥運動「マーチ・アンド・マーチ」が9月30日の期限を掲げ、難民・移民コミュニティに不安が広がっている。アルジャジーラの報道によれば、コンゴ民主共和国出身のラファエル・バヘブワ司教は「外国人を代表して発言したことで殺されると言われ、今は身を隠している」と語った。同氏は26年間南アフリカに住むが「今年はこれまでと違う」と述べる。運動側は「文書なき移民」の帰国を求め、外国人排斥ではないと主張するが、バヘブワ氏は「書類の有無に関係なく敵意の対象となる」と指摘する。政府は6月14日から8月20日までに86,596人を送還・帰国させたと発表した。マラウイ人が最多で、ジンバブエ、モザンビークが続く。政府は「市民が誰かを国外追放できるわけではない」と強調するが、期限に法的強制力がなくとも恐怖を生むとバヘブワ氏は指摘した。

南アフリカの報道各社は、銃乱射と移民問題をそれぞれ別の文脈で報じている。デイリー・マーベリックは組織犯罪の構造的問題(警察の人員不足、腐敗、軍事級武器)を強調し、アルジャジーラは移民コミュニティの「スケープゴート化」と選挙前の政治的緊張を前面に出す。前者は犯罪の経済的動機(違法採掘・恐喝)に、後者は外国人排斥の政治性に焦点を当てる。この対比は、南アフリカ社会が抱える複合的な課題——組織犯罪と移民排斥——が同時に噴出したことを示す。

ドイツ高速道路管理の最前線、250トン塩散布機と特殊車両群が支えるインフラ維持

ドイツのヘッセン州ディーデンベルゲンにある連邦高速道路管理事務所は、設立から60年を迎えた。かつては2人だけの補助事務所だったが、A3、A66、A643、A648の計150キロメートル超を管轄する拠点へ成長した。管轄区域には28のインターチェンジ、4つのジャンクション、3つのトライアングル、380の構造物が含まれ、橋梁の定期点検には高所作業車が用いられる。

事務所が誇るのは「動物園」と評される特殊車両群だ。巡回作業車はネジや塗料、簡易補修材を積んだ移動工房であり、刈り取りユニット「マンフレート」は中央分離帯の刈り草を吸引する。トンネル洗浄用の「シュテファン」は6000リットルの水を搭載し、回転ブラシで排気ガス由来の汚れを除去する。最高額のブーファー製大型清掃車は86万ユーロで、5000リットルの水と8立方メートルの塵芥を回収できる。

作業は交通量の少ない夜間が中心で、移動式遮断板は毎年誰かが衝突するという。冬季の道路管理では、最大3500トンの塩を貯蔵する「塩の大聖堂」が重要な役割を担う。通常の冬季消費量は約1000トンで、現在は1トン80ユーロだが、シーズン中は110ユーロに上昇する見込みだ。250トンの塩を収容する大型散布機は、散布車を5分で満載にする。環境負荷を抑えるため、塩の90パーセントは液体のソレとして散布され、数日間にわたり効果が持続する。

事務所長のフロリアン・ギュンター氏は、この仕事を「職業というより天職」と表現し、慢性的な人手不足に直面している。41の定員に対し29人が在籍し、2人の見習いを育成中だ。回収された廃棄物には亜酸化窒素ガスボンベが含まれ、1本の処理に125ユーロかかる。ドイツの高速道路インフラを支える現場の実態が、多様な車両と課題とともに浮き彫りになった。

葬儀で知る父の知られざる素顔、世界の事件を横断報道

アルゼンチンで52歳の男性が父親の葬儀で、その知られざる一面を知った。葬儀後の会食で父の元同僚たちが語ったのは、オフィスでの冗談や若手社員への気遣いだった。男性は「50年間父として知っていたが、彼らは私が知らなかった全く別の人物を知っていた」と語った。この経験は、人が場面ごとに異なる顔を持つことへの気づきとなり、父の記憶を新たな形で捉え直す契機となった。

一方、アルゼンチンでは22歳の若者がダンスクラブの外での喧嘩で石を頭に受けて死亡した。エセイサで起きた事件で、警察は3人を逮捕し、死因となった打撃を与えた人物の特定を進めている。

韓国では、60代の男が食料を盗んでいた旧知の知人を襲い、現金を奪った罪で懲役4年の判決を受けた。裁判所は「15年間の信頼を裏切った」と述べた。

マレーシアでは、16歳の男子生徒が15歳の恋人をレイプした罪を認めた。また、ロティ・チャナイ職人の37歳の男が5歳の姪を殺害した罪で起訴され、80歳の元軍人が自宅火災で死亡した。さらに、警察署の門を開けていた警官を男がナイフで刺そうとする事件も発生した。

南アフリカでは、リンポポ州の警察軍曹が32歳の男性を射殺し、14歳の少女をレイプした後に自殺した。また、13歳の少年が祖父の拳銃を携帯していたところを逮捕された。

エスコムの会長ムテト・ニャティの再任をめぐり、南アフリカでは黒人リーダーシップに対する評価をめぐる議論が起きている。エスコムの業績改善は黒人経営陣の功績とされず、外部要因に帰属される傾向があると指摘されている。

文化 (Culture)

MTVビデオ・ミュージック・アウォーズ2026、テイラー・スウィフトが歴代最多受賞記録を更新しマドンナが最多7部門を受賞

2026年9月27日(日)、ロサンゼルスのピーコック・シアターで開催されたMTVビデオ・ミュージック・アウォーズ(VMAs)で、テイラー・スウィフト(36歳)が歴代最多受賞者となった。スウィフトはビヨンセと並ぶ通算30部門から、今回3部門を追加し通算33部門に到達。年間最優秀ビデオ賞を「The Fate of Ophelia」で獲得し、8月に死去したドリー・パートンに捧げた。また、新設されたアーティスト・ディレクター・オナーズ賞の初代受賞者となり、新曲「Patient Zero」のミュージックビデオを同式典で世界初公開した。

一方、マドンナ(68歳)は年間最優秀アーティスト賞を含む7部門を獲得し、最多受賞者となった。マドンナは23年ぶりにVMAsのステージに立ち、サブリナ・カーペンターとシャーリー・XCXを迎えてパフォーマンスを披露した。英紙テレグラフはマドンナが「18ヶ月間、自分自身を見つめ直し、作りたい音楽を作ってきた」と語ったと報じている。韓国メディアは、BTSが今年のVMAsでノミネートされた3部門(年間最優秀曲「Swim」、ベストK-POP、ベストグループ)を総なめにし、K-POPグループとして初の年間最優秀曲受賞を果たしたと強調した。また、BLACKPINKのリサはソロ曲「Dream」でベスト・ポップ賞を受賞し、K-POPソロアーティストとして初の快挙となった。

各国メディアの論調には差異が見られた。アルゼンチン紙はスウィフトの記録更新とドリー・パートンへの追悼に焦点を当て、ドイツのFAZ紙はマドンナの7部門受賞を「マドンナが席巻した」と表現した。英BBCは両者の受賞を並列的に報じ、米ロイターはリサの受賞を「涙を浮かべてファンに感謝した」と感情面を描写した。韓国ヘラルドはBTSとリサの快挙を自国アーティストの成功として詳細に伝える一方、スペインのエル・パイス紙はスウィフトの監督としての手腕と「Patient Zero」の映像表現に紙面を割いた。ニルヴァーナがビデオ・ヴァンガード賞を受賞したこと、スヌープ・ドッグが司会を務めたことは全メディアが一致して報じている。

スポーツ (Sports)

米国がプレジデンツカップ11連覇、トランプ大統領に勝利捧げる

米国チームが27日、シカゴ郊外のメダイナー・カントリークラブで行われたプレジデンツカップ最終日にインターナショナルチームを17-13で下し、11連覇を達成した。決定的な勝ち点はジェイコブ・ブリッジマンがオーストラリアのミヌ・ウー・リーを1アップで破って獲得したもので、米国は最終日開始時点で10.5-7.5と劣勢に立たされていた。

米国キャプテンのブラント・スネデカーは「このチームを本当に誇りに思う。全員が互いのために、この国のために、このチームのために戦った」と語った。スネデカーはまた、最終日にコースを訪れたドナルド・トランプ米大統領に勝利の功績を帰し、「彼は今日、君たちにエネルギーをもたらすと言っていた。そして勝てたら彼がすべての功績を得ると伝えていた。ありがとう、トランプ大統領」と述べた。

米国は12のシングルスマッチで8ポイントを必要としており、キャメロン・ヤング、ジャスティン・トーマス、スコッティ・シェフラー、クリス・ゴタープ、コリン・モリカワ、パトリック・カントレー、ジャクソン・コイブンの勝利がブリッジマンの決定的なポイントへの布石となった。カントレーは16番グリーン外から57フィートのパットを沈める圧巻のプレーを見せ、モリカワは松山英樹との激戦を制して米国を13.5-12.5とリードさせた。

インターナショナルチームは1998年以来の優勝に迫っていたが、韓国のトム・キムとイム・ソンジェの早期の勝利で勢いづいたものの、その後はパットに苦しみ逆転を許した。キャプテンのジェフ・オギルビーは「一日中、綱渡りのような展開だった。米国でシングルスで米国に勝つのは非常に難しい。彼らは皆、素晴らしいプレーをした」と振り返った。

この勝利は、世界ランキング上位11人のうち8人を擁する米国にとって、2012年のライダーカップで欧州が「メダイナの奇跡」を演じた同じコースでの快挙となった。スネデカーは「昨夜、ここでは面白いことが起こると言った。メダイナには面白いことが起こる歴史がある。そして彼らは出て行って全力を尽くした」と語った。

なお、この大会の結果は、マレーシア、シンガポール、南アフリカ、英国などの各メディアが報じており、特にトランプ大統領の功績に言及する点で米国メディアと他のメディアの間に論調の差が見られる。英国紙ガーディアンはトランプ氏が昨年のライダーカップ敗戦に続き、ワールドカップ決勝やNBAファイナルなど2026年のスポーツ観戦リストにこの大会を加えたと報じた。

愛知・名古屋アジア大会、雨中で日程混乱も競技は続行 インド勢はクルシュ銅メダル獲得、マレーシアは金メダル目標を上方修正

第20回アジア競技大会(愛知・名古屋2026)は9月28日、大会9日目を迎えた。インドのピンキー・バルハラは女子クルシュ78kg級で銅メダルを獲得し、2018年ジャカルタ大会の銀メダルに続く2つ目のアジア大会メダルとなった。準決勝で韓国のモ・スミンに0-5で敗れたが、準々決勝では韓国のカラム・リムに3-0で勝利していた。バルハラのメダルにより、インドのクルシュ競技におけるアジア大会メダルは通算3個目となった。また、インド勢の大会通算メダル数は金4、銀17、銅18の計39個に達した。

一方、マレーシアは目標を上方修正した。青年・スポーツ相タウフィク・ジョハリは、既に6個の金メダル目標を達成したとして、最終的に9個以上の金メダル獲得を目指すと表明した。マレーシアのアジア大会での過去最高は2010年広州大会の金9個であり、それを超えれば「マレーシアスポーツ史の新たな章」となると述べた。現在のマレーシアの獲得メダルは金6、銀2、銅9である。金メダルの内訳は空手2、スカッシュ2、eスポーツ1、セパタクロー1。マレーシアはバドミントン女子ダブルスのペアリィ・タン-ティナア組が準決勝で中国の劉聖書-譚寧組に1-2で敗れ、銅メダルに終わった。試合後、ペアリィは「重要なポイントで冷静さを欠いた」と敗因を語った。一方、同国の男子ホッケー代表は中国を5-0で下し、グループBを全勝で首位通過して準決勝に進出した。

大会全体では、中国が金122、銀51、銅41でメダル表をリードし、日本が金39、銀64、銅60で2位、韓国が金21、銀23、銅41で3位につけている。一方、天候が大会運営に影響を与えている。名古屋郊外の競技場では、男子クリケット準々決勝のパキスタン-香港戦とインド-アフガニスタン戦が雨天のため中止となり、ランキング上位のパキスタンとインドが準決勝に進出した。アフガニスタンは3年前の杭州大会決勝でも雨で金メダルを逃しており、今回も悔しい結果となった。テニスやサーフィンも影響を受け、サーフィンは競技が早めに打ち切られた。台風スリゲイが沖縄県を通過し、週半ばには東日本へ接近する見込みで、さらなる日程混乱が懸念される。大会は10月4日まで開催される。

インドのバドミントン選手シンドゥも、18時間で3試合を戦う過密日程に不満を表明した。準々決勝で中国の陳雨菲に敗れた後、SNSで「3試合を18時間で戦い、午前3時に戻り、午前8時半に再び出た。それが堪えた」と綴った。同国のH.S.プラノイも「4年に一度の大会で1日に2試合は残酷だ」と同調した。シンガポールのロー・キエンイェウは男子シングルス準決勝で韓国のユ・テビンに2-1で勝利し、シンガポール勢初のアジア大会バドミントン決勝進出を果たした。決勝ではタイのクンラブット・ビティッサーンと対戦する。台湾の傅兆玄は男子走高跳で2m25を記録し、60年ぶりとなる台湾男子のアジア大会陸上金メダルを獲得した。野球では台湾が中国を5-1で下し銅メダルを獲得した。

パキスタン勢は、男子バレーボールがカザフスタンに3-1で勝利し、スカッシュ男子シングルスでヌール・ザマンとモハマド・アシャブ・イルファンが銅メダルを獲得した。同国のアーシャド・ナディームとヤシル・スルタンは男子やり投げ決勝に出場する。一方、タイのバンコクでは週末に1ヶ月分の降雨量を超える大雨が降り、道路や住宅が浸水し、政府機関の閉鎖や経済統計の発表延期を余儀なくされた。マレーシアのポス・バラルでも大雨による道路崩落で集落へのアクセスが遮断された。

各国メディアの報道を比較すると、インド紙『タイムズ・オブ・インディア』は自国選手のメダル獲得と、ネーラジ・チョプラの負傷交代でアジア大会出場が決まったヤシュビル・シンのエピソードを詳細に報じ、個人の活躍に焦点を当てた。マレーシア紙『ニュー・ストレーツ・タイムズ』は自国の金メダル目標達成とメダル獲得状況を強調し、政府高官の発言を前面に押し出した。パキスタン紙『デイリー・タイムズ』はバレーボール勝利とスカッシュ銅メダル、やり投げ決勝への期待を報じ、自国選手の健闘を伝えた。台湾紙『タイペイ・タイムズ』は走高跳の歴史的金メダルと野球銅メダルを、台湾のスポーツ史における画期的な出来事として位置づけた。シンガポール紙『CNA』はロー・キエンイェウの決勝進出を「シンガポール初の快挙」と強調した。一方、大会運営の混乱については、マレーシア紙と日本紙『ジャパン・タイムズ』が天候による日程変更の詳細を報じ、インド紙はバドミントン選手の過密日程への不満を伝えるなど、各国メディアが自国の関心事に沿って報道した。共通する事実認識は、中国がメダル表をリードし、天候が競技日程に影響を与えていることである。

マクナルティ、モントリオール世界選手権で米国勢33年ぶり金 ミストラルAIは欧州の希望か

自転車ロードレース世界選手権モントリオール大会で、アメリカのブランドン・マクナルティが男子個人ロードレースを制し、1993年のランス・アームストロング以来33年ぶりとなるアメリカ人チャンピオンとなった。28歳のマクナルティは273.4kmを6時間17分で走破。残り約30kmで単独で抜け出し、追走集団に13秒差をつけて優勝した。2位にはオーストラリアのマイケル・マシューズ、3位には元世界王者のマチュー・ファン・デル・プールが入った。スペイン紙エル・パイスは、マクナルティの勝利を「偉大なチャンピオンのように単独で勝った」と評し、残り33kmでのアタックが「最も賢明で計算された動き」だったと強調した。一方、英紙ガーディアンはマクナルティ自身の「奇跡が起きた」という言葉を引用し、レース終盤の追走集団の機能不全を勝因として分析した。

レースは序盤から波乱に満ちた展開となった。フランスのトーマス・ヴォークレール監督がブルーノ・アルミライユに牽引を命じ、ファン・デル・プールを疲れさせる戦略を取ったが、ファン・デル・プールは残り90kmで自らアタック。ワウト・ファン・アールト、プリモシュ・ログリッチ、クイン・シモンズらと強力な逃げ集団を形成した。しかし、この動きに同調したベルギー勢の戦術混乱が響き、優勝候補のレムコ・エヴェネプールは度重なる位置取りミスで後退。最終的に12位に終わった。英紙BBCは、追走集団がマクナルティを捕まえられなかった理由として、トム・ピドコックやベン・ヒーリーらが攻撃的だったものの、各選手が協調しなかった点を挙げている。

マクナルティの勝利は、UAEチームのチームメートであるタデイ・ポガチャルの後継者としての地位を確立するものとなった。ポガチャルは今大会を負傷で欠場しており、マクナルティはその不在を埋める形で世界王者の座に就いた。マシューズは2位に入り、肺塞栓症や両腕骨折からの復帰を「言葉にできない」と語った。一方、スロバキアは主力3選手の欠場により、チームマッサージャーのウラジミール・コヴァチク(28歳)が急遽出場するという異例の事態となった。コヴァチクは2017年以来のレース出場で、32位でフィニッシュした。また、AI分野では、フランスのミストラルAIが欧州の希望として注目されている。創業者のアルチュール・メンシュ氏は2024年初頭に世界最高のオープン言語モデルを投入すると約束したが、その成否が問われている。

コーリがODI通算1万5000点到達、インドが西インド諸島に8ウィケット勝利

インドのビラット・コーリが日曜日、西インド諸島とのODIシリーズ初戦で無敗139点を記録し、ODI通算1万5000点を達成した。これはサチン・テンドルカールに次ぐ史上2人目の快挙であり、インドは8ウィケット差で圧勝した。コーリは88球で9本の6打点を含む139点を記録し、シャブマン・ギル(110点)との2ウィケットで151点のパートナーシップを築いた。インドは296点の目標を50球残しで達成し、3連戦で1-0とリードした。コーリは「マイルストーンに焦点を当てたことはない。チームのために仕事をすることだけだ」と語った。

コーリは303イニングで1万5000点に到達し、テンドルカールの377イニングを大きく上回る速さだった。テンドルカールは通算1万8426点で引退している。コーリのODI通算100点は54本で、テンドルカールの49本を上回る歴代最多記録だ。インドのギル主将はコーリについて「彼は自由にプレーしており、クリケットを楽しんでいる。彼のような選手はそのままにしておくのが最善だ」と評した。一方、西インド諸島はジャスティン・グリーブスの101点とジョン・キャンベルの62点で295-7と健闘したが、クルディープ・ヤダフが4-40の好投で流れを変えた。

この勝利は2027年ワールドカップに向けたインドの準備の一環であり、コーリは「ワールドカップまで1年ある。自分の目標は明確だ」と語った。コーリは2027年大会が最後のワールドカップになると表明している。複数のメディアが報じたように、コーリの記録達成はインド国内で大きく称賛され、今後のシリーズでも注目が集まる。