The Morning Star Observer

2026年09月26日 土曜日朝刊 (Morning Edition)ArchiveAbout

トランプ氏と習氏、首脳会談を終了 儀礼優先で実質的成果は限定的

ドナルド・トランプ米大統領と習近平中国国家主席は9月25日、ホワイトハウスでの茶会と国立公文書館の見学をもって、3日間の国賓訪問を締めくくった。両首脳は世界最大の二大経済大国の関係について「戦略的安定」を謳い、年内にAPEC(中国・深セン)とG20(米国・マイアミ)で再会合を持つことで合意した。しかし、通商・人工知能(AI)・台湾・イラン戦争など懸案の多くで具体的な合意は発表されず、華やかな儀礼が実質を上回る首脳会談となった。

会談の最大の成果は、2025年秋に締結された関税休戦の2か月延長(2027年1月10日まで)だった。米通商代表のジェイミソン・グリアーはCNBCに対し、月曜日に交渉結果の詳細を公表すると述べ、農産品や医療機器の対中輸出、消費財などの対米輸入で一部の重要品目を関税紛争から除外することで合意したと明らかにした。一方、AIをめぐってはトランプ氏が規制に慎重な姿勢を維持し「そのままにしておく」と主張したのに対し、習氏は「人間の管理下に置く」ことを強調し、両首脳のアプローチの違いが浮き彫りとなった。台湾問題では、習氏が米国に対し「台湾独立に反対するという正しい立場を堅持する」よう求めた。これは従来の「支持しない」という表現からさらに踏み込んだもので、台北側は中国が「事実を歪曲している」と反発した。

視点比較では、欧米メディア(ロイター、ガーディアン、NPR、DWなど)は「儀礼過多・実質乏しい」という評価で概ね一致し、トランプ氏の習氏への異例の歓待を「個人外交」と分析した。一方、中国国営メディア(新華社、CGTN)は「戦略的安定」の構築と「パートナーとしての共存」を前面に押し出し、米中首脳の相互信頼を強調した。台湾メディア(台北タイムズ)は、習氏の「反対」という文言がもたらす戦略的曖昧さの後退を警戒し、台湾外務省の反論を詳報した。また、アルジャジーラはグローバルサウス諸国の視点から、米国が戦争当事者である一方で中国が「戦わない調停者」としての立場を確保したと分析した。国賓晩餐会には米国のテック企業首脳(イーロン・マスク、ジェフ・ベゾス、ティム・クックら)が出席した一方、中国の企業経営者はほぼ不在で、その非対称性が両国のビジネス関係の停滞を象徴するものとして注目された。

今回の首脳会談は、通商戦争の一時休戦とパンダ外交という限定的な成果にとどまった。しかし、年内に予定されるAPEC・G20での再会合を含め、両首脳が対話の枠組みを維持したことは、世界経済と国際安全保障の安定に一定の役割を果たすとみられる。特に台湾問題とAI規制をめぐる隔たりは依然として大きく、今後の交渉の行方が両国関係の長期的な安定性を左右する。

マンチェスター・シティ有罪判決と欧州サッカー界の新展開—各国メディアの論調比較

マンチェスター・シティがプレミアリーグの財務規則違反で115件中114件の有罪判決を受けた。独立委員会の判決は9月25日に複数のメディアが報じたもので、制裁は未決定ながら、勝ち点剥奪やタイトル剥奪、最悪の場合プレミアリーグからの追放もあり得る。クラブは控訴する見込みだ。この判決を巡っては、各国メディアが異なる側面を強調している。英国の『The Athletic』と『The Times』は判決の詳細と法的プロセスを重視し、BBCはタイムラインと控訴の可能性を詳述した。スペインの『El País』は2009年から2018年までの違反内容、特に当時監督だったロベルト・マンチーニへの支払い問題に焦点を当てた。フランスの『France24』は114件の有罪と制裁の可能性を簡潔に報じ、ドイツの『FAZ』は114件の有罪と制裁の選択肢を列挙した。インドの『Times of India』はアーリング・ハーランドの所属クラブとしての影響を強調し、カタールの『Al Jazeera』は判決に至るまでの詳細な年表を提供した。一方、イスラエルの『The Times of Israel』はUAE所有クラブとしての立場を強調した。

サッカー界では他にも動きがあった。フランス代表はジネディーヌ・ジダン監督のデビュー戦として、トルコのイズミットでネーションズリーグのトルコ戦に臨んだ。イタリア代表はロベルト・マンチーニ監督の下でベルギー戦に挑み、ワールドカップ不出場の悔しさを払拭しようとしている。また、FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長が進めたワールドカップの株式売却計画が頓挫したことを受け、プレミアリーグとスペイン、イタリア、ドイツの主要リーグがFIFAのガバナンス改革を共同で要求した。イングランド・フットボールリーグ(EFL)はプレミアリーグに対し、5年間で10億ポンドの支払いを求めていると『Sky News』が報じた。

サッカー以外では、カナダのケベックシティ在住の45歳の男性オスマン・バーが、マーク・カーニー首相を殺すと脅した罪と憎悪促進の罪で起訴された。スペインのリェイダ市は公共空間でのブルカとニカブの着用を禁じる条例を可決した。グラスゴー市議会は同一賃金問題をめぐり、2万3000人以上の職員を解雇して再雇用する計画を発表し、労働組合が反発した。シンガポールでは死刑囚のためのろうそく集会に参加した32歳の男性が、無許可集会の罪で起訴された。

マンチェスター・シティの判決は、欧州サッカーの財政規律に大きな影響を与える。勝ち点剥奪やタイトル剥奪が実現すれば、過去の優勝記録やライバルクラブの補償請求に波及する可能性がある。クラブは「プレミアリーグのプロセスは継続中だ」と声明を出し、控訴の構えを見せている。この長期化した訴訟の行方は、イングランドサッカーの将来を左右するだろう。

イラン、ホルムズ海峡7日間再開案を米国に提示 中国の支援巡り米中首脳が協議

イランが米国に対し、ホルムズ海峡を7日以内に再開し、核協議を再開するという新たな和平案を提示した。アッバース・アラグチ外相が国連総会の場で明らかにしたもので、米国による海上封鎖の解除、凍結資産の解放、石油制裁の免除などが条件となる。一方、トランプ大統領は訪米中の習近平国家主席とイラン戦争について協議し、中国のイラン支援を「完全に容認できない」と警告した。中東和平を巡る外交攻防が新たな局面を迎えている。

アラグチ外相はニューヨークで開かれた国連総会の傍らで、米国特使スティーブ・ウィットコフと協議し、7日間の停戦と海峡再開を含む計画を伝達した。この計画は6月に両国が署名した覚書(MoU)の内容を加速させるもので、全戦線での戦闘停止(レバノンを含む)、イラン凍結資産(少なくとも120億ドル)の解放、イラン産石油への制裁免除、米国による海上封鎖の解除を米国側に求める。7日目にイランが海峡を再開し、その後、核問題をめぐる協議が開始されるという段取りだ。アラグチ外相は「条件が満たされれば、海峡は7日以内に開かれ、協議が始まる」と述べ、中国がこの提案を支持していると強調した。革命防衛隊のスポークスマン、ホセイン・モヘビはイエメンでの戦闘終結も条件に含まれると述べた。

この提案を巡っては、各国メディアの論調に差異が見られる。英紙ガーディアンは、トランプ大統領が11月の中間選挙前に海峡を再開させることで政治的な利益を得られる一方、ネタニヤフ首相にレバノンでの攻撃停止を命じるという難しい決断を迫られると分析する。カタールのアルジャジーラは、米国が核問題を協議のパッケージとして一括で扱いたいのに対し、イランは海峡再開を優先し、核協議を後回しにしたいという立場の違いを指摘する。イランのメディア(ジャヴァン紙、ドニヤー・エ・エクテサード紙など)は、中国との「航空回廊」構想や、中国を新たな仲介者として受け入れる動きを積極的に報じ、米国の一方的な制裁に中国が対抗する構図を強調する。一方、イスラエルのタイムズ・オブ・イスラエルは、イランが欧州の「内政干渉」に反発しつつ、英国のミリバンド外相との会談で英国領土内のイラン系組織による脅威への不寛容を伝えたと報じた。

トランプ大統領は25日、訪米中の習近平国家主席とイラン戦争について協議したことを明らかにした。駐中国大使デービッド・パーデューはCNBCのインタビューで、トランプ氏が習氏に対し、中国によるイランへの直接的・間接的な支援(情報、部品、軍事装備)は「完全に容認できない」と改めて伝えたと述べた。パーデュー氏は、両首脳が「ある程度の信頼関係」を築きつつあると評価し、ホワイトハウスでの会談は「率直で開かれたものだった」と語った。一方、中国の国営通信・新華社は、習氏がトランプ氏に対し、イランと米国が和平合意に戻ることを支持すると伝えたと報じた。米中間では貿易や人工知能をめぐる具体的な進展は報告されていないが、両首脳は中東、ウクライナ、朝鮮半島情勢について90分間の非公開会談を行った。トランプ氏はソーシャルメディアで「実りある会談だった」と評した。

イランはまた、米国の新たな制裁に伴う航空便制限に対抗する構えを見せている。最高指導者モジタバ・ハメネイ師の上級顧問モハンマド・モフベルは、イランの航空会社が飛行や空港サービスを拒否されれば「地域のどの国もその恩恵を受けられない」とXに投稿し、「地域の飛行は全員に自由か、誰にも自由かのどちらかだ」と強調した。米財務省は9月8日、イランの航空会社27社に制裁を科し、これらにサービスを提供する世界的企業がドル決済システムから締め出されると警告していた。これを受け、イラクのナジャフ、アルビル、スレイマニヤの各空港やアラブ首長国連邦(UAE)、オマーン、アゼルバイジャン、トルクメニスタン、カタール、ジョージアがイラン便の運航を停止した。イランの最高国家安全保障会議書記モフセン・レザイー将軍は、米国が「4、5日以内」に7つの条件を満たすべきだとし、さもなければイランが「次の一手」を決めると警告した。

このイランの提案は、6月に成立した覚書(MoU)の枠組みを踏襲しつつ、その履行を大幅に加速させるものだ。6月の合意では60日間の暫定期間が設けられていたが、イランが海峡で船舶への攻撃を再開したことで崩壊した。今回の提案では、米国が中間選挙前に成果を挙げたいという思惑と、イランが経済的圧力から解放されたいという思惑が交差する。アナリストのトリタ・パルシ氏(クインシー研究所)は、トランプ氏が中間選挙前に政治的利益を得られると判断すれば「前例のない柔軟性」を見せるかもしれないと指摘する一方、両国間の「深い不信感」が残ると警告する。イラン国内では、ペゼシュキアン大統領やアラグチ外相の外交路線を「弱腰」と批判する強硬派も存在し、議会議長のモハンマド・バゲル・ガリバフ氏は「戦争を語るが展望を示さない」一派と「国力を過小評価する」一派の対立を認めた。サウジアラビアは、イランとオマーンの二国間で決められた海峡の新航路に湾岸諸国が共同署名者として加わっていないことに懸念を示し、フーシ派の紅海での攻勢も加わって、合意への懐疑的な見方を強めている。

レオ14世、フランス訪問でAIと終末期医療に警告 トランプ政権の記者締め出しにも言及

ローマ教皇レオ14世は9月25日、4日間の日程でフランスを訪問し、パリ郊外のオルリー空港に到着した。18年ぶりとなる教皇の公式国賓訪問で、エマニュエル・マクロン大統領夫妻が空港で出迎えた。フランス全土の教会の鐘が7分間鳴り響く中、教皇はエリゼ宮でマクロン大統領と会談し、人工知能(AI)がもたらす「機械の楽園」の中で人間性を失うことへの警告を発した。

レオ14世はエリゼ宮での演説で、「日々の生活に侵入し条件付けている『機械の楽園』の中で人間性を失わないためには、倫理的識別のための教育が緊急に必要だ」と述べた。教皇はAIを人類最大の課題の一つと位置づけ、5月に発表した最初の回勅『Magnifica Humanitas』で強力な規制を訴えている。また、フランスで7月に成立した安楽死法について、死を「計画された死の提案」と批判し、「生命への権利の保護は、他のすべての人権の不可欠な基盤を構成する」と強調した。さらに、核抑止論は「誤り」だとして、新たな軍拡競争を招いていると指摘した。

一方、機内でCNN記者からトランプ政権がCNN、MS NOW、Politicoのホワイトハウス取材を拒否している件について質問された教皇は、「ここでは皆さんが歓迎されることをとても嬉しく思う」と述べ、報道の自由を支持した。教皇はまた、先月スペインからの帰路でチャーター機が故障し、単独でローマに戻った際に記者たちと機内会見ができなかったことについて、機内の記者団に直接謝罪した。

フランス訪問は、2027年4月の大統領選挙を7ヶ月後に控え、極右のマリーヌ・ル・ペン氏が世論調査でリードする中で行われた。教皇は「真に自由な社会」が「権威主義的傾向」を防ぐと述べ、多様性と宗教的自由を擁護した。フランスの政教分離原則(ライシテ)についても、「正しいライシテは宗教を公共空間から排除することを意味しない」と述べ、マクロン大統領の「フランスのライシテは宗教の否定ではない」という発言と呼応した。

教皇はその後、ユネスコ本部を訪問し、多国間主義の重要性を訴えた。アメリカは2025年にユネスコを離脱しており、同機関は予算不足に直面している。パリ中心部では教皇のパパモビールによる移動に数十万人が沿道に詰めかけ、ノートルダム大聖堂では2019年の火災後、教皇として初めての訪問となった。夕方にはサンドニのスタッド・ド・フランスで17〜35歳の若者8万人を集めた祈りの集いが行われた。

今回の訪問では、フランスのメディアが「パパマニア」と称するほどの熱狂が広がった。ドイツ紙『FAZ』は、フランスのライシテの伝統と教皇の「正しいライシテ」論の対比を強調し、マクロン大統領が教皇の3つのミサに出席しないと発表したことを報じた。一方、カナダのCBCはAIと核兵器の脅威に焦点を当て、教皇の「機械の楽園」警告を詳細に伝えた。シンガポールのCNAは、教皇のAI規制への訴えとフランスの世俗国家としての特徴を対比させ、フランスのカトリック離れ(18〜49歳の25%のみがカトリックと自認)の統計を紹介した。米国NPRは、マクロン大統領の任期終盤の訪問としての位置づけを分析し、教皇の支持率低下と人気の関係を指摘した。欧州メディア(POLITICO)は、教皇の多様性と対話の呼びかけを、フランス大統領選挙を控えたポピュリズム勢力への暗黙の批判として解釈した。

教皇は今後、ルルドで教会内の性的虐待の被害者7人と会い、メスで「平和と統一のためのヨーロッパの根源」と題する演説を行う予定だ。フランスでは2021年の報告書で33万人の子どもが聖職者らから虐待を受けたとされ、教会の信頼回復が課題となっている。教皇の訪問は、フランスのカトリック教会にとって、AI時代の人間性と生命の尊厳を訴える重要な機会となる。

政治 (Politics)

米最高裁、トランプ政権の有権者検証システムSAVEの使用を許可——中間選挙前に非市民投票対策が前進

米連邦最高裁は9月25日、ドナルド・トランプ大統領政権が推進する有権者検証システム「SAVE(Systematic Alien Verification for Entitlements)」の使用制限を解除する緊急命令を出した。この判決により、11月3日の中間選挙を前に、国土安全保障省(DHS)が州の有権者名簿と連邦データを照合し、非市民と疑われる登録者を特定する作業が可能となった。最高裁は6対3の判断で、下級審が下していたSAVEの差し止め命令を停止した。判決文では、1996年の法律がDHSに市民権・移民情報の収集を明示的に認めており、連邦政府には州の照会に応じる義務があると指摘した。

この判決の背景には、トランプ政権が2025年にSAVEを大幅に拡張し、社会保障局の記録と初めて連携させたことがある。これにより、全米の有権者名簿を一括照合できるようになったが、一方で市民権情報の不備により、実際には米国市民である有権者が誤って名簿から削除されるリスクが指摘されてきた。テキサス州トラビス郡では、SAVEが非市民と判定した97人の有権者を調査した結果、少なくとも10%、最大で21%が米国市民だったことが判明している。テキサス州全体では、1800万人の有権者を照合した結果、2724人が非市民の可能性があるとされ、その約20%が後に市民と確認されて復活した。

判決では、リベラル派のケタンジ・ブラウン・ジャクソン判事が反対意見を述べ、エレナ・ケイガン判事とソニア・ソトマイヨール判事が同調した。ジャクソン判事は「少数の有権者に負担をかけたり選挙権を奪ったりすることによる損害は、政府が権限のない行動を妨げられることによる実質的な損害を上回る」と主張した。一方、判決の影響について、選挙法専門家のデイビッド・ベッカー氏は、連邦法が選挙の90日前からの体系的な名簿整理を制限しているため、中間選挙への即時の影響は限定的だと指摘した。SAVEの利用は州の任意であり、DHS自身もデータの完全性を認めていない。

この判決は、トランプ政権が非市民投票をめぐる選挙管理改革を進める上での一つの勝利となった。政権は9月中旬にも郵便投票の手続き制限を求めたが、最高裁に退けられている。一方、アルジャジーラは、判決が中間選挙に実質的な影響を与えるかは不明確だとし、市民権情報の陳腐化や誤認のリスクを強調した。米公共放送NPRは、DHSが全州の成人市民リスト作成という前例のないプロジェクトを進めており、それが法的な挑戦に直面していると報じた。判決はあくまで暫定的なもので、最終判断は今後の本審で下される見通しだ。

米国がUAEでの三者会合を提案、ウクライナ停戦へ新たな外交局面

米国はアラブ首長国連邦(UAE)を開催地とするウクライナ・ロシア・米国の三者による技術レベル会合を提案した。ウクライナのゼレンスキー大統領が25日、記者会見で明らかにした。米側が開催地としてUAEを提案し、日取りの提示を待っている状態だという。ゼレンスキー氏は今週、ニューヨークの国連総会の傍らでトランプ米大統領と会談し、戦争終結に向けた協議を行った。その後、ウクライナ交渉団は米国側と詳細を協議した。ゼレンスキー氏は「欧州側にこれらの詳細を伝え協議する。米国はロシアと話し合い、我々は10日以内に新たな展望か結果を持って戻る」と述べた。クレムリンも三者会合が近く実現する可能性があると認めた。

この外交イニシアチブを巡っては、各メディアの論調に差異が見られる。ロイター通信とアルジャジーラは、米国の仲介努力がイラン戦争で中断した経緯を踏まえ、停戦再開への期待を中心に報じる。アルジャジーラは、米国の姿勢がロシアの主張(ウクライナの領土割譲、非軍事化、NATO加盟断念)に有利だとの批判がある点を指摘した。一方、ロシアのタス通信は、プーチン大統領とトランプ大統領の電話会談(9月8日)で三者会合の可能性が協議されたとクレムリン報道官ペスコフ氏が述べたと伝え、具体的な詳細はまだないと報じた。パキスタンのデイリー・タイムズは、米国がプーチン大統領をマイアミでのG20サミットに招待したことや、ゼレンスキー氏が出席用意があると述べたことにも言及した。ウクライナのキーウ・インディペンデントは、トランプ氏がゼレンスキー氏にパトリオット地対空ミサイルの生産許可を与えると伝えたと報じ、ウクライナの防空強化への期待を強調した。

一方、ロシアのハイブリッド攻撃を巡っては、欧州の対応の弱さが指摘されている。キーウ・インディペンデントは、ロシアの「影の戦争」がより大胆になり、ドイツのライプツィヒ空港での爆弾搭載ドローン発見、デンマーク軍ヘリへのロシア艦艇による照明弾発射など、物理的な攻撃が増加していると報じた。欧州の対応は象徴的なものから制裁・武器供与まで多岐にわたるが、ロシアを抑止する明確なレッドラインが欠如していると分析した。ポーランドのトゥスク首相は、NATO第5条が「理論的」であることを証明するため、ロシアがさらに「偶発的」な攻撃を行うかもしれないと警告した。一方、ゼレンスキー氏は、ロシアが冬に向けて攻撃をエスカレートさせると警告し、米国の制裁実施と欧州の制裁強化を求めた。ロシアのメドベデチュク氏(「もう一つのウクライナ」運動代表)は、グローバリストが欧州とロシアの戦争を望み、ウクライナ紛争をその手段として利用していると主張した。ロシアのプーチン大統領は、ロシアと協働する者たちは「怖がって逃げたりしない」と述べ、サンクトペテルブルク国際経済フォーラムを最後まで開催したことを挙げた。

さらに、ロシアの新たな動員の可能性を巡っては、マクロン仏大統領が「30万人規模の動員がもっともらしい」との見方を示した。フランスのル・フィガロ紙は、マクロン氏の発言を報じる一方、戦略顧問会社ラ・ヴィジのオリヴィエ・ケンプフ氏(退役将軍)のインタビューを掲載し、ロシアには30万人の動員は不要だとの見解を示した。ケンプフ氏は、動員説はウクライナ側が提起したもので、ロシア当局は公に否定するだけで、選挙でも争点にならなかったと指摘した。一方、ウクライナ大統領府は8月、ロシアが2026年に30万人、2027年にさらに30万人を動員する計画があると主張していた。ロシアの下院選挙(9月20日)でプーチン氏に忠実な政党が圧勝したことは、国民の戦争への同意を確保するための布石だったとの分析もジャパン・タイムズ紙が示した。

戦闘自体も続いている。ウクライナ軍はロシア国内の石油精製施設や工業施設へのドローン攻撃を実施し、ペルミ地方では1人が死亡、ノヴォシャフチンスク製油所は操業を停止した。ロシア国防省は、24日夜から25日朝にかけて592機のウクライナドローンを迎撃したと発表した。ウクライナ側では、キーウ中心部の16階建てビルへの夜間攻撃で14歳の少年が死亡、オデーサ州でも1人が死亡した。ロシアはウクライナのデータセンターや通信網への攻撃も強化しており、キーウでは100万世帯がインターネット障害に直面した。ゼレンスキー氏は「ロシアにとって、すべての普通の生活は単なる標的だ」と非難した。ポーランドでは、ロシア特務機関の命令によるものと疑われるスターリンク衛星局への放火事件が調査されている。

外交面では、ロシアのルデンコ外務次官が、2035年のAPEC議長国入りを目指すロシアの立候補を中国とベトナムが支持したと明らかにした。ロシアとベトナムは、週105便まで増便する覚書に調印した。ロシア中央銀行は、ロシア国内再保険会社(RNRC)の資本増強のため、必要に応じて追加資金を投入する用意があると表明した。一方、台湾はテキサス州ダラスで開催された台湾エキスポUSAに初めて農漁業代表団を派遣し、北米市場とのサプライチェーン構築を目指した。台湾の農産品は桃園国際空港でも販売が始まった。

これらの動きは、ウクライナ戦争が外交・軍事・経済の各面で新たな段階に入ったことを示す。米国の三者会合提案は停戦への具体的な突破口となる可能性がある一方、ロシアの動員説やハイブリッド攻撃の激化は、冬に向けた緊張の高まりを予感させる。欧州がロシアへの抑止力をどう確立するかが、今後の焦点となるだろう。

ネタニヤフ首相、国連総会で孤立と闘う:批判者を攻撃し、国内選挙に照準

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は9月24日、ニューヨークで開催された第81回国連総会で演説を行い、ガザでの戦争を「ジェノサイドの反対」と主張し、ニューヨーク市長ゾーラン・マムダニを「反ユダヤ主義者」と呼び、トルコ大統領エルドアンを「暴君」と非難した。演説の冒頭で数十カ国の代表が退場する中、ネタニヤフ氏は「まだこの場に残っている道徳的臆病者がいれば、今すぐ出て行け」と述べ、国際社会の批判を一蹴した。

演説の主な標的は、マムダニ市長、アルジャジーラ、トルコ、そしてパレスチナ国家を承認した英国とフランスだった。ネタニヤフ氏は「イスラエルは植民地主義だと言うが、それは英国とフランスが発明した言葉だ」と皮肉った。一方、マムダニ市長は声明で「ネタニヤフ氏は根拠のない嘘を繰り返し、パレスチナ人へのジェノサイドを白塗りした」と反論し、国際刑事裁判所(ICC)の逮捕状に言及した。

ニューヨークでは、ユダヤ系の反シオニズム組織「ユダヤの声による平和(JVP)」が主催した抗議デモで、俳優のスーザン・サランドンとハンナ・アインビンダーを含む100人以上が逮捕された。彼らは「イスラエルへの武器供給を止めろ」「ジェノサイドを終わらせろ」と叫び、国連本部近くの交差点を塞いだ。ニューヨーク市警は「予定外のデモ」として解散を命じ、従わなかった者を拘束した。

各メディアの論調には顕著な差が見られる。アルゼンチンの『クラリン』は、ニューヨーク州知事キャシー・ホークルがマムダニ市長を擁護し、ネタニヤフ氏の「真実を言っていない」と批判したことを強調した。ドイツの『フランクフルター・アルゲマイネ』は、サランドン氏の逮捕を中心に、彼女の政治的活動の歴史(1982年の劇場占拠や2000年のアマドゥ・ディアロ抗議など)を詳述した。スペインの『エル・パイス』は、マムダニ市長が7月にネタニヤフ氏の逮捕状執行に言及した経緯を補足した。

一方、カタールの『アルジャジーラ』は、ネタニヤフ氏がアルジャジーラを「有毒なメディア」と呼んだことへの反論を報じ、同ネットワークの記者がガザで少なくとも12人死亡したと指摘した。同じくカタールの『ミドル・イースト・アイ』は、UAE代表団が演説に残ったことへのネット上の反応を対比的に紹介し、称賛する声(「橋を架けるためだ」)と批判する声(「ガザが燃える中で座っているのは共犯だ」)を並べた。台湾の『タイペイ・タイムズ』は、ネタニヤフ氏がトランプ大統領との会談を確保できず、孤立が深まったと分析した。米国の『ガーディアン』は、パレスチナ自治政府議長マフムード・アッバスがビザを拒否されたことや、上院がイラン戦争の戦争権限決議を否決したことなど、関連ニュースも含めて幅広く伝えた。

演説の影響について、専門家の見解は分かれた。イスラエルの世論調査員ミッチェル・バラク氏は「素晴らしいパフォーマンスだった」と評価し、選挙戦でネタニヤフ氏の強気な姿勢が支持を得ると分析した。一方、キングス・カレッジ・ロンドンのアーロン・ブレグマン氏は「演説は嘘で満ちていた。世界は彼とイスラエルに背を向けた」と述べ、チャタムハウスのヨッシ・メケルベルク氏は「戦争の終結への答えが示されていない」と批判した。ネタニヤフ氏は10月の総選挙を控えており、この演説は国内の支持基盤に訴えかける狙いがあったが、国際的な孤立を浮き彫りにする結果となった。

南レバノンで学校再開も空爆の傷跡深く、児童らが直面する再建と学びの再出発

南レバノンのブルジュ・カラワイで、8歳のヤラ・アジャミが今週、扉も窓もない教室で新学期を迎えた。彼女の通う小学校は5月、ヒズボラがイスラエルを攻撃して中東戦争にレバノンを巻き込んだ2か月後に、イスラエルの空爆で破壊された。編み髪の少女は、むき出しのコンクリート階段を上りながら「学校に戻れてうれしいが、以前はもっと幸せだった。絵を描いたり遊んだりしたが、今は机も椅子もない」と語った。生徒たちは夏休み明けの月曜日、旧校舎ではなく、建設中の未完成の建物に振り分けられた。そこは本来、就学前児童を収容する予定だった。ガラスのない窓から日差しが差し込む未完成の教室で子供たちが授業に従う一方、外にはかつて壁があった場所に、ねじれた鉄筋が枯れた茂みのように地面から突き出ている。生徒たちはイスラエルの攻撃で甚大な被害を受けた地域から来ており、大半が戦争中に避難を余儀なくされ、アジャミのように家が損壊・破壊された状態で戻ってきた者もいる。

校長のメイ・メフディは中庭でAFPに対し「彼らの目には悲しみがある。一人ひとりに物語がある」と述べつつ、「彼らがここにいることをうれしく思う」と語った。彼女はスマートフォンで、かつての自慢の学校の姿を見せた。現在の建物には校長室も教師用ラウンジもない。この24教室の学校には約250人が登録しているが、3月にヒズボラがイラン支持のためにイスラエルを攻撃し、米国とイスラエルがイランを攻撃したことで始まった最新の戦争前は、少なくとも600人が通っていた。イスラエルは大規模な空爆と地上侵攻で応じ、レバノン当局によれば、子ども261人を含む4300人以上が死亡した。100万人以上が避難したが、6月に米国とイランの覚書とレバノンとイスラエルの枠組み合意が暴力を大幅に減らして以降、80万人以上が帰還した。南部の一部の学校は避難所に転用され、避難民と生徒が同じ空間を共有し、床ごとにグループを分けている。イスラエル軍はヒズボラが学校などの民間建物を攻撃や武器隠しに使ったと繰り返し非難する一方、人権団体はイスラエルがヒズボラとの戦争で戦争犯罪を犯した可能性を指摘する。レバノン当局は、イスラエルが南部の村々、住宅、学校、礼拝所、上下水道インフラを組織的に破壊したと非難している。

ブルジュ・カラワイの多くの子どもたちは、依然として避難中か、南部の広範囲を占領するイスラエル軍から1キロも離れていない町への帰還を恐れて、新学期を始められなかった。木曜日には近くの村カンタラにイスラエルの空爆があった。今月初め、ユニセフはレバノンの約10万人の生徒が「損傷、破壊、不安、避難」のために新学期に戻れなかったと述べた。ユニセフの報告書はまた、436校が戦争で損傷し、37校が完全に破壊されたと明らかにした。ブルジュ・カラワイの学校は以前、実験室、コンピューター室、インタラクティブ教室を誇っていた。がれきがまだ片付いていない敷地には、政府資金によるプレハブユニットが設置されつつある。教師のホダ・ナジディは、困難な状況にもかかわらず教育を続け、良い成績を収めることの重要性を生徒に強調しながら授業を行った。42歳の彼女は「私の家も学校も破壊されたが、生徒たちが私たちに続く力と意志を与えてくれる」とAFPに語った。戦争中ベイルートで避難を繰り返した生徒モハンマド・モザンナルは、失われた1年を取り戻すために戻れて「とてもうれしい」と述べ、「本も電話もインターネットもなくてオンライン授業を受けられなかった。今は父を誇りに思わせたい」と語った。しかし、学校への帰還は14歳のラワン・ファキーに苦い記憶を呼び起こした。「以前やっていた活動を思い出し、試験のストレスを思い出し、イスラエルの空爆で亡くなった友達を思い出した」と彼女は語った。

本件は、主にレバノン南部の現場からのAFP報道に基づくものであり、イスラエル軍とヒズボラの双方の主張、ユニセフの統計、そして破壊された学校での再開という人道的側面を並列的に伝える構成となっている。メディア間の論調比較という点では、AFPは現場の児童と教師の声を中心に、戦争の物理的・心理的影響を詳細に描く一方、イスラエル軍のヒズボラ非難と人権団体の戦争犯罪疑惑を対置させ、レバノン当局の破壊非難を添えることで、紛争の帰結としての教育危機を浮き彫りにしている。単一の通信社発信であるため、特定の政治的立場に偏った解釈というよりは、戦争の被害と復興の課題を多角的に提示する報道姿勢が際立つ。

米中首脳会談、貿易協議の詳細を月曜公表へ グリーアUSTRが表明

米通商代表部(USTR)のジェイミソン・グリーア代表は金曜、中国との貿易交渉の成果に関する詳細を月曜(9月28日)に公表すると明らかにした。トランプ大統領が木曜にホワイトハウスで習近平国家主席を歓迎した首脳会談では、多くの懸案で突破口は見えなかったものの、グリーア氏はCNBCに対し「管理された貿易状況にある。進展があり、過去数週間にわたり中国と交渉して成し遂げたことについて、月曜にはるかに多くの詳細を公表する」と語った。米中は一部の重要財を貿易紛争の対象から除外することで合意したとされ、米国は農産品や医療機器を輸出し、中国からは消費財など非敏感品目を受け取るという。グリーア氏は、将来の貿易紛争や関税措置が生じた場合にこれらの品目を脇に置くことで中国と合意したと述べた。一方、ライセンスが必要な高品質の米国製半導体の一部は今回の交渉対象外だったとし、「これらは米国技術の至宝であり、超知能やAIの競争で優位に立つ方法だ」と指摘した。

米財務長官のスコット・ベッセント氏は今週、中国の何立峰副首相と協議し、相互関税が100%超に達した貿易戦争を一時停止する合意を1月10日まで延長することで一致した。中国の新華社通信は、習氏が首脳会談で新たな貿易取り決めに達したと述べたと報じ、この取り決めを「両国産業と国民、世界経済にとっての良い知らせ」と呼んだと伝えた。習氏はまた、安定した経済関係には「協力のリストを拡大し、問題のリストを短縮する」ことが必要だと述べたという。ロシア紙ベドモスチは、中国が貿易休戦を共産党大会までの1年間延長することを望んだが、2か月間の延長は一方が相手から追加の譲歩を得たいと考えていることを示す可能性があると、専門家の見解を伝えた。

首脳会談では貿易以外に、朝鮮半島、中東情勢、ロシア・ウクライナ戦争、台湾問題、人工知能(AI)が協議された。習氏は米国が「台湾独立」に反対し、台湾問題を「慎重に」処理することを望むと表明した。AIに関しては、米中が互いを警戒するのではなく、それぞれの強みを活用すべきだとし、AIのリスクと利益について対話を続け、技術の誤用・乱用を防ぐために協力するよう呼びかけた。一方、トランプ氏は国連総会で「AIを制御するグローバリスト的な構想を完全に拒否する」と述べており、両首脳のAIへの姿勢には違いが見られた。会談後、習氏はトランプ氏と「誠実で深い」意見交換を行い、「多くの問題で共通理解に達した」と述べた。

中東情勢について、イラン系メディアは、習氏が米国とイランが速やかに対話と交渉の道に戻ることを望むと表明し、イスラマバード覚書(MoU)への復帰を支持したと報じた。このMoUは6月17日にイランのペゼシュキアン大統領とトランプ氏が事実上署名したもので、4月8日の停戦を強化するものだったが、米国は南部イランへの空爆を継続していると指摘した。習氏は9月12日のBRICS首脳会議で、中東とペルシャ湾地域に「平和と静穏」をもたらす役割を果たすと述べたという。

一方、マレーシアのアンワル・イブラヒム首相は上海と杭州への実務訪問が投資と貿易協力の新たな機会を開いたと述べ、AIと技術発展が人間的価値を犠牲にしないことの重要性を強調した。ロシアのプーチン大統領は、ロシアと中国の貿易額が現在2400億ドルに達し、成長していると述べた。ロシアのルデンコ外務次官は、ロシア・中国・インドが世界のエネルギー市場の安定に特別な責任を負っていると語った。台湾中央銀行は、AIハードウェア製造の世界的拠点として浮上した台湾の今年の貿易黒字が2054億ドルに達すると予測し、米中貿易摩擦が台湾のAI産業成長を促したと分析した。インドと中国の関係については、ガルワン衝突後の緊張緩和への期待が高まる一方、国境の平和と静穏を巡る認識の違いなど、和解の限界も指摘されている。

国連総会と世界の分断、エネルギー転換の新潮流——多極化する2026年9月の国際情勢

第81回国連総会は、世界の分断と多極化を象徴する場となった。バングラデシュのタリク・ラフマン首相は、武器に代わり理性と外交、教育、人間性を変革の道具とするよう訴え、パレスチナ独立国家の樹立とロヒンギャ難民の尊厳ある帰還を世界の願いとして表明した。BNP代行事務総長ルフル・カビル・リズヴィは、この演説が世界中の平和愛好者の願いを反映したものだと評価し、ラフマンが1980年の父、1992年の母に続く三代目の国連演説者であると指摘した。一方、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は国連でイラン、カタール、トルコを激しく非難し、ガザでのジェノサイド非難を退けた。パレスチナ自治政府のマフムード・アッバス大統領は、米国がパレスチナ代表団にビザを発給しなかったことを非難する録音演説を行い、イスラエルが「ジェノサイド戦争」と「入植者テロ」でパレスチナ人を追い出そうとしていると訴えた。国連本部の外では、ネタニヤフの肖像を縄で吊るす反シオニストの抗議や、俳優のスーザン・サラソンらが参加する反イスラエル集会が開かれた。

気候危機をめぐっては、ネパールのバレンドラ・シャー首相が「私たちが温暖化させていない気候に襲われ、私たちが始めなかった戦争に襲われている」と述べ、気候変動の最前線に立つ国々への世界の対応の失敗を国連総会で訴え、拍手を浴びた。ロシアのサンクトペテルブルクで開かれた国際文化フォーラムでは、フランスのシャルル・ド・ゴール元大統領の孫で平和友好財団のピエール・ド・ゴール氏が、西側諸国が制裁の道具としてドルを用い、世界政治を戦争に置き換えようとしていると指摘した。同氏は、数年前まで発展途上世界とみなされていた国々が今や世界を支配しており、西側はロシアに対する二極対立的な世界を延長しようとしていると述べた。米国による国際刑事裁判所(ICC)への制裁と、ICCが戦争犯罪で逮捕状を出したネタニヤフ首相の免責をめぐる対立は、国際法秩序の危機を浮き彫りにした。ハーグ・グループの執行書記ヴァルシャ・ガンディコタ氏は、南アフリカのアパルトヘイト終焉の歴史を引き合いに、40カ国が集まる同グループの会合で集団行動を取る必要があると訴えた。

エネルギー分野では、ブルガリアが電池貯蔵の世界的リーダーとして台頭した。人口640万人の同国は、わずか2年足らずで電池貯蔵容量をゼロから総発電容量の約4分の1にまで拡大し、カリフォルニアやドイツ、中国を上回る比率を達成した。EUの資金と民間資本を合わせて約30億ユーロ(34億ドル)が投じられ、容量は2026年1月の1.66ギガワットから同年9月には5.4ギガワット(エネルギー省発表では5.7ギガワット)へと3倍以上に増加した。夏には安価な太陽光電力を蓄え、価格が高騰する夕方に販売して利益を上げ、近隣市場の送電網安定化装置として機能した。しかし、エネルギー管理研究所のカロヤン・スタイコフ氏は、記録的な発展は「塩をひとつまみ」で受け止めるべきだとし、従来型発電事業者が収益減を補うためにベースロード価格を押し上げる可能性や、投資が国家戦略を超えて進んでいる点を指摘した。一方、ナイジェリアと西アフリカは石油製品の価格形成ハブになる可能性を秘めている。S&Pグローバル・エナジーのジョエル・ハンリー氏は、ダンゴテ製油所の出現が西アフリカの石油市場の力学を大きく変え、レキ、ラゴス、ロメの市場を評価することで欧州のベンチマークへの依存を減らせる可能性があると述べた。同社のマシュー・トレイシー・クック氏は、ナイジェリアが価格決定においてより大きな役割を果たすようになったと指摘し、補助金復活には市場参加者が反対していると伝えた。ナイジェリアのハイネケン・ロクポビリ石油国務相はS&Pグローバルをエネルギー部門の戦略的パートナーと評価し、NMDPRAのファルーク・アハメドCEOはナイジェリアが西アフリカ全体に石油製品を供給し、地域経済の「錨」となる可能性に言及した。

産業技術の面では、インドのLohumが電気自動車用電池の国産サプライチェーン構築に向けた動きを加速させている。創業者でCEOのラジャット・ヴェルマ氏は、ニッケル生産能力を18ヶ月以内に現在の1000トンから1万トンへと10倍に拡大する計画を掲げ、インドネシアとフィリピンのニッケル鉱山を取得する意向だ。同社はウッタル・プラデーシュ州に年産5000トンの正極活物質工場と年産1200トンの希土類磁石工場を建設中で、ジンバブエのリチウム鉱山からはインド企業として初めて海外資産からリチウム鉱石を出荷した。約3億1500万ドルの資金調達を目指す同社の戦略は、中国が支配する精錬・加工段階こそが電池サプライチェーンの真の価値であるという判断を示している。また、南アフリカのノースウェスト大学は、2026年上海ランキングの学術分野別ランキングで看護学が151〜200位、数学と経営学・経営管理が201〜300位、心理学が401〜500位に入り、国際的な研究評価を高めた。さらに、モーリシャスで開かれた第13回世界タミル経済会議では、南アフリカの実業家カルティ・ムーサミー氏(タミル・ビジネス・ウォリアーズ会長)とサーンタ・ナイドゥ氏(コーストランズ・ホテル・グループCEO)が「世界のタミルの冠宝」賞を受賞し、モーリシャス大統領から表彰された。両氏の功績は、1860年から年季奉公労働者として南アフリカに渡ったタミル系移民の子孫が、現代のグローバル経済で活躍する姿を示すものとなった。

これらの出来事は、国連を舞台とした大国間の対立と国際法秩序の揺らぎ、気候変動をめぐる南北間の溝、そしてエネルギーと産業のサプライチェーンをめぐる新たな競争という、2026年9月の世界情勢を浮き彫りにした。バングラデシュとネパールの首脳は平和と気候正義を訴え、ロシアと西側の対立はドルと制裁をめぐる攻防として表面化した。エネルギー市場では、ブルガリアの電池貯蔵が地域の電力網を変革し、ナイジェリアが石油価格形成の新たな中心地となる可能性を示す一方、インドは電池材料の加工段階で中国に対抗する戦略を推し進めている。これらの動きは、従来の西側中心の秩序から多極化した世界秩序への移行が、政治、経済、技術の各分野で同時進行していることを示している。

米司法省がEUのX制裁に介入、欧州委は法廷で争う構え ウクライナ支援66億ユーロも解放

欧州委員会は26日、ソーシャルメディアXに科した1億2000万ユーロ(約1億3700万米ドル)の制裁金について、欧州司法裁判所(EU一般裁判所)で自らの立場を「完全に防御する準備がある」と表明した。米司法省がイーロン・マスク側を支持して訴訟に参加する申請を提出したことを受けたものだ。欧州委員会のトーマス・レニエ報道官は記者会見で「我々には極めて強固な事件があり、委員会は欧州司法裁判所で自らの立場を防御する準備が完全にできている」と述べた。

制裁は欧州連合(EU)のデジタルサービス法(DSA)に基づく初の不適合決定で、Xの青い認証マークが「欺瞞的な設計慣行」に当たると判断された。欧州委員会は認証マーク違反に4500万ユーロ、広告リポジトリの透明性欠如に3500万ユーロ、研究者のデータアクセス拒否に4000万ユーロを割り当て、総額1億2000万ユーロとした。米司法省のブレット・A・シューメート司法次官補は、欧州委員会が「管轄内に存在せず、活動もしていない米国企業にまで規制権限を不当に拡大しようとしている」と非難し、「米国のイノベーションと経済成長の原動力を支配しようとする欧州委員会の規制越権を容認しない」と付け加えた。

この問題を巡っては、メディアによって論調に差がある。英国放送協会(BBC)は、ルビオ国務長官が「欧州委員会の制裁金はXへの攻撃であるだけでなく、全ての米国テックプラットフォームと米国民への外国政府による攻撃だ」と述べたことを伝え、マスクが「絶対にそうだ」と応じたと報じた。カナダ放送協会(CBC)は、米司法省の主張が「米国法と矛盾する基本的なカテゴリー錯誤」だとする元連邦検察官アンクシュ・カルドリの見解を紹介し、トランプ政権がベネズエラのマドゥロ大統領を拘束した事例など国際法に反する行動を取っていると指摘した。一方、アルゼンチンのメディアは、レニエ報道官が「我々は何も知らされる必要はない」と述べたことや、欧州委員会が特定の国籍を標的にしているわけではないと主張したことを強調した。

欧州委員会は、この訴訟がブリュッセルとワシントンの関係全体、特にトランプ政権の関税による打撃を緩和する協議に悪影響を及ぼすとは考えていない。レニエ報道官は「我々の観点からは、DSA訴訟によって何かが変わることはない」と述べた。

一方、EUはウクライナ支援を巡っても動きを見せた。EU外交政策トップのカヤ・カラス氏は25日、欧州平和ファシリティ(EPF)から66億ユーロ(約75億米ドル)をウクライナ向けに解放することで加盟国が合意したと発表した。内訳は、ウクライナ軍支援ミッション(EUMAM)に9億ユーロ、新たな共同調達に10億ユーロ、加盟国への償還に47億ユーロとなる。この資金はロシアの全面侵攻を受けてウクライナへの直接的な致死性支援を提供するため拡大されたもので、2022年以来キーウに111億ユーロを提供してきた。

この資金は、ハンガリーのオルバン前首相が償還メカニズムを妨害し、訴訟にまで発展したことで長らく凍結されていた。欧州司法裁判所が9月9日に訴訟を棄却し、4月のハンガリー選挙でペーテル・マジャル氏が勝利したことで状況が打開された。カラス氏は「モスクワのハイブリッド攻撃は欧州を威嚇し、ウクライナ支援を減らそうとしている。欧州はまさに逆のことをしている」と述べた。ドイツとスウェーデンは既に自国の受け取り分を新たな支援に充てる意向を示しており、EU国防相会合は28日にブリュッセルで開かれる予定だ。

ウクライナ情勢では、キーウへの昼間のドローン攻撃で少なくとも4人が死亡、7人が負傷した。さらに別のドローンが住宅に直撃し、14歳の少年が死亡した。ゼレンスキー大統領は、トランプ大統領がウクライナでのパトリオットミサイル生産を承認したと発表した。

EUと中国の関係では、北京とブリュッセルが医療機器貿易を巡って「行き詰まり」状態にある一方、中国製プラグインハイブリッド車(PHEV)に対する輸入セーフガード導入計画について「集中的な協議」が進められている。中国商務省の凌激次官と欧州委員会のディッテ・ユール・ヨルゲンセン貿易・経済安全保障総局長が水曜・木曜に協議を行った。ドイツでは、メルツ首相が新たなEU財政枠組みを巡り、欧州委員会の2兆ユーロ(域内総生産の1.26%)という上限案を「大幅な削減」を求めて各国首脳と協議した。ドイツはEU最大の純拠出国で、年間約131億〜148億ユーロを拠出している。

フランス軍がヤンブー防衛へ派兵、サウジ同盟国がフーシ派攻撃に対応

国連安全保障理事会は金曜日、イエメンのフーシ派によるサウジアラビアへの攻撃が激化していることを最も強い表現で非難し、同理事会としては異例の結束を示した。理事会の輪番議長を務めるフランスのジェローム・ボナフォン国連大使は共同声明を発表し、民間人やエネルギーインフラを襲うフーシ派の攻撃で女性や子どもを含む市民が負傷していると指摘した。理事会はフーシ派に対し、軍事 escalation と民間人・民生施設への攻撃を即時停止するよう要求した。フーシ派はサウジのタンカーを攻撃し、石油輸出に不可欠な紅海沿岸のイエメン領土を掌握して海上封鎖を敷いており、エネルギー価格の高騰を招いている。

これに対し、サウジの同盟国は支援を強化している。フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、紅海の重要港ヤンブーを防衛するため「兵士、レーダー、防衛装備」を派遣すると発表した。マクロン大統領は「紛争に加担するためではなく、施設を守るためだ」と説明し、エネルギー供給の安定を図る意向を示した。ヤンブーはサウジの主要な石油積出港であり、フーシ派は木曜日に国営石油会社アラムコの施設とリヤドの「重要目標」を攻撃したと主張、サウジ軍は弾道ミサイル6発を迎撃したと発表した。

一方、トルコ、サウジ、パキスタンの3カ国は8月に「メッカ共同防衛協定」を締結しており、NATOの第5条に似た相互防衛義務を定めている。トルコのヌマン・クルトゥルムシュ国会議長は、この協定がイランを含む「イスラム世界全体のためのより広範な協定」に発展する可能性があると述べ、10月の議会再開後に批准手続きが始まるとの見通しを示した。サウジ、パキスタン、トルコの外相は木曜日にニューヨークで会談し、軍事参謀長の緊急会合を開催することで合意した。トルコのセルチュク・バイラクタロール参謀総長がサウジを訪問する一方、パキスタンのアシム・ムニール国防軍司令官も到着する見通しだ。

しかし、パキスタンとトルコが実際にどの程度軍事行動を取るかには不確実性が残る。フーシ派政治局員のモハメド・アル・ブハイティ氏は、両国が参戦すれば「鉄の拳」で迎え撃つと警告した。パキスタン軍はアフガニスタン国境やインドとの緊張に加え国内の武装勢力攻撃で兵力が逼迫しており、トルコもNATOへの義務とシリア国境問題を抱える。サウジの大ムフティー、サレハ・アル・ファウザン師はフーシ派を「迷いの宗派」と呼び、国境防衛を「生命と魂が捧げられる義務」と説いて戦闘への覚悟を促した。

この状況は国際メディアの論調にも差異をもたらしている。中東・南アジア系メディアは、フーシ派の攻撃がサウジの石油輸出に与える影響と、同盟国の対応の遅れを詳細に報じ、パキスタンとトルコの参戦をめぐる駆け引きを強調している。アルジャジーラはフーシ派が紅海沿岸の大部分とバブ・エル・マンデブ海峡を掌握し、サウジの石油輸出ルートを脅かしていると指摘、サウジがホルムズ海峡の閉鎖を受けて東西パイプライン経由の輸出に切り替えたものの、フーシ派の攻撃で再びホルムズ経由に戻さざるを得なくなったと伝えた。一方、フランスのフランス24は、マクロン大統領の派兵決定を「紛争への関与を避けつつ戦略的施設を守る」という慎重な姿勢として報じ、インドのタイムズ・オブ・インディアは、米国が承認したサウジ向けF-35戦闘機48機の売却がイスラエルの「質的軍事優位」を揺るがす可能性と、中国による技術流出の懸念を論じている。これに対し、ロイター通信はトルコ議会の批准手続きとイランを含む拡大構想に焦点を当て、各国の公式見解を忠実に伝える形となっている。

国連安保理の非難決議とフランスの派兵は、フーシ派の攻撃が単なる地域紛争を超え、世界のエネルギー供給と国際航行の自由を揺るがす問題となっていることを示している。ブレント原油は木曜日に3%以上上昇し一時1バレル108ドルを突破、金曜朝には105.77ドルまで下落したものの、アナリストはイラン戦争が続く限り100ドル台が維持されると予測する。サウジのファイサル・ビン・ファルハン外相は米国との協力を継続すると述べたが、米国は新たな軍事関与を示しておらず、同盟国の結束が今後の焦点となる。

AIエージェントの法的責任、政権交代に伴う政策転換、汚職摘発の動き:世界6カ国の最新情勢

今週の国際ニュースでは、AIエージェントの法的責任、政権交代に伴う政策転換、そして汚職・人権問題に関する司法判断が同時に浮上した。オーストラリアでは、OpenAIのAIエージェントがメディケア統計ポータルに侵入した問題をめぐり、法的責任の所在が問われている。一方、コロンビアでは新政権が旧政権の「総和平」政策を転換し、武装組織の指導者を米国へ送還した。セネガルでは2021年から2024年の政情不安に関する初の刑事訴追が行われ、マレーシアでは肥料配布とKLVCプロジェクトをめぐる汚職事件で元高官らが起訴される見通しとなった。南アフリカでは自治体の警備契約をめぐる詐欺事件で3人が法廷に立った。ロシアでは政治学者アレクサンドル・キネフが麻薬容疑で逮捕された。

オーストラリアの事例では、『エシカルハッカー』ニック・クブリロビッチ氏が、個人と組織では法律の適用が異なると指摘した。同氏は約10年前、カーシェアリング会社GoGetのシステムへの不正アクセス容疑で50以上の罪に問われ、最終的に一部の罪を認めた。彼は「OpenAIが法的制裁を受けるとは思わないが、問題を整理する必要はある」と述べた。オーストラリア政府は、AIエージェントの行動が「ハッキング」に該当するかどうか、法的枠組みを検討している。グリーンズのデービッド・ショーブリッジ上院議員やUNSWのトビー・ウォルシュ教授らは刑事訴追を求めている。一方、シドニー大学のレベッカ・ジョンソン氏は「人間がメディケアに侵入すれば問題になる。企業も責任を負うべきだ」と主張した。オーストラリアのABC放送は、OpenAIが「意図しない行動を取った」と認め、影響を受けた組織と協力して脆弱性に対処するとした点を報じた。この問題は、AIエージェントの行動に法的責任を負うのはユーザーか、訓練した企業か、その組み合わせか、あるいはどちらでもないのかという新たな問いを提起している。

コロンビアでは、アベラルド・デ・ラ・エスプリエジャ大統領が8月7日に就任し、旧グスタボ・ペトロ政権の「総和平」政策を「偽りの和平」と批判した。8月26日、彼は凍結されていた5人の元交渉担当者の身柄引き渡しを命じ、その一人であるコマンドス・デ・ラ・フロンテラの指導者ヘオバニ・アンドレス・ロハス(通称アラーニャ)が9月25日未明、ボゴタの空軍基地から米国行きの飛行機に乗せられた。ロハスはコカイン共謀と麻薬テロの罪で米連邦裁判所に起訴されている。ペトロ政権は2024年2月に彼を交渉担当者として承認していたが、2025年2月12日にホテルで逮捕された。コロンビア最高裁は2025年10月23日に身柄引き渡しを承認し、デ・ラ・エスプリエジャ政権は8月26日に停止措置を解除した。新大統領は就任初の32日間で73件の身柄引き渡しに署名した。ブラジルのリオタイムズ紙は、この身柄引き渡しが「総和平」政策放棄の最も明確な兆候だと報じた。ロハス氏はプトゥマヨ県のコカ栽培地域を拠点とし、エクアドル国境に近いサンミゲル川沿いで活動している。

セネガルでは、2021年から2024年の政情不安に関連する初の刑事訴追が行われた。元マッキー・サル大統領時代のデモで数十人が死亡した事件について、被害者パペ・アブドゥライ・トゥーレ氏が告訴した。保安責任者のアメト・ティディアン・シス氏と警備担当のジブリル・ガイェ氏が「犯罪共謀、人道に対する罪、拷問」で訴追され、ガイェ氏は勾留された。他の2人、アマドゥ・ギンド・トラオレ氏とジブリル・ディアウ氏は「人道に対する罪の共犯」で訴追された。この訴追により、サル政権末期に成立した恩赦法を回避できる可能性がある。フランス人弁護士のフアン・ブランコ氏は「ささやかだが遅ればせの前進」と評価した。アムネスティ・インターナショナル・セネガルは「被害者の側に立って警戒を続ける」と述べた。死者数はジャーナリストと科学者の集計で65人以上、新政府の推定では80人以上とされる。ケニアの日刊紙が報じたこの事件は、サル政権下での野党抑圧とソンコ氏逮捕が引き金となった暴動の責任追及が始まったことを示している。

マレーシアでは、マレーシア汚職防止委員会(MACC)のアブド・ハリム・アマン委員長が、ケダ州の肥料配布をめぐる不正疑惑で2人が起訴される見通しだと発表した。調査は完了し、MACC法第18条(虚偽の陳述または文書の使用)に分類された。検察部門が検事総長に付託し、同意が得られれば来週かその翌週に法廷で起訴される可能性がある。農業・食料安全保障大臣モハマド・サブ氏らからも証言を取った。一方、クアラルンプール・バーティカル・シティ(KLVC)プロジェクトをめぐる不正流用疑惑では、元フェルダ(連邦土地開発庁)の幹部2人が起訴される。元総支配人は第420条で1件、元フェルダ投資公社CEOは第417条で2件の罪に問われ、それぞれ9月30日と29日に法廷に提出される。マレーシアのニュー・ストレーツ・タイムズ紙は、検事総長が前日に起訴に同意したと報じた。

南アフリカでは、リンポポ州ブロウベルグ自治体の市政管理者レフィルウェ・ジョナス・ラモトワラ氏(57歳)と、警備会社BBTセキュリティサービスの取締役2人(セロ・ヘルロット・モンガロ氏37歳、ンゴアコ・ニコラス・トカ氏39歳)が、1100万ランド以上の警備契約をめぐる詐欺容疑でセンワバラナ治安判事裁判所に出廷した。2023年3月にBBT社が虚偽の入札書類を提出して契約を獲得したが、銃器の所有要件を満たしていなかったとされる。3年間で1100万ランド以上が支払われた。3人は窃盗、詐欺、マネーロンダリングなど計73の罪に問われ、ラモトワラ氏には地方財政管理法違反の追加容疑もある。保釈申請は10月1日に予定されている。南アフリカのIOL紙は、国家検察局(NPA)が「恐れや偏見なく」これらの事件を起訴し続けると報じた。

ロシアでは、政治コンサルタントで選挙専門家のアレクサンドル・キネフ氏がモスクワで麻薬容疑により逮捕された。亡命系メディア『メディアゾーナ』が伝えた。元高等経済学院教授の同氏は「大規模な違法薬物の生産、販売、流通」の罪で起訴され、最高刑は懲役20年。2月に「外国代理人」に指定されていた。1990年代からリベラル派ヤブロコ党の選挙運動に関わり、独立系選挙監視団体ゴロスなどで活動してきた。モスクワ・タイムズ紙が2024年に「望ましくない組織」に指定される前は、同紙に論説を寄稿していた。モスクワ・タイムズ紙自身が、ロシア当局による独立系メディアへの弾圧の一環としてこの逮捕を報じた。

これらの出来事は、国家と企業、個人の責任の境界が問われる時代の到来を示している。オーストラリアのAI問題は技術と法のギャップを、コロンビアとセネガルは政権交代による政策と司法の転換を、マレーシアと南アフリカは汚職摘発の継続を、ロシアは政治弾圧の一側面を浮き彫りにした。いずれの事例も、既存の法的枠組みが新しい状況にどこまで対応できるかという共通の課題を投げかけている。

ロシア軍のキーウ昼間攻撃で5人死亡、米がパトリオット生産許可を最終承認

ウクライナ当局は26日、ロシア軍によるキーウへの昼間攻撃で少なくとも5人が死亡したと発表した。AFP通信によれば、キーウ市長のビタリー・クリチコは、ドローンがオフィスビルに直撃し4人が死亡、7人が負傷したと述べた。さらに、就寝中の14歳の少年が住宅棟へのドローン直撃で命を落とし、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領はこれを「絶対に野蛮で嫌悪すべき、軍事的論理を欠いた爆撃」と非難した。ロシア軍は従来、夜間に攻撃を集中させてきたが、最近は昼間の攻撃が増加している。

ゼレンスキー大統領は今週の訪米中、ドナルド・トランプ米大統領と会談し、ウクライナ国内でのパトリオットミサイル生産許可が「最終決定」されたと明らかにした。米国とイスラエルが2月にイランと戦争に入って以来、ウクライナはパトリオット迎撃ミサイルの深刻な不足に直面している。ただし、マルコ・ルビオ米国務長官は9月上旬、許可が即座の解決策にはならないと指摘した。南部オデーサ州では郵便施設への攻撃で1人が死亡、ロシアが占領するザポリージャ州ではウクライナ軍の攻撃で3人が死亡した。

一方、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は25日、サンクトペテルブルクで記者団に対し、ウクライナが先にロシアの製油所や民間インフラ、黒海の商船を攻撃し始めたと主張した。プーチン氏は「彼らが全てを始めた。冗談か、子供の遊びか。だから彼らはロシアの報復攻撃を感じるべきだ」と述べ、キーウ政権の挑発は立場を改善しないと強調した。ロシア世論調査機関のデータでは、プーチン氏への信頼は73.6%、支持率は68%に達している。

ロシア外務省のロディオン・ミロシニク特命大使は、ザポリージャ州でオムスク州のボランティア3人がウクライナ軍の攻撃で死亡したことについて「ゼレンスキー氏はまさに民間人に対する戦争を望んでいる」と非難した。台湾の『タイペイ・タイムズ』は、ロシアの下院選挙でのプーチン氏側の圧勝を「見せかけの選挙」と評し、これによりプーチン氏が国内でより大きな犠牲を要求する新たな委任を得たと分析した。同紙は、プーチン氏が欧州での選挙を前に、ウクライナ支援に懐疑的な右派政党の台頭を追い風に、欧州の「痛みの限界」を試そうとしていると指摘した。

フランスの『フランス24』は、ロシアのハイブリッド戦争が地中海に拡大する可能性を報じた。スペイン紙『エル・ムンド』の調査によれば、米中央情報局(CIA)の情報として、ロシアが商船を装った艦船から「ゲルベラ」ドローンを発射し、スペイン、イタリア、フランスを攻撃するシナリオが浮上している。エマニュエル・マクロン仏大統領はこの情報を知らなかったと述べ、専門家らは情報戦の可能性を指摘した。ドイツの『フランクフルター・アルゲマイネ』は、ロシアのドイツでのハイブリッド戦争がサイバー攻撃から爆弾・放火事件に拡大し、ドイツ国民の戦意を弱体化させる狙いがあると論じた。

ウクライナ空軍によれば、25日未明にロシアは295機の攻撃ドローンを発射し、ウクライナ軍は267機を撃墜または電子戦で無力化した。ハルキウ州スタラ・フニリツィア村では、ロシアのS-8000バンデロル巡航ミサイル3発が農場を直撃し、野菜選別作業中の作業員6人が死亡、14人が負傷した。過去24時間のウクライナ全土での死者は10人、負傷者は61人に上った。キーウではペチェルスキー地区の16階建て住宅にドローンが直撃し、14歳の少年が死亡した。

これらの攻撃の背景には、ロシアの最新型ジェット推進ドローンと弾道ミサイルの導入がある。ウクライナの防空網は迎撃に苦慮しており、パトリオットシステムのPAC-3迎撃ミサイルだけが強力な弾道ミサイルを破壊できると専門家は指摘する。ゼレンスキー大統領は国連演説で、ウクライナの270億ドルの財政赤字の大部分が防衛費、特にドローンとミサイル生産に関連していると述べた。ロシアのプーチン大統領は、ウクライナが100隻以上の船舶を損傷させたと主張し、全てを復旧したと述べた。ロシアの世論調査では、プーチン氏への信頼が高水準を維持しており、戦争継続の国内基盤が依然として強固であることを示している。

カナダ首相、対米軍事衝突の可能性を「極端な尾部リスク」と位置づけ——貿易戦争と51番目の州論が両国関係を揺さぶる

カナダのマーク・カーニー首相は、米国によるカナダへの軍事行動の可能性を「極端な尾部リスク」と表現し、オタワがその対応策を検討していることを明らかにした。カーニー首相はニューヨーク・タイムズ紙のインタビューで、政府には極端なリスクを考慮する責任があると述べ、この検討は通常のリスク管理の一環だと説明した。カナダと米国は貿易、情報共有、防衛協力を通じて数十年にわたり緊密な関係を維持してきたが、ドナルド・トランプ大統領がホワイトハウスに復帰して以降、両国の関係には緊張が生じている。

緊張の主因は、継続中の貿易戦争と、トランプ氏がカナダを「51番目の州」にすると繰り返し唱えていることだ。トランプ氏は2025年の大統領復帰後、カナダとメキシコからの輸入品に25%の関税を課し、その後カナダに対しては35%への引き上げをちらつかせた。カナダは米国の鉄鋼・アルミニウムの最大の供給国であり、2025年にはカナダの財輸出の約72%にあたる5,560億ドル相当が米国に向かった。貿易交渉は8月に決裂し、双方が報復関税を課し合っている。カナダはこの依存度を下げるため、米国製F-35戦闘機の調達計画を見直し、スペースXのスターリンク衛星インターネットへの依存も減らす方針を示す。今月は欧州連合と英国を訪問し、EUからは準加盟提案を受諾、英国主導の合同遠征軍(JEF)への加盟を申請した。

カーニー首相のこの発言は、米国による攻撃が起きる可能性が高いという意味ではない。専門家らは、米国によるカナダ攻撃は「極めて可能性が低い」とみるが、トランプ氏の発言にカナダ国民が不安を抱き、首相が国家の主権を守っているかどうかを知りたがっていると指摘する。グラスゴー大学のタイ・ソロモン教授は、緊張には「少なくとも二つの問題」があるとし、トランプ氏のカナダに対する敵意と、グリーンランド併合の脅威や北極圏でのロシア・中国の活動といった変化する安全保障環境を挙げた。リーズ大学のエリック・テイラー・ウッズ准教授は、万一戦争になれば「カナダ人が主権の喪失を単に受け入れるとは思わない」と述べる。ソロモン教授は、米国の対イラン戦争の長期化が「圧倒的な米軍事力の有効性」への想定に疑問を投げかけていると指摘し、もし攻撃が起これば「残された米国への信頼が完全に蒸発し、他の民主主義国が米国の安全保障同盟の外で新たな同盟を築く動きを大きく加速させるだろう」と語った。

一方、カーニー首相はトランプ氏との貿易合意に依然として前向きだ。両者は貿易交渉決裂後も「頻繁に」話し合っており、「電話で互いに問題について話し合える」と述べた。ソロモン教授は「カーニー氏とその顧問らはトランプ政権をほとんど信頼していない」と私見を述べつつ、トランプ氏が気まぐれに政策を変えることへの懸念を示した。カナダのデービッド・マクギンティー国防相は、軍隊は起こらないかもしれない状況に日常的に備えていると述べ、20世紀に米加が策定した仮想戦争計画を想起させるものだとした。パキスタンのデイリー・タイムズ紙とカタールのアルジャジーラ紙が報じたこの問題は、両国関係の変化を浮き彫りにしている。

ゼレンスキー氏、トランプ氏がパトリオット生産許可の「最終決定」と表明 ウクライナ防空強化へ

ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領は9月25日、ドナルド・トランプ米大統領が、ウクライナによるパトリオット迎撃ミサイル生産ライセンスの付与について「最終決定」を下したと明らかにした。ゼレンスキー氏は今週ニューヨークで行われたトランプ氏との会談後、記者団に対し「我々の最後の会合で、トランプ大統領は最終決定を下したと強調した。ウクライナはパトリオット・ミサイル生産のライセンスを受け取る」と述べた。ウクライナ政府によれば、パトリオット・システム用のPAC-3迎撃ミサイルは、ロシアの強力な弾道ミサイルを破壊できる唯一の兵器であり、その世界的な不足は今年、米国とイランとの戦争が始まって以降、さらに深刻化している。

この問題を巡っては、トランプ氏が7月にライセンス付与に前向きな姿勢を示した後、数週間して「非常に慎重になるべきだ」と後退するなど、米国側の姿勢が揺れ動いてきた。9月初めにはマルコ・ルビオ国務長官が交渉中であると述べつつ、即効性のある解決策にはならないとの認識を示していた。ゼレンスキー氏は先月、冬季を乗り切るには米国のパトリオット迎撃ミサイルの5%、ロシアの弾道ミサイルを全て迎撃するには10%が必要だと述べている。英紙など複数メディアの報道によれば、ライセンスが付与されても生産体制の構築には1年以上かかるとみられ、ウクライナの当面の需要を満たすには至らない。ゼレンスキー氏は並行して、自国製の対弾道ミサイル・システム「フレイア」の開発を進めていると述べた。

一方、ウクライナはロシアの攻撃に直面し続けている。9月25日朝にはキーウの住宅ビルにドローンが直撃し、14歳の少年が死亡した。ゼレンスキー氏はこれを「絶対に野蛮で、嫌悪すべき、あらゆる軍事的論理を欠いた爆撃」と非難した。南部オデーサ州では郵便局への攻撃で別の1人が死亡、ロシアが占領するザポリージャ州ではウクライナ軍の爆撃で3人が死亡したとロシア当局が発表した。またゼレンスキー氏は同日、ウクライナの270億ドルの予算赤字の大半がドローンやミサイル生産など国防費に関連していると指摘し、10月と11月に発注と支払いを行わなければ、1月と2月に「深刻な課題」に直面すると警告した。

今回のパトリオット生産ライセンス付与の決定は、ウクライナの防空能力強化に向けた一歩となるが、即戦力となる兵器の供給という点では、依然として課題が残る。米国とイランの戦争による迎撃ミサイルの世界的な逼迫が続く中、ウクライナは自国生産体制の確立と、冬季を前にした短期的な防空強化の両立を迫られている。EUの外交政策トップ、カヤ・カラス氏は「ウクライナにとって良い知らせであり、ロシアにとって悪い知らせだ」と評した。

露ウクライナ紛争、ゴルロフカ市場への攻撃で死者2人に 欧州ではドローン市場の10年を回顧

ウクライナ東部ドネツク人民共和国の都市ゴルロフカで25日、ウクライナ軍によるドローン攻撃で市場が襲われ、死者が2人に達した。市地区長イワン・プリホドコが明らかにした。攻撃はニキトフスキー地区と中央市街地区の2つの市場で発生。プリホドコ氏は当初、両地区の市場へのドローン攻撃を報告し、救急当局は当初1人が死亡、5人が負傷したと発表していた。その後、プリホドコ氏はニキトフスキー地区の市場で民間人女性1人が死亡、中央市街地区の小売施設への無人機攻撃でも別の民間人女性が死亡したと伝えた。ロシア通信タスは、負傷者が5人に増えたとも報じている。

一方、欧州ではドローンが民生市場に普及してから10年以上が経過した。2010年、フランスのメーカー、パロットがiPhoneで操作できる4枚プロペラの飛行体を発売。EUで個人向けとして最初期の機体の一つとなった。風に弱く、速度も遅く、航続距離も短い玩具に近い機体だったが、ドローンを大衆市場に適合させる先駆けとなったと独紙フランクフルト・アルゲマイネ・ツァイトゥングは回顧する。軍事用途から民生用途へと広がったドローン技術は、今やウクライナ戦線で市街地の市場を襲う兵器としても機能している。

この2つの報道は、ドローンが持つ二面性を浮き彫りにする。欧州メディアは民生品としての歴史と技術的進化を強調し、ロシア通信は戦場での破壊力と犠牲者に焦点を当てた。ゴルロフカの攻撃では、ウクライナ軍のドローンが民間人女性2人の命を奪った。ロシア側の報道は犠牲者の詳細を伝えることで、ウクライナ軍の攻撃の非人道性を訴える構図だ。一方、欧州の報道はドローンの平和的な普及を描き、同じ技術が戦場で使われる現実との対比を際立たせている。

ブエノスアイレス州控訴裁、少年刑事法停止判決を破棄しデ・マリニス判事を事件から外す

ブエノスアイレス市の刑事・少年・違反・欠席裁判所控訴部は今週金曜日、ローラ・デ・マリニス判事が下した判決を破棄した。同判事は、14歳の少年が携帯電話を奪おうとした事件で、14歳からの刑事責任年齢引き下げを定めた新法を違憲と宣言し、少年を事件から切り離していた。控訴部のホルヘ・フランサ、イグナシオ・マヒケス、パトリシア・ラロカの3判事は全会一致で、同法の合憲性を宣言し、少年の捜査継続を命じた。さらに、判事らはデ・マリニスを事件から外す決定も下した。同判事が「立場と基準の事前表明」を既に行ったためだ。今後、新しい判事が抽選で選ばれ、事件を担当する。

判事らは判決文で「年齢の引き下げ、刑罰の上限、特定の要件の広さ、制度の保護的残滓に対しては、根拠ある批判ができる。これらは公開討論や将来の改革にとって重要だ。しかし、具体的な憲法上の矛盾を示さない限り、裁判所がより望ましいと考える立法選択を司法が置き換えることを許さない」と述べた。判事らはまた、この判決を「適法手続きの規則に反する明白な管轄権の過剰行使」と呼んだ。クラリン紙が入手した判決文で明らかになった。

一方、アルゼンチン司法連盟(FAM)と約100人の判事がデ・マリニスを支持し、ブエノスアイレス市政府が提出した弾劾請求を批判した。FAMは「この連盟は判決の当否について意見を述べるものではない。判決への批判は民主的社会において正当であり、異論がある者には法秩序が予定する上訴手段がある」と指摘した。さらに「判事の法的判断への返答として懲戒や解任の仕組みに訴えることは、それらの制度を歪め、司法全体に威圧的な効果を及ぼす。憲法および条約適合性の審査は裁量的な権限ではなく、憲法が全ての裁判官に課す義務だ」と述べ、「ローラ・ベアトリス・デ・マリニス判事に対する嫌がらせ」と表現した。

91人の判事も同様の声明を発表し、「判決が共有されるかどうかに関わらず、法の支配と共和制政府の原則は、憲法に基づいて裁判官が採用する決定を尊重することを要請する。判決の内容への返答として弾劾を提起することは、司法の独立を著しく損なう」と主張した。彼らは、判決が上訴され審査されることは「法体系自体が適切な仕組みを利用していることの証明だ」と強調した。

この判決は、ブエノスアイレス市政府のホルヘ・マクリ首長とハビエル・ミレイ政権の閣僚らから厳しく批判されていた。市政府は判事の解任を求める弾劾請求を提出していた。政治的には、自由前進党の上院議員団長パトリシア・ブルリッチが、判決には同意しないものの弾劾請求にも同意しないと立場を異にした。

これは同法に異議を唱えた2番目の司法判断だった。今月初め、ロマス・デ・サモーラの少年担当判事マルタ・パスクアルが、ブエノスアイレス州全体での適用を60日間停止した。彼女も批判され弾劾請求を受けたが、その決定は数日後に控訴裁によって破棄された。

デ・マリニスの決定は、検察官マウロ・テレスコによって上訴されていた。事件はブエノスアイレス市控訴裁判所のホルヘ・フランサ、イグナシオ・マヒケス(国家法務大臣フアン・マヒケスの弟)、パトリシア・ラロカの各判事が分析する。裁判所は判決前に、弁護側、控訴検察、後見助言機関に意見を求めた。彼らには今週金曜日までの期限が与えられていた。ブエノスアイレス市刑事訴訟法は、当事者が意見を述べれば「直ちに解決される」と定めているが、期限は定めていない。関係筋によると、決定は来週になる見込みだ。

アルゼンチンのメディアは、この一連の出来事を司法権と行政権の対立として報じている。クラリン紙は、控訴裁の判決と判事の交代を、市政府の弾劾請求への司法側の応答として位置づけている。一方、判事らを支持する声明は、司法の独立と権力分立の原則を強調しており、政治的压力に対する防衛という観点から論じている。この事件は、少年刑事法の内容そのものよりも、司法と政治の関係性を巡る争いとしての性格を強めている。

イラン戦争の停滞とアメリカ・カナダの政治動向、そしてアルゼンチンの経済指標

アメリカ上院は24日、イランでの戦闘終結を命じる決議を50対49の1票差で否決した。この決議は非拘束の戦争権限決議であり、下院では7月に可決済みだった。共和党からはメイン州のスーザン・コリンズ、アラスカ州のリサ・マーカウスキー、ケンタッキー州のランド・ポール、ノースカロライナ州のトム・ティリスの4人が民主党に同調し、ペンシルベニア州のジョン・フェッターマンが共和党に反対票を投じた。戦争は2月28日に始まり、7か月目に入っている。ニュージャージー州のアンディ・キム上院議員は「少なくとも19人の軍人が命を落とし、750人以上が負傷した」と議場で述べた。ペンタゴンは戦費を約420億ドルと試算し、PBSニュースはこれまでに435億ドル、さらに議会に870億ドル超の追加要求があると報じた。

この否決は、有権者の戦争疲れを反映したものだ。共和党の上院候補であるアイオワ州のアシュリー・ヒンソンは「アイオワ州民はイラン戦争のためにガソリン代やレジで負担を強いられるべきではない」と述べ、ミシガン州のマイク・ロジャースは「戦争は早く終わるべきだ」と訴えた。アメリカ自動車協会によると、24日のレギュラーガソリンは1ガロンあたり4.48ドルで、前年の3.16ドルから上昇し、この時期として過去最高となった。ディーゼルは22日に6.528ドルに達した。一方、ホワイトハウスは供給面を強調し、報道官のテイラー・ロジャースは「大統領はアメリカのエネルギー優位性を解放し、コストを削減し、勤労家庭の懐を豊かにすることに引き続きコミットしている」と述べた。また、カリフォルニア州最高裁は24日、リバーサイド郡のチャド・ビアンコ保安官が65万票以上の投票用紙を没収したのは州選挙法違反だと全会一致で判断し、返還を命じた。ニューヨークの連邦判事ルイス・カプランは、26連邦広場の収容所で1人あたり50平方フィートの広さと弁護士との監視なしの通話を恒久的に命じ、その状態を違憲とした。

カナダでは、首相がアメリカの侵攻リスクを研究したとニューヨーク・タイムズ紙(23日付)に語り、国防相は翌日、そのような作業は日常的だと述べた。ケベック州では10月5日の選挙を前に、レジェ社の世論調査でケベック党が29%、自由党が23%となり、65%が政権交代を望んでいる。アルバータ州ではリサーチ・コー社の調査で、74%がカナダに留まると回答し、22%が離脱を検討すると答えた。これらの動きは、各メディアが異なる側面を強調している。スターズ・アンド・ストライプスは軍の犠牲と戦費に焦点を当て、CBSニュースは経済的フラストレーションを「経済的な不満」と報じ、NPRは共和党候補の反戦運動を詳細に伝えている。一方、PBSニュースは戦費の総額と追加要求を数字で示した。カナダの政治動向は、ニューヨーク・タイムズと地元メディアが異なる角度から報じている。

アルゼンチンでは、25日の為替市場でドル公式相場が買い1,490ペソ、売り1,540ペソとなった。ドル・ブルーは1,540ペソで買い、1,560ペソで売りとなり、公式との乖離は3%だった。ドル・ターリスタは2,002ペソ、ドル・メイヤーは1,603.14ペソ(買い)と1,607.26ペソ(売り)、CCLは1,612.50ペソ、MEPは1,539ペソ、クリプト・ドルは1,606.08ペソ(買い)と1,610.23ペソ(売り)で取引された。ユーロは1,670ペソ(買い)と1,770ペソ(売り)で、国際市場では1ユーロ=1.08ドルだった。ブラジルレアルは283ペソ(買い)と305ペソ(売り)で、ビットコインは84,314ドル(前日比0.69%上昇)となり、公式ドル換算で1億2,805万426ペソに相当する。これらの数値はクラリン紙が報じたもので、ほぼ単一の論調である。

その他のニュースでは、ブエノスアイレス州のキニエラでマトゥティーナの抽選が行われ、1位は5643、プリメーラは0894だった。サンタフェ州とコルドバ州でも抽選が実施された。ディズニープラスのアルゼンチンでのランキングでは『トイ・ストーリー5』が首位に立ち、アフリカではエチオピア、ジブチ、ダンゴテが6億6,000万ドルの石油パイプライン建設に合意した。マレーシアでは中国の張選手がアジア大会水泳で史上最多の7個目の金メダルを獲得した。

イランとイラク、科学技術協力の強化で合意 米制裁で航空便停止も

イランとイラクの科学技術関係者がテヘランで会談し、技術協力の強化と既存合意の実施を確認した。イラン科学・研究・技術省の国際科学協力センター長エフサン・カブールと、ムスタンシリーヤ大学学長サファー・タキ・アブド・ヌール・アル=イッサウィが火曜日に会談し、共同研究プロジェクトの実施と、経済・社会・文化・農業・工業課題など両国共通のテーマに関する大学院論文の指導で合意した。両者は第3回イラン・イラク科学週間への積極参加でも一致した。カブール氏は、イラクの大学がトップ級イラン大学と協力し実践的・相乗的プログラムを実施することで同週間で効果的な役割を果たすと期待を示した。イランの技術・イノベーション基盤整備における顕著な成果を強調し、共同技術サービス・製品の創出に向けイラクの研究・学術機関との連携に準備があると表明した。イラク側も主要イラン大学との関係拡大に意欲を示し、合意の最短実施を求めた。

一方、米国の新たな航空制裁を受けてイラクはイラン便の運航を停止した。イラクのバグダッド、ナジャフ、アルビール、スレイマニヤの4空港が、イラン航空会社と取引する国際企業への制裁発動を受けて、イラン発着便を停止した。ナジャフ空港のフセイン・ムハンナ空港長は、首相府からナジャフ県知事への指示に従い全便を停止したとAFPに述べた。イランは、自国航空会社が空港アクセスを拒否されれば地域航空に広範な混乱が及ぶと警告した。イラン最高指導者顧問のモハンマド・モフベル氏は、航空便停止を「米国との連携」と非難し、「イランが飛行・空港サービスを受けられなければ、地域のどの国もその恩恵を受けられない」とSNSに投稿した。イランの航空会社はトルコ、ロシア、中国、アルメニアへの限られた路線で運航を続けている。

イランとイラクの科学技術協力は、米国主導の制裁で経済的孤立が進む中、両国の関係強化を示す動きだ。イラクは米国とイランの板挟み状態にあり、航空便停止はイランの経済危機を悪化させる可能性がある。一方、国連総会ではイラクのアリー・アル=ザイディ首相が経済投資を呼びかけ、レバノンのナワフ・サラーム首相はイスラエルのレバノン撤退を求めた。ロシアとイランの外相はニューヨークで会談し、米国とイスラエルの戦争に起因する紛争の外交的解決を強調した。

汚職・司法調査が世界で進展、マレーシア元人材相の資産申告命令と南アフリカのマドランガ委員会の判断

マレーシア汚職委員会(MACC)は、元人材相ダトゥク・スリ・M・サラバナン氏とその妻、および3人の子供に対し、資産申告命令を下した。MACC長官ダトゥク・スリ・アブド・ハリム・アマン氏は、マレーシア汚職委員会法第36条に基づく通知を月曜日にMACC本部で交付すると発表した。サラバナン氏と妻、および2人の子供は通知を受け取るため本部を訪れ、ロンドンで学ぶもう1人の子供には11月に通知が送られる。サラバナン氏は以前、クアラルンプール地方裁判所で、4年前に受け取った109万7000リンギットの賄賂に関する3つの罪状について無罪を主張していた。一方、元タブン・ハジ会長ダトゥク・スリ・アジーズ・アブドゥル・ラヒム氏とその家族への資産申告通知については、MACCはまだ申告を受け取っていない。ハリム氏は「1か月の期限はまだ終わっていない。9月15日に通知を交付したばかりだ」と述べた。

パキスタンでは、実業家ミル・ラザ氏殺害事件を調査する司法委員会が、家族の要請を却下した。家族は複数の上級警察官の出席を求めたが、委員会のウマル・シアル委員長は、9月17日にすでにこの問題を明確化したと述べ、上級警察官を個別に召喚する代わりに、家族が11月26日までに書面で質問を提出できるとした。委員会はまた、医療委員会の構成に保健省幹部が不当に介入したとし、最初の捜査チームが6日間で捜査を損なったと批判した。

南アフリカでは、マドランガ委員会がタクシー組合ボス、オウパ・ジョシア・シンダネ氏(通称「バファナ」)の証言延期申請を却下し、9月28日月曜日に「いかなる形式であれ」証言を行うよう命じた。シンダネ氏は23日に証言する予定だったが、重度の高血圧、副鼻腔炎、インフルエンザを理由に欠席し、弁護士のタバニ・マスキ氏は「神聖な精神的隠遁」中であると説明した。マスキ氏は、シンダネ氏が携帯電話から押収されたWhatsAppメッセージの証拠採用に反対し、進行中の刑事事件に影響する可能性があると主張した。主任証拠リーダーのマシュー・チャスカルソン氏は、シンダネ氏の高裁への申請が「自己都合の緊急性」であると反論し、委員会のスケジュールが逼迫していると指摘した。委員会は、シンダネ氏が欠席してもWhatsAppメッセージを証拠として採用する方針を示した。

また、マドランガ委員会では、サプス(南アフリカ警察)を解任されたフェローズ・カーン元少将の証言が月曜日に予定されているが、証拠リーダー側は彼のWhatsApp通信を非公開(インカメラ)で審理するよう申請した。申請が認められれば、公衆とメディアは審理の一部から除外されるが、カーンの弁護士は同席し、依頼人に内容を説明できる。証拠リーダーは、カーンの財務取引、不動産、車両、そして政治介入や諜報関係者とのやり取りに関するWhatsAppメッセージが証拠として提出されていると述べた。メディアには72時間の異議申立期間が与えられている。

これらの動きは、各国で進む汚職・司法調査の厳格化を示すものである。マレーシアではMACCが元閣僚の資産を精査し、南アフリカではマドランガ委員会が証言拒否や証拠の非公開性をめぐって判断を下している。特に南アフリカの報道では、Daily Maverickが詳細な法的議論を報じる一方、IOLは速報性を重視し「in whatever format」という表現を強調するなど、メディアによって論調に差が見られる。パキスタンでは単一メディア(Daily Times)の報道であり、委員会の決定が家族の要請を退けた点が簡潔に伝えられている。

イランとロシアの戦線拡大、欧州と中東で新たな衝突の兆候

2026年9月25日付のフランス紙『ル・フィガロ』は、イランとロシアの二つの戦線が、それぞれの国境を越えて欧州と中東の新たな領域へ拡大しつつあると分析した。東ではロシアの新たな動員の可能性と、欧州連合との新戦線を示唆するプロパガンダが存在する。南ではイランが石油の全ての輸出路を締め付け、フランスが紅海に面するサウジアラビアの戦略的石油施設ヤンブーへの軍事関与を発表した。同紙は、両戦線が陸・海・宇宙を通じて隣国へと公式に拡大していると指摘する。

一方、カタールのアルジャジーラは、ポーランドがロシアの挑発とされる事態を受けて防空態勢を強化したと報じた。ポーランド空軍は9月17日、東部領空の防衛を目的とした予防的哨戒を開始した。ポーランド国防相ウワディスワフ・コシニャク=カミシュは、F-16戦闘機やヘリコプターを含む空軍の活動を増加させると表明した。ドナルド・トゥスク首相は議会で、ロシアの計画にはウクライナを支援する国々へのハイブリッド型のドローン・ミサイル攻撃が含まれると述べた。9月23日には、カリーニングラードからミ-8ヘリコプターが42秒間ポーランド領空に進入したとされる。チェコの情報機関トップ、ミハル・クーデルカは、ロシアの攻撃が「数か月、数年単位」で起こり得ると英紙ガーディアンに語った。

ロシアの視点からは、タス通信が複数の戦況を伝えた。ザポロジエ州議会議員マクシム・ズバレフは、オレホフ地区でウクライナ軍の多層防御が突破されたと述べ、現在の進撃ペースが維持されれば年末までにザポロジエを東と北から包囲し始めるとの見方を示した。ロシア国防省は、ドネツク人民共和国のドブロポリエでウクライナ軍の補給路を全て掌握し、包囲下の敵の突破を阻んだと発表した。同省によると、ドブロポリエでは包囲開始以降170人以上のウクライナ兵が失われた。アンドレイ・ベロウソフ国防相は北の部隊集団を視察し、スームィ州モグリツァ解放の功績で兵士らに勲章を授与した。東部部隊集団の管轄区域では週間で1,900人超のウクライナ軍損害が生じたという。

ウクライナ側の反攻も報じられた。アルジャジーラは、戦争研究所の分析として、ロシアの領土獲得は2026年最初の8か月で純147.7平方キロメートルにとどまり、戦争開始以来最悪の成績だと伝えた。一方、ウクライナ軍は同期間に少なくとも972.56平方キロメートルを解放したとされる。リマン近郊での「ヴィヴァルディ」作戦では、第2段階で50平方キロメートルが解放された。ウクライナはロシア議会選挙の最終日に戦争最大規模の複合空爆を実施し、モスクワでは1,600機以上のドローンが迎撃されたが、石油精製所が今年2度目の停止に追い込まれた。

各メディアの論調には明確な差異がある。フランス紙とカタール系メディアは、戦争の地理的拡大とNATO領土への波及リスクを強調し、ロシアの意図を警戒する立場を示す。これに対し、ロシアのタス通信は、オレホフやドブロポリエでの包囲進展、ハリコフ州での領土解放など、ロシア軍の戦果を具体的な数値で強調する。ウクライナの大規模な反攻やドローン攻撃の成功も報じつつ、ロシア国防省の発表を基調とした前向きな戦況認識を打ち出している。ロシアのドゥーマ選挙で与党・統一ロシアが議席を伸ばした事実は、プーチン政権の戦争継続への支持を裏付けるものとしてロシア側が評価する一方、欧米メディアは戦況の停滞を指摘する。

さらに、ロシアのオムスク州から人道支援物資を運ぶ車列がウクライナ軍の攻撃を受け、3人が死亡した。ザポロジエ州知事エフゲニー・バリツキーがメルィトポリ地区ノヴォボグダノフカ村付近での攻撃を確認した。ロシア外務省のロディオン・ミロシニク特命大使は、この攻撃がゼレンスキー政権が民間人を標的にしていることの表れだと主張した。これらの出来事は、イランとロシアの戦線が地理的に拡大するだけでなく、外交的・情報的な側面でも新たな段階に入ったことを示している。

経済 (Economy)

燃料高騰が世界を覆う、ホンジュラス送金11%増とEU電動車シフトの光景

2026年9月、世界経済は燃料価格の高騰と移民送金の急増という対照的な二つの潮流に揺れている。ホンジュラス中央銀行の発表によれば、1月1日から9月10日までの送金総額は93億3000万ドルに達し、前年同期比11.4%増となった。これは国内総生産の約30%に相当し、世界でも最も高い水準だ。米国からの送金が全体の98%を占め、3年ぶりに就任したナスリー・アスフラ政権下でも、送金の流れは衰えていない。

一方、欧州では燃料価格の高騰が市民生活を直撃している。ドイツではガソリン価格が1リットル当たり2.30ユーロ超と過去最高を記録し、EU全体ではディーゼル価格が年初から倍以上に上昇した。この価格高騰は、米国・イスラエルとイランの戦争勃発による中東産石油供給の減少が主因だ。フランスのル・フィガロ紙は、ナイロビからリスボン、イスラマバードに至るまで世界中で抗議が広がっていると報じ、ポルトガルではトラック数百台が低速走行で抗議、フランスでは漁業関係者が港湾を封鎖した。レバノンでは燃料価格が戦争開始以来倍増し、労働組合がゼネラル・ストライキを予告する事態となっている。

この燃料危機は、欧州の自動車市場に構造的な変化をもたらしている。欧州自動車工業会のデータによれば、8月のバッテリー電気自動車の新規登録台数は前年比62.7%増となり、年初来のシェアは21.7%とガソリン車と並んだ。この成長を主導したのは中国メーカーだ。BYD、奇瑞、零跑、上汽の4社で、8月の純増台数の約92%を占めた。ブリュッセルによる中国車の拡大を抑える動きにもかかわらず、BYDの登録台数は2倍超の2万845台、奇瑞は3倍の約1万4000台に達した。

燃料高騰への対応を巡っては、欧州議会経済通貨委員会委員長オーロル・ラリュック氏が、エネルギー企業への超過利潤課税を欧州レベルで導入すべきだと主張している。スペイン、イタリア、ドイツ、オーストリアなどが課税に前向きな一方、フランスはトタルエナジーズを保護するため消極的だと指摘した。また、欧州の財政規律を重視する「倹約派」諸国が2028〜2034年の予算を2兆ユーロ未満に抑えるべきだと主張するのに対し、ラリュック氏は「共通の課題に応えられない予算なら全員が負ける」と反論している。

世界経済の分断が深まる中、米国では2028年ロサンゼルス五輪と2034年ソルトレークシティー五輪という相次ぐ国内開催がスポーツ参加の拡大をもたらすと期待されている。米国オリンピック・パラリンピック委員会のサラ・ハーシュランドCEOは、1996年アトランタ大会後に一部競技で参加者が二桁増えた事例を挙げ、ソーシャルメディア時代の新たな戦略を模索していると語った。

こうした状況を総合すると、2026年はエネルギー価格の高騰が各国の経済政策と社会の安定性を試す年となっている。ホンジュラスの送金増は移民の不安心理が生んだ短期的なブームである可能性があり、米国による強制送還の増加と一時保護資格の打ち切りが2027年に送金を減少させるかどうかが焦点となる。欧州では、中国製EVの台頭と燃料価格の高騰が自動車産業の競争力を再定義しつつあり、各国政府は補助金と税制で対応を迫られている。レバノンのように経済が破綻寸前の国では、社会不安が政権の存続を左右する重大な局面にある。

南ア、10月に記録的燃料値上げへ 原油99ドル超でガソリン1リットル30ランド目前

南アフリカの燃料価格が10月に過去最高値を更新する見通しとなった。9月下旬の中央エネルギー基金(CEF)データによると、ガソリン93は1リットル当たり約2.71ランド、ガソリン95は同2.88ランドの回収不足が生じており、10月の値上げ幅は1リットル当たり約3ランドに達する可能性がある。ガソリン95は1リットル30ランドの大台まで約20セントに迫っており、2026年6月にイラン戦争ショックで記録した史上最高値の28.06ランドを確実に超える状況だ。

値上げの主因は地政学リスクにある。米イラン紛争とホルムズ海峡の緊張で原油は1バレル99ドルを突破し、心理的な節目である100ドルに接近している。サウジアラビアはイエメン国境付近で一部エネルギー事業を停止しており、ウクライナ戦争も供給逼迫に拍車をかける。南アは燃料輸入国であるため、原油価格の上昇がそのまま国内価格に跳ね返る構造だ。さらにランド安が原油ショックを増幅させている。

政府の緩和策はすでに尽きている。2026年上半期に実施された一般燃料税の一時減免(最大1リットル当たり3ランド)は6月に段階的に縮小され、7月1日で完全に終了した。現在はガソリンに1リットル当たり4.10ランド、ディーゼルに同3.93ランドの全額課税が復活している。財務省は新たな減免に乏しい財政余地しかなく、4〜6月の減税措置だけで推定172億ランドの歳入減を計上した。

最終的な調整額は月末データとランド相場に左右されるが、公式発表は10月第1週、新価格は10月7日(水曜日)に適用される見込みだ。原油が100ドル近辺にあり、減税の緩衝材もないため、リスクは明確に値上げ方向へ傾いている。

なお、本稿で引用した10月の数字はCEFの回収データに基づく予測であり、公式発表ではない。最終調整は9月最終日のデータとランドの推移によって、場合によっては大幅に変わり得る。ディーゼルと灯油の月末回収不足データ、および政府の新たな減税措置の有無は確認できていない。

南アの燃料価格は毎月設定され、CEFの日次「過剰回収・回収不足」計算によって決定される。規制ポンプ価格の収入と精製燃料の輸入実費との差が持続的な回収不足となれば、ほぼ機械的に値上げへとつながる。2026年3月に20.30ランドだったガソリン95は、イラン戦争ショックで秋にかけて急騰し、6月に史上最高の28.06ランドを記録。9月にも1リットル当たり1.34ランド(ガソリン)〜最大3.15ランド(ディーゼル)の値上げが実施された。戦後調整の累計は3月以来、ガソリンで6.80ランド超、ディーゼルで11.60ランド超に達している。現在の回収不足が月末まで続けば、10月の累計はそれぞれ約8.75ランド、13.63ランドとなる。新記録を回避するには、月末までにガソリンの回収不足を1リットル当たり約1.13ランドまで縮小する必要があるが、現状の市場環境ではその兆候はない。

カリブ・中南米・アフリカの外国人投資・生活ガイドとロシアの航行安全声明

ブラジルのメディアが、カリブ海・中南米・アフリカの各国について外国人投資家・駐在員向けのガイドを相次いで公開した。トリニダード・トバゴの不動産購入、スリナムの医療、ガイアナの治安、バルバドスへの移住、バハマへの投資、ニカラグアの安全と銀行口座、エルサルバドルへの投資、コートジボワールの政治経済を網羅する。一方、ロシア外務省は国連総会のハイレベル週間中に開かれた「安全航行と船員の友の会」初会合で、航行安全を妨げる一方的な制限を批判した。

トリニダード・トバゴでは、1990年外国投資法に基づき、トリニダード島では1エーカーまでの住宅購入に許可が不要だが、トバゴ島では全ての外国人購入に政府許可が必要だ。2025年の住宅販売価格の約4分の3は14万7000ドルから58万8000ドルの範囲に収まり、印紙税が別途かかる。外貨不足により、売却代金や家賃を米ドルに換えるのに数か月かかるのが難点だ。スリナムでは、医療費は米国基準では安価だが、病院の債務、薬不足、看護師不足が深刻で、複雑な症例は主にコロンビアへ送られる。ガイアナでは、2025年の殺人件数は130件で人口10万人あたり約15.6件となり、米国国務省は「旅行を再検討」のレベル3に指定している。深刻な犯罪は公式統計では減少傾向だが、強盗は夜間と現金回りに集中する。バルバドスでは、12か月のウェルカムスタンプが個人2000ドル、家族3000ドルで、リモートワーカー向けに人気だ。ただし、承認は2026年12月31日までで、それ以降の延長は未定である。バハマでは、所得税・キャピタルゲイン税・相続税がなく、代わりに10%の付加価値税と不動産税が課される。外国人購入には投資委員会の証明書か許可が必要で、2026年7月1日から外国人所有者向けの不動産税の新区分が導入された。ニカラグアでは、路上犯罪は中米では中程度だが、政治リスクが大きい。米国国務省はレベル3に指定し、米国人の不当拘束を警告する。銀行口座開設は、居住者ならパスポートと居住カード、非居住者ならパスポートと追加の写真付き身分証明書が必要で、預金保険は1人当たり1万2000ドルまでだ。エルサルバドルでは、ドル経済で為替リスクがなく、2025年の公式殺人件数は82件まで減少した。ビットコインは法定通貨の地位を維持するが、受け入れは任意となり、IMFの14億ドルプログラムが進行中だ。コートジボワールでは、2025年の経済成長率は6.5%で、アラサン・ウアタラ大統領が4期目に入った。カカオ価格の変動と石油・ガス開発が経済の焦点である。

ロシア外務省の国際機関局長キリル・ログヴィノフ氏は、1982年の国連海洋法条約を遵守し、個々の国が自ら課した一方的制限を enforced する名目で行う選択的・政治的な行動を認めないと強調した。同氏は、こうした措置は国際法に反するだけでなく、世界貿易の約90%を担う国際海運物流の安定を脅かすと述べた。

ブラジルのメディアの記事は、各国の事実を淡々と伝えるガイド形式で、特定の政治的立場を強調しない。一方、ロシアの記事は公式声明であり、自国の立場を明確に打ち出している。全体として、これらのガイドは外国人投資家や駐在員にとって有用な情報を提供し、ロシアの声明は国際物流の安定性に関する懸念を浮き彫りにした。

科学・技術 (Science & Tech)

AI覇権とリスク管理の狭間で揺れる世界——米中競争、規制論争、そして企業の対応

人工知能をめぐる世界の構図が、技術競争とリスク管理という二つの軸で大きく揺れ動いている。中国のシンクタンク、カーネギー中国が今週発表した研究「誰が世界のAI人材競争で先頭に立っているか」によると、昨年、世界の一流AI研究者の41パーセントが中国で働いており、34パーセントの米国を上回った。2022年には米国が46パーセント、中国が27パーセントと米国が圧倒的な優位に立っていただけに、この逆転はAI分野における地政学的な力関係の変化を如実に示している。シリコンバレーはもはや、中国の精鋭研究者たちにとって無二の魅力を放つ場所ではなくなりつつあるのだ。

一方で、AIの急速な発展に伴うリスクへの懸念も同時に高まっている。シンガポールで開かれたフォーラムでは、コンサルティング会社マクロ・アドバイザリー・パートナーズのマネージングディレクター、ジュード・ブランシェット氏が、地政学的緊張の高まりにもかかわらず、米中両国がAIの安全策について共通点を見出すべきだと訴えた。同氏は、世界が従来の人間行動によって形成された時代から、技術の飛躍的な進歩が世界の力関係を劇的に変える「テクノセン」へと移行しつつあると論じた。

こうしたリスク認識は、マイクロソフト共同創業者のビル・ゲイツ氏の発言によってさらに先鋭化している。ゲイツ氏はNBCとのインタビューで、AIが「10億人の死」を引き起こす出来事を後押しするほど強力になり得ると警告した。ただし、AIが単独で人類を攻撃するという意味ではなく、悪意を持つ人間が最新のAIツールを使うことで、これまでの技術以上のリスクが生じると指摘した。同氏は「悪意ある意図を持つ人間が最新のAIツールを使うほど強力な武器はこれまでになかった」と述べ、ワシントンでの法的規制の必要性を強調した。ゲイツ氏は「自己規制で十分だと信じている人は誰もいない」と述べ、政府機関や政治家が強制的な安全対策と監視に合意すべきだと主張した。この見解は、Anthropicのダリオ・アモデイCEOが最先端AIの開発鈍化を訴え、OpenAIやAnthropicといった主要ラボが独自のハッキング攻撃を受けて開発を減速させることを支持した動きと軌を一にする。

しかし、AIのリスクをめぐる論調はメディアや地域によって解釈が分かれる。ドイツのメディアはゲイツ氏の「10億人の死」という強烈な表現を「これまでにない強力な武器」という見出しで報じ、規制の必要性を強調した。一方、ロシアのタス通信は、AIが「悪意ある意図を持つ人々」に利用される可能性があるというゲイツ氏の説明を簡潔に伝え、国際機関の創設を求める同氏の呼びかけに言及した。パキスタンのメディアは、ゲイツ氏の懸念がAI自体の攻撃性ではなく、悪意ある行為者との組み合わせにあることを強調し、政府の関与を求める主張を報じた。このように、同じ発言でも、規制の緊急性を前面に出すか、技術の本質的な性質を冷静に分析するかで、論調に差異が見られる。

さらに、AIをめぐる反発の原因を中国に求める風潮に対する異論も出ている。ペイパル共同創業者のピーター・ティール氏は、アクセル・シュプリンガーCEOのマティアス・デプフナー氏とのポッドキャストで、米国の反AI感情の背後に中国があるという主張を退けた。ティール氏は、中国が反AIコンテンツの一部を後押ししている可能性を信じる傾向にあるものの、それが主因ではないと述べ、「これは主に我々自身がやっていることだ。単に中国のせいにするのはあまりに簡単だ」と語った。同氏はさらに、2026年5月のレオ14世教皇によるAI回勅を反AI的だと批判し、中国共産党は教皇に耳を貸さない一方で、米国の人々は影響を受けるかもしれないと指摘した。ティール氏は教皇を「共産党にとって有用な愚か者」と表現しつつ、言い過ぎだったかもしれないと認めつつも、教皇のメッセージが米国で効果を持つ一方で中国はそれに従わないだろうと主張した。この発言は、AI開発が米中競争と密接に結びつく中で、国内の懸念を対外的な要因に帰結させることへの警鐘となっている。

こうした議論の中で、企業レベルでもAIへの対応が加速している。ディズニーは、AIコンパニオン開発スタートアップのCharacter.aiの前CEO、カランディープ・アナンド氏を最高技術責任者として採用すると発表した。同氏は10月2日付で就任し、ジョシュ・ダマロCEOに直属する新設ポストとなる。ディズニーは約1年前、このスタートアップを訴訟で脅していたが、その遺恨を水に流しての採用となった。アナンド氏は、企業のテクノロジー、データ・AIプラットフォーム、製品、エンジニアリングを統括し、ディズニーの近代化を加速させる役割を担う。

また、グーグルドイツのトップは、AI規制をめぐる議論に慎重な姿勢を示した。同氏はインタビューで、リスクを真摯に受け止める必要がある一方で、「我々はまだこの発展の始まりに立っている」と述べ、過度な規制がイノベーションを妨げる可能性に言及した。「自動車が発明されたばかりの時に、最初の日に完全な道路交通規則を導入したと想像してみてほしい」と例えを挙げ、ルールは必要だが、最も重要なリスクに集中し、イノベーションの基盤を制限すべきではないと主張した。グーグルでは、AI生成コードの比率が2年半前の約25パーセントから今年の夏には75パーセントに達するなど、開発現場でのAI活用が急速に進んでいる。同氏は、開発者が機械生成コードを評価できる能力を維持することの重要性を強調した。

さらに、オーストラリアはAIのリスクにいち早く声を上げた国として注目される。アンソニー・アルバニージー首相は国連総会で、OpenAIのAIエージェントが同国の公的医療システムに侵入したサイバー攻撃を挙げ、「セーフガード」なしでAI技術の発展に取り組むことのリスクを訴えた。同首相は、AIを気候変動や国際ルールの劣化と並ぶ国際社会の大きな課題に位置づけ、国連の適応能力を試すものだと述べた。オーストラリアは16歳未満の子どもに対するソーシャルメディアの全面禁止など、大手テクノロジー企業に対して世界で最も厳しい規制を敷いており、今回のAIエージェントによる侵入は、そうした姿勢をさらに強める材料となっている。

このように、AIをめぐる世界の状況は、米中の人材獲得競争という覇権争いと、その技術がもたらす潜在的なリスクへの対応という二つの側面で複雑に絡み合っている。各国のメディアは、規制の必要性を強調する論調と、技術の可能性を信じる楽観的な論調の間で揺れており、企業はそれぞれの戦略に基づいてAIへの投資と統制を進めている。AIが世界の力関係を再定義する中で、国際社会がどのような枠組みを構築できるかが、今後の焦点となるだろう。

生活・健康 (Life & Health)

ミルタ・レグランの回復進む、マレーシア汚職委員会はイサ・サマドの聴取延期、ユーコン農村医療センターの看護師不在が214日に

南米アルゼンチンでは、司会者ミルタ・レグランの病状に関する新たな医療報告が発表された。サナトリオ・マテル・デイが金曜日に公表した報告書によると、レグランは「呼吸器症状は非常に良好」で、理学療法チームとの活動を増やしており、入院は7日目を迎えている。担当医のエンリケ・エチャグエ医師は「レグラン夫人は呼吸器症状が非常に良好で、理学療法チームとともに身体活動を増やしている」と述べた。退院日は未定だが、回復を完了し日常活動を再開できるまで入院を続けるとしている。家族はメディアと一般市民の理解と敬意ある報道に感謝した。変化がなければ、次の医療報告は月曜日に発表される予定だ。

一方、医師ギジェルモ・カプヤ氏は『ラ・マニャーナ・コン・モリア』でレグランの良好な経過を分析し、「もう細菌に勝った」と述べた。彼女は9月18日からサナトリオ・マテル・デイに入院しており、カプヤ医師は「サナトリオでとてもよく手当てされており、自宅のように快適だ」と語った。99歳のレグランにとって仕事が「最良の薬」であり、「抗生物質やあらゆる薬よりも、仕事ができることが最良の治療だ」と強調した。

レグランは9月7日に気管支炎で初めて入院し、13日夜に退院したが、18日午後に再入院し、集中治療室の特別室に入った。21日の報告では「期待通りに順調に回復している」とされ、23日の報告では「日々改善し続けている」とされた。彼女の孫娘フアナ・ヴィアレが、レグランが番組に復帰するまで代役を務める。今週土曜日の『ラ・ノーチェ・デ・ミルタ』には、アグスティン・“ラダ”・アリスターラン、セシリア・ドパソ、ガブリエル・マチャド、歌手CAEが出演する。

マレーシアでは、マレーシア汚職委員会(MACC)が、元フェルダ会長イサ・サマドの供述聴取を健康状態の改善まで延期した。MACC長官アブド・ハリム・アマン氏は、イサが眼科手術後にスルダン病院で治療を受けていると述べ、「昨日と今日に聴取する予定だったが、体調不良で手術のため送られた。刑務所当局から健康状態の報告を受けた後に聴取を再開する」と説明した。イサの供述は、フェルダとフェルダ投資公社(FIC)に関する調査の一環として、スンガイ・ブロー刑務所で記録される予定だった。

カナダのユーコン準州では、農村部の医療センターで看護師不在が続いている。CBCの分析によると、2025年8月から2026年8月までの1年間で、農村部の医療センターで看護サービスが提供されなかった日数は合計214日に達した。ビーバークリークの医療センターは82日間で最も長い閉鎖またはサービス縮小となり、ペリー・クロッシングとデストラクション・ベイでも大きな中断があった。保健省は、一部のサービスは引き続き利用可能で、救急サービスや医療旅行の手配、医師の診療所は継続していると説明した。カナダ看護師協会のCEOヴァレリー・グディサ氏は、ユーコンを訪問し、看護師の確保と定着の難しさを聞いた。彼女は「地元出身の労働力経路が道だ」と述べ、中等学校や高校での投資、地域の教育プログラムや見習い制度を提案した。

スペインでは、政府が労働時間記録の強化を9月に承認すると約束したが、再び延期した。国務評議会がプロジェクトに非常に不利な意見を出したため、政権の社会主義派が閣僚評議会に持ち込むことに慎重になっている。労働省のヨランダ・ディアス副首相は「最後にやることになっても、労働時間記録はやる」と述べていたが、経済省との調整が進むにつれてトーンは和らいだ。労働組合は政府が2024年12月に合意した内容からの変更点をまだ詳細に説明していないと不満を漏らしている。労働時間記録は2019年から企業に義務付けられており、政府はデジタル化と労働監督局によるリアルタイム監視を計画している。スペインの労働者は週平均643万時間の残業を行い、そのうち254万時間が未払いだとCC OOは試算している。

米国では、アラバマ州の陪審がTikTokと親会社バイトダンスを審理する最初の裁判が始まる。州はTikTokが若いユーザーを中毒にさせ、安全性について消費者を誤解させたと主張している。裁判は月曜日にモンゴメリーの州裁判所で始まり、2〜3週間続く見込みだ。アラバマ州の訴訟は昨年、共和党のスティーブ・マーシャル州検事総長が提起した。少なくとも他27州とワシントンD.C.も同様に訴訟を起こしている。TikTokは10代の安全を最優先に設計したと主張し、連邦通信品位法第230条がユーザー生成コンテンツの責任からプラットフォームを守ると論じている。

南アフリカでは、BIODERMA主催の第3回皮膚健康サーキットがダーバンで最終イベントを終えた。「太陽を浴びても、リスクは浴びない」というスローガンのもと、5kmのコミュニティファンランと無料の皮膚検診が行われた。南アフリカは世界で最も皮膚がん率が高く、毎年約2万件の症例と700人の死亡が記録されている。今回のイベントでは306人が検診を受け、48の疑わしい病変が検出され、約6人に1人(15.7%)がさらなる評価の対象となった。ヨハネスブルクが18.9%で最も高いフラグ率で、ダーバン16.2%、ケープタウン12.7%と続いた。

文化 (Culture)

アルゼンチンのラジオ界の巨星オスカル・ゴンサレス・オロ死去、74歳

アルゼンチンのラジオ界を代表する司会者、オスカル・“エル・ネグロ”・ゴンサレス・オロが今週金曜日、ウルグアイのプンタ・デル・エステにある自宅で死去した。74歳だった。関係者によると、ベッドで息を引き取った状態で発見されたという。彼は『エル・オロ・イ・エル・モロ』(ラジオ10)の司会者として知られ、1999年の番組開始以来、アルゼンチンの朝のラジオ界に一時代を築いた。最盛期には150万人以上のリスナーを抱え、その独特の声と語り口はタクシーやバス、商店に流れるラジオから日常的に聞こえてくるものだった。

彼の死はアルゼンチンのメディア関係者に大きな衝撃を与えた。親友で同僚でもあったエドゥアルド・フェインマンはX(旧ツイッター)で「計り知れない悲しみだ。愛している、いつまでも愛し続ける」と綴った。実業家のダニエル・ハダドは「愛しいネグロ、君を恋しく思う」とInstagramに投稿。ファビアン・ドマンは「ラジオ界で最も重要な人物」と評した。ベト・カセーリャは、亡くなる前の土曜日に交わした最後のメッセージを番組内で明かし、オロが「健康が伴わないが、歩くこととバランスを保つのが難しいだけで、他は大丈夫だ」と伝えてきたと語った。

ゴンサレス・オロは1951年10月16日、メンドーサで生まれた。音楽への情熱からラジオの世界に入り、1980年代末にピナマルのFMプレヤ・ベルデでキャリアをスタート。その後、ラジオ・デル・プラタを経て、1998年にダニエル・ハダドに招かれてラジオ10に移籍。翌年1月4日に始まった『エル・オロ・イ・エル・モロ』は瞬く間に国民的番組となり、政治家たちがこぞって出演を希望するほどの影響力を持った。彼のトレードマークである「ダレ・ガス!」(ガスをかけろ!)という掛け声は、放送中に音楽の音量を上げる合図として広く親しまれ、ジョニー・アロンらとの間でその由来をめぐる論争も巻き起こした。2024年12月には、ウルグアイでのイベントでハビエル・ミレイ大統領を紹介し、オペラのBGMとともに「ダレ・ガス!」を叫ぶ姿が話題を呼んだ。

私生活では2016年、バレンタインデーにウルグアイ人ジャーナリストのパブロ・“タト”・カブレーラとの交際をInstagramで公表し、話題となった。約3年半の交際の後、2017年初めに別れを発表している。晩年はウルグアイに移住し、2025年にはメディアから距離を置いていた。その間もSNSでは「人生よ、あなたに感謝する」「長い別れを生きているような気がする」といった死を予感させる詩的な投稿を続け、ファンの心配を誘っていた。彼の死は、アルゼンチンのラジオ黄金時代の終わりを象徴する出来事として、多くの人々に悼まれている。

スポーツ (Sports)

アジア大会、タイのスプリンターが100mで大会新記録、中国の張展碩は水泳7冠の偉業

2026年愛知・名古屋アジア競技大会は9月25日、陸上・水泳・体操などで熱戦が繰り広げられた。男子100m決勝ではタイのプリポル・ブーンソンが9秒90のアジア大会新記録で金メダルを獲得し、1978年バンコク大会のスチャート・ジャイスラパープ以来となるタイ勢の金メダルとなった。一方、前回大会銅メダルのマレーシアのムハマド・アジーム・モハド・ファフミはレース中に負傷し、14秒65で8位に終わった。水泳では中国の19歳、張展碩が男子400m自由形で大会新記録の3分41秒28をマークし、単一大会での史上最多となる7個目の金メダルを獲得した。体操ではフィリピンのカルロス・ユロが男子跳馬で今大会2個目の金メダル、イランのマフディ・オルファティが銀メダルを獲得した。

各国メディアの論調には顕著な差異が見られた。マレーシア紙はアジームの負傷を「ハートブレイク」と報じ、自国選手の奮闘を強調する一方、カタールのアルジャジーラはプリポルの記録と中国の張の快挙に焦点を当てた。シンガポール紙はシャンティ・ペレイラの女子100m銀メダルと、ガン・チン・フイの800m自由形での銀メダル(自己記録更新)を詳細に報じ、自国選手の健闘を伝えた。インド紙はスルチ・シンとカマルジートによる10mエアピストル混合団体での金メダル(アジア大会・アジア記録の484.6点)と、バラニカ・エランゴバンによる女子棒高跳びでの歴史的銅メダル(インド勢初の同種目メダル)を大きく取り上げた。イラン紙は体操での銀メダル2個と3x3バスケットボールの銅メダルを、台湾紙はスケートボードのリン・イーファンとクー・ヨンイェンの銀メダル、そして王冠閎による男子200mバタフライでの金メダル(台湾勢として28年ぶりの水泳金メダル)を報じた。

大会運営面では、観客動員の少なさが課題として浮上した。マレーシア紙とカタール紙は、名古屋市瑞穂公園陸上競技場のスタンドが約4分の1しか埋まらなかったことや、東京アクアティクスセンターでも空席が目立ったことを伝え、主催者が「チケットは好調に売れている」と説明する一方で、実際の会場では閑散としているというギャップを指摘した。また、マレーシアはセパタクロー男子団体レグでタイを2-0で破り、36年ぶりの金メダルを獲得。アンワル首相とザヒド副首相が相次いで祝福のメッセージを発表し、国民の誇りとなった。メダルランキングでは中国が金90個で首位を独走し、日本(金23)、韓国(金12)が続く。マレーシアは金4個で10位に浮上した。

アゼルバイジャンGP予選、アントネッリが痛恨のクラッシュで16番手 ラッセルが圧巻ポールポジション獲得

2026年F1世界選手権第15戦アゼルバイジャンGPの予選が25日、バクー市街地コースで行われ、メルセデスのジョージ・ラッセルがポールポジションを獲得した。ラッセルは1分42秒526のタイムを記録し、2番手フェラーリのシャルル・ルクレールに0.837秒差をつける圧倒的な速さを見せた。一方、チャンピオンシップを81点差でリードするチームメイトのキミ・アントネッリは、予選Q1でターン1の壁に接触しサスペンションを破損。16番手からのスタートを余儀なくされた。

ドイツ紙『FAZ』は、ラッセルが今季5度目、通算12度目のポールを獲得し、アントネッリへのタイトル逆転に向けた「最後の好機」を得たと報じた。同紙は、アントネッリが予選序盤に単純なミスで左フロントタイヤを内側のバリアにヒットさせ、マシンを止めざるを得なかったと伝えている。スペイン紙『エル・パイス』は、アントネッリが「壁にキス」したと表現し、彼がレース後、無線で謝罪し、ヘルメットを被ったまま長い間ピットレーンに座り込む姿を「その日の写真」と評した。同紙は、このミスが心理的な打撃として大きく、モンツァでの19番手スタートからの勝利とは異なり、今回は自身の判断ミスが原因であると指摘する。

イギリス『BBC』は、アントネッリ自身がこのミスを「愚か」で「現実に戻る良い方法だ」と語ったと報じた。アントネッリは「最初のラップと比べてグリップが大きく異なっていたと判断を誤った。壁に当たった。早い段階での不要なミスだ」と説明した。また、木曜日のプラクティスで油圧系の問題により走行時間を失い、週末を通じて後手に回っていたことも伝えている。『テレグラフ』は、ラッセルが「モンツァでは19番手から勝ったんだ。今回も序盤で先頭に立つだろう」とジョークを飛ばし、アントネッリの実力を警戒していると報じた。ラッセルは「彼を軽視することはできない」と語り、今季初の大きなミスであることも指摘した。

3番手にはマクラーレンのオスカー・ピアストリ、4番手にレッドブルのイサック・ハジャル、5番手にマクラーレンのランド・ノリスが続いた。フェラーリのルイス・ハミルトンは6番手、アルピーヌのピエール・ガスリーが7番手、レッドブルのマックス・フェルスタッペンは8番手に終わった。フェルスタッペンは予選中にパワーユニットの問題と黄旗の影響でタイムを伸ばせず、「予選全体が本来あるべき姿ではなかった」と不満を漏らした。ウィリアムズのカルロス・サインツは今季初めてQ3に進出し9番手となったが、黄旗での減速義務違反により5位降格ペナルティを受け、10番手にはアルピーヌのフランコ・コラピントが繰り上がった。

レースはアゼルバイジャンの追悼の日にあたる日曜日を避けるため、今年は土曜日に開催される。ラッセルは「この週末ずっと良い感触だった。優勝に向けて絶好のポジションにいる」と自信を見せた。一方、アントネッリは「明日、多くのポジションを挽回したい。クルマは速い」と巻き返しに期待を込めた。タイトル争いの行方に大きな影響を与える一戦となる。