アラブ首長国連邦(UAE)は木曜日、米国の対イラン航空制裁を順守するため、イラン航空会社の全便運航を追って通知があるまで停止すると発表した。UAE民間航空総局は、制裁によりイラン航空会社が世界中の空港を利用できなくなっていることが決定の理由だと説明した。イラン国営通信ISNAによると、イラン航空会社のUAE便は全て木曜日午前零時から欠航となった。ドバイはイラン航空会社にとって中東で最も重要な目的地であり、イランから毎日複数便が運航されていた。トルクメニスタンも木曜日、イラン機の領空通過を認めない措置を取った。イラン民間航空機構のマジド・アクハヴァン報道官は、テヘラン発ドゥシャンベ行きの便が目的地に着陸できず、テヘランのエマーム・ホメイニー空港に引き返したとISNAに語った。
米国は9月、イラン航空部門全体に制裁を科し、イラン機への給油や運航支援を行う外国企業に厳しく対処すると表明していた。企業には9月23日までに新たな措置へ適応する猶予が与えられたが、同日の制裁発効と同時に、イランの主要航空会社は近隣諸国の制限措置により国際便の欠航を余儀なくされた。シンガポールのCNAは、オマーン、ジョージア、アゼルバイジャン、イラクのバグダッド行きの便も停止されたと報じた。イラン当局はイラクの別の空港、シーア派聖地ナジャフ経由で便を迂回させる作業を進めている。制裁にもかかわらず、小規模なイラン航空会社数社は、米国の圧力に屈しない中国やアルメニアへの運航を継続している。イランには約30の航空会社があり、国営のイラン航空と民間のマーハン航空が国際線の最大手である。
一方、国連総会が開かれているニューヨークでは、イランと米国の外交的駆け引きが続いている。イランの最高国家安全保障会議書記を務めるモフセン・レザーイー氏は水曜夜のテレビインタビューで、米国がホルムズ海峡再開の条件に応答する猶予は4~5日だと述べた。レザーイー氏は、イランのペゼシュキアン大統領とアラグチ外相がニューヨークに飛んだのは、国内で合意済みの条件を伝えるためであり、新たな条件を交渉するためではないと強調した。「対話は十分だ。交渉は十分だ。今こそ行動すべき時だ」と同氏は述べ、米国が条件を満たさなければ「海峡を開かず、交渉のテーブルも用意しない」と警告した。イランの7つの条件は「完全に、かつ一括して」履行されなければならず、米国には「4、5日」の猶予が与えられた。英紙ガーディアンは、欧州外交官らがニューヨークでの米イラン間の進展を感じ取っていないと伝えた。米国務長官マルコ・ルビオ氏も、ウィトコフ特使とイランとの協議を「大きな進展」と評するのは誤りだと述べた。
こうした外交的動きの中で、英外相エド・ミリバンド氏は木曜日、ニューヨークでイランのアッバース・アラグチ外相と初めて会談した。これは英イラン両国の閣僚会談として1年ぶりであり、7月に英国がイスラム革命防衛隊(IRGC)をテロ組織に指定して以降、初めての意見交換となった。ミリバンド氏は海峡の航行の自由への英国のコミットメントと外交的解決への意向を明確にし、イエメンにおける英国の同盟国であるサウジアラビアへの支持も強調した。同氏はまた、テヘランで10年の禁固刑を言い渡された英国人夫婦への領事アクセスも求めた。
さらに、米国に接収されたイラン産原油を積んだタンカー3隻が大西洋を横断中であることが判明した。船舶追跡データによると、3隻は合わせて約600万バレル(約6億ドル相当)のイラン産原油を運んでいる。タンカー追跡専門サイトTankerTrackersは、ほぼ600万バレルのイラン産原油が米国に向かって大西洋を静かに横断しているとXで述べた。Kplerのデータによると、4月に接収されたマジェスティックXとティファニーの2隻は現在ブラジル北岸沖に位置し、3隻目のレノアは火曜日に喜望峰経由で大西洋に入った。レノアは6月初旬にインド洋で米国に接収されていた。ペンタゴンはこれらの船の接収を「非公式ネットワークを断ち切り、イランに物的支援を提供する制裁対象船を迎撃する」取り組みだと説明した。
イラン国内では、制裁が新たな利権構造を生み出している。イラン人調査ジャーナリストのヤシャル・ソルタニ氏は、石油省が国営石油産業のマーケティングと輸出の主導権を失い、国際制裁を回避する4人のブローカーの排他的ネットワークに委ねたと主張した。ソルタニ氏によると、イスラム革命防衛隊情報機関の元経済担当副部長モハマド・ジャヴァド・バヴァンド氏がイラン産原油の販売を監督し、過去3カ月間で4人のブローカーに8千万バレルの販売権を与えた。このネットワークは、それらの積み荷に与えられた値引きだけで約15億ドルを稼いだとソルタニ氏は述べた。同氏は4人のブローカーのうち2人、ホセイン・シャムハニ氏とローホッラー・ラザヴィー氏を挙げ、イランの支配体制に近い人物だと評した。さらに1億バレルの原油が不透明な流通網の中で消えたとも指摘した。ソルタニ氏は、ブローカーらが制裁解除によって自分たちのネットワークが機能しなくなることを恐れ、テヘランとワシントン間の政治的合意を妨害する強い動機を持っていると述べた。
こうした制裁の影響は、一般市民の生活にも及び始めている。イラン紙エテマードは、米国制裁によりイランの国際語学試験が中止され、留学や海外移住を目指す市民に新たな困難が生じていると報じた。一方、イラン国内では学生運動への弾圧も続く。学生ニュースネットワークのハバルナーメ・アミールキャビールは、拘束中の学生5人に死刑判決が下されたと報じた。オミッドレザー・ヘイダリさん(19)、ナジメ・アミニさん(23)、セペフル・アミールザーデさん(23)、アルミン・ヌールモハマディさん(27)、エフサン・ファリディさん(22)の5人だ。彼らは1月の全国的抗議運動に関連して逮捕され、革命裁判所で「国家の安全保障に対する共謀」「預言者への侮辱」「神への戦い(モハレベ)」「地上の腐敗(エフサデ・フェル・アルズ)」などの罪で有罪判決を受けた。アムネスティ・インターナショナルは、2026年の初め以降、イラン当局が1月の抗議運動に関連する罪で有罪判決を受けた少なくとも26人を処刑したと報告している。
さらに、イエメンではフーシ派とサウジアラビアの紛争が激化している。サウジアラビアは木曜日、フーシ派が発射した弾道ミサイル6発を迎撃したと発表した。フーシ派はサウジアラビアの標的に数十発のミサイルとドローンを発射したと主張している。フーシ派は7月にサウジアラビアに対する海上封鎖を宣言し、今月に入ってサウジアラビアが支援する政府に対する電撃的な進撃を開始した。国連によると、最新の戦闘で700人以上が死亡し、数千人が負傷、約13万人のイエメン人が国内で避難を余儀なくされ、3千人以上が紅海を船で渡ってアフリカへ逃れた。サウジアラビア主導の連合軍は、フーシ派の「テロ民兵」による「いかなるエスカレーションと違反にも断固として対処する」と声明を発表した。
各メディアの論調を比較すると、アルゼンチンやマレーシア、カタールなどの中東・アジア系メディアは、UAEによるイラン航空便の停止という具体的な事実を中心に、制裁の即時的影響を淡々と伝えている。一方、シンガポールのCNAは、制裁を「二次制裁」という米国の戦略転換の一環として位置づけ、トランプ大統領が「経済的Dデイ」と称した新戦略の文脈で報じた。英紙ガーディアンは、ホルムズ海峡を巡るイランの「最後通牒」と英外相の仲介努力に焦点を当て、欧米外交官の懐疑的な見方を紹介した。パキスタンのデイリータイムズは、ペゼシュキアン大統領が国連演説で用意された原稿から逸脱した理由をトランプ大統領の「脅し」への応答だと報じ、イランの立場を代弁する論調が強い。カタールのミドル・イースト・アイは、制裁が生んだイラン国内の利権構造と学生弾圧という、制裁の「内政的影響」を独自に掘り下げた。このように、事実認識(制裁による航空便停止、タンカー接収、ホルムズ海峡を巡る外交交渉)は全メディアで一致する一方、その解釈と強調点は、米国の戦略的意図を重視するか、イランの国内政治や抵抗の論理を重視するかで明確に分かれている。