The Morning Star Observer

2026年09月23日 水曜日夕刊 (Evening Edition)ArchiveAbout

米イラン、国連で数カ月ぶり接触 トランプ氏「合意へ勢い」も「消滅」警告

国連総会が開かれているニューヨークで22日、米国とイランの代表団が仲介者を通じた協議を行った。米大統領ドナルド・トランプ氏は、特使スティーブ・ウィトコフ氏と義理の息子ジャレッド・クシュナー氏がイラン側と3時間に及ぶ協議を行ったと明かし、「非常に良い会合だった」「合意に向けた大きな勢いがある」と述べた。一方、同日の国連総会演説では、イランが合意に応じなければ「イスラム共和国を消滅させる」と警告し、強硬姿勢と外交的姿勢を併せ持つ戦略を鮮明にした。

米国とイランの直接協議は、6月に成立した短命の停戦が崩壊して以来、数カ月ぶりとなる。ウィトコフ氏はX(旧ツイッター)で「仲介者が両者の間を終日往復した」「協議は建設的で有望なものになることを期待する」と投稿した。イラン国営メディアは、アッバス・アラグチ外相がウィトコフ氏と会談したと確認した。イラン側は、米国の海上封鎖の即時解除、凍結されたイラン資産の解放、イランが「抵抗」と呼ぶ戦線での戦争終結を条件として提示した。イランの高官はロイター通信に対し、米国が軍事的圧力を緩和しイラン港湾の封鎖を解除すれば、1週間以内にホルムズ海峡を再開する用意があると述べた。イラン革命防衛隊(IRGC)報道官は、交渉前に凍結資産240億ドルの全額前払いと、イエメンのフーシ派支配地域に対するサウジアラビアの封鎖解除を停戦条件に含めるよう求めたと述べ、外交官との温度差も浮き彫りになった。

トランプ氏は国連演説で、イランが核兵器を獲得するのを防ぐことが戦争の主目的だとし、核関連施設は「破壊された」と主張した。さらにイランのナタンツ濃縮施設近くの「ピックアックス・マウンテン」について「活動が見られないが、あれば即座に爆撃する」と述べた。湾岸諸国との多国間会合には、カタールのムハンマド・ビン・アブドゥルラフマン・アール・サーニー首相、イラクのアリー・アル=ザイディ首相、ヨルダンのアブドゥッラー2世国王、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領、シリアのアハマド・アル=シャラア大統領、レバノンのナワフ・サラーム首相、エジプトのバドル・アブデルアティ外相、サウジアラビアのファイサル・ビン・ファルハーン外相、クウェートのサバーハ・ハーリド皇太子らが出席した。

各メディアの論調には差異が見られる。カタールのアルジャジーラは、仲介者を通じた間接協議の事実関係を詳細に伝え、イラン側の条件を具体的に列挙した。イスラエルのタイムズ・オブ・イスラエルは、トランプ氏がイラン代表団のメンバーについて「最高レベルではないが、何かしらの成果だ」と述べたと報じ、米国側の距離感を強調した。インドのタイムズ・オブ・インディアは、協議が「予期せぬ会合」だったとし、仲介役としてカタールとパキスタンの存在を指摘した。一方、ロシアのタス通信は、ウィトコフ氏が協議を「成功」と評価した点を前面に出し、米国主導の和平プロセスに肯定的な論調を示した。アルゼンチンのメディアは、トランプ氏の「非常に良い」会合発言を受けて原油価格が下落した経済的影響を中心に報じた。共通する事実認識は、米イランが国連総会の場で数カ月ぶりに接触し、ホルムズ海峡の再開と停戦に向けた条件交渉が行われたことだ。対立軸は、協議の進展度合いの評価と、イラン側の要求がどこまで受け入れられるかにある。

原油市場は、サウジアラビアが紅海に通じる東西パイプラインの運転を再開したことや、米イラン協議への期待から下落した。ブレント先物は1バレル98.91ドル、WTIは89.93ドルまで値を下げ、2月の戦争開始以来繰り返し超えてきた100ドルの節目を下回った。米イラン戦争の長期化は、ホルムズ海峡の封鎖によるエネルギー供給の混乱に加え、イエメンのフーシ派による紅海航路への脅威も重なり、世界経済に波及している。マレーシアのMBSBリサーチは、農業生産サイクルへの影響が遅れて顕在化するため、2027年のマレーシアの食料安全保障がより大きなリスクに直面するとの報告を発表した。米国防総省は、イラン戦争で新たに米兵1人の死亡を確認し、公式の戦死者数を19人としたと発表した。ワシントン・ポスト紙は少なくとも22人が死亡したと報じており、公式発表との間に差異がある。

トランプ大統領、習主席を異例の歓迎で出迎え 米中首脳会談が開幕

中国の習近平国家主席は9月23日、11年ぶりとなるアメリカ公式訪問のためワシントン入りした。トランプ大統領はアンドルーズ空軍基地で自ら習主席を出迎える異例の歓迎を行い、貿易・台湾・人工知能(AI)・イラン問題などを議題とする首脳会談に臨む。両首脳の会談は今年5月の北京会談に続く2度目の対面であり、両国は「建設的な戦略的安定」の枠組みを維持できるかが試される。

今回の訪問は23日から25日までの3日間で、ホワイトハウスでの公式晩餐会や軍事パレード、国立公文書館の見学など華やかな行事が予定されている。トランプ大統領は空軍基地での出迎えに加え、ホワイトハウスのヘリポートを「芸術作品」と称して完成させ、習主席を「偉大なリーダー」と称賛するなど、異例の厚遇で臨む構えだ。一方で、ロジャー・ウィッカー上院議員は「独裁者」を招くのは過剰だと批判し、共和党内にも慎重論が残る。

会談の最大の焦点は、11月10日に期限を迎える貿易休戦協定の延長である。2025年10月の釜山会談で合意したこの協定は、米国が対中関税の一部を停止し、北京がレアアース輸出規制を緩和する内容だった。米国は対中貿易赤字が910億ドル超に達しており、中国はレアアースの供給再開を求めている。ニューヨークでの事前協議では進展が乏しく、ワシントンでの継続協議が注目される。

台湾問題も重要議題だ。中国は140億ドル規模の対台武器売却パッケージの延期を求めており、トランプ大統領はこれを「交渉カード」として活用する構えを見せる。また、AIをめぐっては、トランプ大統領が「AIに勝つ者が世界に勝つ」と述べる一方、中国は米国の「AI脅威論」を冷戦的発想と一蹴しており、両国の認識の隔たりが浮き彫りになっている。米国は中国への先端半導体輸出規制を維持しており、中国は米国の人型ロボット輸入禁止に対抗する構えだ。

さらに、フェンタニル前駆体の輸出管理問題も議題となる。中国は9月22日、新たに2つの化学物質を輸出管理リストに追加し、米国・メキシコ・カナダ向け輸出に許可を義務付けた。中国の最高裁・最高検・公安部は23日、フェンタニル犯罪に対する「厳罰」を求めるガイドラインを発表し、医療用フェンタニル125グラム以上で15年から無期懲役、さらには死刑も適用する方針を示した。これはトランプ大統領が「規制されていない前駆体」による迂回を批判したことへの対抗措置とみられる。

両首脳の会談では、イラン問題やウクライナ情勢も議題となる。中国はホルムズ海峡の早期再開と米イラン交渉の再開を求め、トランプ大統領は中国に対し、プーチン大統領への影響力を行使してウクライナ戦争の終結を促すよう求める。また、米国に拘束されている中国人科学者ユーリン・チェン氏の解放問題も取り上げられる見通しだ。両首脳は11月のAPEC深圳会議と12月のG20マイアミ会議でも再会する可能性があり、年内に2度の相互訪問が実現すれば異例となる。

世界の出来事を映す鏡:殺人・環境・記録更新、そして日常の物語

世界各地から届いた報道は、殺人事件、環境保護、スポーツ記録、そして日常の小さな出来事まで、多様な人間模様を映し出している。アルゼンチン・サンフアン州では、学生の日を祝っていた17歳の少年ウリエル・リオスが刺殺され、双子の兄弟も重傷を負った。容疑者の16歳の少年は出頭し、少年裁判所に身柄を預けられた。米国ルイジアナ州のICE収容施設では、糖尿病を患う36歳のコスタリカ人男性カルロス・ホスエ・マルチェナ・マルチェナが死亡し、家族は治療不足を訴えている。一方、ドイツのマルスベルクでは15歳の少年が刺殺され、22歳と23歳の容疑者2人が出頭した。ナイジェリアのエヌグ州では、30歳の男性がHIV感染をめぐる口論の末に恋人を殺害し、遺体をトイレに隠したとして逮捕された。インドのグワーリヤルでは、17歳の少年が「合成写真」で脅迫し16歳の少女をレイプした事件が発生。デリーでは、警官を装った3人組が17歳の少女を集団レイプし、銃撃戦の末に逮捕された。マレーシアのシャーアラムでは、15歳の少年が16歳の同級生を教室のトイレで刺殺した事件の判決理由が公表され、少年は心神喪失と認められた。

明るい話題も多い。米国カリフォルニア州の16歳ケイマス・マクソンは、10歳で環境団体「トラッシュ・タートルズ」を設立し、50回以上のビーチ清掃で6トン以上のゴミを回収した功績により、2026年のバロン賞を受賞した。オーストラリアのブリスベンでは、97年の歴史を持つクーパルー・ボウルズ・クラブが、高層アパート建設の計画から救われ、600万豪ドルの取引で存続が決まった。西オーストラリア州の14歳チャーリー・ギバーは、廃材から動物の彫刻を制作し、金属製のオオカミを8000豪ドルで販売。マーガレットリバー地域のオープンスタジオに最年少で参加する。中国の6歳少女リアン・ユンジーは、ルービックキューブの3×3女子世界平均記録を2度更新し、4.27秒を記録した。日本の水泳界では、17歳の大橋伸がアジア大会の100m平泳ぎで金メダルを獲得し、200mの世界記録に挑戦する。シンガポールでは、競合他社のポスターを破壊した75歳の契約業者が実刑判決を受けた。南アフリカのダーバンでは、14歳の義理の妹をレイプした35歳の男性に7年の実刑が言い渡された。

これらの報道は、世界の各地で起きている出来事を単に伝えるだけでなく、それぞれの社会が抱える問題や価値観を浮き彫りにしている。殺人事件の多発は、若者の暴力や家庭内の虐待といった普遍的な課題を示す。環境保護の取り組みは、次世代の意識の高まりを象徴する。スポーツの記録更新は、人間の可能性の広がりを証明する。そして、小さなコミュニティの物語は、地域社会の結束と変化への適応を描き出す。これらは、世界の現在地を映す鏡であり、同時に未来への示唆に富んでいる。

米・デンマーク・グリーンランドが安全保障協定に調印、米軍基地2か所を新設へ

米国のドナルド・トランプ大統領とデンマークのメッテ・フレデリクセン首相、グリーンランドのイェンス=フレデリク・ニールセン首相は9月22日、ニューヨークの国連総会の傍らで、北極・北大西洋の安全保障に関する協定に調印した。協定は米軍のグリーンランドにおけるプレゼンス拡大を認める一方、デンマークの主権とグリーンランドの自治権を再確認する内容だ。トランプ大統領は調印前、国連総会での演説で「適切な場所に大規模な軍事プレゼンスを構築するプロセスを直ちに開始する」と述べ、同島に「2つの非常に重要な軍事基地」を建設すると表明した。協定は1951年の米・デンマーク防衛協定を修正・補完するもので、グリーンランド南部のナルサルスアークと東部のメスタースヴィグに米軍基地を設置する。ナルサルスアークはかつて米軍のブルイ・ウェスト・ワン基地があった場所で、メスタースヴィグはデンマーク軍のシリウス犬ぞり哨戒隊が使用する前哨基地だ。米国は既存のピトゥフィク宇宙基地の活動も近代化・拡大できる。協定は非NATO諸国によるグリーンランドへの軍事施設設置を制限し、重要インフラや資源開発などの分野での外国投資にも制約を課す。調印式ではトランプ大統領が「欧州と米国にとって素晴らしい」と述べ、フレデリクセン首相は「75年前の協定よりさらに大きく、より良い協定だ」と評価した。ニールセン首相は「グリーンランドにとって、我々についての協定ではなく、我々との協定だ」と述べた。

各メディアの論調には差異が見られる。ドイツのドイチェ・ヴェレは、トランプ大統領が長年望んできたグリーンランド獲得問題が協定によって決着したとし、米軍プレゼンスの拡大とデンマーク・グリーンランドの主権尊重を並列して報じた。欧州連合系のポリティコは、協定が実質的に1951年協定の修正に過ぎず、専門家の間でも「これほど騒ぐほどの内容ではない」との見方があると指摘。トランプ大統領が「米国にコストはかからない」と述べた一方、基地再建の費用分担メカニズムが協定に明記されていないと報じた。英国のBBCは、協定が米軍のプレゼンス強化を実現しつつ領土割譲はないとし、米国側から見れば歴史的な勝利と受け止められる可能性があると分析した。日本のジャパン・タイムズは、トランプ大統領が協定によりグリーンランドの安全保障を「恒久的に掌握する」と述べたと伝えた。パキスタンのデイリー・タイムズは、協定が「ゴールデン・ドーム」ミサイル防衛システムのグリーンランド配備を可能にすると強調した。ロシアのタス通信は、米上院外交委員会の民主党幹部ジーン・シャヒーン議員の声明を紹介し、トランプ政権の脅しが同盟国との信頼を損ない、米国が「懐疑と不信の目で見られている」と報じた。シンガポールのCNAは、協定の実質的な新規性は「敵対国の機密投資制限」と「無期限の効力」の2点に限られると分析した。

協定はデンマークとグリーンランドの議会承認を待つ。米国は冷戦期にグリーンランドで17の軍事施設と1万人以上の人員を維持していたが、現在はピトゥフィク宇宙基地に約150人が駐留するのみだ。今回の協定は冷戦後最大級の米軍インフラ拡大となる。一方で、トランプ大統領が年初に示した「武力も辞さない」という強硬姿勢がNATO内の外交危機を招いた経緯があり、シャヒーン議員が指摘するように同盟関係の修復が今後の課題となる。

政治 (Politics)

カナダ、パレスチナへ1億カナダドルの支援を表明 インドとの貿易協定交渉も進展

カナダのマーク・カーニー首相は22日、国連総会の場でパレスチナ向けに新たに1億カナダドル(約7100万米ドル)の国際支援を表明した。内訳は、差し迫った人道的苦難を緩和するための人道援助が8000万カナダドル、平和と安全保障の能力構築を支えるための資金が2000万カナダドルである。カーニー首相は「ガザでは甚大な人道的苦難が続いている」と述べ、隣国イスラエルがハマスやイランとその代理勢力から実存的脅威に直面していると指摘した。その上で、二国家解決の可能性を維持するための「現実的で実践的な行動」として、ヨルダン川西岸の入植地産品に対する貿易制限を再確認した。

この支援表明は、英アンディ・バーナム首相、仏エマニュエル・マクロン大統領、サウジアラビアのファイサル・ビン・ファルハン外相との会合を前に行われた。会合では二国家解決と、米国が後押しする紛争終結計画である国連安保理決議2803の実施について協議された。バーナム英首相は、二国家解決への長年の支持を行動で裏付けるよう各国首脳に求め、実現しなければ「政治・外交・国際プロセスへの信頼をさらに損なう」と警告した。マクロン仏大統領は国連総会の演説で、援助制限に動かない世界の指導者たちを「恥ずべきことだ。我々全員の恥だ」と非難した。

一方、カーニー首相はインドとの貿易交渉が「良好な進展」を見せていると述べ、年内の合意を目指すと表明した。インドのナレンドラ・モディ首相は12月にカナダを訪問する見通しで、交渉は12月中旬にマイアミで開催されるG20サミットまでに妥結を目指す。カナダとインドの貿易交渉は、2023年のハルディープ・シン・ニジャール殺害事件を巡る外交摩擦で中断されたが、昨年のG20で再開された。カナダ側は、世界で最も急速に成長する経済の一つであるインドとの協定により、両国間貿易を700億カナダドルに倍増できるとしている。

カナダのパレスチナ支援を巡っては、複数のメディアがほぼ同一の事実を報じた。中東系メディア(アルジャジーラ、ミドル・イースト・アイ)は、カナダがイスラエルの「ジェノサイド戦争」開始以来、パレスチナ民間人に6億カナダドル以上を拠出してきたと強調し、カーニー氏のE1入植地計画への批判に焦点を当てた。一方、カナダ国営放送(CBC)は、支援金の使途(ヨルダン川西岸の警察訓練を含む)や、イスラエル軍と入植者によるカナダ支援プロジェクトへの被害を詳細に報じた。インド系メディア(タイムズ・オブ・インディア)は、モディ首相の訪加と貿易協定の締結を前面に出し、商工大臣ピユシュ・ゴヤル氏の発言として第5回交渉が10月5日に始まると伝えた。日本のジャパンタイムズは、トランプ米大統領の関税政策によって生じた混乱に対応するため、インドがカナダとメキシコとの貿易交渉を加速させていると分析した。また、スペインの司法判断により、パレスチナ支援者ジェームズ・“ファーギー”・チェンバーズ氏の米国への引き渡し審理が進むことになった。

ゼレンスキー氏、トランプ氏と会談しエネルギー停戦に意欲 露の大規模攻撃に警戒

ウクライナのゼレンスキー大統領は9月22日、ニューヨークの国連本部でトランプ米大統領と約40分間会談し、ロシアとの戦争終結に向けた取り組みを協議した。会談後、ゼレンスキー氏はエネルギー関連目標を対象とした二国間停戦について「あらゆる形式」で受け入れる用意があると表明した。一方、ロシアがウクライナのエネルギー施設への攻撃をやめるなら、ウクライナもロシアの石油精製施設への攻撃を止める用意があると述べ、ウクライナが一方的に攻撃を停止する案については協議されなかったと明らかにした。

トランプ氏は会談で、11月の中間選挙を控え支持率が過去最低に落ち込むなか、世界的なディーゼル価格高騰の一因とされるロシアの燃料精製能力への打撃に懸念を示した。トランプ氏は「ロシアにとって深刻な打撃だ。ディーゼル価格にとっても深刻な打撃だ」と記者団に語った。会談では冬季に向けた防空支援も議題となり、ゼレンスキー氏はパトリオット迎撃ミサイルの追加供与を要請した。トランプ氏は明確な回答を示さなかったものの、提案は拒否されなかったとゼレンスキー氏は評価した。

ゼレンスキー氏はまた、英国のバーナム首相との会談後、ロシアがウクライナへの新たな大規模攻撃を準備しているとの情報があると警告した。「ウクライナ人が毎日ミサイルとドローン攻撃の脅威にさらされている時、制裁緩和はあり得ない」と述べ、ロシアのオリガルヒ2人に対するEU制裁解除に反対する立場を示した。ウクライナ外相シビハ氏は制裁解除を「恥ずべき、許しがたい」と非難し、ラトビアのクルベルグス首相も「制裁は強化されるべきで、弱められるべきではない」と反発した。

ロシア軍は9月22日夜、南部のドニプロ、クルィヴィーイ・リーフ、パウロフラードを弾道ミサイルで攻撃し、ドニプロでは少なくとも4人が死亡、6人が負傷した。キーウではドローン攻撃で3人が負傷した。ロシア側のサマラ州でもウクライナのドローンが民間施設を攻撃した。双方とも民間施設を狙ったとの非難を否定している。

ロシア・ウクライナ戦争の長期化は世界の小麦市場にも影響を及ぼしている。黒海地域からの供給が停滞し、シカゴ先物は6月の安値から40%上昇し、3年半ぶりの高値を付けた。アジア、中東、アフリカの主要輸入国は代替産地からの調達を迫られ、食料インフレへの懸念が再燃している。

NATO欧州連合軍副司令官ストリンガー空軍元帥は、プーチン大統領が戦争の長期化に伴い「ますます無頓着で、危険で、リスクを受け入れる姿勢」になっていると指摘した。ロシアはNATO加盟国を試すため、 sabotageやスパイ活動など帰属が不明確な covert作戦を展開しており、欧州各国は対応に追われている。エストニアのミハル首相はプーチン氏を「隅に追い詰められたネズミ」に例え、ウクライナ支援こそが最良の抑止策だと述べた。

一方、国連総会ではトランプ氏とグリーンランド、デンマークの首脳が、グリーンランドの安全保障に関する協定に調印した。米軍のプレゼンス拡大を認める内容で、トランプ氏が求めていた併合には至らなかったものの、米国は「ゴールデン・ドーム」迎撃システムの配備や新たな軍事基地2か所の建設を進める。デンマークのフレデリクセン首相は「永遠に続く」協定だと評価した。

ウクライナ軍参謀本部によると、ロシア軍の損失は開戦以来、約152万2440人に達した。過去1日で1560人が加わった。戦車1万2367両、装甲戦闘車両2万5387両、航空機442機などが破壊されたとされる。独立系シンクタンクの戦略国際問題研究所(CSIS)は、ロシアの損害がウクライナの約2〜2.5倍と推定している。

各国メディアの論調を比較すると、中国国営メディアはマレーシアのネグリ・スンビラン州の王位継承争いをユーモラスに報じ、社会の寛容さを強調した。一方、ウクライナ独立系メディア『キーウ・インディペンデント』はロシア軍の損害数値や制裁解除への反発など、軍事・外交の詳細を重視した。カタールのアルジャジーラはエネルギー停戦の条件とパトリオットミサイル供与の見返りに焦点を当て、ロシアのタス通信は冬季前の停戦の必要性とウクライナのエネルギー備蓄不足を強調した。ドイツの『ターゲスシュピーゲル』は制裁解除を巡る欧州内の対立を詳細に報じ、ラトビアの反発を中心に伝えた。ロシアの視点からは、ウクライナの冬季準備不足が和平の必要性を裏付ける材料として提示されている。

マクロン氏、国連最後の演説でトランプ氏のガザ和平を「恥辱の見世物」と非難 イスラエルは「グロテスクな不条理」と反論

フランスのエマニュエル・マクロン大統領は9月22日、ニューヨークの国連総会で退任前最後の演説を行い、ドナルド・トランプ米大統領が主張するガザ和平を「見せかけの和平」と痛烈に批判した。マクロン氏は、和平が宣言されたにもかかわらず、ガザでは人道的回廊が一つも再開されていないと指摘し、国際社会の現状を「われわれ全員に恥辱をもたらす見世物」と表現した。演説では演台を拳で叩きながら、「和平を誇る者もいるが、その和平は人道的アクセスを一秒たりとも再開させていない。われわれはただ傍観しているだけなのか」と訴えた。

この批判に対し、ホワイトハウスのアンナ・ケリー報道官は「トランプ大統領はイスラエルとハマスの戦争を終結させ、生存する人質全員を解放し、犠牲者の遺体を家族のもとへ返還した。そして現在はガザ和平のための20項目計画の実施を主導している。他者が語る間に、この大統領は複雑な問題に正面から取り組んだ。この地域の平和と安定のためにこれ以上貢献した者はいない」と反論した。

マクロン氏はまた、ヨルダン川西岸でのイスラエルによる日常的な侵害を批判し、「ハマスは西岸で活動したことがない。誰の名においてこれが行われているのか」と問いかけた。この発言に対し、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相事務所は「マクロン氏の主張のグロテスクな不条理は驚くべきものだ」とする声明を発表した。声明は、ハマスのテロリストがほぼ毎日ユダヤ人を襲撃し、ユダヤ・サマリア(西岸)で無数のイスラエル市民を殺害していると指摘。さらに、ヨム・キプルの前夜にあたる9月20日に、フランス国籍も持つイスラエル人入植者ネタネル・シュクルン氏(6児の父)が車内で射殺された事件を挙げ、ハマスが西岸で活動している証拠だと主張した。イスラエル軍は容疑者をラマッラーの病院で拘束し、その後彼の村を急襲したと報じられている。

一方、アルゼンチンや中東メディアは、マクロン氏が「ジャングルの法則への回帰」を警告し、国連とともに「断固として立つ」よう各国に呼びかけた点を強調した。マクロン氏は、ウクライナとロシアの戦争における民生・エネルギー施設への攻撃のモラトリアム(一時停止)や、黒海での商船航行の再開による穀物輸出の回復を訴えた。さらに、米中という「二大大国」に依存しないオープンソースの人工知能(AI)モデルを、独立志向の国々の連合で構築することを提案した。カタールのアルジャジーラは、マクロン氏が「有志連合」はウクライナ支援で「一寸も譲歩しない」と述べたと伝え、中東のメディアはホルムズ海峡の航行を「人質に取るべきではない」と主張した点も報じた。

各メディアの論調には明確な差異が表れた。ロイター通信や韓国系メディアは、トランプ政権のガザ和平をめぐる外交的対立を中心に、マクロン氏の「恥辱の見世物」発言とホワイトハウスの反論を対比的に報じた。イスラエル紙タイムズ・オブ・イスラエルとマレーシア・シンガポールのメディアは、ネタニヤフ首相事務所の「グロテスクな不条理」という反発を前面に押し出し、西岸でのハマスの活動実態を強調した。アルゼンチンとパキスタンのメディアは、ガザの人道状況と西岸の入植者暴力に焦点を当てつつ、マクロン氏の多国間主義の訴えを肯定的に伝えた。カタールのミドル・イースト・アイは、マクロン氏の国連擁護と「帝国による権力乱用」への批判を紹介した。事実認識の根幹は、マクロン氏がガザの和平宣言と実態の乖離を批判し、イスラエルが西岸でのハマスの活動を主張して反論した点で一致するが、その評価はメディアの所在する地域によって大きく分かれた。

マクロン氏は来年5月の退任を控え、2017年の初登壇以来となる最後の国連演説で、多国間主義の擁護者としての立場を鮮明にした。アナリストらは、彼が外交の華やかな演出に長ける一方で、それを永続的な戦略的成果に結び付けられなかったと指摘する。しかし、国連への支持を繰り返し表明し、「無処罰の新たな秩序」を拒否すると宣言したことは、フランスの外交姿勢を象徴するものとなった。フランスは昨年9月にパレスチナ国家を承認して以来、西岸の入植者暴力に対して制裁を課し、入植地製品の輸入禁止手続きを開始するなど、イスラエルとの関係が緊張している。マクロン氏の退任まで残り7カ月となったフランスの大統領選挙を控え、この演説は今後の外交路線を占うものとして注目される。

トランプ政権、ホワイトハウス記者締め出しを「安全保障上の特権」と主張 英は国連安保理の拒否権制限に参加

米司法省は、CNN、MS NOW、ポリティコの3メディアに対するホワイトハウス常駐パスの剥奪を「安全保障上の問題」として支持する文書を連邦裁判所に提出した。司法省は「ホワイトハウスへのアクセスは特権であり、権利ではない」と主張し、大統領が大統領府の制限区域への記者の入場を「見解に基づく差別的な理由」であっても管理できると論じた。同省は、3社が機密情報や国家安全保障に関わる情報を報じたことが基準違反に当たるとの認識を示した。

この措置は、トランプ大統領が就任当初にAP通信のアクセスを制限したことに続く、政権の報道機関に対する攻勢の新たな段階となる。CNNは、政権が挙げた根拠として、ホワイトハウス東棟地下の「極秘」バンカーの建設詳細や米ミサイル防衛迎撃弾の在庫減少に関する報道を挙げたと伝えた。ポリティコにはシークレットサービスによる警備改善計画や米軍兵器備蓄に関する報道が、MS NOWにはFBIのリーク調査や米軍弾薬に関する報道がそれぞれ挙げられた。これに対し3社は、報復的な措置だとして即時復帰を求め、ワシントン連邦地裁のティモシー・ケリー判事による緊急審理が開かれた。

一方、国連では英仏メキシコ主導の拒否権制限構想に英国が参加した。この構想は、大量虐殺や人道に対する罪などの事案で常任理事国が拒否権を自発的に行使しないことを求めるもので、仏外務省が発表した。英国の参加により、国連加盟国の3分の2という採択基準まで残り1か国となったが、決議は拘束力を持たない。日本では、首相の高市早苗氏が国連総会で、現行の安保理は1945年の国際情勢を反映しており、常任・非常任の双方の議席増を含む緊急の改革が必要だと訴えた。パキスタンでは、コハートでのテロ攻撃を安保理が非難し、23人の犠牲者と実行主体とされるイテハドゥル・ムジャヒディーンへの対応を求めた。

米国内では、中間選挙を控えて共和党内でトランプ大統領への不満が表面化している。イラン戦争や中国の習近平国家主席との首脳会談をめぐり、上院共和党議員が相次いで大統領と距離を置いた。過去には、大統領に逆らったインディアナ州の州議員8人のうち6人が予備選で敗れ、テキサス州のジョン・コーニン上院議員も大統領の支持を受けたケン・パクストン氏に敗れて政界を去った経緯があり、党内の亀裂が中間選挙の行方を左右する可能性がある。マレーシアでは、ヌグリ・スンビラン州の州務大臣イスマイル・ラシム氏と州執行評議会メンバーがトゥンク・ナザルディン殿下と会合する予定だったが、治安上の懸念で中止された。州の立憲上の行き詰まりが続くなかでの出来事だ。

トランプとロドリゲスが国連総会で初会談、ベネズエラの石油権益を巡る「歴史的」首脳会談

米国のドナルド・トランプ大統領とベネズエラの暫定大統領デルシー・ロドリゲスが、ニューヨークで開催中の国連総会の傍らで初めて会談した。両政府が今週火曜日に発表したもので、1月に米軍の軍事作戦でニコラス・マドゥロ前大統領が捕らえられて以降、ロドリゲスが権力を掌握してからの初の首脳会談となる。会談はトランプが外国首脳を招いて開くレセプションの枠内で、ロッテ・ニューヨーク・パレスホテルにて非公開で行われた。

ロドリゲスは会談を「歴史的」と評し、Telegramで「二国間関係の強化」と「協力アジェンダの進展」について協議したと述べた。写真では両者が笑顔で、ロドリゲスが勝利のサイン、トランプが親指を立てる姿が公開された。米国側からはマルコ・ルビオ国務長官、スコット・ベッセント財務長官、スージー・ワイルズ首席補佐官、スティーブン・ミラー副首席補佐官が同席した。

会談の背景には、イラン戦争による原油価格高騰がある。トランプは国連総会の演説で「勝者に戦利品を」と述べ、米国とベネズエラの石油埋蔵量を合わせれば世界の60%以上になると強調した。8月にはワシントンとカラカスが、推定650億バレルの生産ポテンシャルを持つ油田の管理を米国が担うと発表している。ルビオ国務長官はベネズエラ経済の安定化後に自由選挙を実施するという移行を目指すと説明する一方、トランプは野党が求める選挙にベネズエラは「まだ準備ができていない」と最近述べている。

メディア間の論調比較では、アルゼンチンのクラリン紙は会談を「ワシントンとカラカスの歴史的な雪解け」と位置づけ、スペインのエル・パイス紙は「対等な関係ではなく、カラカスのワシントンへの絶対的な従属」と強調する。エル・パイス紙は、1999年のビル・クリントンとウゴ・チャベスの会談以来となる米大統領とチャビスタ指導者の初の首脳会談だと指摘し、かつてロドリゲスが米国の制裁を「国家テロ」と非難した過去との隔たりを浮き彫りにした。一方、カタールのアルジャジーラは、国連本部前でベネズエラ人がロドリゲスの参加に抗議し、世界の指導者に「非正統な政府」との関係正常化を求めないよう訴えたと報じた。

ロドリゲスのニューヨーク訪問は、2018年以来となるベネズエラ大統領の国連総会参加であり、月曜日には国連事務総長や主要国際金融機関の幹部とも会談した。トランプ政権はイラン戦争による原油高に対応するため、ベネズエラからの炭化水素供給を優先しており、この会談は米国によるベネズエラ資源へのアクセスを公式化するものとなった。野党側は政治犯の存在や選挙の実施を訴えており、今後の政治移行の行方が焦点となる。

中東情勢の緊迫化とエネルギー危機の再来、韓国防衛産業の躍進とアリババの海外展開

中東情勢の緊迫化が世界経済に影を落としている。イランと米国の代表が国連総会の場で約3時間にわたる会合を行い、ホルムズ海峡の再開をめぐる条件を提示した。米大統領ドナルド・トランプは会合を「非常に良い」ものだったと評し、近い将来に再度の対話を予定していると述べた。イラン国営通信イリブによれば、イラン外相アッバース・アラグチは、米国によるイラン港湾の海上封鎖の即時解除、凍結されたイラン資産の早期支払い、すべての抵抗戦線での戦争終結を要求した。トランプはまた、イランが「消滅」か「合意」かの選択を迫られていると述べ、11月の米中間選挙後に外交的解決が見つかるとの見通しを示した。パキスタン、トルコ、サウジアラビア、エジプトの4カ国は共同声明で、対話と外交が中東紛争の持続可能な解決への唯一の道であると強調し、イエメンのフーシ派によるサウジアラビア攻撃を非難した。

こうした中東の混乱は、世界を再びエネルギー危機の瀬戸際に追いやっている。スペイン紙エル・パイスによると、ホルムズ海峡を通過するタンカーは以前のわずか一部にまで減少し、サウジアラビアは紅海の情勢悪化により主力製油所の操業を縮小、原油と燃料の欧州向け出荷を停止した。ロシアもウクライナの反撃で製油所が損傷し、ディーゼル輸出の禁止を1か月延長する見通しだ。米国のディーゼル価格は1ガロン6.52ドル、欧州では1リットル2ユーロ超と過去最高圏にある。バンク・オブ・アメリカのフランシスコ・ブランチ氏は「中東の混乱は甚大で、市場に十分な原油も、それを処理する十分な製油所もない」と指摘し、供給網がクリスマスまでに回復しなければ「大きな」供給問題が生じると警告した。一方、トランプ政権はインド・中東・欧州経済回廊(IMEC)を強く支持し、イランの検問所を迂回するエネルギー輸送路の構築を訴えた。

中東での防衛需要の高まりを背景に、韓国の防衛産業が存在感を増している。韓国ヘラルド紙によると、ハンファ・エアロスペースはサウジアラビアのリヤドに完全子会社「ハンファ・ディフェンス・アラビア」を設立した。同社はK9自走砲、K239天武多連装ロケット、レッドバック歩兵戦闘車、長距離地対空ミサイル(L-SAM)などを武器に中東市場を開拓する。アラブ首長国連邦(UAE)では国営防衛企業EDGEと統合防空システムに関する基本合意を締結し、現地合弁と段階的生産を協議する。サウジアラビア国家警備隊は約15兆ウォン(110億ドル)規模の地上兵器の近代化を進めており、K9と天武の輸出が期待される。さらにハンファ・エアロスペースは韓国航空宇宙産業(KAI)と、KF-21戦闘機向け国産長距離空対空ミサイルの開発と統合で協力することで合意した。ミサイル開発は1.9兆ウォン(14億ドル)規模の事業で、国防科学研究所が年内に契約業者を選定する予定だ。

一方、中国のアリババは海外データセンターの拡張計画を発表した。トルコ、フィンランド、オランダに初のクラウドリージョンを設立し、マレーシア、ドイツ、アラブ首長国連邦、フランス、香港でデータセンター網を拡大する。同社の最高経営責任者(CEO)エディ・ウー氏は、5兆から10兆のパラメータを持つAIモデルの訓練を計画していると述べ、2032年までにデータセンターの世界容量を20ギガワット超にする目標を掲げた。また、新AIチップ「真武V900」を発表し、前世代の「真武M890」の3倍の性能を持つと主張した。この発表は、習近平国家主席とトランプ大統領の首脳会談を前に行われ、半導体やAIをめぐる米中ハイテク競争の文脈で注目される。

韓国株式市場は中東緊張の緩和期待と半導体株の上昇を受けて急伸した。総合株価指数(KOSPI)は前日比1.5%高の7,123.27で取引を開始し、サムスン電子は2.71%、SKハイニックスは2.07%上昇した。米国ではナスダック総合指数が2日連続で最高値を更新した一方、ダウは0.36%下落するなどまちまちの展開となった。

ホワイトハウス報道規制とディーゼル輸出禁止論が交錯 トランプ政権のメディア・エネルギー戦略

トランプ米大統領がCNN、MS NOW、Politicoの3メディアをホワイトハウスから締め出す決定を下したことで、米国メディアは異例の反乱を起こした。大手テレビ局は月曜日、プール取材を停止し、ニューヨーク・タイムズはホワイトハウス写真の公開を見送る構えを見せた。一方、政権は自前の配信チャンネル「トランプTV」を立ち上げ、対抗姿勢を鮮明にした。

トランプ大統領は金曜日、CNN、MS NOW、Politicoを「フェイクニュース」と断じ、ホワイトハウスへの入場を禁じた。土曜日には3社の記者がホワイトハウス敷地内への立ち入りを拒否され、恒久パスを没収された。これを受け、ABC、CBS、CNN、Fox、NBCの大手5局は共同声明で「政府が報道内容に異議を唱えるからといって報道機関を制限すべきではない」と訴え、月曜日のプール取材を停止した。CNNが担当する予定だったホワイトハウスの映像は、政権のウェブサイト配信に切り替わった。

3社は月曜日、ワシントン連邦地方裁判所に訴訟を提起した。修正第1条の表現の自由と、修正第5条の適法手続きの侵害を主張し、差し止め命令を求めた。裁判所は水曜日に審理を予定している。法学者らは、政府が報道スペースを開放した以上、見解や内容に基づいて入場者を選別することはできないと指摘し、政権の勝算は低いとみる。ただし、2025年6月の控訴裁判所判決では、大統領が大統領専用機や Oval Office など限られた空間へのAP通信の入場を制限する権利が支持されており、判断は分かれる。

政権は「トランプTV」をYouTubeで24時間配信開始した。共和党のマーク・ケリー上院議員やギャビン・ニューサム・カリフォルニア州知事は「国営メディア」と批判した。ホワイトハウスは「マーク・ケリーのツイッターが国営メディアだと言うのと同じだ」と反論した。メディア研究者は、政権が自らの物語を直接伝える戦略の一環だと分析する。

一方、エネルギー政策では、中東戦争に伴うディーゼル価格の高騰を受け、トランプ大統領がディーゼル輸出禁止に前向きな姿勢を示した。トランプ氏は国連総会の場で「ディーゼルを送り出さないようにしよう」と記者団に語った。スコット・ベッセント財務長官は、全面的か部分的かを含め、輸出禁止の実現可能性を検討していると述べた。共和党上院のジョン・スーン院内総務も「価格圧力を緩和できるなら」禁止に前向きだ。米国ではディーゼル価格が1ガロン6.53ドルと最高値を更新しており、11月の中間選挙を控えた共和党議員からも実施を求める声が上がっている。米国は6月に日量140万バレル超の留出油を輸出しており、禁止が実現すれば世界の燃料供給に影響を与える可能性がある。

この2つの事象は、トランプ政権が「自らの物語」を支配し、支持基盤に訴える戦略を強化していることを示す。メディア規制は報道の自由という米国の基本原則を問う裁判闘争に発展し、エネルギー政策は中間選挙を直前に控えた政治課題となっている。各国メディアの報道では、ホワイトハウス規制については米国メディアが「報道の自由への攻撃」と批判的に報じる一方、政権側は「フェイクニュースへの攻撃」と反論する構図が鮮明だ。ディーゼル輸出禁止については、米国メディアが国内価格と中間選挙への影響を強調し、国際メディアは世界の燃料供給への波及を注視している。

コラピント、ウィリアムズ時代の年俸明かす バクー復帰へ ロヒンギャ問題で国際支援要請 ロビン・ウィリアムズのAI偽動画に娘が異議

F1ドライバーのフランコ・コラピントが、ウィリアムズ時代に1レースあたり1万ユーロの報酬を受け取り、家族の旅費を自腹で負担していたため「赤字だった」と明かした。アルゼンチン紙クラリンが報じたもので、コラピントは2024年にウィリアムズからデビューし、バクーで初ポイントを獲得した。現在はアルペンに所属し、今週末のアゼルバイジャンGPで再び上位10位入りを狙う。

一方、バングラデシュのタリク・ラフマン首相は、ニューヨークで国連ミャンマー担当特使ジュリー・ビショップと会談し、ロヒンギャ難民の祖国帰還に向けた国際支援を求めた。国連総会出席のため滞在中の首相は、24日に初の一般討論演説を行う予定だ。

また、故ロビン・ウィリアムズの娘ゼルダ・ウィリアムズが、父の容姿をAIで再現した偽動画をSNSで批判した。彼女は「彼が亡くなったからといって、操り人形にしていいわけではない」と述べ、無断使用に異議を唱えた。

ベネズエラでは、野党指導者マリア・コリナ・マチャドが帰国を試みたが、国連総会で米大統領トランプと会談したデルシー・ロドリゲス大統領代行と入れ違いとなった。スペインでは、憲法裁判所が10月6日にプッチデモン元州首相への恩赦適用を判断する見通しで、最高裁が逮捕令状の解除を検討している。マレーシアでは、ヌグリ・スンビラン州の憲法危機をめぐり、アザリナ・オスマン・サイード首相府相が州憲法に立ち返るよう求めた。

各メディアの論調を比較すると、アルゼンチン紙はコラピントの個人的な苦労話を感情的に描き、バングラデシュ通信はロヒンギャ問題における国際協調を強調する。カナダのCBCはAI技術と遺族の権利という観点からゼルダの発言を紹介し、中国の新華社はベネズエラ情勢を簡潔に伝える。スペイン紙エル・パイスはプッチデモン帰還の法的プロセスを詳細に分析し、マレーシア紙は州権と連邦権の境界をめぐる議論を報じている。事実認識は各国で一致するが、強調点はそれぞれの国内事情を反映している。

国連総会でAI規制を巡る主導権争い、英は新機関設置を表明、豪は国際協調を訴え

第81回国連総会がニューヨークで開幕し、人工知能(AI)の規制を巡る国際的な主導権争いが鮮明となった。オーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相は、AIのリスクを一国で管理できる国はないと訴え、国際協調による規制を世界の首脳に呼びかけた。一方、英国のアンディ・バーナム首相は総会での初の主要な国際演説で、ロシアの偽情報に対抗するための新たな「国家情報防衛センター」を設置すると発表し、AIの世界標準確立を主導する意向を示した。

アルバニージー氏は総会の開幕セッションに出席し、カナダのマーク・カーニー首相と握手を交わし、ミャンマー担当特使のジュリー・ビショップ元外相とも懇談した。韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領とは国連韓国代表部で会談し、ホルムズ海峡の紛争に伴うエネルギー供給網の混乱で韓国が「様々な課題」に直面したものの、オーストラリアの支援でエネルギー市場が安定したと李氏から感謝を受けた。アルバニージー氏は両国が「偉大な友人」であり、多国間主義を支持する共通の世界観を持つと応じ、来年初めに李氏をオーストラリアに迎える意向を示した。両首脳は握手を二度交わした。

バーナム氏は演説で、ロシアの情報機関がボットや偽サイトなど「あらゆる手段」を用いて「嘘と偽情報」を流していると非難した。クレムリンは毎年約13億ポンドを情報操作に費やしており、28の英国組織のブランドを偽造していると指摘した。これに対抗するため、国家情報防衛センターを設置し、AIを活用した偽情報キャンペーンを検知・分断する方針を示した。また、英国をAI技術の「誠実な仲介者」と位置づけ、来年のG20議長国としてAIを議題の中心に据えると表明した。一方、米国のドナルド・トランプ大統領は総会で、AIを制御する「グローバリスト的な仕組み」を拒否し、「抑制するのではなく促進する」と述べた。AIが人類を滅ぼすという警告を「デマ」と退けた。

このAI規制を巡る論争は、各国メディアの論調の差にも表れている。オーストラリアのABC放送は、アルバニージー氏の国際協調の呼びかけを中心に、国連総会の舞台裏での首脳間のやり取りを詳細に報じた。英国のBBCは、バーナム氏のロシア偽情報対策とAI規制の主導権に焦点を当て、米中が署名していない国際宣言の課題を指摘した。一方、日本の『ジャパンタイムズ』は、中国のAI自給自足政策が国内企業の競争激化と価格競争を招く一方、輸出志向の企業が世界のデータセンター需要で成長していると報じ、規制論争とは異なる産業側の視点を提供した。マレーシアの『ニュー・ストレーツ・タイムズ』は、国際協同組合連盟(ICA)のグローバル理事会にマレーシアの代表が選出されたことを伝え、協同組合セクターを通じた国際的な地位向上を強調した。南アフリカの『デイリー・マーベリック』は、ロシアのウクライナ攻撃が世界の食料安全保障を脅かし、6億4500万人が危機に直面していると報じ、紛争と気候変動の複合的な影響を訴えた。

AI規制を巡っては、ドイツ、カナダ、アイルランドなど20カ国以上が支持する国際宣言が、AIの人間による制御とフロンティアモデルの公開前テストを義務付けているが、AI開発を主導する米国と中国、そして英国が未署名であることが課題となっている。トランプ氏の「グローバリスト的仕組み」への拒否は、国際的な規制の実現に不確実性をもたらした。バーナム氏は、AIを「我々の時代の最も重要な課題と機会の一つ」と評し、経済成長の鍵である一方「リスクの増幅器」でもあると述べた。英国のAI安全保障研究所は主要なAIモデルを試験しているが、企業の参加は任意であり、Anthropic社が最新モデルの提出を拒否したとされる。ダウニング街はAI開発者に対し「モデル開発の完全かつ全面的な可視性」を期待すると表明した。

世界の食料安全保障も重要な議題となった。ロシアのウクライナ侵攻前、ウクライナは世界の小麦の10%、トウモロコシの15%、ひまわり油の50%を供給していたが、2026年の収穫期にはロシアの攻撃で穀物輸出が2025年比で半減した。10月までにウクライナは貯蔵能力を使い果たし、900万トン以上の穀物が腐敗する恐れがある。EUは南部アフリカ開発共同体(SADC)や政府間開発機構(IGAD)と連携し、地域全体での調整対応を進める。エルニーニョ現象による降雨不足で南部アフリカでは1280万人以上が急性の食料不安に直面しており、前回の2023/2024年のエルニーニョでは3000万人が影響を受け、6カ国が国家非常事態を宣言した。

国連総会で米ロ外相会談へ、ウクライナ停電攻撃巡り外交再始動

第81回国連総会の開催に合わせ、米国務長官マルコ・ルビオとロシア外相セルゲイ・ラブロフが9月23日朝、ニューヨークで会談する。米国務省が発表した。同日はウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領が総会で演説する予定であり、米ロ外相会談はウクライナ戦争終結に向けた外交努力の再始動となる。

ゼレンスキー大統領は22日朝、記者団に対し、ロシアが同様の条件を受け入れるならウクライナはロシアのエネルギー施設への攻撃を停止する用意があると述べた。一方で、ロシア側の立場は不明だとし、「米国側が何らかの交渉に導く方法を見つけることを期待する」と語った。ロシアは2022年2月にウクライナへ全面侵攻を開始したが、ワシントンの停戦努力はここ数か月停滞している。両軍は工場、倉庫、エネルギー・港湾インフラ、黒海の船舶など、増加する民生目標への長距離攻撃を数か月にわたり続けている。

米ロ外相会談の議題には、国連における両国の協力問題も含まれる。ロシア外務省はイズベスチヤ紙に対し、常任理事国である両国には協力発展の大きな可能性があるものの、その可能性は大部分が未活用のままだと指摘した。また、ドナルド・トランプ大統領がホワイトハウスに復帰して以降、ワシントンの国連政策は「より実用的になった」と評価し、主な意見の相違は米国ではなく、ブリュッセルの政治路線に沿った急進的でイデオロギー的な立場を取る欧州諸国との間に生じていると主張した。

ロシアのマリア・ザハロワ外務省報道官は、ラブロフ外相が国連総会の傍らでアントニオ・グテレス国連事務総長と会談すると発表した。会談では、ブチャでの出来事の演出を暴露する「ウクライナの新ナチスによる犯罪に関する国際公衆裁判所」の報告書をロシア側が提示する。ザハロワ氏は、国連当局者が提供すると待たれていた名前のリストをラブロフ外相が代わりに提供すると述べ、その名前は「無実の犠牲者」とされる人物ではなく、実際には「テロリスト民族主義大隊の武装勢力」の名前だと主張した。

一方、アルゼンチンのハビエル・ミレイ大統領は22日夜、ニューヨークでルビオ国務長官と会談した。両者は安全保障、テロ対策、重要鉱物貿易における米国とアルゼンチンの戦略的パートナーシップ強化を図った。会談はマンハッタンのロッテホテルで行われ、トランプ大統領夫妻主催の歓迎カクテルパーティーの直前に実施された。ミレイ大統領は同日朝、地域同盟「アメリカの盾」の枠組みでの会合でトランプ大統領と顔を合わせたが、正式な二国間会談は実現しなかった。

フォークランド諸島の主権問題も焦点となった。トランプ大統領は英アンディ・バーナム首相に対し、北大西洋条約機構(NATO)の防衛予算増額を求める圧力として、米国の伝統的な英国支持姿勢を見直す用意があると表明した。トランプ大統領は22日、国連本部でバーナム首相と会談し、その後の記者会見で英国側は諸島について協議したと述べた。バーナム首相は総会演説で「マルビナス諸島のような英国領土が英国であり続ける権利」への脅威に立ち向かうと強調した。これに対しアルゼンチンのパブロ・キルノ外相は「英国が違法に占領している」と即座に反論し、非植民地化義務の履行と国際法違反の即時停止を求めた。

国連総会では、グテレス事務総長が「多極化する世界」への移行は不可逆だと述べ、中東全域での戦闘停止を呼びかけた。彼は「軍事力だけでは平和を確保できない。経済力だけでは安定を命令できない。技術力だけでは安全保障を保証できない」と語り、国連中心の多国間主義の必要性を強調した。また、発表された中東の停戦は名ばかりで、市民が代償を払っていると警告した。

次期国連事務総長選びも重要議題だ。ロシア外務省のキリル・ログヴィノフ氏は、明確な最有力候補はいないと述べた。9月18日の非公式投票ではキャロリン・ロドリゲス=バーケット、レベカ・グリンスパン、オララ・オトゥヌの3氏が首位に立ったが、各氏には5〜7票の反対票がある。ログヴィノフ氏は、新事務総長は信頼回復、事務局の人員不均衡の是正、拘束力ある合意に基づく決定への集中が求められると指摘した。グテレス氏の任期は2026年12月31日に満了する。

ロシアのラブロフ外相は23日、ニューヨークに到着した。政府機は北回りで全ての国を迂回し、12時間45分かけてモスクワから米国へ移動した。訪問の中心行事は26日に予定される総会での一般討論演説だ。ラブロフ外相は30以上の会合を予定しており、ルビオ国務長官との会談のほか、セルビアのアレクサンダル・ヴチッチ大統領、グテレス事務総長、アルジェリア、ブラジル、インド、イラン、キューバなどの代表者、OSCE、IAEA、国連総会議長らと会う。ロシアの立場は、多極性の強化、平等で不可分なユーラシア安全保障の構築、植民地主義への対抗、世界金融アーキテクチャの改革、テロ対策、軍縮に焦点を当てる。

米ロ外相会談は、トランプ政権がロシアのウクライナ全面戦争終結を仲介しようとする中で、過去1年間に両氏が複数回会談してきた流れの延長線上にある。2025年9月の国連総会ではルビオ氏がラブロフ氏に「流血を止める」よう促し、2025年2月のリヤド会談は全面侵攻開始以来初の高官級米ロ交渉だった。ウクライナのキーウ・インディペンデント紙は、ゼレンスキー大統領がトランプ大統領との会談後、エネルギー停戦への用意を示し、冬の支援、防空、将来の和平協議についても議論したと報じた。一方、ロシアのタス通信は、米国の国連政策の「実用化」と欧州との対立を強調し、ロシアの主張を代弁する形でブチャ事件の「演出」を訴えるなど、メディア間で焦点の置き方が分かれている。

各国最高裁、代理母・薬価・国歌・宝石判決で相次ぎ判断

米国最高裁は代理母出産の赤ちゃんの親権争いへの介入を拒否し、インド最高裁は薬価の高騰を「白昼の強盗」と批判した。マレーシアでは元首相夫人の宝石判決が執行可能となり、パキスタンでは名誉毀損判決が維持された。各国の司法が重要な判断を下した一日となった。

米国最高裁のエレナ・ケイガン判事は、代理母マッケナ・ウェストの緊急申し立てを却下した。ウェストはアラスカ州の看護師で、カリフォルニア州の夫婦オマール・アハメドとナウシーン・ギルカーの子を代理出産した。赤ちゃんは左心低形成症候群という重い心臓疾患を持ち、テキサス州で生まれた。夫婦は胎児異常を理由に中絶を求めたが、ウェストは中絶を拒否し、中絶が違法なテキサス州で出産した。テキサス州最高裁は赤ちゃんのロサンゼルスへの移動を許可しており、ケイガンの却下はその直後だった。アルゼンチンのメディアは簡潔に事実を伝えたのに対し、アメリカのガーディアン紙は中絶問題やテキサス州司法長官ケン・パクストンの介入に言及し、より詳細に報じた。ウェスト側は、両親が適切な医療を提供しないと主張している。

インド最高裁は、製薬会社と小売薬局が患者を搾取しているとし、薬価の高騰を「白昼の強盗」と表現した。ヴィクラム・ナート判事とサンディープ・メータ判事は、癌治療薬の例を挙げ、製造会社が小売価格2,770ルピーで供給する薬が、患者には27,000ルピーのMRPで販売されていると指摘した。判事らは政府の沈黙を批判し、すべての薬剤を価格固定政策の対象にすべきだと述べた。製薬会社側の弁護士カピル・シバルは、自分たちだけが儲けているわけではないと主張し、データ提出を求めた。

インド最高裁は、国歌『バンデ・マタラム』の全6節を歌う義務について、宗教的信念や良心的拒否による罰則を検討するとした。裁判所は、1986年のビジョエ・エマニュエル判決を引用し、立って黙礼すれば罰しないと述べた。判事ジョイマルヤ・バグチは、米国国歌の「God」を例に挙げ、世俗主義に反しないと指摘した。歌手T・M・クリシュナの請願に対し、政府側のトゥシャール・メータは、請願はセンセーショナリズムを狙ったものだと反論した。

マレーシア控訴裁判所は、ダティン・スリ・ロスマー・マンソールの無条件執行停止申請を却下した。これにより、レバノンの宝石会社グローバル・ロイヤルティ・トレーディングが、6,750万リンギットの判決を執行できる。裁判長モハド・フィルズ・ジャフリルは、無条件停止の根拠はないと述べた。ロスマーは判決後30日以内に支払わなかったとされ、弁護士デビッド・グルパタムは、彼女が他の資産を開示していないと指摘した。ロスマー側は休眠口座に20リンギットしかないと主張したが、裁判所はそれを認めなかった。

パキスタンのラホール高等裁判所は、歌手アリ・ザファールの名誉毀損判決を支持した。ミーシャ・シャフィの控訴は認められたが、判決の停止は条件付きだった。損害賠償額の50%を預託し、残り50%は保証金を条件に執行停止が認められた。しかし、条件が満たされなかったため、判決は完全に有効のままである。また、パキスタン最高裁は、ボルTVに関する侮辱罪の申し立てを、故アミール・リアカット・フセイン博士とショアイブ・シェイクに対して却下した。裁判長シャヒド・ワヒードは、フセイン博士に対する手続きのみが適切だったと述べた。

これらの判決は、各国の司法が社会問題に積極的に関与していることを示す。米国の代理母問題は、生殖医療と中絶をめぐる議論を再燃させた。インドの薬価問題は、医療費負担の軽減につながる可能性がある。マレーシアの判決は、元首相夫人の資産管理に注目を集めた。パキスタンの判決は、名誉毀損訴訟の行方に影響を与えるだろう。

世界の動きを一望:豪州の小型賃貸住宅、イエメン難民危機、米医療保険とトランプ大統領の株式取引など多様な報告

世界各地から多様な報告が届いた。オーストラリアのサンシャインコーストでは、夫婦が約10万豪ドルを投じて設置したガラス張りの小型賃貸住宅が、年間約20万豪ドルの収入を生み出している。インドのジャンムー・カシミール州では、約218万冊の図書を対象にした「好ましくない内容」の選別が行われ、4,249冊が撤去された。国連は、イエメンでの戦闘再発により、紅海を渡ってジブチへ逃れる難民が1万人に達する可能性があると警告した。シンガポールでは、リゾート・ワールド・セントーサのカジノで偽造S$10,000紙幣を使用した疑いでインドネシア人実業家が調査を受けている。米国では、トランプ政権が医療保険制度の不正加入とされる76万人を対象から外すと発表した。さらに、トランプ大統領の7月の株式取引が1,000件を超え、最大2億7,000万ドル規模に上ったことが財務開示で明らかになった。南アフリカのケープタウンでは、2万1,000件の住宅機会が特定された。

オーストラリアの事例では、住宅ローン返済の負担増に対応するため、シベルとヤルチン・カラマン夫妻が農場に6メートル×2.4メートルのプレハブ住宅を設置した。組み立てはわずか3日で完了し、2025年5月の運用開始以来、予約は倍増。宿泊料金は需要に応じて220〜580豪ドルで、稼働率は週6泊程度に達する。収入源は、夫妻が改装した農家住宅の賃貸と合わせて、同一物件から二つの宿泊収入を生み出している。この小型住宅ブームはオーストラリア全体に広がっており、販売は5年間で120%増加し、1万人以上がこうした住宅に住むと推定される。一方、ジャンムー・カシミール州では、教育省が7月に全図書の選別を命じた。撤去された4,249冊のうち3,996冊はカシミール地方、253冊はジャンムー地方のもので、さらに1,752冊が専門家による審査対象となった。野党議員はカシミール関連の書籍が標的にされていると批判し、教育相は「明確で客観的な基準」に基づく選別だと説明した。

イエメン情勢では、フーシ派の沿岸部での進軍により、国内では13万人以上が新たに避難を余儀なくされた。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、ジブチでの事業資金が15%しか確保されていないとし、来月には難民が1万人に達すると予測する。必要資金は1,300万ドル以上とされ、国内避難民への支援には2,500万ドルが緊急に必要だという。シンガポールの事件では、実業家スティーブンが6月に3回カジノを訪れ、計34枚の偽造紙幣を使用した疑いが持たれている。28枚はカジノ口座への入金やチップ交換で受け入れられ、残り6枚はインドネシアでの支払いに使われた。本人は、南タンゲランの店舗物件売却代金として受け取ったもので、詐欺の被害者だと主張している。

米国では、トランプ政権が医療保険市場で76万人分の加入を取り消すと発表した。これにより22億ドルの経費削減が見込まれる。副大統領JD・ヴァンスは、政府が加入資格を確認していなかったと説明し、さらに41万9千件の加入について追加検証を行うと述べた。一方、医療政策専門家は、削減対象の決定過程の透明性を求めている。トランプ大統領の株式取引では、7月に700件超の売却(総額3,500万〜1億3,700万ドル)と440件超の購入(総額4,350万〜1億3,400万ドル)が行われた。ホワイトハウスは、ポートフォリオが独立した第三者機関によって管理されていると説明した。ケープタウンでは、人間居住省が2万1千件の住宅機会を特定したと発表した。同市の住宅待機者名簿には、5年以上待機している者が16万2,583人、20年以上の者が12万838人登録されている。

テキサスでICEに銃撃されたベネズエラ人男性、聴聞会開催へ 銃弾を背中に残したまま収容

テキサス州オースティンで連邦移民当局者に銃撃されたベネズエラ人男性ウィルベル・ラファエル・ガルセス・ペレス(28)について、連邦判事が9月30日にサンアントニオで本人出席の聴聞会を開くよう命じた。弁護士ケイト・リンカーン=ゴールドフィンチが提起した国外追放差し止めの訴えに対する応答であり、判事の命令には「申立人は聴聞会に出席しなければならない」と明記された。ガルセス・ペレスは背中に銃弾を残したまま、テキサス州ピアソールの収容施設に戻された。弁護士によれば、彼は左半身の麻痺に対する治療のため病院に再搬送されたが、深夜には再び収容施設に戻されたという。

オースティン市警は火曜日、現場に駆けつけた警官のボディカメラ映像を公開した。映像には、ガルセス・ペレスが車の助手席で前かがみになり肩を押さえ、体を揺らす様子が映っている。その後、警官が彼のシャツを切り、背中の上部に銃創が確認できる。別の映像では、非番の警官が黒いSUVが青いトヨタ・カローラを挟み込む場面を目撃・撮影しており、ガルセス・ペレスが銃撃される少なくとも10分前から連邦捜査官が彼を追跡していたことが示された。『ニューヨーク・タイムズ』は事情を知る2人の関係者の話として、ICE捜査官がオースティン北西部で車のナンバープレートを確認し、ガルセス・ペレスの車に国外追送命令が出ていることを突き止めたと報じた。捜査官らは正午45分ごろに彼を停め、逮捕を告げたが、ガルセス・ペレスが車で離れたため追跡が始まったという。

ガルセス・ペレスは日曜午後、DoorDashの配達中だった。黒いピックアップトラックが彼の車を2度衝突させ、その間に銃撃が発生した。彼は「車を安全な場所に停めようとUターンしたら、逃げると思って追いかけてきた。2度ぶつけて、撃ってきた」と説明した。銃弾は鎖骨を砕き、脊髄の近くに留まった。病院では手術の準備が進められたが、「急いで退院させて収容施設に連れて行くため」と医師が手術を中止したと彼は語った。彼は月曜日の記者会見で「痛み止めを受け取っていない」「床で寝た」と訴えた。これに対し、国土安全保障省(DHS)は火曜日の声明で「24時間体制で医療ケアを提供しており、痛み止めも投与している」「ベッドで寝ていた」と反論した。

この銃撃事件は、トランプ大統領の第2期における移民取り締まり強化の中で起きた。民主党議員らはICEの行動を厳しく批判し、オースティンでは州議会議事堂前での抗議集会を含むデモが発生した。下院議員ホアキン・カストロは水曜日にガルセス・ペレスを訪ね、「状態を確認し、解放を要求する」と述べた。トラビス郡地方検察局は火曜日、事件の捜査が続く間、ガルセス・ペレスの国外追放手続きを停止するようDHSに要請した。彼が重要証人として裁判に関与できなければ「著しく妨げられる」ためだ。

一方、フロリダ州ミラマーのICE施設では、収容能力56人に対し8月のある日には342人が収容されていたことが、民主党下院議員3人の書簡で明らかになった。ロバート・ガルシア、ベニー・トンプソン両議員とマックスウェル・フロスト議員は、ICEのデビッド・ベンチュレラ暫定局長とDHS監察官事務所に書簡を送付。施設のトイレが詰まり尿や糞便があふれ、収容者が床で寝る状況を写真で示した。オーランドの施設でも最大80人が過密な独房に収容され、1日16時間足枷をはめられているという。ICEは7月11日時点で全国に65,765人を収容していた。

報道の論調を比較すると、アルゼンチンやスペインのメディアはガルセス・ペレスの人道的状況と弁護士・地元政治家の批判に焦点を当て、DHSの反論を対比させる構成を取った。カナダのCBCは左半身麻痺の治療という医療面を強調し、台湾の『タイペイ・タイムズ』は銃弾が体内に残されたまま収容された経緯と、昨年3月にICEに射殺された米国人ルーベン・レイ・マルティネス(23)や7月にヒューストンで射殺されたメキシコ人ロレンソ・サルガドなど、トランプ政権下での一連のICEによる銃撃事件との関連性を指摘した。全メディアが、ガルセス・ペレスが合法的な労働許可証を持つ亡命希望者だったという弁護士の主張と、DHSが「違法入国し最終国外追送命令があった」と主張する点で見解が分かれている。

ホルムズ海峡再開巡りイランが米に条件提示、国連総会で交渉進展か

イランのアッバス・アラグチ外相は22日、ニューヨークの国連総会の傍らで米国特使スティーブ・ウィトコフと会談し、戦略的要衝ホルムズ海峡の再開に向けた条件を米側に伝達した。イラン国営メディアによれば、条件は米国の海上封鎖の即時解除、凍結されたイラン資産の即時解放、そして全『抵抗』戦線における戦争終結の3点だ。

この会談について、ウィトコフ特使はX(旧ツイッター)上で『仲介者を通じてイラン代表团と長時間の協議を行った』と述べ、仲介者が終日両者間を行き来したと説明した。同特使は『協議の一巡を無事に終えた。建設的で有望なものとなることを願う』とし、仲介者は今後も活動を続けると表明した。トランプ大統領も同日、合意がなければイランを『消滅』させ得るとの強硬姿勢を示す一方、国連での外交的働きかけの中で合意が近い可能性に言及した。

一方、船舶追跡データによれば、22日のホルムズ海峡通過は貨物船3隻にとどまり、前日の4隻から減少、10日移動平均の約15隻を大きく下回った。うちパナマックス型タンカー1隻を含む全3隻が海峡を出る方向だった。また、バラスト状態のLNGタンカー『アル・マフヤル』が19日に海峡外で確認された後、22日に海峡内で再び観測された。米イラン紛争前、ホルムズ海峡は世界の石油・ガスの5分の1を輸送していた。

さらに、イランのロシア駐在大使カゼム・ジャラリは、米国がホルムズ海峡の新たな法的地位を受け入れなければ通航は実現しないと述べた。この地位は『この海峡を所有する二カ国、すなわちイランとオマーンによって決定される』と同大使は主張した。イランのガリバフ国会議長も、テヘランが伝達した条件を米国が受け入れるまで海峡を開放しないとの姿勢を示している。

各メディアの論調を比較すると、アラブ首長国連邦の『アル・モニター』とカタールの『ミドル・イースト・アイ』は、イラン国営メディアと革命防衛隊の関係者発言を引用し、交渉条件の具体化と『条件が厳格化した』との見方を強調した。マレーシアの『ニュー・ストレーツ・タイムズ』とカタールの『ミドル・イースト・アイ』は、船舶追跡データに基づく海峡通過量の減少という経済的影響を前面に出した。ロシアの『タス通信』は、イラン大使の発言を通じて海峡の法的地位という主権的側面を強調し、イランの立場を代弁する形となった。根幹となる事実認識(外相と特使の会談、条件の3点、通過量の減少)は全メディアで一致する一方、米国主導の外交進展を楽観視するか、イランの強硬姿勢を強調するかで論調に差が見られる。

英首相バーナム、国連総会でフォークランド・パレスチナ・ロシアの三正面に立つ

国連総会の場で、英国のアンディ・バーナム首相は、フォークランド諸島の主権をめぐるアルゼンチンとの紛争、パレスチナ国家樹立、そしてロシアの選挙介入という三つの外交課題に同時に対処する姿勢を示した。アルゼンチン紙クラリンは、バーナム氏が「法の秩序へのいかなる脅威にも断固として立ち向かう」と述べ、ロシアだけでなく、フォークランド諸島が英国領であり続ける権利を脅かす動きにも言及したと報じた。マレーシア紙デイリー・タイムズは、バーナム氏がトランプ米大統領との会談でフォークランド問題を直接提起し、「島民の自決権と英国領であり続ける権利を守る」と明言したと伝えている。一方、カタールのアルジャジーラは、バーナム氏がガザでのイスラエルの「ジェノサイド戦争」を非難し、パレスチナ人の苦難に「傍観者にならない」と誓ったと強調した。

フォークランド問題では、アルゼンチンのミレイ大統領が先月、同諸島で掘削する石油会社への制裁を発表しており、緊張が高まっていた。これに対しバーナム氏は、トランプ大統領に対し英国の立場を直接説明し、「彼は私の言うことをよく理解した」と述べた。アルゼンチン国内では、上院が水曜日にマルビナス問題特別委員会の設置を審議する運びとなった。野党議員のカロリーナ・モイセス氏は両院合同委員会の設置を提案したが、承認には至らず、パトリシア・ブルリッチ氏が今週中に憲法問題・外交関係委員会の合同会合で議論すると約束した。委員会は最終的に単院制で進められ、ティエラ・デル・フエゴ選出の議員の出席を義務付ける。また、ペロン主義派のホルヘ・カピタニッチ氏も常設委員会の設置を求めており、政府が提出した国家主権防衛法案への批判が強まる中での審議となる。野党は同法案が権限集中や軍の治安任務への関与、政治的な弾圧をもたらすと指摘し、外国の干渉による選挙介入や偽情報キャンペーンに対し5年から12年の懲役を科すとしている。

パレスチナ問題では、バーナム氏は国連総会で、ガザの人道状況が「深く憂慮すべき」状態にあると指摘し、子どもを含むパレスチナ人の死者が続き、十分な支援が届いていないと述べた。さらに、ヨルダン川西岸での入植地拡大と入植者による暴力を批判し、E1入植計画が東エルサレムと西岸を分断する恐れがあると警告した。英国はフランス、カナダとともに、入植地関連の貿易・活動を対象とした措置を発表しており、バーナム氏は「傍観者にならない」と約束した。フランスのマクロン大統領もガザへの国際的な対応を批判し、人道回廊の不足を指摘した。一方、ロシアの選挙介入については、バーナム氏が「不快」と表現し、2019年の選挙への干渉を非難。敵対的な国家情報攻撃に対抗するため、国家情報防衛センターの設置を発表した。

これらの発言は、英国が国連総会で多国間外交の主導権を握ろうとする姿勢を示すものだ。特に、米国がパレスチナ大統領のビザを再び拒否する中で、英仏加が協調して中東和平を後押しする構えを見せており、国際社会における英国の役割を再定義する動きとして注目される。

イ・ジェミョン韓国大統領、国連演説で米朝対話再開を訴え「ペースメーカー」役を強調

イ・ジェミョン韓国大統領は、ニューヨークで開催された第81回国連総会で演説し、米国と北朝鮮の対話再開を速やかに実現させるための「ペースメーカー」としての役割を再確認した。演説で李氏は、トランプ米大統領の北朝鮮との対話再開への意欲を「変化をもたらす待望の機会」と評価し、朝鮮半島の平和体制構築に向けた関係当事者間の対話の土台を築くと述べた。李氏は、北朝鮮の核・ミサイル能力の追加開発をまず停止し、中期的に削減を進め、最終的に核のない朝鮮半島を目指す段階的アプローチを改めて強調した。

李氏は演説に先立ち、国連総会の傍らでトランプ大統領と30分間の首脳会談を行った。韓国大統領室のウィ・ソンラク国家安保室長によると、両首脳は北朝鮮との対話再開に向けて緊密に連携し、李氏がトランプ氏の「ペースメーカー」役を担うことで合意した。会談では、戦略的投資プロジェクトに関する「大きな前進」を歓迎したほか、韓国が推進する原子力潜水艦の取得、使用済み核燃料の再処理とウラン濃縮の権利、戦時作戦統制権の移管、造船分野での協力などが協議された。

一方、トランプ大統領は同日の国連総会演説で、北朝鮮には一切言及しなかった。同氏はイラン戦争、ロシア・ウクライナ戦争、人工知能(「超知能」と呼称)などに論点を絞り、イランとの「大いなる決断」に言及した。トランプ氏は、11月の中間選挙後にイランと合意に達するとの見通しを示しつつ、合意できなければ「イスラム共和国を消滅させる」と述べた。韓国メディアは、トランプ氏が北朝鮮に言及しなかったことを、李氏の演説や会談での北朝鮮重視姿勢と対比して報じた。

北朝鮮の動向も焦点となった。北朝鮮は日曜日、日本海に向けて短距離弾道ミサイル2発を発射した。韓国軍合同参謀本部によると、1発目は約450キロ、2発目は600キロ以上飛行した。北朝鮮メディアは火曜日、新型極超音速ミサイルの試験だったと発表した。この発射は、米韓日のフリーダム・エッジ合同演習終了翌日の9月12日に実施された複数ミサイル発射の8日後だった。中国メディアは、北朝鮮が核保有国としての承認を米国に求めるため、ミサイル発射でトランプ・習近平首脳会談の議題から非核化を外そうとしているとの分析を伝えた。

さらに李氏は、国連総会で「Kイニシアチブ」を提唱し、人工知能の台頭とホルムズ海峡封鎖がもたらす課題への対応を訴えた。李氏は、ホルムズ海峡の封鎖が韓国に大きな影響を与えていると指摘し、国際海峡の航行の自由を確保し、エネルギー・物流ルートが「武器化」されるのを防ぐため国際社会の協力を求めた。また、国連改革を支持し、安保理がより効果的で民主的かつ説明責任を果たす形で改革されることを支持すると述べた。

今回の一連の動きは、韓国が北朝鮮問題で主導的な役割を担おうとする姿勢を鮮明にした一方、トランプ政権の関心がイランやウクライナなど他の紛争に分散している現実を示した。韓国メディアは、李氏の「ペースメーカー」役への強い意欲を伝える一方、トランプ氏の国連演説での北朝鮮への言及のなさを対比的に報じた。米朝対話の再開が実現するかは、トランプ政権の外交優先順位と北朝鮮の対応次第であり、李氏の仲介努力がどこまで実を結ぶかが今後の焦点となる。

香港・マカオ青年代表団の北京訪問、愛国教育の「実りある成果」と中央政府が評価

香港・マカオ事務弁公室は火曜日、香港とマカオの青年代表団による北京での国旗拝謁訪問が、両市政府の愛国教育努力の「実りある成果」を示したとする論評を発表した。「港亜平」の筆名で発表された論評は、習近平国家主席と中央政府が5日間の訪問を重視し、代表団が首都での没入型訪問と体験を通じて「生き生きとした愛国教育」を受けたと述べた。

論評は「この行事は、香港とマカオ政府が青年への愛国教育を強化する努力の実りある成果を完全に示した」と指摘した。また、両政府が近年、習氏の演説の精神を徹底的に実行し、青年への愛国教育を制度化してきたと付け加えた。代表団の訪問は、中央政府による香港・マカオ政策の一環として位置づけられ、地域の若者の国家意識醸成を図るものである。

この訪問は、香港とマカオの青年が中国本土との結びつきを強め、国家の歴史と発展を学ぶ機会として機能した。中央政府は、こうした交流を通じて、両地域の若者が国家の一員としての自覚を深めることを期待している。香港・マカオ事務弁公室の論評は、愛国教育の成果を強調することで、両地域の統合をさらに推進する姿勢を示した。

経済 (Economy)

原油価格の下落と世界経済への影響

原油価格が下落し、世界市場に影響を与えている。インドのメディア『Times of India』は、サウジアラビアが紅海へ向かう主要パイプラインの操業を再開したことと、米イラン間の外交交渉への期待が高まったことで、ブレント原油が9月8日以来初めて1バレル100ドルを下回ったと報じた。具体的には、WTI原油が90.10ドル、ブレント原油が99.09ドルまで下落したと伝えている。一方、シンガポールの『CNA』は、トランプ大統領が国連で「大いなる決断」に直面していると述べた後、イランと米国の代表が国連の場で「非常に良い」会談を行ったと明かしたことを受け、市場が外交的関与の可能性に注目していると報じた。同紙は、Nasdaqが2日連続で最高値を更新し、ダウが下落するなど株式市場はまちまちだったと伝えている。

オーストラリアの『ABC News』は、ブレント原油の下落にもかかわらず、国内のガソリン価格はイラン戦争の影響で高止まりしていると報じた。クイーンズランド州では無鉛ガソリンが1リットル2.40豪ドル超、ディーゼルが2.90豪ドル超で販売されたとRACQが報告した。NRMAのピーター・クーリー氏は、原油価格の下落が小売価格に反映されるまで最大10日かかると指摘し、専門家らはシンガポールのモーガス95指標を注視すべきだと述べた。ABCは、アルバネーゼ政権による燃料消費税の一時的な減税が8月3日に終了したことも価格高騰の一因だとしている。

パキスタンの『Daily Times』は、金価格が下落したと報じた。24金のトーラ当たり価格は1,800ルピー下落して455,736ルピーとなり、10グラムでは1,543ルピー下落して390,720ルピーとなった。国際市場では金が1オンス18ドル下落して4,332ドルとなった。銀もトーラ当たり62ルピー下落して7,038ルピーとなった。

台湾では、住宅価格の高騰により「幽霊物件」と呼ばれる物件を購入する人が増えている。『Times of India』は、台湾経済が2026年上半期に14%成長し、AIと半導体産業が牽引している一方で、住宅価格の上昇が住宅取得を困難にしていると報じた。幽霊物件は、以前の居住者が暴力的な死を遂げた物件で、市場価格の半分で売られることもある。銀行は転売が難しいため融資に慎重で、買い手は引っ越し前に霊を鎮める儀式を行うという。

南アフリカでは、刑務所の食料調達価格の監視強化が求められている。『IOL』は、矯正サービス省が生鮮・非生鮮食品の包括的な価格表を導入すべきだと議会委員会が勧告したと報じた。委員会の座長コゴモツォ・アンテア・ラモロベン氏は、市場価格を事前に把握し、過大な見積もりを契約前に特定する必要があると述べた。同省は2026/2027年度に7億4,900万ランドの予算赤字を見込んでおり、食品調達には年間10億6,000万ランド以上を支出している。

これらの報道から、原油価格の下落は世界市場に広がりを見せているが、その影響は国や地域によって異なることが分かる。インドとシンガポールのメディアは外交交渉の進展による市場の楽観的な見方を強調し、オーストラリアのメディアは消費者への直接的な影響を重視している。また、金価格の下落や台湾の住宅問題、南アフリカの財政課題は、原油価格の動向とは独立した経済的要因が作用していることを示している。

アジア開発銀行、韓国・パキスタン成長見通しを更新 バングラデシュ送電網に2億ドル融資

アジア開発銀行(ADB)は2026年9月23日、韓国の2026年経済成長率予測を3.2%に上方修正した。7月時点の2.6%から0.6ポイントの引き上げであり、AI半導体需要の急拡大に伴う輸出と企業収益の堅調さを反映した。ADBは2027年見通しも2.3%へ0.3ポイント引き上げた。一方で、地政学的緊張の高まり、国際金融市場の変動性増大、米国の追加関税が輸出と投資の下押し要因になると指摘した。インフレ率については2026年2.7%、2027年2.2%の予測を維持した。

対照的に、ADBはパキスタンの2027会計年度成長率を3.7%で据え置いた。政府目標の4%を下回り、インフレ率は公式見通し7%を上回る8.3%と予想した。エネルギー・物流・農業コストの上昇が中央銀行の中期的目標を超えるインフレを招く可能性があると警告。中東紛争の激化がエネルギー輸入コストを押し上げ、湾岸労働市場を通じた送金減少もリスクだと分析した。パキスタン経済は2026会計年度に3.7%成長し、民間投資は8.6%増加した。

さらにADBはバングラデシュの送配電網近代化のため2億ドルの融資を承認した。ダカ周辺の都市近郊地域を対象に、52の変電所に1,150メガボルトアンペアの変圧器容量を新設し、12既存変電所の容量を115メガボルトアンペア増強する。2,600キロメートル以上の架空・地中配電線を建設・更新し、900基の故障点探知装置を配備する。バングラデシュは2022年に電化を達成したが、急速な都市化と産業成長で電力需要が増加している。ADBの気候変動レジリエンス融資は1億4,652万ドルで、年間約20万3,751トンの二酸化炭素換算排出削減を見込む。

これらADBの一連の発表は、アジア経済の二極化を示す。韓国はAIブームを追い風に成長軌道を強め、バングラデシュはインフラ投資で成長の制約解消を図る。一方パキスタンは中東情勢と国内財政の課題を抱え、成長見通しが抑制されたままである。ADBの視点は、各国の構造的要因を踏まえた慎重な評価であり、特にパキスタンについては政府目標との乖離が今後の政策運営の焦点となる。

世界市場はAI株高と原油安が交錯、IMFは先進国に債務削減を要求

世界の金融市場は、AI関連株の上昇と原油価格の下落が交錯する展開となった。オーストラリアのABC放送によれば、ウォール街ではナスダックが記録的高値で引けた一方、S&P500はほぼ横ばい、ダウは0.4%下落した。アジア市場は6日連続の上昇を目指しており、オーストラリアのASX200先物は0.2%高で寄り付く見通しだ。原油はサウジアラビアの東西パイプライン再開とホルムズ海峡の船舶移動増加を受けて下落したが、トランプ米大統領がイランに「壊滅」をちらつかせたことで下げ幅を縮小した。マレーシアのNew Straits Timesは、AIアシスタント『Muse』への消費者需要がハイテク株を押し上げ、韓国や台湾の株式市場も上昇したと報じている。

国際通貨基金(IMF)のクリスタリナ・ゲオルギエワ専務理事は、英BBCとの独占インタビューで、英米を含む先進国が借入と債務削減を進める必要があると警告した。世界経済のショックが債務を「天国へ続く階段のように」押し上げた一方、政府はその利払い費を抑制する行動を取ってこなかったと指摘し、「勇気」を持った対応を求めた。英国ではアンディ・バーナム首相の初予算を前に借入コストが上昇しており、8月の借入額は前年比で約2割増の183億ポンド(244億ドル)となった。米国の債務は40兆ドルを突破し、10年で倍増した。ゲオルギエワ氏は、AIが制御を失う事態が金融安定性リスクになり得るとも述べた。

一方、中国ではウォーレン・バフェット氏がバークシャー・ハサウェイのCEOを退任したことを受け、中国が自国版の価値投資でウォール街の信頼を取り戻せるかが注目されている。英字紙China Dailyは、バークシャーの長期投資哲学が中国の経済思想と一致するとの香港の投資顧問トミー・オンの見解を紹介した。中米首脳会談を前に、投資家は摩擦緩和の兆候を注視している。

ロシアでは、TASS通信がモスクワ証券取引所の主要指標が取引開始時に上昇したと報じた。MOEX指数とRTS指数はそれぞれ0.46%高の2,310.59ポイント、865.78ポイントで始まったが、その後上昇幅を縮小した。人民元のルーブルに対する為替レートは小幅に上昇した。

アフリカでは、ガボンの2027年予算案で債務利払い費が前年比37%増の6,673億CFAフラン(約11.8億ドル)に達する見通しとなった。ブラジルのRio Timesによれば、元本返済を含む総債務返済額は41.7%増の2兆5,468億CFAフラン(約44.9億ドル)となる。政府は国際市場から1兆1,441億CFAフラン(約20.1億ドル)を調達する計画で、IMFとの新たな融資プログラム交渉を年内妥結を目指している。格付け会社ムーディーズはガボンをCaa2(ネガティブ)と評価しており、7月に発行したユーロ債のクーポンは9.375%に達した。

各メディアの論調を比較すると、オーストラリアとマレーシアのメディアはAI株高と原油安という市場の好材料を強調する一方、英BBCはIMFの警告を通じて財政規律の必要性を訴えている。中国メディアはバフェット退任を契機に中国型価値投資の優位性を打ち出し、ロシアTASSは自国市場の動向を淡々と伝える。ガボン債務問題を報じるブラジルRio Timesは、新興国の財政圧迫という構造問題に焦点を当てており、先進国と新興国で課題の質が異なることが浮き彫りとなった。

社会 (Society)

世界の子どもをめぐる光と影——ベビークローク25年、AI規制、ケタミン膀胱炎、子ども議会、ガザの車椅子

世界各地で子どもの権利と福祉をめぐる動きが相次いでいる。ドイツではヘッセン州ハーナウの聖ヴィンツェンツ病院でベビークローク(乳児の匿名受け入れ窓口)が開設25周年を迎えた。2001年9月に州内初の窓口が開設され、以降フルダとカッセルを加えた3か所で計54人の乳児が受け入れられ、うち27人がハーナウでの受け入れだった。看護師で牧師でもあるアネット・ビーカーさんは「どの事例も唯一無二で心を打つ」と語り、産まれたばかりの血のついた赤ん坊を見ると「その背後にある困窮が見える」と話す。窓口を運営するカトリック女性社会福祉サービスは、預けられた乳児に適切な養親を探し、実母には「愛する見知らぬあなたへ」と記した手紙を残す。一方で、この制度は子どもの出自を知る権利を損なうとの批判も根強い。ドイツ倫理評議会は2009年に窓口の閉鎖を勧告し、2014年からは「秘密出産」制度が導入された。ドイツ子ども保護連盟ヘッセン支部のジルケ・アーノルト代表は「窓口に預けられた子どもは実の親を知る手立てを一切持たない」と指摘し、法的な再調整を求める。創設者の一人ユッタ・ベルクさんは「出自を知る権利も確かにあるが、生きる権利の方が私には重い」と反論する。

スペインではペドロ・サンチェス首相が国連総会で人工知能(AI)規制を訴え、テクノロジー企業の経営者らを「テクノ寡頭政治家」と名指しで批判した。「彼らのビジネスよりも、私たちの子どもたちが優先されるべきだ」と述べ、フランスのエマニュエル・マクロン大統領やオーストラリアの首脳とともに、AIが子どもに与えるリスクに焦点を当てた会合を開いた。サンチェス氏は、AIが子どものネットいじめや不安、孤独を悪化させていると指摘し、EUの子どもが1日に最大6時間画面を見ていること、3人に1人が不適切なコンテンツに日常的に出会っていること、AI生成の性的虐待画像が2023年の5000件から2025年には130万件に急増したことなどを挙げた。同氏は「ルールなきデジタル世界は法なきジャングルであり、失敗国家だ」と断じ、企業に利益の私有化とコストの社会化をやめるよう求めた。また、20世紀に民間企業が核兵器を保有することを許さなかったのと同じように、AIにも規制が必要だと主張した。

英国では子どものケタミン乱用が増加し、膀胱障害を引き起こすケースが問題となっている。リバプールのアルダー・ヘイ小児病院は2026年5月に専用外来を開設し、チェシャーやマージーサイドなどから毎週約1件の紹介を受けている。診療を担当するレイチェル・イスバ教授は、子どもが「破片の上で小便をするような」痛みを訴えると説明し、ケタミンが痛み止めとしても作用するため「Kループ」と呼ばれる悪循環に陥ると指摘する。最初に診察した60人のうち43人が女児だった。ケタミンは安価で「お小遣いレベル」の価格のため、子どもが手を出しやすいという。イスバ教授は、16歳未満の子どもには入院での解毒治療の機会が大人よりも少なく、不公平だと訴える。

インドでは、子どもが自分の絵や宿題を破り捨てる行動が、親が思う以上に強い自己プレッシャーを示している可能性があると報じられた。2020年のメタ分析(参加者2万1272人)では、自己批判的な完璧主義が学業成績の低下や学業ストレスと関連することが分かった。親の期待は高い基準を求める側面と、親の批判は自己批判的な側面と関連するという研究もある。専門家は、子どもが間違いを犯した際に「なぜちゃんとできないの?」と問い詰めるよりも、「どの部分を変えたい?」と問いかける方が建設的だと助言する。

韓国では国会で子ども自身が意見を述べる珍しいフォーラムが開かれた。忠清北道清州の小学3年生キム・ジェジュン君は「大人が私たちのために決める前に、私たちが何を好きか聞いてほしい」と訴え、中学1年生のユン・ドンゴン君は「『子ども禁止区域』の看板を見るたびに、一人前の市民ではないように感じる」と述べた。フォーラムを共催した国民の力のイ・ジョンベ議員は、子どもの権利に関する基本法の法案を提出したが、第22代国会では3件の法案がすべて審議待ちの状態だ。日本が2023年に子どもの政策に関する基本法を施行し、スウェーデンや英国が独立した子どもの権利擁護機関を持つことと対照的だと指摘される。

中東では、オーストラリアの慈善団体がガザの負傷した子どもに贈った900台以上の車椅子が、イスラエルの制限によりヨルダンの倉庫に足止めされていると報じられた。ニューサウスウェールズ州の「キッズ・オン・ホイールズ・アライアンス」と西オーストラリア州の「ホイールチェアーズ・フォー・キッズ」が送った車椅子は、2025年2月と10月にヨルダンに到着したが、ヨルダン・ハシミテ慈善機構の保管施設に留め置かれている。パレスチナ・オーストラリア・ニュージーランド医師会のアブドゥラ・アルバラウィ医師は「戦争で手足を失った子どもや麻痺した子どものための車椅子だ。何の脅威にもならない」と語る。ヨルダン側はイスラエルのガザ調整機関COGATが通過を妨げていると主張するが、イスラエル政府筋は申請が却下された事実を否定し、COGATは戦争中に数千台の車椅子をガザに通したと応答した。

これらの報道は、子どもを取り巻く課題が国境を越えて多様であることを示す。ドイツの匿名受け入れ制度は出自の権利との葛藤を、スペインのAI規制はテクノロジーと子どもの健全な発達の両立を、英国のケタミン問題は薬物依存と医療アクセスの不平等を、韓国の国会フォーラムは子どもの政治的参加を、ガザの車椅子は紛争下の人道支援の停滞をそれぞれ映し出す。いずれの事例も、子どもを保護の対象としてだけでなく、権利の主体として捉える視点が問われている点で共通する。

世界の鼓動を読む:海運・聴覚障害者・宇宙開発・児童保護の現在

バングラデシュ政府が海運部門の近代化に再び着手した。船舶登録のデジタル化、安全基準の強化、港湾運営の高度化を柱とするこの取り組みは、経済発展の観点から正しい方向への一歩である。同国の対外貿易の大部分は海上輸送に依存しているが、それを支えるインフラ、規制制度、船隊能力は長年にわたり不十分なままであった。老朽化した船舶、遅延する規制手続き、複数機関間の監督の断片化といった慢性的な弱点が、航行の危険性を高め、貨物の動きを鈍らせ、輸出入業者のコストを押し上げてきた。手作業によるプロセスが遅延や不規則、安全基準を満たさない船舶の運航を長年許してきたため、透明で技術主導のシステムは汚職を減らし、コンプライアンスを改善するはずだ。港湾近代化では物流、自動化、コンテナ処理における世界的なベストプラクティスの採用が求められる。回転時間の短縮と効率向上は、高付加価値産業の誘致を目指す上で競争力を直接強化する。近代化の取り組みは安全を主要な構成要素として位置づけなければならない。バングラデシュは水路で多くの悲劇的な事故を経験してきた。安全基準の厳格な執行、乗組員への適切な訓練、規則を破る事業者への説明責任が近代化には不可欠だ。効率的であるだけでなく、何よりも安全であることが求められる。

世界が国連の国際手話言語デーを迎える中、バングラデシュは痛ましい現実と向き合っている。何百万人もの聴覚障害者が、コミュニケーション、教育、医療、司法への有意義なアクセスなしに暮らし続けているのだ。推定ではバングラデシュ人口の9.6%が聴覚障害または難聴であり、人口の34.6%が聴力低下の影響を受け、重度難聴は1.2%に及ぶ。農村部や低所得層では不均衡に深刻だ。大半の症例が予防可能な原因、すなわち慢性中耳炎、不衛生、早期治療の不足によるものであることは、公衆衛生の失敗に他ならない。聴覚障害者は病院、裁判所、警察署、学校で通訳を利用するのに苦労し続けている。教員養成は不十分で、公共サービスで手話が使われることはまれであり、雇用の障壁が多くの聴覚障害者を貧困に閉じ込めている。認識と現実の隔たりは権利の侵害である。手話は社会への完全参加に不可欠であり、それがなければ聴覚障害者は情報、教育、市民生活への平等なアクセスを否定される。同国の障害者法は公共機関での手話の開発と使用を義務付けているが、実施は一貫性がなく、無視されている。聴覚障害者の権利を軽視することはできない。何百万人もの市民が、日常の人々が当然と思っている不可欠なサービスを奪われている。手話の統合は、国家として真に前進するために極めて重要である。病院、学校、政府機関はこれらの要件を無視することを許されるべきではない。自国で平等なアクセスを求めることは特別な扱いでも恩恵でもない。認識を真の権利へ、沈黙を包摂へと変えることを約束しなければならない。すべての市民にそれが保障されている。

欧州宇宙機関(ESA)のヨーゼフ・アシュバッハー事務局長は、米国のドナルド・トランプ大統領が2030年までに毎年1000機のロケットを打ち上げると主張していることについて、非常に大胆だが、米国を将来に向けてさらに支配的な立場に置くものだと評した。欧州も現在よりはるかに多くのロケットと衛星を打ち上げる必要があり、そのためには再利用可能なロケットを開発しなければならない。ESAでは競争が進行中で、スペインのPLDスペース、ドイツの2社、フランスの1社の4つの contenders がいる。米国より10年遅れているが、GPS衛星の時も同様で、今や世界最高のネットワークであるガリレオを持っている。必要なエネルギーを注げば追い越せる。アシュバッハー氏は、欧州が独自に宇宙飛行士を打ち上げられるようにするため、今後10年間で100億ユーロを支出することを提案している。これにより、ラテンアメリカ、日本、アラブ首長国連邦の国々を招待して共に飛行できる。もし実現しなければ、他者に約50億ユーロを支払って宇宙飛行士を送る必要がある。欧州の産業とアイデンティティを推進する魅力的な提案だと彼は考えており、今年12月に加盟国が受け入れるかどうかを決定する。欧州は優れた産業と革新性を持つが、規模の点で革新を大規模生産に転換する力がない。スペースXのスターリンク衛星について、欧州は同じかそれ以上の技術を持つが、1万機の衛星を打ち上げるための乗数効果がない。これが同社の支配の鍵である。スペインは欧州の文脈でロケットのように進んでおり、より多く投資する決定は賢明だ。宇宙は毎年10%成長する市場であり、安全保障、緊急事態、防衛に多くの応用がある。最近のマドリード西部の山火事では、セブレロスのESAアンテナからわずか100メートルまで炎が迫ったが、衛星画像を使って地上の消防士を支援したことで救われた。農業、森林、医療、健康、都市計画など、他にも多くの例がある。欧州の東部国境では、敵対者による信号の抑制やなりすまし(スプーフィング、ジャミング)が劇的に増加している。ウクライナ、ルーマニア、ブルガリア、ポーランド、リトアニア、エストニア、フィンランドがこれらの干渉に苦しんでいる。これに対抗するため、ガリレオPRSや将来のIRIS²などの堅牢で保護されたシステムが展開されている。国際宇宙ステーションは2030年に大気圏再突入する。欧州の宇宙飛行士はその後どこへ行くのか。アシュバッハー氏は、欧州独自の宇宙ステーションを建設して打ち上げるべきだと考える。ほぼ完全に自動化でき、コストを削減でき、官民イニシアチブにできる。月面については、アルテミス計画内の将来の有人月面ミッションに欧州が参加するようNASAと交渉中だ。単独で行くにはまだ遠いが、まず低軌道に到達する必要がある。それができれば、ロケット、カプセル、地上管制という必要な構成要素をすべて持っているので、月への飛躍はそれほど大きな資源増加を必要としない。スペイン人宇宙飛行士パブロ・アルバレスについては、国際宇宙ステーションの寿命が尽きる前に彼を飛行させるために取り組んでおり、明確な計画があるが、100%確認はまだできない。米軍は月での戦争に備え、月面に原子力発電所を設置する計画を立てている。欧州はこれに参加するかどうか議論中で、今のところ月面原子力発電所の計画はないが、ミッション用の小型原子力エネルギーユニットを研究している。

韓国のソウル大学名誉教授でダートマス大学客員研究員の金聖坤氏は、米国ドラマ『ヒーローズ』を題材に、ヒーローとヴィランの境界線の曖昧さを論じた。同ドラマは2006年から2010年にかけてNBCで放送され、超能力を持つ普通の人々を描いた作品だ。現在、クリエイターのティム・クリングが『ヒーローズ:エクリプスド』というリブートを売り込み中で、オリジナル版はNetflixで新たな視聴者に再紹介されている。金氏はオリジナル放送時に全4シーズンを熱心に視聴し、約20年ぶりにNetflixで再視聴しても同様に興味深く、鼓舞されると述べている。ドラマでは、超能力の使い方次第でヒーローにもヴィランにもなり得る。例えばサイラーは当初、無敵になるために他人を殺して超能力を吸収する悪魔的なヴィランだったが、シリーズ終盤では人類を救うヒーローに変わる。逆にサミュエル・サリバンは当初、超能力者を気遣い守る善人のように見えたが、後に残虐性を現し、大量殺人者でペテン師であることが判明する。『カンパニー』のエージェントたちも「大義」の名の下に超能力者を誘拐し、実験し、監禁する。シーズン3でモヒンダー・スレッシュ博士は「善と悪、正と誤、ヒーローとヴィランが存在する」と語り、「正直になる勇気があれば、そこに映るのは自分自身の姿であり、人生の二面性を証言している。我々一人ひとりが闇と光、善と悪の両方に capable である」と啓示する。金氏は、このドラマを通じて、異なる者への偏見に満ちた人類の歴史を認識すると指摘する。シーズン3では、ネイサン・ペトレリ上院議員率いる政府が、アメリカ国民を守るという名目で超能力者を隔離し、監禁する。皮肉なことに、ペトレリ上院議員自身が超能力者である。しかし、恐怖を煽るキャンペーンが大統領選に有利に働くため、彼は自分の仲間を政治的な野心のスケープゴートにする。ドラマは、独善的な人々が頑固さで他人を傷つけ、すべてを台無しにする様子を描く。真のヒーローは、自分も時には間違っているかもしれないと受け入れるべきだ。登場人物たちが常に「大義」の名の下に行動を正当化する点も注目に値する。アンジェラ・ペトレリは「世界を救うためにやった」と言い、エミール・ダンコは「国を守るために」というスローガンの下で超能力者を冷酷に殺す。教条的なイデオロギーは常に偉大な大義の仮面をかぶる。いかなる大義も悪行や罪を正当化できない。シリーズは最終的に、我々は皆、より良い世界を作るために使える異なる能力を持っていると教える。超能力がなくても、危機の時に勇気を持って正しい道を選ぶことで世界を救える。最も重要な教訓は、うっかりヴィランにならないよう警戒し、ヒーローになるよう努力すべきだということだ。

中国有人宇宙計画の副チーフデザイナーで上級宇宙飛行士の楊利偉氏は、2人のパキスタン人宇宙飛行士が中国宇宙飛行士研究訓練センターで訓練を受けており、近い将来、中国の宇宙ステーションでのミッションに参加すると述べた。楊氏は国務院新聞弁公室が開催した記者会見で、「我々はまた、2人のパキスタン人宇宙飛行士が現在宇宙飛行士センターで訓練を受けていると発表した。近い将来、彼らは我々の宇宙飛行士と共に中国の宇宙ステーションに搭乗して飛行する」と語った。4月に中国有人宇宙局は、2人のパキスタン人候補者が中国の宇宙ミッション訓練のための最初の外国人宇宙飛行士として選ばれたと発表し、中国宇宙ステーションにおける国際協力の画期的な成果を示した。5月23日の神舟23号有人宇宙飛行ミッションの記者会見では、2人のパキスタン人宇宙飛行士が中国宇宙デーに中国宇宙飛行士研究訓練センターに入り、中国人宇宙飛行士と共にミッション訓練に参加したと報道官が述べた。現在の計画では、1人のパキスタン人宇宙飛行士がペイロードスペシャリストとして短期宇宙ミッションに参加する。楊氏は月曜日の記者会見で、中国の香港出身で初めて宇宙ミッションに参加した宇宙飛行士、李佳穎(広東語読みでライ・カイン)の宇宙での優れたパフォーマンスも称賛した。

パキスタンの10代の少女ザラ・シャーさんは、コンピューターゲームをプレイ中に見知らぬ人に狙われ、会話に引き込まれた末に恐ろしいオンライン性搾取にさらされた。国連児童基金(ユニセフ)が今月発表した報告書によると、パキスタンでは1年間に推定150万人の子どもがオンライン性虐待を経験している。17歳のシャーさんは「オンラインゲームをプレイしながらチャットを始め、彼は友達のように振る舞った。後に会いたがり、裸の写真を求めてきた」と語る。「断ると、家族をオンラインで見つけて、話していたことを伝えると脅した」と付け加えた。ユニセフ報告書によると、加害者の約85%は被害者(12〜17歳)にとって既知の人物だった。報告書の主執筆者ダニエル・カルデフェルト氏は「虐待は友好的な会話、ゲームでの交流、贈り物、お金、ロマンスの約束から始まるかもしれない。加害者はソーシャルメディアで見つけた情報を使って、何ヶ月もかけて信頼を築くかもしれない」と述べた。イスラム教徒が多数を占めるパキスタンでは、被害者の71%が誰にも話さなかった。調査対象となった子どものうち、警察、ヘルプライン、ソーシャルワーカーなどの公式ルートを通じて報告した者はゼロだった。沈黙の主な理由は、偏見、恥、家族や社会がどう反応するかへの恐れだった。東部の都市ラホールに拠点を置く子ども権利団体PAHCHAANのディレクター、メヘク・ナイーム氏は「報告された虐待の約44%は完全にオンライン上で、SnapchatとWhatsAppが最も一般的な場面だった」と述べた。保守的な社会では少女は性的恐喝のリスクが高まり、移動の制限や学校からの退学につながる可能性がある。シャーさんにとって、家族に暴露されるという脅威は沈黙を守るのに十分だった。「学校に行くのを止められたり、家から出られなくなったりするかもしれなかった。声を上げるより黙っている方が良い選択に思えたが、不安が毎日私を殺す」と彼女は語る。ユニセフはパキスタンの12〜17歳の子どもの約74%がインターネット利用者であると推定しており、デジタルプラットフォームへのアクセスが拡大するにつれ、オンライン安全への懸念が高まっている。パンジャブ州政府は今月、16歳未満の子どもがソーシャルメディアを使用することを禁じる決議を可決した。しかし、反対意見もある。デジタル権利活動家のウサマ・ヒルジ氏は「この禁止に反対だ。実施が課題になるだろうし、子どもはVPNで回避できる。子どもには表現の自由の権利があり、禁止はそれを奪う」と述べた。パキスタンにはテクノロジーを介した子どもへの犯罪に対処する法的枠組みがあるが、「実施がない」と非営利団体ムスリム・ハンズのスポークスパーソン、タヒラ・アフラシヤブ氏は述べた。専門家は既存の法律に抜け穴があると指摘する。人権弁護士のサルマン・アフリディ氏は、この問題が「経済的脆弱性が武器化される」様子を示しており、性的コンテンツ制作と引き換えにわずか1万パキスタンルピー(約36米ドル)という金額が動くと述べた。「我々が見ているのは、テクノロジーを使って、グルーミング、誘引、強制、恐喝、制作、配布、商業化という一連の連鎖を促進していることだ。これを搾取の商業的エコシステムと表現する強力な根拠がある」とアフリディ氏は付け加えた。オンラインゲームとの出会いから始まった出来事の影響から、シャーさんや多くの人々は逃れられずにいる。「私は怖かったし、今も怖い。恐怖の中で生きている」と彼女は語った。

アルゼンチン各地でキニエラ夜間抽選、ブエノスアイレス市は首位0724番

アルゼンチンの国民的くじ「キニエラ」で、2026年9月22日(火)の夜間抽選(ノクトゥルナ)が各地で実施された。ブエノスアイレス市(旧キニエラ・ナシオナル)の抽選では、1位が0724番、2位が8677番、3位が5558番となり、上位10位は0647、0210、3574、9775、4340、1637、4088で締めくくられた。11位から20位には9182、1277、0234、6825、1617、5769、2772、7830、2872、7024が入った。抽選で選ばれた頭番号は24番で、夢占いでは「馬」を意味するとされる。抽選文字はECHMだった。

ブエノスアイレス州、サンタフェ州、コルドバ州でも同日夜間抽選が行われた。サンタフェ州のキニエラは1982年から州宝くじ局が主催し、1993年に夕方抽選(ベスペルティーナ)、1996年に朝抽選(マトゥティーナ)、2008年に第1抽選(プリメーラ)を追加してきた。コルドバ州は月曜から土曜まで第1抽選、朝抽選、夕方抽選、夜間抽選の4回を実施する。ブエノスアイレス州では0000から9999までの20個の番号が抽出され、最低賭け金は1口2ペソ、当選時には賭け金が7倍、70倍、600倍、3500倍に増幅されうる。賭け方には直接賭けと、2桁の番号を組み合わせるレドブローナ賭けがある。

各州の抽選は1日4回行われ、ブエノスアイレス市では第1抽選が正午、朝抽選が14時30分、夕方抽選が17時30分、夜間抽選が21時に実施される。ブエノスアイレス州は第1抽選が11時30分、朝抽選が14時、夕方抽選が17時30分、夜間抽選が21時だ。サンタフェ州とコルドバ州も同様の時間帯で実施される。各紙は公式な当選番号リストは各州の宝くじ局が発表するものが唯一の正とする注記を添えており、掲載情報の誤りや欠落について責任を負わないと明記している。これらの報道はすべてアルゼンチンのメディア『クラリン』によるもので、単一の論調で統一されている。

科学・技術 (Science & Tech)

AIの進展と課題:トランプの改名、銀行の警告、欧州のチップ協力、そして政治利用の拡大

人工知能(AI)をめぐる動きが世界で加速するなか、米国大統領ドナルド・トランプは国連総会で「人工知能」を「スーパーインテリジェンス」に改名すると宣言した。インド、マレーシア、南アフリカの各メディアが報じたところによれば、トランプは「人工的」という言葉が偽物を連想させると主張し、米国政府の公式文書で新名称を用いると述べた。しかし、AI研究の世界では「スーパーインテリジェンス」は既に哲学者ニック・ボストロムが1997年に定義した概念であり、現在のチャットボットはそこに到達していない。インドのメディアはこの改名の皮肉を指摘し、マレーシアと南アフリカの報道は、欧州諸国が拘束力ある安全策を求めた一方で、中国と米国がそれを支持しなかったという国際的な対立軸を強調している。

一方、AIの商業利用では信頼性が焦点となっている。インドの報道によると、NatWest、Bank of America、INGなど大手銀行連合が、AIショッピングボットが詐欺やデータ漏洩を招く可能性を警告した。消費者はAIエージェントが誤った商品を購入したり、過剰に支出したりすることを懸念し、保護の不透明さに不安を抱いている。銀行側は、取引時のAI関与の強制開示、意思決定の透明性向上、データ保護強化、異なるAIシステム間の相互運用性を政策立案者に提案する計画だ。シンガポールの調査でも、59%の国民がAIエージェントによる買い物に前向きだが、完全な委任に同意するのは15%にとどまり、慎重な姿勢が示された。

政治の場でもAIの活用が議論を呼んでいる。ドイツの連邦議会副議長アンドレア・リントホルツ(CSU)は、純粋にAI生成された議員の演説に反対し、「市民は議員がAIだけに基づく演説をしない権利を持つ」と述べた。彼女は、AIが補助ツールとして議会の議事録作成や講演準備に役立つ一方、人間の思考と感情が政治討論に不可欠だと強調した。連邦議会は年内に独自のAIチャットボットを導入する計画で、リントホルツは「影のAI」を抑制し、より安全な利用を目指すと語った。

技術面では、アリババが中国で最も強力とされるAIチップ「Zhenwu V900」を発表した。台湾のメディアによると、同チップは前世代比で3倍の性能を持ち、アリババCEOのエディ・ウーは5〜10兆パラメータ規模の新モデルを訓練する計画を明らかにした。これは米国の最先端モデルに迫るもので、中国の自給自足戦略の一環だ。また、マレーシアではYTL AI LabsとNvidiaが135万人分のマレーシア人ペルソナを含むオープンデータセット「Nemotron-Personas-Malaysia」を公開した。マレーシアの人口統計と言語的多様性を反映し、AI開発のローカライズを促進する狙いがある。

欧州では、オランダの新設機関NADIとドイツのSPRINDがAIチップ設計で協力する。シンガポールの報道によれば、両機関は2000万ユーロ(約2280万ドル)を投じ、AIモデルの推論に特化したチップ設計を加速する。Nvidiaのチップは推論には非効率だという指摘もあり、欧州は米国依存からの脱却を目指す。さらに、米中間選挙を前にAI生成の政治広告が急増している。日本のメディアは、テキサス州の共和党候補がAIで対立候補を描いた広告を公開した事例を挙げ、規制が未整備なまま選挙戦で活用されていると報じた。

これらの動きは、AIがもたらす機会とリスクの両面を浮き彫りにしている。トランプの改名は象徴的な政治的主張だが、実際の技術進展は地域ごとに異なる。銀行の警告は消費者保護の不足を、欧州の協力は技術的自立を、アリババとマレーシアの取り組みは中国と東南アジアの成長を示す。AIの安全性をめぐる国際的な議論では、欧州が規制を主導する一方、米中は市場主導を維持する構図だ。国連ではグテレス事務総長が米中に対話を呼びかけ、来年のG20議長国である英国もグローバル基準の策定を目指す。AIが社会に浸透するにつれ、信頼性の確保と規制の枠組みが今後の焦点となる。

文化 (Culture)

ルーカス美術館がロサンゼルスで開館、『スター・ウォーズ』ファンと芸術愛好家が殺到

『スター・ウォーズ』の熱狂的ファンと芸術愛好家が、火曜日(9月22日)、ジョージ・ルーカスがロサンゼルスに開設した待望のナラティブ・アート美術館(Lucas Museum of Narrative Art)のグランドオープニングに集結した。宇宙船を思わせる巨大な建造物を体験しようと、長い列が形成された。82歳になるフランチャイズ生みの親ルーカスが、妻でありビジネスパートナーでもあるメロディ・ホブソンとともに建設したこの美術館は、その創設者たちによれば「人々のための芸術の殿堂」となることを意図している。

夫妻は美術館の入口に立ち、最初の100人の来館者を迎え入れ、彼らが有機的な形状の建物に入る際に一人ひとりと握手を交わした。歯科医で不動産業を営むエリック・チョンは、ルーク・スカイウォーカーが着用したような明るいオレンジ色のジャンプスーツと特徴的な戦闘用ヘルメットを備えた『スター・ウォーズ』のXウィング・パイロットのコスチュームで来場し、すぐに美術館の会員になり、ボランティアとしての訓練も受けたと語った。「それぞれの芸術作品が物語を語る」と彼はAFP通信に美術館の意図について述べ、「誰もが同じものを見て、そこから異なる物語を創り出すことができる」と付け加えた。

美術館は、映画監督の母校である南カリフォルニア大学の隣にあった駐車場跡地に建設された。ロサンゼルス南部のこの地域に10年以上住むブレンダ・チャンブリスにとって、ルーカスが美術館をこの近隣に置いたことは「すべてを意味する」ことだった。彼女によれば、この地域は犯罪や貧困に結びついた「汚名」を背負うことがあるが、芸術で満たされた「息をのむような」建物は、チケットなしで一般に開放された周囲の公園も含め、新たな肯定的な魅力となっている。

入口では、『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』(1999年)に登場する黄色いナブー・N-1スターファイターが来館者を出迎えるが、9,300平方メートルを超える展示スペースを誇るこの美術館の内容は、愛されるサーガの枠をはるかに超えている。30以上のギャラリーには、バンクシー、フリーダ・カーロ、ジェイコブ・ローレンス、チャールズ・ホワイト、ロバート・コールスコットといった芸術家の作品が並ぶ。さらに、ウィンザー・マッケイ、ジャック・カービー、フランク・フラゼッタのコミック、ノーマン・ロックウェル、ジェシー・ウィルコックス・スミス、N.C.ワイエスの挿絵も展示されている。

映画業界で働く30歳の美容師、サンディ・グラナドスは、ギフトショップで、ストームトルーパーに挟まれたダース・ベイダーの鮮やかなプリントを購入しながら、AFP通信に対し「ルーカスが自身のプラットフォームを使って他の芸術家を結集させているのが本当に好きだ」と語った。「彼は自分の名前を使って、地元の芸術家と偉大な芸術家が集まるのを助けている」と彼女は付け加えた。

ドイツ紙『フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング』は、この美術館を「物語の芸術のための美術館」と位置づけ、9,200平方メートル以上の広さに1,300点以上のオブジェが展示され、SFシリーズからこれまで未公開だった作品も含まれると報じた。同紙は、ルーカス夫妻が入口に立ち最初の100人の来館者を一人ひとり握手で迎えたと伝え、ルーカスがこの建物を「大衆芸術の殿堂」と見なしていると強調した。また、同紙はコレクションにフリーダ・カーロやバンクシーの作品が含まれることに加え、数十年かけて収集されたルーカスフィルムの制作資料がファンにとっての真の見どころになると指摘した。

アルゼンチンのメディアは、ルーカスの作品のファンが宇宙船を思わせる巨大な構造物を知るために列を成したと報じ、美術館が「人々のための芸術の殿堂」となることを意図していると伝えた。同メディアは、夫妻が最初の100人の来館者を招待し握手を交わしたこと、歯科医で不動産業者のエリック・チョンがパイロットのコスチュームで現れ、すぐに会員になりボランティアとして訓練を受けたことを報じた。さらに、この美術館が映画監督の母校である南カリフォルニア大学の隣の駐車場跡地に建設されたことや、地域住民ブレンダ・チャンブリスが「すべてを意味する」と語ったことに触れた。

マレーシアとシンガポールのメディアは、『スター・ウォーズ』のスーパーファンと芸術愛好家が火曜日にグランドオープニングに集まり、宇宙船を思わせる巨大な構造物を体験しようと列を作ったと報じた。両メディアとも、ルーカスとホブソンが入口に立ち最初の100人の来館者と握手を交わしたこと、エリック・チョンがXウィング・パイロットのコスチュームで現れたこと、美術館が南カリフォルニア大学の隣の駐車場跡地に建設されたこと、ブレンダ・チャンブリスの発言を伝えた。シンガポールのメディアは、来館者が『ファントム・メナス』に登場するアナキン・スカイウォーカーのポッドレーサーの写真を撮っている様子も報じた。

各国メディアの報道は、美術館の開館という根幹的事実、ルーカス夫妻の役割、最初の100人の来館者への対応、エリック・チョンの発言、展示内容の多様性といった点で一致している。一方、ドイツ紙は展示面積を9,200平方メートル以上、展示オブジェを1,300点以上と具体的な数値を挙げ、未公開作品の存在を強調したのに対し、アルゼンチン、マレーシア、シンガポールのメディアは9,300平方メートル以上の展示スペースと30以上のギャラリーに言及し、バンクシーやフリーダ・カーロなど具体的な芸術家の名前を列挙する傾向が強かった。また、ドイツ紙はルーカスがこの建物を「大衆芸術の殿堂」と見なしていると伝えたのに対し、他のメディアは「人々のための芸術の殿堂」という表現を用いており、美術館の理念の捉え方に微妙な差異が見られる。

この美術館の開館は、『スター・ウォーズ』の文化的遺産を保存・展示するだけでなく、ルーカスがその影響力を用いて他の芸術家を支援するという新たな役割を示すものであり、芸術と大衆文化の境界を再定義する試みとして、今後の文化シーンに大きな影響を与えることが期待される。

スポーツ (Sports)

アジア競技大会、各国で歴史的成果と新たな挑戦

愛知・名古屋アジア競技大会で、各国が歴史的な成果を挙げている。バングラデシュは武術選手ジンナト・アクテルが女子52kg級で準決勝に進出し、1986年ソウル大会以来40年ぶりとなる個人メダルを確定させた。インドは重量挙げのミラバイ・チャヌが49kg級で銀メダルを獲得し、スキート団体で男女とも銅、ソフトテニスではジェイ・ミーナが同国初のメダルを保証した。マレーシアはeスポーツのグランツーリスモ7でタジ・イズリン・アイマンが金メダルを獲得し、空手でも複数のメダルを追加した。

各国メディアの論調には差異が見られる。インドのメディア(『タイムズ・オブ・インディア』など)は自国のメダル獲得を誇らしげに報じ、特にミラバイ・チャヌの銀メダルとクリケット女子チームの金メダルを強調している。マレーシアのメディア(『ニュー・ストレーツ・タイムズ』など)は、ユース・スポーツ大臣タウフィク・ジョハリの目標達成への自信を伝え、eスポーツ金メダルを「ボーナス」と位置付けた。一方、日本のメディア(『ジャパン・タイムズ』など)は、クリケットの成長と水泳の17歳小島由美樹の金メダルに焦点を当て、アジア競技大会が日本におけるクリケット普及の好機だと報じている。イランと台湾のメディアは自国の成果を簡潔に伝えるにとどまり、アフガニスタンの自転車選手ファリバ・ハシミの銀メダルは、タリバン政権下の女性の自由を象徴するものとして複数メディアが報じた。

これらの成果は、各国のスポーツ発展に大きな影響を与える。バングラデシュの40年ぶりの個人メダルは、同国の武術プログラムの成長を示す。インドのソフトテニス初メダルは、同競技の普及に弾みをつける。マレーシアのeスポーツ金メダルは、同国が新たな競技分野で存在感を示したことを意味する。また、日本でのクリケット開催は、同国における競技の認知度向上と施設整備の契機となる。アフガニスタンの銀メダルは、女性アスリートのレジリエンスを世界に示した。