ロシアの議会下院選挙(国家会議選挙)は9月20日、3日間の投票を終えて閉幕した。プーチン大統領がウクライナ戦争への支持を問う場と位置づけた今回の選挙で、政権与党「統一ロシア」が圧勝する見通しとなった。投票最終日にはウクライナがモスクワに対して戦争開始以来最大規模となるドローン攻撃を仕掛け、製油所が炎上するなどしたが、当局はこれを「選挙を妨害するための攻撃」と非難した。
中央選挙管理委員会の速報によると、開票率71%超の時点で統一ロシアは57.5%の票を獲得した。共産党が14%、自由民主党(LDPR)が8.7%で続き、いずれも主要政策で与党に同調する「体制内野党」だ。タス通信の予測では、統一ロシアは定数450議席の下院で憲法改正が可能な3分の2以上の議席を維持する見込みである。メドベージェフ安全保障会議副議長(元大統領)は、統一ロシアが「堂々たる成績を収めた」と述べ、ロシア国民が今後も統治を託したと評価した。
投票最終日の9月20日未明、ウクライナはモスクワとその周辺地域に大規模なドローン攻撃を実施した。ソビャニン・モスクワ市長によれば、約1600機のドローンが参加し、うち約450機が首都を直接狙ったという。モスクワ郊外の石油精製施設が被災し、黒煙が立ち上った。モスクワ州では3人、ロシアが占領するウクライナ南部ヘルソン州では選挙管理委員を含む2人が死亡した。ロシア国防省は、過去24時間で約2000機のドローンと8発の巡航ミサイルを撃墜したと発表し、報復としてキーウの軍事目標への攻撃を強化すると宣言した。
選挙管理委員会は、電子投票システムと通信インフラに対する1000回以上のサイバー攻撃があったと報告した。パムフィロワ中央選挙管理委員会委員長は、攻撃は「高度に専門的でよく調整された集団」によるもので、人工知能ツールを使用していたと述べた。亡命ロシア野党は正午に投票所に並ぶよう呼びかけ、一部では長い列ができたが、結果への影響は不明である。投票率はモスクワ時間の夕方時点で約57%に達した。
反戦政党「ヤブロコ」は選挙直前になって最高裁判所が政党名簿からの登録を取り消し、約100人の候補者が小選挙区での戦いに残るにとどまった。同党のリバコフ党首は抗議の意味を込めて、党名と「平和のために」というスローガンを書いて投票用紙をわざと無効票にした。一方、キーウは戒厳令下で選挙を凍結しており、ロシアの投票を「疑似選挙」と評した。欧州連合(EU)は「組織的かつ制度化された抑圧」の中での選挙だと批判した。
クレムリンはこの結果を、プーチン政権の政策と戦争継続に対する国民の支持の証拠として提示する構えだ。プーチン大統領は最近、新たな動員は不要だと明言したが、社会には再動員への深い不安が残る。ベルリンのシンクタンク「NEST」は、戦争の影響が国内でますます感じられるようになり、蓄積された不安と不満が、クレムリンが残した体制内野党への票につながる可能性があると指摘した。
また、ゼレンスキー・ウクライナ大統領は、来週のニューヨーク訪問中にトランプ米大統領と会談すると発表した。両首脳は国連総会に出席する予定で、停戦に向けた新たな交渉の可能性について協議する見通しだ。ウィトコフ米首席交渉官とクシュナー氏(トランプ氏の娘婿)が初めて調停役としてキーウを訪問し、和平プロセスが最優先課題であるとゼレンスキー氏は強調した。