The Morning Star Observer

2026年09月20日 日曜日朝刊 (Morning Edition)ArchiveAbout

リヤド空港近郊で黒煙と炎、フーシ派が首都とヤンブーへの攻撃を主張

サウジアラビアの首都リヤドで19日、主要空港の近郊から大規模な黒煙と炎が上がった。サウジ当局が前夜から早朝にかけて首都圏に空襲警報を発令するなか、イエメンの親イラン武装組織フーシ派との戦闘激化が首都に及んだ形だ。ロイターの映像と写真では、空港高速道路やターミナルビルを手前に黒煙の柱が立ち上る様子が捉えられた。映像の一部では燃料タンクとみられる施設の背後から炎が上がっていた。現地のAFP記者は、空港近くの燃料貯蔵施設でサウジ国営石油会社アラムコのロゴが付いた燃料タンクが燃え、消防隊が消火活動にあたるのを目撃した。航空追跡サイトのFlightRadar24はリヤドのキング・ハリド国際空港で「大きな問題」が発生したとし、最大の混乱指数に分類した。

フーシ派の軍事スポークスマン、ヤヒヤ・サリー氏は同日、弾道ミサイルと巡航ミサイル、無人機を使い、リヤドの「重要施設」と紅海沿岸の都市ヤンブーのアラムコ施設を攻撃したと発表した。サリー氏はテレグラム上の声明で「サヌアの首都を標的にしたサウジの敵の犯罪的試みに応えるため、イエメン軍は多数の弾道・巡航ミサイルと無人機を用いた2つの軍事作戦を成功させた」と述べた。サウジ当局はフーシ派の主張を直ちに確認しなかった。

サウジ民間防衛局は前夜、リヤドとその東にあるアル・ハルジュ市に航空攻撃の可能性があるとして携帯電話で警報を送信し、土曜朝に解除した。リヤドのオラヤ地区にいたロイター記者は、解除前に爆発音を聞いた。AFP記者も現地で2回の爆発音を確認し、その約30分後に警報が解除された。住民は「空港方面に黒い煙と火が見えた」「警報を聞いて窓が揺れた。本当に怖かった」と証言した。別の住民は「以前と違い、解除の合図がすぐに来なかったので非常に不安だった」と語った。今回の警報は、7月にフーシ派との戦闘が再燃して以来、首都では初めてだった。

フーシ派は7月にサウジに対する海上封鎖を宣言して以来、紅海でサウジ船を標的に攻撃を続けている。今月に入って電撃的な攻勢でイエメンの紅海沿岸全域を制圧し、戦略的なバブ・エル・マンデブ海峡を掌握した。サウジはこれに対し、フーシ派支配地域に数百回の空爆を実施したが、進撃を止められていない。国連安全保障理事会は19日、声明で「民間人とエネルギーインフラに影響を与えるフーシ派の継続的な攻撃を最も強い言葉で非難する」とし、女性や子どもを含む民間人が負傷したと指摘した。理事会はフーシ派のイエメンでの軍事的拡大も非難した。

この戦闘激化は、2月末に米国とイスラエルがイランを攻撃して始まった中東戦争の新たな戦場となっている。イランの最高国家安全保障評議会書記、モフセン・レザイ氏はアルジャジーラのインタビューで、サウジとフーシ派の戦争終結を望むと述べ、イエメン人もサウジとの和解を望んでいるとの見方を示した。米国とイランの核交渉は停滞しており、トルコのハカン・フィダン外相は「ここ数カ月、米イラン交渉は行き詰まっている」と指摘し、フーシ派の攻撃が状況を複雑化させていると述べた。米国は先週、フーシ派攻撃を求めるサウジの要請を拒否したと報じられ、一方で16日にはサウジへのF-35戦闘機48機、243億ドルの売却を承認した。国連によると、戦闘再燃で11万2000人以上が避難し、約3000人が海を渡ってジブチに逃れた。サウジの原油輸出は7月以降、バブ・エル・マンデブ海峡経由で減少しており、世界経済にさらなる圧力がかかっている。

トランプ大統領、CNN・MS NOW・Politicoをホワイトハウスから締め出し 報道の自由をめぐる法廷闘争へ

ドナルド・トランプ米大統領が9月18日、CNN、MS NOW(旧MSNBC)、Politicoの3メディアに対し、ホワイトハウスへのアクセスを即時禁止すると発表した。翌19日朝には、各社の記者が入場を拒否され、取材許可証を没収される事態となった。トランプ氏はこれらメディアが「フェイクニュース」を報じていると非難し、他のメディアにも同様の措置を拡大する可能性を示唆した。

3社は米国憲法修正第1条が保障する報道の自由を侵害するものだとして、法廷で争う構えを見せている。ホワイトハウス記者協会(WHCA)は「自由な報道への禁止」と批判し、憲法は政府の干渉から報道の自由を守ると強調した。

今回の措置は、トランプ政権と主流メディアとの対立をさらに激化させるものだ。過去にはAP通信が「メキシコ湾」の名称を「アメリカ湾」と改称する大統領令に従わなかったため、ホワイトハウスから締め出された事例がある。また、第1次政権時にはCNNのジム・アコスタ記者の許可証が取り消されたが、裁判所が復活を命じた経緯がある。

専門家は、ホワイトハウスの記者団が「公共の場」とみなされる限り、見解に基づく排除は憲法違反に当たると指摘する。コロンビア大学ナイト研究所のジェイミール・ジャファー所長は、トランプ氏が記者団を追放すれば「二重に違憲」だと述べた。法廷闘争は確実視され、11月の中間選挙を控えたトランプ政権にとって、支持率低下とともに試練となる。

米国とデンマーク、グリーンランド安全保障で合意 トランプ氏「恒久的支配」を宣言、デンマークは主権維持を強調

トランプ米大統領は18日、デンマークおよびグリーンランドとの間で、グリーンランドの安全保障に関する合意に達したと発表した。合意は米国に同島の安全保障と「その他すべてのニーズ」に対する恒久的な支配権を与え、ロシアと中国の基地設置を排除する内容だ。デンマーク政府はこれを「拘束力のある」合意として歓迎し、王国の主権と領土の一体性、そしてグリーンランド人民の自決権が承認されたと評価した。

合意は来週、ニューヨークで開催される国連総会の傍らで正式に調印される見通しだ。デンマークのメッテ・フレデリクセン首相は「グリーンランド、デンマーク王国、そして米国にとって良い合意となる見通しに満足している」と述べ、NATOと欧州にとっても素晴らしいものだと付け加えた。グリーンランドのイェンス=フレデリク・ニールセン首相も「グリーンランドの利益と国際協力における我々の立場を認めるものだ」と歓迎した。

トランプ氏は自身のSNSで、この合意を「終わりのない『無限の生命』協定」と表現し、米国はグリーンランドの安全保障を「永遠に」確保する完全な能力を持つことになると主張した。国務省高官は、合意により米国はグリーンランドへの恒久的なアクセス、基地設置、飛行権を獲得し、中国とロシアは基地を置けず、部隊を派遣できず、重要分野への投資も米国の書面による承認なしには行えなくなると説明した。

しかし、合意の詳細はまだ明らかにされていない。1951年に締結され2004年に更新された既存の防衛協定により、米国はデンマークとグリーンランドへの事前通知を条件に、同島への部隊増強と軍事施設の設置をすでに認められている。そのため、新たな合意が何を変えるのかは不明確だ。デンマークとグリーンランドは一貫して「島は売り物ではない」と主張し、領土の一体性を譲らなかった。今回の合意は、トランプ氏が求めていた正式な併合には至らず、デンマーク側の外交的勝利として受け止められている。

アナリストらは、この合意がトランプ政権にとって11月の中間選挙前に外交成果を誇示する狙いがあると指摘する。また、来週に迫った中国の習近平国家主席の訪米を控え、交渉でのレバレッジ強化にもつながるとの見方がある。NATOはこの合意を歓迎し、「この重要な地域における安全保障、安定、協力を促進するだろう」と述べた。デンマークのラース・ロッケ・ラスムセン外相は「不確実な時期が、北極と北大西洋の安全保障を強化する拘束力のある合意に取って代わられることを望む」と語った。

トランプ氏、AI発展を「破壊」から守るため「AIフォース」創設とAI担当「ツァー」任命を表明

米大統領ドナルド・トランプ氏は土曜日、ソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」への投稿で、AI(人工知能)産業の成長を妨げないと宣言し、規制を監督する「AIフォース」を創設すると発表した。近い将来、AI担当の「ツァー」も任命するという。

トランプ氏は、AIの急速な発展に伴う危険性への警告を「ホークス」と呼び、民主党主導の「破壊」だと批判した。「米国大統領として、座視してこれを許すつもりはない」と述べ、既存の刑事・民事司法制度で「悪い連中」を監視できると主張した。AIを「次の産業革命」と位置づけ、米GDPの25%を占める可能性があると予測した。

一方、AI業界では安全性への懸念が高まっている。AnthropicのCEOダリオ・アモデイ氏は開発ペースの減速を呼びかけ、OpenAIのサム・アルトマン氏やxAIのイーロン・マスク氏、Google DeepMindのデミス・ハサビス氏も同調した。元Anthropic研究者ジェイコブ・コクソン氏は、AIが「この10年の終わりまでに人類を滅ぼす可能性がある」と研究者たちが本気で考えていると警告した。

こうした中、NvidiaのCEOジェンセン・フアン氏は、AIが2030年までに人類を滅ぼすという予測を否定した。「世界の終わりが来る確率は0%だ」と述べ、業界は可能な限り速く開発を進めるべきだと主張した。ただし、未完成で安全でない製品を出すべきではないとも強調した。

トランプ氏の発表は、中国の習近平国家主席との首脳会談を前にしたものだ。米中両国はAIの覇権を巡って競争しており、過剰な規制が米国の発展を遅らせるとトランプ氏は主張している。ホワイトハウスは今回の発表について即座にコメントしなかった。

政治 (Politics)

キューバで今年7度目の全国停電、燃料不足と老朽インフラが深刻化

キューバで18日、今年7度目となる大規模な全国停電が発生した。電力網の「完全遮断」により、島全体の900万人以上が電力を失った。キューバエネルギー鉱山省が明らかにしたもので、国営電力会社UNEは、中央部の高圧送電線の故障と不安定な気象条件が原因だと説明した。

復旧作業は段階的に進められ、首都ハバナでは19日朝までに顧客の約半数で電力が回復した。病院や通信施設、給水ポンプが優先的に復旧対象となった。しかし、停電はハバナで30時間以上、地方では60時間以上に及ぶこともあり、住民の生活に深刻な影響を与えている。

キューバは老朽化した火力発電所と慢性的な燃料不足に直面してきたが、今年1月にトランプ政権が石油封鎖を含む制裁を強化したことで状況が悪化した。輸入ディーゼルに依存する予備発電機も燃料不足で稼働がままならない。住民からは「水もガスも電気もない」「狂ってしまいそうだ」と疲弊の声が上がる。

ハバナ政府は危機の原因を米国の制裁に求める一方、ワシントンは国内の経営不振が原因だと主張している。国連の人権専門家は米国の石油封鎖を国際法違反と非難し、キューバが「静かなガザ」になる恐れがあると警告した。停電はキューバで珍しい抗議デモも引き起こしており、政権への圧力が強まっている。

米国、ウクライナに27億ドルの防空装備売却を承認 欧州負担と議会審査が焦点

米国務省は18日、ウクライナへの防空システムおよび関連装備・サービスについて、総額26億8000万ドル(約27億ドル)の対外有償軍事売却を承認したと発表した。キーウが繰り返し要請していたもので、複数種類のミサイル、発射装置、対ドローン用レーダー、移動式発射装置改修キットなどが含まれる。

売却が成立した場合、ウクライナは欧州諸国からの拠出金と、前政権下で割り当てられた米国の対外軍事融資(FMF)資金を組み合わせて調達する。提案された売却は議会の審査対象となる。ドナルド・トランプ大統領は、前任のジョー・バイデン政権がウクライナに供与した支援について、欧州側に支払いを求める方針を以前から示している。

今回の承認は、トランプ大統領が対ロシア制裁強化法案に署名したのと同じ日に発表された。ウクライナではロシア軍によるドローンやミサイル攻撃が激化しており、防空弾薬の不足が部隊の迎撃能力を低下させている。米国はまた、ドイツからウクライナへのパトリオット迎撃ミサイル10発の移転も承認する見通しだ。

一方、ロシア軍は黒海で商船2隻を攻撃し、ウクライナ各地でミサイル・ドローン・砲撃による攻撃を展開した。ウクライナ空軍によると、一夜で174機のドローンと2発のジルコン対艦ミサイルが飛来し、141目標を迎撃または電子戦で無力化した。ハルキウ州では5人、ヘルソン州では3人が死亡した。ポーランドはロシアの大規模攻撃に伴い戦闘機を発進させ、防空システムを最高警戒態勢に引き上げた。

鉄道網への攻撃も続いている。国営鉄道ウクルザリズニツィアのオレフ・ホロヴァシュチェンコ氏によると、2026年最初の8か月間で1600件以上の攻撃が報告された。ロシアは2022年の全面侵攻開始以降、500両以上の機関車を損傷または破壊しており、今年だけでその半数以上が発生した。ウクライナはフランスのアルストムと機関車調達契約を結び、来年から納入が始まる予定だ。ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は15日、最高司令官幕僚会議を開き、重要インフラと兵站の防護強化を協議した。

この売却承認は、ウクライナの防空能力強化を欧州の資金負担と米国の制度支援で実現する枠組みを示すものだ。一方で、ロシアの攻撃が鉄道や港湾など兵站網に及んでいる現状は、ウクライナが前線と後方を結ぶ供給線の維持に苦慮していることを浮き彫りにしている。議会審査を通過し、欧州側の資金拠出が具体化するかが今後の焦点となる。

米控訴裁、第三国送還政策に制限 トランプ政権は最高裁へ上訴へ

米連邦控訴裁判所は19日、トランプ政権が移民を第三国へ迅速に送還する政策を大きく制限する判決を支持した。ボストンの第1巡回区控訴裁判所の3人の裁判官パネルは、移民が送還先について効果的な通知を受け、迫害や拷問の恐れがある場合に異議を申し立てる機会を得なければならないと述べた。

この訴訟は、最終的な送還命令を受けた移民を、当局が迫害や拷問を受けないという外交的保証を得た上で本国以外の国に送ることを認める国土安全保障省(DHS)の政策を争うものだ。裁判所は、馴染みのない国に通知なしで送られる移民の保護が損なわれる可能性があると指摘した。トランプ政権はこの判決を最高裁に上訴する見通しである。

DHSのジェームズ・パーシヴァル法務顧問はXで、金曜日の判決がまだ発効していないため政策は引き続き有効だと述べた。パーシヴァルは「自国で恐怖を主張するなら、DHSは他国に送る権利がある」と書いた。この判決は、米国から赤道ギニアに送還された2人の男性が、ホテルを転用した収容所で頭に袋を被せられ、殴打され、銃を突きつけられて恣意的に拘留されたというAP通信の報道を受けて下された。

トランプ大統領が政権に復帰して以来、政権は難民国際委員会とヒューマン・ライツ・ファーストが運営するプロジェクト「第三国送還ウォッチ」によると、少なくとも29の第三国に2万5000人以上の移民を送った。送還先には南スーダン、エスワティニ、ウガンダ、赤道ギニア、リベリア、中央アフリカ共和国が含まれる。第三国との協定は、参加国のいくつかが圧政的な政府と劣悪な人権記録で知られることから、人権団体から批判を集めている。

トランプ大統領、対ロシア・イラン制裁法に署名 エネルギー・防衛部門と「影の船団」を標的に

ドナルド・トランプ米大統領は9月18日、ロシアのウクライナ侵攻をめぐる新たな包括制裁法案に署名した。ホワイトハウスが声明で明らかにした。この法律はロシアのエネルギー・防衛部門と、既存制裁を回避するタンカー「影の船団」を標的とし、モスクワが戦費に充てる資金を断つことを狙う。

法案は「2026年リンジー・O・グラハム対ロシア・イラン制裁法」と命名された。7月に死去した共和党のリンジー・グラハム上院議員にちなむ。下院は9月16日に262対159で可決、上院は8月に86対11で承認していた。トランプ大統領はこれまで制裁と関税の決定権を議会に委ねることを好まず、法案成立まで1年以上を要した。

制裁法はロシア産原油・天然ガスの主要購入国に対し、最大100%の関税を課す権限を大統領に与える。中国とインドが対象となり得る。またロシア軍を支援する企業や外国主体も標的とし、イランへの制裁も延長する。民主党の一部は、トランプ大統領に広範な貿易権限を渡すことに抵抗を示し、党内で分裂が生じた。

ウクライナのゼレンスキー大統領はこの法案を「象徴的」と評価し、「このテロ戦争を止め、ロシアに和平を受け入れさせる極めて強力な道具だ」とX(旧ツイッター)に投稿した。インドは9月17日、多様な調達源を通じて石油を購入し続けると表明した。ロシアを最も重要な戦略的パートナーの一つと位置づけるニューデリーは、米国とイランの紛争で生じたエネルギー危機を、モスクワからの調達で乗り切ってきた。

クレムリンは今週初め、追加制裁がウクライナ和平の妨げになるとの認識を示した。ペスコフ報道官は「追加制裁はもちろん、ウクライナの和平解決の努力を複雑にするだろう」と述べた。トランプ大統領は、ワシントンで中国の習近平国家主席と会談する1週間前に署名した。制裁法はロシアの戦費調達を圧迫する一方、米国主導の和平仲介の行方にも影響を与える。

AI誤情報がほぼ戦火を招く寸前だった中東の中国船拿捕未遂事件

米軍は今年初め、中東で中国船をほぼ拿捕しかけた。人工知能の支援を受けて作成された誤った諜報報告書が原因だったとCNNが金曜日に報じた。米諜報機関は、その船が核兵器関連部品を積んでいると示しており、米軍はこれを迎撃する準備を進めていた。しかし、担当アナリストが使用したAIチャットボットが船の積み荷を誤認したと当局が判断した後、作戦は中止された。

CNNが事情に詳しい匿名筋4人の話として伝えたところによると、諜報報告書は「完全に虚偽」だったが、「ほぼ戦争を始めるところだった」という。同報道は、船が実際に何を積んでいたのか、どこへ向かっていたのかは明らかにしなかった。中東の米軍を管轄する米中央司令部は、この出来事に関するコメント要請にすぐには応じなかった。

このCNN報道は、今月初めに有力AI企業アンソロピックの研究者が、テクノロジーが人間の制御を逃れるかもしれないという懸念から公に辞任した後に起きた騒動に続くものだ。辞任しなかった別のアンソロピック社員は「我々はAIが全人類を殺すと心から信じている」と公に述べ、その確率は「今後10年以内に10パーセント以上」だと考えていると語った。こうした警告にもかかわらず、ドナルド・トランプ米大統領とその主要な同盟国の一部は、人工知能の開発を大幅に制限することに反対の立場を示している。

米軍と中国に関する別の出来事では、ポリティコが金曜日に、F-35戦闘機の部品(コックピット用の機密ステルスキャノピーを含む)が香港に転送され、現在行方不明になっていると報じた。これにより、北京が米国の機密軍事技術を手に入れたのではないかという懸念が高まっている。部品は修理のためオーストラリアから米国へ向かう途中で転送されたと同メディアは伝え、転送理由や現在の所在は不明だと付け加えた。F-35のサプライチェーンを管理するロッキード・マーティンの広報担当者は、「安全保障上の理由」から特定の輸送について言及できないと述べた。

イラン、カタール経由で戦争終結条件を米国に伝達 トランプ大統領の回答待ち

イランの最高国家安全保障委員会書記モフセン・レザイーは、カタールの仲介を通じて戦争終結に向けた正式な条件を米国に伝達し、ドナルド・トランプ大統領の回答を待っていると明らかにした。条件には全戦線での戦争終結、凍結資産の解放、海上封鎖の解除が含まれる。

レザイー氏はアルジャジーラとのインタビューで、米国が覚書から離脱した後、テヘランはワシントンに対する戦略変更の必要性を確信したと述べた。イランは米軍の弱点を把握しており、空爆に対抗する準備はこれまで以上に整っていると強調。最近では米空母付近で対艦ミサイルを試験発射したという。

一方、米国側ではマイク・ジョンソン下院議長が、トランプ政権はイランとの紛争を継続中の戦争とは見なしておらず、外交交渉による解決段階にあるとの認識を示した。イランは核兵器を禁止した故ハメネイ師のファトワを引き続き遵守しており、核拡散防止条約からの離脱はワシントンの行動次第だとしている。

イランが提示した条件は、米国側から見れば降伏のように映る可能性があるが、かつて要求していた戦争賠償を撤回した点は譲歩の兆しと見られる。紛争は2月28日に米国とイスラエルがイランを攻撃して始まり、6月の覚書締結後も7月に米国が大規模な空爆を再開。現在は外交と軍事的準備を並行させるイランの二面戦略が続いている。

パキスタン北西部コハトの警察本部襲撃、死者31人に 16人は警察官

パキスタン北西部カイバル・パクトゥンクワ州コハトの警察本部複合施設で発生した爆発と銃撃による死者が少なくとも31人に達した。うち16人は警察官で、負傷者は100人を超える。地元武装組織イッテハード・ウル・ムジャヒディーン・パキスタンが犯行声明を出した。

襲撃は金曜午後、コハトのオールド・ポリス・ラインズ複合施設で発生した。同施設は地区レベルの警察本部で、対テロ部門や特別支部など複数の重要部署が置かれている。上級警察官は土曜、アフガニスタン国境に近いこの町で、武装勢力が依然として特別支部セクションに立てこもり、交戦が続いていると明らかにした。

パキスタンのシャバズ・シャリフ首相は金曜夕方、襲撃を非難し、負傷者への最善の医療支援を指示した。アシフ・アリー・ザルダーリー大統領も犠牲者に哀悼の意を表し、外国の支援を受けるテロ組織の完全な排除が国家安全保障に不可欠だと述べた。パキスタンはカイバル・パクトゥンクワ州と南西部バロチスタン州での攻撃増加の原因を、アフガニスタン領内から越境する武装勢力にあるとしている。

ミレイ政権の地方自治体、公共施設を選挙事務所化した「党色」運営に批判噴出

アルゼンチン・フォルモサ州ラス・ロミタス市のリベルタリア派市長パブロ・バスアルドが、国家機関の出張サービスを実施した市営ホールを、ミレイ大統領や自身、父で連邦下院議員のアティリオ・バスアルドの写真で埋め尽くした「党の選挙事務所」のような空間にしたことが物議を醸している。同ホールの外壁はリベルタリア派のシンボルカラーである紫色に塗られ、「フォルモサでは自由の時代だ」とのスローガンや、サンドラ・ペトベージョ人材省長官が率いる省の公式ロゴが掲げられた。国家機関の標準色である青は使われず、州政府の出先機関であるANSESやPAMI、移民局、労働省などの移動窓口が、選挙用の掲示物で飾られた空間に設置された形だ。

この慣行は、ミレイ政権が批判してきた「カスタ(既得権益層)」の典型である「公共資源の党利党益への流用」に他ならない。かつてキルチネリスモ政権下で非難された行為を、今度はフォルモサのリベルタリア派幹部が自ら踏襲した格好だ。公共空間を選挙装飾なしで使うのが倫理上の通例だが、前市長で現市長の父でもあるアティリオ・バスアルドが、制憲議会選挙の際にこのホールを党の拠点として改装し、そのまま放置された。市当局は「撤去には費用がかかる」として「金がない」という政府スローガンをそのまま理由に挙げている。

この騒動は、ミレイ政権が掲げた倫理規範と真っ向から対立する。2024年の政令1084号は、公務員が州の資源を自己宣伝や政党宣伝に使うことを禁じ、公的倫理法第25.188号第42条も「公共の広報は教育的・情報的・社会的な性格を持つべきで、個人の宣伝となる名前やシンボルを含んではならない」と定める。ミレイ大統領自身も2025年4月にXで「公的倫理法を全力で推進する」と宣言したが、議会への法案提出には至っていない。一方、フォルモサ州ではインスフラン知事の顔写真があふれる個人崇拝文化が定着しており、バスアルド家も2024年にリベルタリア派へ転向するまで同州のギルディスモ派に属していた経緯から、この騒動は地元ではさほど大きな波紋を呼んでいない。だが、全国組織のリベルタリア・アバンサ(LLA)内では「ANSESはあの行事を承認していなかった」「人材省の倫理基準なら許さなかっただろう」と距離を置く声が上がる。写真には、市長とともにANSES州代表イェシカ・トラレス、PAMI州代表ヘシカ・ゴンサレスが笑顔で写っており、両氏はアティリオ・バスアルド下院議員の推薦で就任したばかりだ。PAMIのゴンサレス氏はSNSで「国家機関がラス・ロミタスにやって来た」と祝意を表し、市長も「約束を果たす」と応じた。こうした党派的装飾は、ミレイ政権が自ら定めた透明性の原則を、地方レベルでいかに形骸化させているかを示す事例となっている。

露独関係は氷点下、EU制裁は期限迫る ロシア議会選挙は3日間の投票開始

ドイツとロシアの関係は、2022年のウクライナ侵攻を境に決定的に冷え込んだ。長年にわたり安価なエネルギー供給と輸出市場として互恵関係を築いてきた両国だったが、侵攻後はエネルギー依存を断ち切り、ノルドストリーム2は破壊された。2026年8月にはライプツィヒ空港でウクライナ軍輸送機を狙ったとされるドローンが発見・解除され、ドイツ政府は初めてクレムリンを公式に非難した。ロシア側はベルリンのロシア文化センターとボンのロシア総領事館の閉鎖に対抗し、ゲーテ・インスティトゥートとサンクトペテルブルクのドイツ総領事館を閉鎖した。

一方、EUは9月21日にロシア関連個人に対する制裁の更新期限を迎える。フランスとスロバキアがオリガルヒのミハイル・フリードマンとアリシェル・ウスマノフの解除を求めており、合意が得られなければ約3,000件の制裁指定が失効する可能性がある。フランスはアゼルバイジャンが拘束する自国市民2人の解放を条件にウスマノフ解除を主張している。

ロシアでは9月18日から20日まで第9回国家院議員選挙の投票が行われている。中央選挙管理委員会のエラ・パムフィロワ委員長によると、期日前投票は466万人を超え、89全地域で投票所が時間通りに開設された。マリ共和国の独立選挙機関ラポルテュール、ブラヒマ・フォンバ氏は「ハイテク技術に基づく選挙プロセスは透明性と公平性を保証する」と評価した。

ウクライナ戦線では、ロシア国防省が過去24時間でウクライナ軍の兵站拠点やエネルギー施設を攻撃し、936機の無人機と7発の誘導爆弾を迎撃したと発表した。ウクライナ軍の損失は約1,345人に上るという。また、ウクライナのスームィ州ではロシアのFPVドローンが民用車両を直撃し、4人が死亡した。

米陸軍はウクライナ製ドローン「レイバード」を製造するスカイートンの米国法人に1,064万ドルの契約を授与した。同ドローンは最大24時間の滞空と2,500キロメートルの航続距離を持ち、戦闘時間は35万時間を超える。

キーウでは、ロシアのジェット推進ドローンが頻繁に飛来する中、ファッションウィークが開催された。ハルキウのアートハウス「ボブ・バセット」は11年ぶりにコレクションを発表し、空襲警報が鳴り響く中でも地下に避難しながらショーを続行した。

ブラジル最高裁、不信感が過去最高の48%に到達 選挙戦に影

ブラジルの世論調査会社データフォーリャが18日に公表した調査で、連邦最高裁判所(STF)を信頼しないと答えた人が48%に達し、2012年の調査開始以来の最高水準となった。3月の調査では43%だった。

信頼度は「少し信頼する」が35%(3月は38%)、「大いに信頼する」が14%(同16%)だった。今回初めて、最高裁への不信感が、国会と政党への不信感(ともに45%)を上回った。大統領府への不信感は42%だった。

政治的な立場による差は顕著で、フラビオ・ボルソナロ候補の支持者の69%が最高裁を不信と答えたのに対し、ルラ大統領の支持者では22%にとどまった。男性の54%、高所得者の60%が不信感を示した。

調査は9月15日から17日にかけ、125都市で16歳以上の2001人を対象に実施された。誤差は2ポイント。ルラ大統領の政権運営を「悪い」「非常に悪い」と評価する人々の間では、不信感が75%に達した。

最高裁を巡っては、アレシャンドレ・デ・モライス判事に対する調査開始の是非が争点となっている。連邦警察が提出した報告書をめぐり、フラビオ・ディノ判事が審議の継続を求めたため、判決は90日以内の再審議待ちとなっている。

調査では、この一連の危機が誰の選挙戦に打撃を与えるかも尋ねた。ルラ大統領と答えたのが38%、フラビオ・ボルソナロ上院議員が31%だった。これは投票意図ではなく、有権者の認識を測るものだ。

最高裁は税務紛争や契約、規制、大企業案件について最終決定権を持つ。信頼低下自体は判決を変えるものではないが、分裂した裁判所は企業にとって重要な案件でより大きな政治的圧力に直面する可能性がある。10月の選挙を前に、投資家はより多くの政治的ノイズを見ることになるだろう。

NATO軍事委員会、次期議長にドイツのブロイアー将軍を選出 カナダのカリニャン将軍は敗北

NATOの最高軍事機関である軍事委員会の次期議長を選ぶ投票がコペンハーゲンで行われ、ドイツの国防総監カルステン・ブロイアー将軍が選出された。現職のイタリア海軍大将ジュゼッペ・カーヴォ・ドラゴーネがX(旧ツイッター)で発表した。ブロイアー将軍は2027年7月にドラゴーネの後任として就任する。

投票はNATO加盟32か国の軍事トップによる秘密投票で行われ、ブロイアー将軍はカナダの国防参謀長ジェニー・カリニャン将軍を破った。カリニャン将軍が当選していれば、NATO創設77年で初の女性議長となるところだった。カナダ政府はカリニャン将軍を強く推していたが、米国との二国間関係の緊張が影響したとみられる。

ブロイアー将軍は61歳の陸軍将校で、旧ドイツ首相オラフ・ショルツが2021年から2022年の新型コロナウイルス対応を統括する危機委員会の責任者に指名したことから「首相の将軍」と呼ばれた。1984年に連邦軍の防空部隊に入隊し、米国カンザス州フォート・レブンワースの陸軍大学校やハンブルクのドイツ将官教育課程で学んだ。2014年にはアフガニスタンの首都カブールでNATO国際治安支援部隊に勤務した。

ドイツのボリス・ピストリウス国防相は、ブロイアー将軍の選出について「戦略的洞察力を示し、連邦軍の再編に決定的な役割を果たした」と評価した。ブロイアー将軍は「同盟の総参謀長たちの信頼を得たことを意味する」と述べ、就任後は全加盟国の視点を統合し、実質的な軍事助言を同盟に提供する意向を示した。

この選出は、欧州の防衛支出拡大を主導するドイツの地位向上を反映している。NATOの統計によると、ドイツの防衛支出は約1250億ユーロで欧州第1位であり、米国がインド太平洋地域に戦力を振り向ける中で、欧州の防衛を担うドイツの役割が増大している。ドイツは今年、NATOの指揮構造で米国を上回る数の上級ポストを占めている。

ブロイアー将軍の後任として、ドイツ陸軍総監のクリスチャン・フロイディング中将が年内に国防総監に就任する見通しだ。フロイディング中将はピストリウス国防相の側近で、ウクライナ支援を調整する戦略スタッフを率いていた。また、元空軍総監のインゴ・ゲルハルツ将軍も候補に挙がっているが、現在はNATOのブルンスム統合軍司令官を務めており、交代は難しいとの見方もある。

ガザでイスラエル軍の空爆、保健省幹部の息子ら3人死亡

イスラエル軍の空爆により、ガザ地区で19日(土曜日)、パレスチナ人少なくとも3人が死亡した。保健当局が明らかにした。

北部ジャバリア難民キャンプ近くの空爆では、ガザ保健省事務局長ムニール・アル=ブルシュの息子バシル・アル=ブルシュが死亡した。医療関係者と家族が伝えた。イスラエル軍は同日、バシル・アル=ブルシュを含む複数の戦闘員を空爆したと発表したが、詳細は明らかにしなかった。ガザを統治するハマスは即座にコメントしなかった。

ムニール・アル=ブルシュは2023年12月のイスラエル軍の空爆で娘を失い、自身も負傷していた。ロイターが入手した映像では、アル=ブルシュが毛布に包まれた息子の遺体を抱え、他の弔問客とともに救急車で病院へ運び込む様子が映っていた。映像の中でアル=ブルシュは「テントで一緒にいた時、息子が『父さん、彼らは僕たち二人を狙うよ』と言った。私は『それでいい、一緒に天国へ行こう』と答えた」と語った。さらに「彼はテントの外に出て、彼らが彼を撃ち、殉教した。神が彼を慈悲で包んでくださることを願う」と付け加えた。

アル・シファ病院では、弔問客が弔意を表す中、アル=ブルシュは立っているのがやっとだった。別の場所では、ガザ市東部のシジャイアで男性1人が空爆で死亡し、ガザ市のシェイク・ラドワン地区では車両が攻撃され1人が死亡した。民間防衛当局と医療関係者によると、これにより19日の死者は少なくとも3人となった。イスラエル軍はシェイク・ラドワン地区の空爆がハマスの戦闘員を標的にしたものだと述べた。爆発で車両は粉々になった。

パレスチナ当局によると、2023年10月にハマス主導の戦闘員がイスラエル南部で約1200人を殺害したことを受け開始されたイスラエルのガザ攻撃で、これまでに7万3000人以上が死亡した。昨年合意された米国仲介の停戦は、最終的にこの地域の再建を求めるものだが、ハマスの武装解除とイスラエル軍の撤退条件で交渉担当者が合意に至らず、ほとんど進展していない。

停戦発効後、ガザではパレスチナ人1300人以上が死亡した。その大半は民間人だと保健当局は述べている。一方、イスラエル軍はイスラエル兵4人が死亡したとしている。

フランス公共ラジオFrance Inter、シャルル・サパン氏の週刊論説を打ち切り 職員組合の圧力に屈する

フランスの公共ラジオ局France Interは19日、保守系週刊誌『ヴァルール・アクチュエル』編集次長シャルル・サパン氏の週刊論説を打ち切ると発表した。同局の経営陣は代替案として討論番組への出演を提示したが、サパン氏はこれを拒否した。Radio Franceの経営陣は「誰にとっても勝利ではない」としつつ、公共放送としての使命に基づき、大統領選挙期間中も多様な意見を反映する場であり続けると説明した。

サパン氏は8月末からFrance Interで日曜朝7時40分頃に2分30秒の政治論説を担当し、これまでに2回放送されていた。しかし、同誌が極右的な思想を掲げていると主張する職員らが反発し、先週末には2日間にわたるストライキが実施された。組合は21日にも新たなストライキを予定しており、経営陣は圧力に屈する形となった。3回目となる予定だったサパン氏の論説は日曜日に放送されない。

サパン氏は今夏、『ル・ポワン』から『ヴァルール・アクチュエル』に移籍したばかりで、同局への起用は多元主義の名の下に正当化されていた。『ヴァルール・アクチュエル』は保守を自任するが、2020年に黒人議員ダニエル・オボノ氏を奴隷として描いたことで人種差別的侮辱罪で有罪判決を受けるなど、過去に複数回訴訟で敗訴している。

モスクワ電子投票への大規模サイバー攻撃、極東ではケーブル切断の破壊工作も――ロシア下院選挙をめぐる攻防

ロシアで9月18日から20日まで第9回国家下院議員選挙の投票が行われている。首都モスクワでは電子投票システムへの大規模なサイバー攻撃が観測され、極東では通信ケーブル切断による破壊工作が発生した。中央選挙管理委員会のエラ・パムフィロワ委員長は、いずれも投票を妨害する試みだと指摘し、システムは攻撃を退けていると述べた。

モスクワ市選挙管理委員会のドミトリー・レウト副委員長によると、システムはすべての攻撃を撃退しており、9月18日と19日の首都での法違反は検出されていない。モスクワ公共選挙監視本部のワジム・コバリョフ本部長は、人口1000万人以上の都市で苦情が数十件にとどまると説明した。オンライン投票は夜間も利用可能で、投票所の閉鎖後もビデオ監視が続けられる。

一方、モスクワ選挙管理委員会のオルガ・キリロワ委員長は、投票初日にハッカー攻撃が原因とみられる技術的な不具合が発生し、オンライン投票端末が短時間動作しなくなったと明らかにした。端末の動作は20分以内に完全に復旧し、ショッピングセンターの投票所では一時的に行列が生じたが、すぐに解消されたという。

極東では、4つの地域で通信回線が切断される破壊工作があった。パムフィロワ委員長は、送電柱の切断とケーブルの切断により、ロシアの広大な4地域が通信網から切り離されたと説明した。ロステレコムは1時間以内にインターネットが正常に戻ったと発表している。

今回の選挙では、ドネツク人民共和国、ルガンスク人民共和国、ヘルソン州、ザポロジエ州の住民が初めて下院議員選挙に参加する。統一ロシア、ロシア連邦共産党、自由民主党など10政党が立候補し、39の連邦構成主体で地方議会選挙も行われる。8地域では首長が直接選挙で選ばれ、3地域では地方議会が選出する。総計2万3000の議席が争われる。

モスクワの電子投票システムへの攻撃は、投票の信頼性を揺るがす試みとして位置づけられるが、当局はこれを退けている。極東でのケーブル切断も1時間で復旧しており、選挙の実施そのものへの影響は限定的だった。これらの出来事は、ロシアの選挙インフラが外部からの妨害に直面しながらも、それを克服しつつあることを示している。

アティク氏、汚職判決を否定 マンビラ仲裁でICCの懸念に直接答えず

ナイジェリアの元副大統領アティク・アブバカル氏は、2003年にサンライズ・パワーの推進者レノ・アデサンヤ氏が当時の妻ジェニファー・ダグラス・アブバカル氏に支払った50万ドルをめぐる国際商業会議所(ICC)仲裁廷の判断を、自身への汚職判決だと否定した。しかし、その支払いが正当な外国為替取引だったというアデサンヤ氏の説明を裏付ける文書証拠や独立した証人証言がなかったことなど、仲裁廷が示した複数の懸念には直接答えなかった。

マンビラ水力発電プロジェクトをめぐる長期仲裁の最終判断で、仲裁廷はこの支払いをめぐる状況に「重大な赤信号」があると指摘した。一方で、アブバカル氏が公職上の地位を実際に使ってサンライズ・パワーにマンビラ契約を獲得させたという証拠は見当たらないとも明言した。

アティク氏の反応は、金曜日に上級特別補佐官のフランク・シャイブ氏を通じて発表された。与党・全進歩会議派(APC)の大統領選挙運動評議会が、元副大統領がマンビラ・プロジェクトでナイジェリアの利益を損なったと非難し、2027年大統領選からの撤退を求めたことへの応答だった。

シャイブ氏は、APCに対し、アティク氏が賄賂を受け取った、職権を乱用した、サンライズ・パワーへの契約授与に影響を与えた、あるいは腐敗した共謀に加わったと認定した仲裁廷最終判断の部分を示すよう求めた。「商業仲裁はアティクを告発せず、有罪とせず、繰り返しによって刑事判決に変わることはない」とシャイブ氏は述べた。

仲裁廷は、2003年1月30日にアデサンヤ氏がスイスの銀行口座から、彼のオフショア会社チャイナ・キャッスル・インベストメンツ社を通じて、ダグラス氏の米国銀行口座に支払った50万ドルを調査した。この支払いは、当時の電力・鉄鋼相オル・アグンロイェ氏がサンライズにマンビラBOT契約を授与したとされる約4ヶ月前に行われた。アデサンヤ氏は、アティク氏のために両替事業を通じて行われた外国為替取引の一部だと説明したが、仲裁廷はこの説明を文書証拠が裏付けていないと判断した。

仲裁廷は、基礎となるナイラ建て支払い、適用された為替レート、アティク氏や側近からの指示、取引に関する書簡、商業目的を示す書類が提示されなかったと指摘した。アティク氏とダグラス氏の双方からも、この説明を裏付ける証人陳述書や宣言が出されなかった。アデサンヤ氏とアティク氏の関係、マンビラ・プロジェクト獲得への尽力、支払いの時期が評価の対象となった。2002年7月にアティク氏が率いた北京への政府代表団にアデサンヤ氏が同行し、ナイジェリア政府と中国国営NCPECがマンビラ・プロジェクトを含む覚書に調印した経緯も踏まえられた。

仲裁廷は、アデサンヤ氏の外国為替説明を受け入れられないとし、「50万ドルの支払いが誠実な外国為替取引だったと認める証拠がない」ため、マンビラ・プロジェクトに関するアティク氏の政府内での主導的役割と関連していた可能性を排除できないと述べた。

シャイブ氏は、仲裁手続きを刑事訴追と特徴づけるべきではないと主張し、マンビラ手続きを、ボラ・ティヌブ大統領に関連する米国の口座をめぐる別の訴訟と対比させた。彼は、実際の米国の没収判決を引用し、マンビラ仲裁ではアティク氏に対する同等の認定が出されなかったと論じた。また、ワシントンでのティヌブ氏の弁護団が、大統領を特定するFBIとDEAの記録を編集または非公開にしようとしたとされる手続きに言及した。

仲裁廷の懸念は50万ドルの支払いに限定されなかった。アデサンヤ氏が側近ジデ・ソティンリンを通じてアグンロイェ氏に行った総額約1万5000ドルの3回の支払いも調査対象となった。アグンロイェ氏は2003年5月にサンライズへマンビラBOT契約を授与したとされる大臣である。これらの支払いは、マンビラ契約紛争が訴訟中だった2019年に行われた。

マンビラ仲裁は、物議を醸した電力プロジェクトをめぐるサンライズ・パワーとアデサンヤ氏によるナイジェリア政府への請求から生じた。ICC仲裁廷は最終的に関連請求を棄却し、ナイジェリアにとって数十億ドル規模の潜在的な負債を除去する判決を下した。

経済 (Economy)

中東危機で燃料価格高騰、各国で補助金と減税の応酬

中東での戦争激化とホルムズ海峡封鎖により原油価格が1バレル100ドルを超え、世界各地で燃料価格が高騰している。メキシコはディーゼル補助金を100%に維持しつつガソリン減税を拡大、ボリビアは20年続いた補助金を撤廃して価格を83%引き上げた。ドイツは10月から燃料税を1リットル当たり17セント引き下げる一方、ベルギーやルクセンブルク型の価格上限導入を検討する。ナイジェリアはCNG転換を加速させ、フィリピンでもLPG価格が上昇するなど、各国が対応に追われている。

メキシコ財務省は19日から25日までの週について、ディーゼル補助金を2週連続で100%に維持し、レギュラーガソリン(Magna)とハイオク(Premium)の減税を拡大した。ディーゼルは既に課税分が全額免除されており、追加支援は予算からの直接支出となる。マグナは1リットル当たり2.50ペソ(約0.15ドル)の課税が残る一方、ディーゼルは課税ゼロだ。財務担当者団体IMEFの試算では、1月から7月までの燃料税免除額は473億ペソ(約27.5億ドル)に達する。ディーゼルはメキシコの貨物輸送の約70%を担い、価格上限が試されている。

ボリビアは19日、最高裁令5716号によりディーゼル補助金を撤廃し、価格を1リットル当たり9.80ボリビアーノから17.95ボリビアーノ(約1.63ドル)へ83%引き上げた。ロドリゴ・パス大統領が前日夜に発表したもので、上院が19億ドルのIMF融資を承認した数時間後の決定だった。補助金は週に約5500万ドルのコストをかけ、深刻なドル不足を招いていた。新価格は輸入コストに連動する方式に移行し、今後は新たな政令なしで変動する。ガソリンは12月まで補助が続き、2027年1月から撤廃される予定だ。

ドイツ政府は18日、ガソリンとディーゼルのエネルギー税を1リットル当たり14セント、付加価値税分を含めると17セント引き下げる総額25億ユーロの救済策を発表した。10月1日から年末まで適用される。フリードリヒ・メルツ首相は「毎日車に依存する人々は限界に達している」と述べた。政府は2027年1月1日までにルクセンブルクやベルギー型の燃料価格上限導入を目指す。一方、SPDのラース・クリングバイル財務相は石油会社へのEU域内の超過利潤税を求め、欧州委員会に10月末までの提案を要請した。経済相カタリーナ・ライヒェは市場介入に慎重な立場を示した。

ナイジェリアのボラ・ティヌブ大統領は、世界的なエネルギー価格高騰を受け、CNG(圧縮天然ガス)への転換を加速させる方針を表明した。10月1日から運賃の目に見える引き下げを達成する目標を掲げ、120,000台以上の車両がCNGに転換され、400以上の認定転換センターと90以上の給油所が稼働していると明らかにした。ボルノ州ではCNG・電気バスが50〜100ナイラで運行し、カドゥナ州では100台のCNGバスが初年度に320万人を輸送、35億ナイラ以上の運賃を節約した。旧来の石油補助金制度への回帰を否定し、国内のガス資源を活用した代替燃料への移行を加速する考えを示した。

各国の対応は、中東危機による供給不安という共通の課題に対し、財政負担の大きさや市場メカニズムへの介入度合いによって分かれた。メキシコとボリビアは対照的な道を選び、ドイツは選挙を前にした政治的压力から減税と価格上限を組み合わせた。ナイジェリアは構造転換で対応する。原油価格の動向次第では、各国の財政負担と消費者への影響がさらに拡大する可能性がある。

社会 (Society)

世界の出来事を総括:スポーツの熱戦、社会事件、文化の回帰、そして若き慈善家たち

南米競技大会でのボクシング決勝、バングラデシュの少年殺害、マドリードの殺人事件、西オーストラリアのサメ襲撃、そして若者たちの慈善活動など、世界各地で多様な出来事が報じられた。

スポーツでは、南米競技大会の65キロ級決勝でウルグアイのサンティアゴ・カルドソがブラジルのユリ・レイスにノックアウトされ、病院に搬送された。カルドソは頭部外傷と診断され、経過観察となった。レイスは金メダルを獲得し、ブラジルに6個目の金をもたらした。また、ロンドンのミルウォールとウェストハムの試合は2-2の引き分けに終わり、ウェストハムがチャンピオンシップの首位を維持した。

社会事件では、バングラデシュのクミッラで13歳の少年オプリトムの遺体が発見され、3人が容疑者として拘留された。マドリードのアルガンスエラ地区では、85歳の男性が元義理の娘を殺害した容疑で逮捕された。マレーシアでは、ラフティング事故で34歳の女性が死亡し、隣人によるレイプ事件、生徒への暴行事件が発生した。シンガポールでは自転車事故で74歳の男性が死亡し、16歳の少年が逮捕された。アメリカのバージニア州では、ウォルマートで77歳の男性が従業員の両親に暴行され死亡した。

文化と慈善では、スイスで押収された2000年前のエジプトの葬儀用マスクがエジプトに返還された。16歳のピアニスト、エヴェレット・リーは50以上の慈善コンサートを開催し、7万ドルを集めた。17歳のがん生存者イーサン・ヒュインは競泳を通じて4万5000ドルを集めた。また、親が子供の成績表や絵を保存する心理学的理由が紹介された。

これらの出来事は、スポーツの興奮、社会の課題、文化遺産の保護、そして若者の慈善活動を示しており、世界の多様な側面を浮き彫りにした。

ナイジェリアで有毒飲料と鉱山労働者の死亡が相次ぐ

ナイジェリアで、メタノール混入の飲料による死者と、鉱山労働者の死亡が相次いでいる。国家食品薬品管理局(NAFDAC)は、オンド州で発生した有毒なアルコール飲料により48人が死亡し、182人が発病したと発表した。また、ニジェール州では、拘束中の鉱山労働者37人が死亡し、これに抗議するデモが発生した。

NAFDACの発表によると、死亡者はオンド州の3地区で発生し、地元では「モンキーテール」と呼ばれる飲料が原因とされる。検査では、メタノールとカンナビス・インディカの高濃度が検出され、5人が全盲、2人が部分失明となった。15人が生産・販売に関与したとして逮捕された。

一方、ニジェール州では、NSCDC(ナイジェリア治安・市民防衛隊)の収容中に37人の鉱山労働者が死亡した。内務大臣オルブンミ・トゥンジ=オジョは、20人の将校と州司令官を停職処分とした。抗議デモでは警察が発砲し、夜間外出禁止令が敷かれた。連邦政府は専門家を派遣して調査を進め、州知事は鉱業活動を停止した。

両事件とも政府の調査と対応が進められており、各国政府の対応が今後の被害を左右する。

エジプト環境省、大気汚染対策で野焼き現場131件と産業施設19件の違反を検出

エジプトの環境当局は9月前半、大カイロ、ナイルデルタ、アシュートにまたがる地域で深刻な大気汚染現象を緩和するための取り組みを強化し、野焼き現場131件と産業施設19件の違反を検出した。地方開発・環境省は、産業排出と農業廃棄物を対象とした対策により、同期間中に推定3,908トンの汚染物質の放出を防いだと発表した。

マナル・アワド環境相は、農業廃棄物の野焼き、産業排出、車両排気ガスといった主要な汚染源に対処するため、監視、早期警報システム、現場検査を強化していると述べた。省の報告書によると、衛星画像と早期警報システムのデータ分析により、大カイロ、デルタ、アシュートで131の焼却現場が特定された。このデータは、特定された汚染ホットスポットに現場チームを派遣するために使用される。

当局はまた、32の産業施設にある173本の煙突からの排出を継続的に監視し、法的に許容された限度を超えた排出を26回記録した。別の現場検査では20の産業施設を対象とし、そのうち19が違反、1が適合と判明した。省は違反の性質や課された罰則については明言しなかった。

大カイロとデルタでは、農業廃棄物の野焼きを防ぎ、リサイクルと経済的利用を促進するため、242,049トンの稲わらを回収した。カリュービーヤでは、31,380フェッダンのトウモロコシとソルガムも収穫された。

省は、産業施設と農業廃棄物を対象とした対策により、粒子状物質480トン、窒素酸化物2,188トン、二酸化硫黄1,240トンを含む約3,908トンの汚染物質の放出を防いだと推定した。報告書では、回避された排出量の計算方法は説明されていない。

車両検査もキャンペーンの一環だった。当局は1,343台の車両を検査し、247台を再検査し、235台と和解して罰金を徴収した。検査には公共交通局が運行する227台のバスも含まれた。

省は、環境危機ユニットが野焼きの場所に関する情報を州当局と共有し、現場チームが迅速に対応できるようにしていると述べた。合計165の現場委員会が監視され、シャルキーヤでの農業廃棄物に関する1件の報告は、関係当局に行動を求めて付託された。

エジプト環境問題庁の地方支部も、住民や農家を対象に187回の啓発キャンペーン、セミナー、会合を実施し、野焼きの健康・環境リスクと稲わらの代替利用に焦点を当てた。期間中、政府の統合苦情システムを通じた環境苦情はなかったと省は述べた。

生活・健康 (Life & Health)

みかんの皮とシナモンを煮出す効能、家庭で実践される循環型の知恵

家庭内の問題を解決するための手作りレシピが人気を集めている。その成功は、通常ならば捨てられる要素を再利用できる点にある。多くの果物の皮は、循環型経済を実践する好例だ。

柑橘類については、その成分の特性を強調する科学的研究がある。オレンジやグレープフルーツ、みかんがビタミンCの摂取に不可欠であることは広く知られている。しかし、皮が家庭生活の他の場面で果たす役割についてはあまり知られていない。特定の香辛料の存在は皮の効能を高め、より興味深い組み合わせを生み出す。

みかんの成分を分析した研究では、リモネンが果実の主要な精油として存在することが強調されている。実験室では、リモネンは抗酸化作用、抗菌作用、抗炎症作用を示した。しかし、この調合でより重要なのは、柑橘類の皮に含まれるリモネンが放つ新鮮で爽やかな香りである。熱湯によりこの成分が徐々に放出され、揚げ物、タバコ、湿気、閉め切った部屋などの不快な臭いを追い払うのに役立つ。

シナモンは温かくスパイシーな香りを加え、空気をより清潔で健康的に保つのに役立つ抗菌作用を持つ。ただし、これらの特性は実験室のような管理された環境で証明されたものであり、確認にはさらなる研究が必要だ。

調合方法は以下の通り。水1リットル、白い部分をあまり含まないみかんの皮1〜2個分、シナモンの枝1〜2本を用意する。鍋に水を入れて沸騰させ、みかんの皮とシナモンの枝を加える。火を弱めて蓋をせずに10〜15分間、静かに煮出す。香りが家全体に行き渡るように、部屋のドアを開けておく。

冷めたら、煎じ液を濾してスプレーボトルに保存し、カーペット、カーテン、クローゼット、浴室に心地よい香りを付けることができる。また、水が完全に蒸発しないように注意しながら再加熱して、室内の香り付けに使うことも可能だ。

完璧に仕上げるには、皮に付着した農薬を避けるためみかんをよく洗い、より複雑な香りを作るためにオレンジやレモンの皮、他の香辛料(クローブ、アニス)と組み合わせると良い。混合物は常に子供の手の届かない場所に置き、呼吸器系に問題のある人やペットはみかんの皮の蒸気に敏感な場合があるため注意し、飲用しないこと。

文化 (Culture)

第15回国際100秒映画祭がテヘランで閉幕、若手映画人を称える

第15回国際100秒映画祭の閉幕式が金曜日、テヘランの芸術局で開催された。式典の冒頭、映画祭の事務局長モハデセ・ピルハディが出席者を歓迎し、「イランのために映画を制作し、未来への希望を持ち続けた若い映画人たちと過ごす時間は本当に素晴らしく、彼ら全員に感謝している」と述べた。

彼女はさらに「今夜、賞を受け取るかどうかに関わらず、皆さんは皆、勝者だ。なぜなら、希望に満ちた視点を維持し、イランのために映画を制作したからだ」と語った。その後、各部門の審査員が受賞者を発表し、彼らはステージで賞を受け取ったとメール通信が報じた。

今年の映画祭は9月15日から18日まで開催され、「国家:未来のための戦い」「国際:世界の子どもたちのための戦い」「特別:祖国のための戦い」という3つの主要テーマに焦点を当てた作品が集まった。これらのテーマは、未来の不安定な性質、世界の子どもたちの保護と権利の緊急性、そして愛国心と国家アイデンティティの永続的な精神について考察を促すために設計された。

今回選ばれた170作品には、フィクション、アニメーション、人工知能、ドキュメンタリー映画が含まれる。イスラム思想普及機構の芸術局が主催するこの映画祭は、非常に限られた時間の中で完全でインパクトのある物語を届けることをクリエイターに課す、厳格な時間制限で知られている。

創設以来、この映画祭は新しい才能を発見し、短編映画の芸術を実験するための権威ある場として機能し、ほんの数秒でどれだけの感情と情報を伝えられるかという限界を押し広げてきた。次回の映画祭は、カメラのレンズを通して人類の共通の闘いと希望を反映する、国際的な視点の多様な集まりとなることが約束されている。

写真では、9月18日にテヘランの芸術局で行われた第15回国際100秒映画祭の閉幕式で、「国家:未来のための戦い」部門の最優秀映画賞を受賞したアフマド・ヘイダリアンが賞を手にしている。

スポーツ (Sports)

アジア競技大会が名古屋で開幕、天皇が開会宣言 参加選手はオリンピック超えの1万1000人

第20回アジア競技大会が19日、愛知県名古屋市のパロマ瑞穂スタジアムで開幕した。日本での開催は32年ぶりとなる。天皇陛下が開会を宣言し、皇后陛下、国際オリンピック委員会(IOC)のキルスティ・コベントリー会長らが出席した。大会には45の国・地域とOCA難民チームから約1万1000人の選手が参加し、43競技・469種目で争う。参加選手数は2024年パリ五輪の約1万700人を上回る規模となった。

開会式では、ハート型の中央ステージでバイオリニストの葉加瀬太郎氏が演奏し、240人の市民ダンサーが「Welcome」の文字を描いた。名古屋城の風船や歌舞伎役者による飛び獅子、AIが生成した歌手など、地域の伝統と製造業の拠点としての役割を紹介する演出が行われた。大会旗の掲揚後、室伏重信氏と室伏広治氏の親子が聖火台に点火した。

一方、大会前からは宿泊問題が続発している。経費削減のため伝統的な選手村を設けず、ホテルや木造コンテナ型の簡易宿舎、クルーズ船「コスタ・セレーナ」に分散して収容する方式を採用したが、収容人数が1万7000人に達し、部屋の狭さやベッドの短さ、交通手段の不足など各国から不満が噴出した。インドは選手の一部をホテルへ移し、名古屋在住のインド人家族約2000世帯が追加の受け入れに備えている。韓国はバスケットボール選手用のコンテナが手狭だと指摘した。大会組織委員会とアジアオリンピック評議会(OCA)は「費用対効果の高い方式」と擁護し、今後の多種目競技大会のモデルになると主張している。

競技面では、中国が前回大会で201個の金メダルを獲得した実績から、今大会でもメダルランキング首位を狙う。日本は933人、中国は815人、香港は約580人の選手団を派遣した。インドはオリンピックメダリストのマヌ・バケル選手とカバディのパワン・セフラワット選手が旗手を務め、前回大会の106個のメダルを上回る成績を目指す。注目選手には、テニスのアレクサンドラ・エアラ選手(フィリピン)、クリケットの15歳バイバフ・スーリヤヴァンシ選手(インド)、競泳の13歳ユー・ズーディ選手(中国)、やり投げのルメシュ・パティラゲ選手(スリランカ)らが挙がる。

大会は10月4日まで開催され、7競技では2028年ロサンゼルス五輪の出場枠が懸かる。初の金メダルは20日朝の男子トライアスロンで決まる見通しだ。また、OCAのジョアン・ビン・ハマド・アル・タニ会長は、台湾のスポーツ大臣が入場を一時的に拒否された問題について「政治はスポーツに介入すべきではない」と述べ、選手中心の大会運営を強調した。

メッシ、アルゼンチン代表最後の試合はベナン戦へ 16年前の映画がつないだ縁

リオネル・メッシは10月6日、ブエノスアイレスのモヌメンタル競技場でベナン代表との親善試合に臨み、アルゼンチン代表として最後の試合を戦う。しかしアルゼンチンと西アフリカのベナンは、16年前に映画『Orillas』を通じてすでに結ばれていた。パブロ・セサル監督によるこの作品は、両地域の文化的な絆を再構築することを目指したものだった。

『Orillas』は2010年にブエノスアイレスのイスラ・マシエルと、ベナンのサケテ、ウィダー、ガンヴィエ、コトヌーなどで撮影された。35ミリフィルムで撮影され、上映時間は96分。アルゼンチン側からはハビエル・ロンバルド、ダルマ・マラドーナ、ダニエル・バレンスエラ、そして主要人物シャンタスを演じたレオネル・アランジビアが参加し、ベナン側からはキャロル・ロコス、イリアス・アカラ、エリアーヌ・シャガスが出演した。

物語は並行する二つの筋から構成される。アルゼンチンでは、アベジャネーダのドック・スッド地区にあるイスラ・マシエルの貧しい地域に住む混血の若者シャンタスが、ウンバンダ宗教の実践に親しみながら仲間と盗みに出る日々を送る。大西洋の反対側、コトヌー郊外では、ヨルバ族のコミュニティに属する少年ババリミサが重い心臓病を患っており、母モレニケは病院の次にヨルバの巫女を頼り、オリーシャ神々との調和を取り戻す儀式を行う。物語が進むにつれ、二つの物語は接近していく。セサル監督の狙いは、アルゼンチン文化に存在するアフリカのルーツと、信仰や伝統、文化的表現を通じてアフリカとアメリカ大陸の間に生き残った結びつきを探ることにあった。

脚本はヘロニモ・トゥーベスが担当し、制作はパブロ・セサル・プロダクションズが手がけた。アルゼンチンのINCAAやベナン映画局など、両国の機関も支援した。『Orillas』は撮影から1年後の2011年11月10日にアルゼンチンで公開され、その後カナダ、アメリカ、インド、ルワンダ、セネガル、ボリビアの映画祭で上映された。2012年1月にはベナンのキンテッセンス映画祭で審査員特別賞と観客賞を受賞した。批評家からの評価は芳しくなかったものの、モントリオールのアフリカのビジョン国際映画祭、ルワンダ映画祭、セネガルのイメージと生命映画祭、ボリビアのスクレで開催された人権国際映画祭などでも上映された。

あの映画体験から16年を経て、ベナンは再びブエノスアイレスでアルゼンチンと対戦する。今回はピッチの上で、アルゼンチン代表のキャプテンが最後にアルビセレステのユニフォームを着る試合となる。

スカローニ監督、アルゼンチン代表続投に含み「挑戦する、我々がいるいないにかかわらず」

アルゼンチン代表のリオネル・スカローニ監督が、中国の動画配信プラットフォームMiGuでのインタビューで、自身の続投について語った。2026年ワールドカップ決勝でスペインに敗れてから2カ月、新たなFIFAウィンドウを前に、同監督は代表チームの指揮を続ける可能性に扉を閉ざさなかった。

スカローニ監督は「これからひとつの区切りが始まる。それにチャンスを与えよう。タイトルを繰り返すと言っているわけではない。チームの一体感、人々が共感してくれること、それを達成するのは難しい。同じことを繰り返すのは簡単ではないだろう。人々はこの代表チームに共感した。それは素晴らしいことだ。挑戦するのは難しいと思う。監督として、グループのリーダーとして、それが難しいと知っておく必要がある。当然、我々がそこにいるかどうかにかかわらず、挑戦するつもりだ。それが重要なことではない」と語った。

同監督は2024年のコパ・アメリカ後の自身の思いを振り返り、「すべてに勝ってワールドカップまで2年を残した後、何が来るかについてある種の疑念が生じた。そして再びあの状態に戻り、戦い続けられるという感覚を持てた。そして実際、戦えた」と述べた。また、チームの刷新については「新しい選手たちが我々のプレーの考え方に加わることが非常に重要だ。我々は常にそうしてきた。今、きっと素晴らしい区切りが始まるだろう。扉を叩いている若者たちを信頼できる時代だ。年齢は何の指標でもないと常に言っている。彼らが所属クラブで結果を出せば、残留も新加入もある。我々の意図は、すべての人にこのユニフォームを着てプレーする機会を与えることだ」と語った。

2026年ワールドカップについては「前回の大会(カタール2022)には選手の95%が通常の状態で臨めたが、今回はぎりぎりの状態で臨んだ。別の局面を経験した。100%の状態の選手はいなかったが、彼らを信じた。前回よりもはるかに難しい決断を下した」と説明した。「プレーした全員が、それを勝ち取ったからプレーした。今後に向けて、若者を起用しようと努める。彼らが本当にそれに値するからだ」と強調した。エジプト戦とイングランド戦については「ほとんどの人にとって、素晴らしい試合だった。誰もが楽しんだ。我々は決して手を緩めなかった。それが我々が残せた最高のメッセージだ」と振り返った。

スペインとの決勝戦については「我々は兄弟のような国だ。3、4人が何か言ったからといって、それが曇らされるべきではない。私はあちらに住んでいて、我々が勝つことを望んでいた人々さえいた。人々は準優勝を祝うために街に出た。2位というのはそれ自体が勝利だ。これで我々はみんな勝った。次の世代もそうあり続けてほしい」と語った。

さらに、リオネル・メッシについて「22、23歳のメッシは唯一無二の選手だった。我々と一緒でも良くプレーしたが、彼が若い時に監督を務められたら良かっただろう。彼は唯一無二だった...今も唯一無二だ。彼は我々と一緒に快適に過ごした。彼と全員が快適に過ごせるよう、我々が持っているものをすべて捧げた」と称賛した。

この発言は、アルゼンチンサッカー界に希望の光をもたらすものだ。スカローニ監督の将来は不透明なままだが、代表チームの継続的な成功へのコミットメントは明確である。

メッシ代表引退試合のチケット価格発表、欧州ダービーとデビスカップも注目

アルゼンチン代表は9月30日にボリビア、10月3日にブルキナファソ、10月6日にベナンと親善試合を行う。ベナン戦はリオネル・メッシの代表引退試合となり、チケット価格が発表された。ボリビア戦はマリオ・アルベルト・ケンペス競技場、ブルキナファソ戦とベナン戦はモヌメンタル競技場で開催される。チケットはボリビア戦が9月21日、ブルキナファソ戦とベナン戦が9月22日に販売開始となる。

ボカはサンロレンソ戦でエンネル・バレンシアを外国人枠の関係でメンバー外とした。一方、アトレティコ・マドリードのディエゴ・シメオネ監督は、ジュリアン・アルバレスがレアル・マドリード戦で出場可能と語った。アルバレスは筋肉のコンディション問題で直近2試合を欠場しており、先発か途中出場かは未定だ。

レアル・マドリードのジョゼ・モウリーニョ監督は、ダービー前の会見でチームの精神的な強さに自信を示した。デビスカップではアルゼンチンがトルコと対戦し、フランシスコ・セルンドロとティアゴ・ティランテがシングルスに出場する。

最後に、中国の電気自動車輸出をめぐる欧州の保護主義政策について、電池産業の育成こそが重要だとする論説が紹介された。欧州は完成車の関税に頼るのではなく、電池製造への投資を拡大すべきだと指摘している。

ブライトンがアーセナルを3-0で粉砕、スパーズは今季初得点も敗戦で降格圏に沈む

プレミアリーグ第5節、ブライトンがホームで王者アーセナルを3-0で下し、アーセナルの今季無敗記録を打ち砕いた。アーセナルは今季ここまで公式戦7連勝と絶好調だったが、パスカル・グロスとハラランポス・コストゥラスの前半の2発、そしてシェマ・アンドレスの後半のヘディング弾で、本来の守備の強さを発揮できずに完敗した。ミケル・アルテタ監督は「ブライトンが勝利に値した。我々は長い時間、基本を疎かにした」と認め、チームに大きな教訓になったと語った。

一方、ノースロンドンのライバルであるトッテナムは、ホームでアストン・ビラに2-3で敗れ、今季初勝利を逃した。スパーズは今季ここまで無得点だったが、0-3とリードされた後にコナー・ギャラガーとヤン・ポール・ファン・ヘッケのゴールでようやく今季初得点を記録した。ロベルト・デ・ゼルビ監督は「我々は前半良くプレーしたが、得点できず、あまりにも脆い」と嘆き、守備の修正を求めた。

この結果、ブライトンは勝ち点10で3位に浮上し、アーセナルは勝ち点12のまま2位に後退した。アーセナルの3点差敗戦は2023年5月のブライトン戦以来となる。トッテナムは勝ち点2のまま降格圏に留まり、3週間の国際試合期間を挟んでマンチェスター・ユナイテッド戦に臨む。アストン・ビラは今季初勝利を挙げ、勝ち点4で15位に浮上した。