The Morning Star Observer

2026年09月08日 火曜日夕刊 (Evening Edition)ArchiveAbout

フーシ派のサウジ攻撃で73人負傷、エネルギー施設の一部操業停止

イエメンのイラン系フーシ派によるサウジアラビア南部への攻撃で、少なくとも73人が負傷し、一部のエネルギー施設で操業が停止した。サウジ主導連合のスポークスマン、トゥルキ・アル=マリキ大佐はXへの声明で、アブハ、ハミス・ムシャイト、ジャザン、ナジュランの各都市の民生・経済施設が攻撃を受けたと発表した。サウジエネルギー省は、現場で火災が発生し、消火活動と被害評価が進められていると述べた。

フーシ派は7月にリヤドに対する海上封鎖を宣言して以来、サウジアラビアへの攻撃を続けており、紅海の船舶を標的にしてきた。今回の攻撃は、バブ・エル・マンデブ海峡の支配を巡るイエメン国内の戦闘激化と同時期に発生した。同海峡は紅海の南の入口にあたり、イランによるホルムズ海峡封鎖の影響で、サウジの原油輸出にとって重要性が増している。

アル=マリキ大佐は、今回の攻撃を「危険なエスカレーション」であり、王国の主権に対する「明白な違反」だと非難し、連合は「必要なあらゆる作戦措置」を講じると表明した。一方、フーシ派はサウジによるイエメン北部アル・ハズムの刑務所への空爆で7人が死亡したと非難しており、サウジ側はこれに反論していない。国連のイエメン担当特使ハンス・グルンドバーグは、全面戦争に発展する恐れがあるとして、戦闘停止を呼びかけた。

英政府、ヨルダン川西岸のユダヤ人入植地産品に貿易禁止措置を発表へ

英国政府は8日、イスラエル占領下のヨルダン川西岸にあるユダヤ人入植地で生産された商品に対する貿易禁止措置を発表する。エド・ミリバンド外相が同日、下院で声明を発表する見通しだ。アンディ・バーナム首相は7日、ドナルド・トランプ米大統領と電話会談し、中東における二国家解決の重要性を強調した。

この措置は、入植地との貿易を制限する新たな制裁制度の導入が柱となる。対象には農産物のほか、入植地建設に関与する企業も含まれる可能性がある。ミリバンド外相は先週、イスラエルがエルサレム東部の戦略的重要地域「E1」で約1200戸の入植住宅建設の入札を開始したことを受け、「赤線を越えた」と非難していた。E1計画はパレスチナ国家の存立を危うくするとして、国際社会から広く批判を集めている。

イスラエル側では、ベザレル・スモトリッチ財務相が英国大使の追放を要求し、「英国委任統治は終わった」と述べた。イタマル・ベン・グビル国家安保相はフォークランド諸島をめぐり英国に制裁を科すようネタニヤフ首相に求めた。米国ではランディ・ファイン下院議員が、英国企業をフロリダ州の事業から締め出すと警告している。英政府はこの措置を、イスラエル政策における包括的なリセットと位置付ける方針だ。

イラン、米国に「経済戦争」対抗へペルシャ湾の海上排他的経済水域を警告 新ミサイルで米艦艇威嚇

イランは火曜日、米国に対し「経済戦争」を仕掛けると警告し、米海軍艦艇に向けて改良型ミサイルを発射したと発表した。両国が再び攻撃を交わしてからわずか数日後の発言で、戦争がさらに激化するリスクを浮き彫りにした。

戦争開始から6か月が経過し、戦闘は小休止と断続的な再燃を繰り返している。米国は土曜日にイランの石油タンカー3隻を攻撃したと発表。イラン国営メディアは日曜日、米艦艇数隻に対する攻撃で「カセム・バシル」ミサイルを発射したと報じた。

イランが支援するフーシ派民兵は火曜日、サウジアラビアの複数の都市を攻撃し、73人が負傷した。サウジ主導連合の報道官が明らかにしたもので、外交的進展が停滞する中、紛争がより広範な地域戦争に拡大するリスクを示す新たな兆候となった。

イラン最高国家安全保障会議のモフセン・レザイー事務局長は日曜日の国営テレビで、新たな制限水域は米国のイラン封鎖が始まる地点から始まり、湾岸地域に広がると述べた。水域に入る船舶はイランの制裁リストに載せられるとした。

レザイー氏は火曜日、X(旧ツイッター)で経済的・軍事的な二重の脅威を再表明した。「ここ数日、ワシントンはイランの新ミサイルから明確な警告を受け取った。経済戦争には、ペルシャ湾から封鎖境界線に至る海上排他的経済水域で対抗する。米海軍艦艇と基地に対する作戦態勢は根本的に調整された」と述べた。

米軍は艦艇がミサイル攻撃を回避したと発表した。イランはホルムズ海峡を通過する石油タンカーを脅かし、米軍基地がある湾岸諸国を攻撃できるミサイル・無人機能力を維持している。

イランはカセム・バシルを、ミサイル防衛システムを回避できる機動性を向上させ、電子戦に有効な誘導システムを備えた改良型ミサイルとして宣伝している。ファルス通信は、2025年6月にイスラエルに対して初の実戦使用があったと報じた。

一方、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は、サウジアラビア、トルコ、パキスタンが先月署名した三カ国相互防衛協定「メッカ合意」にイランを含めるよう呼びかけた。モスクワ国際関係大学での講演で、湾岸安全保障体制へのイランの参加は地域安定に向けた重要な一歩になると述べた。

戦争前、世界の石油・液化天然ガス輸送の約5分の1がホルムズ海峡を通過していた。イランは湾岸諸国からの輸出を目指すタンカーを脅かすことでエネルギー価格に圧力をかけてきた。世論調査で米国内で不人気なこの戦争は、11月の議会中間選挙でドナルド・トランプ大統領の共和党にとってリスクを高めている。

トランプ大統領はソーシャルメディアで「イランとの戦争に勝てば、原油価格は急落する。1ガロン3ドル、最終的には2ドル以下になる。すべては迅速に起こり、イランは核兵器を持たないだろう」と述べた。しかし、2月に「エピック・フューリー作戦」を開始した際に掲げた目標、すなわちイランの核計画終了、近隣諸国への攻撃能力停止、イラン国民による指導部打倒の条件整備は、まだ達成されていない。

イランの聖職者支配層は依然として権力を保持し、戦争前より強くなって浮上することを目指している。制裁解除を要求し、最終的には海峡を利用する船舶から料金を徴収することを望んでいる。輸送データによると、過去10日間のホルムズ海峡の1日平均通過船舶数はわずか10隻で、5月以来の最低水準だった。

イラン議会のモハンマド・バゲル・ガリバフ議長は「我々の資産を攻撃すれば、攻撃される」と警告した。米国防長官ピート・ヘグセスがイランの石油タンカー艦隊を「無防備」と評したことへの応答で、ペルシャ湾全体の米石油・ガス会社と施設が同じ危険にさらされているとXに投稿した。

レバノン南部の町へのイスラエル空爆で月曜日、少なくとも12人が死亡した。レバノン保健省によると、ここ数週間で最も死者の多い爆撃の一日となった。イラン支援のヒズボラとの6月の停戦にもかかわらず、イスラエルの新たな軍事作戦への懸念が高まっている。テヘランはワシントンとの恒久的合意にはイスラエルのレバノン攻撃終了が含まれなければならないと主張している。

ネパール大洪水から9日ぶり生還、トンネル内の奇跡の救出劇と生存者の苦闘

ネパールのトリシュリ渓谷で8月26日に発生した氷河崩壊による大洪水は、1300人以上の死者と数千人の行方不明者を出した。その中で、水力発電所のトンネルに9日間閉じ込められた2人の男性が奇跡的に生還した。カビル・マハルジャンとサンジャイ・サーの2人は、泥水に浸かった暗闇の中で空気の残る空間に身を寄せ、救助を待ち続けた。

災害当日の朝、マハルジャンは妻に「トンネルに入る」と電話で伝えた。その約1時間後、上流のランタン・リルン山で氷河が崩壊し、高さ数メートルの水の壁が12の水力発電所を襲った。約900人の作業員が内部にいた。発電所の監視画面では、制御盤から次々と施設が消えていった。3A発電所では避難命令が出たが、逃げ遅れた作業員約30人が波にさらわれた。

救助隊は4つのアクセス経路のうち、傾斜した短いケーブルダクトトンネルに生存の可能性をかけた。そこはまさに2人が避難した場所で、出口まで160メートルの位置だった。救助活動は悪天候と泥に阻まれ、掘削開始まで3日を要した。6日かけてようやくトンネル入口に到達したが、呼びかけに応答はなかった。

10日目の早朝、重機オペレーターから「音が聞こえる」と連絡があった。救助隊が掘り進めると、泥の中から手が現れた。午前7時、兵士らが小さな穴を開けると、中から「私たちはここにいる」という言葉が聞こえた。2人は立つこともできない状態で救出され、病院に搬送された。マハルジャンは意識を取り戻した際、妻を認識できず「なぜもっと早くベッドを用意してくれなかったのか」と尋ねたという。

この救出劇は、依然としてトンネル内に閉じ込められているとされる121人の作業員の救出に希望を与えている。ネパール政府は高容量ドローンやDNA検査キットなど国際的な支援を要請しており、中国、インド、韓国などの専門家も救助活動に参加している。また、ロシア外務省は行方不明のロシア人12人の家族への支援を約束した。

政治 (Politics)

カナダ、対米報復関税を発効 貿易戦争が激化、イランはカナダの米国追従を批判

カナダは8日、米国製の鉄鋼や乳製品、家電など数百品目に対する報復関税を発効させた。税率は15%から50%までで、対象額は約276億カナダドル(約200億米ドル)に上る。これは8月22日に米国がカナダ製品に課した50%関税と「ドル単位で一致する」措置だと、オタワは説明している。

カナダのマーク・カーニー首相は、米国が「不公平な」合意を押し付けようとし、カナダを「子会社」化して産業を「破壊」するのが目的だと非難した。また、米国側がフランス語圏のメディアやバイリンガル表示の義務に条件を付けたことも交渉決裂の一因だと指摘した。交渉は8月21日に決裂して以来、再開のめどが立っていない。

トランプ米大統領は関税発効前日の7日、カナダの航空機メーカー、ボンバルディアについて「米国での販売を止める」とTruth Socialで脅した。同社は米国20以上の州で直接雇用を生み、約2800社の米国企業をサプライチェーンに抱えると反論した。またトランプ大統領はオンタリオ湖を「アメリカ湖」に改名する大統領令に署名し、カナダ国内で反発を招いた。

こうした中、イランの外務省報道官エスマーイール・バーゲイーは7日、カナダの外相と財務相がイランへの「圧力継続」を表明した共同声明を批判した。バーゲイー氏はX(旧ツイッター)で、カナダが「いじめっ子の隣人」である米国に追従していると非難し、ホルムズ海峡の再開支援や制裁継続といったカナダの姿勢は「戦略的混乱」であり「服従の表明」だと述べた。

経済面では、カナダは中小企業支援や失業保険拡充、輸出先多様化のための基金として75億カナダドルを拠出する。一方、米国側では輸入業者と消費者が関税負担の96%を吸収するとの試算もあり、両国経済への影響が懸念されている。カナダの対米輸出依存度は貿易戦争前の平均75%から66%に低下したが、依然として高い水準にある。

トランプ大統領、カナダのボンバルディアに米国内生産を要求 報復関税発動前に貿易摩擦激化

ドナルド・トランプ米大統領は7日、カナダの航空機メーカー、ボンバルディアに対し、米国市場で販売を続けるには米国内で生産するよう要求した。トランプ氏は自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」に「もうボンバルディアを米国で売るのは終わりだ!彼らの製品は十分に良くない!」と投稿し、カナダが米国の銀行や企業を締め出していると非難した。

この投稿は、カナダが米国製品に最大50%の報復関税を課す前日に行われた。カナダ財務省は8日午前0時1分(現地時間)から、鉄鋼・アルミニウム製品やチーズなどの乳製品を含む約200億ドル(約276億カナダドル)相当の米国製品に関税を課すと発表している。関税率は15%、25%、50%の3段階となる。

ボンバルディアは声明で、米国内に約2,800社のサプライヤー網を持ち、47州で数万人の雇用を支えていると反論した。同社は年間25億ドル以上を米国のサプライヤーに支出し、航空機には米国製エンジンやアビオニクスを使用していると主張した。また、インディアナ州フォートウェインに新施設を年内に開設する計画も明らかにした。

トランプ氏は1月にも、カナダが米国製ガルフストリーム機の認証を拒否しているとして、ボンバルディア機の認証取り消しと50%関税を警告していた。この時は実行されなかったが、カナダは翌月にガルフストリーム機を認証した。今回の警告が実行されるかは不明で、航空機の認証・取り消しはホワイトハウスではなく米連邦航空局(FAA)の管轄となる。

両国の貿易交渉は先月末に決裂し、カナダのマーク・カーニー首相は交渉停止を決定した。カーニー氏はトランプ政権の提示条件が最終的に受け入れられないものだったと述べ、米国側が他国との貿易協定に制限を課したと非難した。航空宇宙分野はこれまで関税戦争の影響を比較的受けずにきたが、今回のトランプ氏の投稿は摩擦の激化を示すものとなった。

ウクライナ検事総長辞任、国連新議長就任、メキシコと中国で汚職対策進む

国連では第81回総会の開幕を前に、アントニオ・グテーレス事務総長がバングラデシュのカリルール・ラフマン博士と会談した。ラフマンはアジア太平洋グループから選出された新議長である。一方、ウクライナではルスラン・クラフチェンコ検事総長が汚職スキャンダルに関連して辞任を表明した。メキシコのグエレロ州では国家警備隊の兵士エドゥアルド・ブストスが殺害され、生前に録画した動画で上司の汚職を告発していたことが明らかになった。中国ではバドミントン協会の新会長に張欣が就任し、前任の張軍が汚職で調査される中、腐敗との戦いを誓った。

国連では、第81回総会の開幕は火曜日に予定されており、グテーレス事務総長は月曜日にラフマンとニューヨークで会談した。選挙は6月2日に国連本部で行われ、規則30に従い、アジア太平洋グループから選出された。国連バングラデシュ事務所はラフマンに祝意を表した。ウクライナでは、クラフチェンコが9月7日に辞任を提出した。彼は自身のTelegramチャンネルで「これは政治的决定だ」と述べ、検事総長の職が政治的対立の道具になることを望まないと説明した。辞任はゼレンスキー大統領と議会に提出された。この辞任は、不正コールセンターを保護する汚職ネットワークをめぐる調査を受けてのものだ。ウクライナ国家汚職防止局(NABU)と専門汚職検察局(SAPO)は、検事総長室の高官が率いる犯罪組織が詐欺コールセンターを保護し、数百万フリヴニャを洗浄したと発表した。クラフチェンコは関与を否定し、辞任後もその立場は変わらないと述べた。また、ロシア内務省の指名手配リストに再掲載された。メキシコでは、ブストスの遺体が土曜日にフアン・R・エスクデロのコミュニティ、プラン・デ・リマで発見された。彼は国家警備隊に所属し、動画で上司のメディナらがロス・トラーコスと関係があると告発していた。動画は8分以上で、メディナとモントロがロス・トラーコスから週10万ペソ(約6000ドル)を受け取っていると述べた。また、チルパンシンゴの将軍らも週20万〜30万ペソを受け取っていると主張した。当局はロス・アルディロスの16人を逮捕し、武器や弾薬を押収した。中国では、張欣が火曜日に中国バドミントン協会の新会長に就任した。前任の張軍は4月に「重大な規律違反」で調査対象となった。張欣は「腐敗との戦いを断固として貫く」と述べ、人々に「腐敗することを恐れず、腐敗せず、腐敗を望まない」ように促した。また、副会長の夏煊澤も8月に調査対象となり、解任された。

これらの出来事は、世界各地で汚職対策が重要な課題となっていることを示している。ウクライナではEU統合に向けた汚職対策の重要性が増しており、クラフチェンコの辞任は政治的な決断として受け止められた。国連では新議長のリーダーシップが期待される。メキシコでは治安改善と汚職追及が求められ、中国ではスポーツ界の浄化が進む。

ソーシャルメディア規制をめぐる国際的な攻防、各国で政策が分かれる

ソーシャルメディアのアルゴリズムと未成年者保護をめぐり、各国で政策が動いている。オーストラリアはアルゴリズム推奨のオプトイン・オプトアウト方式を提案し、EUは年齢制限を検討、エストニアはプラットフォームの変更を主張する。一方、アルゼンチンでは未成年者の刑事責任年齢をめぐる政治対立が起きている。

オーストラリア連邦政府は、ソーシャルメディアのアルゴリズム推奨を利用者が選択できる「デジタル・デューティ・オブ・ケア」法案を発表した。通信大臣アニカ・ウェルズは、TikTokやInstagram、Facebookなどのプラットフォームが、利用者に推奨コンテンツを受け取るかどうかを通知で尋ねる仕組みだと説明した。違反には1億ドル以上の罰金が科される。16歳未満にはパーソナライズされたアルゴリズムと無限スクロールをオフにする。アルバニージー首相は「政府のコントロールではなく、人々にコントロールを与えるものだ」と述べた。野党のナショナルズ党首マット・カナバンは検閲の懸念を示したが、ウェルズは「誤情報を政府が監視するわけではない」と反論した。

マレーシアでは、Metaが48州と和解し、16歳未満のソーシャルメディア禁止が6月1日から施行された。しかし、年齢確認の仕組みが課題で、オーストラリアでは回避策が取られている。エストニアはEUに対し、禁止ではなくプラットフォームの変更を主張する。デジタル大臣リイサ・リ・パコスタは「子供は情報社会の一員であり、プラットフォームが変わるべきだ」と述べた。EUは9月16日に年齢制限を発表する予定だ。

スペインでは、セウタ危機をめぐり国民党(PP)が社会の動員を確認するが、得をするのはVoxかもしれないという懸念が広がる。世論調査ではVoxが上昇し、PPは政府を攻撃し続けるが、リスクも抱える。アルゼンチンでは、ブエノスアイレス州のハビエル・アロンソ安全保障相が、連邦政府のディエゴ・サンティジ内閣官房長官の批判に反論した。アロンソは「SNSで怒りを見せるのが唯一の仕事だ」と応酬し、未成年者の刑事責任年齢引き下げには新たな裁判所や施設が必要だと主張した。

これらの動きは、ソーシャルメディア企業への責任を強化する方向に進む一方、政治的な対立も生んでいる。特に未成年者保護をめぐる政策は、各国で異なるアプローチが見られ、今後の国際的な基準作りに影響を与える。

独ザクセン=アンハルト州で極右AfDが圧勝、メルツ政権に激震——欧州へ波及する右翼の波

ドイツ東部ザクセン=アンハルト州の州議会選挙で、極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が約44%の得票率を獲得し、歴史的な勝利を収めた。これによりAfDは同州で初めて政権を担う公算が大きくなり、メルツ政権にとっては就任以来最大の政治的危機となった。メルツ首相は「深く衝撃を受けた」と述べつつ、改革路線を維持する意向を表明した。

今回の結果は、欧州全体に広がる右翼ポピュリズムの勢いを象徴するものとなった。AfDはロシアのプーチン大統領に同情的な立場を取り、移民排斥と「再移住」を掲げる。州内では与党・キリスト教民主同盟(CDU)の支持が半減し、メルツ首相の不支持率は過去最高水準に達している。党内からは「首相交代」を求める声も浮上し、9月20日に迫るメクレンブルク=フォアポンメルン州とベルリン州の選挙でさらなる敗北が予想される。

AfDの勝利は、欧州各国の政治にも衝撃を与えた。ハンガリーのオルバン首相やイーロン・マスク氏が祝福する一方、フランスの国民連合(RN)は距離を置いた。ベルリンでは数千人がブランデンブルク門前に集まり、反AfDデモを実施。デモ参加者からは「民主主義が深刻な脅威にさらされている」との声が上がった。

AfDは州政権を獲得すれば、文化・教育政策で影響力を行使する構えだ。バウハウスを「反ドイツ的芸術」と批判し、伝統的なドイツ様式の建築を義務付ける「愛国的文化政策」を推進するとしている。この動きは、トランプ米大統領による古典主義建築の推進や、オルバン氏の文化政策と軌を一にするものだ。

メルツ首相は「ロシア指導部の目標は西側の価値体系の不安定化だ」と述べ、対ロシア強硬路線を維持する考えを示した。しかし、党内の不満はくすぶり続けており、メルツ氏が「より良い政治家になる」と約束したものの、具体的な打開策は示されていない。今後の州選挙の結果次第では、連立政権の行方も不透明となる。

北朝鮮とロシア、国境初の道路橋が開通 戦略的連携の深化示す

北朝鮮とロシアは8日、国境を跨ぐ初の道路橋を開通させた。両国はこれを戦略的パートナーシップ深化の重要な節目と位置づけた。橋は豆満江に架かる全長1キロメートルの2車線道路で、ロシアのミハイル・ミシュスチン首相と北朝鮮の朴泰成首相がビデオリンクで開通式に参加した。

橋は北朝鮮の羅先市とロシアのハサンを結ぶ。建設は2024年のプーチン大統領の北朝鮮訪問で合意され、昨年4月に着工。完成まで495日を要した。これまで両国には鉄道橋と航空路があったが、道路による直接の往来はなかった。1959年からは近くの鉄道橋に板を敷いて車両を通行させる特別措置が取られていた。

橋の名称は、1946年に金日成主席の暗殺未遂を救ったとされるソ連赤軍将校ヤコフ・ノヴィチェンコに因んで名付けられた。北朝鮮の国営朝鮮中央通信は、この橋が両国の経済協力のための重要インフラを強化し、多角的な協力を活性化させる「保証」になると報じた。

専門家は、この開通が北朝鮮に対する国際制裁の実効性低下を示すものだと指摘する。慶南大学極東研究所の林乙出教授は、この橋が「北朝鮮・中国・ロシアの大陸三国ブロック」形成の政治的・地政学的シグナルであり、北朝鮮の外交姿勢の変化を反映していると分析した。2019年のハノイ米朝首脳会談では制裁解除が北朝鮮の主要な交渉目標だったが、現在は中国とロシアが経済的・後方支援の後背地を提供しており、核計画の譲歩と引き換えに制裁解除を求める必要性が低下しているという。

ロシアにとっては、ウクライナ戦争が長期化する中で、北朝鮮からの物資・弾薬・人員輸送を可能にする直接の道路網を提供する。北朝鮮はウクライナ戦争でロシアに大量の武器・弾薬を供給し、部隊も派遣してきた。今後、道路輸送の拡大により貿易と物流の規模が段階的に拡大すると期待される。

ウクライナ停戦終了、キーウに爆撃 英は1億ポンドの防空支援を発表

ロシアによる3日間の停戦が終了し、8日早朝、キーウで一連の爆発が発生した。ウクライナ当局はミサイル攻撃を報告し、住民に避難を呼びかけた。キーウとボルィースピリ、ファスチウの各都市で建物が被弾した。キーウ軍政はテレグラムで「ポジルスキー地区でガレージと車両から出火した。脅威は続いている。避難を求める」と投稿した。

ウクライナのゼレンスキー大統領は、米国のウィトコフ、クシュナー両特使のモスクワとキーウ訪問に合わせて攻撃停止を発表し、プーチン大統領も特使らの移動を円滑にするため同様の発表を行った。しかし、停戦は終了し、一晩のドローンとミサイル攻撃で少なくとも2人が死亡、10人以上が負傷した。首都の5地区で被害が報告され、民間インフラ16か所が被弾した。ソロミャンスキー地区の5階建て住宅では住民が閉じ込められた。一方、ウクライナの攻撃でロシア・ブリャンスク州スタロドゥーブで1人が死亡した。

ウクライナの検事総長ルスラン・クラフチェンコ氏は、汚職捜査機関が事務所を捜索した数日後の月曜夜に辞任した。「これは政治的決断だ。そして意識的に下した」とテレグラムに投稿し、「検事総長の職を政治的対立の道具にしたくない」と述べた。当局は、詐欺コールセンターを保護するために賄賂を受け取り数百万ドルを洗浄した、検事総長室の高官が率いるネットワークを発見したと発表した。クラフチェンコ氏は関与を否定し、告発を「完全に根拠がない」と評した。

ポーランドのルブリン空港は、軍事作戦に関連した一時閉鎖後、運航を再開した。ポーランド空軍が隣国ウクライナへのロシアのミサイル攻撃を受けて予防的作戦を開始したため、一時的に欠航となった。軍はXで「空域の侵犯は記録されなかった」と述べた。

英国は8日、ウクライナ向け防空パッケージに1億ポンド(1億3500万ドル、1億1600万ユーロ)を拠出すると発表した。このパッケージにはパトリオット防空システムが含まれる。同システムはキーウの兵器庫でロシアのイスカンデルMとキンジャール弾道ミサイルに対抗できる唯一の兵器だが、弾薬が不足している。発表は、キーウに軍事支援を提供する約50か国で構成されるウクライナ防衛コンタクトグループ会合に先立って行われた。会合は英国防相ウェス・ストリーティングと独国防相ボリス・ピストリウスが共同議長を務める。

一方、フランスではエコロジスト候補マリーヌ・トンデリエ氏が、8月末にメデフ主催の討論会で「猛暑の1日は、我々の経済に半日のストライキと同じコストをもたらす」と主張した。この同等性はフランスには当てはまりにくいと指摘されている。

スペインではエストレマドゥーラ州の公式記念日に合わせて、同地域の伝統料理8品と特産品5点が紹介された。イベリコハムやヘルテのチェリー、カサルチーズ以外にも、カセレスとバダホス両県の美食にはあまり知られていない宝物が隠されている。コホンドンゴ、ミガス、ソロンゴジョ、レパパロス、コリアンダー入りひよこ豆、子羊のフリテなどが取り上げられた。

米国では共和党のブライアン・フィッツパトリック下院議員と民主党のマデリン・ディーン下院議員が、9月4日を「テコンドー達人感謝の日」と定めることを支持する下院決議案を提出した。決議文は、テコンドーとその達人が米国の多くの人々に身体的・精神的利益をもたらしていると指摘し、礼儀、誠実、忍耐、自制、不屈の精神というテコンドーの五訓を挙げている。また「達人」の称号は「最高位で最も経験豊かで最も尊敬される」実践者に与えられ、世界8000万人が実践していると記した。

パキスタンではSKBアカデミーで国防記念日の式典が開催された。生徒たちは愛国的な歌、タブロー、スピーチでパキスタン軍の殉教者と国家の英雄に敬意を表した。学校理事長ムシュタク・バローチ氏と副理事長アティフ・バローチ氏が国防記念日の重要性を語り、1965年9月6日の戦争でパキスタン軍が敵の企みを挫き国土を守ったと述べた。式典ではユスフ・バローチ氏がパキスタン陸軍少佐の制服を着て殉教者に敬意を表した。

ロシアのタス通信によると、プーチン大統領が米交渉団のウクライナ訪問に合わせて導入したキーウへの攻撃停止措置が失効した。ウィトコフ氏とクシュナー氏は9月5日にモスクワ、6日にキーウを訪問した。クレムリンのペスコフ報道官は、9月5日午前零時から3日間キーウへの攻撃を行わないよう最高司令官が命じたと説明した。プーチン大統領は、ウクライナ側が「ロシア領土、特にモスクワへの攻撃を大幅に減らした」と指摘し、「ウクライナ当局はより広範な3日間の停戦を呼びかけているが、我々は彼らと合意したことはない」と述べた。

ウクライナ戦線では停戦が終わり、再び激化の様相を呈している。英独主導の防衛支援会合が開かれるなか、西側の支援継続が今後の焦点となる。一方、フランスの気候と経済の関係、スペインの地域文化、米国のテコンドー記念日、パキスタンの国防記念日など、世界各地で多様な動きがあった。

シンド州教育大臣が教育と結束を訴え、世界の市場とテクノロジーが動く

シンド州教育大臣サイード・サルダール・アリ・シャーは、教育省のデータに関する誤った報道を訂正し、シンド州の政治的結束と教育の課題を切り離して論じるべきではないと訴えた。同氏は、シンド州の人々の感情を傷つけてはならないと強調し、教育の課題はシンド州だけの問題ではなく、パキスタン全体が直面する共通の課題であると述べた。

シャー氏は、2020年と2022年の洪水で数千校が被害を受け、約6000校の復旧が完了した一方、約1万4000校が依然として建物やインフラの問題を抱えていると説明した。また、シンド州政府が97,000人の教師を一括採用し、州史上初の教員免許制度を導入したことなど、前向きな成果も強調した。さらに、学校予算を185億ルピーから240億ルピーに増額したと述べた。

一方、世界の金融市場では、アルゼンチンのドル・ブルーが買い1525ペソ、売り1545ペソで取引され、公式ドルとの乖離率は3%となった。マレーシアのクアラルンプール証券取引所は下落して始まり、ビットコインはRM320,688、イーサリアムはRM10,060、ソラナはRM420で取引された。テクノロジー分野では、アップルが9月9日に新CEOジョン・ターナスの下でiPhone 18シリーズと初の折りたたみスマートフォン「iPhone Ultra」を発表するイベントを開催する予定だ。

これらの動きは、地域の政治的課題と世界経済・技術革新が同時に進行していることを示している。シンド州の教育問題は、連邦政府の支援を求める声として、今後のパキスタン政治に影響を与える可能性がある。

ザクセン=アンハルト州選挙でAfDが歴史的勝利、メルツ首相は政権運営の正念場に

2026年9月6日に行われたザクセン=アンハルト州議会選挙で、ドイツの右翼政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が得票率43.8%を獲得し、歴史的な勝利を収めた。同党の州首相候補ウルリヒ・ジークムント氏は「明確な政権委任だ」と宣言し、連邦レベルでの政権交代をも見据えた戦略を展開している。一方、与党CDUは得票率17.2%と前回2021年の37.1%から半減以下に落ち込み、州首相スヴェン・シュルツェ氏は敗北の責任を取る形で州党首退任を表明した。この結果を受け、フリードリヒ・メルツ首相は政権運営の正念場を迎えている。

AfDは2013年にユーロ懐疑派の抗議政党として設立され、その後、イスラム恐怖症と反移民を掲げる政党へと変貌した。今回の勝利は、第二次世界大戦後初めて、州支部が「右翼過激派」と分類される政党が州議会選挙で40%を超える得票を獲得した歴史的な出来事となった。AfDの連邦共同党首アリス・ヴァイデル氏は「これまでのどの首相よりもメルツ氏は不人気だ」と攻撃し、2029年の連邦議会選挙での政権奪取を予言した。

選挙結果は、旧東ドイツ地域における経済停滞と移民政策への不満が背景にある。ザクセン=アンハルト州は高齢化と人口流出に悩まされ、1人当たりGDPは全国平均を下回り、失業率は全国平均を上回る。2025年の州GDPは0.2%減少し、ドイツ全体の0.2%増加と対照的だった。AfDは移民への給付削減と「再移住」を掲げて経済立て直しを訴えたが、経済研究所は節約効果を約2億4300万ユーロと見積もる一方、熟練労働者の流出による中期的な経済損失は最大320万ユーロに達すると試算している。

州議会ではAfDが過半数にわずかに届かず、政権樹立にはサーラ・ヴァーゲンクネヒト氏率いるBSW(5.3%)の協力が不可欠となった。BSWは当初、超党派の州首相候補を擁立する構えを見せたが、最終的にはAfDへの閣外協力または棄権という形で決着する可能性が高い。CDUからAfDへの議員移籍も取り沙汰されたが、シュルツェ氏はこれを否定した。

この選挙結果は、ドイツ国内のみならず国際的にも大きな波紋を広げた。フランスの『フィガロ』紙は「欧州の伝統的右派・中道政党にとって痛烈な目覚めの鐘」と報じ、米国のCNNやドナルド・トランプ大統領も関心を示した。メルツ首相はロシアに対する強硬路線とウクライナ支援を「1ミリも後退しない」と強調し、政権の求心力維持に努めている。約2週間後に迫るメクレンブルク=フォアポンメルン州とベルリン市の選挙で、AfDの勢いが続くかどうかが今後の焦点となる。

ドイツ財政の悪循環と2027年予算案、マレーシアの予算提案、インドのクリケット選考騒動

ドイツでは、サクセン=アンハルト州選挙を経て、連邦議会が2027年度予算の審議を開始した。財務相ラルス・クリングバイルの財政計画は、所得税改革による再分配強化を目指す一方、経済成長への刺激不足が懸念されている。連立与党は歳出削減よりも新規借入に傾倒し、今後5年間で国債残高が1兆ユーロ増加する見通しだ。防衛費の増加は特別基金で賄われるが、交通予算は削減され、インフラ投資は不十分なままである。連邦会計検査院は持続可能な財政再建を認めず、金利負担の増大が新たな借入を招く悪循環を指摘している。

マレーシアでは、科学技術イノベーション省が2027年度予算案において、農村部やオフグリッド地域の生活向上に資する技術を優先する方針を示した。同省のチャン・リ・カン大臣は、宇宙開発よりも実用的な技術を重視すると述べた。2027年度予算は10月9日にアンワル・イブラヒム首相兼財務相が議会に提出する予定である。また、政府は小規模農家向けの油ヤシ再植林融資制度に2億8003万リンギットを提案し、農産物分野の生産性向上と零細農家の所得増加を図る。

インドでは、クリケットのダリープ・トロフィー決勝で南ゾーンが東ゾーンに708点を許す大敗を喫する中、カルナータカ州出身のカラン・ネールが代表選から外されたことへの不満が再燃した。ネールは自身の選外を「説明不能」と評し、ソーシャルメディアで皮肉を込めた反応を示した。南ゾーンは戦術的判断として左打者を優先したが、その選択が裏目に出た形となり、チームはイシャン・キシャンの270点を許す苦戦を強いられた。

社会 (Society)

エッフェル塔、ヒンドゥー教団体訪問時の女性職員排除に抗議し一時閉鎖

パリのエッフェル塔が8日、ヒンドゥー教団体の訪問中に女性職員が職場から外されたことに抗議する職員らのストライキにより、一時閉鎖された。塔を運営するSETE社は、団体側が「女性との交流」を制限する形での訪問を要請したと認め、「この条件は受け入れるべきではなかった」と陳謝した。

閉鎖の原因となったのは、ボチャサンワシ・アクシャル・プルショッタム・スワミナラヤン・サンスタ(BAPS)の訪問だ。約100人の団体が先週末にパリ郊外でフランス初の主要寺院を奉献した直後、土曜日に塔を訪れていた。職員組合代表のダイアン・ダヴォワーヌ氏は、代表団到着時に女性職員らが持ち場を離れるよう指示されたと説明した。職員らは声明で「女性従業員が性別を理由に脇に追いやられ、交代させられ、不可視化された」と非難した。

パリ市長のエマニュエル・グレゴワール氏はこの事態を「受け入れがたい」と述べ、調査を開始すると表明した。国民議会議長のヤエル・ブラウン=ピヴェ氏も「女性が外国からの訪問者の要求に応じて脇に退くことを私は受け入れない」と批判した。BAPS側は、訪問は塔のチームと事前に調整され、誰も入場を拒否されなかったと説明しつつ、傷ついたり不便を被った人々に謝罪した。

エッフェル塔は年間約700万人が訪れる観光名所で、ストライキにより終日閉鎖されたが、9日には再開される見通しだ。この騒動は、フランスの政界からも批判を集め、共和国の価値観と男女平等の原則をめぐる議論を喚起した。

スポーツ (Sports)

クリケット・オーストラリア、ビッグ・バッシュへの民間投資導入で合意

クリケット・オーストラリア(CA)は、ビッグ・バッシュ・リーグへの民間投資導入で合意した。まずはメルボルン・レネゲイズの売却から着手する。

CA理事会は火曜日にこの決定を発表した。レネゲイズの売却プロセスは、フランチャイズT20リーグへの民間投資導入の第一歩となる。

CAは、レネゲイズが2027/28シーズンから新オーナーシップの下でプレーすることを期待している。CAは火曜日の声明で、レネゲイズ売却の成功次第で、「各州メンバーが自らのクラブとコミュニティにとって最適な道筋を評価できる自己決定モデルの下で、他のクラブを市場に出すことを検討する」と述べた。