アルゼンチンのハビエル・ミレイ大統領は4日夜、全国向けテレビ演説でフォークランド諸島(アルゼンチン呼称マルビナス諸島)の領有権を改めて主張し、同諸島周辺で石油採掘を行う企業に対する制裁強化を発表した。ミレイ大統領は、米国のドナルド・トランプ大統領がこの紛争に関する米国の伝統的な中立姿勢を再検討する可能性に言及したことを受け、「世界には我々の主張に有利な変化の風が吹いている」と述べた。
演説でミレイ大統領は、英国のロックホッパー・エクスプロレーションとイスラエルのナビタス・ペトロリアムが進めるシーライオン石油プロジェクトを「明確かつ差し迫った危険」と表現し、承認されていない操業に関与する企業への制裁を可能にする緊急政令を発表した。また、ティエラ・デル・フエゴ州に統合海軍基地を建設するための国防予算増額も盛り込まれた。これに対し英国は、国防大臣ウェス・ストリーティングが「フォークランド諸島は英国領であり、島民が英国であり続けることを選んだからだ」と反論し、同諸島へのコミットメントは「絶対的で揺るがない」と強調した。
ミレイ大統領は英誌『エコノミスト』のインタビューで、香港返還の前例を挙げ、「長期的には島々を回復できる」と述べ、英国との「合意による解決」を模索する姿勢を示した。一方、アルゼンチン国内では、支持率低下に直面するミレイ大統領のこの動きを選挙戦略と見る野党からの批判も出ている。英国政府は、島民の自決権が天然資源の開発権も含むと強調し、今後も島民の意思を尊重する立場を崩さない構えだ。