The Morning Star Observer

2026年09月03日 木曜日朝刊 (Morning Edition)ArchiveAbout

米軍のイラン空爆で結婚式参列者ら18人死亡、イランが中東の米基地に報復攻撃

米軍は2日、イラン南部のホルムズ海峡沿岸地域に対して大規模な空爆を実施した。イラン保健相ザファルガンディーは、この攻撃で18人が死亡、108人が負傷したと発表した。犠牲者には、シリク県クヘスタクで開かれていた結婚式の参列者も含まれ、4歳の幼児を含む少なくとも4人が死亡、68人以上が負傷した。イラン赤新月社は国際刑事裁判所(ICC)に調査を求める書簡を送付した。

イラン・イスラム革命防衛隊(IRGC)は報復として、ヨルダン、アラブ首長国連邦(UAE)、クウェート、バーレーン、イラクのクルド自治区にある米軍基地に対し、ミサイルと無人機による同時攻撃を実施したと発表した。クウェートでは首都の住宅街にイランの無人機が着弾し火災が発生したが、死傷者は出なかった。バーレーンとヨルダンでは迎撃が行われた。イラン軍は、米軍の誘導で「違法ルート」を航行していたタンカー2隻が機雷に接触して炎上したと発表した。

米中央軍(CENTCOM)のホーキンズ報道官は「米軍はIRGCと異なり、民間人を標的にすることはない」と述べ、結婚式への直撃をめぐるイラン側の主張に直接言及しなかった。トランプ大統領は、イランが報復すれば「さらに強力で高い水準の攻撃」を加えると警告し、「イラン・イスラム共和国にはほとんど何も残らないだろう」と述べた。

今回の応酬は、2月末に始まった米イスラエルによるイラン攻撃と、それに続くホルムズ海峡封鎖をめぐる紛争の新たな激化局面だ。イランは世界の石油輸送の5分の1が通過する同海峡をほぼ封鎖しており、原油価格はブレントで1バレル95ドル台まで上昇した。イランの通貨リアルは対ドルで220万リアルと過去最安値を更新した。

イランのガリバフ最高交渉官は米国を「悪魔」と非難し、「悪魔のように行動し、悪魔のように標的を選び、悪魔のように殺すなら、それは悪魔だ」とXに投稿した。イランのペゼシュキアン大統領は、戦争終結を目指す合意に戻るための米国のいかなる動きにも応じる用意があると表明した。一方、パキスタンは仲介役として引き続き米イラン両国を交渉のテーブルに戻す努力を続けると表明した。中東全域で緊張が高まる中、イスラエルはユダヤ教の祝祭期間中にイランから攻撃を受ける可能性に備えていると国防相が述べた。

ネパール、中国国境の早期警報システム再建へ―氷河決壊による洪水で死者1,100人超、気候変動への補償要求も

8月26日にネパールと中国国境で発生した氷河決壊による大規模な洪水で、死者が1,100人を超え、行方不明者は約4,000人に上っている。ネパール政府は、中国国境の一部区間に地震センサーやカメラ、衛星リンクを備えた早期警報システムを再建する計画だ。関係筋によると、同システムはチムレ(ティムレ)に設置され、氷河決壊に伴う地滑りを監視する。

今回の災害では、ネパール側で少なくとも1,127人が死亡し、4,850人が行方不明となっている。ネパール警察の発表によれば、これまでに6,541人が救助され、約1,113体の検死と身元確認が完了した。一方、身元不明の遺体が多数を占め、家族らはDNA鑑定を待ちながら、遺体なき葬儀で魂を解放する儀式を行っている。

ネパール政府は、気候変動がこの災害の一因であると強調し、国際社会への対応を求めている。外相のシシル・カナル氏は、ネパールの温室効果ガス排出量は「事実上無視できるほど」だが、気候変動の影響を不釣り合いに受けていると指摘。中国、米国、インドといった主要排出国に対し「補償」を求める姿勢を示した。これは「慈善」ではなく「法的・道義的責任」の問題だと述べている。

各国の支援も広がっている。インドは救援物資と専門チームを派遣し、中国は衛星データや水文情報を共有。韓国は44人の災害救助チームを送り、行方不明の韓国人9人の捜索を続ける。シンガポールも警察と法医学の専門家33人を派遣した。一方、米国は当初50万ドルの拠出を発表し、後に360万ドルに増額したが、専門家からは「哀れな額」と批判の声も上がった。

復旧には巨額の費用が必要と見込まれ、国連は建物被害だけで1億5,800万ドルと試算。ネパール政府は復興に数十億ドルかかると警告している。首相のバレンドラ・シャー氏は、この災害を「ヒマラヤ地域が直面する気候リスクの深刻な兆候」と位置づけ、国際社会に「強く訴える」と述べた。早期警報システムの強化と、中国とのデータ共有の深化が今後の課題となる。

米政権、中間選挙前にイラン戦争の「静観」戦略 経済圧力で譲歩引き出しへ

トランプ大統領の側近たちは、11月の中間選挙を前にイラン戦争の拡大を抑え込み、共和党の議席喪失を食い止めようとしている。事情に詳しい4人の関係者によると、ホワイトハウスは11月3日の投票後に軍事行動を強化することを検討しているが、全面衝突への回帰は確実ではない。当面はイランへの経済圧力を強め、数カ月に及ぶ軍事行動が獲得できなかった譲歩を将来の交渉で引き出す方針だ。

ホワイトハウス高官は「イランへの圧力は続けている。しかし11月が優先事項だ」と述べた。戦争をほぼ封じ込めた状態に保てば、トランプ氏の共和党が上院と下院で僅差の多数派を守る選挙戦を戦う際に、不人気な紛争がニュースを支配するのを防げるという。8月下旬のロイター/イプソス調査では、戦争を支持する米国人は31%にとどまり、63%が不支持を表明。有権者は特にガソリン価格の高騰に不満を抱いている。

戦術的な一時停止は、大幅に消耗した弾薬備蓄を補充する猶予を米軍に与える効果もある。しかし、この「静観」戦略は日々難しさを増している。紛争は春や夏のピーク時ほど激しくないものの、両陣営はここ数日、応酬を繰り返している。週末には米軍が約1カ月の小康状態を経てイランのララク島のロケットランチャーを攻撃。イランはヨルダンとアラブ首長国連邦に向けてミサイルを発射した。火曜日には米軍がホルムズ海峡周辺のイラン目標を再び攻撃した。

アナリストらは、ホルムズ海峡の交通を数カ月にわたり混乱させ、国内の不満もほとんどないイラン指導部が、米軍や湾岸同盟国の基地、艦船、エネルギー施設などへの攻撃を少なくとも断続的に続ける可能性が高いと指摘する。米国は報復の圧力に直面し、政権の意向にかかわらず全面空戦に戻る可能性がある。

トランプ大統領自身も変数だ。紛争開始以降、支持率は40%から33%に低下した。現在は拡大に乗り気ではないが、気まぐれで知られ、状況次第で方針を変え得る。トランプ氏は火曜日、イランが最新の米軍攻撃に報復すれば「より厳しく、より高い水準で」再攻撃すると警告した。

政権はここ数週間、経済的孤立キャンペーンを強化している。イランと貿易する国に大規模制裁を科すと脅しつつ、ホルムズ海峡の封鎖を維持する戦略だ。しかし、この戦略にも限界がある。イランは数十年にわたり米国と国際社会の制裁下で経済が打撃を受けてきたが、指導部は屈していない。ベッセント財務長官は日曜日、圧力キャンペーンがイランの軍事的反撃を招く可能性があると述べた。中国など一部の大国はワシントンのイラン孤立化の試みに加わっておらず、効果が疑問視されている。

大西洋評議会のアレックス・プリツァス上級研究員は「新政権は軍事行動に戻るより経済圧力の方が良いと判断した。新制裁パッケージの目的は、封鎖による圧力に上乗せしてイランを交渉のテーブルに戻すことだ」と述べた。その上で「イランは懸念しているが、中国は協力する意向を示しておらず、効果が疑問視される」と指摘した。

湾岸同盟国は、7月下旬の攻撃ラウンド後にホワイトハウスに事態沈静化を強く求めた。現在、副大統領のJD・ヴァンス氏と国務長官のマルコ・ルビオ氏が、11月までイラン紛争を比較的「静かに」保つ案を支持する高官に含まれるという。この戦略は、中間選挙という政治日程と兵站上の制約に挟まれた政権の苦しい立場を浮き彫りにしている。

ライプツィヒ空港ドローン攻撃、独がロシア関与を断定——EUは新制裁で結束を強調

ドイツ政府は9月1日、8月4日にライプツィヒ/ハレ空港で発生した爆発物搭載ドローンによる攻撃未遂について、ロシアの関与を公式に断定した。連邦内相アレクサンダー・ドブリントと外相ヨハン・ヴァーデフルは、警察の捜査結果と諜報機関の分析がロシアの責任を裏付けると発表。報復措置として、ボンのロシア総領事館閉鎖とベルリンのロシア・ハウス文化センターの契約終了を通告した。さらにロシアの「影の艦隊」への圧力強化と、EU制裁リストへの新規追加を提案する方針を示した。

これに対しロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、ドイツの制裁措置を「重大な誤り」と評し、証拠は「仕込まれたものだ」と反論。ロシア外務省はドイツ大使を召喚して対抗した。EUの外交政策責任者カヤ・カラスは、この攻撃が「国家支援テロリズムの特徴をすべて備えている」と述べ、ロシア軍事複合体に関連する1600の個人・組織に対する新たな制裁リストを準備中であると明らかにした。フランスなど複数のEU加盟国もロシア大使を召喚し、ドイツへの連帯を表明した。

一方、ドイツ国内では反応が分かれた。BSW創設者ザーラ・ワーゲンクネヒトは「被害を出さなかったドローン1機のために危険なエスカレーションを煽るのは誤りだ」と批判し、メルツ首相がドイツを戦争に近づけていると非難した。AfDのザクセン=アンハルト州首相候補ウルリヒ・ジークムントも、制裁よりも外交を優先すべきだと主張した。これに対し緑の党のコンスタンティン・フォン・ノッツは、ロシアの「第五列」が議会で活動していると指摘し、反ロシア措置を歓迎した。

NATOのマルク・ルッテ事務総長は、ドイツへの「全面的な連帯」を表明。欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は、ライプツィヒの事件が「EU領土における新たなエスカレーション」だとし、ロシアの無謀さへの対応を強化すると約束した。EU外相会合では、凍結されたロシア中央銀行資産の活用や、ロシア元軍人のEU入国禁止なども議論された。ウクライナのアンドリー・シビハ外相は、防空ミサイルの追加供与への期待を示した。

この一連の動きは、ロシアのハイブリッド戦争に対する欧州の対応が新たな段階に入ったことを示す。ドイツ政府はメルツ首相が自ら発表せず、内相と外相に第一報を委ねたことで、今後のさらなるエスカレーションに備えた外交的余地を残した。ロシアが影の艦隊への圧力強化や凍結資産の活用にどう応じるかが、今後の焦点となる。

政治 (Politics)

トランプ氏、ホルムズ海峡を「トランプ海峡」に改名提案 米イラン対立激化のなかで

米大統領ドナルド・トランプ氏は9月2日、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」で、ホルムズ海峡を「トランプ海峡」に改名することを提案した。「今や米国の支配下にある。ホルムズ海峡をトランプ海峡に改名すべきではないか。アメリカそのもののように、かつてなく『熱い』ものになるだろう」と述べた。同海峡は世界の石油の約5分の1が通過する重要航路であり、2月末に始まった米イスラエルとイランの戦争以降、イランのミサイルや無人機攻撃、機雷敷設によって事実上閉鎖されている。

トランプ氏はこれまでも、2025年1月にメキシコ湾を「アメリカ湾」に、先週にはカナダとの貿易戦争のなかでオンタリオ湖を「レイク・アメリカ」に改名する大統領令に署名した。メキシコとカナダはいずれも改名を受け入れていない。ホルムズ海峡の支配をめぐっては、米中央軍が8月末に支配確立を宣言した一方、イランは自国の航路を外れた船舶への攻撃を続けており、支配権は依然として争われている。

一方、サウジアラビアの国営海運会社バハリは、8月31日にホルムズ海峡を航行中だった同社所有の超大型タンカー「シドル」が攻撃を受け、フィリピン人船員2人が死亡したと発表した。サウジ外務省はイランによる攻撃を非難し、緊張緩和と国際海事の安全確保を求めた。イラン革命防衛隊は、米軍の勧めで「非正規ルート」を航行していたタンカー2隻が機雷に触れて炎上したと主張した。米エネルギー省のクリス・ライト長官は、9月1日に同海峡を通過した原油が1700万バレルに達し、戦争開始以来の記録となったと明らかにした。

こうしたなか、バングラデシュのホマイウン・コビル外務担当国務大臣は、ホルムズ海峡の再開は単独の当事者の決定に依存しないと述べ、対話による緊張緩和を呼びかけた。イラン駐バングラデシュ大使は、米国の攻撃と封鎖がエネルギー供給の困難の原因だとし、イラン側には問題がないと強調した。中東には約800万人のバングラデシュ系労働者がおり、その安全確保が最優先課題だとコビル氏は述べた。

さらに、シリアはホルムズ海峡を迂回する陸上輸送路としての役割を売り込んでいる。トランプ政権は7月、イラク南部のバスラからシリアのバニヤス港まで原油を輸送する新パイプライン計画を支持すると発表した。全長1600キロ、57億ドルのこの計画は、完成までに2年半以上かかる見込みだ。戦争が長期化し、ホルムズ海峡の封鎖が世界のエネルギー供給に与える影響が深刻化するなか、改名提案は米国の支配を誇示する政治パフォーマンスであると同時に、現実の地政学的緊張を反映したものとなっている。

イスラエル、ガザ住民移住計画を米国承認待ちに ネタニヤフ首相は60%支配を強調

イスラエルのイスラエル・カッツ国防相は2日、ガザ地区のパレスチナ住民を移住させる計画を準備済みであると述べ、米国が受け入れ先を決定すれば「海路、空路、あらゆる手段」で移送を実施すると表明した。カッツ氏はイスラエルメディアYnetとイェディオト・アハロノト紙が主催した会議で「最終的にこの移住なしにはガザの真の解決策はない」と主張し、住民の80%が移住を望んでいるとの見方を示した。一方、ベンヤミン・ネタニヤフ首相は同日、ガザを訪問し、イスラエル軍が支配する地域からの撤退を否定した。

カッツ氏は、米国のドナルド・トランプ大統領がこの構想を撤回したのではなく、アラブ諸国の反発を受けて「凍結」しただけだと説明した。同氏は「ハマスが義務を果たさないことが明確になれば承認が得られる」と述べ、米国の後ろ盾が不可欠だと強調した。トランプ大統領は第2期政権発足当初、ガザの約200万人の住民を移住させ、地中海沿岸を高級リゾート地として開発する構想を打ち出していたが、ガザに国境を接するエジプトなどが強く反発していた。

ネタニヤフ首相はガザ訪問中、イスラエル軍兵士らと会合し「我々はこの地域を支配している。撤退しない。この線に留まる」と述べた。同首相はイスラエル軍がガザの60%を支配しているとし、ハマスの武装解除とガザの非武装化まで戦闘を継続する意向を示した。イスラエル軍参謀総長のエヤル・ザミール中将も同行した。イスラエルは今週、ガザ市での地上作戦でハマス内務治安責任者を拘束したと発表している。

一方、中国の習近平国家主席とエジプトのアブデルファッターフ・アル=シシ大統領はカイロで会談し、パレスチナ人の強制移住に反対し、東エルサレムを首都とする1967年境界線に基づく独立パレスチナ国家の樹立を求める共同声明を発表した。両首脳はガザでの包括的停戦と、パレスチナ自治政府のガザ復帰を支持した。イスラエルは2025年10月の停戦合意後も空爆を継続しており、ガザ保健省によれば今年に入り900人以上が死亡、停戦後の累計死者は1300人を超えた。国連はこれらの統計を信頼できると評価している。

イスラエル国内では、10月の総選挙を前に政治闘争も激化している。イタマル・ベン・グビル国家安全相は、痩せ細ったパレスチナ人収容者を描いたAI生成動画を公開し、刑務所環境の厳格化を支持層に訴えた。また、イスラエルはパレスチナ人活動家とのつながりや西岸訪問を理由に、米国人旅行者の入国拒否を増やしており、8月にはパレスチナ・コメディ・フェスティバルに出演予定だった米国人らが入国を拒否される事例も発生した。ガザの停戦は名ばかりで、市民が引き続き犠牲になっているとの指摘が国際社会から上がっている。

米空母エイブラハム・リンカーン、270日ぶりにタイへ寄港 5,000人の乗組員が休息

米海軍の原子力空母エイブラハム・リンカーンが9月2日、タイ東部のラエムチャバン港に入港した。約5,000人の乗組員は、中東での長期任務を終え、約9か月ぶりの上陸休暇をパタヤで過ごす。パタヤは性的観光の中心地として知られ、地元経済の活性化が期待される一方、乗組員には一部エリアの立ち入り制限などが課された。

同空母は昨年11月にサンディエゴを出港し、米国とイスラエルによるイランとの戦争に参加。海上での連続日数は286日に達し、現代の記録となった。艦内では食料不足や水質汚染、配管の故障、乗組員の精神状態悪化などが報告され、米国内で議論を呼んだ。艦長のダン・キーラー大佐は、本国での報道と艦内の実態に「断絶がある」と述べ、生鮮食品の不足や石鹸・歯磨き粉の配給管理を認めた。一方、自殺未遂の報告については調査中として明言を避けた。

パタヤ市長ポラメット・ナンピチェット氏は、日没後にソイ6地区とその周辺を乗組員の立ち入り禁止とすると発表した。また、水上スキーやパラセーリングなどのウォータースポーツ、薬局への入場も制限される。タイで市販されている薬が米国では処方箋が必要な場合があるためだ。さらに、タイでは合法の大麻も禁止対象となった。米国大使館の海軍武官クリストファー・ロビンソン氏は、パタヤが選ばれた理由として、米国人のみならず世界中の観光客を迎えてきた歴史を挙げた。

乗組員の家族も再会を待つ。ニュージャージー州から駆けつけたシャキーラ・フェアファックスさんは、25歳の誕生日を艦上で迎えた娘ジャダさんとの対面を翌日に控え、「誰を迎え入れるのか分からない」と語った。空母は日曜日にサンディエゴへ向け出発する予定で、パタヤの商店や飲食店は約5日間の滞在による経済効果に期待を寄せている。

ゼレンスキー氏、ロシア領空の「事実上の閉鎖」を警告 プーチン氏は「国家テロ」と反論

ウクライナのゼレンスキー大統領は9月1日の夜の演説で、ロシア領空を利用する全ての航空会社と保険会社に対し、ウクライナの無人機の存在によりロシアの空が「完全に危険なものになりつつある」と警告した。同氏は、ウクライナは民間航空そのものを脅かすものではないとしつつも、「ロシアの空には無人機が存在し、それに注意を払う必要がある」と述べ、ロシア当局が適切に発表していないものの、ロシア領空は事実上閉鎖されつつあると強調した。この警告を受け、ロシアのプーチン大統領は、ゼレンスキー氏の発言を「国家テロリズムの宣言」だと非難し、「テロリストとは交渉しない」と述べた。

ウクライナのシビハ外相は9月2日、国際民間航空機関(ICAO)に対し、ロシア領空が「安全ではない」と正式に通知したと明らかにした。欧米の航空会社は戦争開始以来ロシア領空を避けている一方、中国、トルコ、アラブ首長国連邦など湾岸諸国の航空会社は引き続きこの空域を利用している。ロシアのニキーチン運輸相は、航空の安全と空港の保安要件を絶えず改善しており、「民間航空に重大な混乱を許さない」と述べた。

実際、ロシアの主要空港では混乱が生じている。フライトレーダー24のデータによると、モスクワのシェレメーチエヴォ国際空港では21便の欠航と235便の遅延、ヴヌーコヴォ空港では22便の欠航と94便の遅延が発生した。トルコのペガサス航空はロシア発着の12便を欠航させた。航空リスク分析会社オスプレイ・フライト・ソリューションズは、ウクライナの無人機とミサイルの攻撃の大半は国境から300キロ圏内で発生する可能性が高いものの、2026年末までモスクワやサンクトペテルブルク近郊を含むロシア奥地への毎日の攻撃が続く可能性が高いと分析している。同社は、紛争地域では誤算や誤認の可能性が高く、ロシアの防空システムが無人機を迎撃する際に民間機が巻き込まれるリスクを指摘した。

この状況は、ロシアの戦争遂行能力と経済に影響を及ぼす。ロシア領空の閉鎖は、中国やトルコなどの中継地点としての優位性を変え、航空会社の競争環境を大きく変える可能性がある。また、ロシアにとって航空路線は、戦争の影響を抑え正常性を維持しているという政治的・経済的なシンボルであり、その停止は新たな危機の兆候となる。プーチン大統領はウクライナのエネルギー施設への大規模な攻撃を命じ、ゼレンスキー氏の警告に強く反発しており、両国の緊張はさらに高まっている。

イラン、米軍への報復攻撃継続を表明 中東情勢は再び緊迫化

イランは水曜日、一晩の米軍攻撃に対する報復として、米軍への軍事作戦を継続する方針を表明した。イランの半公式メフル通信が伝えた声明で、イラン軍の最高統合司令部であるハタム・アル=アンビヤ中央司令部は、イランとその国民への米軍攻撃に対し、地域の米軍基地を「力強く攻撃し破壊した」と応じたと述べた。

同司令部のイブラヒム・ゾルファガリ報道官は「この作戦は、米国人が自分たちの罪を悔いるまで、彼らへの教訓として継続される」と述べ、米国に協力する地域のどの国も結果に直面することになると警告した。

イラン・イスラム革命防衛隊(IRGC)は水曜未明、ヨルダン、バーレーン、クウェートの米軍資産と米軍要員が駐留する基地に対し、一連の無人機とミサイル攻撃を実施したと発表した。3カ国はいずれも、イランから自国領土に向けて発射された無人機とミサイルの一部を防空網で迎撃したと述べた。クウェートの消防当局は水曜日、イランの無人機がクウェート市の住宅街で火災を引き起こしたと発表した。死傷者はなく、火災は鎮火した。

IRGCはまた、イラクのクルド人自治区の首都アルビルの米軍基地で、米国の監視気球管制システムを破壊したと発表した。さらにアラブ首長国連邦(UAE)のアル・ダフラ空軍基地とアル・ミンハド空軍基地を攻撃したと主張した。UAEはこの主張についてまだコメントしていない。

一方、2月末の米国との戦争開始以来、事実上の封鎖が敷かれているホルムズ海峡では、水曜日に主要航路で機雷に触れた石油タンカー2隻が爆発した。IRGCは、米国の管理下にあった船舶が「違法な航路」を横断しようとした際に機雷に触れて爆発し、停止を余儀なくされたと述べた。

これらの攻撃は、米軍が火曜日、ホルムズ海峡の商船への新たな攻撃と、今週初めのヨルダンの米軍基地への弾道ミサイル攻撃に応えて、イラン南部のIRGC拠点を爆撃した直後に行われた。イラン当局者によると、攻撃で少なくとも18人が死亡し、少なくとも50人が負傷した。

外交努力は停滞している。米国は日曜日、1か月間の戦闘中断を経てイラン本土への攻撃を再開した。パキスタンとカタールの仲介で6月17日に米国とイランの間で覚書が署名されたが、ホルムズ海峡での商船への攻撃は続いている。トランプ米大統領は水曜早朝、攻撃を通じてイランを交渉のテーブルに戻そうとしているわけではないと述べた。

パキスタン外務省のタヒル・アンドラビ報道官は水曜日、イスラマバードが恒久的停戦に向けた交渉再開のため、米国とイランの両方と関与を続けていると述べた。パキスタンのアシム・ムニール陸軍参謀総長は先週イランを訪問した。カタール外務省は、アラブ・湾岸諸国へのイラン攻撃を非難し、地域の安全保障と安定の回復を目指す外交努力を脱線させる恐れがあると述べた。

経済 (Economy)

ウーバー、世界従業員の約10%にあたる3300人を削減 組織簡素化と自動運転投資に軸足

ウーバー・テクノロジーズは2日、世界の従業員の約10%にあたる約3300人を削減すると発表した。パンデミック以降では最大規模の人員整理となる。最高経営責任者(CEO)のダラ・コスロシャヒ氏が従業員宛ての社内メモで明らかにしたもので、経営層の削減と組織の簡素化を狙う。

削減により、同社の管理職数は20%減となる。CEOから7階層以上下に位置する従業員数も20%削減し、1〜2人しか部下を持たない「マイクロチーム」はほぼ半減する。対象となった従業員にはすでに通知済みだが、現地の労働規則により手続きに時間がかかる国もある。

コスロシャヒ氏は社内メモで「この5年以上でウーバーは桁違いに成長し、売上高はほぼ3倍になった。しかしその成長は複雑さももたらした。より多くの階層、より多くの調整、より断片化された所有権、そして小規模な事業には意味があったが現在の規模では役に立たない構造だ」と述べた。

再編では、レストラン、小売、直販を担当していた3つの配送部門を統合する。技術部門ではコアサービス工学と科学のチームを統合する。また、リモート勤務は全従業員の約1%に限定し、週3日の出社義務を継続する。

人員削減で生み出されるコスト削減額は、年間最大20億ドルに達するとの見方がある。削減分は成長とイノベーションへの再投資に充てる。ウーバーは今後数年間でロボタクシー分野に100億ドル以上を投じる方針で、アヴライド、ルーシッド・グループ、ニューロ、リビアン・オートモーティブなどへの出資を進めている。

ウーバーの株価は発表後に約2%上昇した。ただし年初来では約8%下落しており、S&P500種株価指数を下回る展開が続いている。ウェイモなど競合の台頭により、北米市場での優位性が損なわれるとの懸念が背景にある。

同社は2025年末時点で約3万4000人の従業員を抱えていた。今回の削減後は3万人を下回り、2021年時点の水準に戻る。パンデミック下の2020年5月には約6700人を削減しており、今回の人員整理はそれ以来最大となる。

米連邦判事、グーグルの広告事業分割を却下 是正命令のみでAlphabetに勝利

米連邦地方裁判所のレオニー・ブリンケマ判事は2日、グーグルのデジタル広告事業をめぐり、司法省が求めていた広告取引プラットフォーム「AdX」の強制売却を退けた。判事は代わりに、広告技術市場におけるグーグルの行動を是正する一連の規則を命じた。この判決により、グーグルは中核事業の分割を回避し、司法省に対する2度目の象徴的な勝利を収めた。

ブリンケマ判事は、判決の詳細を記した完全な意見書を14日間封印し、両当事者に機密情報の削除を検討する時間を与えた。また、グーグルと司法省には、裁判所の決定を反映した共同提案を30日以内に提出するよう求めた。グーグルは判決を歓迎し、リー=アン・マルホランド副社長は「裁判所が、中小企業が新規顧客にリーチし成長するためのツールを分割するという司法省の提案を退けたことを非常に喜ばしく思う」と述べた。

司法省と複数の州は2023年、オンライン出版社やウェブサイトが利用する広告技術市場におけるグーグルの支配的地位をめぐり同社を提訴した。ブリンケマ判事は2025年4月、出版社向け広告サーバーと広告取引所の両市場でグーグルが違法な独占を保持していると判断し、同社が出版社を自社の広告サーバーに囲い込み、AdXの利用を強制したと認定した。判事は当時、グーグルの反競争的行為が「出版社顧客、競争プロセス、そして最終的にはオープンウェブ上の情報消費者に実質的な損害を与えた」と述べていた。

是正措置をめぐる昨年の審理で、司法省はグーグルの過去の行動を踏まえ、AdXの運営を同社に任せられないと主張した。グーグルは、強制売却は技術的に困難で、顧客に長く苦痛な移行をもたらすと反論した。同社はまた、司法省の要求が、欧州連合の独占禁止調査を終わらせるためにAdXを売却するというグーグル自身の以前の提案とは異なると主張した。判決後、アルファベットの株価は欧州市場の終値で0.68%上昇し、競合するザ・トレード・デスクは4.2%上昇した。

この判決は、ドナルド・トランプ大統領の第一期政権下で始まったビッグテック解体の流れにおける司法省の敗北として、近年では3度目となる。ワシントンの連邦判事は昨年、メタ・プラットフォームズへのインスタグラムとワッツアップの売却命令を求めた連邦取引委員会の主張を退け、別の判事はグーグルの検索独占事件でクロームの売却命令を退けた。アマゾンとアップルをめぐる訴訟は早くとも2027年まで審理が始まらない見通しで、裁判所がビッグテックの市場支配力をどこまで是正できるのか疑問が投げかけられている。一方、テック監視団体ザ・テック・オーバーサイト・プロジェクトのサーシャ・ハワース事務局長は「グーグルが違法な独占を運営していると結論づけながら、それに対して何もしないと決めるには、オリンピック級の頭の体操が必要だ」と判決を批判した。

生活・健康 (Life & Health)

世界で猛威を振るう災害と感染症 エボラ熱死者3000人超、ネパール洪水死者1200人超

世界各地で災害と感染症が同時に猛威を振るっている。コンゴ民主共和国ではエボラ熱の死者が3000人を超え、ネパールでは大規模な洪水と地滑りで1200人以上が死亡した。スペインでは2024年の豪雨災害(ダナ)による犠牲者が232人に修正され、キプロス沖では高速双胴船の沈没で死者が9人に達した。バングラデシュでは麻疹の流行が続き、死者は983人に上っている。

コンゴ民主共和国のエボラ熱は、ブンディブギョ種による国内最悪の流行となった。保健省の最新データによると、5月15日の発生宣言以降、確定症例は6186人、死者は3007人を記録した。致死率は48.6%に達し、過去24時間で死者は57人増加した。流行は6州に広がり、震源地はイトゥリ州だ。WHOは、西アフリカで2014年から2016年にかけて流行した過去最悪のエボラ熱(感染者2万8600人以上、死者1万1000人以上)を超えるペースだと指摘する。ブンディブギョ種に特化した承認済みのワクチンや治療薬はまだ存在せず、メルク社のエルベボワクチン(ザイール種向け)が交差防御を期待して接種されている。英国は新たに5000万ポンド(約6756万ドル)の資金提供を発表した。

ネパールでは8月26日に中国国境近くのラスワガディ峠の北東約20キロで発生した雪崩が引き金となり、大規模な洪水と地滑りが発生した。国家災害リスク削減管理局によると、死者は1204人に達し、約4200人が依然として行方不明、約1万2000人が救助された。チトワン郡南部で最も多くの遺体が収容され、348体に上った。ヒマラヤの水力発電プロジェクトでは多くの作業員が依然として連絡不能で、アッパートリシュリ1号(216メガワット)では1433人の作業員のうち876人が救助または連絡を確認できたに留まる。インドと中国のトンネル救助隊が発電所のトンネル内部の捜索を続けている。

スペインのバレンシア地方を襲った2024年10月29日のダナ災害では、カタロッハの裁判官が犠牲者数を232人に修正した。新たに認定された犠牲者は、グアダスアール在住の慢性呼吸不全の女性で、自宅の浸水と停電により酸素供給が途絶えたことが死因とされた。彼女は10月30日に救助され、リベラ病院に搬送されたが、11月6日に死亡した。司法解剖報告書は、酸素療法の中断が「急性呼吸不全の引き金」となったと結論付け、裁判官は因果関係を認めた。

キプロス北部沖では、高速双胴船フィロジェット号の沈没で死者が9人に増えた。北キプロス・トルコ共和国のウナル・ユステル首相が発表した。約50歳の男性の遺体が回収され、身元確認のためニコシア北部のブルハン・ナルバントール州立病院に搬送された。行方不明の乗客20人のうち、遺体が発見されたのはまだ1人だけだ。

バングラデシュでは麻疹様症状による死者が過去24時間で4人増え、累計983人となった。保健総局(DGHS)によると、新たな死者4人はすべて疑い例として分類された。疑い例の死者は884人、確定死者は99人のまま変わっていない。疑い症例は累計16万184人、確定感染は1万9447人に達した。3月15日以降、14万472人の疑い患者が入院し、13万5417人が回復して退院した。

これらの災害と感染症は、世界の医療・防災体制に大きな課題を突きつけている。特にコンゴでは紛争と医療インフラの不足が、ネパールでは山岳地帯の孤立が、対応を困難にしている。各国政府と国際機関は、被害の拡大を防ぐため、監視体制の強化と迅速な支援を迫られている。

南アの乳児予防接種率が急落、公衆衛生上の緊急事態に

南アフリカ政府は、乳児の予防接種率の急落が公衆衛生上の緊急事態に相当し、予防可能だが死に至る可能性のある小児疾患の集団発生を引き起こす恐れがあると発表した。

過去10年間で、1歳未満で一度もワクチン接種を受けていない乳児の割合は3倍に増加し、南アフリカの乳児のほぼ3分の1に達した。ワクチンへの不信感と小児予防接種の利点に対する認識不足が、アフリカ大陸で最も効果的な保健制度の一つが築いてきた長年の進歩を損なう危険性がある。

今年の麻疹、ジフテリア、百日咳の集団発生はすべて低い接種率と関連しており、集団免疫が崩壊しつつある証拠だと当局は警告した。保健省の通知によると、未接種の乳児の割合は2026年の最初の4ヶ月間で36.3%に達し、2017年の12.1%から上昇した。これは「完全に未接種の子供の数を事実上3倍にし、数十万人の乳児を命に関わる病気のリスクにさらしている」という。

ジフテリア、破傷風、百日咳、ポリオ、髄膜炎、B型肝炎を防ぐ6種混合ワクチンの接種率は、同期間に87%から60.5%へ低下した。当局は、この不足はワクチンの供給不足ではなく、子供を連れて予防接種を受けさせる親が減ったことが原因だと述べた。

保健省のノンフランフラ・ンドロヴ副局長は、親が小児予防接種の公衆衛生上の利点を十分に理解していないと指摘した。さらに「ワクチンの安全性に関する公衆の信頼の問題、そして我々の制度への信頼の問題」があると述べた。彼女は、2020年の新型コロナウイルスによるロックダウンで接種率が急落し、その後部分的に回復したものの、以前の水準には戻っていないと説明した。また、麻疹などの病気がまれになった時代に育った世代が現在子育てをしており、これらの若い親への啓発が必要だと強調した。

今年に入り、南アフリカでは約3,500件の麻疹症例が記録された。症例の7割は14歳未満の子供で、「低い予防接種率に直接関連している」。ジフテリアは主に西ケープ州で散発的に発生しており、百日咳は完全にワクチン接種を受けるには幼すぎる生後6ヶ月未満の乳児に多く見られる。保健省は「このパターンは、最も脆弱な人々を守る集団免疫の失敗を示している」と述べた。

スポーツ (Sports)

USオープン4日目、ズベレフ辛勝で危機脱出、メドベージェフ順当、雨がスケジュール直撃

USオープン第4日目は、ニューヨークの悪天候に見舞われながらも、主要選手が順当に勝ち上がった。第1シードのアレクサンダー・ズベレフはイタリアのロレンツォ・ソネゴに4時間52分の末に6-4、3-6、6-7(7)、7-5、6-4で勝利し、2回戦進出を果たした。ズベレフは第1シードとして2003年以来となる初戦敗退の危機を脱し、試合後には「まさに自分が必要としていた試合だ」と語った。

一方、元王者のダニール・メドベージェフはアメリカのセバスチャン・ゴルズニーを6-1、6-3、7-5で下し、3回戦に駒を進めた。試合中にはネットに鳥が止まる珍しいハプニングがあったが、メドベージェフは冷静さを保ち、14本のエースを記録した。第3シードのジェシカ・ペグラは同胞のソフィア・ケニンに6-3、6-1で快勝し、わずか56分で3回戦へ。ロシアのディアナ・シュナイダーも元準優勝者のカロリーナ・プリーシュコバを6-1、7-6(4)で破り、3回戦に進出した。

アルゼンチン勢ではトマス・マルティン・エチェベリとマリアノ・ナボネが3回戦を目指して出場予定で、アルカラスは夜の部でポルトガルのジャイメ・ファリアと対戦する。フィリピンのアレックス・イーラはファンの大声援を受け、6-1、6-2でメアリー・ストイアナを破り2回戦へ。雨の影響で1回戦の残り試合が水曜日に延期され、主催者は計14試合を消化する必要に迫られた。

この日の結果は、男子の頂点を争うズベレフとアルカラスの存在感を改めて示すものとなった。ズベレフの粘り強い勝利は、タイトル候補としての地位を維持する上で重要な意味を持つ。一方で、雨によるスケジュールの過密化は選手のコンディション管理に影を落とし、今後の試合展開に影響を与える可能性がある。