The Morning Star Observer

2026年08月26日 水曜日夕刊 (Evening Edition)ArchiveAbout

カントリーミュージックの女王ドリー・パートン死去、80歳

カントリーミュージックの伝説的歌手ドリー・パートンが、2026年8月25日にテネシー州ナッシュビルで死去した。80歳だった。彼女の甥で警護責任者を務めるブライアン・シーバーが自身のインスタグラムで公表した。死因は癌との報告があるが、具体的な癌の種類は明らかにされていない。彼女の広報担当者は、亡くなる前に「癌との勇敢な闘い」があったと述べた。

パートンは1946年、テネシー州の貧しい家庭に生まれ、12人兄弟の一人として育った。彼女は6歳で最初の曲を書き、10代で地元のラジオやテレビに出演した。1967年にポーター・ワゴナーの番組に出演して名声を得て、その後「ジョリーン」「9時から5時まで」「アイ・ウィル・オールウェイズ・ラヴ・ユー」などのヒット曲を生み出した。彼女は生涯で約3,000曲を作曲し、1億枚以上のレコードを売り上げた。また、女優としても活躍し、「9時から5時まで」や「マグノリアの花たち」などの映画に出演した。

パートンは慈善活動でも知られ、1995年に児童識字率向上を目的とした「イマジネーション・ライブラリー」を設立した。このプログラムは世界に拡大し、これまでに3億3,200万冊以上の本を子どもたちに贈った。また、2020年には新型コロナウイルスワクチン研究に100万ドルを寄付した。彼女の死去を受け、ドナルド・トランプ大統領はアメリカ国旗を1週間半旗にするよう命じ、ニューヨークのエンパイア・ステート・ビルディングは彼女のヒット曲にちなんでピンク色にライトアップされた。

パートンの死は、政治的分断が深刻なアメリカで一時的な結束をもたらした。彼女は党派を超えて愛され、共和党のトランプ大統領や民主党のビル・クリントン元大統領も哀悼の意を表した。彼女の遺産は音楽だけでなく、慈善活動や彼女が開いた多くの扉を通じて、今後も生き続けるだろう。

イスラマバードの病院で火災、新生児14~15人が死亡 エアコン故障か

パキスタン・イスラマバードの公立病院であるパキスタン医学科学研究所(PIMS)で8月26日未明、火災が発生し、新生児14~15人が死亡した。地元当局と報道各社の発表により明らかになった。イスラマバード地区事務所の声明によると、火災は同病院の母子保健病棟3階で発生し、「この事故で14人の子どもが死亡した」としている。一方、地元放送局ジオTVなど複数のメディアは、新生児15人が死亡したと報じており、死亡者数について報道機関によって差がある。

火災は午前7時直前に発生し、新生児室には当時16人の新生児がいたが、1人だけが救出された。救助当局の報告によると、新生児室内のエアコン圧縮機の爆発が火災の引き金となったとみられるが、公式な原因はまだ特定されておらず、調査委員会が詳しい原因を調べている。イスラマバード首席コミッショナーのソハイル・アシュラフ氏は、救助チーム、専門家、警察とともに「直ちに現場に到着し、火災を制御した」とX(旧ツイッター)に投稿した。

パキスタンのシャバズ・シャリフ首相は、この悲劇を受けて緊急会議を招集し、直ちに調査を開始するよう指示した。「子どもが関わる悲劇は取り返しのつかない損失だ。責任者が特定され、最も厳格な措置が取られるべきだ」と述べた。連邦保健相のムスタファ・カマル氏は、14人の子どもが死亡したことを確認し、調査で過失が判明した場合には厳格な措置を取ると述べた。

一方、救助関係者の報告として、病院の消防設備に重大な不備があったことが明らかになった。消防ポイントには緊急時に水が供給されておらず、消防ホースには必要な継手がなく、非常口は施錠されていたという。また、事故当時、保育器室には医師や病棟係員、その他のスタッフが不在だったとの報告もある。イスラマバード行政当局は、追加副長官をトップとする8人からなる調査委員会を設置し、24時間以内に報告書を提出するよう求めた。パキスタンでは、安全基準の不備や法執行の甘さから大規模火災が頻発しており、今年1月にはカラチのショッピングセンター火災で65人以上が死亡している。

イランとオマーン、ホルムズ海峡の一時航行回廊で合意 米との膠着続く中、テヘランは再開条件を強調

イランは隣国オマーンとの間で、ホルムズ海峡の管理に関する協議を再開したと発表した。両国は火曜日、海峡を通る「共同の一時航行回廊」の設置と機雷除去の共同プロジェクトについて協議したと表明した。2月に始まった戦争以前、この海峡は世界の石油・液化天然ガス輸送量の5分の1を扱っていたが、その後、ほとんどの船舶航行は停止している。

イランのアラグチ外相とオマーンのブサイディ外相は、テヘランでの会談で「段階的枠組み」について協議し、共同声明で「ホルムズ海峡を通る一時的な共同航行回廊の設置」と「海峡の機雷除去のための共同プロジェクトの実施」への合意を確認した。イラン外務省のガリババディ外務次官は、合意された航路は幅7マイル(約11.3キロ)で、入口と出口の一部はイランの領海を通ると述べた。一方で同氏は、米国が6月の米イラン了解覚書(MoU)に基づく義務を完全に履行しない限り、海峡は再開されないと強調した。

米国のトランプ大統領は、海峡からすべての機雷が除去されたと主張しているが、ガリババディ氏はこれを「プロパガンダによる欺瞞」だとして退け、米国の掃海艇が海域に入れば「非常に良い標的」になると警告した。また、オマーンとの合意は海峡が開かれたことを意味するものではないとし、「海峡はイランの取り決めによってのみ開かれる」と述べた。

一方、米国はイラン経済を封殺するため、新たな制裁拡大を発表した。ベッセント財務長官は、イランと取引を継続する国々を罰すると警告したが、即時の制裁発動は見送った。中国はイランの最大の貿易相手国であり、石油の主要購入国であることから、米国の圧力キャンペーンには慎重な対応が予想される。専門家は、中国は米国との全面対決を避けつつ、イランとの関係を完全に断つことなく、石油輸入の削減など最小限の協力を示すだろうと分析している。

こうした中、米国は中東の一部外交公館への人員派遣を再開し始めた。これは、イランとの紛争が近い将来に激化するリスクは低いとのワシントンの判断を示すものだ。しかし、ホルムズ海峡では火曜日、オマーンのアシュ・シシャーの北東約9海里(約17キロ)で石油タンカーが正体不明の飛翔体による攻撃を受け、航行不能となる事件が発生した。また、イラン国営テレビがトランプ大統領の末息子バロン氏の暗殺計画を議論する動画を放送したことについて、米国シークレットサービスが把握していると発表した。

イランとオマーンの協議は、膠着状態が続く米国との外交努力の中で行われている。米国とイランの間の活発な敵対行為は大部分が沈静化しているものの、和平合意に向けた外交努力は停滞しており、海峡の航行は依然として危険な状態にある。イランは米国の制裁に対抗し、経済的利益を標的にすると警告しており、地域の緊張は続いている。

米加貿易戦激化:報復関税と交渉決裂、なお残る妥協の余地

米国とカナダの貿易戦争が激化の一途をたどっている。トランプ米大統領がカナダ製品に50%の関税を課したことを受け、カナダのマーク・カーニー首相は約200億ドル相当の米国製品に対する報復関税を発表した。鉄鋼、乳製品、家電、農業機械など約700品目が対象となり、9月8日に発動される。カーニー首相は「我々は自らの家の主人だ」と述べ、交渉決裂への強硬姿勢を示した。

交渉は先週金曜日に決裂し、カーニー首相は米国側がカナダの主要産業の破壊を試みたと非難した。オンタリオ州のダグ・フォード首相は電力と重要鉱物の輸出停止を示唆し、トランプ氏はオンタリオ湖の「レイク・アメリカ」への改名を検討すると応酬した。両国の間では、カナダを51番目の州とする発言や、フランス語圏ケベックの文化保護への脅威など、感情的な対立も深まっている。

一方で、事態打開の可能性を指摘する声もある。カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事は、共和党内の圧力によりトランプ氏が数日から数週間以内に交渉のテーブルに戻るとの見通しを示した。元米国通商交渉官のウェンディ・カトラー氏は「政治的意志があれば出口はある」と述べ、ジョンズ・ホプキンス大学のクリストファー・サンズ氏も過去の紛争と同様、最終的には合意に至る可能性が高いとみる。オックスフォード・エコノミクスは、今回の関税がカナダ経済に与える影響は限定的で、来年の成長率は1.6%から1.4%に低下する程度と試算する。

しかし、カナダ国内では対米強硬姿勢への支持が強い。アンガス・リード研究所の調査では76%が交渉打ち切りを支持し、カーニー首相の支持率は60%に上る。投資顧問ルイ=ヴァンサン・ガベ氏は、カナダ国民の怒りは根深く、米国製品のボイコットや旅行先の変更など、経済的な影響は長引く可能性があると指摘する。両国はともに全面戦争の経済的コストを理解しており、暫定的な解決策を模索する時間は残されている。

政治 (Politics)

豪州の未成年SNS利用禁止令、効果薄く利用が再増加 英国は政策模索

オーストラリアで昨年12月に世界初の16歳未満のソーシャルメディア利用禁止法が施行されたが、その後のデータによると、未成年者の利用は再び増加に転じ、一部のアプリでは禁止前の水準に近づいている。ペアレンタルコントロールソフト会社Qustodioの調査では、13〜15歳のTikTok利用率は25.9%で、禁止前よりわずか1ポイント超低い水準にとどまる。10〜12歳では禁止前とほぼ変わらない。専門家はVPNによる回避や年齢偽装の可能性を指摘し、規制が機能していないと述べた。

この状況を受け、英国ではアンディ・バーナム首相が同様の禁止策の具体化を迫られている。6月に当時のスターマー首相が16歳未満のSNS禁止を発表したが、辞任によりバーナム首相が引き継いだ形だ。政府は春の施行を目指し、オーストラリアやフランスの事例を参考に検討を進める。オーストラリアでは禁止後もアカウント保有率は52.4%から42.3%に減ったものの、利用自体は85.9%から81.5%にしか減っていない。フランスでは憲法評議会がマクロン大統領の提案を違憲として却下するなど、法的課題も浮上している。

一方、ニュージーランド政府は今週、メタなどが遵守しない場合、世界収益の最大10%の罰金を科す法案を導入すると発表した。また、米国ではメタが若年ユーザーを中毒にさせたとして29州が提訴した訴訟が連邦地裁で係争中で、州司法長官との和解交渉が報じられている。各国が規制強化を模索する中、オーストラリアの経験は世界的な注目を集めている。

ウクライナ戦争、外交と社会の新たな局面――中国への和平要請、バチカン仲介、ロシアの女性兵士増加

ウクライナのゼレンスキー大統領は、中国に対し、ロシアとの戦争終結に向けた強力な外交的役割を果たすよう要請した。ゼレンスキー氏はX(旧ツイッター)への投稿で「中国がロシアの戦争を終わらせる上で強力な外交的役割を果たすことに期待する」と述べ、平和は共通の成果になり得ると強調した。また、習近平国家主席がウクライナ独立記念日に送った祝賀書簡の中国語版とウクライナ語版を公開した。北京は今回の書簡を公表しておらず、両首脳の直接対話は2023年4月以来途絶えている。

一方、バチカンの外務大臣に相当するポール・ギャラガー大司教は、モスクワでロシアのラブロフ外相と会談し、ウクライナ戦争の終結を訴えた。ギャラガー氏は「戦争が続く限り新たな犠牲者を生み、将来の和解を一層困難にする」と述べ、和平への道筋を協議した。これはロシアの全面侵攻開始後、バチカン高官とロシア外相が初めて直接対話した場となった。教皇レオはこれまでも和平を呼びかけており、バチカンは仲介役としての役割を模索している。

ロシア国内では、女性兵士の募集が拡大している。ポーランド拠点のメディア「Vot Tak」の調査によると、2022年2月以降、少なくとも50人のロシア人女性が戦闘で死亡しており、年間の死者数は増加傾向にある。女性は従来、医療や支援業務に従事してきたが、現在はドローン操縦、狙撃、突撃部隊など戦闘任務にも参加している。24歳のドローン操縦士エリザベータ・ツィビナ氏は「軍への失望はロシア兵士の大多数の見解だ」と語り、契約の自動延長や前線配備の実態を明かした。

ウクライナとロシアの相互攻撃は激化している。ウクライナはロシアの製油所を無人機で攻撃し、ロシア国内で深刻な燃料不足を引き起こしている。一方、ロシアはウクライナの給油所を標的にした攻撃を強化しており、ハルキウやクリヴィー・リフで民間人の死傷者が出ている。ウクライナのエネルギー専門家によると、これまでに少なくとも246の給油所が攻撃を受けた。ロシア最大のオンライン小売り「ワイルドベリーズ」の物流センターも再びウクライナのドローン攻撃を受け、20の倉庫が標的となった。

これらの動きは、戦争が長期化する中で外交的解決の糸口が依然として見えないことを示している。中国の仲介役としての役割、バチカンの和平努力、ロシアの戦争遂行能力の維持策、そして双方のインフラ攻撃の応酬は、今後の戦局と国際関係に深刻な影響を及ぼす可能性がある。

ロシア軍機の韓国防空識別圏進入、バチカン和平仲介、ウクライナ情勢と韓国経済・社会の動向

韓国国防省は26日、ロシア軍機複数機が東海上空の防空識別圏に進入したため、空軍戦闘機をスクランブル発進させたと発表した。韓国領空は侵犯していないという。今回の進入は数週間以内で2回目となる。韓国はウクライナ侵攻を受けた西側制裁に参加し、ロシアが北朝鮮との関係を強化したことで両国関係は悪化している。

バチカンはロシアとウクライナの和平仲介に乗り出している。バチカン国務省管轄のポータルは、国家関係担当長官パウル・リヒャルト・ガラガー大司教がモスクワでラブロフ外相と会談し、聖座は「現在の国際情勢において和平に至るあらゆる努力を支援する用意がある」と述べたと報じた。また、米CIA長官ジョン・ラトクリフがモスクワを訪問し、クレムリン報道官ペスコフが接触を確認した。ウクライナのゼレンスキー大統領は中国の「強い外交的役割」に期待を示し、米国はドンバス地域に第三者が管理する自由貿易区を設ける和平案を提示したが、ロシアは即座に拒否した。

韓国経済では、シティが今年の韓国投資銀行市場で首位に立ち、SK海力士の265億ドル規模の米国IPOを主導した。国防分野では、国産自爆ドローンの初の海上試験が釜山沖で行われたが、発射直後に2機が墜落し失敗した。一方、韓国の高等教育機関に在籍する留学生は前年比21.3%増の30万7464人となり、初めて30万人を超えた。ベトナム人学生が中国人学生を抜いて最多となった。

BMW韓国法人は購入・保有コストを下げるため、ファイナンス優遇や会員特典、アフターサービスを拡大している。また、今年は台風が21個発生したが、韓国半島を直接襲った台風はない。チベット高気圧と北太平洋高気圧が台風の北上を阻んでいるためだ。韓国の6月の出生数は前年同月比15.6%増の2万3111人で、24か月連続の増加となった。合計特殊出生率は0.88に上昇した。さらに、韓国はコーヒー輸出国としても台頭しており、2024年の輸出額は2億2960万ドルに達した。

これらの動向は、国際社会における安全保障の緊張と外交的模索が並行して進む一方、韓国国内では経済・社会構造の変化が顕在化していることを示している。ロシアと西側の対立はアジア太平洋地域にも波及し、韓国は軍事的対応を迫られている。同時に、韓国経済は国際金融市場での存在感を高め、人口動態の改善傾向も見られるが、少子化の根本的な解決には至っていない。

米国、イラン制裁を拡大 「経済的アウトキャスト作戦」で中国・香港の24事業体を対象に

米国財務省は「Operation Economic Outcast(経済的アウトキャスト作戦)」の一環として、イランおよびその支援者に対する圧力キャンペーンを強化し、中国本土または香港に拠点を置く約24の事業体を含む60の個人・団体・船舶に対して制裁を発動した。スコット・ベッセント財務長官は月曜日(2026年8月24日)、イランのあらゆる収入源を標的とし、テヘランと取引する国や企業を排除すると宣言した。

「世界中で、我々の目標は、テヘランが孤立するまで、この暴政的政権を支えるあらゆる経済的生命線を断ち切ることだ」とベッセント長官は述べた。同長官は、各国が米国とイランのどちらかを選ばなければならないと強調し、新たなキャンペーンがテヘランの貿易相手に二次制裁のリスクを課すと警告した。一方で、中国の大手銀行を制裁対象に含めなかった理由について「なぜ世界の金融システムを破壊したいと思うのか」と述べ、即時の全面制裁を回避する姿勢を示した。

これに対し、中国外務省の林剣報道官は定例記者会見で、イランとの関係は「妨害されたり損なわれたりすべきではない」と述べ、「すべての必要な措置を講じて自国の利益を断固として守る」と警告した。米国の制裁は紛争を悪化させるリスクがあるとし、一方的制裁に反対する立場を強調した。

イラン側も反発を強めている。イランのアリ・マダニザデ経済問題担当相は国営テレビで「我々の防衛はもはやそれほど防衛的ではない。敵は攻撃を待つべきだ」と述べ、報復の可能性を示唆した。また、中国もロシアも米国の措置を受け入れておらず、他の国々も抵抗するだろうと予測した。

一方、ベッセント長官はバーレーンのサルマン・ビン・ハリファ・アル・ハリファ財務相との電話会談で、イランに対する持続的な金融圧力の重要性を強調し、テヘランが国際商業を脅かしたり、ホルムズ海峡を世界経済に対するレバレッジとして利用したりすることを許してはならないと述べた。

日本では高市早苗首相が、米国による国際刑事裁判所(ICC)長官・赤根智子氏への制裁に対する政府の対応が「弱腰」だとの批判を退けた。「弱腰という批判は正当だとは思わない」と述べ、東京は赤根氏を制裁対象に指定しないよう「最後の瞬間まで様々なレベルで米国に働きかけた」と説明した。

また、オクラホマ州選出の共和党ジェームズ・ランクフォード上院議員は、キーウ訪問後にウクライナ軍の洗練度を称賛したが、議会がロシア制裁法案を近く承認するかについてゼレンスキー大統領に約束できないと認めた。同議員は、下院が9月にこの法案を審議する予定だと伝えたが、自身がそのスケジュールを決める立場にはないと述べた。

専門家らは、新たな制裁はトランプ政権の軍事作戦が期待した成果を上げられなかったことへの対応だと分析する。米国は約6カ月に及ぶ対イラン戦争で、軍事弾薬の備蓄を消耗し、世界的なパワープロジェクションの手段をイランに振り向けることを余儀なくされた。戦略国際問題研究所(CSIS)の試算では、国防総省がミサイル迎撃システムの備蓄を戦前水準に戻すには少なくとも3年かかるという。

イランの原油輸出の少なくとも9割は中国向けであり、米国が中国の銀行に制裁を課すことは、トランプ大統領と習近平国家主席の来月の会談を控え、中国の報復を招くリスクがある。専門家は、イランを屈服させようとする制裁の試みは、過去の事例から見てイランが降伏よりもエスカレートを選ぶ可能性があると指摘する。

シリア民主軍(SDF)が解散を正式発表、ダマスカス政府への統合完了

クルド人主導の武装組織シリア民主軍(SDF)は25日、指導者マズルーム・アブディ氏がダマスカスの大統領宮殿で演説し、独立した軍事組織としての解散を正式に発表した。SDFは2015年に米国の支援で結成され、過激派組織ISとの戦いで中心的な役割を果たしてきたが、今年1月の政府軍との衝突で大部分の支配地域を失い、シリア軍への統合に合意していた。

アブディ氏は「シリアの歴史上最も困難な時期の一つにおいて、SDFは重い責任を担ってきた」と述べ、「今日、状況は変わり、国は新たな段階に入った。平和と新たなシリア建設への参加の段階だ」と宣言した。また、シリア暫定政府のアフマド・アル=シャラア大統領がクルド人に対し、母語による教育の権利を約束したことを明らかにした。

SDFは最盛期には約10万人の戦闘員を擁し、シリア北東部の油田地帯を含む広大な地域を支配していた。しかし、1月の政府軍攻勢でラッカとデリゾールの両県を失い、アラブ人戦闘員の大量離反も相次いだ。さらに、トルコはSDFを非合法組織PKKの延長とみなして敵視してきた。

今回の解散は、アサド政権崩壊後のシリア統一を目指すシャラア暫定政権にとって大きな勝利となる。一方で、SDFの女性戦闘員部隊の処遇や、スワイダ県でドゥルーズ派が支配を続けるなど、課題も残されている。

経済 (Economy)

米裁判所、ガーダント・ヘルスに2億4500万ドル超の支払いを命じる がん検査特許侵害で

米連邦裁判所は、がん検査技術をめぐる特許侵害訴訟で、製薬大手ガーダント・ヘルスに対し、シアトルに拠点を置くバイオテクノロジー企業ツインストランド・バイオサイエンシズとワシントン大学へ2億4500万ドル超を支払うよう命じる判決を確定した。デラウェア州連邦地方裁判所が2023年11月の陪審評決を正式に追認したもので、ガーダントによる故意の特許侵害を認定した。

判決では、支払い総額2億4520万ドルの内訳として、2023年6月までの侵害に対する当初の損害賠償8340万ドル、未払いロイヤルティ1億1940万ドル、利息2290万ドル、追加損害賠償1950万ドルが含まれる。さらに、特許が2033年3月に失効するまで、対象製品の売上に対して6%の継続的ロイヤルティの支払いも命じられた。対象製品には主力製品のガーダント360、ガーダント・リビール、ガーダント・シールドなど11の診断製品・サービスが含まれる。

係争技術はワシントン大学で開発された「デュプレックス・シーケンシング」と呼ばれる手法で、次世代DNAシーケンシングの精度を1万倍以上向上させ、超稀な遺伝子変異の検出を可能にする。ツインストランドは2015年にワシントン大学からスピンオフした企業であり、ポリオワクチン開発者ジョナス・ソークの孫であるジェシー・ソーク博士が共同創業者として名を連ねる。ガーダントは判決を不服として控訴すると発表しており、執行は控訴審の間停止される。同社は特許無効を主張し、米国特許商標庁での異議申し立てや連邦巡回区控訴裁判所への控訴を進めている。

アルゼンチン・ブルー・ドル相場、1ドル1560ペソ フランス緑の党は分裂寸前

2026年8月26日、アルゼンチンの非公式為替市場におけるブルー・ドル相場は、買い1540ペソ、売り1560ペソで取引された。公式ドルは買い1480ペソ、売り1530ペソ(バンコ・ナシオン)。ブルー・ドルは年初来15%上昇し、前月比では横ばい(0%)だった。公式ドルとの乖離率は4%である。

株式市場で取引されるドル・ボルサは買い1537.30ペソ、売り1543.60ペソ、CCLドルは買い1599.50ペソ、売り1600.90ペソだった。

一方、フランスでは、欧州議会選挙を控え、緑の党が社会党(PS)とジャン=リュック・メランションの間で分裂寸前にある。また、購買力問題が大統領選の主要争点となっており、ドイツでは産業モデルの亀裂によりフォルクスワーゲンが人員削減を余儀なくされている。

社会 (Society)

地中海と済州島で相次ぐ失踪事件、捜索体制の課題が浮き彫りに

地中海と韓国・済州島で、それぞれ失踪事件が相次ぎ、捜索体制の課題が浮き彫りとなっている。スペイン人実業家フアン・ホセ・ムティルバ氏(66歳)は、イタリアとギリシャの間の海域で自身の船から転落し、行方不明となっている。一方、韓国・済州島では、行方不明者の安全確認を怠ったまま事件を終結させたとされる警察官の疑惑が発覚し、社会問題に発展している。

ムティルバ氏は8月18日に転落し、妻が救助を試みたものの船を止められず、3日間漂流した後に当局へ通報した。息子のセルヒオ氏は「父を捜してほしい。非常に困難だが、希望はある」と語り、スペイン政府の支援不足を訴えている。同氏は、船が新しく操縦が難しかった可能性を指摘し、母が父を救助できなかったことに無念さを示した。

済州島では、警察官のBu容疑者が、行方不明になった37歳の女性チャン・ミランさんと60代の男性について、実際には連絡を取っていないにもかかわらず「安全を確認し、連絡を望んでいない」と虚偽の報告をして事件を終結させた疑いが持たれている。2人はその後、8月に遺体で発見された。Bu容疑者は職務怠慢や公文書偽造などの容疑で逮捕状が発行され、容疑を否認している。警察は彼が担当した約300件の失踪事件を再調査している。

韓国では、成人の失踪事件に対する捜索体制の法的な枠組みが不十分であることが指摘されている。子供や特定の障害者とは異なり、成人には全国的な捜索アラートやDNA鑑定などの制度が適用されない。年間7万人以上の成人が行方不明になっているが、その多くは早期に発見されている。しかし、今回の事件は、安全確認前に事件が終結される危険性を浮き彫りにした。

韓国の李在明大統領は、警察の説明責任強化を求めた。「警察は国家機関の中で最も大きな権力を行使するだろう。権限の大きさに比例して責任も強化されなければならない」と述べた。警察は再発防止策として、失踪事件の終結には上司の承認を義務付ける方針だ。

Eid-e-Milad、国際的に観測 各国で祝賀と対応分かれる

イスラム教の預言者ムハンマドの生誕と命日を記念するEid-e-Miladが、バングラデシュ、インド、パキスタンなどで観測された。各国政府や機関はそれぞれの対応を取り、宗教行事が社会・経済活動に多様な影響を与える様子が浮き彫りとなった。

バングラデシュでは、政府が国旗掲揚や道路装飾などの入念なプログラムを実施した。イスラム財団は宗教・文化プログラムや書籍フェアを開催し、大統領と首相は預言者の教えに従うよう国民に呼びかけた。インドでは、株式市場は通常取引を行ったが決済は休止となり、学校は州ごとに休校状況が異なった。パキスタンでは国会が祝賀のための決議を可決し、大統領ザルダリは預言者のセーラ(生涯)に従うようメッセージを発した。

一方、カリフォルニアでは異常なトンボの群れが観測され、専門家は温暖な春の雨が原因と分析している。これらの出来事は、宗教的祝祭が各国の政治・経済・社会に広範な影響を及ぼすことを示している。

科学・技術 (Science & Tech)

AIの光と影:格差拡大とサイバー攻撃、企業業績を動かす人工知能の現在

人工知能(AI)をめぐる動きが世界で同時多発的に展開している。先進国と途上国のAI格差拡大への懸念、企業業績を押し上げるAI投資、そしてAIを悪用したサイバー攻撃の増加など、AIは経済成長の原動力となる一方で、新たなリスクも生み出している。

中国南部で開催された会議では、APECの枠組みを活用した開かれたAIガバナンスの必要性が訴えられた。韓国国際経済政策研究院のチョン・チョル上級副院長は「経済格差は縮小ではなく拡大している」と指摘し、包摂的な枠組みをイノベーションの後付けではなく事前に考慮すべきだと主張した。国連貿易開発会議のデータによれば、世界のAI情勢とルール形成プロセスは少数の国家と約100社の企業に集中している。

企業部門ではAIインフラ投資が業績を押し上げている。マイクロソフトのサティア・ナデラCEOは2025年度に約9,650万ドルの過去最高報酬を受け取り、前年比22%増となった。報酬の95%以上が業績連動型で、その70%以上が株式ベースだ。韓国のLSケーブル&システム傘下3社もAIデータセンター投資の恩恵を受け、上半期の合算売上高は2兆4,200億ウォン(約17.5億ドル)と過去最高を記録した。インドのAIインフラ企業AMインテリジェンスはNvidiaのVera Rubinシステム9,000台を発注した。

一方でAIの悪用も深刻化している。台湾の調査会社TeamT5によれば、中国政府系のサイバー攻撃グループはDeepSeekなどのオープンソースAIモデルを統合し、攻撃件数を倍以上に増やした。また、オーストラリアではAI生成音楽をチャートから除外する決定が下された。マドンナの「Like a Prayer」のカバー曲をめぐる論争を受けた措置だ。さらに、富豪投資家のスタンリー・ドラッケンミラー氏は、元弟子であるスコット・ベッセント米財務長官を批判したWSJ論説をAIを使って執筆したと認めた。

AIは経済成長と技術革新の原動力である一方、格差拡大、サイバーセキュリティ、著作権、メディアの信頼性など多岐にわたる課題を突きつけている。各国政府と企業は、AIの恩恵を最大化しつつリスクを管理する枠組み構築を迫られている。

スポーツ (Sports)

サバフFKとLASKが歴史的初出場、リヨンは復活懸け最終決戦へ

チャンピオンズリーグ予選プレーオフで、アゼルバイジャンのサバフFKとオーストリアのLASKがそれぞれ劇的な逆転劇を演じ、クラブ史上初めてリーグフェーズ進出を果たした。サバフFKはイスラエルのハポエル・ベエルシェバに延長戦の末5-2(合計6-4)で勝利。LASKはセルティックに第1戦0-3の敗戦から第2戦5-1で逆転し、合計5-4で勝利した。

サバフFKは2017年9月に実業家ヤグブ・フセイノフによってマサジルで創設されたクラブだ。ブレグジットとAppleのAirPods発売からわずか1年後の創設で、当初はブリッジグループとアゼルバイジャンサッカー連盟の支援を受けていた。今季初優勝を果たし、チャンピオンズリーグ初出場を決めた。クラブの本拠地マサジルは世界に8つしかないピンク色の湖で知られ、チームカラーも黒とピンクだ。

サバフFKは試合終了間際まで敗退の危機に瀕したが、途中出場のテルル・ムタリモフがアディショナルタイムに同点ゴールを決めて延長戦に持ち込み、ガボン代表FWオルフェ・ムビナが101分に頭で勝ち越し、ジョイ=ランス・ミケルスが115分に追加点を挙げた。ハポエル・ベエルシェバは61分にギ・ミズラヒのゴールで合計4-2とリードしたが、延長戦でジブリル・ディオプとエリエル・ペレツが退場となり、9人で戦うことになった。イスラエルのクラブがチャンピオンズリーグ本大会に出場したのは2022年のマッカビ・ハイファが最後だ。

LASKはディートマー・キューバウアー監督の下、ホームでセルティックに5-1で勝利。セルティックはキャプテンのカラム・マグレガーに21分に先制されたが、モーゼス・ウソルが32分に同点。後半にロベルト・リュビチッチ、サミュエル・アデニラン、フロリアン・フレッカーが立て続けにゴールを決め、延長戦でアデニランがこの日2点目を挙げて逆転を完遂した。LASKは115分にPKを失敗したが、試合を決めた。セルティックのマグレガーは「我々は受動的だった。勝ちに行くのを怖がっていた」と敗戦を認めた。

一方、フランスのリヨンはトルコのフェネルバフチェとのプレーオフに臨む。第1戦は敵地で1-1の引き分けに終わり、8月26日にホームで第2戦を迎える。リヨンは2025年6月に経営難でリーグ・ドゥ(2部)への行政降格処分を受けたが、控訴で覆り1部に残留。2026年6月にはミシェル・カン氏がクラブを買収し、新体制となった。チャンピオンズリーグ出場はクラブにとって約2300万ユーロの収入をもたらす可能性があり、経営再建中のリヨンにとって重要な一戦となる。なお、リーグフェーズの抽選は木曜日に行われ、サバフFKとイタリアのコモも初出場する。

スポーツ界最新ニュース:カフーのFIFA支持、プレミア日本人選手過去最多、ラグビー監督責任、NFLのCTE研究

国際スポーツ界では、複数の重要な動きが同時に報じられた。ブラジル代表の元主将カフーは、国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティーノ会長を擁護する声明を発表した。一方、イングランド・プレミアリーグには今季、過去最多となる10人の日本人選手が登録された。南アフリカのラグビー代表監督ラシー・エラスムスは、敗戦の責任を自らが負うと明言し、さらにNFL選手の脳損傷に関する新たな研究結果も公表された。

カフーは声明で、過去10年間のFIFAとインファンティーノ会長の取り組みを評価し、選手や元選手が委員会やプロジェクトに参加して意見を聞かれるようになったと述べた。プレミアリーグでは、鈴木彩艶がアストン・ビラに移籍し、冨安健洋がクリスタル・パレスに復帰するなど、10人の日本人選手が登録された。エージェントのジョエル・パニック氏は、日本人選手の適応力や規律に問題が少なく、リスクが低いと指摘した。エラスムス監督は、エリスパークでの敗戦について、選手ではなく自身の判断ミスが原因だと認め、アシスタントコーチがメディア対応に時間を取られないよう自らが説明役を務めると述べた。

また、2016年から2021年に死去した元NFL選手のうち、脳を提供した235人のうち215人で慢性外傷性脳症(CTE)が確認されたという研究結果が発表された。これは繰り返しの頭部衝撃が選手に与える影響の大きさを示すもので、NFLや科学界への警鐘となっている。これらの動きは、スポーツ界におけるガバナンス、選手参加、健康リスク、指導者の責任といった課題を浮き彫りにしている。