The Morning Star Observer

2026年08月22日 土曜日朝刊 (Morning Edition)ArchiveAbout

イラン大統領、戦争終結を呼びかけ バングラデシュでは新大統領が就任

イランのマスード・ペゼシュキアン大統領は金曜日、米国との数ヶ月に及ぶ中東戦争を終結させる時が来たと述べた。テヘランがワシントンよりも強い立場にあると主張したためだ。同大統領は医師らとの会合で「我々が力と尊厳の立場にある今、戦争を終結させるのが良い」と語り、「全世界が我々の勝利を認め、米国が学校や病院、インフラを攻撃したと強調している」と述べた。

米国とイスラエルが2月に開始した戦争は膠着状態にあり、両者の協議は中断されたままだ。テヘランはホルムズ海峡の一部封鎖を続け、ワシントンはイランに対する海上封鎖を維持している。ペゼシュキアン大統領は6月に米国と合意した覚書を擁護し、「この合意には降伏を示す条項は一つもない。すべてのコミットメントは相手側に関するものだ」と主張した。一方、米国のスコット・ベッセント財務長官は木曜日、イラン政権を「崩壊させる」と宣言し、制裁強化を警告した。イラン外務省は米国の計画を「経済テロ」および「人道に対する犯罪」と非難した。

バングラデシュでは、ミルザ・ファクルル・イスラム・アラムギル氏が金曜日、第23代大統領に就任した。同氏は35年ぶりの競争選挙で勝利した。インドのドラウパディ・ムルム大統領とパキスタンのアシフ・アリ・ザルダリ大統領が祝意を表明した。また、米国が国際刑事裁判所(ICC)の赤根智子長官に制裁を科したことに対し、同長官は「国際法の支配の終焉の始まりにしてはならない」と警告した。

FIFA、アルゼンチン代表に厳格制裁 パレデスは10試合出場停止

FIFAの懲戒委員会は、2026年ワールドカップ決勝でスペインに敗れたアルゼンチン代表の複数選手とコーチングスタッフ、そしてアルゼンチンサッカー協会(AFA)に対し、厳格な制裁を科した。最も重い処分となったのはボカ・ジュニアーズ所属のレアンドロ・パレデスで、10試合の出場停止と9万ドルの罰金を命じられた。パレデスは決勝終了後の乱闘で、スペインのエリック・ガルシアの喉を掴み、ガビを地面に押し倒すなど、3件の暴行行為で有罪とされた。

同じく決勝後の乱闘に関与したナウエル・モリーナは7試合の出場停止と9万ドルの罰金、ティアゴ・アルマダは1試合の出場停止と3万ドルの罰金、コーチングスタッフのロベルト・アジャラは3試合の出場停止と3万ドルの罰金を科された。スペインのガビも1試合の出場停止と3万ドルの罰金を受けた。これらの出場停止は国際試合のみに適用され、所属クラブでのプレーには影響しない。

AFAに対しては、マルビナス諸島(フォークランド諸島)の領有権を主張する横断幕を準決勝後に掲げたことや、差別的チャントなど複数の規律違反により、合計32万1千ドルの罰金が科された。また、差別行為に関連して、次のホームゲーム2試合を観客収容人数の50パーセントに制限することも命じられた。うち1試合分は執行猶予付きだ。AFAは罰金のうち10万ドルを差別対策計画に投資するよう求められている。

AFAはこれらの制裁に対して控訴する方針を表明しており、FIFAの控訴委員会、必要に応じてスポーツ仲裁裁判所(TAS)に訴える可能性を示している。パレデスへの10試合出場停止は、彼の代表キャリアに重大な影響を与えるものであり、32歳の同選手は以前、代表からの引退の可能性を示唆していた。今回の制裁により、アルゼンチン代表は今後の国際試合で主力選手を欠くことになる。

イスラエル、ガザ援助要員殺害調査打ち切りとE1入植計画で国際的非難が噴出

英国、カナダ、オーストラリアは2026年8月21日、2024年にガザで発生したワールド・セントラル・キッチン(WCK)の援助要員7人死亡事件に関するイスラエルの調査打ち切りを「恥ずべき」と非難する共同声明を発表した。声明は、イスラエル国防軍(IDF)が2026年8月19日に刑事捜査を行わないと発表した決定について「説明がないままの発表は恥ずべきだ」と指摘し、世界人道デーにこの決定を発表したことは「特に悪質」だと批判した。

死亡した援助要員には、英国人3人、米国とカナダの二重国籍者1人、ポーランド人1人、オーストラリア人1人、パレスチナ人1人が含まれる。イスラエル軍は事件を「悲劇的な過ち」と呼び、指揮系統の各レベルでの一連の過ちを認めたが、予備調査では「刑事上の不正行為の合理的疑いはない」と結論付けた。イスラエル外務省は、刑事捜査を行わない決定は「独立した軍事検察当局が厳格な専門的・法的考慮に基づいて下した」と説明した。

WCKはこの決定を「全くの真実と一致せず、深く不快だ」と非難し、「IDFは自らの行動を信頼できる形で調査できない」として独立委員会による調査を要求した。ポーランドはイスラエル大使を召喚し、オーストラリアも大使を召喚した。カナダのアニタ・アナンド外相は「深刻な失敗があった」と述べ、決定は「受け入れがたい」と表明した。

一方、イスラエルがヨルダン川西岸のE1地区で1,234戸の住宅建設入札を開始したことに対し、英国、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、カナダ、ノルウェーなど欧州各国は「受け入れがたい」と非難した。E1入植計画はヨルダン川西岸を南北に分断し、パレスチナ国家の領土的連続性を損なうとして、二国家解決の見通しを損なうと批判されている。パキスタンを含むイスラム諸国8カ国も共同声明でこの計画を強く非難し、即時停止を求めた。イスラエルのベザレル・スモトリッチ財務相は以前、E1建設の承認は「パレスチナ国家の考えを葬り去る」と述べていた。

ロシア軍、ゼレンスキー大統領の故郷クリヴィー・リフの商業センターを二段階攻撃、少なくとも14人死亡・120人以上負傷

ロシア軍は8月21日、ウクライナ中部の都市クリヴィー・リフにある市内最大の商業センターに対し、無人機による二段階攻撃を実施した。現地当局の発表によれば、少なくとも14人が死亡し、120人以上が負傷した。負傷者には22人の子どもが含まれ、29人が重体だという。攻撃は昼間に発生し、第一波のドローンが商業センターに着弾した約30分後、救助活動が始まった現場に第二波のドローンが突入した。ゼレンスキー大統領はこの攻撃を「絶対に冷笑的で卑劣な行為」と非難し、「テロ行為にほかならない」と述べた。

ドニプロペトロウシク州知事のオレクサンドル・ハンジャ氏は、救助活動が続いており、死亡者数はさらに増える可能性があると警告した。クリヴィー・リフ防衛評議会のオレクサンドル・ヴィルクル氏は、ドローンが「極めて低空」で飛行していたと述べ、攻撃を「動物」と形容した。別のロシア軍攻撃では、南部ムィコラーイウ州で子ども3人を含む4人が死亡した。

この攻撃は、ロシア軍がキーウに対して大規模なミサイル・ドローン攻撃を行い、少なくとも17人が死亡した翌日に発生した。ロシア軍はウクライナの迎撃ミサイル不足に乗じて、ここ数日で爆撃を激化させている。ウクライナ側もロシア領内の石油精製所や軍用飛行場への攻撃を強化しており、双方の長距離攻撃の応酬が続いている。

国連人権監視団の報告によれば、7月にロシア軍の攻撃で少なくとも437人の市民が死亡し、2,610人が負傷した。これは2022年5月以来の最高の月間市民死者数だ。ウクライナの同盟国は、独立記念日である月曜日にキーウで会合を開き、支援を再確認する予定だ。

政治 (Politics)

トルコ、ネタニヤフ首相への国際逮捕状要請 ガザ支援船団事件で

トルコのアクン・ギュルレク法務大臣は21日、イスラエルのネタニヤフ首相とアフェク・モスコビッチ氏に対するインターポールのレッドノーティス(国際逮捕状)を要請したと発表した。ガザへ人道支援物資を運搬しようとした支援船団への攻撃に関する国内刑事事件に基づく措置だ。

事件は2026年5月、国際水域で発生した。イスラエル軍は「グローバル・スムード・フロティラ」の約50隻を拿捕し、約430人の活動家を拘束した。トルコのイスタンブール検察は2026年4月、ネタニヤフ首相ら35人をジェノサイドや人道に対する罪などで起訴していた。逮捕状は2026年7月14日付で発行され、法務省は内務省に対しレッドノーティス発行を要請した。

トルコはこれまでもネタニヤフ首相に対する国内逮捕状を発行しており、今回の動きはシリア情勢をめぐるトルコとイスラエルの緊張の高まりの中で行われた。イスラエルのネタニヤフ首相事務所は「エルドアン大統領は反ユダヤ主義の独裁者だ」と反発し、地域の不安定化を図るトルコの試みに断固として対抗すると表明した。レッドノーティスは各国に拘束を要請するものだが、加盟国に法的拘束力はなく、実際の逮捕に至るかは不透明だ。

トランプ外交の波紋:米朝接近と中東危機、韓国の岐路

ドナルド・トランプ米大統領の外交姿勢が、北朝鮮への接近とイランをめぐる混乱を同時に生み出し、国際社会に大きな波紋を広げている。トランプ氏は金正恩朝鮮労働党総書記との4回目の会談を模索する一方、ホルムズ海峡を米国領土と主張する地図を示し、オマーンへの爆撃の脅しをかけるなど、矛盾した行動が目立つ。こうした中、韓国は米朝対話の進展に伴う自国の疎外を懸念し、内政では燃料価格の上限維持や大規模な財政基金の創設など対応に追われている。

米朝関係では、トランプ氏が合同演習「乙支フリーダムシールド」を11日間から5日間に短縮するよう命令した後、金与正氏がこれを「コメントする価値もない」と退けつつも「両首脳の関係は依然として良好だ」と述べた。北朝鮮は短距離弾道ミサイル約10発を発射し、対話再開の条件として核保有国としての承認を求める姿勢を強めている。専門家は、金与正氏の発言は対話の「値段を吊り上げる」意図があると分析する。韓国政府は「ペースメーカー」としての役割を強調するが、野党は宥和路線を批判し、安全保障上の懸念が高まっている。

中東では、米国とイランの6月に署名した覚書が今週期限切れを迎え、イラン問題は膠着状態にある。イランは年率90%のインフレとリアル96%超の切り下げに直面しながらも強硬姿勢を崩さず、ホルムズ海峡とバブ・エル・マンデブ海峡の航行を事実上掌握している。トランプ氏はエネルギー長官クリス・ライトを通じ、ホルムズ海峡から1日約900万バレルの原油が流出していると主張したが、専門家は証拠がないと否定した。サウジアラビアは米国に基地使用を拒否し、トルコ・パキスタンと相互防衛協定を結ぶなど、アラブ諸国の離反が進んでいる。

韓国では、中東情勢の緊迫化を受けてガソリン・軽油・灯油の価格上限を4週間延長した。また、半導体ブームによる税収増を活用する「未来対応基金」を創設し、100兆ウォン規模となる可能性がある。教育資金制度も半世紀ぶりに抜本改革され、児童生徒数の減少に対応する。さらに、外国人加入者の年金追納制度をめぐる問題で制度見直しが検討されている。一方、米韓合同演習の短縮は、韓国軍の作戦統制権移転のプロセスを複雑化させる可能性があり、台湾有事を含む地域安全保障の枠組みにも波及するという指摘がある。

その他のニュースでは、バドミントン世界選手権で韓国の世界1位ペアがマレーシアのペアを破り、韓国サッカー選手が猛暑対策を訴えた。ロシアでは北朝鮮観光が宣伝されているが、実際に訪れるロシア人は少ない。中国は台湾訪問歴のある韓国人議員の訪中を拒否し、韓国との摩擦が生じている。南アフリカのラマポーザ大統領はジンバブエとの貿易不均衡是正を呼びかけた。

AI時代の岐路:米国政治と中国技術の台頭、世界経済への影響

人工知能(AI)を巡る状況が、政治・経済・技術の各分野で重大な転換点を迎えている。米国では、ロバート・F・ケネディ・ジュニア保健長官の運動「Make America Healthy Again(MAHA)」の活動家約200人が、トランプ大統領によるAIデータセンター向け石炭推進政策を批判する書簡を送付した。一方、中国ではAI技術の急速な発展が産業構造を変革し、欧米企業も中国製オープンウェイトモデルへの依存を強めている。

MAHA活動家による書簡は、2025年の大統領令が汚染を懸念しつつデータセンター向け石炭利用を推進していることを遺憾とし、太陽光や地熱などの再生可能エネルギーを検討するよう求める内容だ。書簡は「米国のAI分野におけるリーダーシップは、子供たちへのより有毒な負担を犠牲にして達成されるべきではない」と主張する。この動きは、環境政策を巡り多様な活動家グループとトランプ政権の間に生じた亀裂の最新例であり、11月の議会選挙を控え共和党にとって新たな課題となる可能性がある。

中国では、AIが経済成長の主要な原動力となっている。中国移動、中国電信、中国聯通の国有通信3社は、AIトークンを成長戦略の中心に据えている。中国電信は上半期のインテリジェントコンピューティング収入が95%増加し、中国聯通はコンピューティングパワー収入が419億元に達した。また、杭州ではAIを活用した「ワンマンカンパニー(OPC)」が急増しており、全国のOPCコミュニティ数は今年上半期に95から618へと増加した。AIがコーディングの80%を処理する時代において、技術的バックグラウンドを持たない起業家も増えている。

欧州では、フランスのAI企業Mistralが、欧州の「主権的AI」インフラ構築のため、中国のZ.ai(Zhipu)が開発したオープンウェイト大規模言語モデル「GLM-5.2」を採用することを決定した。米国のエンティティリストに掲載されている中国企業のモデルを欧州の主要AI企業が採用することは、欧州の技術的自立を目指す戦略と現実のギャップを示している。また、OpenAIが出資する米国の法務テック企業Harveyも、中国のMoonshot AIが開発した「Kimi K3」を基盤とする自社モデルを構築した。

こうした動きは、AI開発コストの高騰を背景に、西側企業が中国製オープンウェイトシステムへ移行していることを浮き彫りにしている。一方、AIの社会的影響については、年齢や経済的状況によって認識が分かれる。Public Firstの調査によると、18〜24歳の若年層はAIが批判的思考やキャリア形成に与える影響を懸念しており、経済的に余裕のある層ほどAIに対して肯定的な見方を持っている。

カリフォルニア大学デービス校のマーティン・ケニー名誉教授は、AIが真の経済革命をもたらすか疑問視し、むしろ太陽光、電池、電気自動車といった「クリーンテクノロジーの三つ組」が世界経済に大きな影響を与える可能性を指摘する。また、アフリカと中国のメディア協力はAI時代のスキル構築を目指して深化しており、アフリカ放送連合のグレゴワール・ンジャカCEOは、アフリカがAI技術を単に消費するのではなく、自らの発展のために理解し適応するスキルを開発する必要があると強調している。

AIの安全性を巡っては、OpenAIの元政策研究責任者であるマイルズ・ブルンダージ氏が、企業が自主的に独立した監査を受け入れ、業界横断的な調整組織に参加し、AIの国際的なガードレールを支える技術に投資し、安全性を強化する立法を積極的に支援すべきだと提言している。彼は、AI企業が安全性で他社に遅れを取り、外部監査を拒否し、ブレーキを求めながらそれを構築する努力を怠れば、問題が発生した際にAI競争のせいにはできないと警告する。

米国の対イラン経済制裁強化、イランは『経済テロリズム』と反発

米国はイランに対する『史上最も厳しい制裁』を課すと発表した。米財務長官スコット・ベッセントは、詳細を月曜日に公表すると述べる。イラン側はこれを『経済テロリズム』と非難し、反発を強める。

イラン議会議長モハンマド・バーゲル・カリバフは、制裁を克服する計画が必要だと述べ、米国とイスラエルが『認知的戦争』を仕掛けていると非難する。カリバフはバグダッドで、経済発展と安全保障は密接に関連していると指摘する。イラン外相アッバス・アラグチは、トランプ大統領の『経済Dデー』は『米国自身の危機からの逸脱』であり、失敗する運命にあると述べる。

中国外務省報道官林剣は、制裁と圧力は問題解決にならないと述べ、政治・外交的解決を求める。ロシアのミハイル・ウリヤノフも、米国の戦略は失敗する運命にあると指摘する。

米国市場は打撃を受けている。ダウ平均は703.84ポイント下落し、3週間で最大の下落を記録した。米国の総債務は40兆ドルを超えた。ホルムズ海峡の閉鎖が続き、原油価格は上昇する。

制裁強化は国際的な貿易関係にも影響を与える。米国は中国やインドなどに対して二次制裁を課すと警告しており、世界経済への波及が懸念される。

香港高等法院、天安門追悼集会主催者2名に扇動罪で有罪判決

香港高等法院は2026年8月21日、天安門事件の犠牲者を追悼する毎年恒例のろうそく追悼集会を主催してきた民主派団体「香港市民支援愛国民主運動連合会(香港 Alliance)」の元代表である李卓人被告(69歳)と元副代表の鄒幸彤被告(41歳)に対し、国家安全維持法違反の「国家権力転覆扇動罪」で有罪を言い渡した。両被告は2021年9月から拘束されており、最大10年の禁錮刑に直面する。量刑は後日言い渡される。

裁判所は、両被告が「一党独裁の終焉」というスローガンを繰り返し使用したことが、中国共産党に対する敵意を煽り、国民の信頼を失わせ、中国憲法で定められた政治体制を損なう意図があったと判断した。弁護側は、活動は平和的であり香港の表現の自由で保護されると主張したが、裁判所は「抵抗路線を最後まで貫くことに固執した」として退けた。第3の被告である何俊仁被告(74歳)は裁判開始前に同罪を認めている。

この判決は、2020年に北京が香港に導入した国家安全維持法に基づく最も注目度の高い起訴の一つであり、香港における政治的言論の自由の侵食を改めて浮き彫りにした。香港では1989年の天安門事件の追悼集会は長年許可されていたが、2020年の国家安全維持法制定以降事実上禁止された。国際人権団体は、この判決が平和的活動を犯罪視するものであり、即時釈放を求める声明を発表した。台湾の大陸委員会も深い遺憾の意を表明し、政治的迫害の中止と釈放を求めた。

ウクライナ兵のドイツ脱走、ロシアの攻撃、武器隠し場所発覚——ドイツとウクライナを巡る安全保障の緊張高まる

ウクライナ兵のドイツでの脱走問題が表面化した。ドイツ連邦軍の特殊訓練司令部の報道官は、ドイツ国内での軍事訓練中にウクライナ軍の兵士が「散発的に離脱した」ことを認めた。ザクセン=アンハルト州内務省は、同州での訓練中に部隊を離脱したウクライナ兵の事例を約80件登録している。最初の報告は2025年8月中旬に寄せられ、最後の報告は5か月以上前だという。全国では数百件に上るとの報道もある。ウクライナでは脱走兵に最大12年の懲役が科される可能性がある。

ウクライナはロシアとの防衛戦争で深刻な人員不足に直面している。募集センターの職員が路上で男性を動員することもあり、暴力的な事件も発生している。ウクライナでは18歳から60歳の男性に兵役義務があり、前線への召集は25歳以上が対象だ。ロシアの侵攻開始以降、数万人規模の脱走が記録されている。ドイツでは2022年以降、約2万9000人のウクライナ兵が訓練を受けた。ドイツで訓練を受け脱走したウクライナ兵には、ドイツ居住法第24条に基づく一時保護は原則適用されない。亡命申請は可能だが、成功の見込みは個別に審査される。

一方、ロシアのドローン攻撃により、ウクライナのクリヴィー・リフのショッピングセンターで少なくとも14人が死亡した。地域軍政当局のオレクサンドル・ハンシャ氏によると、負傷者は少なくとも103人で、うち27人が重傷を負い、3人の子どもが含まれる。ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は「絶対に冷笑的で卑劣な攻撃だ」と非難し、「ロシアを実際に責任追及しなければ平和は訪れない」と述べた。

ノルドストリーム爆破事件では、クロアチアのプーラの裁判所が、ウクライナ人のウォロディミル・Z容疑者をドイツへの引き渡し手続きのため拘留した。ドイツ連邦検察は同容疑者を爆発物の共同引き起こしなどの疑いで訴追しており、パイプラインに爆薬を取り付けた潜水士の一人とみている。

ベルリン近郊の森林で発見された武器隠し場所をめぐっては、ドイツ連邦検察総長が捜査を引き継いだ。アレクサンダー・ドブリント内相は、武器庫が攻撃計画のために設けられたとみられると述べた。容疑者はルーマニアで拘留されており、スパイ活動と重大な国家反逆罪の準備の疑いが持たれている。「外国勢力の関与」も排除できないという。ドブリント氏は「この事件は、高い脅威レベルにあることを示している」と述べた。

さらに、ドイツ政府はベルリン中心部にあるロシア文化センター「ロシアの家」の閉鎖を検討している。これはライプツィヒ空港でのドローン騒動を受けた措置で、ロシアによる「ハイブリッド攻撃シナリオ」への対応とみられる。ドイツ政府はロシア国内のゲーテ・インスティトゥートへの報復を懸念し、これまで協定破棄に慎重だったが、外務省は「国際条約法に基づくロシアの家の根拠を包括的に継続審査している」と述べた。

これらの動きは、ウクライナ戦争の長期化に伴う欧州の安全保障環境の悪化を浮き彫りにしている。ドイツはロシアの破壊活動やスパイ行為への警戒を強めており、ウクライナ支援と国内治安の両立が課題となっている。脱走兵問題はウクライナ軍の士気と人員不足の深刻さを示すものであり、今後の動員政策やドイツでの庇護問題に影響を与える可能性がある。

米最高裁、トランプ氏のホワイトハウス舞踏室建設を当面許可

米連邦最高裁は2026年8月21日、ドナルド・トランプ大統領の政権によるホワイトハウス舞踏室建設工事の継続を当面認める行政中止令を発出した。この命令により、工事の大部分を停止させていた下級審の判断は一時的に効力を停止された。最高裁は、政権側の緊急上訴を審理する間、工事の継続を認めたもので、首席判事のジョン・ロバーツが命令書に署名した。

本件は、トランプ政権がホワイトハウス東ウイングを解体し、推定総額4億ドル以上を投じて9万平方フィート(約8,360平方メートル)の舞踏室と地下軍事施設を建設する計画を進めていることに対し、歴史保存団体「ナショナル・トラスト・フォー・ヒストリック・プリザベーション」が訴訟を提起したものだ。同団体は、建設には議会の承認が必要だと主張している。政権側は、この計画が国家安全保障上不可欠であり、大統領への暗殺未遂事件など最近の脅威を踏まえると、完全に安全な舞踏室を含む統合軍事複合施設の建設が急務だと訴えていた。司法省は8月14日付の上訴状で、この計画を妨げる差し止め命令は「異常かつ違法」だと主張した。

工事は昨年7月に開始され、現在までに全体の約65%が完了している。地下には5階建ての軍事用バンカーが建設され、避難所や病院、ドローンの発着場などが設けられる予定だ。舞踏室自体もミサイル耐性の柱とドローン防御の屋根で補強され、地下施設とホワイトハウス全体を防護する役割を担うとされる。トランプ大統領はこれまでに「史上最高の舞踏室になる」と述べ、工事の継続を強く主張してきた。一方、下級審では連邦地裁のリチャード・レオン判事が3月に工事停止を命じ、連邦控訴裁も今月初めに議会承認の必要性を指摘して工事停止を支持していた。

今回の最高裁の判断は、法廷闘争の最終的な解決には至っていない。あくまで緊急上訴の審理中に工事を続行できるようにする暫定措置であり、最高裁が本案でどのような判断を下すかは未定だ。保存団体は、工事が急速に進めば裁判所の判断が意味を失うと懸念しており、最高裁が中止を認めれば実質的に訴訟は終了するとの見方を示していた。また、世論調査では回答者の56%が東ウイングの解体と舞踏室建設に反対しており、トランプ政権のワシントン再開発計画への批判は根強い。最高裁の最終判断は、今後の米国政治と首都の景観に大きな影響を与えることになる。

パキスタン:イムラン・カーン元首相、病院移送問題で政府とPTIが全面対立

パキスタンのイムラン・カーン元首相が、最高裁判所の命令に基づく病院移送をめぐり、政府と彼の率いるパキスタン正義運動(PTI)の間で激しい対立を引き起こしている。最高裁は8月18日、カーン氏の健康状態を考慮し、首都イスラマバードの民間病院であるシファ国際病院への48時間以内の移送を命じた。しかし政府は8月21日未明、カーン氏を公立のパキスタン医学研究所(PIMS)に連れて行き、診察後にアディアラ刑務所へ返還した。政府はシファ病院周辺に集まったPTI支持者による「治安上の懸念」を理由に移送先を変更したと説明している。

カーン氏の妹で医師でもあるウズマ・カーン氏は、PIMSでの診察は法廷命令の内容を満たすものではなかったと主張する。血液検査は実施されず、担当医は彼に処方された目薬を知らず、ファイルを検索する必要があったという。また、カーン氏は面会中、10ヶ月間にわたる独房収容を「精神的拷問」だと繰り返し訴え、読書資料やテレビへのアクセスが制限されていると不満を述べた。彼の主治医であるファイサル・スルタン氏は、シファ病院で約3時間待機したが、結局カーン氏に会うことはできなかったと述べている。

情報相アタウラー・タラール氏は、眼科医、心臓専門医、内科医を含む医師団が詳細な診察を行い、カーン氏は「医学的に健康」と判断されたと述べた。しかしPTIは政府の説明を拒否し、シファ病院の周辺ではPTI支持者による治安上の問題は発生していなかったと反論した。PTIの情報書記シェイク・ワカス・アクラム氏は政府の対応を最高裁判所命令の「意図的な違反」と非難し、法廷侮辱罪の申し立てを準備していると発表した。PTI会長ゴハル・アリ・カーン弁護士も、裁判所の指示に曖昧さはなく、カーン氏はシファ国際病院に移送されるべきだったと強調した。

カーン氏は2023年8月の逮捕以来、複数の事件で有罪判決を受け、収監されている。彼とPTIはこれらの判決は政治的に動機づけられたものだと主張している。今回の病院移送問題は、政府とPTIの間の新たな対立点となり、両者の関係にさらなる緊張をもたらしている。PTIは政治的解決を目指すと述べる一方で、最高裁判所の指示への従順を求め続けており、今後の法廷闘争が予想される。次回の裁判所審理は9月16日に予定されている。

タブンハジ不正疑惑:警察が5件の捜査書類を開く、首相は断固たる対処を強調

マレーシア警察は、商業犯罪捜査局(CCID)を通じて、タブンハジ(Lembaga Tabung Haji)関連の事件について5件の捜査書類を開く。これには、タブンハジ王立調査委員会(RCI)の報告書で提起された事項が含まれる。CCID局長のダトゥク・ルスディ・モハド・イサは声明で、これまでに127人の供述を記録したと明らかにする。さらに、海外からの証人を含む複数の人物を呼び出し、供述を記録する予定だ。

捜査は、刑法、タブンハジ法1995年、会社法1965年、および反マネーロンダリング・反テロ資金供与・不法行為収益法2001年(AMLATFPUAA)などの複数の法律に基づいて行われる。ルスディは、警察が独立・透明・専門的に、法律に従ってすべての捜査を実施することを約束すると述べる。また、犯罪行為に関与した者は、適用法に基づき適切な処置を受けると強調する。

一方、アンワル・イブラヒム首相は、タブンハジとフェルダにおける不正行為は、マレー人やイスラム教徒とのつながりに関係なく、断固として対処しなければならないと強調する。元タブンハジCEOは、RCI報告書の調査結果に基づき、7日間の拘留となる。警察は、進行中の捜査に関する憶測や未確認情報の拡散を控えるよう国民に求める。情報は公式チャネルを通じて入手し、混乱を防ぐよう助言する。

ヨルダン川西岸でパレスチナ人2人死亡、入植者暴力とE1入植計画に国際的非難

2026年8月21日、ヨルダン川西岸の占領地域でパレスチナ人2人が死亡した。北部ジェニンではイスラエル軍の銃撃により58歳のファティ・ジアダン・ハゼムが死亡し、南部ヘブロン近郊のサイールでは入植者の発砲により17歳の若者が死亡した。パレスチナ保健省とイスラエル軍がそれぞれの状況を発表している。

ジェニンでの事件について、イスラエル軍は「ジェニン地域での作戦中、兵士を刺そうとした刃物を持ったテロリストを射殺した」と説明した。パレスチナ側の目撃者は「イスラエル軍が家に侵入し、手を挙げるよう命じたが、彼は『あなたたちは何者だ』と応じ、ナイフで攻撃したため、10歳の息子の前で7発撃たれた」と証言した。ハゼムはパレスチナ治安部隊の元将校で、2022年にテルアビブで起きた襲撃事件を起こした息子ラアド・ハゼムの父親だった。

一方、サイールでは、パレスチナ人の石投げに対する対応として、入植地の警備責任者が発砲し、17歳のカリム・サナド・シャラルデが胸部に銃創を負って死亡した。70歳の男性も負傷した。イスラエル軍は「石投げによりイスラエル市民が負傷したため、警備責任者がパレスチナ人に向けて発砲した」と説明した。目撃情報によれば、武装した入植者の集団が住民に向けて発砲し、パレスチナ人の家に火を放ったという。

これらの暴力事件に加え、イスラエルがヨルダン川西岸を分断するE1入植計画を進めていることに対し、国際的な非難が高まっている。英国、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、カナダ、ノルウェーは、E1計画の下で1,200戸以上の住宅建設入札が開始されたことを「受け入れがたい」とし、「パレスチナ領土の地理的連続性に違反する」と共同声明を発表した。トルコ、エジプト、インドネシア、ヨルダン、パキスタン、カタール、サウジアラビア、アラブ首長国連邦の外相もE1計画を「危険なエスカレーション」として拒否する共同声明を出した。

ヒューマン・ライツ・ウォッチの報告書によれば、2023年1月以降、イスラエル国家支援の入植者暴力により、ヨルダン川西岸の107のパレスチナ共同体が完全または部分的に強制移住させられた。国連特別報告者のフランチェスカ・アルバネーゼはイスラエル軍を「最も不道徳な軍隊」と非難し、ガザでは停戦後も1,200人以上が殺害されたと述べた。

イスラエル軍と入植者による暴力の激化は、ヨルダン川西岸でのパレスチナ人の強制移住を促進し、和平プロセスをさらに遠ざけている。国際社会の非難にもかかわらず、入植活動は継続されており、地域の不安定性は深刻化する一方だ。

南アフリカ:DA財務委員長への告発とIDAC告訴取り下げ、司法の信頼性揺らぐ

南アフリカで、民主同盟(DA)の連邦財務委員長マーク・バークに対する刑事告発が、ANCとMK党によって行われた。同時に、犯罪情報局トップのドゥミサニ・クマロらに対する詐欺・汚職容疑が無条件で取り下げられ、司法制度の信頼性を巡る議論が高まっている。

バークはフィンテック企業カステロの創業者で、南アフリカ準備銀行が同社による40億ランドの違法な国外送金を疑っている。MK党のアンディレ・ムンギクサマはケープタウン中央警察署で49段落の宣誓供述書を提出し、ANCの院内総務ムドゥミセニ・ヌトゥリも同様の告発を行った。告発には通貨・外国為替法違反、詐欺、マネーロンダリング、規制当局への虚偽申告などが含まれる。7月28日のヨハネスブルグ高等裁判所判決は、カステロの銀行口座凍結命令を支持したが、法律違反の認定はしていない。DAは水曜日にバークを議会の財務委員会から外したが、バークは無罪を主張し、調査で潔白が証明されると期待している。

一方、IDAC(汚職捜査局)が起こしたクマロら7人の詐欺・汚職容疑は、マドランガ委員会の証言で捜査の不備が明らかになり、NPAが無条件で取り下げた。ブリガディエ・ディネオ・モクウェレは資格過剰であることが判明し、元IDACトップのアンドレア・ジョンソン氏の関与が疑問視されている。クマロは犯罪情報局のトップと政治殺人タスクチームのプロジェクトマネージャーに留まる。

また、DAはクバイ司法・憲法開発相がIDACの暫定トップ任命を「数日以内」と約束したのに3週間放置していると批判している。ジョンソン氏の辞任後、IDACの指導力空白が続いており、汚職対策の遅れが懸念されている。

これらの動きは、南アフリカの司法制度と政治の信頼性に影響を与える。与野党の対立が激化し、汚職対策機関の独立性が問われている。特に、IDACの指導力空白は汚職対策の停滞を招く恐れがある。

経済 (Economy)

中南米で相次ぐ大型投資と経済動向、安全保障の再編も加速

中南米では、ストリーミング配信大手のアマゾン・プライム・ビデオが2030年までにラテンアメリカの作品制作に20億ドルを投資すると発表した。メキシコシティでの記者会見で、国際担当副社長のケリー・デイ氏は「ラテンアメリカで起きていることは並外れている。才能、物語、観客がそうだ」と述べた。投資はオリジナル作品とライセンス作品、スポーツ中継を対象とし、メキシコ、ブラジル、アルゼンチン、コロンビア、チリからのオリジナル制作を2倍以上に増やす目標だ。2027年に25本、2028年にさらに25本の新作が配信される予定である。

一方、ブラジルのウルグアイへの直接投資残高は、2019年の25億ドルから2024年末時点で44億ドルへとほぼ倍増した。ウルグアイの投資促進機関ウルグアイXXIが発表したもので、農産業、金融サービス、小売、テクノロジー、観光などの分野に100社以上のブラジル系企業が進出している。また、ドミニカ共和国への海外直接投資は2025年に過去最高の50億3230万ドルに達した。中央銀行の発表で、前年比11.3%増となり、観光が26.3%、エネルギーが23.8%、不動産が15.7%を占めた。

ペルーでは、サザン・コッパー社が2033年までに約82億ドルを投じ、3つの鉱山と製錬所拡張を計画している。ティア・マリア鉱山は約18億ドルで、2027年の操業開始を予定し、進捗率は42%に達する。しかし、アレキパ州では、パンアメリカン・ハイウェイのアティコ=オコニャ区間が土砂崩れで16日から封鎖され、週末までに通行止めが続いた。アレキパ商工会議所は、停滞した貨物や損傷した積み荷などによる損失を約1億ソル(約3000万ドル)と見積もっている。

安全保障面では、日本が2027年度予算で過去最高となる8兆9000億円(561億ドル)の防衛費を要求する準備を進めている。ドローンやAI活用の指揮システム、長距離ミサイル、国内防衛産業の支援に重点を置く。アナリストは、インド太平洋地域の安全保障環境の悪化や、ウクライナ紛争から得た教訓、米国の安全保障傘への信頼低下が背景にあると指摘する。

欧州では、世界最古の銀行であるイタリアのモンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ(MPS)が、バンコBPMとバンカ・ジェネラリに対して同時買収提案を行った。評価額はBPMが253億ユーロ、バンカ・ジェネラリが87億ユーロで、統合後はイタリア第3位の銀行グループとなり、欧州トップ10入りするという。この動きは、イタリア最大手インテーザ・サンパオロによるMPS買収を阻止する狙いがあるとみられる。

テクノロジー分野では、中国のフラッシュメモリーチップメーカー長江儲存科技(YMTC)が上海証券取引所のSTAR市場で330億元(49億ドル)の資金調達を計画している。また、米決済大手ストライプは、AIモデルへのアクセスを仲介するプラットフォーム「オープンルーター」を75億ドルで買収した。これはストライプ史上最大の買収となる。

暗号資産大手テザーは、ウルグアイでのビットコイン採掘事業を断念した。エネルギー供給を巡る国営電力会社との紛争が原因で、約1億2000万ドルを投じた2つの採掘施設は放棄された。テザーは2023年にウルグアイ進出を発表していたが、採算性の悪化や政治情勢の変化も重なり、計画は頓挫した。

米財務長官が国債買い戻し拡大を示唆、南アは未請求資産一元管理へ

米国のベセント財務長官が国債買い戻しの拡大を示唆した。南アフリカでは未請求金融資産の一元管理案が公表された。フォルクスワーゲン南ア工場は月間生産記録を更新した。各国で経済政策の転換が進んだ。

ベセント長官はCNBCのインタビューで、米政府の長期国債買い戻しを拡大する可能性に言及した。前日に発表された買い戻し倍増計画に市場が反応し、30年債利回りは昨年10月以来の大幅な低下を記録した。しかし翌日にはその半分が戻り、市場の懐疑は続いた。30年債利回りは5.24%で取引され、2007年6月以来の高水準に近い。ベセント氏はイラン紛争について「我々はこの先に進む」と述べたが、時期は不明だと認めた。

南アフリカの国立財務省は、未請求金融資産の一元管理を提案する討議文書を公表した。2022年の金融部門行為監督機構の数字によると、南アの未請求金融資産は885.6億ランドに上る。財務省は金融機関に対し、未請求資産を中央管理者に移管することを提案した。資産は南アフリカ準備銀行の子会社である公的預金公社に投資される。改革は段階的に導入され、まず未請求退職給付から始まる。

フォルクスワーゲン南アフリカは7月に17,009台を生産し、月間記録を更新した。これは2025年7月の16,670台を上回った。カリエガ工場は1948年から1963年までの最初の15年間の年間生産台数を上回る生産を1ヶ月で達成した。しかし、欧州の2035年内燃機関禁止を控え、ポロの将来は不透明だ。

南アの政府・企業パートナーシップは第3段階を開始し、経済成長率3%超と2030年までに100万人の追加雇用を目指す。しかし失業率は33.6%に上昇した。課題は大きい。

これらの動きは、各国が経済政策の転換を迫られていることを示した。米国の国債市場への介入は財政コストの上昇への対応であり、南アの改革は経済基盤の強化を目指すものだ。フォルクスワーゲンの生産記録は南ア製造業の潜在力を示す一方、EV移行期における将来の不確実性も浮き彫りにした。

社会 (Society)

スウェーデンの高校で刃物男が複数人を負傷、容疑者を拘束

スウェーデン中部のファーゲルスタにあるブリネル高校で22日午後、刀剣を所持した男が複数人を負傷させる事件が発生した。地元当局によると、現場にいた1人が拘束され、警察はすでに公衆への危険はないと発表した。

警察は現地時間午後2時過ぎに通報を受け、救急車やパトカー、警察ヘリコプターが現場に出動した。ファーゲルスタ市は「刀剣を持った犯人がブリネル校に入り、複数人を負傷させた」と声明で明らかにし、犯人は警察に拘束されたと述べた。負傷者の正確な数は明らかにされていないが、地域医療当局によると、少なくとも2人の10代が重傷で入院しており、3人目は負傷の程度が未確定のまま搬送中だ。重傷の2人は12歳から17歳の少年で、うち1人は緊急手術中だが、2人とも容体は安定しているという。

事件を受け、ファーゲルスタ市内の他の学校や公共施設は一時ロックダウンされた。スウェーデンのメディアは警察が容疑者に発砲したと報じたが、公式には確認されていない。容疑者は元生徒という報道もある。学校は夏休み明けで、一部の生徒にとっては高校初日だった。

スウェーデンのウルフ・クリステション首相は「深刻な事件だ」と述べ、警察が集中的に捜査していると表明した。ユスティティエ大臣のグンナル・ストロンマーも政府が警察と緊密に連絡を取っていると述べた。野党・社会民主党党首のマグダレナ・アンデションは「全スウェーデンがファーゲルスタと共にある」とXに投稿した。

この事件は、2025年2月に同国中部のエレブルーで起きた銃乱射事件(10人が死亡、スウェーデン史上最悪の大量銃撃)から約1年後の発生となる。スウェーデンでは教育機関を標的とした襲撃事件が近年相次いでおり、社会の安全対策が改めて問われる事態となった。

世界で深刻化する水危機とインフラ老朽化――日本から南アフリカまで、夏の異常気象が露呈した構造的問題

2026年8月、世界各地で水不足とインフラ老朽化が同時多発的に顕在化している。日本では日清食品が発売した冷水で作れるカップ麺が初回出荷分を1週間で売り切る異例のヒットとなった。これは記録的な猛暑の中で、熱い湯を使わずに調理できる利便性が支持されたためだ。同社は特許取得済みの新製法で滑らかでコシのある麺を実現し、5年の開発期間を経て307円で販売している。

欧州ではドイツのライン川で低水位が続き、カールスルーエ工科大学の水域生態学者クリスチャン・ダム氏は「水を収穫する必要がある」と警鐘を鳴らす。同氏は、地下水涵養の減少が根本原因であり、農業排水路の整備や土地利用の非効率性が状況を悪化させていると指摘する。また、ハンガリーではヴェレンツェ湖の水位が16日に約20センチまで低下し、過去最低を記録。ドナウ川も記録的な低水位となり、パクシュ原子力発電所の出力は能力の約25%にまで落ち込んだ。同国では過去数十年にわたり排水路網の整備が進められ、歴史的な湿地の80%以上が失われたとされる。

北アフリカではチュニジアで、夏の間続く電力・水道の遮断と物資不足に対する抗議デモが発生している。フランス24の映像によれば、8月20日にも断水・停電に抗議する新たなデモが行われた。一方、英国では水道規制機関が宗教的儀式や調理における節水を促す異例のキャンペーンを展開。イスラム教徒の沐浴(ウドゥ)に1リットルの水を使用するよう勧め、アジア系住民には米を研ぐ際の節水を呼びかけた。しかし、漏水による水損失がホースパイプ禁止で節約できる量の5倍に上るという批判も出ている。

南アフリカでは、ヨハネスブルクの住民が電力供給の不安定さに直面し、太陽光発電システムの導入が進んでいる。ある住民は、負荷制限(ロードシェディング)と呼ばれた停電への対抗策として、充電式ライトやインバーターを経て、最終的に約8万5000ランドを投じて太陽光パネルを設置した経緯を綴っている。また、ラディスミスでは8月7日から続く断水が3週間に及び、地元の高校が衛生状態の悪化で閉鎖に追い込まれた。民主同盟(DA)は自治体の対応を批判し、高裁判所への申し立てを行っている。

これらの出来事は、気候変動による異常気象の常態化と、それに対応しきれない社会インフラの脆弱性を同時に浮き彫りにしている。日本での冷水面のヒットは消費者の適応を示す一方、欧州やアフリカでの水危機は、長期的な水管理戦略の欠如がもたらす深刻な社会的影響を如実に示している。

世界の子供をめぐるニュース:慈善活動から悲劇まで、社会の課題が浮き彫りに

世界各地で子供をめぐる悲劇と希望のニュースが相次いだ。米国フロリダ州では7歳の少女デラニー・デニスが動物保護のための資金集めで61,000ドル以上を集め、南アフリカでは7歳の作家トロトロ・ツェカが急逝した。一方、日本やキプロスでは親による子供の置き去り事件が発生し、インドでは少女の死亡事件が社会の怒りを呼んでいる。

デラニー・デニスは2019年、7歳で両親の経営するカフェにレモネードスタンドを開設し、売上金を動物保護団体に寄付してきた。2022年にはアメリカ動物虐待防止協会から「年間最優秀少女」に選ばれ、2023年にはテレビ出演で得た2,500ドルを保護団体に寄付した。彼女は「自分の世代に動物を助けるよう刺激を与えたい」と語る。

日本では8月20日、静岡県の富士山で48歳の父親が7歳の息子を標高約2,490メートルの六合目に置き去りにし、長男とともに山頂へ向かった。山小屋の従業員が発見し警察が保護、父親は厳重注意を受けた。キプロスでは、サッカー観戦のためにアルバニアへ渡航した父親が11歳の娘を2日間放置し、当局が児童虐待の疑いで捜査している。

インドのジャンムー・カシミール州キシュトワールでは、14歳の少女が強制堕胎の試みで死亡し、教師ハリド・フセインが性的暴行などの容疑で逮捕された。少女は約5か月の妊娠が確認され、教師とその兄弟が非合法な堕胎を試みたとされる。また、別の事件では6歳の子供が教師に平手打ちされ死亡し、教室の防犯カメラに記録された。

南アフリカでは、7歳の作家・イラストレーターであるトロトロ・ツェカが急病で死去した。彼女は3冊の本を出版し、4冊目の原稿を完成させていた。ナリバリ信託のアンバサダーとしても活動し、著作権の重要性を説いていた。一方、ボクサーのケビン・レレナは南アフリカ年間最優秀スポーツマン候補に選ばれ、2025年のWBC世界王座防衛を振り返った。

これらの出来事は、子供の安全と福祉をめぐる国際的な課題を浮き彫りにした。親による放置や教育現場での暴力は、社会全体の対応を問いかける。同時に、若い世代の慈善活動や創作活動は希望の光となる。メディア業界では、IOLが南アフリカの工学賞で年間最優秀出版者に選ばれ、インフラ報道の重要性が認識された。

ブエノスアイレス週末情報:ミロンガ写真集出版、21Kマラソン開催、空港閉鎖、スーパーエルニーニョ対策

アルゼンチンの首都ブエノスアイレスでは、週末にかけて文化・スポーツ・交通・防災にわたる多様な動きが同時進行している。写真家フリオ・フォステルは、ブエノスアイレスのタンゴ舞踏会「ミロンガ」を収めた写真集『Luces de Milongas』を22日に発表する。また、23日には第37回となる21Kブエノスアイレス・ハーフマラソンが開催され、世界記録保持者に迫るエチオピアのヨミフ・ケジェルチャらが出走する。一方、アエロパルケ空港は25日から55時間閉鎖され、約900便がエセイサ国際空港へ振り替えられる。さらに、ブエノスアイレス州は「スーパーエルニーニョ」に備え、1.7兆ペソを投じた大規模な洪水対策計画を進めている。

フォステルは、幼少期に祖父の暗室で写真が現像される瞬間に魅了され、写真家の道を歩んだ。スペインで34年間過ごした後、故郷アドロゲに戻り、ミロンガの写真をInstagramに公開したことがきっかけで出版が実現した。彼は「写真は知識への道であり、見方を変える」と語る。写真集は22日17時からアドロゲ図書館で発表され、プロローグはタンゴ国立アカデミーのハビエル・バレイロが執筆した。

21Kマラソンは、日曜8時にドレゴ通りとフィゲロア・アルコルタ通りの交差点からスタートする。参加者は31,500人で5年連続の記録更新だ。ケジェルチャはロンドンマラソンで2時間を切った世界で2人目のランナーであり、今回の出走が注目される。女子ではフォティエン・テスファイが参加し、アルゼンチンからはフロレンシア・ボレリらが出走する。大会に伴い、週末は市内各所で交通規制が敷かれる。

気象面では、23日のマラソン当日は最低気温3〜5度、最大13度の寒さとなり、南西からの風が毎時5〜15キロ、突風は25キロに達する見込みだ。雨の心配はないが、寒さ対策が求められる。また、アエロパルケ空港は25日午前9時から27日午後4時まで滑走路の予防的メンテナンスのため全面閉鎖され、国際線はエセイザへ、国内線は振替または再予約となる。影響便は約900便に上る。

ブエノスアイレス州は、2026年春から夏にかけて「非常に強い」から「異常」と予測されるエルニーニョ現象に備えている。既に州土の3分の2以上で土壌が飽和状態にあり、洪水リスクが高まっている。州政府は河川改修や排水路整備など138件の事業に1.7兆ペソを投じ、重機28台の導入や早期警報システムの強化を進める。インフラ相のガブリエル・カトポディスは、国家政府が国際融資の保証を出さず事業が遅れていると批判した。

生活・健康 (Life & Health)

コンゴ民主共和国のエボラ流行が指数関数的に拡大、死者2,500人超 国連が警告

コンゴ民主共和国(DRC)で猛威を振るうエボラ出血熱の流行が「指数関数的に拡大」しており、死者数が2,500人を超えた。国連上級エボラ調整官のジュリアン・ハルネイス氏が金曜日、ビュニアからのビデオ会議で警告を発した。流行はフランスの国土面積を超える地域に広がっており、その拡大速度は対応を上回っているという。

今回の流行は、承認されたワクチンや治療法が存在しないバンディブギョ株のエボラウイルスによって引き起こされている。5月15日に公式に宣言されたが、専門家はそれ以前からウイルスが循環していた可能性を指摘する。既にDRC史上最大の流行となっており、過去最速の拡大速度で、西アフリカで2014年から2016年にかけて発生した世界最悪の流行(約11,000人死亡)と比較して約3倍の速さで拡大している。死者2,500人のうち半数は直近20日間で報告された。

対応の最前線では、医療従事者への攻撃が深刻化している。約160人の医療従事者がエボラに感染し、そのうち43人が死亡した。過去6か月で260件以上の攻撃が報告され、8人の医療従事者が殺害された。地元住民の間では、流行が偽物であるという陰謀論が広がり、医療制限に怒った若者らが救急車や医療施設を攻撃する事例が発生している。また、緊急資金が数週間以内に枯渇する見込みであり、政府が商業便を停止したことで銀行への現金輸送が滞り、対応従事者への給与支払いにも支障が出ている。

こうした中、世界保健機関(WHO)とアフリカ疾病予防管理センター(アフリカCDC)は、より一般的なザイール株向けに承認されたエルベボワクチン70,000回分をDRCに割り当てた。このうち20,000回分は、現在のバンディブギョ株に対する有効性を評価する第3相臨床試験に使用され、残り50,000回分は最前線の医療従事者に投与される。エルベボがバンディブギョ株に対してヒトで防御効果を持つかは不明だが、初期の実験室および動物データは一定の防御効果の可能性を示唆している。専門家らは、バンディブギョ株特異的なワクチンが開発されるまでの間、この既存ワクチンが命を救う可能性があると期待を寄せる。

ハルネイス氏は、対応を強化しなければ「この流行はより致命的となり、より広範囲に拡大し、隣国に波及するリスクがある」と警告した。流行は既にウガンダにも拡大しており、紛争と貧弱な医療インフラが続く東部地域での封じ込めは極めて困難を極めている。今回の流行は、国際社会の迅速かつ大規模な支援なしには制御不能に陥る可能性が高いことを示している。

世界の健康政策と軍事・社会のメンタルヘルス、多国で新たな動き

世界の保健・医療分野では、米国防総省の爆発暴露管理、アルゼンチンの賭博依存症対策、マレーシアの衛生用品規制、イランとナイジェリアの保健システム強化、米空母乗組員の精神的健康問題、南アフリカの女性メンタルヘルス支援など、多岐にわたる新たな動きが報告された。これらの動きは、各国が健康政策を再編し、軍人や市民の精神的・身体的健康を守るための取り組みを強化していることを示す。

米国政府説明責任局(GAO)は、国防総省が兵士の爆発暴露を監視するための資源評価を求める報告書を公表した。爆発暴露は戦闘だけでなく訓練や武器演習でも発生し、認知機能や精神衛生に影響を与える可能性がある。2025会計年度には19万8161人の新兵が認知評価を完了したが、高リスク兵士の評価率は陸軍87%、空軍81%、海軍59%にとどまった。GAOは人員と技術の不足を指摘し、国防長官に資源評価を勧告した。また、1万人の退役軍人の臨床記録を分析した研究では、爆発暴露と怒り・攻撃性・暴力の頻度増加との関連が検出されたが、因果関係ではないとされた。

アルゼンチン政府は、緊急必要令771/2026により、賭博依存症(ルドパチア)の予防・治療を保健省の機能に追加し、食品の衛生監視を経済省に移管した。同令は、学生の4分の1以上が過去1年間に金銭賭博に参加したという調査結果を根拠に、デジタルプラットフォーム経由の賭博が特に増加していると指摘した。

マレーシア保健省は、Chomelブランドの手指消毒剤3ロット(BN111025、BN01026、BN061225)に基準値を超えるメタノールが含まれたため販売禁止を発表した。メタノールは皮膚刺激や視力障害、死亡を引き起こす可能性がある。また、同省は2027年度予算の優先事項として、医療サービス強化、国家の回復力向上、社会的公正の推進を挙げた。

イラン保健省とWHOは、プライマリーヘルスケア(PHC)の運用枠組みに関する第2回能力構築ワークショップをテヘランで開催した。14の運用レバーと人工知能の活用について議論し、保健システムの回復力強化を目指した。ナイジェリア連邦保健省は、第67回全国保健評議会(NCH)を11月にナサラワ州で開催する準備として、小委員会を発足させた。

米空母エイブラハム・リンカーンの乗組員約5000人は、9か月に及ぶ過酷な任務で精神的健康が悪化し、乗組員による艦外への飛び降り未遂が報告された。海軍は少数の精神疾患症例を治療したと認めたが、専門家はリーダーシップの一貫性のないメッセージが苦痛を増幅させたと指摘した。南アフリカでは、登録カウンセラーのジョセフィン・コンデが女性の精神的健康問題を指摘し、ダーバンのキム・キンゼイ=ヒューストンが女性向けの安全な対話の場「ティー・オブ・ホープ」を2021年から開催している。

これらの動きは、各国が健康政策を再編し、軍人や市民の精神的・身体的健康を守るための取り組みを強化していることを示す。特に、爆発暴露の健康影響や賭博依存症の増加など、新たなリスクへの対応が求められている。

スポーツ (Sports)

世界王者シナー、右膝負傷で全米オープン欠場

男子テニス世界ランキング1位のヤニック・シナーが、右膝の負傷により今季最後のグランドスラム大会である全米オープン(USオープン)を欠場すると発表した。シナーは今月21日に声明を発表し、モンテカルロでの練習復帰後も回復が不十分であることを明かした。

シナーは7月のウィンブルドンで2年連続2度目の優勝を果たして以来、公式戦に出場していない。今季は44勝3敗、6タイトルを獲得しており、ウィンブルドンを含むグランドスラム通算5勝を挙げている。しかし、右膝の問題は全米オープン前の重要な調整戦であるカナダ・オープンとシンシナティ・オープンの欠場にもつながっていた。

シナーは「ニューヨークは私の心の中で特別な場所だ。とても悲しく、失望している」とコメント。今後はヨーロッパに残り、回復に専念する方針を示した。9月末から10月初旬に予定されるアジアツアー(北京、上海)での復帰を目指すという。

一方、昨年の全米オープン決勝でシナーを破ったカルロス・アルカラスは、右手首の負傷から約4か月ぶりに同大会で復帰することを前日に発表している。シナーの欠場により、アルカラスは同大会で2年連続優勝の有力候補となる。ドイツのアレクサンダー・ズベレフが第1シードとなり、アルカラスが第2シード、カナダのフェリックス・オジェ=アリアシムが第3シードとなる見込みだ。

南アフリカとニュージーランドが歴史的4連戦へ、ラグビー界最高のライバル対決が開幕

ラグビー界最高のライバル対決と称される南アフリカ代表スプリングボクスとニュージーランド代表オールブラックスの4連戦シリーズ『Rugby's Greatest Rivalry』が、8月22日にヨハネスブルクのエリスパーク競技場で開幕する。両チームは過去110回のテストマッチで対戦し、ニュージーランドが63勝、南アフリカが43勝、4引き分けという歴史を誇る。今回のシリーズは30年ぶりとなる4連戦形式で、南アフリカ国内3会場とアメリカ・ボルチモアで開催される。

南アフリカの主将を務めるピーターステフ・デュトイは、オールブラックスとの対戦に緊張感を抱きつつも、その感情を受け入れることの重要性を強調した。「若い頃からの夢はエリスパークでスプリングボクスのジャージを着て、ニュージーランドとハカと対峙することだった」と語り、集中力の維持が勝利の鍵だと述べた。負傷中のシア・コリシに代わり主将を務めるデュトイは、ラインアウトとスクラムでのパフォーマンスが重要になると指摘する。

ラッシー・エラスムス監督は、元オールブラックスのアタックコーチ、トニー・ブラウンがハカの意味をチームに説明したことで、ハカへの向き合い方が変化したと明かした。「過去にはハカを無効化する方法を考えていたが、今はそれに直面することを名誉に思う」と述べ、ハカ中の観客に静粛を呼びかけた。また、エラスムス監督はオールブラックスのデイブ・レニー監督との心理戦にも挑んでおり、試合前のレフェリー面会を拒否するなど、駆け引きが続いている。

一方、南アフリカのレジェンドであるビクター・マットフィールドは、現在のスプリングボクスを「史上最高のチーム」と称賛した。南アフリカは過去2回のワールドカップを制しており、ニュージーランドもその前の2回を制覇している。両国は世界大会10回のうち7回を優勝しており、今回のシリーズは世界ラグビーの頂点を決める注目の一戦となる。