2026年5月に北京で開催されたトランプ米大統領と習近平国家主席の首脳会談において、両首脳間で長期的な戦略的合意が成立した。この合意を受けて、中国は大豆の調達をブラジルから米国へとシフトさせており、その比率は6対1に達する。米農務省(USDA)は中国向けに100万トン以上の大豆を販売したと報告している。主要な買い手である国営企業・中儲糧(Sinograin)は、10月・11月納期の米国産大豆15船分を購入した。同期間のブラジルからの購入はわずか2船分である。
大豆価格は上昇せず、シカゴ先物市場では1%の小幅安となった。ブラジル穀物輸出業者協会(ANEC)によれば、ブラジルは今年970万トンの油糧種子を輸出する見込みで、そのうち500万トン以上が中国向けとなる。中国の国営企業はこの期間、米国から80万トンの大豆を追加購入したが、これは5月の合意の直接的な結果であり、さらにUSDAが発表した48万8000トンと、今後2週間の13万2000トンが加わる。2026/27年度の中国による米国産大豆の購入は、過去3か月で600万トンを超え、習氏がトランプ氏に約束した年間2500万トンの4分の1以上に相当する。中国側は大豆以外の米国農産物170億ドルの購入も約束している。
一方、アルゼンチンでは大豆産業が復活の兆しを見せている。1月から6月までの期間、農業・アグリインダストリーの各チェーンが外貨純収入の72%(192億4600万ドル)を貢献したと、経済学者デビッド・ミアッツォ氏が指摘する。元農業市場次官ハビエル・プレシアド・パティーニョ氏によれば、7月の輸出は1460万トンに達し、6月の940万トンから大幅に増加した。また、2027年1月からの大豆輸出関税引き下げが見込まれ、ロサリオ穀物取引所の予測では、次期作で大豆がトウモロコシから60万ヘクタールを奪うという。トウモロコシの作付面積は7.3%減の1040万ヘクタールとなる見込みだ。さらに、モリノス・アグロ社がティンブエスに新たな搾油工場を建設することを発表し、ルイ・ドレフュス社もバイアブランカに大豆・ヒマワリ処理用の多製品工場を建設する計画だ。
しかし、アルゼンチン中央銀行のサンティアゴ・バウシリ総裁は2026年8月14日、メンドーサでのビジネスフォーラムで、経済成長率は2024年以降、年間約2%にとどまり、「我々が望むよりもはるかに遅い」と認めた。高金利政策がインフレ抑制と外貨準備の再構築に効果を発揮する一方で、景気回復を圧迫している。6月の月次インフレ率は1.9%、7月は2.1%に低下し、2024年の3桁台から大幅に改善した。中央銀行は4月末までに約69億ドルの純外貨を買い入れ、市場予想以上の速さで準備を積み上げた。
台湾では、行政院主計総処(DGBAS)が今年の経済成長率予測を11.05%に引き上げた。これは39年ぶりの高水準であり、AI関連ハードウェアへの需要急増が牽引している。輸出は過去最高の9036億ドルに達する見込みで、前年比41.19%増となる。民間投資も11.58%増と5年ぶりの高成長が見込まれる。一方、インフレ率は2.07%に上昇する見通しだ。
インドでは、グローバル・キャパビリティ・センター(GCC)部門で人材不足が戦略的リスクとなっている。PwCインド・FICCIの調査によれば、GCCリーダーの11%が本社機能を他国に移すことを検討しており、59%が人材不足による製品発売の遅延を報告している。54%がAI・デジタル変革プログラムの拡大が制限されていると回答した。人材投資予算は通常の運営予算の約3%だが、AI時代に適応するには少なくとも6%に倍増が必要だとされている。
インドのナレンドラ・モディ首相は80回目の独立記念日演説で、インドが過去12年間で「脆弱な5か国」から世界最速の主要経済へと変貌したと述べた。2047年までに先進国となる目標を掲げ、「世界はインドを違った目で見ざるを得なくなるだろう」と語った。また、自由闘士の理想が国の発展を導き続けるとし、140億人の国民とともに新たな高みを目指すと強調した。
これらの動向は、米中という超大国の関係が世界の農産物貿易の流れを変え、各国の経済政策に影響を与えていることを示している。アルゼンチンの成長鈍化、台湾のAI主導の好況、インドの人材課題は、それぞれの国が直面する異なる現実を浮き彫りにした。世界経済は依然として不確実性が高いが、米中協定は貿易の基盤を再編しつつある。