The Morning Star Observer

2026年08月11日 火曜日夕刊 (Evening Edition)ArchiveAbout

コロンビア西部でM7.4の地震、死者130人超 新大統領就任3日目で国家非常事態宣言

現地時間10日午前7時34分、コロンビア西部でマグニチュード7.4の強い地震が発生し、同国では21世紀に入って最大規模の地震となった。チョコ県サンホセ・デル・パルマール付近を震源とし、深さは約103キロ。首都ボゴタを含む国内広範囲で揺れを観測し、隣国のエクアドル、パナマ、ベネズエラでも感じられた。コロンビア首都圏協会(Asocapitales)の集計によると、11日朝の時点で死者は少なくとも132人、負傷者は570人以上に上り、建物の倒壊は61棟以上に達している。政府は国家非常事態を宣言し、救助活動を急いでいる。

震源に近いリサラルダ県の県都ペレイラでは、中心部のボリーバル広場で建物が崩壊するなど被害が集中し、少なくとも60人が死亡した。カリ市では病院の一部が倒壊し、患者らが下敷きになるケースも発生。カリ市では188人が行方不明となっており、夜間の外出禁止令が出された。マニサレスのネオゴシック様式の大聖堂では塔の一部が崩落し、歴史的建造物にも被害が出た。チョコ県の県都キブドでは停電や通信障害が発生し、被害の全容把握が遅れている。

地震発生はアベラルド・デ・ラ・エスプリエージャ大統領が就任してわずか3日目のことで、新政権にとって最初の大きな試練となった。大統領は「国家としての全能力を動員し、被災者の救助を最優先する」と述べ、被災地に閣僚を派遣した。米国は緊急支援として1550万ドルの援助を発表し、欧州連合(EU)は衛星サービス「コペルニクス」を救助活動に活用することを表明。中南米諸国からも支援の申し出が相次いでいる。専門家は今後数カ月にわたり余震が続く可能性を指摘しており、被災地では引き続き警戒が必要だ。

トランプ米大統領、インファンティーノFIFA会長交代は「重大な過ち」と警告

ドナルド・トランプ米大統領は10日、職場での不倫疑惑や頓挫した民間投資計画への批判に直面しているジャンニ・インファンティーノFIFA会長を支持し、会長交代は「重大な過ち」になると警告した。トランプ氏は自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」への投稿で、「FIFAが何らかの理由でジャンニ・インファンティーノ会長の交代を検討することさえあれば、それは重大な過ちとなるだろう」と述べ、同氏を「素晴らしい」と評し、「史上最も成功したワールドカップを4倍の差で主宰した」と称賛した。

この支持は、欧州サッカー連盟(UEFA)、北中米カリブ海サッカー連盟(CONCACAF)、アジアサッカー連盟(AFC)の3連盟がインファンティーノ氏に対し、非公開の民間投資計画を巡り「欺瞞による信頼の破壊」があったとする公開書簡を発表したことを受けたものだ。3連盟はサッカーは「いかなる個人のものでもない」とし、「サッカー界におけるリーダーシップは所有物ではない。権力を保持すること、あるいは要求することではない」と主張した。

インファンティーノ氏は、ワールドカップを含むFIFA主催大会の商業権を管理する新会社「FIFAフォワード・エンタープライズ(FFE)」を設立し、その21%を民間投資会社に売却する計画を提案したが、激しい反発を受けて撤回していた。この計画を巡っては、UEFAがワールドカップを含むFIFA主催大会のボイコットを脅かす事態に発展していた。インファンティーノ氏は来年3月のFIFA会長選で再選を目指しているが、この混乱でその立場は揺らいでいる。

一方、2026年ワールドカップの共催国の一つである米国サッカー連盟とカナダ・サッカー連盟は、3連盟の公開書簡を支持する声明を発表した。これに対し、もう一つの共催国であるメキシコはインファンティーノ氏を支持しており、共催国間でも対応が分かれる形となった。アフリカサッカー連盟(CAF)や南米サッカー連盟(CONMEBOL)はトランプ氏と同様にインファンティーノ氏を支持している。

イランの暗殺脅威でトランプ大統領、ケータリング用コンテナに隠れ秘密裏にトルコ離脱

ワシントン・ポスト紙は10日、ドナルド・トランプ米大統領が先月、イランによる暗殺の脅威を受けて、ホワイトハウスがエアフォースワンに搭乗したと発表した際、実際にはトルコから秘密の軍用機で出国していたと報じた。同紙によると、トランプ氏はアンカラでカメラの前で旧型エアフォースワンに搭乗した後、空港のケータリング用トラックで小型機C-32Aに移送され、英国へ向かった。この欺瞞作戦は、トランプ氏に対する信頼できる脅威によって引き起こされたもので、2000年にビル・クリントン元大統領が偽のエアフォースワンを囮に使用した作戦と類似している。

トランプ氏は7月8日、NATO首脳会議に出席するため、カタールから贈呈された新型ジェット機でアンカラに到着していた。しかし、出発時には「昔を懐かしんで」旧型のベビーブルーのエアフォースワンを使用すると発表し、新型機の安全性に疑問が生じていた。実際には、トランプ氏は旧型機に搭乗した後、ケータリング用コンテナに隠れてC-32Aに移動。旧型機には記者やホワイトハウス職員が搭乗し、囮として機能した。記者らは飛行中、窓のシェードを閉じるよう指示されていた。

トランプ氏を乗せたC-32Aは英国に現地時間午後10時20分頃到着し、旧型機は数分後に到着した。トランプ氏がC-32Aから旧型機にどのように戻ったかは不明だが、午後10時56分に旧型機のタラップを降りる姿が確認された。ホワイトハウスのスティーブ・チュン広報部長は「アメリカには大統領を狙う敵が多く、あらゆる手段を講じている」と述べ、新型機の安全性を擁護した。この作戦は、イランとの緊張が高まる中で実施され、米国とイランの紛争が長期化する中での異常な措置となった。

ホルムズ海峡封鎖が世界経済を直撃、原油急騰と通貨安が進行

米国とイランの対立が深刻化する中、ホルムズ海峡の通航量が激減し、世界経済に大きな影響を与えている。海運データによると、月曜日の海峡通過は6隻にとどまり、10日間平均の約11隻を大きく下回った。戦前は通常130〜140隻が通過していた。米国のトランプ大統領は、イランへの補償要求を表明し、海峡の掃海完了と米海軍による完全な支配を主張したが、イランは制裁解除などの条件を満たすまで海峡を再開しないとしている。

この膠着状態を受け、原油価格は急騰している。ブレント先物は1バレル87ドル台、WTIも82ドル台と、7月31日以来の高値圏で推移している。先週は停戦期待から7%超下落したが、米国の補償要求で再び上昇に転じた。イランはオマーンとの間で新たな航路協議を進めているが、米国との直接交渉は行われていない。イラン外務省報道官は「米国の海上封鎖が続く限り、海峡再開の条件は整わない」と述べた。

原油高は各国通貨にも影響を与えている。インド・ルピーは対ドルで8パイサ安の95.38ルピーとなり、パキスタン・ルピーはほぼ横ばいだったが、エネルギー輸入依存度の高い国々ではインフレ圧力が強まっている。また、カタールからのLNG輸送船がパキスタンに到着したものの、ホルムズ海峡の混乱はエネルギー供給の不確実性を高めている。世界の株式市場は、米国のインフレ指標待ちで方向感を欠く展開となっている。

専門家は、米国とイランの双方が「石油を武器化」していると指摘し、短期的な解決は難しいとの見方を示している。BRICS首脳会議が来月開催される予定で、インドと中国が主導して海峡危機の解決を図る可能性も模索されているが、現状では打開策は見えていない。

政治 (Politics)

トランプ大統領、イランに賠償要求を突き付ける ホルムズ海峡再開交渉は暗礁に乗り上げる

トランプ米大統領は10日、イランに対し、過去の戦争や攻撃、抗議活動で殺害・負傷させた人々への補償を求める新たな要求を突き付けた。これは、テヘランが戦争賠償を求めたことへの対抗措置であり、和平交渉の行方は一段と不透明になった。トランプ氏は自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」で「イラン・イスラム共和国の代表が過去5カ月の軍事衝突で受けた損害の補償を求めているのを見た。興味深い考えだ。私も同様にイランに補償を要求する」と述べた。

トランプ氏はさらに、イランが過去50年間に殺害した「数十万人の無実の抗議者」の家族への補償に加え、2000年にイエメンで発生した米艦船「コール」襲撃事件で死亡した米兵士17人の家族への補償も要求すると表明した。ただし、この事件はアルカイダの犯行とされており、イランの関与は指摘されていない。また、レバノン、シリア、イエメン、ガザでの損害と死傷についてもイランが責任を負うべきだと付け加えた。

イラン外務省報道官のエスマイル・バガエイ氏は、米国の経済制裁に依存する姿勢を「制裁への病的な中毒」と批判し、「ワシントンが外交を追求できないときは常に制裁に後退する。制裁が成果を上げないときは単に用量を増やす。これはもはや政策ではなく習慣であり、思考そのものを追い出した中毒だ」と反論した。

こうした応酬の中、ホルムズ海峡の再開交渉は停滞している。イランは、米国による封鎖解除、制裁の解除、凍結資産の解放、戦争損害の補償を条件に掲げており、オマーンとの間で海峡の新たな航行ルートについて協議を進めているが、実際の再開は米国との交渉次第だとしている。トランプ氏の発言を受けて、原油先物価格は上昇し、ブレント原油は1バレル87ドル(約121カナダドル)で取引され、前日比4.6%高となった。

この膠着状態は、世界経済に深刻な影響を及ぼしている。戦争前は世界の石油・液化天然ガスの約5分の1が通過していたホルムズ海峡は、2月の米イスラエルによるイラン攻撃以降、事実上封鎖されており、原油価格とインフレを押し上げている。11月の中間選挙を控えたトランプ氏にとって、国内で不人気な戦争を終わらせる圧力は強まっている。

トルコ議会、PKK解体に向けた歴史的法案を可決——条件付き恩赦で和平プロセス前進

トルコ大国民議会は10日、非合法組織クルディスタン労働者党(PKK)の解体と戦闘員の社会復帰を目指す歴史的法案を可決した。約12時間に及ぶ審議の末、賛成468票、反対88票、棄権6票で可決された「テロのないトルコ法」は、武器を放棄したPKK戦闘員の一部に条件付き恩赦を与えるもので、全面的な恩赦ではない。エルドアン大統領率いる与党・公正発展党(AKP)に加え、民族主義政党のMHP、親クルド派のDEM党も法案を支持した。

法案は、特定の犯罪について起訴や刑の執行を5年から10年間停止し、その期間中にテロ関連の犯罪を犯さなければ捜査は打ち切り、刑は執行されたものとみなす。殺人などの重大犯罪に関与した者は対象外で、1999年から拘束されているPKK創設者アブドゥラ・オジャラン容疑者(77歳)も含まれない。当初段階では約3500人のPKK関連拘束者の釈放が見込まれており、これはトルコの刑務所に収容されているPKK関連収容者の約3分の1に相当する。法律の発効は、国家安全保障会議がPKKの武装解除と解体を確認した後となり、対象者は官報掲載から6か月以内に申請する必要がある。

トルコのジョゼフ・ユルマズ副大統領は「歴史的な一歩」と評価し、「賛成468票は政治的コンセンサスの観点から極めて重要だ」と述べた。一方、PKK側は法案を「始まり」としつつも「重大な欠陥と不足」があると批判し、オジャラン容疑者の解放を要求。同氏が「自由に生活し活動できる」場合にのみ和平プロセスが前進すると主張している。また、戦闘員らは思想や結社の自由が保証され、見解や組織を理由に起訴・収監されない保証がなければ帰還しないと警告した。野党の民族主義政党イイ党からは「テロリストと交渉するのか」といった反発の声も上がった。

PKKは1984年に武装蜂起を開始し、これまでに4万人以上が死亡。トルコ南東部のクルド人居住地域に大きな経済的損害をもたらし、長年にわたる政治的・社会的分断を生んできた。今回の法案は、2024年10月にMHP党首のデヴレット・バフチェリ氏がオジャラン容疑者に和平の提案を行ったことから始まった和平プロセスの具体的な成果であり、トルコとイラクの関係強化や、シリアのクルド人勢力が支配する地域の統合にも影響を与える可能性がある。

ネタニヤフ首相、ガザ和平案を正式拒否 トランプ氏との関係に亀裂、選挙戦略優先か

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は8月9日、米国主導のガザ和平案を正式に拒否した。同案はハマスが武装解除する一方でイスラエル軍が段階的に撤退するという15項目の枠組みで、トランプ米大統領が「平和の画期的進展」と称賛していたものだ。ネタニヤフ首相は閣議で「イスラエルは15項目の文書を拒否する」と明言し、「ハマスが真に武装解除するまでいかなる撤退も行わない」と強調した。その上で、米国とは「受け入れられる提案もあれば、受け入れられない提案もある。我々はこれらの問題で自らの立場を守る方法を知っている」と述べ、米国との溝を認めた。

ネタニヤフ首相の拒否は、10月27日に迫る総選挙を意識した動きとみられる。世論調査では、ガザ和平案は首相の右派支持層に不人気で、極右閣僚らも拒否を強く求めていた。首相はこれまでトランプ氏との緊密な関係を選挙の強みとしてきたが、今回の決定で両首脳の関係に亀裂が生じた。トランプ氏は8月10日、オーバルオフィスでのイベント後に記者から両者の関係について問われ、「関係は非常に良好だ」と述べたが、ネタニヤフ首相の拒否への直接の反応はTruth Socialへの投稿を示唆するにとどまった。

一方、和平案の実施主体である「平和の委員会(Board of Peace)」の高官は8月10日、同案は「依然として有効であり、前進している」と述べ、イスラエルとの協議は継続中だと明らかにした。また、同委員会のガザ上級代表ニコライ・ムラデノフ氏は、イスラエルがハマスの完全な武装解除まで義務を負わないことを保証しつつも、最終的な撤退が必要だと述べた。ハマスは新指導者ハリル・アル=ハイヤ氏の就任後、同案への支持を表明しており、米国に対しネタニヤフ首相への圧力を求めた。アナリストらは、ネタニヤフ首相の拒否はハマスにとって戦術的かつ広報上の勝利となると指摘する。

ガザ停戦合意は2025年10月に米国の仲介で発表され、イスラエル軍の作戦は縮小されたが、完全には終了していない。ガザ保健省によれば、停戦以降もイスラエル軍の攻撃で1,250人以上のパレスチナ人が死亡し、イスラエル軍側も5人の兵士が死亡している。今回の和平案を巡る対立は、中東情勢の不確実性をさらに高めるものとなりそうだ。

ウクライナ、ロシア領内への攻撃継続を宣言 北朝鮮関与の懸念も再燃

ウクライナのゼレンスキー大統領は11日、ロシア領内への反撃を継続する方針を表明した。夜のビデオ演説で、シベリアのトボリスクにあるロシア石油産業への攻撃が軍参謀本部によって確認されたことを挙げ、「ロシアに平和の必要性を示すため」に更なる攻撃を行うと述べた。また、ロシアが北朝鮮から追加の弾道ミサイルを受け取り、新たな北朝鮮兵の部隊がロシア領内に到着する準備を進めていると警告したが、その根拠は示さなかった。

ロシア軍は11日未明、ウクライナの首都キーウやザポリージャなどに対して弾道ミサイルによる大規模な攻撃を実施した。キーウでは複数の爆発音が確認され、シェフチェンキウスキー地区の子ども病院が被害を受け、倉庫で火災が発生した。ザポリージャ州では6人が死亡、19人が負傷した。ウクライナ非常事態庁によると、ミコライウでは無人機攻撃で75歳の女性が負傷した。ロシア国防省は、攻撃はキーウとザポリージャの国防産業施設と輸送・物流センターを標的としたものだと発表した。

ウクライナ側もロシア領内への攻撃を強化している。11日未明には、極東ハバロフスク地方のコムソモリスク・ナ・アムーレにある石油精製所で火災が発生した。ウクライナから6000キロ以上離れた地点での攻撃であり、ロシアが直面した最も遠距離の擾乱の一つとなる可能性がある。また、ヴォロネジ州ではロシアの電子商取引大手ワイルドベリーズの物流拠点が攻撃され、火災が発生した。ワイルドベリーズはウクライナ軍からロシア軍への無人機部品供給を非難され、7月中旬以降、約20か所の物流センターが攻撃を受けている。

ウクライナ軍参謀本部は、ロシア軍の戦闘損失が2022年2月の侵攻開始以来、約146万400人に達したと発表した。一方、ウクライナ側の損失は明らかにされていないが、米シンクタンクの戦略国際問題研究所(CSIS)は、ロシアの損失はウクライナの約2~2.5倍に上ると推定している。

こうした中、ロシアの最高裁は、ウクライナ戦争に反対する自由主義野党「ヤブロコ」を9月の下院選挙から除外する決定を下した。ヤブロコは平和と自由を訴え、ロシアのプーチン政権に対する批判を強めている。野党指導者の未亡人であるユリア・ナワリナヤ氏は、これはクレムリンが戦争反対派を恐れている証拠だと主張している。

世界の潮流:バングラデシュのジュート産業復興計画、カナダの緊急警報システム見直し、中国の古代遺物発見など

バングラデシュ政府は、ジュート(黄麻)産業復興のための5カ年戦略計画を策定することを決定した。これは「黄金の繊維」と呼ばれるジュート産業の活性化を目指すもので、2026年から2031年までの「バングラデシュ・ジュート産業開発戦略及び行動計画」に基づき、年間輸出額を現在の約8億2,000万ドルから2031年までに16億4,000万ドルへ倍増させる目標を掲げている。計画は、付加価値向上、生産性、競争力、輸出市場の多様化に焦点を当てており、研究、最新機械、製品デザイン、品質認証、熟練労働者への投資が不可欠とされる。また、農家への良質な種子の供給、訓練、適正価格の保証も重要であり、政府機関と民間部門の連携強化も求められている。

カナダのアルバータ州は、カルガリーで自閉症の11歳の男児パーカー君が行方不明になり、数週間の捜索の末に遺体で発見された事件を受け、緊急警報システムの改善点を検証することを発表した。州公安・緊急サービス省は、法執行機関、障害者支援団体、地域パートナーと協議し、アンバーアラートを含む緊急警報プロトコルを見直す方針である。また、支援サービス省は、パーカー君の失踪時に責任を負っていたサービス提供事業者の方針と手続きを調査する。カルガリー警察も独自に調査を行っている。州のマイク・エリス公安・緊急サービス相は、「何が起こったのかから学びたい」と述べている。

中国広西チワン族自治区の花山岩絵は、ベトナム国境近くに260キロにわたり広がる2000年以上前の岩絵群で、2016年にユネスコ世界遺産に登録された。この岩絵は、過酷な暑さ、湿気、豪雨、台風にさらされながらも保存されてきた。研究者らは、その耐久性の鍵が「産後の血」にある可能性を発見したと報じられている。

中国の寧夏回族自治区にある山家堡墓地で、戦国時代の秦の長城から2キロの地点から、完全に密封された青銅製の酒器が発見された。この酒器には2300年前の酒が保存されており、秦人の穀物利用と醸造技術の解明に貢献する研究が『考古科学ジャーナル』に発表された。

インドでは、政府の初等学校数が1年間で約1万校減少したことが、ローク・サバーに提出されたデータで明らかになった。メガラヤ州、テランガナ州、アーンドラ・プラデーシュ州で減少が顕著であり、教育省は学校の開設・閉鎖・合理化は州政府の権限であるとしている。

マレーシアの製造業の売上高は、2026年6月に前年同月比9.8%増の1,770億リンギットに達した。電気・電子製品部門が18.7%の成長を牽引し、輸出志向産業は10.6%増加した。

ロシア最高裁、反戦政党ヤブロコの下院選登録を取り消し

ロシア最高裁は8月10日、リベラル系野党ヤブロコ(リンゴ)党の下院選挙(9月実施予定)における連邦候補者リストの登録を取り消す判決を下した。親クレムリン派の民族主義政党ロディナ(祖国)党が、ヤブロコが西側から未申告の資金提供を受けたなどとして提訴していたもので、裁判所はロディナ側の主張を認めた。ヤブロコはロシアで唯一の反戦政党であり、ウクライナ侵攻に反対する有権者が、その意思を代弁する候補者に投票する機会を失うことになる。

判決で裁判長のヴャチェスラフ・キリロフ氏は「ヤブロコ政治党が提名した第9期国家院候補者の連邦リストの登録を取り消す請求を認める」と述べた。ヤブロコ党首のニコライ・ルイバコフ氏は法廷外で支持者に対し、「ヤブロコを選挙から排除することは、当局にとって不都合な質問をする人々との対話を拒否することを意味する」と述べ、控訴する意向を示した。また、「我々には長い道のりと、死を止め平和を取り戻すという大きな任務が残されている」と語った。

ロディナ党はヤブロコに対し、外国からの資金提供のほか、著作権法違反や「過激主義」の疑いも主張した。中央選挙管理委員会は法廷で、ロシアの金融監視機関ロスフィンモニタリングのデータに基づき、2025年にヤブロコの複数の候補者が外国からの送金を受けていたとの証拠を提示したと報じられた。ただし、この文書は「公務使用限定」に分類されており、裁判所はヤブロコ側の弁護団に秘密保持契約を求めた上で閲覧を許可した。ルイバコフ氏は外国からの資金提供の疑惑を否定し、「我々はロシア国民から資金提供を受けており、ロシア国民と中央選挙管理委員会に説明する」と述べた。

ヤブロコは1993年に設立されたロシア最古のリベラル政党で、現在も活動する唯一のリベラル政党である。しかし、クレムリンによって組織的に排除され、2003年以降は連邦下院で議席を得ていない。直近の世論調査では支持率は約3%で、議会入りに必要な5%の壁を下回っている。一方、ロディナ党はロシアのウクライナ侵攻を支持しており、ヤブロコの反戦姿勢を「過激主義の支持」と非難していた。

ヤブロコの排除は、ロシア国内で反戦世論が高まる中で起きた。独立系世論調査機関レバダ・センター(クレムリンから「外国エージェント」に指定)によると、侵攻支持率は約66%と、2022年2月の侵攻開始以来最低となっている。ウクライナによるロシア国内のエネルギー・物流インフラへの攻撃強化が、世論の悪化に拍車をかけている。クレムリンはこれまで、厳格な検閲規則と大量逮捕で反戦運動を取り締まっており、多くの活動家やジャーナリストは国外へ逃れている。

トランプ米大統領、小児ワクチン接種削減へ大統領令に署名 専門家らが強く反発

米国のトランプ大統領は11日、小児期のワクチン接種スケジュールを大幅に見直す大統領令に署名した。この命令により、連邦政府が推奨する小児向けワクチンは従来の18種類から11種類に削減され、麻疹・おたふく風邪・風疹の混合ワクチン(MMR)を3回に分けて接種することなどが盛り込まれている。トランプ大統領は署名式で「我が政権は、最も深刻で危険な疾患に対する11の主要ワクチンのみをゴールドスタンダードとして承認する」と述べ、「ワクチンの数を減らすだけでなく、複数回の診察に分けて接種することになる」と説明した。

この大統領令は、ロバート・F・ケネディ・ジュニア保健福祉長官が1月に進めていた接種スケジュール削減を再確認する内容だ。ケネディ長官は以前からワクチンと自閉症の関連性を根拠なく主張しており、連邦裁判所が差し止めた変更を大統領令によって再度推し進める形となった。トランプ大統領自身も、MMR混合ワクチンについて「一緒に接種するとかなり致命的になる可能性がある」と述べ、ソーダの瓶を子どもの体に注ぐことに例えるなど、根拠のない懸念を繰り返し表明した。

これに対し、米国小児科学会やワクチン製造大手のメルクは強く反発した。同学会のアンドリュー・ラシーン会長は「科学は変わっていない。ウイルスの分布も、この国の子どもたちも変わっていない」と批判し、共和党のビル・キャシディ上院議員(医師)も「この大統領令は間違っている。大統領にこれらの変更を行う専門性はない」と非難した。公衆衛生の専門家らは、接種間隔を空けることで、子どもが次回の接種までに予防可能な疾患に感染するリスクが高まり、複数回の通院が必要になることで接種の取りこぼしが生じる可能性を指摘している。

米国疾病予防管理センター(CDC)は「MMR混合ワクチンを3回に分けることに利益を示す科学的根拠はない」と明言しており、科学界のコンセンサスはワクチンと自閉症の関連性を否定している。この政策転換は、米国が35年ぶりに最悪の麻疹流行に見舞われ、子どもたちが新学期を迎える時期に行われた。連邦政府は学校接種の義務付けを直接決定する権限を持たず、各州の判断に委ねられているため、この大統領令は事実上の勧告に留まるが、専門家らは親のワクチン忌避を助長し、麻疹などの疾患が再興するリスクを懸念している。

サウジ・トルコ・パキスタンが「メッカ共同防衛協定」を締結、中東の安全保障枠組みに新たな軸が誕生

サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領、パキスタンのシャバズ・シャリフ首相は8月7日、イスラム教の聖地メッカで「メッカ共同防衛協定」に署名した。この協定は、加盟国のいずれかに対する武力攻撃を全加盟国への攻撃とみなす相互防衛条項を含み、中東地域の安全保障における新たな枠組みとして注目を集めている。

パキスタンのイシャク・ダル副首相兼外相は、イランのアッバス・アラグチ外相との電話会談で、この協定の概要を説明し、「戦略的協力を強化し、地域の平和と安定に貢献することを目的としている」と述べた。イラン外務省のエスマイル・バガエイ報道官は、テヘランはこの協定がイランに向けられたものとは考えておらず、むしろ「米国に対する地域諸国の認識の変化」を示すものだと述べた。また、バーレーンのアブドゥルラティフ・ビン・ラシッド・アル・ザヤニ外相はダル氏に電話で祝意を伝え、近くパキスタンを訪問する意向を示した。

シャリフ首相は連邦内閣会議で、この協定は「純粋に防衛的な性質」を持ち、「いかなる形の侵略も目的としていない」と強調し、地域平和への一歩であると述べた。一方、専門家の間では、この協定がNATOのような自動的な軍事対応メカニズムを構成するかどうかは不明確であり、その実際の効果は今後の制度的協力にかかっているとの見方も出ている。

この協定は、ガザ戦争やイランと米国の緊張、2025年のイスラエルによるドーハ攻撃など、地域の安全保障環境が急速に変化する中で締結された。サウジアラビアは経済力とイスラム聖地の管理者としての地位、トルコは強力な通常戦力と拡大する防衛産業、パキスタンは対テロ作戦の専門知識と長年の実戦経験を持ち寄っており、地理的には湾岸、アナトリア、南アジアを結ぶ戦略的広がりを持つ。この協定が地域の安定に寄与するか、新たな分断を生むかは、今後の運用次第である。

経済 (Economy)

アルゼンチンYPF、四半期純利益が過去最高水準に到達-バカ・ムエルタ投資を加速、メトロガス売却も成立

アルゼンチンの国営石油大手YPFは、2026年第2四半期(4~6月)の純利益が12億500万ドルに達し、前期比で約3倍、前年同期比で約20倍の大幅増益となったと発表した。これは同社史上2番目に高い四半期利益であり、中東戦争による原油価格高騰が追い風となった。売上高は65億7,400万ドルで前年同期比42%増、EBITDAは28億400万ドルと過去最高を記録し、利益率は43%と過去20年で最高水準に達した。

好調の背景には、非在来型油田バカ・ムエルタでの原油生産拡大と採掘コスト削減、製油所の処理量増加がある。同地域の原油生産量は日量21万3,000バレルと前年比47%増加し、YPF全体の原油生産の80%を占めるまでに成長。同社は2026年末までに日量25万バレルへの引き上げを計画している。四半期の設備投資は13億4,000万ドルで、その77%が非在来型事業に振り向けられた。輸出向けパイプライン「バカ・ムエルタ・スール(VMOS)」は進捗率約80%で、2027年初頭の稼働開始と初の原油輸出開始を目指す。

一方、YPFは資産売却も加速させている。在来型油田の売却を進め、完了後は原油生産の約95%がシェール由来となる見通しだ。さらに、同社はメトロガス(アルゼンチン最大のガス配給会社)の保有株式70%を、電力会社エデノールに7億8,000万ドルで売却することで合意した。エデノールの株主には実業家ホセ・ルイス・マンサーノ、ダニエル・ビラ、マウリシオ・フィリベルティが名を連ねる。この売却は、YPFがバカ・ムエルタに経営資源を集中させる戦略の一環であり、エネルギー業界の再編を象徴する動きとなった。

世界の中央銀行、金融政策と人事で異なる対応:アルゼンチン債務問題、豪・韓金利、パキスタン新副総裁

2026年8月、世界の中央銀行は金融政策運営と人事においてそれぞれ異なる対応を示している。アルゼンチンでは前中央銀行総裁マルティン・レドラドが、債務不履行(モラ)問題に対する新たな枠組みを提案。オーストラリア準備銀行(RBA)は金利を4.35%に据え置く一方、韓国銀行(BOK)は追加利上げの可能性を示唆。パキスタンでは新たな副総裁が任命された。

アルゼンチンでは、前中央銀行総裁マルティン・レドラドが、債務返済に苦しむ家計と企業向けに「創造的解決策」を提案した。この案は、銀行が債務者を「通常状況」に維持しつつ、再編計画の履行を条件に、債務不履行扱いを猶予するというものだ。レドラド氏は「これは債務者や銀行の問題ではなく、中央銀行が例外的な状況で規範的な枠組みを提供すべきだ」と主張。具体的には、2027年4月30日まで最大90日間の遅延許容期間を設け、その後は標準の30日ルールに戻すとしている。同氏は「モラ問題に対して何もしないリスクは、信用回復が阻害されることだ」と警告した。

オーストラリアでは、RBAが金利を4.35%に据え置くことを全会一致で決定した。6月のインフレ率は鈍化したものの、基調的なインフレ圧力は依然として高い。RBAは声明で「世界的な石油供給の混乱がインフレに直接寄与しており、燃料価格の上昇が他の財・サービス価格に波及している」と指摘。インフレ率が目標レンジ中央に戻るのは2027年後半と予想され、リスクは上振れとみられる。金融政策はやや引き締め的と判断し、経済の推移を見極めるため据え置いた。

韓国銀行の柳相大(リュ・サンデ)上級副総裁は、7月の利上げは「一回限りではない」と明言し、追加利上げの可能性が高いと述べた。同氏は「成長は前例のない所得増加に支えられて堅調に推移し、基調的なインフレ圧力は持続し、金融安定リスクが高まる可能性がある」と指摘。7月の利上げは2023年1月以来約3年半ぶりで、政策金利は2.75%となった。韓国の第2四半期の実質GDPは前期比0.6%増、消費者物価上昇率は2.8%と目標の2%を上回っている。同氏は「為替や株式市場の動きは政策決定の主要因ではない」としつつも、ウォン相場は1ドル=1,400ウォン台で「依然として非常に高い」と述べた。

パキスタンでは、連邦政府がムハンマド・アリ・マリク氏をパキスタン国立銀行(SBP)の副総裁に任命した。任期は5年で即日発効。任命は1956年パキスタン国立銀行法第11A条(2)項に基づくもので、2022年の改正法による。マリク氏は金融政策、銀行部門規制、金融安定性の監督を担当する。財務省の内部金融局が通知を発出し、アムナ・シャビール副書記が署名した。

これらの動きは、各国がインフレ、経済成長、金融安定性のバランスを模索する中で、中央銀行の役割が多様化していることを示している。アルゼンチンの提案は債務問題への新たなアプローチとして注目され、韓国の利上げサイクルはアジア経済の堅調さを反映。オーストラリアは慎重な姿勢を維持し、パキスタンは人事刷新で政策対応を強化する構えだ。

シェイン、香港IPOで最大28億ドル調達へ 評価額350億ドル目標

オンラインのファストファッション小売大手シェイン(SHEIN)は、早ければ来週にも香港で新規株式公開(IPO)を開始する計画だ。関係筋によると、同社は最大28億ドルの資金調達を目指しており、企業評価額は350億ドルを目標としている。シンガポールに本社を置き、中国で創業された同社は、先週から投資家の需要調査を開始しており、月末までの手続き完了を目指している。

評価額は300億ドルを下回らない見込みで、同社は350億ドルの目標達成に努めている。しかし、これは2022年に見込まれていたピーク時の評価額1000億ドルからは大幅な低下であり、当初の非公開目標とされていた400億〜500億ドルからも後退する。シェインは以前、ニューヨークやロンドンでの上場を模索していたが、米国や欧州でのサプライチェーン慣行や税制構造に対する厳しい規制監視によって頓挫していた。

今回の香港上場は、同社にとって資金調達の新たな道を開くものであり、アジア市場におけるファストファッション業界の再編成を示すものとなる。評価額の低下は、規制環境の厳しさと投資家の慎重姿勢を反映しており、今後の同社の成長戦略に影響を与える可能性がある。

NVIDIAとウォール街大手、AIインフラに5000億ドル超を動員へ

米半導体大手エヌビディア(NVIDIA)とウォール街の主要金融機関は、人工知能(AI)インフラへの投資として少なくとも5000億ドル(約4330億ユーロ)を動員する計画を発表した。この提携には、ゴールドマン・サックス、アポロ、ブラックロック、KKRなどが参加し、エヌビディア製チップを搭載したデータセンターの建設・拡張を資金面で支援する。

エヌビディアの創業者兼最高経営責任者(CEO)であるジェンスン・フアン氏は、CNBCのインタビューで「技術チップが投資可能な資産クラスになるのはこれが初めてだ。これらは現在、収益を生む資産であり、生産的で、長寿命で、代替可能で、柔軟性がある」と述べた。また、データセンター1ギガワットの電力消費あたり約500億~600億ドルの投資が必要だと指摘した。

ブラックロックのラリー・フィンクCEOは、米国だけでも70ギガワット超のAIデータセンター容量が必要になるとの見積もりを示し、「この資金をできるだけ早く集め、運用に回す必要がある。米国が世界のAIリーダーであり続けることが極めて重要だ」と強調した。ゴールドマン・サックスのデービッド・ソロモンCEOは、AI投資サイクルにおいて勝者と敗者が生まれることを認めつつも、コンピューティング能力が確立された投資カテゴリーになるとの見解を示した。

この動きは、AIブームの恩恵を最大限に受けるエヌビディアが、機関投資家や保険資金、民間資本をAIコンピューティングインフラの資金調達に引き込もうとする戦略の一環である。エヌビディアは、OpenAIのChatGPT公開以降、時価総額が15倍に成長し、現在は5兆2600億ドルに達している。一方で、AI投資の規模に対する投資家の懸念も存在し、ムーディーズなどの格付け機関は、前例のない設備投資がフリーキャッシュフローを圧迫し、テクノロジー企業の債務負担を増大させると警告している。

アルゼンチン・南米各地の天気予報とアルゼンチンペソ相場、インド株式推奨、パキスタン国内クリケット大会開幕

2026年8月11日付の南米およびインド、パキスタンからの報道を総合すると、アルゼンチンでは非公式市場でのドル相場(ドル・ブルー)が前月比2%上昇し、年初来では15%上昇した。公式ドルとの乖離率は3%となっている。また、アルゼンチン国内および周辺諸国の主要都市では、各地の気温や降水確率など詳細な天気予報が発表された。

インドでは、Mirae Asset ShareKhanのリテール調査責任者ソミル・メータ氏が、マザゴン・ドック・シップビルダーズ、ICICIロンバード損害保険、JSWエナジー、DLFの4銘柄を本日の買い推奨銘柄として挙げた。各銘柄には買い推奨レンジ、ストップロス、目標株価が設定されている。

パキスタンでは、国内クリケット大会「ナショナル・チャンピオンズ・カップ2026-27」が8月11日にムルタン・クリケット・スタジアムで開幕した。シャヒーン・アフリディ、シャドブ・カーン、サイム・アユブ、サヒブザダ・ファルハンが各チームを率い、優勝賞金は500万パキスタン・ルピーである。

社会 (Society)

欧州、記録的な猛暑で第5波の熱波に直面 河川の干上がりや大規模火災で被害拡大

欧州の広範な地域が、記録的な干ばつと猛暑に見舞われた夏に続き、新たな熱波への備えを迫られている。英国とフランスの一部では既に猛暑警報が発令され、気温は摂氏35度前後に達すると予想されている。スイス、オーストリア、ハンガリーなど、通常は高温に慣れていない国々でも異常な高温が予測されており、欧州全域で熱波の影響が広がっている。

英国では、今年5回目となる熱波の到来が予想され、イングランドの約4分の3とウェールズ全域が公式に干ばつ状態となっている。2,700万人以上が水利用制限の対象となり、環境省は「国内の全地域が水資源の圧力に直面している」と警告した。フランスでも国土の約70%で水利用制限が敷かれ、南東部では摂氏35度に達する見込みである。ギリシャでは首都アテネ近郊で今季2件目の大規模火災が発生し、スペイン南西部でも約800人が避難を余儀なくされるなど、干ばつによる火災リスクが深刻化している。

欧州連合(EU)の気候監視機関コペルニクスによると、今年6月と7月は西ヨーロッパで観測史上最も暑い記録となった。特に7月の世界の海面水温(極域を除く)は観測史上最高を記録し、大西洋岸と西地中海では深刻な海洋熱波が発生した。6月の熱波だけでも欧州9カ国で少なくとも1万2,000人の超過死亡が記録されており、気候変動の影響が人々の健康と経済に深刻な打撃を与えている。

河川の水位低下も深刻で、ドイツのライン川では商業航行が不可能になる恐れが出ている。ポーランドのヴィスワ川はワルシャワで記録的な低水位となり、ハンガリーとルーマニアでは原子力発電所の冷却水確保が課題となっている。専門家は、気候変動が干ばつと熱波を相互に増幅させており、今後さらに極端な気象が頻発する可能性を指摘している。

コロンビア西部でM7.4の地震、死者111人・建物倒壊相次ぐ コーヒー生産地帯に壊滅的被害

現地時間10日午前7時34分、コロンビア南西部を震源とするマグニチュード7.4の地震が発生し、同国西部のコーヒー生産地帯を中心に甚大な被害が出ている。大統領の最初の発表によると、死者は111人、負傷者・行方不明者は多数に上り、全土で61棟の建物が完全に倒壊した。被災地では救助活動が続く一方、余震への警戒が続いている。

震源はチョコ県サンホセ・デル・パルマル付近で、最も被害が大きいとされるリサラルダ県では42人の死亡が確認された。ペレイラでは少なくとも70棟の建物が倒壊し、マニサレスのカトリック大学では倒壊した建物の下敷きになった女性1人が救出されたが、依然として多くの人が行方不明となっている。また、バジェ・デル・カウカ県エルカイロ市では住宅・建物の80%が破壊された。

地震により、ペレイラのマテカーニャ国際空港やマニサレスのラ・ヌビア空港を含む国内6空港が被害を受け、西部方面への航空便は一時全便欠航となった。道路の寸断も重なり、被災地との連絡は少なくとも6時間にわたり遮断された。マニサレスの大聖堂も損壊し、1926年の火災後に再建されてからちょうど100年で再び大災害に見舞われる形となった。

同地域では1999年1月にもM6.2の地震で1185人が死亡しており、今回の地震は27年ぶりの大災害として住民の間に深い衝撃を与えている。政府は国家災害宣言を発令し、被災地への支援を本格化させている。

英国の小学校で泳力格差が顕在化、恵まれない子供たちに深刻な影響

BBCの調査により、イングランドの小学校において、無償学校給食の対象となる恵まれない児童が多い学校では、卒業時に25メートル泳げる子供の割合が著しく低いことが明らかになった。2024-25年度に、平均で72%の6年生が25メートルを泳げたのに対し、恵まれない児童の割合が高い学校ではわずか55%に留まった。王立救命協会(RLSS)の水安全教育部長アシュリー・ジョーンズ氏は、子供たちに基本的な泳ぎと自己救助のスキルを身につけさせることが「絶対に不可欠」と強調した。

英国政府の国家カリキュラムでは、6年生修了時に全ての児童が25メートル以上泳げること、複数の泳法を使いこなすこと、様々な水辺の状況で安全に自己救助ができることが求められている。しかし、BBCの情報公開請求により、学校ごとの達成状況に大きなばらつきがあることが判明した。恵まれない児童が多い上位カテゴリーの学校ではわずか38校が目標を達成したのに対し、最も恵まれない児童が少ない学校では約400校が達成していた。

多くの学校グループは、基本的な泳ぎを学ぶために6週間・各30分(合計3時間)の授業しか受けておらず、専門家はこの時間では十分なスキルを身につけられないと指摘する。また、プールへのアクセスの悪さも大きな障壁となっている。スイム・イングランドの2021年の報告書は、2030年までに約2000のプールが失われる可能性があると警告していた。ハンプシャー州の水泳教師ベサニー・ハリス氏は、3時間で不安な初心者を落ち着いて25メートル泳げるようにすることは不可能だと述べ、水泳教育を幼児期から始めるべきだと提案した。

英国教育省は、この格差を認識しており「変える必要がある」と述べた。新たに設立されるPEパートナーシップ・ネットワークが、学校、地元クラブ、スイム・イングランドなどの全国組織を結集し、最も支援が必要な地域と児童に的を絞った支援を提供するとしている。スイム・イングランドも政府と協力して学校水泳授業の実施を支援しており、「水泳はスポーツだけでなくライフスキルであり、すべての子供が小学校を卒業するまでに泳げるようになる機会を持つべきだ」と述べた。

南アフリカ、冬の嵐と女性の権利闘争:70周年記念行事と医療・経済の課題が浮き彫りに

南アフリカでは、厳しい冬の気象条件が続く一方、歴史的な女性行進から70年を迎え、女性の権利と社会経済的課題に改めて注目が集まっている。南アフリカ気象局は、東ケープ州にオレンジレベル6の大雪警報を発令し、広範囲で交通障害や道路閉鎖、孤立するコミュニティが生じる恐れがあると警告した。また、クワズールー・ナタール州沿岸では強風と高波、西ケープ州沿岸では暴風が予想され、住民に警戒を呼びかけている。

一方、プレトリアのユニオンビルでは、1956年の女性行進から70周年を記念する式典が開催され、当時18歳で行進を先導したソフィー・ウィリアムズ=デ・ブライン氏(88歳)が出席し、「現在の現実がこれほど深く失望させられるものであるのに、過去の勝利を完全に祝うことができるだろうか」と問いかけた。南アフリカでは、政治的代表性は向上したものの、女性の失業率は36.4%(男性29.6%)と高く、特に黒人アフリカ系女性では40.5%に達する。また、2026年第1四半期には9,782件の強姦が報告され、ジェンダーに基づく暴力が依然として深刻な問題となっている。

こうした中、医療分野では新たに資格を得た医師が、義務的な地域奉仕活動を終えた後に常勤職を得られないという危機が深刻化している。南アフリカ医師会(SAMA)は2025年1月に全国で1,800人以上の若手医師が影響を受けていると明らかにした。医師組合SAMATUは、資金不足、ポスト凍結、非効率な採用プロセスが原因だと指摘し、専門医不足を悪化させる恐れがあると警告している。

また、乳児の完全母乳育児率は22.2%にとどまり、専門家は子どもの栄養失調や予防可能な疾患の増加につながっていると警鐘を鳴らす。東ケープ州保健局は世界母乳育児週間に合わせて啓発活動を実施し、コミュニティの支援を呼びかけている。

こうした課題の中でも、希望の兆しもある。リンディウェ・サニタリーパッド社の創業者リンディウェ・ンクナ=コパ氏は、2026年のヴーヴ・クリコ賞を受賞し、アフリカ初の女性だけが所有・運営する大規模な生理用ナプキン製造施設を築き上げた。同社は11か国に輸出し、今年は10万人以上の女子生徒に無料の生理用品を提供している。

さらに、内務省は2025/26年度にシステム停止時間を61%削減したと発表し、デジタル変革の成果を強調した。これは、ネットワークインフラのアップグレードや旧式機器の交換などの介入によるもので、全9州で改善が見られた。

韓国警察、済州航空機事故で国交省と空港公社を家宅捜索

韓国警察は11日、2024年12月に務安国際空港で発生した済州航空機事故をめぐり、国土交通省、韓国空港公社、釜山地方航空庁の家宅捜索を実施した。これは、事故原因となったコンクリート構造物(ローカライザー)をめぐる過失致死傷の疑いで、追加証拠を確保するための措置である。

警察の特別捜査チームによると、今回の捜索は6月の国交省捜索とは別に行われ、捜査過程で新たな疑惑が浮上したことに伴うものだ。これまでに警察は、国交省の衛星航法政策課と空港運営課の職員4人を容疑者として事情聴取しており、事故後の安全問題の隠蔽・矮小化の疑いも調べている。

事故は2024年12月29日、バンコク発の済州航空7C2216便(ボーイング737-800)が着陸に失敗し、滑走路をオーバーランしてローカライザーを収納するコンクリート盛り土に衝突、炎上した。乗員乗客181人のうち179人が死亡し、韓国国内で最悪の航空惨事となった。警察はこれまでに45人を過失致死傷などの容疑で立件しており、重大災害処罰法の適用も検討している。

今回の捜索は、事故から1年8か月が経過した今も続く捜査の一環であり、関係機関の安全管理体制の欠陥が改めて問われることになる。

科学・技術 (Science & Tech)

中国の長征7Aロケット、打ち上げ直後に爆発・失敗―衛星中星4B喪失、嫦娥7号への影響懸念

中国の長征7Aロケットが8月10日、海南省文昌航天発射場から打ち上げられた直後に爆発し、搭載していた衛星「中星4B」を失う失敗となった。国営新華社通信は「飛行中に異常が発生し、打ち上げ任務は失敗した」と発表した。原因は現在分析・調査中である。

ロケットは現地時間午後8時2分に打ち上げられたが、映像では低高度・低速度で完全に破壊され、搭載物や破片は軌道に到達しなかったと、ダラム大学名誉教授のジョナサン・マクダウェル氏は指摘する。今回の失敗は、長征7Aにとって2020年3月の初飛行以来初めてとなる。同型機はその後、1年後に飛行再開に成功し、今回までに十数回の打ち上げ成功を記録していた。

搭載されていた中星4Bは、2024年に打ち上げられた中星4Aと同じシリーズの高軌道通信衛星で、音声、データ、ラジオ、テレビ放送の伝送サービスを提供するものとみられる。中国国家航天局はコメント要請に応じていない。

この失敗を受け、スペースXの創業者でCEOのイーロン・マスク氏はXへの投稿に「ロケットは途方もなく難しい」とコメントし、「迅速な回復を願う」と付け加えた。中国の民間・国営企業の多くはスペースXとの差を縮めようと競争しており、今回の失敗は今後の中国の打ち上げ計画に影響を与える可能性がある。

特に、文昌では月探査ミッション「嫦娥7号」の準備が進められており、中国当局は2026年下半期の打ち上げを計画している。嫦娥7号は月の南極域を探査し、水氷が存在する可能性のある永久影領域を調査する予定だ。今回の失敗が共有部品や製造工程、文昌の発射運用に関わる問題として特定された場合、他の打ち上げ計画の点検が行われる可能性がある。

メタ、オープンAI戦略を転換 ザッカーバーグCEOが「超知能」分散を提唱

メタ(Meta)のマーク・ザッカーバーグCEOは8月10日、人工知能(AI)分野で中国に対抗するため、オープンなAIモデル戦略を強化すると表明した。約6500語に及ぶマニフェストで、同氏は「超知能」を中央集権化するのではなく、広く普及させるべきだと主張。競合のオープンAIやアンソロピックが採用する閉鎖型モデルや、米欧の規制当局による厳格な管理に反対する立場を示した。

メタは同日、個人用PCでも動作する軽量なオープンウェイトモデル「Muse Glimmer」を公開した。これは、同社が4月に発表した閉鎖型モデル「Muse Spark」を基に開発されたもので、AIエージェントの運用に十分な性能を持つという。さらに、最高性能モデル「Muse Spark 1.2」のオープンウェイト版も「間もなく」公開する予定だ。

ザッカーバーグ氏は、AIのリスクを認識しつつも、政府による事前規制には慎重な姿勢を示した。具体的には、モデル訓練中に米政府へ早期アクセスを提供する代わりに、リリース遅延を引き起こす規制には反対すると述べた。また、AIが雇用を破壊するという「破滅論」を退け、長期的には雇用を創出するとの見解を示した。

一方、メタは米国内でデータセンター建設への反対が強まる中、施設を受け入れる地域社会を支援するため、10億ドルの基金を設立すると発表した。同社は今年、AIインフラに最大1450億ドルを投資する計画で、2025年のほぼ2倍となる見込みだ。

この動きは、中国のAI企業がオープンソースモデルで急速に台頭する中、米国主導のAI開発競争を優位に進めるための戦略とみられる。ザッカーバーグ氏は「米国のオープンソースモデルが世界最高になることを目指すべきだ」と述べ、規制障壁の撤廃を訴えた。

スペイン、121年ぶりの皆既日食へ 8月12日、観測地と安全対策に注目集まる

スペイン全土が、1912年以来となる皆既日食の観測に沸いている。8月12日、月が太陽を完全に覆う現象が北西から南東へと国土を横断し、各地で観測イベントや安全対策が展開されている。とりわけ、人口密度が低く光害の少ないアラゴン州サラゴサ県の城壁に囲まれた町ダロカは、絶好の観測地点として注目を集めている。ダロカは人口1899人、面積52.05平方キロメートルの小さな町で、ムーア人の要塞に起源を持つ城と城壁がほぼ4キロメートルにわたって残り、16世紀に建設された長さ600メートルのトンネル「鉱山」も見どころの一つである。このトンネルは、嵐の際の洪水から町を守るために掘られたもので、ヨーロッパでも有数の公共事業として知られている。

一方、カタルーニャ州ロケテスにあるエブロ観測所は、1905年の皆既日食を観測して以来、121年ぶりに皆既帯に入る唯一のカタルーニャの観測所として、新たな注目を集めている。イエズス会によって設立されたこの観測所は、太陽と地球の関係を研究する専門機関で、現在はラモン・リュイ大学とCSIC(スペイン国立研究評議会)に所属している。科学文化責任者のフアン・ホセ・クルト氏は「我々は121年前の日食とともに生まれた。今回の日食は新たな推進力をもたらすだろう」と語る。同観測所は、太陽嵐による地磁気擾乱が変圧器や送電網に及ぼす影響を研究しており、過去150年にわたる気候データや、5万冊以上の蔵書を誇る図書館など、貴重な資料も保有している。

今回の日食を巡っては、一般の人々の間でも様々な楽しみ方が広がっている。エル・パイス紙の読者からは、家族や友人と集まって観測する計画が多数寄せられた。グアダラハラ県の小さな村アルチーリャでは、住民がほぼ全員参加して日食を祝うという。ナバラ州コレーリャでは、義兄の菜園にテーブルと椅子を置き、トマトやピーマンの畑の脇で日食を鑑賞しながら夕食を楽しむ計画が立てられている。一方で、マヨルカ島では、観光客の殺到を懸念して道路が封鎖される見込みであることへの不満も聞かれる。

安全面では、部分日食の間は国際規格ISO 12312-2に適合した専用メガネの着用が必須とされ、通常のサングラスやフィルム、X線写真などの代用は厳に戒められている。また、双眼鏡や望遠鏡、カメラで太陽を直接観察することも危険であり、専用のフィルターが必要となる。スペインの消費者当局は、眼障害のリスクがあるとして、一部の日食メガネの回収を発表している。

この日食は、科学史においても特別な意味を持つ。1868年8月18日、インドで観測された皆既日食の際、フランスの天文学者ピエール・ジャンサンは分光器で太陽の紅炎を観察し、ナトリウムの輝線に近い未知の黄色い輝線を発見した。この輝線は後にD3線と呼ばれ、イギリスの天文学者ノーマン・ロッキャーによって太陽に存在する未知の元素の証拠とされ、ギリシャ神話の太陽神ヘリオスにちなんで「ヘリウム」と命名された。ヘリウムが地球上で実際に発見されたのは、それから27年後の1895年、スコットランドの化学者ウィリアム・ラムゼーがクレベ沸石から抽出した時だった。今回の日食は、こうした歴史的発見の瞬間を思い起こさせるとともに、科学への関心を高める機会となることが期待されている。

文化 (Culture)

「グラン・エルマーノ」黄金世代、マティアス・ハンセンが視聴者投票で脱落—家には女性9名のみ残る

アルゼンチンの人気リアリティ番組『グラン・エルマーノ:黄金世代』(テレフェ)で、現地時間8月10日月曜日に放送された脱落決定ガラにおいて、視聴者投票によりマティアス・ハンセンが家を去ることとなった。この日の脱落候補には、ハンセンを含む6名(マティアス・ハンセン、シャルロット・カニッジャ、アレハンドラ・マフルフ、ソランヘ・“ソル”・アブラハム、ピンコヤ、ヤニナ・ジリ)が名を連ねていた。

脱落決定の過程では、まずアレハンドラ・マフルフがわずか0.2%の票しか獲得できずに候補者リストから外れ、続いてヤニナ・ジリ、シャルロット・カニッジャ、ピンコヤが安全圏に残った。最終的にソルとハンセンの一騎打ちとなり、視聴者投票の結果、ハンセンが脱落者に決定した。ハンセンは「ビッグ(番組の象徴的存在)よ、ここでの時間に感謝する。信じられない機会だった。皆に挨拶を送る。皆女性だ。皆を愛している。光栄だった」とコメントを残した。

ハンセンは大会中盤に参加し、家の中で82日間を過ごした。一方、ソルは「また決闘か!なぜ私を候補に挙げるの?」と叫びながら、生き残りを喜んだ。

この脱落により、家にはソランヘ・“ソル”・アブラハム、ピンコヤ、ヤニナ・ジリ、ルアナ・フェルナンデス、タマラ・パガニーニ、シャルロット・カニッジャ、マリエラ・ピエトロ、アレハンドラ・マフルフ、イセラ・“イピオ”・ピントスの9名が残ることとなり、全員が女性となった。これは2007年にマリアネラ・ミラが優勝して以来、再び女性優勝者が生まれる可能性を示している。また、番組司会者のサンティアゴ・デル・モロが発表したところによれば、火曜日のガラでは現在のエディションの元参加者が家に戻るが、競技には参加しないという。

スポーツ (Sports)

欧州陸上選手権:インゲブリクトセンが復活の7冠目、ハントが100m金メダル

バーミンガムで開催中の欧州陸上選手権は初日から熱戦が繰り広げられた。ノルウェーのヤコブ・インゲブリクトセンが男子5000メートルで圧巻のスプリントを披露し、13分15秒29で優勝。アキレス腱手術からの復帰戦で、欧州選手権通算7個目の金メダルを手にした。インゲブリクトセンは昨年の東京世界選手権以来となる実戦で、最終周回まで我慢を重ね、ラスト200メートルを27秒で駆け抜ける驚異的な巻き返しを見せた。ドイツのフロリアン・ブレムが13分15秒60で銀、フランスのエティエンヌ・ダギノスが13分16秒09で銅に入った。

女子100メートルでは、英国のエイミー・ハントが11秒00で優勝し、自身初の主要国際大会タイトルを獲得した。ハントは今季初めて11秒の壁を破るなど好調で、後半の強烈な追い上げで5位から首位に立った。ポーランドのエワ・スウォボダが11秒02で銀、ベルギーのデルフィーヌ・ンカンサが11秒06で銅。英国のディナ・アッシャー=スミスは11秒10で5位に終わり、ハントへの世代交代を印象付けた。

また、オランダのジェシカ・シルダーが女子砲丸投げで3連覇を達成。20メートル73センチの好記録で、1966年から1974年にかけて4連覇したソ連のナデジダ・チジョワ以来となる快挙となった。男子砲丸投げはイタリアのレオナルド・ファブリが22メートル31センチで2連覇。混合4×400メートルリレーでは、ノルウェーが大会記録の3分09秒62で制し、カーステン・ワーホルムが今大会初の金メダルを獲得した。

今大会は8月16日まで行われ、ハントは200メートルとリレー種目でさらなる金メダルを狙う。インゲブリクトセンの完全復活は、今後の世界大会に向けて大きな注目を集めることになりそうだ。

サッカー界に激震、インファンティーノFIFA会長に辞任要求の公開書簡

欧州サッカー連盟(UEFA)、北中米カリブ海サッカー連盟(CONCACAF)、アジアサッカー連盟(AFC)の三大陸連盟は11日、FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長に対し、辞任を求める公開書簡を連名で発表した。書簡では、インファンティーノ会長が進めていたワールドカップの売却計画の失敗を「信頼の根本的破壊」と非難し、「欺瞞によって信頼が壊れたとき、個人が自分を組織の上に置くとき、その責務は放棄された」と述べている。

この書簡は、UEFAのアレクサンデル・チェフェリン会長、AFCのサルマン・ビン・イブラヒム・アル=ハリファ会長、CONCACAFのビクター・モンタリアーニ会長と3人の事務総長が連名で署名した。「サッカーは世界で最も共有された情熱であり、いかなる個人や組織にも属さない」とし、「サッカーに仕えるリーダーシップを求める」と訴えた。

インファンティーノ会長は、ワールドカップの権益をプライベートエクイティ投資家に売却する計画が失敗した後、辞任圧力に直面している。UEFAは以前、インファンティーノ体制下でのワールドカップボイコットも辞さない構えを示しており、ノルウェーサッカー連盟は会長の退任を要求、イングランドサッカー協会も来年3月の再選支持を取り下げている。

FIFAは先週、計画の失敗について謝罪したが、モロッコでの危機会議で幹部らが会長への全面的支援を再確認した。しかし、公開書簡はこの会議の在り方にも疑問を呈し、「FIFA自身の文書も、モロッコのリーダーシップ会議に出席したのは選出された役員はわずか1人だけだったことを認めている。FIFA評議会のメンバーや加盟協会は招待されず、FIFAに雇用された上級スタッフだけで構成される運営委員会だけが出席した」と指摘した。

さらに、FIFAが今回の問題を「コミュニケーションの失敗」と扱っていることに対し、「サッカー界が目撃したのは判断の失敗であり、手続き上の失態ではなく、FIFAが仕えるべき組織そのものに対する根本的な信頼の裏切りだ」と批判した。

一方、FIFAは土曜日の声明で、インファンティーノ会長のリーダーシップを弱体化させようとする「組織的な継続的な試み」があるとして、会長を擁護した。この声明は、英国紙デイリー・テレグラフが、インファンティーノ氏がUEFA事務総長時代に一緒に働いていた女性職員にUEFAが支払った退職金パッケージについて疑問を投げかけた報道を受けて出されたもので、UEFAは当時の規制に沿った支払いだったと説明している。

プロテニス選手会がカナディアン・オープン欠場相次ぎ負担増を懸念、ATPにカレンダー再編を要求

プロテニス選手会(PTPA)は8月10日、カナディアン・オープンからの相次ぐ欠場が、プロテニスの長期化するカレンダーと拡大されたトップレベルの大会が負傷リスクを高めているという懸念を裏付けるものだと表明した。選手擁護団体であるPTPAは、大会からの欠場について「悲しいが驚きではない」とし、大会間の回復時間の短縮が、シーズン序盤での負傷発生と重症化の一因となっていると主張した。

モントリオールで開催された男子カナディアン・オープンでは、世界ランキング1位のヤニック・シナーと、四大大会通算24勝のノバク・ジョコビッチが欠場。カルロス・アルカラスも手首の負傷で欠場した。地元期待のフェリックス・オジェ=アリアシムも初戦前に背中の負傷で棄権した。女子では、ディフェンディングチャンピオンのビクトリア・ムボコ、ウィンブルドン準優勝のカロリーナ・ムホバ、エマ・ラドゥカヌ、ジャスミン・パオリーニも負傷で大会を欠場している。

PTPAは、医療ディレクターのロビー・シッカ医師と3年前に開始したプロジェクトで、過去8年間に全レベルの3万以上のプロ公式戦から負傷データを収集・分析したと発表。「エビデンスは明確だ。シーズンは長すぎ、回復時間は縮小し、負傷はより早期に発生し、より深刻になっている」とソーシャルメディアで声明を発表した。同団体の分析によると、2026年第1四半期の上半身の負傷は前年同期比42%増、腕の負傷は2025年平均比112%増だった。

ATPは戦略計画「ワンビジョン」の下、マスターズ1000の9大会中7大会を12日間のイベントに拡大しており、2025年がこの長期フォーマットが全大会で使用された最初のシーズンとなった。PTPAは、この変更が選手の休息、トレーニング、移動の時間を削ったと指摘。「短期的な商業的利益が選手の健康を犠牲にしてはならない」とし、「選手を守ることは、今日の競技者だけでなく、テニスの未来を守ることだ」と述べた。

ATPはこれまで、選手にはスケジュールの選択権が残されており、シーズン中の適切な試合数を促進するインセンティブを創設するよう取り組んでいると述べている。PTPAは、カレンダー再編に選手の健康とデータ主導のアプローチを採用し、選手がスケジュール形成に有意義な役割を持つべきだと主張。必須大会の出場義務を減らし、十分な回復時間を確保するよう求めた。また、ATPに12日間のマスターズ1000フォーマットの撤回を検討するよう促した。