The Morning Star Observer

2026年08月11日 火曜日朝刊 (Morning Edition)ArchiveAbout

コロンビア西部でM7.4の地震、111人死亡・国家非常事態宣言

2026年8月10日午前7時34分(現地時間)、コロンビア西部をマグニチュード7.4の強い地震が襲い、少なくとも111人が死亡、87人が負傷した。コロンビア地質サービス(SGC)によると、震源は太平洋岸のチョコ県サン・ホセ・デル・パルマル付近で、深さは約96~107キロメートル。米地質調査所(USGS)もマグニチュード7.4と観測し、同国では21世紀に入って最大規模の地震と発表した。地震は首都ボゴタやカリ、ペレイラ、マニサレスなど広範囲で建物の倒壊を引き起こし、隣国のエクアドル、パナマ、ベネズエラでも揺れが観測された。

被害はコーヒー産地として知られるリサラルダ県で最も深刻で、県都ペレイラでは少なくとも40人が死亡、65棟の建物が倒壊した。バジェ・デル・カウカ県では27人が死亡し、県都カリでは少なくとも20棟が倒壊、病院では小児科と集中治療室のある棟が崩壊し、子どもを含む複数人ががれきの下に取り残された。チョコ県では4人が死亡、マニサレスでは2人が死亡した。カリのアレハンドロ・エデル市長は「少なくとも20の構造物が倒壊し、人々が閉じ込められている」と述べ、ボゴタとメデジンに救助隊の派遣を要請した。

政府は国家非常事態を宣言し、就任からわずか3日目のアベラルド・デ・ラ・エスプリエジャ大統領が対応を直接指揮すると表明した。大統領はX(旧ツイッター)で「あなたたちは一人ではない。国家は存在し、行動している」と述べ、被災地への視察を予定している。また、民間航空局はペレイラ、マニサレス、キブド、アルメニア、カルタゴ、ブエナベントゥーラの6空港で運航を停止した。さらに、カウカ県のプラセ火山が噴火警戒レベルのまま灰とガスを放出し、ポパヤン空港が一時閉鎖されるなど、二次的な災害も発生している。

国際社会からは、米国のマルコ・ルビオ国務長官が「支援の用意がある」と表明し、メキシコのクラウディア・シェインバウム大統領、ブラジルのルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバ大統領、エルサルバドルのナイブ・ブケレ大統領、フランスのエマニュエル・マクロン大統領、イスラエルのギデオン・サール外相らが支援を申し出た。また、6月に壊滅的な地震に見舞われたベネズエラ政府も救助隊の派遣を申し出ている。専門家は、今後も余震が続く可能性があり、被害はさらに拡大する恐れがあると警告している。

米大統領、イランに賠償要求を突き付け ホルムズ海峡再開交渉は暗礁に

ドナルド・トランプ米大統領は10日、イランに対し、これまでの紛争や攻撃、国内弾圧で殺害・負傷させた人々への賠償を求める考えを表明した。イラン側が米国とイスラエルによる5カ月以上に及ぶ攻撃で被った損害への補償を要求していることへの対抗措置であり、ホルムズ海峡の再開を巡る交渉に新たな条件を突き付ける形となった。

トランプ氏は自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」で、「イランが補償を求めているのは興味深い考えだ。私も同様に、彼らが即席爆弾や数多くの紛争で殺害し、重傷を負わせたすべての人々への補償をイランに要求する」と述べた。さらに、2000年10月にイエメンの港で発生した米海軍駆逐艦「コール」号爆破事件の犠牲者や、今年1月の反政府デモで殺害された数千人の家族への補償も要求するとした。米連邦捜査局(FBI)はコール号事件をアルカイダの犯行と断定しているが、トランプ氏はイランに責任があると主張している。

イラン外務省報道官のエスマイル・バガエイ氏は同日、ホルムズ海峡の再開は米国が条件を満たすまで行われないと改めて強調した。イランは米国に対し、イラン港湾への海上封鎖の解除、経済制裁の撤廃、凍結資産の解放、戦争損害への補償などを要求している。イランはオマーンとの間で海峡の新たな航路設定に関する協議を進めており、「最終段階に近い」としているが、実際の再開は米国との交渉次第だとしている。

この応酬を受け、国際原油価格は急騰。ブレント先物は前日比4.99%高の1バレル=87.72ドルで取引を終え、米WTI先物も5.05%高の82.13ドルで引けた。両指標とも7月29日以来の大幅な上昇率となった。ホルムズ海峡は戦前、世界の石油取引量の約5分の1が通過する戦略的要衝であり、その封鎖は世界的な燃料価格高騰とインフレ圧力を招いている。

専門家は、米国の武器備蓄の枯渇がロシアや中国の行動を促す可能性を指摘する。米国の対イラン戦争により、欧州やアジアに配備されていた弾道ミサイル迎撃システムや長距離ミサイルが中東に投入され、在韓米軍の防衛体制も弱体化している。米国の武器備蓄の枯渇は、ウクライナへの軍事支援にも影響を及ぼしており、ゼレンスキー大統領は今年、西側諸国から供与された防空ミサイルの数が前年比で3分の1に減少したと明らかにした。ロシアの軍事ブロガーは「米国の精密兵器が少なければ少ないほど、ウクライナに届く量も減る」と指摘しており、米国の弱体化がロシアや中国の行動を後押しする可能性が懸念されている。

米国内では、11月の中間選挙を控え、この戦争に対する不支持が広がっている。ロイター/イプソスの世論調査によると、戦争を支持する米国人は約35%にとどまり、政党別では民主党が共和党を上回る支持を得ている。トランプ氏は経済圧力に軸足を移しつつあるが、ジョージタウン大学カタール校のメーラン・カムラヴァ教授は「イランの指導部は国内の政治的压力に直面しておらず、米国の経済圧力が効果を上げるかは疑問だ」と指摘している。

世界で記録的猛暑、9億人が影響 欧州では観測史上最高の夏に

2026年7月、サヘル地域や中央アメリカ、フランス、スペインなど、世界で約9億人が住む地域で観測史上最も暑い7月を記録した。欧州連合(EU)の気候情報サービス「コペルニクス」のデータをAFPが分析したところ、33カ国で7月の気温が観測開始以来最高となった。フランスとスペインなど、十分な設備を持つ国の気象機関も独自の分析で記録的な暑さを確認している。

影響を受けた地域のうち、約4億人はアフリカ、特にサヘル地域に住んでいる。モーリタニア、ニジェール、ブルキナファソなど西・北アフリカの10カ国で7月の月間気温記録を更新。チャドやスーダンでは、7月の気温が1981~2010年の平均より2度以上高くなった。世界気象属性ネットワーク(WWA)の科学者らは1月、2015年以降、極端な暑さの発生確率が約10倍に高まったと警告しており、人為的な気候変動が原因としている。

中央アメリカと南米北部では、6月に始まり年内にピークを迎えると予想されるエルニーニョ現象の影響で、メキシコからブラジル北部にかけて約1億1000万人が観測史上最も暑い7月を経験した。エルサルバドル、ニカラグア、ホンジュラスでは6月と7月の両方で月間気温記録を更新し、飢饉への懸念が高まっている。国連世界食糧計画(WFP)は、中央アメリカが食料不安の相対的増加で最も深刻な地域になるとの見通しを示し、カリブ海諸国を含め、2027年末までにさらに1600万人が食料不安に直面する可能性があると推定している。

欧州では、西ヨーロッパの6月と7月の平均気温が21.62度で、1991~2020年の平均より2.79度高く、2022年に記録した従来の最高記録を更新した。5月以降、4回の熱波が観測され、コペルニクスは「異常」と表現している。フランスでは平均気温が平年より3.8度高く、干ばつが深刻化。ジロンド県では大規模火災が発生し、約4万2000ヘクタールが焼失、22万人以上が避難した。スペインでもアビラ県で大規模な山火事が発生し、約4万4000ヘクタールが焼失した。

欧州ではライン川、ドナウ川、セーヌ川の水位が異常に低くなり、内陸水運、灌漑、発電に支障が出ている。ドイツでは干ばつと暑さで農業が打撃を受け、食肉生産が減少。農家団体は政府に迅速な対応を求めている。また、世界の海面水温は7月として観測史上最高の20.96度を記録し、2023年の記録を上回った。

一方、米国でも7月は観測史上最も暑い月となった。米海洋大気庁(NOAA)によると、本土48州の平均気温は華氏76.89度(摂氏24.94度)で、20世紀の平均より3.3度(摂氏1.8度)高く、1936年7月の記録を更新した。3回の熱波が発生し、ワイオミング州では観測史上最も暑い7月を記録。夜間の気温上昇が記録的な暑さの主因で、専門家は「夜間に気温が下がらないと、体が暑さから回復する時間がない」と指摘する。AP-NORCの世論調査では、回答者の約半数が冷房使用による電気代の高騰が家計に大きな影響を与えたと回答。約40%が暑さで旅行計画が乱れたとし、約3分の2が家族の屋外活動に影響があったと答えた。

気候科学者らは、2026年が観測史上最も暑い年になる可能性があると警告している。人為的な地球温暖化に加え、エルニーニョ現象が重なったためだ。ペンシルベニア大学のマイケル・マン教授は「炭素排出が地球を温暖化させ続ける限り、世界の気温記録が更新されると予想される」と述べた。

ウクライナ軍無人機攻撃、ロシア・タタールスタンで13人死亡——戦争開始以来最悪級の民間人被害

ウクライナ軍による無人機攻撃が8月10日、ロシア中部タタールスタン共和国の工業都市ニジネカムスクを襲い、少なくとも13人が死亡した。負傷者は75人に上り、うち21人が入院した。ロシア捜査委員会によれば、犠牲者には子ども1人が含まれ、タジキスタンとウズベキスタンの市民もいたという。ウクライナ軍参謀本部は、石油大手タトネフチ系のタネコ製油所を攻撃したと発表し、「ロシアの軍事力を削ぐ」ための作戦の一環だと説明した。

ニジネカムスクはウクライナ国境から約1,000キロ以上離れた内陸部に位置し、人口約24万人の石油精製・石油化学の中心地である。現地当局は「大規模な無人機攻撃」だったと述べ、ソーシャルメディアには石油施設から黒煙が立ち上る映像が投稿された。ウクライナ側は、ロシアによるミサイルや無人機の攻撃への報復として、エネルギー関連施設を標的にした長距離攻撃を繰り返している。国連によれば、双方の長距離攻撃は今年に入って激化し、民間人の死者が急増している。

一方、ロシア軍も同日、ウクライナ北東部ハルキウ州の村への砲撃で5人を殺害した。ウクライナ空軍によれば、ロシアは一晩で126機の無人機を発射し、ロシア国防省は456機を撃墜したと主張している。ウクライナ南部オデーサ州では、週末のロシア軍による電力網への攻撃で数万世帯が停電しており、ゼレンスキー大統領は「無傷の火力発電所はほぼ存在しない」と警告した。冬を前にエネルギー網の脆弱性が深刻化しており、市民生活への影響が懸念されている。

政治 (Politics)

ネタニヤフ首相、米主導のガザ和平計画を拒否—トランプ大統領との亀裂深まる

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は8月9日、米国主導のガザ和平計画(15項目)を正式に拒否した。同計画はハマスが武装解除する一方でイスラエル軍が段階的に撤退する内容で、ハマスは受け入れを表明していたが、ネタニヤフ首相は「ハマスが真に武装解除するまでいかなる撤退も行わない」と強調した。この拒否は、10月27日に迫る総選挙を控え、右派支持層の取り込みを図る動きとみられる。

これに対し、トランプ米大統領は8月10日、ネタニヤフ首相との関係は「非常に良好だ」と述べ、計画は「依然として有効で前進している」と和平評議会(Board of Peace)の当局者が強調した。同評議会のガザ担当高等代表ニコライ・ムラデノフ氏は、計画は「信頼ではなく検証に基づいている」と述べ、イスラエルに対して「地上での検証済みの措置が取られるまで撤退を求めない」と保証した。

一方、ドイツ外務省報道官は、この計画がハマスの武装解除に向けた進展の機会となり得るとの見解を示した。しかし、ガザの住民からは懐疑的な声が上がり、「停戦は一時的なものに過ぎない」との指摘も出ている。また、イスラエル国内でも計画への不信感が広がっており、ネタニヤフ首相の判断は「誰も喜ばせない」との分析もある。

この拒否により、ガザ停戦合意は崩壊の危機に瀕している。ガザ政府メディア事務所は「交渉プロセスに対する明確なクーデターだ」と非難し、エジプト外相は「強制移住は容認できない」と警告した。専門家は、ネタニヤフ首相の行動は選挙を意識したものであり、ハマスにとっては戦術的勝利となると指摘する。

ロシア最高裁、反戦政党ヤブロコの下院選出馬を禁止

ロシア最高裁判所は8月10日、ウクライナ戦争に反対する国内唯一の登録政党である自由主義政党「ヤブロコ」について、9月に予定される下院選挙への参加を認めない決定を下した。同党は先月、中央選挙管理委員会により選挙への参加を承認され、投票用紙に記載される予定だったが、親クレムリン派の民族主義政党「ロジナ」が提起した訴訟が認められた形だ。

ロジナは、ヤブロコが西側諸国からの支援を含む未申告の選挙支援を受けたほか、著作権侵害や「過激主義」の兆候があると主張した。ヤブロコのニコライ・ルイバコフ党首は法廷で「我々はロシア国民によって資金提供されており、ロシア国民と中央選挙管理委員会に説明する責任がある」と述べ、疑惑を否定した。また、判決後、党は控訴する方針を示した。

ヤブロコは1993年に設立されたロシア最古の自由主義政党で、チェチェン戦争やクリミア併合、ウクライナ侵攻に一貫して反対してきた。しかし、2003年以降は下院で議席を獲得しておらず、支持率は3%前後とされる。今回の決定により、ロシア国民は反戦姿勢を明確に掲げる政党に投票する機会を失うことになる。

判決を受け、モスクワの最高裁前には約500人の支持者が集まり、「恥を知れ」と叫ぶ声が上がった。ロシアでは2022年のウクライナ侵攻開始以降、反戦運動への弾圧が強まっており、ヤブロコの党員にも拘束者が出ている。今回の決定は、ロシア国内の反戦派に対する締め付けをさらに強めるものとなる。

アルゼンチン元官房長官アドルニ氏夫妻、在任中に資産急増 検察が資産説明要求

アルゼンチンの連邦検察は、ミレイ政権で官房長官を務めたマヌエル・アドルニ氏と妻ベッティナ・アンヘレッティ氏について、在任期間中の資産増加と支出が申告所得と著しく乖離しているとして、資産の説明を求める正式な要求を行った。連邦検事ヘラルド・ポリシータ氏は、夫妻の資産と支出を一体の経済単位として再構築した結果、公職就任前の2023年の年間支出が約180万ペソだったのに対し、就任後の2024年には約1億1330万ペソへと約60倍に急増したことを明らかにした。

検察の調べでは、2023年12月14日から2026年5月31日までの期間に、夫妻は総額で2億7280万ペソと40万2578米ドル(うち37万4081米ドルは現金払い)を支出していた。主な使途として、2024年3月のジープ・コンパス購入(2150万ペソ、ほぼ現金)、同年11月のカントリー用地購入(12万米ドル)、住宅の全面改装(24万5000米ドルを現金で支払い)などが挙げられている。一方、同期間の合法的な収入は合計2億2975万ペソ(アドルニ氏の給与1億320万ペソ、妻の事業収入1億2655万ペソ)にとどまり、約4307万ペソの差額が説明できないとされる。

さらに、外貨保有に関しても、当初42,500米ドルと申告されていた現金ドル保有が、後に51万3000米ドルへと訂正されるなど、申告内容の不整合が指摘されている。検察は、アドルニ氏に対し、外貨の具体的な入手源と、支出時に利用可能であったことを証明するよう求めており、裁判所から通知を受けてから15日以内の説明が求められている。

レバノン、前中央銀行総裁サラメ氏を新たな金融犯罪で起訴 民間銀行トップ初の関与も

レバノンの司法当局は8月10日、前中央銀行総裁リヤド・サラメ氏と、レバノンの大手銀行バンク・オーディ元頭取サミール・ハンナ氏を、横領や不正蓄財などの金融犯罪で起訴した。司法筋によれば、両氏は中央銀行から数千万ドルを横領した疑いがあり、ハンナ氏がサラメ氏に贈賄したとの告発も含まれているという。

サラメ氏は1993年から2023年まで中央銀行総裁を務め、在任中の不正行為で既に起訴・逮捕されていたが、一貫して無罪を主張している。今回の起訴は、サラメ氏関連の金融犯罪事件で民間銀行家が起訴された初めてのケースとなり、捜査が民間部門に拡大していることを示している。サラメ氏は現在、ベイルート郊外の政府系病院で医療監視下に置かれている。一方、88歳のハンナ氏は100万ドルの保釈金を支払い、拘留はされていない。

スイスの財団「アカウンタビリティ・ナウ」は、今回の起訴が2010年の1億5400万ドルと2012年の1億200万ドルの横領疑惑を対象としていると指摘した。サラメ氏は昨年9月に記録的な1400万ドルの保釈金を支払って釈放されており、フランス、スイス、ドイツでも捜査を受けている。レバノン経済危機の象徴とされるサラメ氏の裁判は、金融部門の汚職追及の行方を左右する重要な試金石となる。

メッカ防衛協定:中東新秩序の胎動か、米国の信頼低下が促した三者同盟

2026年8月7日、サウジアラビアのメッカにおいて、サウジアラビア、トルコ、パキスタンの3カ国が相互防衛協定(メッカ共同防衛協定)を締結した。協定は「3カ国のいずれかに対する武力攻撃は全締約国に対する攻撃とみなす」と規定し、NATO型の集団防衛体制を志向するものである。締結の背景には、米国の安全保障上の信頼性に対する疑念が深まったことがある。中国国営新華社通信は、この協定を「米国は信頼できない」というメッセージとして報じ、清華大学の閻学通名誉学部長は、米軍の傘下にあるアラブ諸国がワシントンの軍事力と保護能力に疑問を抱き、「国家安全保障は米国に依存できず、自らの能力に依存すべきだ」と認識するに至ったと指摘した。

協定の実効性については、公表された合意内容では、攻撃が発生した場合の具体的な軍事的義務、発動手続き、地理的範囲、支援内容が明示されておらず、今後の運用が焦点となる。イラン外務省報道官のエスマイル・バガエイは、この協定がイランを標的としたものではないとし、「地域の地政学的・歴史的現実に基づく包括的な計画は、安全保障の強化に役立つ」と述べた。一方、インドの元外務次官カンワル・シバル氏は、この協定を「インドの利益にとって非常に否定的な展開」と評し、パキスタンがより好戦的な姿勢を取る可能性を指摘した。また、中国にとっては、米国が西アジアでの軍事的負担を軽減し、インド太平洋地域に資源を集中させる余地が生まれるという戦略的課題も浮上している。

さらに、シリアとロシアは、アサド政権崩壊後約18カ月にわたって交渉してきたロシア軍基地の扱いについて覚書を交わした。新たな合意により、フメイミム空軍基地の民用施設とタルトゥース港の商業部分はシリアの管理下に置かれ、軍事施設はロシア・シリア共同の訓練・資格認定センターに転換される。移行期間は3カ月とされる。アナリストは、シリアが主権を強化しつつ、ロシアが足場を維持する現実的な妥協点と評価している。

米控訴裁、SNS中毒訴訟数千件の進行を認める メタ等に巨額賠償リスク

米連邦控訴裁判所は10日、メタ・プラットフォームズ、アルファベット傘下のグーグル、バイトダンス傘下のTikTok、スナップ傘下のスナップチャットなどに対し、若年ユーザーを中毒にするよう製品を設計したとする数千件の訴訟の進行を認める判断を示した。サンフランシスコに拠点を置く第9巡回区控訴裁判所は、連邦裁判所に提起された約2,400件から3,000件以上の訴訟をめぐり、企業側が下級審の判断を覆そうとした申し立てを却下した。

企業側は、1996年通信品位法第230条がユーザー投稿コンテンツに関する訴訟から企業を保護しているとして、プラットフォームの中毒性について警告しなかったという主張からも免責されると主張していた。しかし裁判所は、第230条は責任に対する防御手段を提供するものであり、訴訟からの免責を与えるものではないとし、上訴は時期尚早であると判断した。また裁判所は、29州の司法長官が提起した訴訟で、メタが子供のデータを違法に収集・使用し、プラットフォームを若年ユーザーを引きつけるよう設計し、安全性について消費者を誤解させたと主張する訴訟について、水曜日に開始予定の裁判を延期するよう求めたメタの申し立ても却下した。

これらの訴訟は、州、自治体、学区、個人によって提起され、ソーシャルメディア企業が若年ユーザーを意図的に中毒にし、近年の米国の若者の間でうつ病、不安、身体イメージの問題、より広範な精神的健康危機の急増に寄与したと主張している。原告には親、学区、州が含まれ、下級審の判断は最終的なものではなく、上訴の対象にはならないと主張していた。また、企業側の連邦法に関する主張についても、製品の運営や設計に関する主張は対象外であると反論していた。

これらの訴訟は、カリフォルニア州オークランドのイボンヌ・ゴンザレス・ロジャース連邦地裁判事の下に集約されており、原告は企業からの損害賠償、罰金、原状回復を求めている。企業側は2023年と2024年にロジャース判事の訴訟進行を認める命令を不服として控訴していた。企業は州裁判所でも同様の主張に基づく数百件の追加訴訟に直面しており、そのうち約3,300件がカリフォルニア州裁判所で統合手続き中である。

カリフォルニア州の訴訟で初めて審理された訴訟では、ロサンゼルスの陪審が3月、メタとグーグルが若者を害するソーシャルメディアプラットフォームを設計したとして過失があると認定し、子供の頃にインスタグラムとYouTubeに中毒になったと主張する現在20歳の女性に600万ドルの賠償を命じた。また、ニューメキシコ州が提起した訴訟では、陪審が3月にメタに対し、プラットフォームの安全性について消費者を誤解させたとして3億7,500万ドルの支払いを命じ、さらに木曜日には、メタが公的妨害を生み出したと認定した判事が、青少年の精神的健康基金への5億6,700万ドルの支払いと、若年ユーザー向けのプラットフォーム機能の変更を命じた。

メタとグーグルはこれらの訴訟での主張を否定しており、控訴する意向を示している。今回の控訴審の判断は、第230条がプラットフォーム設計に関する主張に適用されるかどうかという問題を中心に展開されるとみられ、専門家はこの問題がテクノロジー業界全体に広範な影響を与える可能性があると指摘している。

インド東部ジャールカンド州で試験不正疑惑に抗議、警官隊と衝突

インド東部ジャールカンド州の州都ラーンチーで8月10日、政府採用試験の不正疑惑をめぐる学生らの抗議活動が激化し、州議会へ向かうデモ隊に対し警官隊が放水砲や催涙弾、警棒を使用して強制排除を試みた。州政府は一部の試験中止や委員会メンバーの辞任を受け入れたものの、学生側は全面撤回と連邦捜査機関による調査を求め、抗議を継続している。

抗議の発端は、7月に実施されたジャールカンド州公務員委員会(JPSC)の採用試験をめぐる疑惑である。定員がわずか103人だった試験に2,000人以上が合格した後、ほとんど解答していない答案用紙がオンラインで流出し、結果が操作されたとの疑いが浮上した。警察は疑惑の中心となった受験生を含む11人を逮捕し、委員会委員長も辞任に追い込まれたが、学生らは根本的な解決には至らないと主張している。

学生らは、今年のJPSC試験の結果破棄と再試験、ジャールカンド州職員選抜委員会(JSSC)の統合大学卒業レベル(CGL)試験の中止、そして中央捜査局(CBI)による全面的な調査を要求している。また、回答用紙や結果の透明性向上、生体認証の導入、問題漏えい防止策の強化、責任ある職員や民間採用機関の追及なども求めている。

抗議運動は7月25日から始まり、少なくとも6人がハンガーストライキを実施している。33歳の学生指導者デベンドラ・ナート・マートー氏は9日間の断食中にもかかわらず、ストレッチャーで先頭に立ち、「針金でも私たちを止めることはできない」と述べた。別の抗議者ラーフル・クランティー氏(40歳)は健康状態が悪化し、集中治療室に搬送されたが、「病院にいようと抗議現場にいようと、ハンガーストライキを続ける」と語った。

州政府は日曜日の交渉で、今年のJPSC予備試験と2つのバックログ採用試験の中止に合意し、JPSCの委員3人が辞任した。しかし、学生側は「13の試験のうち3つしか中止されていない」として、政府が「98%の要求を受け入れた」とする主張を「嘘」と非難した。州首相ヘマント・ソレン氏は「すべての問題は対話で解決できる」と述べ、学生に政治的陰謀に乗らないよう呼びかけた。

今回の抗議は、先月ニューデリーで起きた「ゴキブリ運動」の影響を受けたものである。この運動は、医学部入試の問題漏えいをめぐり36日間にわたり抗議を続け、教育相の辞任に追い込んだ。ジャールカンド州の運動は、こうした全国的な若者の不満を反映している。政治アナリストのラディカ・ラマセシャン氏は「ジャールカンド州は間違いなくCJPの手法を採用し、若者の未来に関わる別の問題を提起している」と指摘した。

警察は月曜日の衝突で14人の警察官が負傷したと発表し、デモを妨害した「反社会的要素」を特定するためCCTV映像を解析すると述べた。一方、学生側は警告なしに武力が使用されたと非難し、少なくとも100人が警棒で殴打されたと主張している。抗議は今後も続くとみられ、州政府の対応が問われている。

セウタ危機でEUの無力露呈、移民巡る欧州の亀裂深まる

モロッコからスペイン領セウタへの大規模な移民流入を受け、欧州連合(EU)は偽情報への対応に追われている。EUのデジタル担当委員ヘンナ・ヴィルクネン氏はメタ(Meta)とTikTokの代表者と会合を持ち、ファクトチェッカーとの連携強化や「デジタル空間の一体性の維持」に向けた協力を要請した。しかし、EUの対応は「カタツムリの歩み」と評され、危機への迅速な対応能力の欠如が浮き彫りとなっている。

7月末に発生したセウタへの移民急増は、ソーシャルメディア上で拡散された偽情報が引き金となった。フェイスブックやインスタグラム、TikTok、ワッツアップ、ユーチューブなどで「スペインとEUへの道は開かれている」とする虚偽の投稿が広がり、数千人が国境を越えた。スペイン政府は約7万人がモロッコに戻されたと発表したが、依然として数千人がセウタに残り、人道的危機が懸念されている。

EUのデジタルサービス法(DSA)には危機対応メカニズム(第36条)が規定されているが、実際に作動するまでには6ヶ月から2年かかる可能性があり、8月15日に再び大規模な流入が試みられるとの情報もある中で、EUは迅速な対応手段を持ち合わせていない。EU委員会は「偽情報に関する行動規範」に基づきプラットフォーム側に自主的な協力を求めているが、法的拘束力はなく、EUの無力さが際立っている。

この危機を巡っては、イタリアのジョルジャ・メローニ首相とデンマークのメッテ・フレデリクセン首相が連名で書簡を発表し、「無制限の移民」が犯罪増加や公共サービスへの圧力、市民の信頼低下を招いていると主張、第三国への送還センター設置や強制送還の強化を求めた。両首脳は「欧州のキリスト教的遺産を守る」とも述べ、移民政策の厳格化を訴えている。

一方、スペイン国内では与野党の対立が激化している。マドリード州のイサベル・ディアス・アユソ州首相は、メローニ氏やトランプ米大統領を支持し、サンチェス政権の移民政策を「国境を守れない無能さ」と批判した。また、セウタのフアン・ヘスス・ビバス市長は、残る移民の収容・送還のための施設設置を緊急に求めた。

この危機は、EUの結束と移民政策を巡る深い溝を浮き彫りにし、今後の欧州政治に大きな影響を与える可能性がある。

アルゼンチン政情:空軍創設114周年でF-16展示、ペロン主義内紛激化、ブラジルとの外交危機深刻化

今週のアルゼンチンは、空軍創設114周年記念行事におけるF-16戦闘機の飛行展示、ペロン主義内部の候補者選定をめぐる対立激化、そしてブラジルとの外交関係悪化など、政治・外交・社会の各分野で重要な動きが見られた。

国防省は、ブエノスアイレス市内上空でのF-16戦闘機の飛行展示を含む空軍記念行事を開催した。カルロス・プレスティ国防相は式典で、マルビナス戦争(フォークランド紛争)の戦没者を追悼し、空軍の歴史的役割を称賛した。また、現在の空軍の任務は領空監視と恒常的な防空体制の維持にあると述べ、装備の近代化と要員の処遇改善に取り組む考えを示した。

一方、ペロン主義では、2027年選挙を見据えた候補者選定をめぐる党内対立が先鋭化している。ブエノスアイレス州知事アクセル・キシロフ氏と元大統領クリスティーナ・フェルナンデス・デ・キルチネル氏の間の溝は深まるばかりで、キルチネル氏支持派は「ペロン主義・ブエノスアイレス州」の集会で同氏の候補者擁立を求めた。また、トラック運転手組合のパブロ・モジャーノ書記長は、メルカド・リブレ創業者マルコス・ガルペリン氏ら企業経営者を批判し、「ペロン主義が政権に復帰したら、労働者を挑発した者たちは代償を払うことになる」と警告した。

外交面では、ハビエル・ミレイ大統領のブラジルへの度重なる侮辱的発言を受け、ルラ大統領が外交関係を代理大使レベルに格下げする事態となっている。アルゼンチンのダニエル・ライモンディ駐ブラジル大使は本国に召還され、パブロ・キルノ外相に直接報告することになった。ブラジル側もフリオ・ビテリ駐アルゼンチン大使の帰任を見送っており、両国関係は冷凍状態にある。

国内経済では、ブエノスアイレス市の家賃が前年比で最大35%上昇し、物価上昇とほぼ同率となっている。また、首都圏の交通機関では、鉄道と地下鉄の乗り継ぎ割引が廃止され、運輸補助金をめぐる国と市の対立が表面化した。気象面では、記録的な寒波が続き、気象当局は低温警報を発令している。

経済 (Economy)

中国、米墨産ピーカンナッツに暫定アンチダンピング関税を課す

中国商務省(MOFCOM)は2026年8月10日、米国とメキシコ産のピーカンナッツが中国市場で不当廉売され、国内産業に実質的な損害を与えているとする暫定的なアンチダンピング(不当廉売防止)裁定を下した。これに伴い、8月11日から暫定的な現金保証金措置が発効し、米国企業には一律54.3%、メキシコ企業には17.8%から51.6%の税率が適用される。

商務省の声明によると、調査期間中、不当廉売された輸入品の数量は累計104.56%増加し、国内市場におけるシェアは9.69ポイント上昇した。また、不当廉売された製品の輸入価格は累計9.15%下落し、調査期間を通じて国内同種製品の販売価格を下回っていた。中国当局は、メキシコ企業に対しては51.6%、米国企業に対しては54.3%の現金保証金を課す暫定措置を発表した。調査に協力したメキシコ企業6社には、17.8%から23%のより低い税率が適用される。米国大使館は調査に参加したものの、米国の生産企業は参加せず、低い税率の適用を受けた企業はなかったという。

この措置は、メキシコの主力輸出品目の一つであるピーカンナッツに大きな打撃を与える。メキシコは2024年に世界第5位のピーカンナッツ生産国であり、北部チワワ州だけで国内生産量の59.7%を占める。中国はメキシコ産ピーカンナッツの第2位の輸出先であり、今回の関税引き上げは現地生産者の競争力を損ない、市場の多様化を迫る可能性がある。米国企業にとっては、中国市場へのアクセスがさらに制限されることになる。

この暫定措置は、最終的な裁定が下されるまでの過渡的なものであり、税率は変更される可能性がある。中国商務省は「すべての利害関係者の権利を完全に保護し、調査結果に基づき客観的かつ公平に最終裁定を下す」と表明している。関係者は最終裁定までに意見を提出することができ、今後の動向が注目される。

香港・マレーシア、半導体分野などで経済関係強化へ

香港とマレーシアは、半導体製造などの主要分野で経済関係を深め、相互の成長機会を引き出す構えだ。香港貿易発展局(TDC)のフレデリック・マー・シーハン理事長が明らかにした。

マー理事長は、香港の「Think Business, Think Hong Kong」キャンペーンに基づく過去最大のマレーシア派遣団に参加し、月曜日にこの発言を行った。同氏は、この派遣団が両地域間の強固な商業的関心と地域協力の拡大を示すものであり、主要産業にわたるより強力な関係への道を開くものだと述べた。

「香港はマレーシアと緊密な関係を築いてきた。マレーシアは半導体製造に強い能力を持つ国だ。香港にはマレーシア企業を支援できる豊かな人材プールがある」と同氏は語った。さらに、香港はマレーシア企業が中国本土市場、特に大湾区に進出するための「スーパーコネクター」として機能できると付け加えた。

派遣団は火曜日、クアラルンプールのシャングリ・ラで終日会議を開催する。この会議は旗艦ビジネスキャンペーンの一環で、金融、イノベーション・技術、ヘルスケアなどの主要分野に焦点を当てる。

社会 (Society)

世界で相次ぐ子ども虐待・暴力事件、司法判断と社会の対応が問われる

2026年8月、世界各地で子どもが犠牲となる深刻な事件が相次いで報告された。アルゼンチンのコルドバでは、3歳の男児サルバドール君がピットブルに襲われ死亡。母親クラウディアさんは「私が見たのは悲劇だ」と語り、飼い主の責任を追及した。祖母のブレンダさんも「飼い主が責任を取るべきだ」と訴え、責任ある飼育を求めた。

米ニューヨーク州では、モントリオール出身の46歳の父親ルチアーノ・フラットリン被告が、9歳の娘メリナさんの殺害で第2級殺人罪の評決を受けた。陪審は約1時間の審議の後、有罪を認定。被告は娘の遺体を隠匿した罪にも問われ、10月14日に判決が言い渡される予定だ。

ドイツのマンハイムでは、17歳のシリア人青年が交際相手の19歳女性を殴打し殺害したとして殺人罪で起訴された。検察によると、女性が別れを告げたことに腹を立て、森の中で拳と木の枝で激しく暴行したという。

英国では、亡命希望者のアブドゥル・カーン被告が、スナップチャットで14歳の少年を装い13歳の少女を強姦した罪で懲役9年半の判決を受けた。カーン被告はアフガニスタンへの自動送還が決定している。

韓国では、11歳の男児が祖母による暴行を警察に訴えた3日後に死亡した。男児は教会で保護されていたが、緊急保護の申し立ては裁判所に却下されていた。南アフリカのブルトフォンテインでは、7歳の少女がシャックのベッド下で遺体となって発見され、29歳の男が殺人と強姦の容疑で逮捕された。

これらの事件は、子どもの安全を守るための法制度や社会システムの課題を浮き彫りにしている。特に、虐待の通報後の対応の遅れや、保護措置の判断基準が問われている。

ザッカーバーグ所有の豪華ヨット、アラスカ沖で遭難船への救助要請に応答せず批判浴びる

メタ(Meta)最高経営責任者(CEO)マーク・ザッカーバーグ氏所有のヨットが、アラスカ沖で燃料切れとなった小型船からの救助要請に応答しなかったとして、批判を浴びている。同氏の広報担当者は、乗組員は当初、無線による救助要請を聞いておらず、気づいた時には別の船が既に救助を開始していたと説明した。

アラスカ・ビーコン(Alaska Beacon)紙によると、燃料切れを起こした小型船は先週、米沿岸警備隊を通じて救助を要請。現場により近い場所にいたザッカーバーグ氏のヨット「ローンチパッド(Launchpad)」ではなく、やや離れた場所にいた小型クルーズ船「ウィルダネス・レガシー(Wilderness Legacy)」が同船をファラガット湾まで曳航し、燃料を補給した。

クルーズ船の乗客マイケル・ラブ氏は、ソーシャルメディア「ブルースカイ(Bluesky)」への投稿で、「沿岸警備隊が、より近くにいたザッカーバーグ氏のヨットに無線で連絡したが、彼らは繰り返し応答を拒否した」と主張。船長がこの件を発表した際、乗客のほぼ全員がブーイングを送ったと明かした。

これに対し、ザッカーバーグ氏の広報担当者はアラスカ・ビーコン紙に対し、「マークとその家族は事件当時、船上にいなかった」と説明。「沿岸警備隊が指摘したように、当該船舶は遭難状態にはなかった。乗組員が、使用していた無線チャンネルとは異なるチャンネルで沿岸警備隊の連絡を確認した時には、救助は既に進行中だった」と述べた。

海事法では、自船に危険が及ばない限り、遭難信号や救助要請に応答する義務があるとされる。専門家は「海上では人命救助の義務が最優先される」と指摘する。今回の出来事は、ザッカーバーグ氏の高額なヨットとライフスタイルに対する世間の批判をさらに強める結果となった。

北朝鮮、猛暑対策に犬肉スープ推奨=「愛国的な暑さ対策」と機関紙

記録的な猛暑に見舞われている北朝鮮で、当局が犬肉スープの摂取を推奨している。朝鮮労働党機関紙『労働新聞』は、犬肉スープ(タンゴギク)が「夏の暑さを乗り切る愛国的方法」であり、「甘い肉」を用いた「さわやかで栄養価の高い」料理だと報じた。

北朝鮮の国営メディアによると、平壌では8月7日に気温が36.7度を記録するなど、各地で40度近い猛暑となっている。これを受け、当局は暑さ対策として犬肉スープの効能を強調。北朝鮮の医師の話として、犬肉スープが「心血管疾患、糖尿病、甲状腺機能亢進症」の予防に役立ち、暑さによる疲労や熱中症で悪化する可能性があるこれらの疾患を防ぐとしている。

一方、隣国韓国では2027年から犬の食用目的での屠殺・飼育・販売が全面禁止される予定で、両国で犬肉に対する扱いが分かれている。

欧州全域を襲う異常乾燥:イギリスで国土の71%が干ばつ、フランス・ドイツでも危機深刻化

記録的な高温と降雨不足により、欧州全域で干ばつが深刻化している。イギリス政府は8月10日、イングランドの71.3%が干ばつ状態にあると発表した。7月は1836年の観測開始以来最も乾燥した月となり、今週も第5波目の熱波と降雨不足が予想されている。フランスでも状況は危機的で、地質調査所BRGMの報告によれば、地下水観測地点の94%で水位が低下している。ドイツのヘッセン州では森林火災が多発し、消防隊が消火活動に追われている。

イギリス環境・食糧・農村省(Defra)は、イングランドの大部分が「フラッシュ干ばつ」状態にあると発表した。これは非常に少ない降雨と高温によって急速に進行する干ばつである。干ばつは過去5年間で3回目(2022年、2025年、2026年)となり、イングランドの全地域で「正常」な状態は皆無となった。干ばつ対策グループの議長トニー・グレイリング氏は、「干ばつ状態は、顕著で持続的な降雨があるまで悪化し続けるだろう」と警告した。農家からは収穫量の減少が報告され、全国農業組合(NFU)は、干ばつが続けば食料不足につながる可能性があると警告している。NFU会長のトム・ブラッドショー氏は、小麦とオーツ麦の収穫量が「非常に、非常に悪い」と述べ、畜産農家は草が育たないため冬用の飼料を使わざるを得ない状況だと明かした。

フランスでは、モニク・バルビュ環境移行担当相が8月12日にパリで危機管理会議を開催するため、休暇を中断して戻ることが報じられた。BRGMの報告では、7月31日時点で地下水観測地点の94%で水位が低下しており、飲料水の確保や河川の水位低下への懸念が高まっている。ドイツでは、ヘッセン州マイン=キンツィヒ郡とラインガウ=タウヌス郡で森林火災が発生。高温と風が消火活動を困難にしており、ラインガウ=タウヌス郡では約8,000平方メートルの森林が焼失し、消防士3名が軽傷を負った。ドイツ気象局の森林火災危険指数は、ヘッセン州のほぼ全域で「高い」または「非常に高い」レベルを示している。

欧州全体では、記録的な7月の暑さにより約1億2千万人が影響を受け、6月の熱波では9か国で少なくとも1万2千人の超過死亡が記録された。ライン川は航行が困難になる可能性があり、ポーランドのヴィスワ川はワルシャワで観測史上最低水位を記録した。イギリスでは、イングランドとウェールズのほぼすべての貯水池で水位が平年を下回り、5か所が「異常に低い」と分類されている。気候変動委員会の最高経営責任者エマ・ピンチベック氏は、英国は長期の干ばつに対して「まったく準備ができていない」と述べ、インフラや農業部門が現在の気象パターンに対応できていないと指摘した。世界気象機関は、強いエルニーニョ現象が発生しつつあり、今後数か月間世界の気候パターンを支配すると予測している。

南アフリカ厳冬、記録的寒波で広範囲に道路閉鎖 移動に重大な支障

南アフリカ全土を厳しい寒気団が覆い、各地で大雪、雹、氷結による道路閉鎖が相次ぎ、交通網に重大な混乱が生じている。クワズール・ナタール州と東ケープ州で被害が最も深刻であり、複数の主要道路が通行止めとなっている。道路交通管理公社(RTMC)はドライバーに対し、最大限の注意を払うよう緊急警告を発した。

クワズール・ナタール州では、N3高速道路がエストコートとハリズミス間で閉鎖され、ミッドマーやハウィック付近でも通行止めとなっている。ヴァン・リーネン峠は氷結により極めて危険な状態だ。R617、R74、R103、トゥゲラ料金所なども閉鎖され、ライオンズ川とノッティンガム・ロード間では車両が時速約20キロでしか進めない状況にある。東ケープ州ではN6、N9、R58、ボスマンズフーク峠が全面通行止め。フリーステイト州ではハリズミスとヴァン・リーネン峠間のN3で凍結防止剤の散布が行われている。ムプマランガ州ではロングトム峠が閉鎖され、N4/N12分岐点は事故多発で非常に危険な状態だ。西ケープ州でもスワートベルグ峠やフランシュック峠などが雪のため閉鎖されている。

南アフリカ気象局の予報官アンドレ・フーリエ氏は、この悪天候は上層の寒冷渦と地上の寒冷前線の組み合わせによるもので、特異な現象ではないと説明した。政府広報情報システム(GCIS)は国民に対し、不要不急の移動を避け、長距離移動の前に最新の気象・道路情報を確認するよう求めている。気象は水曜日から回復に向かう見込みだが、当面は厳しい寒さと交通障害が続くとみられる。

世界で相次ぐ詐欺・脅迫事件:偽EFCC職員、偽IAS職員、首相への殺害予告、麻薬密輸の摘発

2026年8月、世界各地で詐欺・脅迫・麻薬密輸に関する事件が相次いで発覚した。ナイジェリアでは経済金融犯罪委員会(EFCC)を名乗る男が逮捕され、カナダでは首相への殺害予告と米国領事館への爆破予告事件が発生。インドでは政府職員による元恋人の夫を陥れるための麻薬送付事件や、国家安全保障顧問の代理人を自称する男の逮捕が報じられた。マレーシアからはインドへの水耕栽培大麻密輸の容疑で男が拘束されるなど、国際的な薬物取引の実態も浮き彫りとなった。

ナイジェリアのEFCCは、ヌフ・ダヒル容疑者(氏名のみ公表)がEFCC職員を装い、一般市民から300万ナイラ(約70万円)を詐取したとして逮捕したと発表した。容疑者はボルノ州マイドゥグリで拘束され、逮捕時に300万ナイラが押収された。EFCCは捜査終了後に起訴するとしている。同国では偽EFCC職員による詐欺事件が後を絶たず、2024年にはニジェール州で偽職員が大学生2人を誘拐する事件も発生していた。

カナダでは、モントリオール在住のマルク・ポーリエ容疑者(51歳)が、マーク・カーニー首相に対する殺害予告を電子メールで送信したとして逮捕された。容疑者は上院議員を含む複数の宛先に脅迫文を送っており、連邦警察(RCMP)が捜査を開始していた。ポーリエ容疑者は2017年にトロントの教会で放火事件を起こし、有罪判決を受けていたことも判明している。また、ハリファックスでは米国領事館への爆破予告があり、54歳の男が逮捕された。現場周辺は約5時間にわたり避難措置が取られ、車両からはプロパンタンクと可燃性液体とみられる容器が発見されたが、最終的に危険はないと判断された。

インドでは、ジャンムー・カシミール州ガンダーバルで、州政府の野生生物局に勤務するタリク・アフマド・ソフィ容疑者(51歳)が、元恋人の夫を麻薬事件で陥れようとした疑いで逮捕された。容疑者は元恋人(27歳)の新婚の夫に、宅配便でコカイン約4キロと「純度の高いチャラス」約320グラムを送り付け、関係を復活させようとしていた。夫は無実を主張しており、警察は女性が共謀していたかどうかを調べている。また、ビハール州カーガリアでは、国家安全保障顧問アジット・ドーバルの下で働く覆面捜査官を自称する男が逮捕された。男はIAS職員を装い、テスラ車(FSD機能付き)や輸入酒31リットル以上、バラシンガの角などを自宅から押収された。警察は男の資産が詐欺や汚職で得たものとみて、経済犯罪課と連携して捜査を進めている。

マレーシアからは、インドのチェンナイ国際空港で、マレーシア人男性が水耕栽培大麻約4キロを密輸しようとしたとして拘束された。男性はバンコクから到着し、緑の通路を通過しようとしたところを税関職員に発見された。スーツケースの底に隠された大麻は、検査キットで陽性反応を示し、インドの麻薬取締法に基づき押収された。インド税関は、若者を標的にした薬物密輸組織の手口について警告を発しており、昨年9月にはタイから空港経由で水耕栽培大麻108.67キロが押収されていた。

これらの事件は、各国の法執行機関が詐欺や脅迫、国際的な薬物取引に対して厳しい取り締まりを続けていることを示している。特に、公的機関や政府高官を装った詐欺行為は、市民の信頼を損ない、治安上の脅威となっている。今後の捜査の進展と、再発防止策が求められる。

アルゼンチン各地でキニエラ抽選、8月10日の結果発表

アルゼンチンで最も人気のある数字くじ「キニエラ」の各州抽選が8月10日(月)に行われ、その結果が発表された。サンタフェ州のベスパティーナ抽選では7923が1位となり、以下4551、8076が続いた。ブエノスアイレス市(旧ナシオナル)のベスパティーナでは5463が1位で、抽選文字はARSYであった。コルドバ州のベスパティーナでは4815、ブエノスアイレス州では6017がそれぞれ1位となった。

キニエラは、1桁から4桁の数字に賭けるシンプルなゲームで、各州の宝くじ管理局が主催している。サンタフェ州では1982年から開催され、その後ベスパティーナ(1993年)、マトゥティーナ(1996年)、プリメーラ(2008年)と抽選が追加され、現在は月曜から土曜まで1日4回(プリメーラ、マトゥティーナ、ベスパティーナ、ノクトゥルナ)実施されている。ブエノスアイレス市のキニエラには賞金プールがなく、的中数に応じて賞金が決まり、銀行の上限は売上額の5倍である。ブエノスアイレス州では最低賭け金は2ペソで、賭け方によって当選金が7倍から3500倍まで増える可能性がある。

各抽選では、1位の数字に対応する「夢占い」の意味も公表されており、例えばサンタフェ州ベスパティーナの23は「料理人」、ブエノスアイレス市ベスパティーナの63は「結婚」、コルドバ州ベスパティーナの15は「美しい少女」、ブエノスアイレス州ベスパティーナの17は「不運」を表すとされる。これらの結果は、各州の宝くじ管理局が公式に発表したものであり、クラリン紙は情報の誤りや欠落について責任を負わないとしている。

科学・技術 (Science & Tech)

2026年8月12日、皆既日食がスペインを横断:観測準備と安全対策が急ピッチで進む

2026年8月12日、欧州では1999年以来となる皆既日食が観測される。今回はスペイン北部を中心に、約300キロメートル幅の帯状地域で太陽が完全に月に覆われる。スペイン国土の約40%が皆既帯に入り、マドリードなど南部では部分日食となるが、マドリードでは太陽の直径の約99.9%が覆われる「深い部分日食」となる見込みだ。

スペイン政府は、観測に伴う大規模な人流と山火事リスクに対応するため、グアダラマ山脈国立公園やマンサナーレス上流地域公園などへのアクセス制限を検討している。マドリード州では1700人の警察官・警備隊員を動員し、州内66自治体が公式観測ポイントを設置する。一方、カタルーニャ州では皆既帯に入るリェイダ、タラゴナ、エブロ地域で医療体制を強化し、眼科救急や病院の増員を実施する。観測用の認定眼鏡(ISO 12312-2規格)の需要が高まる中、消費当局は基準を満たさない6モデルの販売停止を命じた。

また、米航空宇宙局(NASA)は、ブルゴス近郊の放棄されていた村ビジャリバードを丸ごと借り切り、科学者やメディアに観測拠点を提供する。同村の所有者は当初、申し出を冗談だと思ったという。科学界では、世界最大の太陽望遠鏡による観測で、太陽表面にケルビン・ヘルムホルツ不安定性に起因する微小な渦が多数存在することが新たに確認され、太陽活動の理解が深まると期待されている。日食はスペインでは現地時間19時30分頃から始まり、皆既継続時間は最長で2分18秒に達する。

核融合炉ITER、真空容器6番目のセグメント設置完了-新たな「太陽」の形が見え始める

国際熱核融合実験炉(ITER)の建設が南フランスのカダラッシュで順調に進んでいる。先週、トカマク型真空容器を構成する全9セグメントのうち6番目が現地で精密に設置された。高さ11メートル、重さ400トンのこの部品は、主に熱遮蔽体と2つの大型超伝導磁場コイルからなり、天井クレーンで隣接する組立ホールから反応器ホールへ運ばれた。全工程には30時間を要した。

これにより、炉心で重水素とトリチウムの原子核が1億度の温度でヘリウム核に融合するトーラス状の真空容器の形状が明らかになってきた。プラズマは強力な磁場で閉じ込められ、10分間の燃焼で投入した加熱出力の10倍のエネルギーを放出する見込みである。来年には9番目で最後の真空容器セグメントが設置され、その後、超伝導磁石コイルを冷却するクライオスタットや補正磁石などの設置が続く。

エンジニアや科学者には組み立ての時間的余裕はない。9年後には、完成時に2階建ての家ほどの大きさになるITERが稼働し、長期試験段階に入る予定だ。重水素とトリチウムの核融合による最初の反応は2040年頃になると見込まれ、制御された核融合によるエネルギー生成の技術的実証が期待される。実験が成功すれば、実証発電所への道が開かれるが、建設開始時期は未定である。設計図は完成しているものの、燃料となるトリチウムの供給源が未確定であり、熱出力1ギガワットの発電所には年間約56キログラムのトリチウムが必要だが、現在の世界の備蓄は約26キログラムしかない。また、核融合炉の過酷な環境に耐える構造材料の開発も課題であり、ドイツのスタートアップ企業も2040年までの商業炉実現に向けてこれらの課題に取り組んでいる。

スポーツ (Sports)

ソマリア人審判オマル・アルタン、UEFAスーパーカップで歴史的デビューへ

ソマリア人審判のオマル・アルタン氏が、8月12日にオーストリア・ザルツブルクで行われるUEFAスーパーカップ(パリ・サンジェルマン対アストン・ビラ)で主審を務める。アルタン氏は2026年W杯で米国への入国を拒否された経緯があり、今回の起用は欧州サッカー連盟(UEFA)とアフリカサッカー連盟(CAF)の協力協定に基づくものだ。

アルタン氏は「非常に厳しい時期だった。長年働いてきて、やるべきことをやれないのは難しい」と当時を振り返り、「欧州にはソマリア人コミュニティが多く、彼らがこの試合を審判することを喜んでいる」と語った。同氏は2025年にアフリカ年間最優秀審判に選ばれており、アフリカ人として初めてUEFAスーパーカップを担当する。

一方、この試合を巡っては、UEFAとFIFAの対立が背景にある。UEFA、アジアサッカー連盟(AFC)、北中米カリブ海サッカー連盟(CONCACAF)は、FIFAのインファンティーノ会長に対する批判的な共同書簡を発表しており、アルタン氏の起用はFIFAへの対抗措置との見方もある。

ベゾス氏を含むコンソーシアム、リバプール株式約30%取得へ前進

アマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏を含む投資家コンソーシアムが、イングランド・プレミアリーグのリバプールFCの株式約30%を取得する交渉を進めていることが明らかになった。複数のメディアが報じたところによると、このコンソーシアムは英インド系実業家アミット・バティア氏が主導し、フェイスブック共同創業者のエドゥアルド・サベリン氏も参加している。

今回の投資により、クラブの評価額は約44億ポンド(約59億ドル)に達する見込みで、サッカークラブの取引としては過去最大級の評価額となる。バティア氏はインドの鉄鋼王ラクシュミ・ミッタル氏の義理の息子で、クイーンズ・パーク・レンジャーズの元株主でもある。

リバプールの親会社フェンウェイ・スポーツ・グループ(FSG)は先月、このコンソーシアムが「リバプールFCへの戦略的少数株主投資に関心を示した」と確認していた。スカイニュースは、FSGが早ければ今週中にも取引を発表する可能性があると報じている。

ベゾス氏はフォーブス誌によると、推定資産約2560億ドル(約1920億ポンド)で世界第4位の富豪である。62歳のベゾス氏にとって、これが初のサッカークラブへの投資となる。一方、サベリン氏の資産は約330億ドルとされる。

FSGは2010年にリバプールを3億ポンドで買収して以来、クラブを所有してきた。2023年には米国の投資会社ダイナスティ・エクイティに少数株を売却している。今回の取引が成立すれば、FSGは引き続き過半数を保持する見込みだが、クラブの価値がFSG所有の16年間で大幅に上昇したことが浮き彫りになる。

リバプールは2025年にプレミアリーグ優勝を果たしたが、今夏はアーネ・スロット監督の退任や主力フォワードのモハメド・サラー選手の移籍など、過渡期を迎えている。また、2020年に30年ぶりのリーグ優勝に貢献したとされるマイケル・エドワーズ氏も7月にFSGのフットボール部門最高経営責任者を退任している。

今回の投資は、サッカークラブへの大型資本参加として、欧州サッカー界に大きな影響を与える可能性がある。