The Morning Star Observer

2026年08月10日 月曜日朝刊 (Morning Edition)ArchiveAbout

ネタニヤフ首相、トランプ氏のガザ和平計画を拒否「ハマス完全武装解除まで撤退なし」

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は9日、ドナルド・トランプ米大統領が主導するガザ和平の15項目計画を正式に拒否し、ハマスが「真に武装解除」されるまでイスラエル軍はガザから撤退しないと明言した。首相は閣議で「イスラエルは15項目文書を拒否する」と述べ、軍は「ハマスが真に武装解除されるまでいかなる撤退も行わず、部隊と市民への脅威を引き続き阻止する」と強調した。

この計画は、トランプ氏が設置した平和評議会(Board of Peace)が7月30日に発表したもので、ハマスを含む武装勢力が武器を放棄し、パレスチナ人の暫定統治機関に移行する一方、イスラエル軍が段階的に撤退する内容だ。ハマスは7月下旬にこの計画を受け入れたが、ネタニヤフ首相は右派連立内の反発を受け、計画への批判を強めていた。首相は「ハマスが武装解除されるとは、重火器も軽火器も全武器を意味する。我々は架空の武装解除ではなく、真の武装解除について話している」と述べた。

ネタニヤフ首相はトランプ氏を「ホワイトハウスにおける最大の友」と評しつつも、米国の提案に異議を唱える姿勢を明確にした。「彼らには考えがある。その一部は我々にとって受け入れ可能だが、一部は受け入れられない。我々はこれらの問題で自らの立場を守る方法を知っている」と語った。また、「私が首相である限り、ガザでもヨルダン川西岸でもパレスチナ国家は樹立されない」と述べ、和平プロセスに反対する立場を強調した。

ハマスは声明で、カイロで10日前に調停者らと合意したロードマップへのコミットメントを改めて表明し、「調停者と米国の保証人に対し、ネタニヤフ首相とその政府がロードマップを順守し、国内の政治的・選挙的理由でプロセスを妨害しないよう圧力をかけることを期待する」と述べた。ハマス政治局員のバセム・ナイム氏はAFPに対し、同様の見解を示した。

イスラエル軍は、米国の圧力を受けて今週初めからガザでの攻撃を事実上停止している。イスラエルの立場に詳しい消息筋によると、軍はガザでの即時の脅威とみなされる場合にのみ行動し、これまでほぼ毎日行われていた標的殺害を停止することで合意したという。しかし、停戦合意後もイスラエル軍の攻撃で1,250人以上のパレスチナ人が死亡しており、ガザの保健省(ハマス統治下)が発表している。国連はこの数字を信頼できるとみなしている。

エジプトのバドル・アブデラティ外相は、平和評議会のニコライ・ムラデノフ高等代表との電話会談で、ガザ計画の全条項、特に人道支援とイスラエル軍の撤退の実施の必要性を強調した。エジプト外務省の声明によると、アブデラティ外相は、ガザ行政のための国家委員会がガザ内部からその任務を開始できるようにすることの重要性も強調した。

この拒否は、10月27日に予定されるイスラエル総選挙を控えたネタニヤフ首相の政治的立場を反映している。極右閣僚らはガザでの譲歩に反発しており、ネタニヤフ首相は選挙基盤の維持とトランプ政権との関係の板挟みになっている。アナリストらは、この拒否が和平プロセスに深刻な打撃を与え、ガザでの戦闘再開のリスクを高めると指摘している。

イラン、ホルムズ海峡再開巡り米に全条件受諾要求 オマーンとの合意は最終段階と主張

イランの革命防衛隊は9日、世界経済の要衝であるホルムズ海峡について、米国がテヘラン側の全条件を受け入れるまで再開しないと表明した。アッバス・アラグチ外相は同日、オマーンとの海峡通過に関する合意が「最終段階」にあるとしながらも、米国が他の条件を満たさない限り海峡は再開されないと強調した。イランと米国の直接交渉は行われておらず、仲介者を通じたメッセージ交換のみが続いているという。

イランは2月末の米国・イスラエルによる攻撃以来、ホルムズ海峡を事実上封鎖しており、通過船舶への攻撃も継続している。国家安全保障最高評議会のモハマド・バゲル・ゾルガドル書記は、海峡再開の条件として、レバノン、パレスチナ、イエメン、イラクにおけるイランとその同盟国への「戦争と侵略」の終結、米国によるイラン港湾封鎖の解除、制裁の撤廃、凍結資産の解放、戦争被害への補償を要求した。革命防衛隊報道官のホセイン・モヘビ准将は「海峡はもはや単なる水路ではなく、われわれにとって戦場である」と述べ、敵が全条件を受け入れるまで封鎖を継続する戦略を明らかにした。

こうした中、アラブ首長国連邦(UAE)は、ホルムズ海峡を航行中の国営石油会社ADNOC所属のタンカーがイランのミサイル攻撃を受けたと非難した。負傷者は出ていないという。また、イエメンの親イラン武装組織フーシ派は、サウジアラビアのジャザン製油所をドローンで攻撃したと発表し、紅海での海上封鎖を継続する構えを見せている。サウジアラビアはこれに対抗し、トルコ、パキスタンとの間で集団防衛協定を締結した。トルコのハカン・フィダン外相は、エジプトもこの枠組みに加わる可能性に言及した。

米国のトランプ大統領は、イランに対して経済的圧力を継続する方針を示し、「我々は静かにやっている」と述べた。米国はイランとの核合意よりも海峡再開を優先する可能性があるとの報道もある。イラン国内では物価高騰が深刻化しており、食料インフレ率は前年比128%に達するなど、国民生活への影響が拡大している。ホルムズ海峡の封鎖は世界の石油・液化天然ガス輸送の約5分の1に影響を及ぼしており、今後の米イラン間の駆け引き次第で、世界経済と中東情勢はさらに不安定化する可能性がある。

フーシ派がサウジアラムコ製油所を攻撃、紅海封鎖でエネルギー供給危機が深刻化

イエメンの親イラン武装組織フーシ派は9日、サウジアラビア南西部のジャーザンにあるサウジアラムコ製油所をドローンで攻撃したと発表した。サウジアラビアのエネルギー省は同日早朝、製油所で火災が発生したが消し止められ、負傷者は出ていないと発表したが、原因には言及しなかった。

フーシ派の軍事スポークスマン、ヤヒヤ・サリー准将は、攻撃はサウジアラビアがハッジャ州とサアダ州の上空をドローンで侵犯したことへの報復だと述べた。また、フーシ派は別の声明で、紅海に面するイエメンのモカ港に対して弾道ミサイルとドローンによる大規模な攻撃を行い、サウジアラビア軍の部隊と武器庫を標的にしたと発表した。モカ港は国際的に承認されたイエメン政府が支配しており、医療関係筋によると、この攻撃で少なくとも11人が死亡、32人が負傷した。

この攻撃は、フーシ派が先月、サウジアラビアに対する海上封鎖を宣言し、紅海でサウジアラビア関連の船舶を標的にして以来、一連の攻撃の最新のものとなる。同時に、イランによるホルムズ海峡の封鎖も続いており、世界の石油輸送の二大チョークポイントが同時に脅かされる事態となっている。この混乱を受け、ブレント原油先物は2026年3月に月間で約60〜65%上昇し、記録的な値上がりとなった。

サウジアラビアは今月7日、トルコおよびパキスタンと相互防衛協定(メッカ協定)を締結したばかりであり、イランやその同盟勢力の脅威に対抗するため、地域の安全保障体制を模索している。しかし、トルコのハカン・フィダン外相は、この協定はイランや特定の国を標的にしたものではないと強調した。専門家は、この協定がNATOの第5条に類似した集団的自衛権を定めているものの、具体的な運用は不明であり、実際に攻撃があった場合にトルコとパキスタンがどの程度関与するかは不透明だと指摘する。

タイの学校銃乱射事件、12歳の少女が死亡し犠牲者9人に

タイで発生した学校銃乱射事件で、負傷していた12歳の少女が死亡し、犠牲者が9人に増えた。事件は2日前の金曜日、バンコク北部の自宅で14歳の少年が祖父母を射殺した後、通学先の学校で教師や職員ら6人を殺害し、自身も銃で自殺したもの。当局は動機の解明を進めているが、少年がオンラインで暴力的な動画を視聴していたことや、過去にBB弾銃を学校に持ち込んだことがあったと警察は明らかにした。

犠牲となった少女ナパット・チャイマさんは土曜日に病院で死亡。ノンタブリー県の仏教寺院で日曜日に葬儀の儀式が行われ、多くの学生や教師、保護者が参列して別れを惜しんだ。音楽教師は「彼女は良い子で、あらゆる活動を愛していた。踊ることが大好きだった」と語った。また、参列した女性は学校の警備強化を求める一方、「結局は誰の制御も及ばない出来事だった」と述べた。

警察はこれまでに17人の証人を尋問し、少年のパソコンや携帯電話を解析して「銃撃の真の原因」を調べている。副警察司令官のアタポン・アヌシット氏は、少年がソーシャルメディアで暴力的な動画を視聴していたこと、昨年BB弾銃を学校に持ち込んだが教師に没収されていたことを明らかにした。また、少年は2歳の時に両親が離婚して以来祖父母に育てられており、父親は事件後、「息子がしたことに対して社会に謝罪する」と述べた。タイは地域で最も銃所有率が高い国の一つで、約1000万丁の銃が流通していると推定されており、当局は銃規制の強化を約束しているが、過去の公約は繰り返される銃乱射事件を防げていない。

政治 (Politics)

ロシアとウクライナ、激しい越境攻撃を応酬—オデーサ港とWHO倉庫に被害、民間人犠牲拡大

ロシアとウクライナは8月8日から9日にかけて、激しい越境攻撃を応酬した。ウクライナ南部のオデーサ港はロシア軍の攻撃で損傷し、ゼレンスキー大統領は「ロシアは世界の食料安全保障と戦争を続けている」と非難した。ロシア側はベルゴロド州でウクライナの無人機攻撃により5人が死亡、25人が負傷したと発表した。

ウクライナのエネルギー省によると、ロシア軍はオデーサ地域の電力施設を攻撃し、港湾都市の住民の「相当数」が停電したが、9万人の消費者には電力が復旧した。オデーサでは少なくとも8人が負傷した。ウクライナ空軍によると、ロシア軍は夜間に弾道ミサイル、対艦ミサイル、対レーダーミサイルに加え、200機以上のシャヘド無人機を発射した。

ハルキウではロシア軍のミサイルが高層住宅を直撃し、50歳と66歳の男性2人が死亡、少なくとも21人が負傷した。ドニプロペトロウシク州パブロフラードでは、ショッピングモール近くへの攻撃で子ども4人を含む9人が負傷した。キーウ州プヒウカ村では、3歳の男児と祖父母が死亡し、両親と15歳の兄、隣人が負傷した。

世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は、ドニプロにあったWHOの倉庫がロシアの攻撃で破壊されたと確認した。倉庫には前線向けの医療物資が保管されており、職員らは約300パレットのうち130パレットを避難させた。テドロス氏は「医療への攻撃は止めなければならない」と訴えた。

ウクライナはトルコからATACMS地対地ミサイル70基とM270多連装ロケットシステム12基を購入すると報じられた。米国務省の通知によれば、この取引にはクラスター弾頭を搭載した227mmロケット2,500発以上と、47,000発の榴弾砲弾が含まれ、総額は2億8,300万ドルと見積もられている。

一方、ウクライナ無人機システム軍司令官ロベルト・ブロヴディ氏(コールサイン「マディヤル」)は、ロシアのクラスノダール地方ゲレンジクにあるS-400地対空ミサイル発射台を攻撃し、3時間にわたり炎上したと発表した。同システムは前日にウクライナへミサイルを発射したばかりだったという。

トルコのハカン・フィダン外相は、黒海での商船攻撃が増加していることを受け、ロシアとウクライナに対し、船舶への攻撃を一時停止するよう求めた。また、ブルガリアでは、ルーマニア国境近くのトランス・バルカン・ガスパイプライン付近でドローンが爆発し、ブルガリア政府は「ウクライナ軍が広く使用するタイプ」と分析したが、ウクライナ外務省は「意図的な攻撃ではない」と否定した。

ウクライナのゼレンスキー大統領はセルビアを訪問し、アレクサンダル・ブチッチ大統領と会談した。両国は年末までに自由貿易協定の締結を目指すと発表し、セルビアはウクライナのEU加盟を支持すると表明した。ゼレンスキー氏はまた、米国からのパトリオット迎撃ミサイルの供給が前年より減少していると述べ、ドイツやポーランドに追加支援を期待すると語った。

国連によると、今年の紛争による民間人犠牲者は増加している。ロシアの大規模侵攻から4年半が経過し、和平合意の見通しはほぼ停滞している。

シリアとロシア、タルトゥースとフメイミーム基地の将来で合意—18か月の交渉を経て覚書調印

シリア外務省は8月9日、ロシアとの間で、地中海沿岸にあるロシア軍基地(タルトゥース海軍基地とフメイミーム空軍基地)の将来に関する覚書に調印したと発表した。シリア国営通信(SANA)が伝えた。約18か月に及ぶ集中的な交渉を経て成立したもので、シリア側は「ロシアプレゼンスの再編成プロセス」が始まるとしている。

覚書によれば、フメイミーム空港とタルトゥース港の商業用バースを含む民間施設はシリア政府が管理を引き継ぎ、段階的に民政に統合される。一方、軍事施設は「相互の利益を尊重する新たな取り決め」の下で、共同訓練・能力構築センターに転換される。移行期間は最長3か月と設定された。

ロシアはシリア内戦(2011〜2024年)において、アサド前政権を支える重要な軍事的後ろ盾であり、両基地は旧ソ連圏外におけるロシアの公式な軍事拠点として機能してきた。2024年12月のアサド政権崩壊後、シリアの新政権はロシアとの関係見直しを迫られており、今回の合意は両国関係の新たな段階を開くものと位置づけられている。

シリアのアサド・アル=シャイバニ外相は同日、タルトゥース港を訪問し、覚書の対象となる施設を視察した。また、シリア民間航空局のオマル・アル=ハスリ局長は、フメイミームに隣接するラタキア国際空港の管理を引き継いだことを明らかにし、「シリアの空港を国の民間航空システムに再統合するための重要な一歩」と述べた。

ロシア側は現時点で公式なコメントを出していない。両基地は交渉期間中も運用が継続されていた。シリア新政権のアフマド・アル=シャラア大統領は就任後、モスクワを2回訪問してプーチン大統領と会談しており、ロシアはシリアとの関係構築を模索してきた。一方、シリア政府はアサド前大統領の引き渡しを繰り返し要求している。

今回の合意は、ロシアが中東・地中海地域で維持してきた軍事的影響力の後退を象徴するものであり、シリア新政権が国際社会での正統性を確立する上での重要な転機となる可能性がある。

トランプ政権、テイラー・スウィフト楽曲をSNS投稿から削除—アーティストとの対立続く

米国のドナルド・トランプ大統領の選挙運動とホワイトハウスが、ソーシャルメディアに投稿した動画からテイラー・スウィフトの楽曲を削除した。過去1週間で同歌手の楽曲を2曲使用していたが、現在は両方の投稿から音声が消えている。ホワイトハウスとスウィフト側の代表者はコメント要請に応じていない。

トランプ陣営はTikTokでスウィフトの楽曲を使用し、歌詞を政治的なキャプションと組み合わせていた。8月3日に投稿された動画では花火を見るトランプ夫妻の映像に「August」を使用し、「テイラー・スウィフトが私たちが彼女の曲を使ったことに超興奮すること間違いなし!」と添えていた。また、2012年のアルバム『Red』に言及し、「共和党の色についてのアルバムを書いたことを知っているか」と揶揄する投稿もあったが、いずれも現在は無音となっている。

スウィフトは2024年の大統領選挙で民主党のカマラ・ハリス副大統領を支持しており、トランプ氏はこれまで繰り返し彼女を批判してきた。2024年には「I HATE TAYLOR SWIFT!」と投稿し、昨年には「私が『テイラー・スウィフトが嫌いだ』と言って以来、彼女はもう『ホット』ではない」と書き込んでいた。

トランプ政権によるアーティストの楽曲使用を巡っては、アリアナ・グランデやサブリナ・カーペンターを含む数十人のアーティストが抗議している。グランデはホワイトハウスがICE捜査官の動画に自身の曲を使用した際、「野蛮で非人道的で忌まわしいナンセンスに私の音楽を使わないでください」と投稿。カーペンターも2025年の移民取り締まり動画に楽曲が使われた際、「この動画は邪悪で嫌悪すべきもの。私や私の音楽を非人道的なアジェンダに利用しないで」と非難していた。

スウィフトの楽曲は最近数ヶ月の間にトランプ政権や選挙運動で複数回使用されており、4月にはアルテミスIIの乗組員との会合の映像に『High Infidelity』が、11月には『The Life of a Showgirl』からの楽曲が使用されていた。今回の削除は、アーティストが自身の音楽の政治的メッセージへの利用を管理する権利をめぐる議論を再燃させている。

イラン最高指導者ハメネイ師の映像公開へ、健康不安説に対抗

イラン国営メディアは9日、マスード・ペゼシュキアン大統領が7月下旬、就任3年目に入る時期に最高指導者モジタバ・ハメネイ師と会談したと報じた。会談では軍事問題や経済、資源確保、外貨・エネルギー管理、外国との経済関係などが話し合われたという。一方、バシジ組織副代表のガセム・ゴライシ氏は同日、ハメネイ師が公の場や軍司令官との会合に臨む様子を捉えた映像や記録を将来公開すると述べた。これは、ハメネイ師の健康状態と公の場への不在に関する憶測を打ち消す狙いがあるとみられる。

ハメネイ師は3月、父であるアリ・ハメネイ師の死去を受けて最高指導者に就任して以来、公の場に姿を見せていない。アリ師は2月28日に始まった米国とイスラエルによる対イラン戦争初日に殺害された。モジタバ師はその際に重傷を負ったとされ、顔面の変形などの後遺症があるとの情報もある。ペゼシュキアン大統領は7月21日にハメネイ師との対話が「日ごとに増えている」と述べた一方、8月初めには「連絡は非常に困難だ」と発言するなど、両者の接触状況をめぐっても矛盾した説明がなされてきた。

イラン外相のアッバス・アラグチ氏は同日、最高指導者の暗殺について「決して許さず、忘れない」と述べ、米国との交渉再開は当面ないとの見解を示した。また、オマーンとの間でホルムズ海峡の新たな航路設定をめぐる協議が最終段階にあると明らかにしたが、海峡再開は米国の条件受け入れ次第だと強調した。こうした動きは、イラン指導部の求心力とハメネイ師の実権をめぐる内外の疑念に対応するものだ。

ウクライナ大統領、北朝鮮兵3万〜5万人のロシア派遣を警告、韓国に防空支援要請

ウクライナのゼレンスキー大統領は8日、X(旧ツイッター)への投稿で、北朝鮮がロシアに3万人から5万人の追加部隊を派遣する決定がなされたと明らかにした。これは7月時点の推定3万人を上回る数字であり、その根拠については明示しなかった。ゼレンスキー氏は、北朝鮮がロシアの下で現代戦の経験を積み、ライセンス取得や各種軍事装備の入手を続けると指摘。その上で、韓国に対し防空システムや無人機などの分野での協力強化を要請し、「我々はこの協力を望み、期待している。外交官が接触している」と述べた。

北朝鮮は2024年6月にロシアと相互防衛条約に相当する包括的戦略パートナーシップ条約を締結。2024年には約1万4千人の兵士をクルスク州に派遣し、ウクライナ軍の越境攻撃を撃退するのに貢献したとされる。ウクライナ軍情報筋によれば、北朝鮮のミサイル部隊がロシア西部に展開を開始し、最大120発の弾道ミサイルと6基の発射装置を装備する可能性がある。ウクライナと独立系の評価では、北朝鮮はロシアに数百万発の砲弾や迫撃砲弾、弾道ミサイル、長距離砲、多連装ロケットシステムを供給してきた。

一方、ロシアのベルゴロド州では8日夜から9日未明にかけてウクライナ軍の無人機攻撃があり、州知事代行のアレクサンドル・シュヴァエフ氏によれば、3人が死亡、25人が負傷した。2棟の集合住宅で火災が発生し、多くの住宅・非住宅建物が損壊した。ロシア国防省は、欧州部とクリミア、黒海、アゾフ海上空でウクライナの無人機150機以上を撃墜したと発表。黒海の主要輸出港ノヴォロシースクでは無人機の破片が2施設に落下した。

ゼレンスキー氏はまた、ウクライナ企業ファイア・ポイントが開発中の弾道ミサイルが2〜3か月以内に実戦配備可能になるとの見方を示した。同社のFP7は国防省の認証を今月中に完了する見込みで、より大型のFP9はモスクワ到達可能とされ、晩秋までに完成する見通し。FP7の派生型は欧州9か国とのフレイヤ計画の下、迎撃ミサイルとして開発されており、2027年半ばまでの初迎撃成功を目指す。ウクライナはトルコから米国製ATACMSミサイル70発を含む大規模な防衛装備を購入したことも明らかになった。

これらの動きは、ウクライナが防空システム不足に直面し、ロシアが弾道ミサイル攻撃を強化する中で生じている。ゼレンスキー氏は、ロシアのプーチン大統領だけが戦争継続を望んでいると非難した。北朝鮮の関与拡大は、ウクライナ戦争の国際的側面を一層深刻化させ、韓国や西側諸国の対応が今後の焦点となる。

バングラデシュ首相、洪水被災者支援と国内安定を訴え——マタルバリ発電所視察やイスラム学者との会合も

バングラデシュのタリク・ラフマン首相は9日、チッタゴン訪問の一環として洪水被災者向けの復興支援プログラムに出席し、国内の混乱を招こうとする勢力に対し、民主勢力の団結を呼びかけた。首相は「今こそ国を建設し、国民の運命を形作る時だ。2000万人の国民の4千万の手を労働者の手に変え、国を前進させなければならない」と述べ、一部政党が混乱を広め、政府の開発活動を妨害しようとしていると非難した。また、バングラデシュ民族主義党(BNP)の31項目の開発目標を「国民のプログラム」と位置づけ、これを実現する決意を示した。

同日、ラフマン首相はファティクチャリのバブナガル・マドラサを訪れ、ヘファザット・イスラムのアミールであるアッラーマ・シャー・ムヒブル・バブナガリ師と会談し、彼の健康を気遣うとともに、イスラム学者らに対し政府と協力し、国の平和と安定を維持するよう呼びかけた。首相は「過去の選挙でも、国を誤った方向に導こうとする者たちに対し、私たちは協力してきた。今後も共に歩んでいきたい」と述べ、政府が雇用創出、医療・教育の改善、道路や橋の修復など国民生活向上のための重要な任務を抱えていると強調した。また、国内外からの投資を呼び込むためには平和と安定が不可欠であり、混乱が続けば投資家はやってこないと警告した。

さらに首相は同日、コックスバザールのマヘシュカリにあるマタルバリ超々臨界圧石炭火力発電所(出力1200メガワット)を視察し、既存インフラの最大限かつ効率的な活用と、プロジェクト管理における透明性と説明責任の確保、長期的な統合エネルギー計画の重要性を強調した。発電所はバングラデシュ人技術者とスタッフのみで運営されており、首相はその能力を称賛した。このプロジェクトは国際協力機構(JICA)の融資支援を受けており、石炭輸送用の港湾施設や送電線、アクセス道路などの関連インフラも含まれる。首相はまた、計画中の70メガワット太陽光発電所やLNG火力発電所、石油化学プロジェクト、新製油所の予定地も視察し、マタルバリを中心とした電力・エネルギー施設、深海港、関連産業インフラの統合的開発の重要性を訴えた。

これらの動きは、バングラデシュ政府が国内の安定を維持しながら、エネルギー安全保障の強化と産業振興による経済発展を目指す姿勢を示すものであり、今後の政治・経済情勢に影響を与えるとみられる。

スペイン、イタリアからの入国者に再報復的国境検査を導入—シェンゲン協定を巡る外交対立が激化

スペイン政府は、イタリアからの航空機・船舶利用者に対し、身分証明書の提示を求める一時的な国境検査を8月8日深夜から開始した。これは、イタリアが先週、スペインからの入国者に対して同様の検査を導入したことへの対抗措置である。両国間の外交対立は、モロッコからスペイン領セウタへの大規模な移民流入を受けて先週から激化しており、イタリアは移民が国内に流入するのを防ぐため、スペインとのシェンゲン協定の適用を1ヶ月間停止していた。

スペイン政府は、イタリア経由で他のシェンゲン加盟国、特にスペインへの移民の移動リスクがあるとして、この措置を正当化している。内務大臣フェルナンド・グランデ=マルラスカが署名した命令は、「公共の秩序と国内の安全に対する深刻かつ現実的かつ現在の脅威」に言及している。スペインの検査は9月7日まで継続される予定で、イタリアの検査期間よりも長い。検査は無作為に行われ、主に第三国国民の書類が確認される。

イタリアのジョルジャ・メローニ首相は、自国の国家安全保障と国境管理に関する外国からの最後通牒や指示を拒否する姿勢を明確にしている。イタリア内務省は、スペインからの入国者に対する検査を少なくとも8月15日まで継続すると発表した。イタリアのマッテオ・サルヴィーニ副首相は、スペインのペドロ・サンチェス首相の移民政策を「ほぼ馬鹿げている」と非難し、不法移民の大量合法化がさらなる流入を招くと主張した。

一方、セウタには依然として8,000人から11,000人の移民が滞在しており、その中には多数の未成年者が含まれるとみられている。地元の支援団体は、これまでに140人以上が溺死した可能性があると推定している。現地では、キリスト教徒、イスラム教徒、ユダヤ教徒、ヒンズー教徒、複数の労働組合が超党派のデモを呼びかけ、事態の解決を求めている。この国境検査の応酬は、EU域内の自由移動の原則に亀裂をもたらし、移民政策を巡る欧州内の分断を浮き彫りにしている。

女性の声とリーダーシップが世界を変える:バングラデシュから南アフリカまで、包摂的社会構築への挑戦

バングラデシュのダッカにある解放戦争博物館で、国連機関が共同開催した「She Leads Tomorrow」イベントが開催され、若い女性リーダーの育成が包摂的な社会構築に不可欠であると強調された。ジアウル・ラフマン財団副会長のズバイダ・ラフマン博士は、「若い女性がリーダーシップを発揮できるようになると、コミュニティだけでなく国の未来も強化される」と述べ、彼女たちの声とリーダーシップがより包摂的で繁栄したバングラデシュの構築に不可欠だと強調した。このプロジェクトは、2025年9月から2026年8月までの12か月間、ダッカ、チッタゴン、ラジシャヒで実施され、政府系学校、マドラサ、疎外されたコミュニティから1,000人以上の思春期の少女と若い女性が参加し、リーダーシップ開発、メンタリング、市民教育、政策対話、アドボカシーを通じて彼女たちをエンパワーメントした。

南アフリカでは、女性行進70周年記念式典で、シリル・ラマフォサ大統領がタリバンによるアフガニスタン女性の教育・就労・公的生活からの排除を非難した。ノーベル平和賞受賞者のマララ・ユスフザイ氏はゲストとして出席し、「アフガニスタンは女性が公的生活から消されている。これは文化でも宗教でもなく、隔離と支配のシステムであり、ジェンダー・アパルトヘイトと呼ぶべきだ」と述べた。ラマフォサ大統領はまた、南アフリカの女性に対するジェンダー暴力の撲滅に向け、「この分類は目に見える測定可能な変化を生み出さなければならない」と述べ、男性と少年もその解決に参加する必要があると強調した。

一方、ナイジェリアのラゴスでは、女性自動車整備士のトクンボ・アデゴジュ氏が、ラジオ番組を通じてドライバーに車両故障の診断を提供し、「ワークショップ・マム」として次世代の整備士を育成している。彼女は、文化や性別の壁を乗り越え、自動車整備の分野で女性の活躍を広げる先駆者となっている。これらの動きは、世界中で女性のリーダーシップと包摂的社会の構築が重要な課題となっていることを示している。

南アフリカ女性の日70周年、平等はなお遠く——マドランガ委員会で警察上層部失脚の陰謀疑惑が浮上

2026年8月9日、南アフリカの女性の日は70周年を迎えた。1956年のこの日、2万人の女性がアパルトヘイト政権の「通行証法」拡大に反対してプレトリアのユニオン・ビルに抗議行進を行った。この運動は南アフリカ女性運動の出発点となり、1994年の民主化後には国会議員の約3分の1を女性が占めるに至った。現在も女性は国会議員の約45%、閣僚の44%を占めるが、南アフリカ初の全国的なジェンダー暴力調査によれば、18歳以上の女性の33.1%が生涯に何らかの身体的暴力を経験しており、5人に1人の男性が親密なパートナーに対する身体的・性的暴力を認めている。作家で政治評論家のシソンケ・ムシマン氏は、法的な平等は実現しても、貧困層の女性は高い失業率やジェンダー暴力、医療・教育へのアクセス不足に苦しんでいると指摘し、「真の進展には女性の要求への男性の応答が必要だ」と訴える。

一方、マドランガ委員会の公聴会では、国家警察委員長ファニー・マセモラ将軍と犯罪情報局長ドゥミサニ・クマロ中将を失脚させようとする組織的な陰謀があったとする証言が相次いだ。証言によれば、元調査総局(IDAC)長アンドレア・ジョンソン氏と警察大臣センゾ・ムチュヌ氏が関与し、秘密会合や証人の移送、マセモラ氏を議会で虚偽の証言をさせて偽証罪で訴追するための情報隠蔽工作などが行われた疑いがある。また、マセモラ氏は2億2800万ランドの医療詐欺事件に共同被告として追加されたが、証言ではその法的根拠に疑問が呈されている。クマロ氏の逮捕についても、証拠の弱さや憶測に基づく部分があったと証言された。委員会は最終的な結論を出しておらず、これらの疑惑はなお調査中である。公聴会後、ジョンソン氏はIDAC長を辞任し、ムチュヌ氏は特別休暇に入った。

バングラデシュ国民の信頼、陸軍が首位、警察は唯一の不支持超過―IRI調査

国際共和党研究所(IRI)の最新調査によると、バングラデシュ国民の主要国家機関に対する評価は機関ごとに大きく異なり、陸軍は78%の支持率で最も高い信頼を得ている一方、警察は不支持(52%)が支持(45%)を上回る唯一の機関となった。この調査は、2024年の政治的混乱と2026年2月の国政選挙を経て、機関改革と国家機関への信頼が議論される中で実施された。

調査では、高等裁判所と地方自治体(ウパジラ・パリシャッド、市営公社)が各61%、メディアが59%、宗教指導者が58%、学生運動が56%、選挙管理委員会が53%、政党が51%の支持を得た。警察は最下位で、唯一ネガティブな純支持率となった。

一方、新政権の支持率は55%(「非常に良い」26%、「やや良い」29%)で、経済的に苦しい層では支持が低下する傾向がみられた。また、国の方向性については46%が「正しい方向」、44%が「間違った方向」と回答し、ほぼ二分された。汚職が最大の国家的問題(22%)として挙げられ、薬物問題への懸念は前回調査の6%から15%へと約3倍に急増した。

政党別の好感度では、BNPが57%で最も高く、ジャマーアテ・イスラミは48%に低下、アワミ連盟は22%にとどまった。民主主義の現状を「良い」と評価する声は62%に上る一方、政治エリートと一般市民の隔たりを感じる人は83%に達し、制度改革への強い要求が示された。

今回の調査結果は、バングラデシュが民主的移行期にある中で、国民の信頼が機関によって大きく異なり、汚職対策や法の支配、司法の独立、統治改革への期待が高まっていることを浮き彫りにした。新政権には、こうした国民の要求に応える具体的な改革の実行が求められている。

香港、記録的熱波で労災警報システムに批判、書店摘発や国家安全法執行も進む

香港は記録的な猛暑に見舞われ、労働安全の熱中症警報システムが最低レベルのままであったことから、当局に警報システムの見直しを求める声が強まっている。日曜日には尖沙咀の香港天文台で観測史上最高の36.9度を記録し、上水では39.8度に達した。労働組合は熱中症を労災と認める法改正を提案し、屋外労働者の保護を訴えている。

また、香港政府は火災被害を受けた王福邨の買収提案を進めており、所有者の91.9%が受け入れを表明した。一方、国家安全法に基づく取り締まりは文化部門にも及び、独立系書店2店が家宅捜索され、5人が逮捕された。50年の歴史を持つ緑野書店は閉店を余儀なくされ、台湾からの反応も起きている。

こうした動きは、香港社会における国家安全法の影響を浮き彫りにし、表現の自由や労働者の安全に対する懸念を強めている。

経済 (Economy)

ラテンアメリカ通貨市場:ユーロとドルの最新動向、コスタリカ・コロンの見通し

2026年8月9日時点のラテンアメリカ主要国におけるユーロとドルの為替相場が発表された。ウルグアイではユーロが46.46ペソ、ベネズエラでは875ボリバル、ペルーでは3.91ソル、パラグアイでは6,844グアラニー、パナマでは1.15バルボア、ニカラグアでは42.47コルドバ、ホンジュラスでは30.95レンピラ、メキシコでは19.82ペソ、グアテマラでは8.81ケツァル、コスタリカでは525コロンで取引されている。

ユーロの年初来変動率は国によって大きく異なり、ベネズエラでは+146.54%と急騰した一方、パラグアイでは-15.51%、ペルーでは-6.92%、メキシコでは-6.52%、コスタリカでは-5.43%と下落した。また、アルゼンチンではドル・タルヘタ(カード決済用ドル)が1,976ペソ、ドルCCL(清算決済ドル)が買い1,578.40ペソ・売り1,580.70ペソ、ドルMEP(電子決済市場ドル)が買い1,520.30ペソ・売り1,528.10ペソで取引された。

コスタリカ・コロンは対ドルで1ドル=454コロン前後で推移し、年初来で約10%上昇した。主要モデルによると、2026年末までに1ドル=452.54〜452.91コロン、12か月後には446.44コロンまで上昇すると予測されている。一方、2030年には475.80コロンまで下落するとの見方もあり、長期見通しは分かれている。コスタリカは経常赤字を抱える一方、医療機器製造や観光収入によるドル流入が通貨を支えており、中銀は変動相場制の下で市場介入を行っている。

これらの為替動向は、旅行、海外送金、貿易、投資など幅広い経済活動に影響を与える。特にコスタリカでは、ドル建て収入を持つ駐在員や投資家にとって、コロン高は購買力の低下を意味する一方、コロン建て資産のドル換算価値を押し上げる効果がある。

社会 (Society)

台風ドルフィンが中国東部に上陸、100万人以上が避難

台風ドルフィンは、今年中国を襲った最も強力な熱帯低気圧となり、日曜日に中国東部沿岸に上陸した。豪雨と強風をもたらし、洪水や地滑りの警報が発令された。この台風は先に日本の沖縄県を通過し、6人が負傷、5万棟以上の建物で停電が発生した。

中国気象当局によると、台風ドルフィンは日曜日午後5時30分頃、浙江省東部の玉環付近に上陸した。上陸時の中心付近の最大風速は秒速42メートル(時速151キロ)で、これはサファ・シンプソン・スケールのカテゴリー1のハリケーンに相当する。当局は沖合の作業員を安全な場所に移動させ、船舶に帰港を命じ、貯水池、山間部の渓流、地滑りが発生しやすい地域、建設現場、観光地での点検を強化した。

浙江省中部・東部の一部では、250〜500ミリの降雨が予想されている。水利省は銭塘江、甬江、椒江、水陽江で大規模な洪水が発生する可能性があると警告した。上海では少なくとも3万300人が避難し、約1,500便のフライトが欠航した。浙江省温州市では90万人以上の住民が移転し、1,000か所以上の緊急避難所が開設された。福建省では、台風緊急対応レベル3に引き上げた後、高リスク地域から9万8,900人が避難した。

香港では、台風ドルフィンによって暖かい空気が押し寄せ、観測史上最高の36.9度を記録した。香港天文台は、今後も猛暑が続くとの見通しを示した。台湾では、数十のフェリー運航が停止し、180便以上のフライトが欠航した。台風ドルフィンの上陸は、2週間前に広東省を襲った台風ノウルの後であり、科学者らは地球温暖化により異常気象がより頻繁に、より激しくなっていると指摘している。

欧州・北米で猛威振るう山火事、カナダBC州で非常事態宣言、スペイン・フランスでも大規模延焼

2026年8月、北米と欧州で相次ぐ山火事が猛威を振るっている。カナダ西部ブリティッシュコロンビア(BC)州では、州政府が非常事態を宣言し、2万人以上が避難を余儀なくされた。一方、スペイン南部アンダルシア州とフランス南部でも大規模な火災が発生し、数百人が避難する事態となっている。

BC州では、8月7日夜に発生したバルド・レンジ山火事が急速に拡大し、サマーランド周辺で大規模な避難が発生。州緊急管理・気候レディネス大臣のケリー・グリーンが非常事態を宣言した。州首相のデビッド・イービーは「住宅や財産に重大な損失が出ている」と述べ、消防隊によるヘリコプターでの救出活動が続いていることを明らかにした。ロイヤルカナディアンマウント警察(RCMP)は、メドー・バレー地域で報告された死亡事故の可能性について確認を進めている。BC州では現在102件の山火事が発生しており、その約半数が制御不能とされている。

スペインでは、アンダルシア州ウエルバ県ニエブラ近郊で発生した山火事が約8,000ヘクタールに拡大し、467人が避難した。アンダルシア州防災責任者のアントニオ・サンス氏は「火災は依然として複雑な状況にある」と述べつつも、「前日よりはやや楽観的だ」と語った。約500人の消防士と航空機が消火活動に当たっている。また、東部カステリョン県でも別の山火事が発生し、約400ヘクタールが焼失、近隣の住民が避難した。スペイン環境相のサラ・アーゲセン氏は、今年の山火事シーズンの深刻さを指摘し、これまでに大規模火災が40件発生していると報告した。

フランス南部ロゼール県でも、8月9日に発生した山火事が約90ヘクタールを焼失させ、220人以上の消防士が消火活動に当たっている。地元消防によると「状況は制御下にない」という。

これらの山火事は、気候変動による熱波と干ばつが頻発する中で発生しており、科学者らは人為的な気候変動がカナダの山火事リスクを約2倍に高めたとする研究結果を発表している。各国の消火活動は続いており、今後の拡大が懸念される。

ニューヨーク港でボート転覆、女性と乳児が死亡 船長を13件の無謀な危険行為で起訴

ニューヨーク港で土曜日の夜、ボートが転覆し、27歳の女性と生後5か月の女児が死亡した。警察によると、船長は逮捕され、無謀な行為で告発された。

転覆は土曜日の午後10時25分ごろ、自由の女神像があるリバティ島付近で発生した。地元メディアによると、娯楽用に使われる全長約7メートルのオープンボウ型モーターボートだった。警察が到着する前に12人が水から救助され、その後、警察のダイバーが水中で女性と女児を発見した。2人はブルックリンのNYUラングホーン病院に搬送されたが、死亡が確認された。

他の12人の犠牲者は、地域の病院で安定した状態にある。他のボートが関与したとは考えられていないと、ニューヨーク市警察は日曜日に述べた。犠牲者の身元は家族への連絡待ちのため公表されていない。

CNNによると、ボートの船長でニューヨーク在住の46歳のマヌエル・ヘルナンデスは、無謀な危険行為に基づく13件の容疑で告発された。

米沿岸警備隊は、ボートが違法なチャーター船であったかどうかを調査している。違法チャーターとは、必要な資格、安全装備、検査証明書を持たずに旅客を有償で運航することを指す。沿岸警備隊のドリーン・マッカーシー司令官は「昨夜の悲劇的な命の喪失に深く悲しんでいます」と述べた。

この事故は、ニューヨーク港でのボートの安全性と規制の重要性を改めて浮き彫りにした。

エア・インディア機乱気流で高度喪失、機長の薬物検査で「要確認」判定 インド当局が調査開始

インド民間航空省は9日、乱気流により急降下し乗員乗客17人が負傷したエア・インディア機の機長について、向精神薬の「確認用」検査を実施していると発表した。同機は8月4日、タイのプーケットからニューデリーへ向かう途中、約300フィート(91メートル)の高度喪失を起こしたが、その後安定して安全に着陸していた。

同機には乗客137人と乗員8人が搭乗しており、着陸後に乗客8人と客室乗務員4人が病院に搬送されたが、いずれも「安定した」状態とされる。着陸後、両パイロットに対して標準的な「向精神薬スクリーニング検査」が実施されたが、機長の検査結果は「確認用検査が必要」と判定された。検体は指定の検査機関に送られ、最終報告が待たれている。

同省はこの事案を「重大インシデント」に分類し、インド航空事故調査局(AAIB)が調査を開始した。両パイロットは調査結果が出るまで飛行任務から外されている。インドの航空規則では、スクリーニング検査で「非陰性」と判定された場合、確認報告が届くまで安全関連業務から即時除外される。初回の陽性確認時には依存症治療が勧告され、復帰後の再陽性で3年間のライセンス停止、3回目の陽性で免許取消となる。

一方、同機の乱気流遭遇時の操縦対応や、ウッタル・プラデーシュ州やラクナウなどの近隣空港への迂回が適切だったかどうかも調査対象となっている。エア・インディアは2022年にタタ・グループが買収して以来、大規模な改革を進めているが、2025年6月のアーメダバード発ロンドン行きボーイング787型機の墜落事故(乗員乗客242人中241人死亡、地上でも19人死亡)や、2025年のインド・パキスタン紛争による空域閉鎖などの逆風に直面してきた。同社は先週、新CEOに元エチオピア航空CEOのテウォルデ・ゲブレマリアム氏を起用し、再建を図っている。

アルゼンチンで女性殺害事件、元交際相手を逮捕 3児の面前で刺殺

アルゼンチン・ブエノスアイレス州ルハン市のラヌーセ地区で、27歳の女性ダニエラ・ナタリア・アルモアさんが自宅内で刃物で刺され殺害された。容疑者は元交際相手のセサル・Q容疑者で、犯行当時、アルモアさんの3人の子供(12歳、10歳、5歳)が目の前にいたとされる。

地元紙ノティシアス・アルヘンティーナスによると、事件は今週金曜日に発生。近隣住民の証言では、子供たちは悲鳴を上げて容疑者にしがみつき、助けを求めたという。容疑者は血の付いた刃物を持って徒歩で逃走したが、ルハン市の戦術作戦グループが母親の自宅で身柄を確保し、マルコス・パス警察署に収容された。

アルモアさんはミシオネス州エルドラド出身で、緊急搬送先の病院で死亡が確認された。検察は殺人事件(フェミシディオ)として捜査を進め、容疑者の自宅を捜索したが凶器は見つからず、携帯電話2台と遺伝子資料を押収した。アルモアさんの子供たちはルハン市の児童養護施設に預けられている。

家族はSNSで「正義を」と訴え、いとこは「地獄で腐ってしまえ」と容疑者を非難。叔母は「彼女の死が無罪放免にならないように」と求めた。検察はダヤナ・シルベッティ検事が担当し、事件はフェミシディオとして捜査が続けられている。

インドネシア・ブロモ山で山火事拡大、国立公園を無期限閉鎖

インドネシア東ジャワ州のブロモ・テンガー・スメル国立公園(TNBTS)で発生した山火事が拡大し、当局は8月8日(土曜日)夜から公園への立ち入りを無期限で閉鎖した。火災は月曜日に発生して以来、ブロモ山の約176ヘクタールを焼失。木曜日の約60ヘクタールからほぼ3倍に拡大しており、強風と乾燥した植生が延焼を加速させている。

TNBTS長官のルディジャンタ・チャジャ・ヌグラハ氏は、土曜夜に再燃した火災が斜面からサバンナ地帯へと急速に広がったと説明。「昨日の午後以降、かなり強い風が吹き、上斜面から下流域へ急速に延焼した」と述べた。また、草や植生が乾燥しているため、この地域は非常に燃えやすい状態にあると警告した。

消火活動には数百人の消防士、公園レンジャー、警察、軍、ボランティアが動員され、ヘリコプターによる空中消火やドローンによる散水が行われている。インドネシア気象・気候・地球物理庁(BMKG)は、エルニーニョ現象とオーストラリアからの季節風により、今年は特に山火事や干ばつが発生しやすいとしている。当局は火災の原因について、土地開拓中の人為的な火災が発端とみて調査を進めており、森林・環境大臣のラジャ・ジュリ・アントニ氏は「森林や土地を焼いた者には適切な処罰が下される」と述べた。

インドネシアでは今年上半期にすでに10万7千ヘクタール以上が火災で焼失しており、これは2023年のエルニーニョ期の2倍以上に相当する。公園の閉鎖により観光客は入場チケットの振り替えや払い戻しが可能となるが、東ジャワ州の主要な観光地であるブロモ山の観光活動への影響は避けられない。当局は安全が確認されるまで閉鎖を継続する方針で、これまでのところ負傷者の報告はない。

南アで汚職告発者バビタ・デオカラン氏の追悼記念碑除幕、州首相が内部告発者保護を訴える

南アフリカのクワズールー・ナタール州首相タムサンカ・ントゥリ氏は、汚職を告発した後に殺害されたバビタ・デオカラン氏を追悼し、内部告発者への保護強化を訴えた。デオカラン氏の命日から5周年となる8月、彼女が育ったダーバンのマウント・エッジコームにあるシュリ・マリアンマン寺院遺産地で記念碑の除幕式が行われた。

デオカラン氏はハウテン州保健局の上級職員として、テンビサ病院で推定8億5000万ランド以上の不正・不規則・詐欺的な取引を指摘した。2021年8月23日、ヨハネスブルクの自宅前で射殺された。ントゥリ氏は、女性月間に殺害されたデオカラン氏は、抑圧的なパス法に抗議してユニオン・ビルに行進した2万人以上の女性たちの勇気を示したと述べた。

除幕式にはデオカラン氏の家族が参加し、彼女の勇気と遺産に敬意を表した。記念碑は、汚職や不正に立ち向かった女性の決断が今もコミュニティに響き続けることを示す、永続的な追悼の象徴となっている。ントゥリ氏は「政府、法執行機関、刑事司法制度全体がより良く取り組む必要がある。主要事件の解明や起訴に協力し、犯罪シンジケートを暴き解体しようとする勇敢な男女を守らなければならない」と述べた。

ベルリンで約500人の裸のサイクリストが「身体の多様性」を訴え、ケルンではベルリン・プライド襲撃後に1万人がクィア連帯デモ

ドイツの首都ベルリンで8月9日、約500人の自然主義者(ヌーディスト)が全裸で自転車に乗り、市内中心部を約30キロにわたり走行した。ヘルメットとスニーカーだけを身につけた参加者たちは、ブランデンブルク門など名所を通過。主催者であるFKK(フライエ・ケルパークルトゥーア)のメンバーは、この行動が「身体の多様性を受け入れる」ことと、気候・環境保護へのメッセージを目的としていると説明した。伝統的なヌーディスト運動の標語「裸はみな平等」を見直し、規範への同調ではなく身体の多様性を受け入れることを訴えた。ベルリン警察の発表によれば、気温30度の日曜日、約500人が参加した。なお、ドイツの組織的ヌーディスト運動は衰退しており、1990年代に6万5000人いた連盟会員は現在3万4000人に減少している。

一方、西部の都市ケルンでは、7月25日にベルリン・プライド祝賀中に発生したイスラム主義者による襲撃事件を受けて、クィアコミュニティを支援するデモが開催された。主催者の呼びかけに応じ、警察に事前登録された2000人を大幅に上回る約1万人が参加。ライン川東岸のドイツ地区から市中心部まで行進し、警察が警備にあたった。ケルン・プライドは「連帯の言葉だけでは不十分だ」と述べ、連邦政府・州・自治体に対し、クィアの人々への敵意の高まりに対抗するため、クィアの構造と生活を持続的に保護・強化する措置を求めた。襲撃事件では、21歳の男がティーアガルテン公園で車を暴走させ、マチェーテで人を襲い、女性1人が死亡、31人が負傷した。

ベルリン州選挙を前に、住宅大手の収用をめぐる議論も活発化している。左派党の連邦共同代表ルイジ・パンティサーノ氏は、ZDFのインタビューで、大規模住宅企業の収用を主張。2021年の住民投票で57.6%が賛成した「3000戸以上を所有する住宅企業の収用」という市民の意思を尊重すべきだと述べ、「フォノビアやドイチェ・ウォーネンといった大企業は、人々に手頃な住宅を提供するのではなく、利益を追求している」と批判した。一方、SPDのベルリン州選挙トップ候補シュテフェン・クラッハ氏は、ロシア文化センター「ロシアの家」をめぐり、SNSで「ここを収用できるぞ、左派の皆さん」と書かれたプラカードを掲げる写真を投稿。同施設がロシア諜報機関の隠れ蓑として使われているとの報道を受け、連邦政府に適切な措置を検討するよう求めた。CDUのシュテファン・エーファース氏は、同施設の閉鎖には国際法上の条約の破棄が必要で、法的に複雑な問題だと指摘している。

科学・技術 (Science & Tech)

中国、脳コンピューターインターフェース開発で加速:10分で挿入可能なデバイスを競う

中国の新興企業や研究機関が、わずか数分で埋め込むことができる脳コンピューターインターフェース(BCI)の市場投入を急いでいる。中国政府が自国勢の育成を後押しする中、イーロン・マスク氏のNeuralinkに対抗する動きだ。

中国製デバイスは、患者が思考だけでデジタル技術を操作できるようにするもので、従来のBCIのように脳手術を必要とせず、ステントのように静脈を通して挿入できる。上海に拠点を置くスタートアップ企業StairMed Technologyは、頸部の血管から入り、血管系を通って脳に直接デバイスを導く、より低侵襲な方法を開発中だ。同社の共同創業者であるZhao Zhengtuo氏は、香港で開催されたグローバルヘルスサミットでこの計画を明らかにした。

StairMedは、過去1年間で11億元(約1億6300万米ドル)以上の資金を調達しており、投資家には中国のハイテク大手であるTencent HoldingsやAlibaba Group Holdingが含まれる。昨年12月には、中国科学院の研究チームと協力し、血管を通してBCIを脳の標的領域に挿入し、血管壁の外側に固定するプログラムを発表した。これまでに羊での試験は行われているが、人体試験はまだ始まっていない。

モルガン・スタンレーの報告書によると、BCI埋め込みデバイス市場は今後10年で急速に成長し、2035年までに米国だけで800億米ドル規模になると予測されている。中国は2030年までにこの分野で「2、3社」の世界的プレーヤーを育成することを目指している。

生活・健康 (Life & Health)

バングラデシュではしか流行、死者873人に到達—シレット管区でも新たな犠牲者

バングラデシュ全土で麻疹(はしか)の流行が深刻さを増している。保健サービス総局(DGHS)の発表によれば、日曜日午前8時までの24時間で新たに6人の子どもが麻疹様症状で死亡し、今年に入ってからの確定・疑い例を含む累計死亡者数は873人に達した。最新の死亡者はすべて麻疹疑い例とされ、これで疑い例による死亡は775人、実験室で確定した死亡は98人のままである。

同期間中に新たな麻疹疑い症例が988件報告され、全国の累計疑い症例数は13万6320件となった。一方、確定症例は75件増加し、累計で1万7115件に上る。3月15日以降、全国で11万8382人の麻疹疑い患者が入院し、そのうち11万4142人が回復したという。

シレット管区でも状況は悪化しており、過去24時間で18歳の女性スワルナ・ラニ・ダスさんと、3歳のエサヌルちゃん、生後8か月のアヤンちゃんの3人が麻疹様症状で死亡した。これで同管区の今年の死亡者は125人(確定6人、疑い119人)となった。新たな確定症例は18件で、累計827件に増加。現在、管区内の病院で271人の麻疹疑い患者が治療を受けている。シレット保健局のモハンマド・ヌル・アラム・シャミム助役は「当局は事態の封じ込めに取り組んでいる」と述べた。

この麻疹の大流行は、バングラデシュの公衆衛生インフラの脆弱さを浮き彫りにしており、特に子どもの死亡率の高さが国際的な懸念材料となっている。

スポーツ (Sports)

メッシ父ホルヘ氏死去、ロサリオで密葬 世界のサッカー界が追悼

アルゼンチン代表キャプテン、リオネル・メッシの父、ホルヘ・メッシ氏が8月8日未明、ロサリオの病院で死去した。享年68歳。長年にわたる闘病の末の死去で、メッシは家族とともにロサリオへ緊急帰国し、9日にペレス町のエル・プラド墓地で密葬に参列した。式は家族とごく親しい関係者のみで執り行われ、厳重な警備のもとでプライバシーが守られた。

ホルヘ氏は息子のキャリア形成に決定的な役割を果たした人物である。メッシが4歳の頃、ロサリオのクラブ、グランドーリで初めて指導したのは父であり、2000年に13歳のメッシがバルセロナへ移籍した際には、アルゼンチンの仕事や家族を残して単身スペインへ渡り、息子を支えた。その後も代理人としてバルセロナ、パリ・サンジェルマン、インテル・マイアミとの契約をまとめ、メッシの成功を陰で支え続けた。

メッシは2026年ワールドカップ中に父の健康悪化が報じられ、試合後に涙を見せる場面があった。家族は「噂や憶測」を非難する声明を発表し、プライバシーを求めていた。ワールドカップ後、メッシはロサリオで父と過ごした後、インテル・マイアミに合流していた。

訃報を受け、世界中のサッカー界から追悼の声が寄せられた。インテル・マイアミはリーグズカップのモンテレイ戦前に黙祷を捧げ、選手たちは黒い腕章を着用した。チームメイトのロドリゴ・デ・パウルは得点後にシャツを脱ぎ、メッシの背番号10のユニフォームを見せて追悼の意を示した。バルセロナ、レアル・マドリード、ニューウェルズ・オールドボーイズ、アルゼンチンサッカー協会(AFA)なども哀悼の意を表明し、AFAは国内全試合で黙祷と黒い腕章の着用を命じた。

ボレリング、ツール・ド・フランス・ファム2度目の総合優勝 フェルナンデスはイギリスGP制す

オランダのデミ・ボレリング(FDJユナイテッド=スエズ所属)が9日、ニースで行われたツール・ド・フランス・ファム最終第9ステージを制し、通算2度目の総合優勝を果たした。29歳のボレリングは、前日にポーランドのカシア・ニエウィアドマからマイヨ・ジョーヌを奪取し、8秒差で最終日を迎えていた。最終区間のコル・デュ・ゼーズの4度目の登りで決定的なアタックを仕掛け、そのまま独走でフィニッシュ。総合タイムではニエウィアドマに1分18秒差をつけ、大会3勝目を挙げた。

ボレリングは2023年の初優勝に続く2度目の戴冠で、2024年と2025年の2位を経ての王座奪還となった。また、今季はすでにジロ・デ・イタリア・ウィメンズを制しており、同一シーズンにジロとツールを制した初の選手となった。さらに、リエージュ、フレーシュ・ワロンヌ、フランドルといった主要クラシックも制している。最終ステージで2位に入ったスペインのパウラ・ブラシは、総合5位でデビュー戦を終えた。

一方、MotoGP第12戦イギリスGPは、アプリリア=トラックハウスのラウル・フェルナンデスがポールポジションのホルヘ・マルティンをかわしてスタートから首位を独走し、自身2度目のグランプリ優勝を飾った。マルティンはスタート直後にライドハイトデバイスの不具合で後退したが、9周目にベッツェッキをかわして2位でフィニッシュ。3位にはマルコ・ベッツェッキが入り、アプリリア勢が表彰台を独占した。

マルティンはこの結果、チャンピオンシップリーダーの座を維持し、2位ベッツェッキとの差を31ポイントに広げた。日本の小椋藍は今季初のリタイアとなり、マルティンから37ポイント差の3位に後退した。ディフェンディングチャンピオンのマルク・マルケスは7位に終わり、ランキング4位に下がった。

ペローネがシルバーストンでMoto3表彰台、アルゼンチン代表として凱歌

Moto3世界選手権第9戦イギリスGPは9日、伝統のシルバーストン・サーキットで行われ、アルゼンチン出身のバレンティン・ペローネ(KTM)が3位表彰台を獲得した。カタルーニャ生まれながら両親の国籍によりアルゼンチン代表として戦う18歳は、最終ラップの最終コーナーでアドリアン・フェルナンデスをかわす鮮やかなオーバーテイクを見せ、今季2度目の表彰台に立った。レース後、ペローネはアルゼンチン代表のユニフォームを掲げて喜びを爆発させた。

レースはスペインのダビド・アルマンサ(KTM)が優勝。2位には同じくスペインのアルバロ・カルペ(KTM)が続いた。ペローネは「非常に厳しく速いレースだった。常に接触の限界で、最終ラップにわずかな隙間が見えたので『行こう』と決めた。夏にたくさん練習した成果が出て嬉しい」とコメント。前戦では転倒で病院送りとなっていたが、見事に復活を果たした。

一方、土曜日にはチャンピオンシップリーダーのマキシモ・キレス(スペイン、KTM)が転倒し、緊急帰国してマドリードのルベル・インターナショナル病院で手術を受ける波乱があった。ペローネは今季、タイで3位、米国とオランダで4位に入っており、ランキングは7位(95ポイント)。Moto3は混戦が続く中、ペローネの躍進がアルゼンチンのモータースポーツ界に新たな風を吹き込んでいる。

NBA伝説のドン・ネルソン氏死去、86歳

NBAの伝説的選手・指導者であるドン・ネルソン氏が、現地時間2026年8月9日(日)に86歳で死去した。家族が発表した。ネルソン氏はボストン・セルティックスで選手として5度の優勝を経験し、ヘッドコーチとしてNBA史上最多となる1,335勝を記録した革新的人物である。

ネルソン氏は14シーズンの選手生活でシカゴ・ゼファーズ、ロサンゼルス・レイカーズ、ボストン・セルティックスに在籍し、セルティックスでは1966年、1968年、1969年、1974年、1976年にチャンピオンリングを獲得した。引退後は31シーズンにわたりミルウォーキー・バックス、ゴールデンステート・ウォリアーズ(2期)、ニューヨーク・ニックス、ダラス・マーベリックスを指揮し、レギュラーシーズン通算2,398試合で1,335勝1,063敗の成績を残した。

この勝利数は2010年の引退時点でNBA史上最多であり、後にグレッグ・ポポビッチに抜かれるまで歴代1位の座にあった。現在は歴代2位となっている。

ネルソン氏の影響力は数字だけにとどまらない。「ネリー」の愛称で親しまれた同氏は、当時としては異例のハイテンポなオフェンス、スリーポイントシュートの多用、伝統的なポジション概念を覆すフォーメーションを導入し、ポイントフォワードの概念を広めた先駆者として知られる。

ミルウォーキー・バックスでは540勝を挙げ、1979-80シーズンから1985-86シーズンにかけて7年連続で地区優勝を達成。ゴールデンステートとダラスでもそれぞれ300勝以上を記録し、レニー・ウィルケンズと並んで3つの異なるフランチャイズで300勝以上を挙げた史上唯一のコーチとなった。

ネルソン氏は1983年、1985年、1992年の3度、NBA最優秀コーチ賞を受賞。18回のプレーオフ出場、8回の地区優勝、13シーズンで50勝以上(うち2シーズンは60勝以上)を達成した。

キャリアの最後の大きな見せ場は2007年、ゴールデンステート・ウォリアーズの2期目だった。「ウィー・ビリーブ」と呼ばれたチームはウエスタンカンファレンス8位でプレーオフに進出し、カンファレンス最高勝率を誇ったダラス・マーベリックスを1回戦で破る大番狂わせを演じた。

その功績は2012年のネイスミス記念バスケットボール殿堂入り、2022年のNBA75周年記念における歴代トップ15コーチ選出として結実した。2025年6月には全米バスケットボールコーチ協会からチャック・デイリー生涯功労賞も授与されている。

選手として5つのリング、コーチとして3度の最優秀コーチ賞、1,335勝。ネルソン氏はNBAの歴史のほぼ半世紀にわたって影響を与え続けた最も偉大な人物の一人として、その生涯を閉じた。