イランは8日、オマーンとの間でホルムズ海峡の航行管理に関する合意が近いとしながらも、海峡の再開には米国による追加条件の受け入れが必要だと表明した。イラン国家安全保障最高評議会のモハンマド・バゲル・ゾルガドル事務局長は、米国が「行動を是正する」まで海峡は閉鎖され続けると述べ、①イランへの威嚇の中止、②イランとその地域の同盟国(レバノン、パレスチナ、イエメン、イラク)への軍事行動の恒久的停止、③米国による海上封鎖の解除と周辺からの米軍部隊の撤退、④戦争被害への補償、⑤制裁の解除、⑥凍結資産の無条件解放――という6条件を提示した。
イランのアッバス・アラグチ外相は、オマーンとの海峡航行に関する協議が「最終段階に近づいている」としつつも、再開は6月の覚書違反に対する補償など他の条件に左右されると述べた。イスラム革命防衛隊(IRGC)も、海峡再開はイラン・オマーン交渉とは無関係であり、米国がイランの条件を受け入れるまで再開しないと強調した。一方、米国のJD・ヴァンス副大統領はFOXニュースに対し、イランがホルムズ海峡での通行料徴収の計画はないと伝えてきたと明かしつつ、「実際の行動を見守る必要がある」と述べた。米国は商業航行が妨げられず再開されればイラン港への封鎖を解除する構えを示している。
こうした外交努力の一方で、アラブ首長国連邦(UAE)は同日、国営石油会社ADNOC関連のタンカーがホルムズ海峡を通過中にイランのミサイル攻撃を受けたと非難した。負傷者は報告されていないが、ADNOCは紛争開始以降、同社の船舶15隻が攻撃され、乗員1人が死亡、20人が負傷したと明らかにした。オマーンは海峡通過中の船舶への攻撃を非難しつつも、イランとの交渉は「前向きで建設的」と述べた。サウジアラビアやイエメンもUAEのタンカー攻撃を非難し、イランに攻撃停止を求めた。ホルムズ海峡は世界の石油・ガス輸送の約5分の1が通過する要衝であり、紛争による封鎖はエネルギー価格の高騰とインフレを招いている。イランは米国に軍事的圧力をかけ、海峡の管理権を獲得しようとしているが、米国はイランによる一方的な支配を拒否しており、交渉は依然として難航が予想される。