The Morning Star Observer

2026年08月08日 土曜日夕刊 (Evening Edition)ArchiveAbout

台風ドルフィンが沖縄を直撃、中国東部に上陸へ 南シナ海衝突で中国が2名の死亡を確認

台風ドルフィンは8日、日本の沖縄県を暴風域に巻き込みながら北上し、5人が負傷、約1万4千棟が停電した。一方、中国は東部沿岸への上陸に備えて港湾を閉鎖し、フェリー運航を停止するなど警戒を強めている。また、中国政府は約1年前に南シナ海で起きた中国船舶同士の衝突事故で、海警の乗組員2名が死亡していたことを静かに認めた。

気象庁によると、台風は正午時点で沖縄の久米島の北西約160キロに位置し、時速15キロで北西に進んでいる。最大風速は162キロ、最大瞬間風速は216キロに達した。沖縄県では高齢者5人が風で転倒するなどして軽傷を負い、国内航空各社は沖縄発着便を欠航とした。中国国家気象センターは、台風が日曜深夜から月曜早朝にかけて、浙江省舟山市から福建省福鼎市の間の沿岸に上陸する見込みと発表した。浙江省は沿岸台風警報を最高レベルに引き上げ、港湾作業を停止し、旅客フェリー162路線を運休とした。上海の洋山港は金曜遅くまでに船舶の退避を完了し、長江デルタの一部鉄道も日曜から運休する。

一方、中国政府は昨年8月に南シナ海のスカボロー礁付近で発生した中国海軍艦艇と中国海警船の衝突事故で、海警隊員の衣昕玉(21歳)と程龍(25歳)の2名が死亡していたことを確認した。中国人民武装警察部隊は水曜日、この2名を含む4名に「烈士」の称号を授与したと発表した。中国政府系の「中華英烈網」によると、2名は南シナ海での「権利防衛作戦」中に死亡したとされる。この事故は、フィリピン沿岸警備隊の巡視船を追跡中に中国船舶同士が衝突したもので、当時中国側は衝突や死傷者について言及していなかった。

この衝突事故の確認は、南シナ海をめぐる中国とフィリピンの緊張が続く中で行われた。両国は7月にも係争海域で衝突し、双方が大使を召喚する事態となっていた。また、中国紙がフィリピン人を猿に例える動画を公開するなど、両国間の対立は深まっている。

コロンビア新大統領デ・ラ・エスプリエージャ就任、麻薬テロとの徹底対決と米国接近を表明

コロンビアの右派政治家アベラルド・デ・ラ・エスプリエージャ氏(48歳)が7日、同国南西部の都市カリで大統領に就任した。首都ボゴタ以外での就任式は史上初めてで、式典にはアルゼンチンのハビエル・ミレイ大統領、チリのホセ・アントニオ・カスト氏、エクアドルのダニエル・ノボア氏ら右派首脳に加え、スペインのフェリペ6世国王、米国のトッド・ブランシュ司法長官代行、FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長らが出席した。デ・ラ・エスプリエージャ氏は就任演説で「麻薬テロリズムを無慈悲に打ち負かす」と宣言し、武装勢力への対話路線を完全に放棄する方針を示した。

同氏は6月21日の決選投票で左派候補イバン・セペダ氏を僅差で破り当選した。元弁護士で政界経験はないが、自身を「エル・ティグレ(虎)」と称し、コカイン研究所への爆撃、メガ刑務所の建設、国家規模の40%削減などを公約に掲げる。就任式はカリの軍事基地で行われ、軍部隊を閲兵した後、「秩序、権威、自由の回復の時が始まった」と述べた。また、米国主導の地域安全保障構想「アメリカの盾」への参加を表明し、イスラエルとの国交回復、キューバとニカラグアとの断交も発表した。

米国は新政府への10億ドルの安全保障支援を計画していると発表し、トランプ政権との緊密な関係を強調した。一方、前大統領グスタボ・ペトロ氏は選挙不正を主張し、就任式を欠席。左派勢力はボゴタやバランキージャなどで抗議デモを実施し、セペダ氏は「非暴力的市民的不服従」を呼びかけた。新政権は議会で過半数を持たず、財政赤字はGDP比6.4%に達するなど、厳しい課題に直面している。

米上院、ロシア制裁法案を可決——インド・中国への100%関税も視野、下院審議へ

米国上院は8日、ロシアのエネルギー収入を標的とした包括的制裁法案「2026年リンゼイ・O・グラハム・ロシア・イラン制裁法」を86対11の賛成多数で可決した。故リンゼイ・グラハム上院議員(共和党)にちなんで名付けられたこの法案は、ロシア産石油・天然ガスの主要輸入国に対し最大100%の関税を課す権限を大統領に与えるもので、中国やインドなどが対象となり得る。また、ロシアの影の艦隊や高官への制裁も含まれる。下院は夏期休会中のため、審議は早くとも9月以降となる見通しだ。

法案は、グラハム氏が死亡する前日にホワイトハウスの承認を取り付けた経緯があり、ウクライナのゼレンスキー大統領は「強力な米国の圧力が戦争終結に最も役立つ」と歓迎した。上院外交委員会のジム・リッシュ委員長(共和党)は「プーチンの戦争機構に資金を供給する流れを断ち切る」と強調。一方、下院では関税権限を巡り民主党議員から懸念が表明されており、通過は不透明だ。

法案には、トランプ大統領が求めたイランへの制裁拡大も含まれる。また、上院通過に先立ち、トランプ政権はイラン革命防衛隊への資金提供に関与したとして、ドバイ拠点の暗号資産取引所シェルビットとその創業者を制裁した。シェルビットはイラン中央銀行や違法賭博ネットワークのために数十億ドル規模の暗号資産を移動させたとされる。

この制裁法案は、ウクライナ戦争の長期化と中東情勢の緊迫化を背景に、米国の対ロ・対イラン圧力強化を象徴するものであり、インドや中国など新興国への影響が懸念される。特にインドはロシア産原油の主要輸入国であり、100%関税が適用されれば輸出産業に打撃となる可能性がある。

サウジ・トルコ・パキスタン、メッカで相互防衛協定調印——地域安全保障の新枠組み模索

サウジアラビア、トルコ、パキスタンの3カ国は7日、イスラム教の聖地メッカで「メッカ共同防衛協定」に調印した。協定は、3カ国のいずれかに対する武力攻撃を全当事国への攻撃とみなす集団的抑止を強化する内容で、中東情勢の緊迫化を受けた新たな安全保障枠組みとして注目される。

調印式はメッカのアル・サファ宮殿で行われ、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子兼首相、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領、パキスタンのシェバズ・シャリフ首相が署名した。パキスタンのシャリフ首相は、陸軍参謀長兼国防軍司令官のアシム・ムニル元帥の尽力を称賛し、「3つの兄弟国が信仰と友情、平和と安全への決意で結ばれた」と述べた。

協定は、米国とイランの戦争が続く中で、フーシ派によるサウジアラビアへの攻撃やホルムズ海峡封鎖など地域の混乱が深刻化する中で締結された。サウジアラビアは、これまでの米国への安全保障依存を見直し、地域内での防衛パートナーシップを多様化させたい考えで、トルコとパキスタンも地域の不安定化を懸念し、協調を模索している。

イランのアッバス・アラグチ外相は、この協定を歓迎し、イスラム諸国の団結を呼びかけた。一方、イラン国会議員のエブラヒム・レザイ氏は「トルコやパキスタンとの紙上の協定は安全保障をもたらさない」と批判した。イスラム協力機構(OIC)のヒセイン・ブラヒム・タハ事務局長は「地域とイスラム世界の安全保障と安定を支える基本的な柱となる」と歓迎し、バーレーンやイエメン国際承認政府も支持を表明した。

アナリストは、この協定が米国の安全保障の信頼性に対する疑問の高まりを反映していると指摘する。ライス大学ベイカー研究所のクリスチャン・コーツ・ウルリクセン氏は「地域諸国は10年以上前から米国の安全保障パートナーシップの信頼性に疑問を抱いてきた。イランへの軍事作戦開始とその後の戦争遂行は、そうした懸念を強め、安全保障・防衛関係の多様化を加速させた」と述べた。また、国際危機グループのヤスミン・ファルーク氏は「3カ国は地域のエスカレーションを求めていない」とし、協定の重要性は「規範的抑止」にあると指摘した。

政治 (Politics)

セウタ危機で欧州分裂:スペイン、イタリアに報復的国境管理を導入、EUは偽情報対策を要請

モロッコに隣接するスペイン領セウタへの大規模な移民流入を受け、スペインとイタリアの間で国境管理をめぐる応酬が激化している。スペイン政府は8月7日、イタリアがスペインからの渡航者に課している国境管理措置を撤廃しない場合、対抗措置を取ると警告。イタリア側がこれを拒否したため、スペインは即座にイタリアからの航空・海上旅行者に対する一時的な国境管理を導入すると発表した。この措置は8月8日午前0時から9月7日まで適用される。

事の発端は、7月30日から31日にかけて約7万2000人がモロッコからセウタへ押し寄せた移民危機である。スペイン政府の発表では、この際に80人が死亡したとされるが、モロッコの人権団体は少なくとも141人が死亡したと推定している。イタリアのジョルジャ・メローニ首相は、この危機を受けてスペインからの第三国国民に対するシェンゲン協定の一部適用停止を宣言。スペインのペドロ・サンチェス首相はこれを「不公平で、EUの利益に反し、スペイン国民を差別するもの」と非難した。

スペインのホセ・マヌエル・アルバレス外相は、イタリアの措置を「欧州連合の船体に発射された魚雷」と表現し、強い不快感を示した。一方、イタリア政府は「国外からの最後通牒や強要は受け入れない」と主張し、8月15日まで措置を継続する方針を示した。イタリア側は、スペイン当局が8月15日に新たな移民の波が来ると警告していることを理由に挙げているが、スペインはこれを「根拠のない主張」と退けている。

この外交摩擦は、移民政策をめぐる欧州連合内部の深い亀裂を浮き彫りにしている。メローニ首相はEUに対してより厳格な移民規制を求めており、セウタ危機を自らの強硬路線を正当化する材料として利用している。一方、サンチェス首相はEUの連帯と共通の移民政策を訴えている。両首脳はイデオロギー的に真向から対立しており、この問題は南欧のリーダーシップをめぐる政治的競争にも発展している。

さらに、EUのデジタル担当委員であるヘンナ・ヴィルクネン氏は、メタとTikTokに対し、危機時における偽情報対策を強化するよう求めた。セウタへの移民流入は、ソーシャルメディア上で「国境が開かれている」という虚偽の情報が拡散したことが一因とされている。EUの移民担当委員マグヌス・ブルナー氏は、この出来事を「偽情報に対する回復力」の試練と位置づけ、犯罪ネットワークによる偽情報の流布を非難した。

セウタには現在も約2000人の移民が残っており、その多くが子どもや若者である。彼らは食料や水、安全な宿泊場所へのアクセスが限られており、劣悪な生活環境に置かれている。今回の危機は、欧州の対外国境管理の脆弱性と、移民問題をめぐるEU加盟国間の意見対立を同時に露呈させる結果となった。

米軍の弾薬不足がイラン戦争の戦略を揺るがす、統合参謀本部議長は「出口」模索か

アメリカ軍の長距離ミサイル備蓄が急速に減少している問題をめぐり、ドナルド・トランプ大統領が国防総省に対して激しい不満を示していることが複数の米メディアによって報じられた。トランプ大統領は先週、キャンプ・デービッドで開かれた異例の閣議において、ピート・ヘグセス国防長官に対し、イラン戦争の作戦を制約している長距離ミサイル不足の解消が遅れていることを厳しく追及したという。ホワイトハウスと国防総省はこの報道を否定しているが、戦略物資の枯渇はイランとの停戦交渉を進めようとする米国の立場を弱めているとの見方が広がっている。

米CNNによれば、統合参謀本部議長のダン・ケイン大将は最近数週間、イラン戦争からの「出口(オフランプ)」が必要だと私的に主張している。ケイン大将は、現在検討されている軍事オプションが裏目に出る可能性があり、空爆だけでは政権の目標達成は難しいとの認識を示し、J・D・バンス副大統領、ジョン・ラトクリフCIA長官、マルコ・ルビオ国務長官らとこの可能性について協議したとされる。ある情報筋は、ケイン大将の姿勢を「軍を守るための取り組み」と評した。

米軍の弾薬不足は深刻さを増している。CNNの報道によれば、米軍はTHAAD迎撃ミサイルの備蓄の約80%を消費し、パトリオット迎撃ミサイルの半分を使用した。戦略国際問題研究所(CSIS)の報告書は、2月から7月までの間に米軍がレイセオン社製パトリオットミサイルの65%を消費し、THAAD迎撃ミサイルの備蓄は開戦時より38%減少したと明らかにした。トランプ大統領は不足を否定し、「大量の弾薬がある」と主張する一方で、情報漏洩者を「反逆的」と非難し、長期の禁固刑を示唆するなど、対応に苦慮している。

こうした中、米上院ではジョン・ヒッケンルーパー上院議員らが「トランプ大統領の違法なイラン戦争を止める」決議案を提出した。ヒッケンルーパー氏は「アメリカ人の命が失われ、ガソリンと肥料の価格が高騰し、軍需備蓄が枯渇した。この戦争を今すぐ終わらせろ」と述べた。また、イラン戦争をめぐっては、サウジアラビア、トルコ、パキスタンが相互防衛協定を締結するなど、地域の安全保障環境にも変化が生じている。

弾薬不足の背景には、イラン戦争の消耗に加え、冷戦後の「二正面戦争」基準の放棄や、調達制度の非効率性があると指摘されている。ナショナル・レビュー誌は「イランという経済的に疲弊した二流国との限定的な戦争でこれほど消耗しているならば、ロシアや中国との対立を想像してみよ」と警鐘を鳴らし、低コストで量産可能な弾薬への転換や、中国依存の原材料からの脱却を提言している。この問題は、11月の中間選挙を控えたトランプ政権にとって、大きな政治リスクとなる可能性がある。

タイの14歳少年が祖父母と教師らを射殺、首相は銃規制強化を表明

タイのバンコク近郊ノンタブリー県で2026年8月7日未明、14歳の男子生徒が自宅で祖父母を射殺した後、通学先のデブシリン・ノンタブリー校で教師らを銃撃し、計8人が死亡、22人以上が負傷する事件が発生した。犯人は自身も頭部を撃ち、搬送先の病院で死亡が確認された。タイ警察によると、犯人は自宅で祖父母をそれぞれ頭部への一発の銃撃で殺害した後、スクールバスで銃と数十発の弾薬を携えて登校。1時限目と2時限目を受けた後、2時限目の開始約30分後に銃を発射した。犯人はまず校舎6階で教師3人を射殺し、階段で状況確認に向かっていた副校長と校長秘書を殺害。その後、警察の到着を確認して別の建物に移動し、4階で自殺を図った。警察が発見した際にはまだ生存しており、心肺蘇生が試みられたが、間もなく死亡した。

タイのアヌティン首相は現場を視察し、「このようなことが自国で起こるとは」と遺憾の意を表明するとともに、公共の場での銃器携帯を政府職員に限定する新たな銃規制法を導入する方針を明らかにした。首相は犯人が学業上のストレスを抱えていたと述べ、犯行は「明確な計画に基づくものだった」と指摘した。また、教育省のプラサート大臣は、生徒への心理的支援と学校の警備強化を約束した。

警察の調べでは、犯人は事件前に米国の学校銃乱射事件に関する動画を視聴しており、暴力的なゲームに没頭していたことが判明。また、使用された銃は祖父が合法的に登録していたもので、犯人はソンクラーン祭後に銃の写真を投稿していたという。タイは東南アジアで最も銃の民間所有率が高く、約1,030万丁が流通していると推定されている。今回の事件は2022年の保育所襲撃事件以来の大規模な銃乱射事件となり、タイ国内の銃規制の実効性が改めて問われることとなった。

世界で広がる子ども向けSNS規制、日本は独自路線を模索

フランス、イギリス、オーストラリア、インドネシア、マレーシアなど世界各国で、子どものソーシャルメディア利用を年齢制限で規制する動きが加速している。フランスは15歳未満の利用禁止を可決し、イギリスは16歳未満へのアクセス制限に動いた。オーストラリアは16歳未満の主要プラットフォーム利用を禁止済みで、インドネシアとマレーシアも同様の制限を導入した。

一方、日本はこうした一律の年齢禁止を導入せず、年齢確認の厳格化やプラットフォームの安全設定、テクノロジー企業の責任強化に焦点を当てた独自のアプローチを取っている。NTTドコモのモバイル社会研究所が6月に発表したデータによると、全年齢層の回答者の55%が、目の前に他者がいるにもかかわらず手持ち無沙汰でスマートフォンをいじると答えており、スマートフォン依存の深刻さが浮き彫りになっている。

ドイツでは、小児科医専門職連盟(BVKJ)の連邦スポークスマンであるヤコブ・マスケ氏が、親の「重大な失策」があると指摘し、ソーシャルメディアが若者を「病気にし、愚かにする」と述べた。同氏は14歳までの利用禁止を支持しつつも、オーストラリアでは10代の10人中8人が禁止を回避していると指摘し、プラットフォーム事業者に対する「厳しい規制」が必要だと主張している。

マレーシアでは、通信大臣のファフミ・ファズル氏が、ソーシャルメディア各社に対し、子どもの保護を目的とした「児童保護規範」と「リスク軽減規範」の順守を求めるため、数ヶ月の猶予を与えたと発表した。同氏は、プラットフォームが詐欺やオンライン賭博、ネットいじめの温床にならないようにするためだと説明し、違反した場合には法的措置や高額な罰金が科される可能性があると警告した。

また、同氏はAIによるコンテンツモデレーションの限界にも懸念を示し、特にタミル語など特定の言語ではAIがニュアンスを完全に理解できないため、犯罪やネットいじめが増加する可能性があると指摘。TikTokが人間のモデレーターを減らしAIに依存している問題について、言語問題を全てAIに委ねるべきではないと伝えたと明かした。

米政府、重要鉱物・電池プロジェクトに30億ドル投資へ-中国依存脱却と国防強化狙う

米国のトランプ大統領は7日(現地時間)、重要鉱物および電池プロジェクトに対し、連邦政府として総額30億ドル(約4,200億円)を投資すると発表した。国防総省戦略資本室(OSC)などを通じた融資や助成により、国内生産の拡大と国防サプライチェーンの強化を図る。この動きは、中国依存からの脱却と、イランとの戦争で消耗した兵器在庫の補充を目的とする。

発表は、国務省で開催された鉱業関係者200人以上が参加する円卓会議で行われた。トランプ大統領は「我々は世界の鉱物超大国としての米国の地位を取り戻しつつある」と述べ、「重要な鉱物は、高度な兵器から自動車に至るまで、米国の強さの原材料である。これらの製品は米国内で採掘・精製・製造されるべきだ」と強調した。

投資の内訳は、OSCがリチウムイオン電池部品を製造するシラ・ナノテクノロジーズに14億ドル、スカンジウム鉱山開発のサンライズ・エナジー・メタルズに4億ドル、磁石開発のニロン・マグネティクスに1億5,000万ドルの条件付き融資を実施。さらに、米国輸出入銀行がウェストウォーター・リソーシズ、グローバル・アドバンスト・メタルズ、5Eアドバンスト・マテリアルズの3社に総額5,800万ドルを融資する。

このうち、サンライズ・エナジー・メタルズのニューサウスウェールズ州中央西部に位置するサイアストン・スカンジウム・プロジェクトは、世界初の一次スカンジウム鉱山となる見込みで、2028年前半に生産開始予定。スカンジウムは航空宇宙、防衛、自動車分野で使用される重要鉱物で、現在の世界の供給のほぼ全てを中国、ロシア、ウクライナに依存している。米国は1969年以来、スカンジウムを採掘していない。今回の融資により、米国は鉱山の産出量に対する第一拒否権を得る。

また、エネルギー省は米国の鉱業大学に対し、教育プログラム強化のための1億ドルの助成金を発表し、2年以内に鉱業関連の卒業生を倍増させる目標を掲げた。国防総省も3つの鉱業大学のプロジェクトに8,000万ドルを拠出する。

この一連の投資は、米国がイランとの5か月に及ぶ戦争で精密誘導ミサイルや防空迎撃システムを大量に消費したことを受けたもので、国防当局者や議員らは、既存の生産制約により一部の在庫補充に数年かかる可能性があると警告している。米政府は、戦略鉱物の備蓄に120億ドルを投じるなど、中国依存からの脱却を進めており、今回の投資はその一環と位置づけられる。

トランプ大統領、FRB理事クック氏の解任を再試行 最高裁判決を無視し中央銀行の独立性に挑戦

米国のトランプ大統領は、連邦準備制度理事会(FRB)理事リサ・クック氏の解任を再び試みている。ロイター通信が入手した書簡によると、ホワイトハウスは今週、クック氏に対し、大統領が同氏の解任を「検討している」と通告し、証明されていない住宅ローン詐欺の疑惑について3週間以内に回答するよう求めた。クック氏の弁護士はこの疑惑を「根拠のないもの」としている。

この動きは、トランプ大統領が今年初めに最高裁判所によって阻止された行動を再開するのは今週2回目となる。トランプ氏はまた、今週初めに、出生地市民権を制限する別の大統領令を発出していた。クック氏宛ての書簡は、ダン・スカビノ副首席補佐官が署名し、クック氏が最高で30年の禁固刑に処される可能性のある犯罪を犯したと主張し、その行為はFRB理事としての信頼性を疑問視する過失に当たるとしている。

クック氏の弁護士アベ・D・ローウェル氏は声明で、クック氏を解任する「正当な理由は存在しない」と述べ、「我々は以前と同様、この最新の口実に異議を唱え、彼女の地位とFRBの歴史的役割を守る」と強調した。クック氏はFRB理事として初の黒人女性であり、疑惑を一貫して否定している。最高裁は6月、トランプ氏によるクック氏解任の試みを、手続き上の理由で阻止していた。民主党のエリザベス・ウォーレン上院議員は、今回の動きを「再び中央銀行を違法に乗っ取ろうとする試み」と非難し、民主党は「彼が失敗するよう戦い続ける」と述べた。

この動きは、トランプ政権によるFRBの独立性への前例のない攻撃の一環であり、中央銀行の政策決定に対する政治的压力が強まっていることを示している。クック氏の解任が実現すれば、FRBの独立性に深刻な打撃を与え、金融市場の混乱を招く可能性がある。

ロシア軍、キーウ近郊を再び空爆 子ども含む3人死亡 防空網の脆弱さ露呈

ロシア軍は現地時間2026年8月7日深夜から8日未明にかけて、ウクライナ首都キーウとその周辺地域に対して大規模な攻撃を実施し、少なくとも3人が死亡、7人が負傷した。キーウ州軍政庁長官ティムール・トカチェンコ氏によると、キーウ北東部のブロヴァルィ地区プヒフカ村への攻撃で、2022年生まれの子どもを含む3人が死亡し、3人が負傷した。首都キーウ市内でも4人が負傷し、2地区で火災が発生した。

ウクライナ空軍は「弾道ミサイル使用の脅威」を警告し、住民に避難を呼びかけた。AFP記者は現地時間午前3時頃、首都で十数回の爆発音を確認した。今回の攻撃は、ウクライナの防空網が迎撃ミサイル不足に陥っている中で行われ、ロシアの弾道ミサイルを迎撃できるのは米国製パトリオットシステムのみとされるが、キーウ当局は十分な装備を欠いている。

ウクライナ国防省の発表によれば、7月中にロシアが発射した弾道ミサイル195発のうち、迎撃に成功したのはわずか29発だった。ウクライナのゼレンスキー大統領は、同盟国からの迎撃ミサイル供与が今年に入り「大幅に減少」したと述べ、供給遅延が「恐ろしい死傷者と破壊」を招いていると警告している。大統領は8月7日夜、セルビアのアレクサンダル・ヴチッチ大統領と会談し、経済・安全保障問題について協議した。

一方、ウクライナ軍はロシア領内のサマラ州とクラスノダール地方の石油精製所を攻撃し、火災が発生したと報じられている。また、ウクライナはロシアのオンライン小売大手ワイルドベリーズの物流拠点を無人機で攻撃した。米上院は8月7日、ロシアのエネルギー輸出を標的とした新たな制裁法案を86対11で可決した。この法案には、ロシア産石油・ガスを購入する国への100%関税が含まれており、下院での可決とトランプ大統領の署名を経て成立する見通しである。

ロシアによるキーウへの攻撃は48時間前の8月5日にも行われ、17人が死亡、約30人が負傷していた。ロシアは2022年の侵攻開始以来、ウクライナの都市への空爆を続けているが、2026年に入り弾道ミサイルの使用頻度が増加し、防空網の脆弱性が顕在化している。専門家は、ロシアが冬季に向けて攻撃をさらに激化させる準備を進めていると警告しており、ウクライナの防空能力強化が喫緊の課題となっている。

ロシア唯一の反戦政党ヤブロコ、九月議会選で存在感発揮へ 和平訴え支持拡大狙う

ウクライナ戦争への不満がロシア国内で広がる中、リベラル派のヤブロコ党は九月の議会選挙を機に存在感を高めようとしている。同党は停戦を訴える唯一の野党勢力として自らを位置づけ、支持基盤の拡大を目指す。

ロシアの選挙は厳しく管理されており、2003年以降の議会選挙はすべてプーチン大統領を支持する与党「統一ロシア」が勝利している。ヤブロコ党が議席を獲得する可能性は低く、今年初めの世論調査では支持率はわずか3%で、下院国家会議への参加に必要な5%の壁を下回っている。

しかし同党は、選挙戦が特に政治に無関心な若者の間で支持基盤を広げる助けになると信じており、全国規模で反戦メッセージを発信する機会を歓迎している。党首ニコライ・リバコフ氏は「たとえ平和を一日でも早めることができれば、この活動は無駄にはならない」と述べた。

一方、民族主義政党ロジナは、ヤブロコ党を選挙から除外するよう最高裁判所に訴訟を起こした。ロジナ党首のアレクセイ・ジュラヴリョフ氏は「ヤブロコ党は裏切り者で満ちている。西側のために働き、西側の価値観を持っている」と主張し、ヤブロコ党が様々な違反を犯したと証拠を示さずに非難した。これに対しヤブロコ党は、ジュラヴリョフ氏を名誉毀損で訴えると警告している。最高裁は8月10日に審理を行う予定だ。

ヤブロコ党はロシア最古のリベラル政党であり、選挙管理委員会は同党の平和綱領に基づく400人以上の候補者を承認している。ヤブロコ党は反戦綱領で選挙に臨む唯一の登録政党であり、近年、ウクライナ侵攻への反対を理由に複数の著名な党員が拘束されている。亡命野党指導者たちもヤブロコ党を支持しているが、リバコフ氏は現行規則の下で党が選挙から除外されるリスクを避けるため、亡命者との距離を置こうとしている。

ホルムズ海峡再開へ前進、米が合意期待表明 サウジ・トルコ・パキスタンが相互防衛協定締結

米政府高官は7日、イランとオマーンがホルムズ海峡の管理を巡る協議で前進し、近く合意に達する見通しであることを明らかにした。合意が成立すれば、米国によるイラン港封鎖が解除され、原油輸送が正常化する可能性がある。一方、サウジアラビア、トルコ、パキスタンの3カ国は同日、メッカで相互防衛協定に調印した。イランとの緊張が続く中、地域の安全保障体制を強化する狙いがあるとみられる。

米政府高官は「オマーンとイランの間で海峡を巡る進展があり、近く合意を期待している。合意が発表され、商業輸送の妨げがない状態が回復すれば、米国はイラン港の封鎖を解除する」と述べた。ただし、米国の行動はイランのコミットメント履行に連動すると付け加えた。ホルムズ海峡は世界の石油消費量の約5分の1が通過する要衝だが、2月28日の米イスラエルによるイラン攻撃以降、イランがタンカーへの通行料賦課や無許可航行への発砲を行い、石油輸送が混乱。エネルギー価格の高騰とインフレを招いていた。

また、アブダビ国営石油会社(ADNOC)は、紛争開始以降、自社の船舶15隻がホルムズ海峡で攻撃を受け、乗員1人が死亡、20人が負傷したと発表した。

サウジアラビア、パキスタン、トルコの3カ国は、メッカで共同防衛協定に調印した。声明によると、この協定は集団的抑止力を強化するもので、いずれかの国に対する武力攻撃は全構成国への攻撃とみなされる。トルコは特定の国を標的としたものではなく、純粋に防衛目的だと述べているが、シーア派多数国のイランとの緊張が高まる中での締結となった。

一方、イラン議会の国家安全保障委員会スポークスマン、ハサン・ガシュガビ氏は、オマーンとの間でホルムズ海峡に関する予備的枠組みで合意したと述べた。最終的な文書と詳細は、上級当局の承認後に発表されるという。また、イランの準公式通信社ファルスによると、イラン議会の委員会は、米国、イスラエル、その他の「敵対的」船舶のホルムズ海峡通過を禁止する法案を審議中で、違反した場合、積み荷の価値の最大20%の罰金を課す案が含まれている。

イランのマスード・ペゼシュキアン大統領は、国営テレビのインタビューで、強硬派の反対を押し切り、政府の外交政策を擁護した。「アメリカの最大の敵は中国だ。なぜ彼らは中国と戦わないのか。中国は日々強くなっている。対話を通じて権利を得られるのに、なぜそうしないのか」と述べた。

専門家は、この相互防衛協定について、イラン戦争の混乱を受けて地域諸国が安全保障を再編する動きの表れだと指摘する。米国の仲介によるイスラエルとヒズボラの停戦交渉も進展しており、レバノン高官は、ヒズボラの武装解除を検証する部隊派遣国の候補リストで合意したと明らかにした。

国連警告:スーダン内戦で「一世代全体の未来」が危機に、学齢児童800万人以上が不就学

国連は、3年以上にわたって続くスーダン内戦により、学齢期の子ども800万人以上が学校に通えない状態にあると警告した。アミナ・モハメド国連副事務総長は金曜日、スーダンにおける教育保護に関する非公式な国連安全保障理事会会合でこの警告を発し、戦争が始まってから1210日目に入ったと述べた。

モハメド氏は「この戦争が奪っているものの中で、最も重要なものの一つがスーダンの未来、すなわち子どもたちの教育である」と述べ、紛争が「一世代全体」の未来を奪っていると警告した。国連によると、2023年4月に戦闘が始まって以来、ダルフール地方では学校のほぼ4分の3が損壊、破壊、または使用不能になっている。

モハメド氏は「6人の子どものうち5人が学校に通えていない。親たちは、子どもを教室に送るよりも家に置いておきたいと言う。なぜなら、家だけが安全を確保できる唯一の場所だからだ」と述べた。2024年以降、国連は学校への攻撃を67件以上、軍事目的での学校使用を154件以上記録しているが、実際の数はこれを大幅に上回る可能性が高いと指摘した。

スーダンの教師の半数以上が給与を受け取っておらず、多くが「困難にもかかわらず」働き続けているという。モハメド氏は「スーダンはこれまでの戦争で既に一世代を失った。そして今、また別の世代を失いつつある」と述べ、紛争の負担は「何の関与もないが最も苦しむ」女性と子どもに不均衡にのしかかっていると付け加えた。

国連とそのパートナーは今年、100万人以上のスーダンの子どもたちを何らかの学習環境に戻したが、これは必要な数には遠く及ばないと述べた。紛争開始以降、約1500万人が国内避難を余儀なくされ、ユニセフによると約3300万人(その半数以上が子ども)が緊急の人道支援を必要としている。今年初めにスーダンを訪問したフォルカー・テュルク国連人権高等弁務官は、集団殺害や集団レイプの報告を「単なる紛争ではなく、現実に進行中の人権災害」と表現した。

パハルガム襲撃後、インド議会委員会がジャンムー・カシミールの主要観光地の警備強化を勧告

インドの議会委員会は、ジャンムー・カシミール州の主要な観光地すべてに統合されたセキュリティと監視の枠組みを推奨した。包括的なCCTVカバレッジ、集中監視施設、定期的な脆弱性評価、定期的なセキュリティ監査を組み込む内容だ。下院内務常任委員会は金曜日に議会に提出した第260回報告書で、観光シーズンのピーク前に省庁間の明確なSOPを規定し、見直すことも提案した。これにより、セキュリティ関連のインシデントに対する協調的かつタイムリーな対応が確保されるとしている。

この勧告は、委員会が2026年5月にジャンムー・カシミールを訪問し、観光地のセキュリティ体制を評価した後に行われた。昨年のパハルガム・テロ攻撃(25人の観光客が射殺された)を受けてのものだ。委員会は、観光客数の持続的な成長は、接続性の改善、より強固なセキュリティ体制、より良い観光インフラ、そして訪問者の信頼感の回復によって促進されてきたと指摘した。その上で、「この文脈において、観光地のセキュリティ管理は、安全性の認識、訪問者の体験の質、観光セクターの継続的な成長に直接影響するため、特に重要である」と述べた。

委員会は、グルマルグやその他の主要な観光・宗教地のセキュリティ体制を評価し、治安要員の配置、監視メカニズム、群衆管理対策、警察、観光局、地区行政、開発当局、その他の機関間の調整を称賛した。

東部州知事らが年金改革に反旗、メルツ首相の求心力に陰り

ドイツのメルツ首相が進める年金改革をめぐり、東部5州の州首相らが反旗を翻した。改革の中核である「45年間の保険料納付による63歳での無減額早期退職」の廃止案に対し、東部の州首相らは地域の実情を無視していると強く反発している。この反発は、9月に控える東部3州の州議会選挙を前に、政権運営に影を落としている。

連立政権を構成するCDU/CSUとSPDは、年金制度の持続可能性を確保するため、7月に改革案で合意した。しかし、SPDが早くも63歳定年退職の廃止案の再考を求めるなど、連立内からも異論が噴出している。特に、東部5州の州首相(CDU3人、SPD2人)に加え、西部のザールラント州とブレーメン市のSPD州首相も反対に回った。

東部の州首相らは、旧東ドイツでは女性も含めて16歳で職業訓練を始めるのが一般的で、45年の就労期間に達するのが早いと指摘。東部の新規退職者の33%が63歳で退職できるのに対し、西部は27%にとどまる。また、旧東ドイツには民間保険が存在せず、公的年金が唯一の老後保障であると訴えている。

この反乱は、メルツ首相の指導力に深刻な打撃となっている。直近の世論調査では支持率は低迷しており、9月の州議会選挙で極右政党AfDが躍進すれば、改革はさらに困難になる可能性がある。CDUの院内総務トルステン・フライ氏は「改革の柱を一本壊せば、家全体が疑わしくなる」と述べ、再交渉の余地を否定しているが、政権内の結束は揺らいでいる。

ドイツ新政権の交通相交代、インフラ問題の深層にメス入れる

ドイツ連邦政府は、交通大臣の交代を余儀なくされた。前任のパトリック・シュニーダー氏は就任からわずか14ヶ月で退任し、後任にはシュテフェン・ビルガー氏(CDU)が就任した。この人事は、インフラ整備を巡る政権内の対立を浮き彫りにしている。

問題の核心は、5000億ユーロのインフラ特別基金の使途を巡る争いだ。メルツ首相とクラングバイン財務相は「十分な資金がある」と主張する一方、ドイツ鉄道のパラ会長や高速道路会社は、インフラの維持・拡張にはさらなる資金が必要だと訴えている。ドイツ鉄道は2030年までに追加で230億ユーロが必要と試算し、2029年末までに列車の定時運行率を70%以上に引き上げる目標を掲げるが、現状は約50%にとどまる。

また、交通省の予算が年間約200億ユーロ削減される見通しであることも、新大臣の負担を重くしている。ビルガー氏は前任者と同様のジレンマに直面するだろう。インフラの老朽化は経済立地としての競争力を損ない、民主主義そのものへの信頼を揺るがす危険性も指摘されている。

マレーシア国王、タブン・ハジとフェルダ問題で「有罪者は逃れられない」と厳しい姿勢

マレーシア国王スルタン・イブラヒムは、タブン・ハジ(巡礼者貯蓄基金)とフェルダ(連邦土地開発庁)をめぐる問題で、有罪と認められた者を決して逃がさないと明言した。国王は捜査を徹底的に行い、関係者全員が責任を負い、同様の事件が再発しないよう求めた。国王はフェイスブックへの投稿で「本当に有罪と判明したならば、誰も処罰を逃れるべきではない。最も重要なのは、このような問題が二度と起きてはならないということだ」と述べた。

この発言は、タブン・ハジに関する王立調査委員会(RCI)の報告書が公表され、捜査が強化される中で出された。国王は、アンワル・イブラヒム首相からRCIの調査結果とフェルダをめぐる現在の問題について説明を受けた。RCI報告書は2014年から2020年までのタブン・ハジの経営とガバナンスを調査したもので、高いヒバ(配当)支払い、投資リスク、会計問題、ガバナンスの欠陥などの財務上の弱点を指摘している。マレーシア汚職防止委員会(MACC)はこれまでに7人を逮捕している。

一方、フェルダをめぐっては、アンワル首相が、同機関が所有するホテルの売却提案について包括的な報告書を提出するよう指示した。懸念されたのは、ホテルが当初の購入価格1億6000万ポンド(約300億円)を大幅に下回る1億ポンド(約190億円)で売却される予定だったことだ。アンワル首相は財務相も兼任しており、この売却条件を発見した後、承認を拒否した。

モディ首相、IITデリー卒業式で女性受賞者の少なさに苦言「もっと多くてもよかった」

インドのナレンドラ・モディ首相は8日、インド工科大学(IIT)デリーの第57回卒業式に出席し、優秀な学生に同大学最高の栄誉を授与した。式典でモディ首相は、受賞者に占める女性の数が少ないことに言及し、「受賞した皆さんに心から祝意を表する。しかし、その中にもう少し女性が多ければなお良かった。なぜ1人か2人だけなのか。もっと多くてもよかった」と述べ、学術・職業分野における女性の参加と代表性の向上を卒業生に呼びかけた。

モディ首相は、大統領金メダル、所長金メダル、シャンカル・ダヤル・シャルマ金メダル、パーフェクト・テン金メダルなど、IITデリーの最高栄誉を授与したほか、ソニパト・キャンパスに設置されたAI搭載の高性能スーパーコンピューティング施設「パラム・プラギャ」の開所式も行った。式典には3,000人以上の卒業生が出席し、そのうち587人が博士号を取得した。IITデリー理事会のハリッシュ・サルベ会長とランガン・バネルジー所長がモディ首相とプララド・ジョシ連邦大臣を歓迎した。

前日、モディ首相は自身のX投稿で「明日午前11時にIITデリーの卒業式に出席する。この先駆的な機関の学生や教師と会えるのを楽しみにしている。IITデリーは研究と革新の分野で常に豊かな貢献をしてきた」と述べていた。

ガザ・ヨルダン川西岸・レバノンでイスラエル軍の攻撃続く、停戦合意後も犠牲者拡大

2026年8月8日、ガザ南部ハンユニス近郊でイスラエル軍の発砲により、女性を含むパレスチナ人3人が負傷した。アルジャジーラとクッズ・ニュース・ネットワークが伝えた。ガザ保健省によれば、2025年10月11日の停戦宣言以降、ガザ地区では累計で1,250人が死亡、4,110人が負傷している。

ヨルダン川西岸では、イスラエル軍と入植者による攻撃が相次ぎ、救急隊員2人を含む複数のパレスチナ人が負傷した。ベツレヘム近郊アブ・ヌジャイムでは入植者が発砲し、負傷者を助けに来た救急車を襲撃、乗員に催涙スプレーを噴射した。パレスチナ赤新月社のアブドゥル・ハリム・ジャーフレ氏は、救急隊員2人が負傷し、車両が使用不能になったと述べた。また、ジェニン南部アンザでは13歳の少年が自宅を襲撃され逮捕されたほか、ナブルス東部ベイト・フリクでも別のパレスチナ人が暴行を受けた上で逮捕された。入植者らはヨルダン渓谷北部やラマラ近郊でも住宅やコミュニティを襲撃した。パレスチナ当局の記録によれば、1月以降ヨルダン川西岸で1万1,000件以上の攻撃が確認されている。2023年10月のガザ戦争開始以降、ヨルダン川西岸では少なくとも1,182人のパレスチナ人が殺害され、約1万3,000人が負傷、約2万5,000人が逮捕されたとされる。

レバノン南部では、イスラエル軍がアル=マンスーリ町周辺を砲撃し、住宅1軒が炎上した。レバノン国営通信が報じた。レバノン保健省によれば、3月2日(米国とイスラエルによるイラン攻撃の4日後)以降のイスラエル軍の攻撃で、少なくとも4,335人が死亡、1万2,273人が負傷している。イスラエル軍はレバノン南部の広範囲を占領し続けており、レバノンとイスラエルの外交交渉が進行中にもかかわらず、定期的に村々を攻撃している。ヒズボラは交渉に参加していない。金曜日には、レバノン当局者が、米国仲介の合意に基づくヒズボラの武装解除を検証するための部隊派遣国について、両国が候補国のリストに合意したと述べた。米国がそのリストから国を選定する予定である。

国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は、入植者とイスラエル軍が「家族を攻撃し、モスクを焼き、財産を破壊・没収することが頻繁にある」と非難し、移動制限が「かつてないほど厳しくなっている」と指摘した。7月下旬、OHCHR報道官のラビナ・シャムダサニ氏は、各国が「ヨルダン川西岸のイスラエル占領を終わらせる」ことが不可欠だと述べ、「イスラエル人入植者による攻撃や入植地・前哨地の設置が過去最高に達している中、第三国はパレスチナ人の殺害と財産剥奪を止めるため、緊急かつ結束して行動すべきだ」と訴えた。

インド最高裁、マフア・モイトラ議員のオンライン出頭要求を却下「自由の戦士は銃弾を受けた、あなたは卵を恐れるのか」

インド最高裁判所は6日、TMC所属のマフア・モイトラ下院議員が、警察への出頭をオンラインで認めるよう求めた申し立てを却下した。モイトラ議員は、対面での出頭時に群衆から攻撃され卵を投げつけられる可能性があると主張していたが、裁判所は「自由の戦士たちが胸に銃弾を受けた時代に、政治家として卵を恐れるのか」と厳しく批判した。

モイトラ議員は、フェイスブック上に扇動的な投稿をしたとして警察の捜査対象となっており、上級弁護士ゴパル・サンカラナラヤナンが、ビデオ会議による出頭許可を求めて弁論していた。これに対し、裁判所は「なぜオンラインなのか。あなたが議員だからか」と問いかけ、この種の申し立てはそもそも裁判所に持ち込むべきではないと指摘した。

この判決は、公職にある者に対する捜査手続きの在り方に一石を投じるものとして、政治関係者の間で波紋を広げている。

経済 (Economy)

エヌビディア、データセンター開発企業ランスウムに最大30億ドル出資へ

米半導体大手エヌビディア(Nvidia)は、ブラックストーン(Blackstone)が出資する電力インフラ開発企業ランスウム(Lancium)に対し、最大30億ドル(約4500億円)を投資する計画であることが、情報サイト「The Information」の報道で明らかになった。ランスウムは、米テキサス州で進むAIデータセンター構想「スターゲート(Stargate)」の開発元として知られる。

The Informationが関係者の話として伝えたところによると、エヌビディアはまず20億ドルを投資し、ランスウムの約20%の株式を取得する。さらに、送電網への接続など特定の条件を達成した場合、追加で10億ドルを投資し、出資比率を高める可能性があるという。この取引に基づくランスウムの企業価値は、土地と電力接続のポートフォリオを含めて約100億ドルと評価されている。

ランスウムは、テキサス州アビリーンにある約1000エーカーの「ランシアム・クリーン・キャンパス」を所有しており、ここがスターゲート構想の最初の稼働拠点となっている。スターゲートは、ソフトバンク、オープンAI、オラクルによる合弁事業で、米国のドナルド・トランプ大統領が1月に発表した、AIインフラに最大5000億ドルを投資する計画の一環である。

エヌビディアとランスウムは、ロイターのコメント要請に即座に応じていない。この投資により、ランスウムは2027年に予定される新規株式公開(IPO)に向けて事業を拡大するための資金を得ることになる。

ブラジル第2四半期決算:フレウリー利益46%増、エネルジサ赤字転落

ブラジル企業の2026年第2四半期決算が相次いで発表された。診断サービス大手フレウリーは純利益が前年同期比45.7%増の2億2190万レアル(約4350万米ドル)となり、売上高とEBITDAも二桁成長を記録した。一方、電力大手エネルジサは連結ベースで4000万レアル(約780万米ドル)の赤字に転落。前年同期は4億9000万レアル(約9600万米ドル)の黒字だった。保険販売のウィズは調整後利益が13.5%減の1億100万レアル(約1980万米ドル)となったが、親会社帰属利益は8.4%増加した。石油生産のペトロレコンカーボは純利益が14.9%減の2億270万レアル(約3970万米ドル)となった。

不動産開発のエステックは純利益が21.0%減の1億1040万レアル(約2160万米ドル)となったが、販売開始額は57.8%増の7億7300万レアル(約1億5150万米ドル)と過去最高を記録。送電大手アルパーはIFRSベースの純利益が187.6%増の4億1660万レアル(約8170万米ドル)となった一方、規制ベースでは14.6%減の1億5900万レアル(約3120万米ドル)と対照的な結果となった。ショッピングセンター運営のアロスは親会社帰属利益が53.0%増の3億810万レアル(約6040万米ドル)と大幅増益。小売りのマガジーネ・ルイザは7250万レアル(約1420万米ドル)の最終損失を計上し、前年の2440万レアル(約480万米ドル)の損失から拡大した。卸売小売のアサイは経常利益が93.6%増の3億4400万レアル(約6740万米ドル)と急増した。

今回の決算は、企業業績が事業の成長性と財務・会計要因の二層で大きく分かれる構図を浮き彫りにした。フレウリーやアロスのように事業拡大を利益拡大に結びつけた企業がある一方、エネルジサやマガジーネ・ルイザのように金利負担や特別要因が最終利益を圧迫した企業も目立つ。アサイはレバレッジが2021年以来の低水準に改善し、財務体質の強化が進んでいる。投資家は表面的な利益比較だけでなく、各社の事業特性と財務状況を踏まえた慎重な見極めが求められる。

社会 (Society)

欧州・アジアで記録的猛暑続く、熱中症患者急増とインフラへの影響深刻

2026年8月、欧州とアジアの各地で記録的な猛暑が続き、健康被害やインフラへの影響が深刻化している。ドイツではライプツィヒ空港でのドローン爆弾事件を受け、メルツ首相が国家安全保障会議を招集する事態となったが、同時に熱波による死者数が年内に約1万2000人に達したとの推計も報告されている。スペインではマヨルカ島沖のブイが地中海の外洋で史上最高の水温33.2度を記録し、マドリードの地下鉄では市民による「暑さマップ」プロジェクトが始動するなど、都市インフラの暑さ対策の遅れが浮き彫りになった。英国では今年5回目の広域熱波が予想され、韓国では猛暑の中で「サイレントディスコ」プールパーティーが開催されるなど、人々は暑さをしのぐ新たな方法を模索している。

ドイツでは、ライプツィヒ空港で爆発物を搭載したドローンが発見された事件を受け、アレクサンダー・ドブリント内務大臣が「新たな危険の質」と「ハイブリッド攻撃シナリオ」に言及し、外国の関与の可能性を示唆した。メルツ首相は休暇先から国家安全保障会議を招集し、事態を静かに監視している。一方、ロベルト・コッホ研究所の推計によると、今年の熱波によりすでに約1万2000人が死亡したとみられ、メルツ首相の熱波への対応が批判を浴びている。野党や批評家は、首相が7月中旬の記者会見で「気象の変化が続けば状況を注視し、必要に応じて公に発言する」と述べたにもかかわらず、その後沈黙していると指摘する。

スペインでは、マヨルカ島西部のサ・ドラゴネーラ沖のブイが、地中海の外洋で観測史上最高となる33.2度を記録した。これは2024年8月に同じブイで記録した31.8度を1.4度上回るもので、気候学者は「海洋温度で1度以上の差は異常」と驚きを表明している。この高温は地中海の生態系に深刻な影響を与えており、海草の大規模な枯死や魚介類の大量死が報告されている。また、マドリードでは市民団体「Termo de Madrid」が地下鉄の車内温度を利用者の報告に基づいて可視化するプロジェクトを開始した。このプロジェクトは、最も古く利用者の多い1号線と5号線で冷房不良が深刻であることを浮き彫りにしており、地域政府の保守点検契約の遅れが原因と指摘されている。

英国では、今週末から来週にかけて気温が30度を超え、今年5回目の広域熱波が宣言される可能性が高い。イングランドの大部分で熱中症警戒アラートが発令され、脆弱な人々へのリスクが警告されている。7月は観測史上最も日照時間が長く、イングランドとウェールズでは最も乾燥した7月となった。今年すでに33日間で30度を超え、1995年の記録(34日)を更新する見込みだ。韓国でも、8月7日の「立秋」にソウルで38度を記録するなど記録的な暑さが続き、熱中症患者数が過去10年で約3倍に増加している。政府のデータによると、立秋から8月末までの熱中症患者数は2011〜2015年の年平均215人から、2016〜2020年には658人、2021〜2025年には638人に増加した。

こうした猛暑は、人々の生活様式にも変化をもたらしている。ソウルでは記録的な暑さの中、ヘッドホンを使った「サイレントディスコ」プールパーティーが開催され、近隣住民に配慮しながら音楽に合わせて踊る新しい暑さ対策が注目を集めた。一方、スペインの作家ジョコンダ・ベリ氏は、マドリードの暑さから逃れてスコットランドの古城で過ごす女性を描いた短編小説を発表し、暑さと人間の感情をユーモラスに綴った。この小説では、芝刈りロボットに恋心を抱く女性の姿が描かれ、テクノロジーと人間の関係性についても示唆に富む内容となっている。

麻薬密売人オウビーニャ、密輸ルート巡る観光ツアー販売もガリシア州が違法と禁止措置

元麻薬密売人ラウレアーノ・オウビーニャ氏(80歳)が、自身の密輸・麻薬取引の過去を観光資源化する「密輸・麻薬密売ルート」クルーズを企画したが、ガリシア州観光局が違法として制裁手続きを開始した。オウビーニャ氏は2017年に出所後、書籍出版やアルバリーニョ種のワイン販売、自身の経歴をあしらったグッズ販売などで過去を商品化してきたが、今回の海上ツアーは州の観光検査局が「旅行業法に基づく許可を得ていない」として違法と判断したものである。

このツアーは8月29日にオ・グローヴ(ポンテベドラ県)からリベイラ(ア・コルーニャ県)までを1日で航行し、途中オンズ島に立ち寄る計画で、最大150人が参加可能。オウビーニャ氏は1970年代から2000年代にかけてタバコやハシシの密輸に使ったルートを案内し、当時の手口を詳細に説明するとしている。しかし、州観光局は「ガリシアの観光イメージを著しく損ない、30年以上かけて築いてきた質の高い観光ブランドに悪影響を及ぼす」として、主催会社ペフリートS.L.U.に対する制裁手続きを開始した。

オウビーニャ氏は「アイデアが浮かべばすぐ実行する」と語り、ツアー実施に意欲を見せるが、法的な壁に直面している。また、今後はガリシアのリアス・アルタスやポルトガルを巡る別ルートも計画しているという。この異例の観光企画は、元犯罪者の過去の商品化と地域観光の在り方を巡る議論を呼びそうだ。

南米各地の天気予報と星座占い:2026年8月8日の詳細

2026年8月8日、アルゼンチン、ブラジル、ウルグアイ、ベネズエラの各都市で、気温、湿度、風速、降水確率を含む詳細な天気予報が発表された。アルゼンチンのプンタ・ララでは最高気温12度、最低気温6度、湿度81%、風速19キロと予想され、一日を通して降水確率は低い。一方、ベネズエラのマラカイボでは最高気温33度、最低気温26度、湿度67%で、北東からの風が19キロと予想されている。

各地域の予報では、ブラジルのポルト・アレグレでは最高気温17度、最低気温8度、湿度83%で、午後には1ミリの弱い雨が予想されている。また、ベネズエラのシウダー・グアヤナでは最高気温31度、最低気温23度、湿度91%で、終日弱い雨が予想されている。ウルグアイのタクアレンボーでは最高気温15度、最低気温2度、湿度93%で、降水確率は低い。

さらに、同日の星座占いでは、牡羊座は仕事と感情で大きな満足を得る日とされ、牡牛座は時間に追われる一日になると予想されている。双子座は将来のプロジェクトに向けて情報収集を始める良い日とされ、蟹座は家族が重要な役割を果たすとされている。獅子座は感情のコントロールが課題となり、乙女座は仕事での成功を自信につなげるよう助言されている。天秤座は職場での人脈が有利に働き、蠍座は決断力を発揮する日とされる。射手座は家庭内での言い争いを避けるよう注意が促され、山羊座は同じ過ちを繰り返さないよう自己改革が求められている。水瓶座は困難な状況を乗り越える力を得るとされ、魚座は生活の多くの側面で即座の変化が必要と予想されている。

アルゼンチン各地でキニエラ抽選、ブエノスアイレス市・州などで当選番号発表

八月七日、アルゼンチン国内の各州で運営される公営数字くじ「キニエラ」の抽選が行われ、各地で当選番号が発表された。ブエノスアイレス市の旧ナシオナルであるキニエラ・デ・ラ・シウダーの夜間抽選(ノクテュルナ)では、一位が8514、二位が5252、三位が9296となった。首位の数字は14で、夢占いの表によれば「酔っ払い」を意味する。抽選されたアルファベットはAOSVであった。

また、同日のブエノスアイレス市の夕方抽選(ベスペルティーナ)では、一位が3319、二位が4942、三位が2930となり、首位の数字は19で「魚」を象徴する。抽選文字はFFQYだった。ブエノスアイレス州のキニエラ・デ・ラ・プロビンシアの夕方抽選では、一位が6088、二位が3274、三位が5542で、首位の数字は88(「教皇」を意味する)となった。

キニエラはアルゼンチンで最も人気のあるギャンブルであり、ブエノスアイレス市では市宝くじ局が、ブエノスアイレス州では州宝くじ局がそれぞれ主催する。賞金の山分け方式はなく、的中数に応じて配当が決まり、売上高の五倍を上限とするバンク方式が採用されている。抽選は一日四回(朝、昼、夕方、夜)実施され、各回二十の数字が選ばれる。賭け金は一桁から四桁の数字に設定でき、最低賭け金は州によって異なるが、ブエノスアイレス州では二ペソからとなっている。

スポーツ (Sports)

FIFA会長インファンティーノ、私的投資計画撤回も辞任圧力続く UEFAはボイコット維持を表明

FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長は、ワールドカップの商業権の一部を民間投資家に売却する計画を撤回したものの、欧州サッカー連盟(UEFA)はボイコット姿勢を維持しており、辞任圧力は続いている。さらに、英国紙『デイリー・テレグラフ』の調査報道により、インファンティーノ氏がUEFA事務総長時代に交際関係にあったとされる女性職員に対し、UEFAが退職金とMBA取得費用を支払っていたことが明らかになり、批判が強まっている。

インファンティーノ氏は、2026年8月7日にコロンビアのアベラルド・デ・ラ・エスプリエジャ新大統領の就任式に出席するためカリを訪問。同氏は、FIFAの商業子会社「FIFAフォワード・エンタープライズ(FFE)」を通じてワールドカップ商業権の20〜30%を民間投資家に売却し、最低200億ドルを調達する計画を進めていたが、UEFAや北中米カリブ海サッカー連盟(CONCACAF)、アジアサッカー連盟(AFC)などの反対を受け、計画を撤回した。FIFAは声明で「プロセスに誤りがあった」と認め、全211加盟協会に謝罪した。

しかし、UEFAは55の加盟協会が全会一致でFIFA関連行事のボイコットを決議しており、「インファンティーノ会長への信頼を失った」との立場を維持している。ノルウェーサッカー連盟のリーセ・クラベネス会長は「インファンティーノ氏に直ちに辞任を求める」と述べた。一方、アフリカサッカー連盟(CAF)や南米サッカー連盟(CONMEBOL)、メキシコサッカー連盟などはインファンティーノ氏への支持を表明している。

さらに、『デイリー・テレグラフ』の調査によると、インファンティーノ氏がUEFA事務総長を務めていた2009年から2016年の間に、同氏と交際関係にあったとされる女性職員に対し、UEFAが少なくとも6桁の退職金と、年間約4万5000ポンドのMBA取得費用を支払っていたことが判明した。UEFAは支払いを認めたものの、「当時の規定に従ったものだ」と説明している。インファンティーノ氏は「断固として否定する」と述べている。

インファンティーノ氏は2027年3月にモロッコのラバトで開催されるFIFA総会で4期目を目指すとみられるが、UEFAのボイコットや辞任要求により、FIFAの分裂や並行ワールドカップ開催の可能性も指摘されている。今回の一連の騒動は、世界サッカー界の統治と信頼に深刻な影響を与えるものとなる。

スタンフォード大学、全米初の選手主導CFBPA支部を設置——大学スポーツの労働運動に新たな一歩

スタンフォード大学は、カレッジフットボール選手協会(CFBPA)の選手主導支部を組織した全米初の大学となった。CFBPAは大学フットボールにおける労働組合化と団体交渉を推進する組織であり、AP通信が報じたところによると、スタンフォードのチームが現役選手主導の支部を持つ最初のチームとなる。

CFBPAは、選手が労働条件、規則、保護、大学システム内での参加について団体交渉できることを目指している。同団体のエグゼクティブ・ディレクターであるジェイソン・スタール氏は、アトランティック・コースト・カンファレンス(ACC)の他の大学がスタンフォードの道を歩み、同様の支部を設立することを目標としていると述べた。最終的な目標は、労働組合化への勢いを生み出し、選手がカンファレンスと条件交渉できるようにすることだ。テレビ放映権、広告、賭博、スポンサーシップ、肖像権などで巨額の収入を動かすスポーツにおいて、選手たちは日常生活やキャリアに影響を与える規則について、より大きな決定権を求めている。

スタンフォードの選手たちは、オフェンシブラインマンのフィッシャー・アンダーソン選手とラインバッカーのアーネスト・クーパー選手を代表に選出した。クーパー選手は、スタンフォードは大学フットボールのリーダーとなり、他のチームにキャンパスでの支部設立方法を示したいと述べ、このモデルがスポーツの「未来」を表すと主張した。

アンダーソン選手は、現在の大学フットボールを「激しい変動」の時期と表現し、各チームがCFBPAの支部を持てば、それらの構造が将来のカンファレンス別団体協定の構成要素となり得ると述べた。大学フットボールは歴史的な変革期にあり、移籍規則、名前・イメージ・肖像権(NIL)による支払い、収益分配協定、スポーツを規制する政治的圧力が、大学、カンファレンス、NCAA、選手の間の従来の力関係を変えている。

AP通信は、NCAAとカンファレンスが連邦議員と協力し、NCAAに給与上限や移籍制限などの規則を適用するための反トラスト法免除を与える上院法案を検討していると報じた。一部のスポーツディレクターは、連邦法が進展しない場合の代替案として団体交渉を検討しているが、大学アスリートを従業員として認定することには依然として障害が残っている。

伝統的な団体交渉には通常、承認された労働者側の当事者が必要である。大学アスリートの場合、大学とNCAAは長年、選手は従業員ではなく「学生アスリート」であると主張してきたため、この議論は未解決のままである。スタンフォードの支部は、それ自体では全国的な労働組合を創設したり、大学フットボールの規則を直ちに変えたりするものではない。しかし、ロッカールーム内部から組織化する具体的な構造を設置するものであり、他のプログラムが追随すれば、CFBPAは米国の大学スポーツにおける次の権力闘争で重要な役割を果たす可能性がある。

オールブラックス、南ア遠征初戦でストーマーズに勝利も規律に課題

オールブラックスは7日、ケープタウンで行われた南アフリカ遠征の初戦でストーマーズを38-21で下し、白星発進を切った。しかし、デイブ・レニー・ヘッドコーチはチームの改善の必要性を強調し、規律の乱れを課題として挙げた。

試合は68分まで14-14の同点だったが、ウイングのリエコ・イオアネがチャンスを捉えてトライを挙げると、その後もレロイ・カーター、ジョシュ・ムアビー、リザーブのプロップ、アサフォ・アウムアが続けてトライを奪い、突き放した。オールブラックスはこの試合で16のペナルティと3枚のイエローカードを喫し、前半途中には13人でのプレーを強いられる場面もあった。

レニー監督は「我々はもっと良くなれると分かっている。そうなるだろう」と述べつつ、「ペナルティを多く与えすぎた」と反省点を挙げた。一方で「ボールを持てば本当に危険なチームだ。終盤は非常に正確だった」と選手たちの対応を評価した。

また、この試合ではセンターのビリー・プロクターが肩を負傷し、今後の出場が懸念されている。レニー監督は「肩の負傷のように見える。他の選手にも打撲がいくつかある」と語った。

オールブラックスは今後、地元フランチャイズとの試合を2試合行った後、8月22日にヨハネスブルクで世界王者スプリングボクスとのテストマッチ4連戦に臨む。レニー監督はこの遠征を「チームの層を厚くする絶好の機会」と位置づけ、来年のワールドカップを見据えて選手層の底上げを図る考えを示した。