The Morning Star Observer

2026年08月08日 土曜日朝刊 (Morning Edition)ArchiveAbout

サウジアラビア・トルコ・パキスタン、メッカで相互防衛協定に調印――イラン紛争で中東の安全保障体制が再編へ

サウジアラビア、トルコ、パキスタンの3カ国は8月7日、聖地メッカで「メッカ共同防衛協定」に調印した。イラン紛争を背景に、スンニ派主要国による正式な軍事同盟が初めて結ばれた。パキスタン外務省の声明によれば、3カ国のいずれかに対する攻撃は全加盟国への攻撃とみなされる。調印式には、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子兼首相、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領、パキスタンのシェバズ・シャリフ首相が出席した。

この協定は、2月28日に米国とイスラエルがイランを攻撃して以来、イランとその同盟勢力がサウジアラビアを含む湾岸諸国への攻撃やエネルギー輸送の封鎖を続ける中で締結された。サウジアラビアは、イラクのシーア派民兵やイエメンのフーシ派による攻撃に直面しており、米国の安全保障への信頼が揺らぐ中で、防衛協力の多角化を模索してきた。トルコはNATOで2番目の規模の常備軍を持ち、パキスタンはイスラム圏で唯一の核保有国、サウジアラビアはメッカとメディナの管理者であり、イスラム圏の中心的存在である。

協定は、昨年9月に締結されたパキスタンとサウジアラビア間の防衛協定を拡大したもので、トルコが加わる形となった。サウジアラビアのレイェド・クリムリー公共外交次官は、この協定が「軍事軸や宗派ブロックの形成を意図するものではなく、地域のいかなる国の安全に対する脅威にもならない」とX(旧ツイッター)に投稿した。一方、トルコ政府は協定が「特定の国を標的にしたものではない」と強調したが、アナリストらは、この協定がイランの影響力に対抗することを主な目的としているとみている。

調印に先立ち、サウジアラビアの高官は、イランのイスラム革命防衛隊(IRGC)の監督下で、イラクの民兵とイエメンのフーシ派による協調攻撃が差し迫っているとの見方を示した。エネルギーインフラや港湾、空港などが標的になる可能性があると警告した。また、フーシ派は8月6日、イエメンのマリブ県とハドラマウト県でサウジアラビアが支援する政府軍を攻撃し、少なくとも58人の兵士が死亡した。さらに、サウジアラビア南部のナジュラーン県への攻撃で民間人11人が負傷した。

この協定は、中東の安全保障体制が米国中心から地域主導へと移行する兆しを示すものだ。キングス・カレッジ・ロンドンのアンドレアス・クリーグ氏は、「サウジアラビア、トルコ、パキスタンは米国に取って代わろうとしているのではなく、ワシントンが対応できない、あるいは対応しない場合に自国の利益を守る能力を構築している」と指摘する。一方、イスラエルは、トルコとの関係悪化もあり、この協定を脅威と受け止める可能性がある。イスラエルの国家安全保障研究所のガリア・リンデンシュトラウス氏は、「イスラエルにとって非常に憂慮すべき展開だ」と述べた。

米連邦控訴裁、トランプ大統領のホワイトハウス舞踏場建設にストップ――議会承認なしは違法と判断、最高裁判断へ

米連邦控訴裁判所(コロンビア特別区巡回区)は7日、トランプ大統領が進めるホワイトハウスの舞踏場建設(総工費4億ドル)について、議会の承認を得るまで地上部分の工事を停止するよう命じる判決を下した。判断は2対1の多数意見で、国立歴史保存トラストが昨年提起した訴訟を認めた形だ。裁判所は「大規模な舞踏場を建設すべきか否かは議会が決めることであり、行政が自己判断で決める問題ではない」と指摘。「議会は、特定の大統領の望みに合わせてホワイトハウスを劇的に再設計・再構築する無制限の権限を行政に委ねてはいない」と述べた。

この判決は、トランプ政権が昨年、東棟を解体し、議会の承認を得ずに約8360平方メートルの舞踏場の建設を始めたことに対するもの。連邦地裁のリチャード・レオン判事はこれまでに2度、地上部分の工事を差し止めており、控訴裁もこれを支持した。控訴裁は判決の効力を14日間停止し、その間に政権が最高裁判所へ上訴することを認めた。トランプ大統領は即座に反応し、「恐ろしく、政治的に動機づけられた違法な判決だ」と述べ、最高裁への即時上訴を表明した。

トランプ政権は、この舞踏場は国家的安全に不可欠であり、大規模な公式行事の開催やホワイトハウスの安全確保に必要だと主張してきた。特に4月の記者協会夕食会での暗殺未遂事件を受けて、その必要性を強調している。一方、国立歴史保存トラストのブレント・レッグス会長は「ホワイトハウスはアメリカ国民のものであり、かけがえのない記念碑を守ることを誇りに思う」と述べ、判決を歓迎した。

この判決は、トランプ大統領がワシントンの歴史的建造物や記念碑を再形成しようとする一連の試みの中でも最大規模のプロジェクトに打撃を与えるものであり、大統領権限の限界を問う重要な法的先例となる可能性がある。最高裁での審理が注目される。

タイ・バンコク近郊の学校で14歳生徒が銃乱射、祖父母と教師ら7人死亡・30人以上負傷

2026年8月7日午前、タイの首都バンコク郊外ノンタブリー県にあるデブシリン・ノンタブリー学校で、14歳の男子生徒が銃を発砲し、祖父母2人と学校の教師・職員5人の計7人が死亡した。犯人は自身もその場で死亡し、警察は自殺とみている。負傷者は30人以上に上り、うち9人は重体だという。

警察によれば、犯人は自宅で祖父の拳銃を使い祖父母を射殺した後、同校に赴き、数学教師、タイ語教師、進路指導カウンセラー、生徒課職員、秘書の5人を殺害した。犯人は学校で26発を発砲し、さらに34発の弾薬を所持していた。タイのアヌティン首相は、犯行は「明確な手順と目的を持った、よく準備された攻撃」だったと述べ、犯人は学校で「プレッシャー」を感じていたと説明した。

同級生の証言によると、犯人は「問題を抱えた子」で、FBIや銃に興味を持ち、他の生徒からいじめを受けていたという。また、犯人の祖母は元教師で、勉強に厳しかったとされる。教育相は、生徒への心理的支援と学校の警備強化を約束したが、「生徒が武器を学校に持ち込んでいないか確認しておらず、セキュリティはそれほど厳格ではない」と認めた。

タイは東南アジアで最も銃の民間所有率が高く、約1000万丁の銃が流通していると推定される。今回の事件は今年2月に南部の学校で起きた銃撃に続くもので、2022年には元警察官による保育所襲撃で36人が死亡する事件が発生している。アヌティン首相は、公務中の政府職員にのみ銃の携帯を認める新たな銃規制法案を導入すると表明した。専門家は、現在のタイの銃規制には精神健康診断がなく、20歳からの所持が可能で、定期的な再審査もないと指摘し、「レッドフラッグ法」などの導入を求めている。

米雇用23,000人減、トランプ政権の経済回復主張に打撃 中間選挙控え不透明感強まる

米労働省が7日発表した7月の雇用統計で、非農業部門の雇用者数は前月比23,000人の減少となった。市場予想(83,000人増)を大きく下回り、エコノミストの間で米経済の減速懸念が強まっている。また、5月と6月の雇用者数は合計103,000人下方修正され、労働市場の弱さが一層鮮明となった。

失業率は4.1%に低下したが、これは労働参加率が61.4%と5年ぶりの低水準に落ち込んだことが主因だ。労働市場から脱落した人は26万4,000人に上る。業種別では、政府部門(特に地方教育)で53,000人、小売業で19,000人、レジャー・接客業で40,000人の雇用が減少した。一方、医療分野は22,000人増と底堅さを維持した。

この弱い雇用統計は、11月の中間選挙を控えたトランプ大統領の経済回復主張に打撃となる。ホワイトハウスのケビン・ハセット経済顧問は「調査は非常にノイズが多い」とデータの信頼性を疑問視したが、専門家は「経済は苦戦している」との見方を示す。

連邦準備制度理事会(FRB)はインフレ抑制のため利上げを検討しているが、労働市場の減速で政策判断が複雑化している。市場では9月の利上げ確率は56%と、前日から低下した。株式市場は弱い雇用統計を好感し、S&P500は0.6%高、ナスダックは1.1%高で取引を終えた。長期金利は低下し、10年債利回りは4.65%となった。

一方、カナダでは7月の雇用が75,000人増と予想(15,000人増)を大幅に上回り、失業率は6.4%と2年ぶりの低水準となった。しかし、米国によるカナダ製品への50%関税が8月19日に発動予定で、今後の雇用情勢には不透明感が漂う。

政治 (Politics)

ホルムズ海峡を巡るイラン・オマーン暫定合意、米国の封鎖解除と引き換えに最終調整へ

イランとオマーンは、ホルムズ海峡の航行再開に向けた暫定合意の最終調整を進めている。イラン国会の国家安全保障委員会報道官ハサン・ガシュガビ氏は7日、「オマーンとの了解の大枠は決定済みで、最終的な文書と詳細は間もなく発表される」と述べ、最終決定は「上位機関」に委ねられると明らかにした。一方、米国の高官はロイターに対し「イランとオマーンの間で進展があり、間もなく合意に達する見込みだ」と語り、商業航行が妨げられず再開されれば、米国はイラン港への封鎖を解除するとの見通しを示した。

合意の骨子は、イランが管理する進入路とオマーンが管理する退出路を設定し、船舶への課金は行わないというものだ。イラン外務省報道官エスマイル・バガエイ氏は、オマーンとの間で海峡を通る航路の地理的座標について合意したと述べたが、仮に合意が成立しても「海峡が全ての船舶にとって安全になったことを意味するわけではない」と強調。米国の海軍封鎖や「攻撃的かつ脅迫的な行動」が続く限り、商業航行の安全は確保されないとの立場を示した。

イランは、米国とイスラエルによる2月28日の攻撃開始以来、ホルムズ海峡を封鎖し、世界の石油・LNG輸出の約5分の1が滞る事態となっている。米国は海峡の完全な自由航行を求める一方、イランは領海通過船舶への管理権を主張しており、両者の溝は深い。ロンドンを拠点とする政治アナリスト、ババク・ドルベイキ氏は「イランは海峡に入る船舶の管理を望み、米国は完全な自由航行を望んでいる。これらの立場は容易に調和しない」と指摘する。

また、イラン国会では、米国・イスラエル船舶の通行禁止や、貨物価値の最大20%に上る罰金を盛り込んだ法案が検討されている。さらに、イラン政府は、米国による制裁や保険制約が合意の実効性を妨げる可能性があるとの見方も出ている。専門家は、今回の合意が恒久的な解決ではなく「戦術的休止」に過ぎないと警鐘を鳴らす。シカゴ大学のロバート・ペイプ教授は、トランプ大統領が「エスカレーションの罠」に陥っており、イランに屈服するか、戦争を拡大するかの選択を迫られていると分析する。

イラン国内では、合意を支持する勢力と、米国との合意を「イデオロギー的敗北」とみなす強硬派の間で対立が続く。最高指導者アリ・ハメネイ師の死去後、後継者であるモジタバ・ハメネイ師は公の場に姿を見せておらず、権力構造は流動的だ。こうした中、イランは交渉で優位に立つため、オマーンとの協議を活用しつつ、米国に圧力をかけ続ける構えだ。合意が成立すれば、エネルギー市場への影響は大きく、原油価格の下落や株式市場の上昇につながる可能性があるが、恒久的な和平への道筋はなお不透明である。

セウタ移民危機で西伊対立激化、スペインが報復措置を警告

スペイン政府は7日、イタリアに対し、週末までにスペインからの旅行者に対する国境検査を撤廃しなければ「国民の利益と尊厳を守るため」の対抗措置を取ると警告した。先週、スペイン領セウタへの大規模な移民流入を受けて、イタリアがシェンゲン協定の一部停止を含む国境管理を導入したことへの反発である。

イタリアのジョルジャ・メローニ首相率いる政府はこれに対し、「国外からの最後通牒や要求は受け入れない」と述べ、8月15日まで国境検査を維持する方針を表明した。イタリア政府は声明で、スペイン当局自身が8月15日にセウタへの新たな移民流入を予測していると指摘し、安全保障上のリスクが完全に排除されるまで措置を継続するとした。

スペイン政府はイタリアの決定を「不当であり、EUの利益に反し、スペイン国民に対する差別だ」と非難。イタリアが近年、EU加盟国の中で最も多くの不正入国を記録しているにもかかわらず、スペインはこれまでイタリアからの旅行者に検査を導入したことがないと主張した。

先週、モロッコから約7万2000人がセウタに押し寄せ、少なくとも100人が死亡した。この危機をめぐり、EU内でも対応が割れており、フィンランドやデンマークはイタリアの措置を支持、チェコはスペインのシェンゲン加盟資格の一時停止を求めた。

一方、セウタには依然として約1342人の未成年者が残されており、スペイン政府は25百万ユーロの支援を承認したが、極右政党Voxは反発している。専門家は、イタリアの措置は「政治的な演出」だと指摘し、実際にセウタからイタリアへ移動する移民はほとんどいないとみている。

ウクライナ戦争、新段階へ:ロシアの弾道ミサイル攻撃激化、防空網の限界露呈

ウクライナ戦争は新たな段階に入りつつある。ロシア軍は今月に入り、キーウなどへの弾道ミサイル攻撃を激化させており、ウクライナ防空網の脆弱性が露呈している。ウクライナ国防省の発表によれば、7月中にロシアが発射した195発の弾道ミサイルのうち、迎撃に成功したのはわずか29発に留まった。迎撃ミサイルの深刻な不足により、ウクライナはロシアの攻撃に対しほぼ無防備な状態に陥っている。

ロシアは今月5日、キーウに対して24発の弾道ミサイルと4発のジルコンミサイルを発射したが、ウクライナ軍はその全てを迎撃できず、17人が死亡した。また、8月1日の攻撃では27発中1発しか撃墜できなかった。ウクライナ空軍は、迎撃ミサイル、特に米国製パトリオットシステムの不足を理由に挙げている。パトリオットは現在、ウクライナがロシアの弾道ミサイルに対抗できる唯一のシステムだが、その迎撃ミサイルの在庫は世界的に枯渇しており、米国や湾岸諸国でも不足が深刻化している。

こうした中、ウクライナはロシア領内への無人機攻撃を強化している。ウクライナ軍は8月7日、ロシアの電子商取引大手ワイルドベリーズのエカテリンブルクにある物流センターを攻撃し、大規模な火災を発生させた。これは前線から約2,000キロ離れた場所への攻撃であり、ウクライナの攻撃能力の拡大を示している。ウクライナはまた、ロシアの製油所やエネルギー関連施設への攻撃も継続しており、ロシアの戦争遂行能力を弱体化させようとしている。

欧州連合(EU)は8月7日、ロシアの軍産複合体に関与する5名を新たに制裁リストに追加した。これは、ロシアがウクライナの民間人やインフラを意図的に標的にした攻撃を強化していることへの対応である。EU上級代表のカヤ・カラス氏は「モスクワが戦争を終わらせるまで、EUはロシアへの圧力を強化し続けなければならない」と述べた。

一方、国際連合のアントニオ・グテーレス事務総長は、ウクライナとロシアの双方を非難し、緊急の緊張緩和と恒久的停戦を呼びかけた。しかし、両者の溝は深く、停戦の見通しは立っていない。専門家は、ロシアがウクライナ東部の最後の拠点都市であるクラマトルスクとスロビャンスクへの圧力を強めており、ドンバス地域の防衛線が崩壊する可能性があると警告している。

米ニューメキシコ州裁判所、Metaに567百万ドルの支払いと未成年保護策を命じる

米ニューメキシコ州の裁判所は6日、Meta(Facebook、Instagram、WhatsAppの親会社)に対し、未成年者の保護を怠り「公共的迷惑」を引き起こしたとして、567百万ドルの支払いとプラットフォームの設計変更を命じた。同州の判事ブライアン・ビードシャイドは、Metaのプラットフォームが未成年者に与える害を工場の汚染に例え、「社会への負担」と表現した。

この判決は、2023年に同州のラウル・トーレス司法長官が提起した訴訟の第二段階にあたる。3月には陪審員がMetaに対し、同州の消費者保護法違反で375百万ドルの賠償を命じており、今回の判決で賠償総額は942百万ドルに達した。これは未成年者関連のソーシャルメディア訴訟では過去最高額となる。

判決では、18歳未満のユーザーに対し、月間利用時間を90時間(1日平均約3時間)に制限し、午後10時から午前7時までと学校時間帯(午前8時から午後3時)のプッシュ通知を禁止すること、18歳未満のユーザーの「いいね」数を非表示にすること、成人ユーザーが未成年者にメッセージを送ることを制限することなどが命じられた。また、性的な内容を含むチャットボットとのやり取りの禁止や、ヌードを含むと疑われる画像のぼかし処理も求められた。

Metaは判決を不服として控訴する方針を表明。「当社はプラットフォーム上の安全性向上に努めており、10代のオンライン保護における実績に自信を持っている」とコメントした。一方、トーレス司法長官は「今日の決定は、ソーシャルメディアが子どもに与える影響を懸念するすべての親と、より安全なオンライン環境で育つ権利を持つすべての子どもにとっての勝利だ」と述べた。

今回の判決は、全米で進行中のソーシャルメディアと未成年者の精神的健康をめぐる訴訟に影響を与える可能性がある。Metaは現在、30以上の州から同様の訴訟を提起されており、8月12日にはカリフォルニア州オークランドで、29州による集団訴訟の連邦裁判が予定されている。また、欧州連合(EU)も、Metaのプラットフォームが「中毒性のある設計」であるとして、デジタルサービス法(DSA)違反の可能性を指摘している。

ドイツ・ライプツィヒ空港で爆発物搭載ドローンをバス運転手が蹴り落とす、連邦検察が捜査開始

ドイツ東部ライプツィヒ/ハレ空港で今週初め、爆発物を搭載したドローンが発見され、連邦検察がテロ対策の観点から捜査を開始した。政府報道官のステファン・コルネリウス氏によると、フリードリヒ・メルツ首相は金曜日に国家安全保障会議を招集し、この事件を協議した。メルツ首相は内務大臣アレクサンダー・ドブリント氏ら閣僚と常時連絡を取り合っているという。

事件は火曜日遅く、空港の滑走路近くで発生した。与党・キリスト教民主同盟(CDU)のデトレフ・ザイフ議員(内務委員会所属)は、バスの運転手が低空飛行していたドローンを蹴って地上に落下させたと明かした。ザイフ議員は「バス運転手の行動は非常に大胆で勇敢だったが、非常に危険でもあった。彼の介入が意図された攻撃を防いだ可能性がある」と述べた。当局は運転手の氏名やドローンの出所、空港の制限区域への侵入経路については明らかにしていない。

連邦検察は、ドローンにプロ用の爆発物と起爆装置が取り付けられていたと発表し、「ドイツの輸送・物流インフラに対する重大な攻撃であり、国内外の安全保障に影響を及ぼす可能性がある」と述べている。ドローンはウクライナの輸送機アントノフAn-124の近くで発見され、NATOの戦略空輸国際解決策(SALIS)の主要拠点として知られるこの空港は、ウクライナへの軍事支援の重要な中継点となっている。

ドイツの一部政治家はロシアの関与を疑っているが、ロシア大使館は「反ロシアヒステリーの新たな波」だとして関与を否定している。事件を受け、ドイツ国内ではドローン防衛体制の強化を求める声が高まっており、緑の党のマルセル・エメリッヒ内政報道官は「40以上の機関が関与する責任の錯綜」を批判し、内務省への権限集中を求めている。また、ラインメタル社のアルミン・パッペルガーCEOは、ドローン攻撃を早期に探知し、必要に応じて撃墜できる体制の構築を訴えた。

モサド、イラン政権転覆計画の失敗で情報局長ら2人を更迭——新長官ゴフマンが組織再編

イスラエル対外情報機関モサドは、イランにおける「政権転覆」計画の失敗を受けて、情報局長とイラン部門責任者の2人の上級幹部を更迭した。イスラエルメディアが報じたところによれば、これは組織改革の一環であり、新たにモサド長官に就任したロマン・ゴフマンの最初の人事措置とされる。

解任された2人は、イラン国内での大規模な反政府デモを誘発し、イラン政府の崩壊を目指す計画の策定に関与していたとされる。この計画は、イスラエルと米国によるイランへの軍事作戦と連動して実行される予定だったが、実際にはイラン国内での広範な反乱は発生せず、逆にイラン社会では外部の脅威に対する結束が強まる結果となった。

モサドは2021年に影響工作部門を設立し、ソーシャルメディアや偽アカウント、AI生成インフルエンサーを用いた世論工作を展開していた。しかし、これらの工作は期待された政治的効果を生まず、イランの政治体制は維持された。元モサド高官は、影響工作の効果は長期的に評価されるべきだと主張しているが、今回の更迭はイラン政策の失敗を認める形となった。

モサドでは6月にデイビッド・バルネア前長官が退任し、ゴフマン新長官が就任していた。イスラエル政府は人事異動を「組織の刷新」と説明しているが、イランに関する戦略的失敗が背景にあるとの見方が強い。

アフガン女性の窮状と世界の女性支援の動き:タリバン政権5年、南ア女性行進70周年を機に

2026年8月、アフガニスタンにおけるタリバン政権掌握から5年が経過し、女性・少女への抑圧が深刻化する中、国際社会では支援の動きが広がっている。国連教育特別特使を務めるゴードン・ブラウン元英首相は、アフガン少女の教育支援のための国際基金の創設を提唱した。一方、南アフリカでは1956年の女性行進から70周年を迎え、女性の経済的公正や安全、メンタルヘルスを含む包括的な支援の必要性が改めて強調されている。

ブラウン氏はガーディアン紙への寄稿で、タリバン政権下で少女の中等教育が禁止され、女性が大学や公的部門での就労を禁じられるなど、女性の権利が組織的に否定されている現状を報告。6月には女性権利デモへの発砲で2人が死亡した事件も発生したと指摘する。同氏は、児童婚や家庭内暴力を合法化する動きに対抗し、教育が女性のエンパワーメントの鍵であると主張。英国の難民再定住制度を活用しつつ、アフガン少女の教育継続を支援する基金の創設を呼びかけている。

南アフリカでは、8月9日の国民女性の日を前に、政府高官や専門家が女性の経済的公正と社会参加の促進を訴えた。女性・青少年・障害者省のプラヴィーナ・スクラジ=イーリー長官代行は、憲法が保障する実質的平等の実現には、女性の経済的エンパワーメントが不可欠だと強調。また、HIV感染やジェンダー暴力、月経の貧困など、女性が直面する複合的な課題に対し、統合的で少女中心のケアモデルが必要だと指摘する声も上がった。臨床心理学者のドクター・ケイトゥメッセは、女性が危機を待たずにセラピーやウェルネスを日常に取り入れることの重要性を説いた。

こうした動きは、アフガニスタンや南アフリカに限らず、世界中の女性が直面する構造的不平等への認識を高め、連帯と行動を促すものとなっている。タリバン政権下のアフガン女性への支援は、国際社会の道義的責任として、具体的な資金メカニズムの構築が急務となっている。

バングラデシュ新政権、民主化・ブルーエコノミー・河川再生へ多角的施策を推進

バングラデシュでは、7月蜂起から2年を経て新政権が民主主義の制度化、海洋資源の活用、河川再生など多角的な施策を推進している。情報放送大臣ザヒル・ウディン・スワポン氏は、7月蜂起が真の民主的価値と構造を確立・制度化する前例のない機会をもたらしたと強調し、全ての民主勢力と若い世代に対し、蜂起の殉教者が残した責任を深く受け止めるよう求めた。また、土地・チッタゴン丘陵地帯問題担当国務大臣バリスタ・ミール・モハメド・ヘラル・ウディン氏は、蜂起は特定の個人や集団の成果ではなく、バングラデシュの1億8千万人の国民に属するものであり、誰も所有権を主張できないと述べた。

内務大臣サラフディン・アハメド氏は、コックスバザールでの式典で、海洋資源と港湾を適切に活用すれば国は多大な収入を得られるとし、ブルーエコノミーの潜在力を引き出す計画を進めていると表明。さらに、コックスバザールを中心とした海洋教育・研究のための海洋大学設立計画や、深海ガス探査の承認、観光産業の国際水準への引き上げなどの構想を明らかにした。水資源大臣シャヒドディン・チョウドリー・アン氏は、国内全域で少なくとも2万キロメートルの運河を再掘削する計画を発表し、農業生産の向上、灌漑改善、生態系回復、内陸水運の強化、雇用創出、地下水低下の回復を目指すと述べた。

一方、スポーツ担当国務大臣アミヌル・ハク氏は、元クリケット選手シャキブ・アル・ハサン氏について、現在の政治的な立場から通常のプロセスでの帰国はもはや不可能であり、帰国を望むなら法的な道を歩む必要があると述べた。法務・司法・議会問題大臣モハメド・アサドゥザマン氏は、シェイク・ハシナ前首相が12月に帰国し、大量殺害の責任を取って刑務所に入ることを望むと発言した。内務大臣は、ハシナ氏の主張は重要視する必要はなく、国外から不安定化を試みても国民は受け入れないと退けた。

マレーシアでは、マラッカ州首相ダトゥク・スリ・アブ・ラウフ・ユソー氏が、持続可能な景観開発の基盤が確立されたと述べ、樹木保護命令の施行や2022年の景観ガイドライン導入、デジタル管理システム『MyTrees@Melaka』の開発を紹介した。また、第二財務大臣ダトゥク・スリ・アミル・ハムザ・アジザン氏は、国内の資金は十分にあり、企業をシードキャピタルからベンチャーキャピタル、プライベートエクイティ、そしてIPOへとつなぐ「リレーレース」構想の重要性を強調した。タイでは、財務大臣エクニティ・ニティタンプラパス氏が、国内生産拠点を設立する自動車メーカーへの物品税率引き下げを計画しており、9月までに閣議に提出する見込みだと明らかにした。

コロンビア新政権発足、米国との軍事協力加速とエネルギー政策の転換が鮮明に

コロンビアで7日、アベラルド・デ・ラ・エスプリエラ大統領が就任した。就任式は首都ボゴタではなく、薬物暴力が深刻な南西部の都市カリで挙行され、約1万1千人の軍部隊が動員される厳重な警備体制が敷かれた。デ・ラ・エスプリエラ氏は「国土の支配を及ぼすことが最優先課題だ」と述べ、反政府武装組織への軍事圧力強化と歳出削減による財政再建を掲げている。

新政権の安全保障政策を巡っては、米国との軍事協力拡大が具体化しつつある。米陸軍次官補代理(西半球担当)のジョセフ・ヒュミア氏は7月21日、コロンビアの次期国防相らとのペンタゴン会合後、「プラン・パトリオタ2.0」と名付けた新たなパートナーシップ構想を交流サイトで表明した。情報共有、麻薬密輸業者の引き渡し、ヘリコプター調達、対ドローン装備、コロンビア国内への地域訓練センター設置、コカ空中散布再開などが協議されている。ただし、正式な条約や覚書は未署名で、ペトロ前政権下で約4億ドルから約1億8,700万ドルに減少した米国の治安支援の回復が焦点となる。

エネルギー政策では、新政権発足を前に前任のペトロ政権が矢継ぎ早に規制を打ち出した。7月20日には水圧破砕法(フラッキング)全面禁止法案を上院に提出。さらに8月4日には、コロンビア大陸領土の約42%に相当する48万3,283平方キロメートルを新規の鉱業権や石油契約から除外する決議が環境省によって署名された。しかし、新政権の副大統領ホセ・マヌエル・レストレポ氏は6月、就任日にフラッキングを認める政令を発出すると明言しており、新環境相ファビオ・アルホナ氏も「規制することは統治ではない」と述べ、この決議は「紙の上に残る」との見方を示した。新政権は保護地域を除いてフラッキングによる探査再開を目指す構えで、政策の転換が確実視される。

国営石油会社エコペトロルを巡っては、就任式当日の7日朝、検察庁が競争当局に対し、同社と子会社セニット、オセンサを対象とする制裁判断の前に質問への回答を求める緊急文書を送付した。2011年から2023年にかけての6件の航空輸送入札(総額4,000億ペソ超、約1億1,000万ドル)を巡る談合疑惑で、制裁金は9桁(1億ドル以上)に上る可能性がある。この措置は差し止めではなく、規制当局の回答と諮問委員会の意見待ちとなる。回答が期限内に来なければ、決定は新政権に委ねられる。エコペトロルは現在、常任CEOが不在の過渡期にあり、新政権の下で経営体制も刷新される見通しだ。

ドイツでは、極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」の支持率が28%に達し、過去最高を更新した。9月に実施される東部ザクセン=アンハルト州とメクレンブルク=フォアポンメルン州の州選挙では、AfDが首位を走る。ベルリンで7月25日に起きたテロ事件を受け、回答者の3分の1がテロ被害を強く懸念し、7割がイスラム主義テロを最大の脅威と見なしている。政治不信も深刻で、回答者の過半数が政治の根本的な変革を求めている。

デ・ラ・エスプリエラ新政権の誕生は、ラテンアメリカ全体の右傾化を象徴する出来事だ。ペルー、チリ、エクアドルでも保守系指導者が相次いで勝利しており、米国のトランプ政権との連携強化が進む。新政権はキューバとの断交やイスラエルとの国交回復など、外交面でも米国寄りの姿勢を鮮明にしている。一方、ペトロ前大統領は選挙結果の認定を拒否し、不正を主張しており、新政権の政策を巡って国内の対立が激化する可能性がある。治安対策の強化が人権侵害につながるとの懸念も根強い。

アフリカ週間情勢:ナイジェリア国営石油会社の上場公約、南アの水素基金30億ランド調達、ブルキナファソのサンカラ記念碑計画

アフリカ大陸では今週、各国が自国の資産に明確な価格を付ける動きが相次いだ。ナイジェリアのボラ・ティヌブ大統領は6日、国営石油会社(NNPC)を改革し、ナイジェリア証券取引所に上場させる方針を表明した。時期は明示されず、計画ではなく公約としての位置づけだ。同国の株式市場は2023年の約30兆ナイラから現在約160兆ナイラへと価値が増大し、主要株価指数も52,000ポイントから244,000ポイントへ上昇している。

南アフリカでは、政府系基金を含む5つの機関が、グリーン水素プロジェクト向けのSA-H2ファンド(気候投資家スリー)に総額30億ランド(約1億8,200万ドル)をコミットした。出資者には、政府職員年金基金を代表する公的投資公社(PIC)のほか、欧州委員会(グローバル・ゲートウェイ戦略)、オランダの国営投資会社インベスト・インターナショナル、サンラム生命保険、産業開発公社(IDC)が名を連ねる。ファンドは2028年半ばまでに120億ランドの最終クローズを目指す。

モロッコでは、民間病院グループのAKDITALが国際持株会社の15%をサウジアラビア系投資家のアラブ・インベストに売却する。また、サハム銀行は5億ディルハムの資本増強プログラムを開始した。ナミビアは産業脱炭素化のため約2億5,000万ドルの資金を求め、リチウムと希土類の国内加工を条件として主張している。

ブルキナファソ政府は、1987年に暗殺された革命指導者トーマス・サンカラを記念する施設に1,170億CFAフラン(約1億9,000万ドル)を計上した。倹約を説いた指導者を称える巨額の支出には注目が集まる。一方、南アフリカでは2026年地方選挙に向け、有権者名簿が7日深夜に締め切られ、選挙管理委員会(IEC)は8月28日を候補者指名の期限とする選挙スケジュールを発表した。

ブエノスアイレス大司教、サン・カエターノの日に政府を批判「パンと仕事を求める声に応えよ」

8月7日のサン・カエターノの日、ブエノスアイレス大司教ホルヘ・ガルシア・クエルバはリニエルスの聖堂で説教を行い、経済状況をめぐって政府への批判を展開するとともに、社会に対しても「物価上昇や賃金不足に受動的かつ沈黙して甘んじること」への警告を発した。

ガルシア・クエルバ師は「公共交通機関の運賃、料金、家賃、食料品の値上がりに、私たちは受動的かつ沈黙して甘んじている。給料が足りないと平和的に訴えることもなく、食べるためにゴミをあさる兄弟たちに対して何も言わない」と述べ、経済的な繁栄が一般市民に届かないことへの苛立ちを表明した。また、約束を果たさない指導者や、貧困層の現実から乖離した政治家を批判し、家族の債務不履行増加に言及して「借金で窒息する罠」に陥る危険性を警告した。

さらに、教皇レオ十四世の回勅『マニフィカ・フマニタス』を引用し、「経済的自由は絶対的なものではなく、常に共通善と各人の尊厳に照らして衡量されなければならない」と強調。これは、経済的自由を重視する大統領の言説への暗黙の批判と受け止められている。一方、聖堂には早朝から多くの信者が詰めかけ、寒さと雨の中を徹夜で待つ人々も見られた。ブエノスアイレス州知事アクセル・キシロフや労働運動指導者ロベルト・バラデル、社会運動家フアン・グラボイスも姿を見せた。

経済 (Economy)

ホルムズ海峡封鎖で原油高止まり、航空運賃上昇へ:中東情勢が世界経済に影

中東情勢の緊迫化が世界のエネルギー市場と航空業界に深刻な影響を及ぼしている。イラン戦争に伴うホルムズ海峡の封鎖により原油価格は高止まりし、アブダビ国営石油会社(ADNOC)は攻撃で事業に重大な影響を受けていると表明した。また、イエメンのフーシ派はサウジアラビアへの封鎖を強化し、紅海北部の主要な石油輸送ルートを脅かしている。この状況を受け、専門家は航空運賃の高止まりが続くと予測している。

ADNOCは7日、声明で「イラン戦争開始以来、自社の船舶15隻がホルムズ海峡通過中にミサイルや無人機による攻撃を受け、乗員1名が死亡、20名が負傷した」と明らかにした。同社は「不当な攻撃」による事業への重大な影響が続いているとしつつも、人員・資産・事業を保護し、顧客の要求に可能な限り応えていると述べた。また、国際水路における商業船舶の自由航行と安全な通過が尊重され、保護されなければならないと強調した。

一方、フーシ派は水曜日、紅海北部のサウジアラビア主要港湾都市ヤンブー沖でサウジアラビアの石油タンカー「NCC Wafaa」に対して弾道ミサイルを発射したと発表した。これは7月22日にフーシ派がサウジアラビアへの封鎖を宣言して以来、最も北方での攻撃となる。アナリストは、攻撃がさらに北のエジプトやスエズ運河方面に拡大すれば、湾岸王国への経済的圧力が強まると警告する。フーシ派は封鎖宣言以降、8隻のタンカーを攻撃したと主張しており、うち少なくとも5隻はサウジアラビア籍、1隻はインド籍で、後者は8月4日にバブ・エル・マンデブ海峡付近で沈没したとされる。ただし、英国海運貿易業務センター(UKMTO)が独立に確認したのは4件のみで、サウジアラビア当局はいずれの攻撃も確認していない。

サウジアラビアはホルムズ海峡封鎖後、紅海のヤンブー港からの輸出に依存を強めており、東部から紅海に至る東西パイプライン経由の輸出量は3倍以上に増加した。しかし、フーシ派の封鎖によりバブ・エル・マンデブ海峡経由の輸送が制限され、サウジアラビアの主要な代替ルートが脅かされている。船舶追跡会社クプラーのアナリスト、マシュー・ライト氏は「原油貿易への脅威という点では、この危機が始まって以来、最悪の時期にある」とBBCに語った。

原油価格は7日、ホルムズ海峡を巡る不確実性から上昇し、ブレント先物は1.2%高の1バレル83.48ドル、WTI先物は1.1%高の78.84ドルとなった。イランはオマーンと協力し、ホルムズ海峡を通過する船舶への新たな規制を提案しており、敵対的な船舶の航行禁止や高額な罰金、通過料(イランは積荷価値の5〜7%、オマーンは約3%)を課す可能性がある。米国は通過料に反対している。

航空業界では、米国内の航空運賃が前年比26.5%上昇し、世界的にも2025年比で25〜30%上昇している。ジェット燃料価格は2026年初頭の1バレル90ドルから8月4日時点で149ドルへと65%上昇しており、原油価格の上昇(1月比約30%高、約76ドル)を上回っている。これは、精製された石油のうちジェット燃料に転換できるのは平均約10%に過ぎず、供給ショックに脆弱であるためだ。商品データプロバイダーのアーガス・メディアで航空部門グローバルヘッドを務めるルイーズ・バーク氏は「製品が限られれば限られるほど、供給ショックの影響を受けやすい」と指摘する。また、ボーイングとエアバスの納入遅延や米連邦航空局(FAA)の人員不足も航空運賃高騰の一因となっている。

アナリストらは、たとえ米国とイランの停戦が実現して原油価格が下落しても、航空運賃の高止まりは続くと予測する。航空データ会社OAGの首席アナリストは「航空会社にとって燃料費は最大の運航コストであり、最も制御が難しい。戦争中は値上げの絶好の口実になる」と述べた。旅行サイト「ゴーイング」の広報担当ケイティ・ナストロ氏は、格安航空会社スピリット航空の撤退により競争が減り、運賃がさらに上昇する可能性があると指摘する。感謝祭の運賃は2025年比19%上昇しており、「今のうちにチケットを買わないと、値下がりを期待するのは希望的観測だ」と述べた。

アジア市場、AI依存の脆さ露呈 韓国は急反落、東南アジアは底堅く

7日のアジア市場は、人工知能(AI)ブームの恩恵を受ける北東アジアと、内需主導で成長する東南アジアの明暗が鮮明となった。韓国の総合株価指数(KOSPI)は寄り付き9分後に1.83%上昇したものの、エヌビディアが次世代プロセッサー「ルビン・ウルトラ」の搭載メモリーを減らす可能性があるとの報道を材料に、SKハイニックスが急落し、結局0.60%安の6,258.77で引けた。一方、インドネシアのジャカルタ総合指数は1.04%高、ベトナムの指数も小幅高と、底堅さをみせた。

韓国取引所は、来週月曜日に主要資産運用会社と証券会社のETF・ETN担当者を緊急招集し、9月14日導入予定の時間外取引(アフターマーケット)への参加見送りが確定したのかを確認する方針だ。市場変動性の高まりを受け、金融当局と協議の上で申請受付を一時保留しており、業界の実情を直接聞く考えだ。SKハイニックスは同日、龍仁(ヨンイン)と清州(チョンジュ)に約54兆ウォン(約383億ドル)を投じ、新工場を建設すると発表した。AI需要に対応するためで、龍仁のY2工場は2029年6月、清州のM17工場は2028年12月にそれぞれ第1クリーンルームを開設する予定である。

中国の7月の輸出は前年同月比23.9%増と、予想の22.2%増を上回った。貿易黒字は1,125億ドルに達し、AIインフラ需要が輸出を押し上げている。日本では679社が決算を発表したが、日経平均は76.55円安の65,606.71と続落した。ソフトバンクグループの純利益が前年比17.7%減となったことが重荷となった。ベトナムは上半期の成長率が8.18%に達し、7月の鉱工業生産は前年比14.5%増と好調を持続している。

韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領は7日、過去の強制的な海外養子問題について「真実を完全に究明する」と約束した。同国は1955年から1999年にかけて14万人以上の子どもを海外に送り出しており、政府の関与が指摘されている。一方、パキスタンホッケー連盟は、韓国との最終テストマッチでU-21代表を起用すると発表した。シニア代表がシリーズを3勝0敗で確定させたことを受けた若手育成策である。

中国AIチップ大手・寒武紀、上半期売上高108%増—国内需要と技術自立政策が追い風に

中国の人工知能(AI)チップ大手である寒武紀(Cambricon Technologies)は、2026年上半期の売上高が前年同期比108%増の60億元(約8億9000万米ドル)に達したと発表した。利益も前年比122.6%増の23億元に拡大した。同社は証券取引所への提出書類で、AIコンピューティング需要の着実な増加が業績を押し上げたと説明し、「AIチップにおける中核的競争力を活用し、金融・インターネット分野の主要企業との緊密な連携を強化した」と述べている。

この好調な業績は、中国政府による技術自立化の推進と大規模なAIインフラ整備を背景とした中国AIチップ産業全体の活況を象徴している。米国の輸出規制によりエヌビディアなど先端AIアクセラレーターの調達が制限される中、国内設計企業が市場の空白を埋めるべく急成長している。

アルゼンチンで複数通貨・暗号資産が同時に乱高下、2026年8月7日の為替・金融市場を総覧

2026年8月7日、アルゼンチンでは公式ドル、ブルー・ドル、ユーロ、レアル、ビットコイン、イーサリアムなど多様な通貨・暗号資産が同時に変動し、金融市場の複雑な様相を呈した。公式ドルは銀行窓口で買い1470ペソ、売り1520ペソで取引され、ブルー・ドルは買い1510ペソ、売り1530ペソと公式との差は3%にとどまった。一方、観光ドル(タリエタ・ドル)は1976ペソと公式に30%の上乗せがなされ、ブルー・ドルとの差は31%に達した。

主要な金融指標では、CCLドルが1576.30ペソ、MEPドルが1518.10ペソ、暗号ドルが1567.44ペソ(買い)と、いずれも前週比ほぼ横ばいで推移した。ユーロはアルゼンチン国内で1670ペソ(買い)・1770ペソ(売り)とされ、国際市場では1ユーロ=1.08ドルで取引された。ブラジルレアルは289ペソ(買い)・304ペソ(売り)で、年初来では7.84%上昇している。

暗号資産では、ビットコインが6万4552ドル(前日比0.41%安)、イーサリアムが1908ドル(同0.17%安)と小幅に下落した。ビットコインは年初来の最高値12万6198ドル(2025年10月6日)から大きく後退している。また、ベネズエラではユーロが872ボリバル(前日比0.11%安)、ウルグアイでは46.43ペソ(同0.07%高)、ペルーでは3.90ソル(同0.25%安)など、ラテンアメリカ各国でユーロの値動きに差が見られた。

一方、インドでは2026年8月3日から株式市場の終値決定方法が変更され、F&O銘柄約200社で終値が30分平均からオークション方式に移行した。初日はナイフティが急騰し、先物との乖離が110ポイントに達するなど混乱が見られたが、長期的にはインデックスファンドのトラッキングエラー縮小が期待される。

社会 (Society)

タイの学校銃撃事件、教師5人死亡・30人以上負傷:14歳の少年が犯行か、タイ社会に銃規制の議論再燃

タイ・ノンタブリー県の名門校デブシリン校で8月7日朝、14歳の少年が銃を発砲し、教師5人が死亡、生徒を含む30人以上が負傷した。犯人の少年は犯行後、自身も銃で自殺した。警察によると、少年は先に祖父母を射殺した後、学校に赴き教室を次々と襲撃した。目撃した7年生の女子生徒は「先生の前に立っていたとき、先生が撃たれた。彼女が私に話しかけていたときに犯人が現れた」とBBCに語った。

警察は犯行に使われた9ミリ拳銃は少年の祖父のものとみており、犯人の射撃は「非常に正確」で、複数の弾が被害者の「急所」を捉えていたと明らかにした。動機についてはまだ明らかにされていないが、アヌティン首相は「勉強のプレッシャーが関係していた可能性がある」と述べた。また、教育当局は少年を熱心なゲーマーと表現し、学校の教師は「優秀な生徒で、攻撃的ではなく、成績も良かった」と証言している。

タイでは2022年に保育所で37人が死亡する銃乱射事件が発生するなど、銃犯罪が深刻化している。国内では700万人以上が銃を所有しているとされ、そのうち100万人以上が無許可とみられる。野党・人民党のナッタポン党首は「社会で最も安全な場所であるべき教育機関での暴力行為は、タイ社会が銃規制を真剣に体系的に見直すべきであることを強く示している」とフェイスブックに投稿した。

南アジアと南米で豪雨災害相次ぐ、デリー首都圏はレッドアラート発令

インドのデリー首都圏(NCR)とバングラデシュ、アルゼンチンで豪雨による交通麻痺や浸水被害が相次いでいる。インド気象局(IMD)はデリーにレッドアラートを発令し、8月10日まで断続的な大雨が続く見通しを示した。

デリーでは、サフダルジャンで59.2ミリ、ロディロードで60.4ミリの降雨を記録し、低地の広範囲で浸水が発生。バラプラ・フライオーバーやメフラウリ・バダルプール通りなど主要道路で大規模な渋滞が発生し、通勤客らが長時間足止めされた。南部のファテープル・ベリ地区では、住民が青いビニールシートを即席のいかだにして児童を冠水した道路の向こうへ運ぶ姿が見られた。住民によると、この地域は約60年にわたり洪水被害に悩まされており、不完全な雨水排水路と下流の不法占拠が原因だという。また、マルビヤ・ナガル駅近くでは倒木も発生した。

バングラデシュでは、集中豪雨による道路損傷の補修工事が遅れ、ダッカ・チッタゴン高速道路で15キロに及ぶ渋滞が発生した。マイナマティ地区からスアガジ地区まで車列が延び、救急車も立ち往生した。警察は移動チームを投入して対応に当たったが、過去2日間で少なくとも貨物トラック4台が道路のくぼみにはまり、撤去作業に時間がかかったという。

一方、アルゼンチンのパンアメリカン高速道路では、6台が絡む多重事故が発生し、少なくとも5人が負傷した。オートバイの運転手が対向車線に飛び出したのを避けようとした車両が次々と衝突したもので、現場周辺は大渋滞となった。

これらの豪雨被害は、モンスーン期の南アジアや南半球の気象変動の激しさを改めて浮き彫りにした。特にデリーでは、排水インフラの不備が長年の課題となっており、今回の大雨でその脆弱性が再確認された。気象当局は今後も断続的な大雨が続くとして、住民に不要不急の外出を控えるよう呼びかけている。

欧州・南アフリカで深刻化する水不足、産業と生活に影響

記録的な干ばつと河川の低水位が、欧州と南アフリカで産業活動と住民生活に深刻な影響を及ぼしている。ドイツではライン川の低水位を受け、ラインラント=プファルツ州、ノルトライン=ヴェストファーレン州、ザールラント州の3州が、日曜・祝日の大型トラック通行禁止を一時的に解除する措置を導入した。これは、河川輸送が制限される中で、貨物を道路に振り替え、サプライチェーンを維持するための緊急対応である。連邦交通相はこの措置を提案したが、実施を決定したのは各州政府である。

ハンガリーでは、ドナウ川の歴史的な低水位により、同国唯一の原子力発電所パクシュ原発が一部停止を余儀なくされた。新政府は、旧オルバン政権が気候変動への適応策を怠ったと批判し、再生可能エネルギーの拡大や、ロシア国営原子力企業ロスアトムが建設するパクシュII計画の見直しをめぐる議論が活発化している。

ケルンに本社を置く特殊化学品大手ランクセスは、低水位による生産停止リスクに備えている。同社のマティアス・ツァヒャルト取締役会会長は、状況は2018年の干ばつ時よりも悪化しており、船舶の積載率は20〜30%に低下、多くの積み下ろし場が利用不能になっていると述べた。同社は代替輸送手段への切り替えや設備投資により対応しているが、追加物流コストはすでに数百万ユーロに達している。

南アフリカのクワズールー・ナタール州南海岸地域では、2027年4月30日まで給水制限が実施される。水需要が長期的な持続可能な取水量を上回っているためで、1日あたりの総給水量は13メガリットルに制限される。一方、ダーバン南部では、主要パイプラインの破損による断水が続いていたが、修復工事が完了し、8月7日午後から給水が再開される見込みである。

欧州と南アフリカの水不足は、気候変動の影響が現実のものとなる中で、産業・物流・エネルギー政策・日常生活のあらゆる側面に波及している。各国・地域は、水資源の持続可能な管理と、気候変動への適応を迫られている。

科学・技術 (Science & Tech)

AIが設計した合成ウイルス16種がスーパーバグを撃破、バイオセキュリティの新たな課題も浮上

スタンフォード大学とアーク研究所の研究チームが、人工知能(AI)を用いて自然界に存在しない完全新規のウイルス16種を設計・合成することに世界で初めて成功した。研究成果は8月6日付の科学誌『Science』に掲載された。チームはゲノム言語モデル「Evo 1」と「Evo 2」を用いて、大腸菌(E. coli)のみに感染するバクテリオファージ(ファージ)の全ゲノム配列をゼロから設計。合成した約300の候補のうち16種が実際に機能し、抗生物質に耐性を持つ大腸菌を死滅させることに成功した。

この成果は、薬剤耐性菌(スーパーバグ)対策への応用が期待される一方、AIが病原性ウイルスを設計できることを示し、バイオセキュリティ上の懸念も高めている。研究チームは訓練データからヒトや動物に感染するウイルスを除外するなどの安全対策を講じたが、ジョンズ・ホプキンス大学の専門家は、AIによるウイルスゲノム設計の能力が現実のものとなった以上、国際的な規制枠組みの構築が急務だと警鐘を鳴らす。Evo 2はオープンソースとして公開されており、誰でも利用可能な点も議論を呼んでいる。

文化 (Culture)

香港在住デザイナー、プラダを提訴 ロールス・ロイス改装計画の破棄めぐり約7億5,000万円の損害賠償請求

香港在住のベルギー人デザイナー、ジョナサン・リス(本名ジョナサン・ティエリー・コラン)が、高級ブランド「プラダ」を相手取り、少なくとも500万米ドル(約7億5,000万円)の損害賠償を求める訴訟を香港高等裁判所に提起した。リス氏は、プラダが世界的な展示会・イベント向けにロールス・ロイス車を再設計するパートナーシップ契約を一方的に破棄したと主張している。

8月6日に提出された訴訟で、リス氏は、香港上場のプラダが説明責任上の理由から共同マーケティング構想を一方的に放棄したとして、書面および口頭の複数の契約違反を主張。被告にはプラダ会長のパトリツィオ・ベルテッリ氏、同氏の妻でデザイナーのミウッチャ・プラダ氏、そして同社取締役を務める息子のロレンツォ・ベルテッリ氏も名を連ねている。

リス氏は高級ファッションブランド「ジェイ・アール」の創設者であり、ルイ・ヴィトン、エルメス、ロールス・ロイスなど国際的なブランドとのコラボレーションで知られる。同氏は香港島南部の黄竹坑にある工業ビルにスタジオを構えており、ジェイ・アールの自動車部門であるアーセナル・リミテッドが訴訟の第二原告となっている。

原告側弁護士によると、リス氏は2024年2月にパトリツィオ・ベルテッリ氏からプラダの「ガッレリア」バッグと「ナイロン」バッグの変革を依頼され、その後、両者はプラダとジェイ・アールの特徴的な要素を取り入れたネオ・プロトタイプ構想に合意したという。訴訟は今後の審理で、契約の詳細や損害額の算定が争点となる見通しだ。

バングラデシュ国立芸術アカデミー、無料映画祭を開催へ

バングラデシュ・シルパカラ・アカデミー(BSA)は、8月9日から11日までダッカの国立美術館講堂で、3日間の映画祭「Cholochhitro Utshob: Ekal Shekal」(映画祭:過去と現在)を開催し、バングラデシュ映画6作品を無料上映する。劇場・映画部門が主催するこの映画祭は、「すべての人に映画を、すべての人に芸術と文化を」というスローガンのもと、現代と古典のバングラデシュ映画を紹介する。

映画祭は8月9日午後5時に開幕し、午後6時からメジバウル・ラフマン・スモン監督の『ロイド』、午後8時からザヒル・ライハン監督の『人生から得たもの』が上映される。8月10日には、カーン・アタウル・ラフマン監督の『再び人間になれ』が午後5時30分から、モハマド・ヌルザマン監督の『マストゥル』が午後8時から上映される。最終日の8月11日には、アムジャド・ホセイン監督の『ドゥイ・ポイシャル・アルタ』が午後5時30分から、アクシュ・ハク監督の『チャンカルプル大学』が午後8時から上映される。BSAによると、すべての上映はチケットなしで一般公開される。

映画祭に先立ち、8月7日にアカデミーの劇場・映画部門セミナールームで「現代の文脈における映画の過去と現在」と題したセミナーが開催される。バングラデシュ・シルパカラ・アカデミーの事務局長レザウディン・スターリンが議長を務め、情報・放送・文化省の政策・戦略顧問であるザヒド・ウル・ラフマンが首席ゲストとして出席する。基調講演はアクタニン・カイエル・タニンが行い、映画監督のマティン・ラフマン、シャヒーン・ディル=リアズ、モハマド・ヌルザマン、SM・イムラン・ホセイン、バングラデシュ映画協会連合会会長のザヒルル・イスラム・コチが討論に参加する。

Netflix、中南米・米国で7月最終週の視聴ランキング発表 「エリーズ:ある女の影」が複数国で首位に

世界で最も有名なストリーミングプラットフォームであるNetflixは、7月27日から8月2日までの期間における各国の映画・シリーズの視聴ランキングを週次で更新している。今回、ウルグアイ、ベネズエラ、ペルー、パラグアイ、アメリカ合衆国など、複数国におけるトップ10が発表された。

映画部門では、スペイン語圏の複数国(ウルグアイ、ベネズエラ、ペルー、パラグアイ)で『エリーズ:ある女の影』が首位を獲得した。一方、アメリカ合衆国では『72時間』が1位となっている。その他、『カンフー・パンダ4』『72時間』『借金取り』などが各国のトップ10に名を連ねた。

シリーズ部門では、『もう一人の父:シーズン1』がベネズエラ、ウルグアイ、ペルー、パナマ、パラグアイ、メキシコ、グアテマラ、ホンジュラス、エルサルバドルで首位を獲得。アメリカ合衆国では『アイダホ大学殺人事件:大学の悪夢:シーズン1』が1位となった。

これらのランキングは、Netflixが世界の映像消費における主要な窓口としての地位を改めて示すものであり、各国の文化的傾向や視聴者の嗜好を反映している。同プラットフォームは、シリーズやフィクションの消費方法を確実に変革し、多様なジャンルや語り口が幅広い視聴者と結びつく様子が浮き彫りとなった。

スポーツ (Sports)

FIFA会長インファンティーノを巡る世界サッカー界の分裂:アルゼンチン・メキシコが支持、ノルウェーが辞任要求、UEFAはボイコット姿勢を堅持

FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長を巡り、世界のサッカー界が深い分裂を見せている。インファンティーノ会長がワールドカップの商業権の一部を民間投資家に売却する計画(FIFA Forward Enterprise)を撤回した後、各地域連盟や各国協会が支持・不支持を表明。アフリカサッカー連盟(CAF)は全会一致で支持を決めた一方、欧州サッカー連盟(UEFA)はFIFA主催大会のボイコット姿勢を維持している。

南米サッカー連盟(CONMEBOL)は、全211加盟協会による投票を経ないインファンティーノ会長の解任を拒否する声明を発表。アルゼンチンサッカー協会(AFA)はインファンティーノ会長宛ての書簡で、過去10年間のFIFAの取り組みを評価し、「明確で安定し透明性のあるガバナンスモデル」を称賛した。メキシコサッカー連盟(FMF)も、自らの地域連盟であるCONCACAFがインファンティーノ会長の「包括的な総括」を求めたにもかかわらず、会長のリーダーシップを支持すると表明した。

一方、ノルウェーサッカー連盟(NFF)のリーセ・クラベネス会長は8月7日、インファンティーノ会長に辞任を要求。「彼は現在の時代においてFIFAを安定的に統治するために必要な制度的信頼を得ていない」「国際サッカー協力は大きな危機に瀕しており、我々は今こそ結束する理由が必要だ」と述べた。UEFAは、インファンティーノ会長の謝罪では不十分であり、「このような形で試合を損なう試みが二度と行われない」という保証が得られるまでボイコットを続けるとしている。

この対立は、来年3月にモロッコで開催予定のFIFA総会でのインファンティーノ会長の4期目選出にも影を落としている。イングランド、ウェールズ、アルバニア、クロアチアなど一部の欧州協会は支持を撤回したが、アジアサッカー連盟(AFC)の一部加盟国(インドネシア、フィリピン、カタールなど)は支持を表明。インファンティーノ会長はなお相当な支持を集めており、世界サッカー界の主導権を巡る攻防は長期化の様相を呈している。

ロドリ移籍騒動:バルセロナが獲得レースで逆転、マン・シティは初回オファーを拒否

マンチェスター・シティに所属するスペイン代表MFロドリ(30歳)の移籍を巡る状況が大きく動いた。ワールドカップ優勝で大会最優秀選手に輝いたロドリに対し、レアル・マドリードが獲得に動いていたが、バルセロナが逆転で獲得レースの最有力候補に浮上している。シティはバルセロナからの最初のオファー(約3850万ポンド=5200万ドル)を拒否したが、両クラブ間の交渉は継続中である。

ロドリはシティとの契約が残り1年となっており、スペイン復帰を強く望んでいる。レアル・マドリードはワールドカップ優勝直後から「断り切れない」オファーを提示し、交渉を進めていたが、ロドリ本人がバルセロナ行きを選択したと報じられている。代理人のパブロ・バルケロ氏は「マドリードへの敬意から、ロドリはバルセロナに加入する決断を伝えた」と語った。バルセロナはフレンキー・デ・ヨングの負傷離脱(少なくとも4か月)を受けて、緊急の補強を模索しており、ロドリを最優先ターゲットとしている。

シティはロドリの移籍金として約6800万ポンド(約65億円)を要求しているとみられる。バルセロナの最初のオファーは45百万ユーロ+変動5百万ユーロと報じられたが、拒否された。両クラブは引き続き交渉を続けており、移籍市場の閉幕(8月末)までに合意を目指すとみられる。一方、シティはロドリの後釜として、リール所属の18歳モロッコ代表MFアユブ・ブアディの獲得も視野に入れているが、リール側が約8600万ポンドの移籍金を要求しており、交渉は難航している。

ラグビー「史上最強のライバル対決」開幕、オールブラックスが南ア遠征初戦を制す

南アフリカ遠征に乗り出したニュージーランド代表オールブラックスは7日、ケープタウンで行われた「ラグビーズ・グレイテスト・ライバルリー」ツアー初戦で、地元チームのストーマーズを38-21で下した。30年ぶりとなる南アフリカでのフルツアー開幕戦は、終盤に突き放すまで苦戦を強いられる誤りの多い内容となった。

試合はケープタウン・スタジアムで開催され、4万7130人の観客が詰めかけた。オールブラックスは開始2分で先制するも、ストーマーズもスクラムとモールで健闘し、65分には14-14の同点に追い付く粘りを見せた。終盤にサミソニ・タウケイアホの2トライなどで突き放したオールブラックスが、ベウデン・バレットの3コンバージョンなどで勝利を収めた。ストーマーズは39歳のベテラン、デオン・フーリエとウィングのセアベロ・セナトラがトライを挙げ、20歳の新人フライハーフ、ヤキーン・アーメドがデビュー戦で2コンバージョンを成功させた。

この試合では、オールブラックスのリエコ・イオアネがハカを先導し、スタジアムが静寂に包まれる中での迫力あるパフォーマンスが観客を魅了した。ストーマーズは終盤にペナルティートライも獲得するなど最後まで諦めず、今後のツアーに期待を持たせる内容となった。

一方、南アフリカ代表スプリングボクスは、8日にブエノスアイレスでアルゼンチン代表プーマスとの一戦に臨む。シオヤ・コリシ主将が負傷から復帰し、エベン・エツベスやルード・デヤーヘルら主力も戻る中、ラシー・エラスムス監督は「多くの選手が負傷から戻ってくる。厳しい試合になるだろう」と語った。アルゼンチンは国際ウィンドー外の試合のため欧州組の主力を欠き、13人を入れ替えた若い布陣で挑む。両チームとも約15人の欠員を抱える中での一戦となる。

また、オールブラックスは10日にダーバンでシャークスと対戦する。シャークスには元オールブラックスのマア・ノヌが短期契約で加入し、ベンチ入りすることが発表された。44歳のノヌは、2003年から2015年まで103キャップを誇った古巣との対戦に臨む。シャークスは若手中心の布陣で、元スプリングボクスのヴィンセント・コッホらが先発する。