28日午後4時27分頃、日本南西部の九州・熊本県でマグニチュード7.1の地震が発生した。高市早苗首相は30日、死者数が30人に上昇したと発表した。この数字には地震との関連性を現在も調査中の事例も含まれており、県内では倒壊した建物やインフラの復旧作業、ならびに要救助者の捜索活動が引き続き行われている。
地震は甚大な被害をもたらした。鹿島町のイオンモール熊本では、地震から約50分後に爆発が発生し建物の二階部分が崩落した。これにより4人が死亡、1人が心肺停止状態、5人が負傷し、行方不明者も確認されている。八代市の日本製紙工場では煙突の一部が倒壊し、5人死亡、4人が行方不明となっている。また、工場で作業していたベトナム人の技能実習生がクレーンに倒れ、死亡したことが確認された。政府は警察、消防、自衛隊を総動員し、72時間以内の救出を最優先する「時間との勝負」を展開している。台湾の消防隊員らも捜索活動に参加している。
生活インフラの寸断と猛暑が複合的な課題となっている。30日朝時点で約2万2,670世帯が停電し、約8万4,000世帯で断水が続いている。新幹線は運転を停止し、阿蘇くまもと空港は再開したが一部便が欠航している。避難所には400か所超に約1万人が身を寄せ、高湿度と35度を超える気温により熱中症のリスクが高まっている。環境省は熱中症警戒アラートを出し、政府は避難所へ3,300台のエアコンとガソリンの供給を指示した。また、仮設トイレの設置や水分補給の徹底が呼びかけられている。
産業面でも影響が広がっている。九州は自動車および半導体産業の拠点として重要であり、トヨタ自動車は宮田、神田、小倉の3工場を31日まで停止。ホンダは熊本オートバイ工場の操業停止を延長した。半導体分野では、TSMC傘下の日本半導体製造(JASM)が従業員を退避させ施設点検を実施。ルネサスエレクトロニクスは2工場を停止、ソニーグループも操業を中断した。野村総合研究所の木内孝英主席エコノミストは、被害が比較的小規模であるため影響は一時的であり、経済損失は1兆円未満に抑えられると予測している。
今回の地震は、2016年に死者273人を出した熊本・大分地震の教訓を踏まえ、国内外の観光客や在住外国人も備蓄や情報共有で対応している。香港旅行業界協議会(HKTIC)によると、九州を訪問中の香港人観光団は全員無事であり、一部はルート変更や払い戻しを実施した。台湾の航空各社も熊本行きのチケット変更や払い戻し対応を進めている。今後の余震と猛暑による二次災害が懸念される中、被災地の生活再建と産業ネットワークの早期復旧が課題となる。