2026年4月19日に行われた保加利アの予備議会選挙で、元大統領であり進歩的保加利ア党(Progressive Bulgaria)の党首であるルメン・ラデフ氏率いる連合が、出口民調で約38%の得票率を獲得し、圧倒的な支持を得たことが明らかになった。ラデフ氏は、汚職撲滅と司法改革を掲げつつ、ロシアとの対話を重視する姿勢を示しており、欧州連合(EU)や北大西洋条約機構(NATO)におけるウクライナ支援への姿勢が注目されている。
ラデフ氏は、選挙後の記者会見で「再び選挙を繰り返すことは保加利アにとって災害である」と述べ、安定した政府の樹立と早期の政権形成を約束した。また、司法改革に必要な議会の過半数(240議席中160議席)確保のため、15.9%の支持にとどまる前首相ボイコ・ボリソフ率いる保加利ア公民欧州発展党(GERB)や、14.1%の支持を得る改革派連合(PP‑DB)との連立の可能性も示唆した。
しかし、ラデフ氏のロシア親和的な立場は欧州諸国から警戒感を呼んでおり、ロシアがウクライナに対する軍事支援を行う中で、保加利アがウクライナ支援に財政的に関与しない可能性が指摘されている。さらに、選挙期間中に多数の不正疑惑が浮上し、投票買収の疑いで約100万ユーロ相当の資金が押収されたことが報じられた。欧州連合は情報操作や外部からの選挙介入に対する監視を強化している。
今回の選挙は、過去5年で8回目となる予備議会選挙であり、保加利アの政治不安定性が顕在化している。ラデフ氏が政権を担う場合、EU・NATOとの関係再構築やウクライナ支援政策の見直しが求められると同時に、国内の汚職撲滅と司法改革が実現できるかが注目される。