2026年5月5日、中東の情勢は深刻な危機に直面している。ドナルド・トランプ米大統領が主導する米軍の作戦「自由計画」により、戦略的に重要なホルムズ海峡での航行確保を試みる米艦隊と、海峡支配権を主張するイランの間で武力衝突が激化し、4月に発効した休戦合意は事実上崩壊しつつある。
米中央軍(セントコム)のブラッド・クーパー海軍大将は、イラン革命防衛隊が米軍の作戦を妨害しようとしたと認めつつ、休戦の継続可能性については言及を避けた。米軍はイランの小艇6隻を沈没させたと主張する一方、イラン側は民間船への攻撃で5人の死者が出たと反論し、双方の主張は対立している。また、イランは米国とアラブ首長国連邦(UAE)の同盟国に対し、「泥沼に引きずり込まれるな」と警告し、外交的解決の必要性を強調した。
この混乱の中で、5日午後、ホルムズ海峡内で韓国船運会社が運営する貨物船で爆発と火災が発生した。乗員24人中6人が韓国人だが、無事であることが確認された。トランプ大統領はこれをイランの攻撃と非難し、韓国政府に対し米軍の海峡通過支援作戦への参加を促した。韓国大統領府は、国内法などの観点から参加可否を検討中だと明らかにした。
国際的な懸念は高まっており、ドイツのフリードリヒ・メルツ首相やフランスのマクロン大統領、イギリスのスターマー首相らがイランに対し交渉テーブルへの復帰を呼びかけた。一方、イランのバゲル・カリバフ議会議長は、米国の行動が休戦違反であり、エネルギー輸送の安全を脅かしていると強く批判した。
この紛争の長期化は世界経済に甚大な影響を及ぼしている。原油価格の高騰は消費者物価上昇を加速させ、国際通貨基金(IMF)のゲオルギエヴァ専務理事は、戦争が2027年まで長引けば世界経済は「はるかに悪い結果」に直面すると警告している。また、レバノンではヒズボラとイスラエル軍の衝突が再燃し、中東全体の安定はさらに遠のいている。