ニューヨーク・マンハッタンのミッドタウンで7日朝、建設中の高層ビルで構造柱が座屈し、周辺の建物が大規模に避難する事態が発生した。ゾーラン・マムダニ市長は記者会見で「2本の構造柱が座屈し、複数の亀裂と床の沈下が確認された。建物は依然として不安定であり、極めて深刻な状況だ」と述べた。
問題が発生したのは、製薬大手ファイザーの旧本社ビル(37階建て)で、現在は高級賃貸アパートへの大規模転用工事が進められている。消防当局は午前8時前に通報を受け、現場に駆け付けたところ、21階で鋼製の梁が「たばこのように折れ曲がっている」のを発見した。ジョン・エスポジト消防署長は「局所的な崩壊の可能性がある」と指摘した。
避難対象となったのは、当該ビルだけでなく、周辺のホテル2軒や学校(約400人の児童がいた)、外交事務所など複数の建物に及んだ。グランドセントラル駅近くの一帯は広範囲に封鎖され、消防ドローンによる調査と、数センチ単位のずれを検知する機器による監視が続けられた。市当局は応急的な支柱を設置し、安定化を図っている。開発業者のメトロロフトは「影響は敷地内2棟のうちの一部であり、建物全体が崩壊するリスクはない」と説明したが、作業員からは「21年働いてきたが、梁が半分に曲がるのを見たのは初めてだ。超危険だ」との声が上がった。負傷者は報告されていない。
このビルは2027年初頭の完成を目指し、延べ床面積約12万平方メートルに1600戸の高級賃貸住宅を整備する計画で、ニューヨーク市史上最大のオフィスから住宅へのコンバージョン事業とされていた。今回の事故を受け、工事は当面中断を余儀なくされ、完成時期や周辺交通への影響が懸念されている。