The Morning Star Observer

2026年07月07日 火曜日朝刊 (Morning Edition)ArchiveAbout

NATOアンカラ首脳会議、開幕前から亀裂露呈 トランプ氏、メローニ伊首相を再び侮辱

2026年7月7日、トルコの首都アンカラでNATO首脳会議が開幕する。会議を前に、ドナルド・トランプ米大統領がイタリアのジョルジャ・メローニ首相をソーシャルメディア上で侮辱する投稿を行い、同盟内の緊張が表面化した。トランプ氏は7月6日、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」に、メローニ首相が見上げるような写真とともに「接近禁止命令が必要だ」との文言を投稿。先月のG7サミット後、同首相が「写真を懇願した」と虚偽の主張をしたことに続く行動で、両首脳の関係は冷却化している。イタリア政府は沈静化に努め、グイド・クロセット国防相は「人は去りゆくが、関係は残る」と述べ、アントニオ・タヤーニ外相も「大西洋を越えた関係は個々の発言を超越する」と語った。

一方、首脳会議の前夜、ロシアはウクライナの首都キーウに対し大規模なミサイル・無人機攻撃を実施し、少なくとも14人が死亡、約60人が負傷した。ウクライナ空軍によれば、ロシアは68発のミサイルと351機の無人機を発射。ゼレンスキー大統領は、迎撃ミサイル不足により弾道ミサイルを阻止できなかったと述べ、NATOに対し防空能力強化のための「強力な決断」を求めた。同大統領は首脳会議の場でトランプ氏と会談し、停戦交渉の戦略について協議する予定である。

ハマス、ガザ統治機関を解散 和平計画前進へ技術者委員会に移行

イスラム組織ハマスは7月6日、ガザ地区における事実上の政府を解散し、米国主導の和平計画に基づくパレスチナ人技術者委員会への権限移譲に道を開いた。ハマス政府メディア局長イスマイル・アル=サワブタ氏は記者会見で、緊急委員会の長モハメッド・アル=ファラ氏が辞任し、委員会自体を解散したと発表。「合意された取り決めを実施し、行政移行を円滑化するための真剣な措置の表明である」と述べた。

この動きは、トランプ米大統領が昨年10月の停戦合意後に打ち出したガザ戦後計画の重要項目であり、ハマスは約20年にわたるガザ統治からの撤退を示すものだ。新たな統治機関となる国家ガザ行政委員会(NCAG)は、トランプ氏が設置した平和委員会によって創設された15人の技術者組織で、アリ・シャアズ氏が率いる。シャアズ氏は「必要な資源と活動条件が整い次第、責任を全うする準備ができている」と表明し、成功の要件として「単一の権威と単一の法、そしてその権威に従属する単一の武力」を挙げた。

しかし、イスラエルは即座のコメントを控え、トランプ氏任命の平和委員会は「行動で評価する」と述べるにとどまった。ハマスは停戦合意後もイスラエルによる攻撃が続いていると非難し、武装解除はイスラエル軍の完全撤退まで拒否する姿勢を崩していない。実際、同日のイスラエル軍の攻撃でガザ市内で5人が死亡するなど、停戦合意は脆弱な状態が続いている。専門家は、ハマスの決定は停滞する和平計画への協力を示すメッセージであり、武装解除という難題は先送りされたと分析している。

イラン、ハメネイ師葬儀で結束示す 新政権の正統性とホルムズ海峡の支配権を巡る駆け引き

イラン首都テヘランで6日、2月28日の米・イスラエル軍による空爆で殺害された故最高指導者アヤトラ・アリ・ハメネイ師の葬儀が行われ、数百万人規模の弔問者が街頭に繰り出した。葬儀は、体制の結束と復讐への決意を示す場となった。一方、後継者であるモジタバ・ハメネイ新最高指導者は公の場に姿を現さず、その不在が注目を集めている。

葬儀では、米国のドナルド・トランプ大統領やイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相に対する殺害を叫ぶ弔問者が多数見られ、トランプ氏の肖像を掲げた看板に石を投げつける光景も見られた。イスラエルのイスラエル・カッツ国防相は、ハメネイ師殺害を認め、「再びイスラエル破壊を企てる指導者は同様の運命を辿る」と警告した。

葬儀は、停戦合意後の米国との交渉を控えたタイミングで行われた。イランは、世界の石油・ガス供給の5分の1が通過するホルムズ海峡の実効支配を交渉の最大のカードと位置づけ、譲歩を迫る姿勢を強めている。一方、トランプ大統領は葬儀による交渉の遅れを認めつつ、自身も勝利を主張しているが、開戦時に掲げた目標の達成には至っていない。

NATO首脳会議前夜、ロシアがキーウに大規模攻撃 民間人多数死傷、防空の脆弱性露呈

NATO首脳会議を翌日に控えた7月6日未明、ロシア軍はウクライナの首都キーウに対し、ミサイルと無人機による大規模な攻撃を実施した。ウクライナ当局の発表によれば、少なくとも12人が死亡、60人以上が負傷し、うち子どもも含まれている。攻撃は複数の住宅地を直撃し、高層アパートの一部が倒壊、住民が瓦礫の下に閉じ込められる事態となった。キーウ市軍事行政長官ティムール・トカチェンコ氏は、ポジルスキー地区とダルニツキー地区で大きな被害が出ていると報告した。

ウクライナ空軍によれば、ロシア側は351機の無人機、39発の巡航ミサイル、29発の弾道ミサイルを発射した。このうち無人機326機と巡航ミサイル37発は迎撃に成功したものの、弾道ミサイルは1発も迎撃できなかった。ウクライナの防空網は米国製パトリオット・システムに大きく依存しているが、中東情勢の緊迫化により世界的に迎撃ミサイルの供給が逼迫しており、ウクライナは深刻な不足に直面している。ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、同盟国に対しパトリオット・ミサイルの緊急供与を改めて強く求めた。NATO首脳会議では、ウクライナ支援の強化が主要議題となる見通しである。

一方、北大西洋ではロシアと英国の軍事的緊張が高まっている。英国国防省は7月6日、ノルウェー海上でロシアのTu-142ベアF哨戒機が英国空母「プリンス・オブ・ウェールズ」を中心とする空母打撃群に対し、低空で不安全かつ非専門的な接近を行ったと発表した。同機はソノブイを投下した後、英国のF-35戦闘機によって迎撃され、退去させられた。ダン・ジャービス国防相は、ロシアの脅威は水中、水上、陸上、空中、宇宙、サイバー空間のあらゆる領域に存在すると警告した。また、ロシア外務省は、在ストックホルム大使館敷地内に無人機が落下した事件を受け、スウェーデン大使を召喚する方針を明らかにした。

政治 (Politics)

英国ファラージ氏、資金提供疑惑で窮地:議会倫理違反の可能性と政治生命の危機

英国の右派政党Reform UK党首ナイジェル・ファラージ氏が、議会の透明性規則に違反した可能性があるとして、厳しい追及に直面している。問題となっているのは、暗号資産(仮想通貨)投資家クリストファー・ハーボーン氏から受け取った500万ポンド(約5億7500万円)の贈与と、別の暗号資産起業家ジョージ・コトレル氏による警備要員やオフィス提供などの現物支援である。ファラージ氏はこれらを「純粋な個人への贈り物」と主張し、議会への申告義務はないとしているが、議会基準委員長ダニエル・グリーンバーグ氏が調査に乗り出している。

ファラージ氏は2024年総選挙当選前の12ヶ月間に受けた利益を申告する義務があるが、ハーボーン氏からの500万ポンドについては申告していなかった。さらに、詐欺罪で有罪判決を受けた経歴を持つコトレル氏が、ファラージ氏の警備費やスタッフ費用、ロンドン中心部の邸宅提供などを負担していたとされる新たな疑惑も浮上した。ファラージ氏は「確立された体制による謀略だ」と反論し、法的手段も検討していると述べている。

もしグリーンバーグ氏が規則違反を認定した場合、最長で10日以上の停職処分が科される可能性があり、その場合ファラージ氏の選挙区であるクラクトンでリコール(罷免)請願が行われる可能性がある。ファラージ氏は依然として支持率でリードを保っているものの、今回の疑惑は同氏の反エスタブリッシュメント的なブランドイメージを傷つけ、右派の新興政党「Restore Britain」などに対抗する上で脆弱性を露呈させている。また、ファラージ氏が金塊販売会社から多額の報酬を得ている事実も、庶民派を標榜する同氏のイメージとの矛盾を浮き彫りにしている。

AIが世界を変える:規制・投資・医療応用の最前線

人工知能(AI)を巡る動きが、規制、投資、医療応用の各分野で加速している。国連のグテーレス事務総長は、AIの急速な進展に対応するための国際的なガバナンス体制の構築を呼びかけ、軍事利用の禁止や環境負荷の開示を求めた。一方、ナイジェリアのティヌブ大統領は、メタやグーグルなどのテクノロジー大手に対し、メディアコンテンツの不正利用の疑いで調査を指示。投資の分野では、モルガン・スタンレーが半導体株からハイパースケーラーへの資金シフトを予想し、ゴールドマン・サックスはヘッジファンドが4週連続で半導体株を売却したと報告した。医療分野では、台湾の臨床試験でAI支援大腸内視鏡検査が前がん病変の検出率を向上させることが実証され、実用化が進んでいる。

グテーレス氏はジュネーブで開催された国連のAIガバナンスに関する世界対話で演説し、AIが「人間の未来を形作ることを許してはならない」と警告。自律型致死兵器システムの禁止や、2030年までのデータセンターの再生可能エネルギー化を企業に求めた。また、AIが子どもの学習やプライバシーに与える影響を懸念し、子どもの安全を保証する誓約の策定を提唱した。ナイジェリアの調査は、メタ、アルファベット、X、および一部の生成AIプラットフォームを対象としており、独占的行為や著作権侵害の有無を検証する。同国の競争当局は2025年にメタに対して2億2000万ドルの制裁金を科しており、今回の調査はその延長線上にある。

投資の世界では、AI関連銘柄に変化の兆しが見られる。モルガン・スタンレーは、半導体株の調整は市場の裾野拡大を示唆し、今後はデータセンターに巨額投資を行うハイパースケーラーや、一般消費財、運輸、バイオテクノロジー株への資金シフトが進むと分析。ゴールドマン・サックスは、ヘッジファンドがテック・ハードウェア株を4週連続で売却し、公益株やエネルギー株を買い増したと報告した。インドのIT大手も、AIへのシフトや顧客の支出抑制により、第1四半期は低調な決算が見込まれている。一方、台湾の産業用コンピューター大手エンノコーンは、物理AI需要の急増を背景に、6月と第2四半期の売上高が過去最高を記録した。

医療分野では、AIが実用的な成果を挙げている。台湾大学付属病院などの臨床試験で、AI支援大腸内視鏡検査は、標準的な検査と比較して腺腫(前がん病変)の検出率を有意に向上させた。特に便潜血検査陽性の高リスク患者では、検出率が7.9ポイント上昇し、医師の経験差も補完できることが示された。このシステムは既に台湾の規制当局の承認を得ており、臨床現場で利用可能となっている。

中国が太平洋に潜水艦発射弾道ミサイルを試射、豪州とフィジーの防衛条約締結と同日に

中国は2026年7月6日、原子力潜水艦から模擬弾頭を搭載した戦略ミサイルを太平洋に向けて試射した。中国国防省はこれを年次訓練の一環と位置づけ、事前に関係国に通告したと説明したが、日本、オーストラリア、ニュージーランド、台湾は強い懸念を表明した。試射は同日、オーストラリアとフィジーが相互防衛条約「大洋平和同盟」を締結した数時間後に行われ、南太平洋における戦略的競争が一段と鮮明となった。

中国海軍の声明によれば、ミサイルは現地時間午後0時1分に発射され、予定された海域に正確に着弾したという。ニュージーランドのウィンストン・ピータース外相は、中国から試射の通告を受けたのは発射の「数時間前」だったと述べ、「太平洋は平和の海であり、中国が核搭載可能な兵器を南太平洋で実験することに深く憂慮する」と批判した。オーストラリアのペニー・ウォン外相は試射を「地域の安定を損なうもの」と非難し、日本の防衛省は「中国の軍事活動の増加に深刻な懸念を表明し、再考を強く求めた」と発表した。台湾の総統府も「地域の平和と安定を損なう」と非難した。

一方、同日にフィジーの首都スバで署名された豪州とフィジーの防衛条約は、両国が攻撃された際に相互に援助する義務を定めたもので、フィジーにとって初の相互防衛条約となる。豪州は同時に、10年間で10億豪ドル以上の経済協力を約束する「ブバレ連合」も締結した。フィジーのシティベニ・ラブカ首相は、この条約が中国との関係を脅かすものではないと述べた。豪州は2022年に中国がソロモン諸島と安全保障協定を結んで以降、南太平洋での影響力強化を進めており、今回の条約締結と中国のミサイル試射は、同地域を巡る米中豪の覇権競争の激化を象徴する出来事となった。

アジア緊張高まる:フィリピン副大統領弾劾裁判開始、中国潜水艦が太平洋にミサイル発射

2026年7月6日、アジア太平洋地域は緊張に包まれた。フィリピン上院は史上初となる現職副大統領サラ・ドゥテルテの弾劾裁判を開始した。ドゥテルテ被告は欠席したものの、首都マニラでは4000人以上の警官が警備にあたり、支持者と反対派の抗議活動が行われた。裁判長にはフランシス・エスクデロ上院議員が選出され、有罪判決には24議席中16票の賛成が必要と確認された。検察側は、被告が公金を不正流用し、不審な資産を蓄積し、大統領暗殺を予告したと主張。弁護側は弾劾手続きの政治性を訴え、無罪を主張している。

同日正午、中国海軍の潜水艦が模擬弾頭を搭載したミサイルを太平洋に向けて発射した。日本政府は約30分前に事前通報を受けたものの、国家安全保障を脅かす行為として抗議し、再考を求めた。中国外務省報道官の毛寧氏は「定例の年次訓練」と説明したが、日本、オーストラリア、ニュージーランドはこれを批判した。東京は防衛省に対し、海洋監視の強化を指示した。

インドのムンバイではモンスーンによる豪雨で少なくとも13人が死亡。赤色警報が発令され、学校閉鎖や高速道路の一部通行止めが発生した。マンクルド地区では日曜夜に老朽化した建物が倒壊し6人が死亡、2人が逮捕された。マハラシュトラ州の野党・国民会議派は「人為的な災害」と非難し、遺族に50万ルピーの補償が約束された。

韓国では、サッカー協会の鄭夢奎(チョン・モンギュ)会長が13年5カ月の任期を経て辞任した。ワールドカップ早期敗退を受けたもので、同日、元スター選手の朴智星(パク・チソン)氏が共同委員長を務める改革委員会が発足。後任選出は60日以内に行われ、7月下旬には議会公聴会が予定されている。

日本では、皇位継承法案が停滞している。高市早苗首相は議会内の合意不足を理由に現時点での法改正に反対する姿勢を示した。法案は女性皇族の結婚後も身分維持を認める内容だが、審議は難航している。首相が宝石のベストドレッサー賞授賞式に出席したことへの批判も聞かれる。

マレーシアのジョホール州では7月11日に州選挙が予定され、7日に期日前投票が行われる。アンワル・イブラヒム首相は汚職対策の実績を訴え、与党連合への支持を呼び掛けた。一方、タイでは地方公務員試験の不正疑惑をめぐり、1万5000件の任用が見直し対象となり、内務省職員5人が処分を受けた。また、タイ国産初の電車が納入され、輸入依存からの脱却が期待されている。

ベトナムではトー・ラム党首兼国家主席が新たな駐在大使らを迎え、外交関係を強化。ロシアからの観光客は上半期に約74万3000人と前年比186%増加した。インドネシアでは林業大臣が自ら汚職防止委員会に出頭し、地元当局者から受け取った封筒を返還したことを報告。議会は驚きとともに関係者への事情聴取を求める方針だ。

これらの動きは、アジア全体が警戒と緊張の中にあることを示している。フィリピンの弾劾裁判は2028年大統領選を左右する可能性があり、中国のミサイル発射は地域安全保障に新たな火種を投じた。ムンバイの洪水や韓国サッカー界の混乱といった悲劇や失望の一方で、タイの国産電車やベトナムの観光回復といった明るい話題も存在する。今週はジョホール州選挙やサムスン電子の四半期決算発表、日本の国会閉会など、注目すべき日程が続く。

EU、対中国強硬路線の是非を巡り内部で亀裂 市場の武器化とスポーツの政治化が焦点に

欧州連合(EU)は、中国との貿易不均衡や市場歪曲への対応を巡り、加盟国間で深刻な見解の相違に直面している。欧州委員会のマロシュ・シェフチョビッチ副委員長は、EUと中国の関係はもはや「持続可能ではない」と指摘。昨年の物品貿易赤字は3600億ユーロ(約4110億ドル)に達し、ドイツも対中国貿易で赤字に転落した。イタリアなどは産業保護のため強硬姿勢を求める一方、スペイン、ギリシャ、ハンガリーは中国の報復リスクを警戒し慎重な対応を主張している。こうした議論の背景には、米ドナルド・トランプ大統領の強圧的な姿勢が欧州の対米依存を疑問視させ、中国との距離を縮める動きを複雑化させている事情がある。

EU司法裁判所(TJUE)は、メルコスール(南米共同市場)とEUの自由貿易協定を巡る審理を開始した。欧州委員会は同協定を商業部分と政治部分に分割して暫定適用を進めてきたが、欧州議会はこの分割が加盟国の全会一致を回避するための違法な策略だと主張。フランス、アイルランド、ポーランド、ハンガリー、オーストリアが反対票を投じた。判決は早くとも2027年末まで下りず、それまでは暫定適用が継続される。フランスは「ミラー条項」を求め、メルコスール産輸入品にEUと同じ規制を課すよう要求している。

一方、スポーツの政治化を巡る問題も浮上した。FIFAは、米国代表FWフォラリン・バログンに対するレッドカードによる出場停止処分を、ドナルド・トランプ米大統領がジャンニ・インファンティーノFIFA会長に電話で介入した後に取り消した。欧州委員会のエヴァ・フルニチロヴァ報道官は「公正な競争と透明性」を求めたが、個別案件へのコメントは避けた。スポーツ担当のグレン・ミカレフ欧州委員は「スポーツの決定はスポーツ団体に属すべきであり、政治家が介入すべきではない」とXで批判。UEFAはこの決定を「理解不能で正当化できない」と非難し、ベルギー外相も「基本ルールを損なう」と懸念を表明した。英国のキア・スターマー首相も「決定は競技の統括団体に委ねられるべきだ」との立場を示した。

デンマーク政府は、EU司法裁判所で係争中のストリームズ事件に介入し、グーグルやメタなどのテクノロジー大手に対し、報道機関のコンテンツ使用に対する対価支払いを義務付けるよう求めた。デンマークのゼニア・スタンペ文化相は「テック大手がメディアのコンテンツを無償で利用することを許すべきではない」と強調。この訴訟は、EUのデジタル単一市場指令第15条の解釈を巡るもので、判決次第では報道各社の権利が大きく損なわれる可能性がある。

モルドバは、EU加盟交渉の第一章を開設した後、改革を条件とした19億ユーロの成長計画を活用し、エネルギー、デジタルインフラ、教育、持続可能な農業などの戦略分野への投資を促進している。6月4日にはキシナウで初の大規模投資会議が開催され、6億4100万ユーロのプロジェクト支援が約束された。

これらの動きは、EUが対中国政策、貿易協定の法的枠組み、スポーツの独立性、デジタル規制、拡大政策といった多岐にわたる課題で、内外からの圧力に直面しながらも、その結束と規範的影響力を模索している実態を浮き彫りにしている。

停戦合意も虚しくレバノン南部で戦闘続く、イスラエル軍の攻撃で民間人犠牲相次ぐ

イスラエルとヒズボラの間で6月21日に発効した停戦合意にもかかわらず、レバノン南部ではイスラエル軍による攻撃が断続的に続き、民間人の犠牲が相次いでいる。7月6日には、ナバティーエ・アル=ファウカ地区で、学校長とその母親、外国人女性家事労働者、シリア人労働者の計4人がイスラエルの無人機によるミサイル攻撃で死亡した。レバノン国営通信(NNA)が伝えた。また、同日、ビント・ジュベイル県のバラアシット町では、前日に同町で催された民間人の集団葬儀がイスラエル軍の砲撃を受けたことへの報復とみられる空爆が行われた。さらに、イスラエル軍はアイタロウン町やホウラ町でも家屋を爆破したと報じられている。

停戦合意は、米国とイランの間で地域戦争終結を目指して先月署名された枠組み協定の一環であり、イスラエル軍の段階的な撤退とレバノン軍の南部展開を定めている。しかし、ヒズボラはこの枠組みを拒否しており、イスラエル軍の占領は続いている。レバノンのジョセフ・アウン大統領は7月6日、イスラエルの占領がレバノン軍の南部展開を妨げていると述べ、「占領の継続は国家の正当性を損ない、軍隊の展開と公正で永続的な平和の基盤構築を妨げる」と強調した。一方、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は7月5日、イスラエル軍は「北部住民と全イスラエル市民を保護するために必要な限り」南部に駐留し続けると述べている。

このような状況の中、レバノン南部では停戦後、約40万人が帰還したものの、人々は再び戦闘が激化する恐怖と隣り合わせの生活を強いられている。帰還した住民は破壊された家屋の瓦礫撤去や店舗の再開に追われる一方、多くの家族は再避難に備えてスーツケースを準備し、ニュースを注視しながら生活している。レバノン保健省によれば、3月2日以降のイスラエル軍の攻撃により、レバノン国内で少なくとも4,300人が死亡した。国連によると、紛争により100万人以上が避難を余儀なくされたが、6月22日以降、64万人以上が帰還した。

マクロン仏大統領、アサド政権崩壊後初の西側首脳としてシリア訪問

フランスのエマニュエル・マクロン大統領が2026年7月6日、シリアの首都ダマスカスに到着した。バッシャール・アル=アサド政権崩壊後、西側諸国の首脳としては初の公式訪問となる。マクロン大統領はアフマド・アル=シャラア暫定大統領と会談し、両国間の協力の可能性について協議する予定である。

マクロン大統領は到着に際し、自身のX(旧ツイッター)に「シリア国民へのフランスのコミットメントを表明するために来た。多様性の中で団結し、隣国と平和に共存する主権あるシリアのために。共に安定と平和の新たな章を開こう」と投稿した。シリア外務省のアサド・アル=シャイバニ外相が空港で出迎えた。大統領は23点の考古遺物を携えており、これらは2011年の革命前にシリアからパリのアラブ世界研究所に貸与されていたもので、内戦により返還が叶わなかったものである。今回の訪問で返還が実現する。

マクロン大統領は、トタルエナジーズやCMA CGMのCEOを含むビジネスリーダーを伴っており、シリアの復興が主要テーマの一つとなる。大統領はまた、自由で多元的、かつすべてのコミュニティを尊重するシリアへのコミットメントを強調するとみられる。訪問後、マクロン大統領はトルコのアンカラで開催されるNATO首脳会議に出席するため移動する。同会議にはアル=シャラア大統領も出席し、ドナルド・トランプ米大統領と会談する予定である。

教皇レオ14世、夏季休暇入り:移民問題とAI規制で世界の良心に

教皇レオ14世は7月5日(日曜日)、夏季休暇に入った。バチカンは教皇がローマ近郊のカステル・ガンドルフォにあるバチカン夏の離宮で7月27日まで過ごすと発表した。教皇はこの地でテニスや水泳を楽しむ一方、離宮の使節宮殿を公務拠点として活用する。これは前任者フランシスコ教皇が同地を避けていたのとは対照的であり、バチカンは警備上の理由から使節宮殿の使用を決定したとみられる。

教皇は2026年上半期、国際政治と教会統治の両面で積極的な指導力を発揮した。7月4日には米国独立250周年の日にシチリア島ランペドゥーザを訪問し、移民墓地で祈りを捧げ、欧州に移民の尊厳を守るよう訴えた。また、5月末に発表された最初の回勅『マニフィカ・フマニタス』では、人工知能(AI)への厳格な規制を求め、AIに不可逆的で致命的な決定を委ねることは「許されない」と宣言。これは規制緩和を進めるトランプ政権との対立点となった。さらに同回勅では、15世紀の教皇が欧州君主に異教徒の支配と奴隷化を認めた役割について初めて謝罪し、教会としての歴史的責任を認めた。

教会統治においては、伝統主義グループ「聖ピオ十世会」が教皇の許可なく4人の司教を聖別したことを受け、バチカンは同会の司教と司祭を破門し、信徒にも破門の危険性を警告した。専門家は、教皇が対話を重視しつつも、教会の一致を損なう行為には明確な制裁を科す決断力を示したと評価している。

ラーム寺院献金横領疑惑:トラストが財務詳細を公開、幹部辞任と透明性改革へ

インド・アヨーディヤのラーム寺院を管理するシュリー・ラーム・ジャンマブーミ・ティールト・クシェートラ・トラストは、献金横領疑惑を受けて財務詳細を公開し、事務局長チャンパト・ライ氏と理事アニル・ミシュラ氏の辞任を受理した。トラストは2020年の設立以来、総額32億6400万ルピー(約54億円)の献金を受け取り、うち23億7000万ルピーを寺院建設と資本的支出に、3億9100万ルピーを運営費に充当したと発表。残金は銀行口座に保管されていると説明した。

トラスト会計担当のゴビンド・デーヴ・ギリ氏は、チャンパト・ライ氏について「私の目には汚れていない」と擁護しつつ、辞任は道義的責任に基づく自発的なものだったと述べた。暫定事務局長にはクリシュナ・モハン氏が任命された。トラストはまた、献金者自身がアヨーディヤを訪問し、寄付の使途を確認できる制度を導入。銀製品は政府造幣局で地金に溶かされ、証明書が保管されていると明らかにした。

一方、サマジワディ党党首アクヒレシュ・ヤダフ氏は、特別捜査チーム(SIT)の捜査を「デリーとラクナウの権力闘争」と批判し、中央捜査機関による捜査を要求。ラーム・マンディル・トラスト会長のニリティヤ・ゴパル・ダス氏は「政治化すべきではない」と訴えた。SITは7月15日までに最終報告書を提出する予定で、トラストは8月22日に再会合し、報告書を審議する方針である。

経済 (Economy)

OPECプラス増産とホルムズ海峡再開で原油価格下落、世界経済に影響広がる

OPECプラス加盟7カ国は2026年7月5日、8月から日量18万8000バレルの追加増産を決定した。これによりブレント原油先物は1バレル71ドル前後まで下落し、米国とイランの停戦合意を受けてホルムズ海峡の航行が回復しつつあることも供給増加圧力を強めている。国際指標のブレント原油は7月6日の取引で一時1.41%下落し71.10ドルとなり、2月28日の米イスラエル・イラン戦争前の水準に近づいた。米国産WTI原油も67.89ドルと1.16%下落した。

OPECプラスはサウジアラビア、ロシア、イラク、クウェート、カザフスタン、アルジェリア、オマーンの7カ国が参加。サウジとロシアが各6万2000バレル、イラクが2万6000バレル、クウェートが1万6000バレル、カザフスタンが1万バレル、アルジェリアが6000バレル、オマーンが5000バレルの増産を担う。これで4月以降の累積増産量は約80万バレルに達した。ホルムズ海峡の通過船舶数は先週比で4倍以上に増加し、6月の湾岸産油国輸出量は5月から300万バレル以上増えて日量1000万バレルを超えたが、戦前水準の40%減にとどまっている。

増産と海峡再開は、アフリカやラテンアメリカの産油国に異なる影響を及ぼしている。ナイジェリアのパーム油大手プレスコとオコムは2025年に記録的な税引き前利益を達成し、2026年第1四半期も合計728億6000万ナイラの利益を計上。国内需要が生産を上回る構造が価格を支えている。一方、OPECプラス増産はナイジェリアやアンゴラなどアフリカ産油国の歳入を圧迫し、ブラジルやメキシコなどラテンアメリカの輸出国にも打撃となる。しかし、ケニアやモロッコなどの燃料輸入国は価格低下による恩恵を受ける。南アフリカではランドが対ドルで16.26ランドに強化し、JSEオールシェア指数は1%上昇した。

市場では2027年の供給過剰懸念が強まっている。ANZ銀行は2026年の世界石油需要が前年比で日量150万バレル縮小すると予測し、第2四半期には年率で400万バレルの減少が見込まれると指摘。PVMアナリストは「下落市場での売却は、近い価格回復への期待をほとんど与えない」と述べた。OPECプラスは8月2日に次回会合を開く予定で、イラクは湾岸紛争による損失を補填するため増産枠拡大を要求している。地政学的リスクの緩和と需給バランスの変化が、今後の原油価格の方向性を左右する。

イラン戦争、カナダ企業の景況感とインフレ期待に深刻な影響:カナダ銀行調査

カナダ銀行(BoC)が7月6日に発表した新たな企業景況感調査により、イラン戦争が企業の景況感を著しく損ない、同時にインフレ期待を急上昇させたことが明らかとなった。同行は、販売・価格活動の追跡に新たな指標を導入するに至った。

調査によれば、過去3カ月間で投入コストと地政学的な不確実性が上昇し、プレーリー地域の石油・ガスセクター以外の大半の企業で販売見通しが悪化した。景気後退を見込む企業の割合は第2四半期に17%へ急増し、前期の9%からほぼ倍増した。一方、米国との貿易摩擦に伴う不確実性は低下し、輸出見通しは商品価格の上昇と人工知能投入材への需要を背景に歴史的平均を大きく上回った。

企業のインフレ期待は中東紛争に伴うエネルギー価格高騰を受けて第2四半期に急上昇し、予想される価格上昇幅は約4年ぶりの高水準に達した。調査の大半は5月に実施され、イラン戦争の行方に対する不確実性が高い時期だった。6月中旬の和平合意署名後、インフレ期待は4月にピークを打ち、その後低下した。

カナダ銀行は、従来の単一の指標を、販売・雇用・投資に関する企業期待と、投入・販売価格・賃金・インフレに関する指標の2つに分割する。同行は、イラン戦争のようなショックはこれら2つの指標を逆方向に動かす可能性があると指摘した。BMOの上級エコノミスト、ロバート・カブチッチ氏は、インフレ期待は今四半期に後退し、カナダ銀行は年内は様子見姿勢を続けるとの見通しを示した。カナダ銀行は7月15日の次回会合で政策金利を2.25%に据え置くとの見方が強い。

南アフリカ、中国製EVの急増と経済の二重構造:ステランティス工場凍結から太陽光発電、先端技術まで

南アフリカ経済は、鉱業や小売業が成長する一方で製造業や電力部門が低迷する二重構造を示している。こうした中、中国製低価格車の市場シェア急拡大を受け、ステランティスは同国初の工場建設計画を凍結。一方で、屋上太陽光発電の導入容量は8.3ギガワットを超え、停電終息後も電気代高騰を背景に普及が加速している。また、先端技術分野では、AIを活用した果実保存用粉末の開発や、ディープフェイク詐欺への従業員の脆弱性が明らかになるなど、新たな課題と機会が交錯している。

ステランティス南アフリカは、ポート・エリザベス(現グベベハ)に計画していたピックアップトラック工場の建設を中断し、数カ月以内に将来を決定する方針だ。2023年に発表された同計画は、2025年の完成を目指していたが、中国ブランドの攻勢により前提が崩れた。2026年第1四半期の中国車販売は前年同期比75%増加し、市場の19%以上を占めるに至った。ステランティスは調達戦略を見直し、2030年までに販売車両の約90%を南アフリカ国内またはアジアからの調達に切り替える計画である。

エネルギー分野では、南アフリカの屋上太陽光発電容量が8.3ギガワットを突破した。停電が実質的に終息した後も、エスコムの電気料金引き上げにより、太陽光発電は多くの家庭や企業にとって経済的な選択肢となっている。国家送電会社のデータによれば、2025年時点で67万5000世帯が太陽光パネルを設置しており、3年間で86%増加した。南アフリカの総太陽光発電容量は10ギガワットを超え、アフリカ最大の太陽光市場としての地位を固めている。

先端技術分野では、ヨハネスブルグ大学の研究チームが、南アフリカ原産の植物「ヘリクリサム・スプレンディドゥム」の精油をAIで最適化し、果実保存用の安定した粉末に加工する技術を開発。カプセル化技術により精油の揮発や劣化を防ぎ、カビの一種であるペニシリウム・ジギタートゥムに対する試験ではAIの予測が94%以上の精度を示した。一方、サイバーセキュリティ企業ノウビー4の調査では、南アフリカの従業員の86%がAI生成の音声・動画コンテンツを信頼できなくなっており、63%が職場でのディープフェイク攻撃を見抜けないと回答。64%の組織でAIが適切なガバナンスなく使用されている実態も明らかになった。

さらに、世界銀行の調査は南アフリカの経済特区(SEZ)プログラムが成功しており、148億ランドの収益と3万人以上の雇用を創出したと評価。貿易産業競争大臣のパークス・タウはこの結果を歓迎し、プログラム拡大に向けた提言を検討すると述べた。

社会 (Society)

スリランカ刑務所で大規模暴動、少なくとも25人死亡・100人以上負傷

スリランカ西部のネゴンボ刑務所で7月5日夜から6日にかけて発生した受刑者間の衝突により、少なくとも25人が死亡、100人以上が負傷する惨事となった。死者には刑務官4人が含まれ、負傷者には銃創や裂傷、重度の打撲を負った者が多数いる。病院長プシュパ・ガムラス氏が明らかにした。

衝突は麻薬密売に関与する二つのギャング間で発生。暴動の拡大を受け、女性収容棟では収容者が屋上に上り解放を要求、屋根の一部が崩落し数名が負傷した。警察特殊部隊が出動し、軍も待機状態にある。収容者の親族らが刑務所前に集まり、空軍はドローンとヘリコプターで監視にあたった。

スリランカ全土の刑務所は定員の約4倍にあたる4万1250人を収容しており、過密状態が深刻化している。2020年12月にも別の刑務所で暴動が発生し、11人が死亡していた。司法省は詳細な報告を求めており、複数の調査が進行中である。

豪州で女性建設作業員が高収入、スペイン人女性の選択が示す職業観の多様性

27歳のスペイン人女性ネレア(Nerea)は、医学を学んだ後に建設作業員(アルバイラ)としてオーストラリアで働き、時給32ユーロを稼いでいる。彼女は「仕事に具体的な成果が見え、自分の努力が報われると感じる」と語り、性別ではなく初心者であることが遅さの理由だと強調する。一方、71歳のスペイン人退職者ヤヤ・ブッシュクラフト(Yaya Bushcraft)は、家賃を支払う代わりに食費に充てるため、自ら建設した山小屋での生活を選んだ。彼女はこれまでに3棟の小屋を建設し、現在4棟目を建設中で、費用は5000ユーロ未満と見積もる。

ネレアの事例は、建設業界における女性労働者の少なさ(業界全体の11.5%)や、職業選択における満足度と収入のバランスを再考させる。ヤヤの選択は、従来の住宅ローンや賃貸に縛られない生活哲学を示し、年金800ユーロの範囲内で自給自足を目指す。これらの事例は、労働市場や住居選択における多様な価値観を浮き彫りにしている。

世界で相次ぐ悲劇:バングラデシュ麻疹死者741人、ベネズエラ地震犠牲者3000人超、ガザ死者7万3000人超に

世界各地で悲劇的な出来事が相次いで報告されている。バングラデシュでは麻疹の大流行が続き、死者数が741人に達した。ベネズエラでは大地震による死者が3342人を超え、行方不明者は最大5万人に上ると見られている。ガザ地区では停戦合意後もイスラエル軍の攻撃が続き、死者数は7万3098人に達した。また、スペインでは警察のターザー銃使用による死亡事件の再捜査が命じられ、南アフリカでは元警察高官の死亡を巡る捜索や医師の死亡事件の捜査が行われている。

バングラデシュでは、24時間以内に新たに3人の子どもが麻疹の症状で死亡し、累計死者数は741人となった。保健サービス総局(DGHS)は最新の死者を麻疹の疑い例として分類しており、疑い例による死者は648人、実験室で確認された死者は93人で変わらない。新たな麻疹疑い例は947件報告され、累計は10万6565件に達した。3月15日以降、8万9734人の患者が入院し、8万6062人が回復している。

ベネズエラでは、ラ・グアイラ州を中心に発生した地震から約2週間が経過し、救助活動から瓦礫の撤去へと作業が移行している。政府発表によれば、死者は3342人、負傷者は1万6000人以上。パルラメント議長ホルヘ・ロドリゲス氏は、死者が1万人を超える可能性があると指摘した。国連は最大5万人が行方不明と推定し、遺体収容用の袋を購入するなど、事態の深刻さを示している。暫定大統領デルシー・ロドリゲス氏は批判を退け、社会的連帯を強調した。

ガザ地区では、保健省の発表によれば、過去24時間で5人のパレスチナ人が殺害され、死者数は7万3098人に達した。負傷者は17万3571人。2025年10月の停戦合意後も攻撃は続き、停戦期間中の死者は1072人、負傷者は3463人に上る。国連はガザのインフラの約90%が破壊され、復興には約700億ドルが必要と試算している。人道的状況は極めて厳しく、約240万人が困難な生活を強いられている。

スペインでは、マラガ県裁判所が、昨年12月にトッレモリノスで発生したハイタム・メフリさんの死亡事件の捜査再開を命じた。メフリさんは警察の拘束中にターザー銃を複数回使用され死亡した。遺族は警察の過剰かつ不均衡な力の行使を訴え、86の外傷を報告。裁判所は、店内の防犯カメラや警察のボディカメラの映像を精査し、「深く効果的な捜査」を要求している。

マレーシアでは、検事総長室が、2013年に死亡したタフヒズ学校の学生ワン・アフマド・ファリスさんの事件について、「措置不要」と分類したと発表した。徹底的な捜査の結果、他の個人と死亡を結びつける証拠は見つからなかったという。84人の証言と45のDNAサンプルが分析された。

南アフリカでは、警察が元副警察委員シンディレ・ムファジ氏の死亡に関連し、現職警察官らに関連する複数の物件を捜索した。ムファジ氏は2021年に「COVID-19関連の合併症」で死亡したとされていたが、遺体の掘り起こし後の検死で、体内から鋳造樹脂が検出され、毒殺の疑いが浮上している。また、ニューカッスルでは、ジョギング中に車にはねられ死亡した医師、ントゥトゥコ・マハラバ氏の事件で、警察が過失致死の捜査を開始した。運転手は現場から逃走していなかったとされている。

ベネズエラ地震、死者3342人に拡大 パナマ市長が救援物資に追跡装置

先月24日に発生したベネズエラでの二度の大地震により、政府は死者数が3342人に達したことを確認した。負傷者は1万6000人以上、行方不明者は約5万人に上る。震源地のラ・グアイラでは軍の展開が進み、物資を受け取るための長い列ができている。瓦礫の下敷きになったアルゼンチン人の少年ルーカス・ガメス君(本日9歳の誕生日)の捜索が続く中、野党指導者マリア・コリーナ・マチャド氏は入国を試みている。前夜には数百人のベネズエラ人が犠牲者を追悼する集会を開いた。

パナマのマイヤー・ミズラチ市長は、ベネズエラに送った支援物資に電子追跡装置(AirTag)を仕掛けたことを明らかにした。その結果、物資の一部が震源地から531キロ離れたマトゥリン市に滞留していることが判明した。市長は市民の寄付の使途を明確にするためだと説明している。

一方、ラテンアメリカ各国の為替市場では、ドル高の影響が顕著となっている。アルゼンチンでは公式レートが1ドル=1510ペソ、非公式のブルーレートも同水準で取引されている。台湾では新台湾ドルが3カ月ぶりに1ドル=32台湾ドル台を突破し、中央銀行は先月の外貨準備高が79億2000万ドル減少したと発表した。ビットコインは6万2842ドルと小幅に下落し、昨年10月の最高値12万6198ドルからは大きく値を下げている。

科学・技術 (Science & Tech)

猛暑が露呈する脆弱な電力網、気候変動がもたらす停電リスクと各国の対応

記録的な熱波が世界各地の電力網に深刻な負荷をかけ、停電リスクが顕在化している。6月下旬、フランスでは変圧器の故障により約7万世帯が停電し、米国でも連邦当局が停電警告を発令した。非営利団体クライメート・セントラルのデータによれば、米国の熱季における停電件数は2000年代と比較して過去10年で約60%増加。気候変動による熱波の長期化・頻発化がエネルギー網の脆弱性を浮き彫りにしている。

電力需要は冷房機器の使用で急増する一方、送電線や変電所などのインフラは熱ストレスに弱く、変電所の変圧器は高温で機能低下を起こす。石炭・ガス・原子力発電所の効率も気温上昇に伴い低下し、欧州では6月の熱波でフランスやスイスの原子炉が出力低下や一時停止を余儀なくされた。太陽光パネルや風力発電も高温や風速低下で効率が落ち、需給逼迫時に高価な化石燃料に依存する悪循環が生じている。

こうした事態を受け、各国は対策を急いでいる。スペイン・カタルーニャ州は農業従事者の熱中症予防を目的にドローンによる監視を試験運用し、フランス政府は電気自動車とヒートポンプの普及を柱とする電化計画を推進。米国エネルギー省も送電網の拡大・近代化に大規模投資を発表した。欧州ではバッテリー蓄電や動的価格設定など需給調整策が模索されているが、老朽化したインフラと再生可能エネルギー接続の膨大なバックログが課題となっている。

文化 (Culture)

メキシコシティ、サンパウロ、パリ:2026年7月の文化・芸術・社会の潮流

2026年7月、メキシコシティのムセオ・フメックスは、ワールドカップ開催に合わせてサッカーを芸術として捉える展覧会「Fútbol y Arte: Esa misma emoción」を無料で開催している。スタジアムを模したインスタレーションを中心に、アイデンティティやグローバリゼーションを考察する内容で、入場無料という点も注目される。

ブラジル・サンパウロでは、1920年に建てられたイピランガ地区の旧女子修道院が、約60万レアル(約1100万ドル)を投じて高級住宅「アルマ・マーテル」へと生まれ変わる。51戸の住居は2028年の完成を予定しており、市の文化財保護の制約を受けつつも、新古典主義建築の特徴を活かした物件として、高級住宅市場の好況を背景に注目を集めている。

同じくサンパウロでは、パン屋業界で女性経営者が急増している。業界団体サンパパオンによれば、市内約6000軒のパン屋のうち約1800軒(約3割)が女性によって運営されており、10年前の約8%から280%以上増加した。パンデミック後の再開を契機に、専門訓練や天然酵母、ソーシャルメディアの活用が変化を加速させた。

サンパウロの二つの美術館、MAMとトミエ・オオタケ研究所は、共同展「Aqui-lá」を開催している。ブラジル近代美術が海外との対話を通じて形成された過程を探る内容で、トミエ・オオタケ研究所の開設25周年を記念する。会場はイビラプエラ公園内に位置し、訪問しやすい。

ドイツでは、文化政策と芸術の自由をめぐる議論が活発化している。連邦憲法裁判所の判例を基に、国家は芸術を評価せずに助成するという二重の役割を負うとされ、中立性、透明性、多様性の保護という三原則が強調されている。政治による審査会への介入は、芸術の自由の保障に反する可能性が指摘されている。

パリでは、ディオールのアーティスティック・ディレクター、ジョナサン・アンダーソンが、テイラー・スウィフトの結婚式用ドレスを手掛けたことが明らかになった。同氏は2026-2027年秋冬オートクチュール・コレクションで、アメリカ人アーティスト、リンダ・ベングリスの抽象作品に着想を得た66のシルエットを発表。伝統的な「女性=花」のイメージを現代的に解釈し、素材と形状の探求を推し進めた。

同じくパリのプティ・パレでは、スキャパレリのアーティスティック・ディレクター、ダニエル・ローズベリーが、2027年秋冬オートクチュール・コレクションを発表した。シリコン製のバスチエなどを用い、美と怪物性の概念を探求。モデルのカールイ・クロスがシリコン製ブルーのバスチエを着用し、注目を集めた。

米国では、『ナショナル・レビュー』が「魂のない芸術は芸術ではない」と題し、人間の手による制作の重要性を論じる記事を掲載。作品の背後に人間が存在しなければ、その物語は感動を呼ばないと主張している。

スポーツ (Sports)

ウィンブルドン8日目:コボリ、パオリーニ、フェリーが準々決勝進出、大坂なおみもサバレンカ撃破

ウィンブルドン選手権8日目(7月6日)は、男子シングルスで第9シードのフラビオ・コボリ(イタリア)が第5シードのアレックス・デミノー(オーストラリア)を7-5、7-6(4)、6-3で下し、2年連続の準々決勝進出を果たした。コボリは先月の全仏オープンで準優勝した好調を維持し、試合後はアイスクリームを楽しみにすると語った。また、英国のワイルドカード、アーサー・フェリー(世界ランク114位)は、同じくワイルドカードのグリゴル・ディミトロフ(ブルガリア)を7-5、3-6、4-6、6-4、7-6(7)のフルセットで破り、準々決勝に進出。フェリーは試合中に鼻血が出るアクシデントにも動じず、「自分を内面的に集中させようとしている」とコメントした。

女子シングルスでは、第13シードのジャスミン・パオリーニ(イタリア)が、前回王者イガ・シュビオンテクを破ったフィリピンのアレクサンドラ・エアラを6-4、4-6、6-3で退け、2024年決勝以来となるグランドスラム準々決勝に進出。パオリーニは「ポイントごとに気分が良くなっていった」と振り返った。第12シードのマルタ・コストュク(ウクライナ)は予選通過者のアシュリン・クルーガー(米国)を6-4、6-4で下し、初のウィンブルドン準々決勝に駒を進めた。第9シードのリンダ・ノスコワ(チェコ)は第26シードのマディソン・キーズ(米国)を6-4、7-6(2)で破り、初の準々決勝進出。第6シードのテイラー・フリッツ(米国)は第10シードのアレクサンダー・ブブリク(カザフスタン)を7-6(1)、6-4、6-4で下し、5年連続4度目の準々決勝進出を決めた。

前日(7月5日)の試合では、大坂なおみ(日本、第14シード)が世界ランク1位のアリーナ・サバレンカ(ベラルーシ)を6-2、7-6(7/2)で破り、初のウィンブルドン準々決勝進出を果たした。大坂は「このコートで勝ったのは初めてで、とても特別な意味がある」と語った。ノバク・ジョコビッチ(セルビア、第7シード)はロマン・サフィウリン(ロシア)を7-6(6)、6-3、3-6、6-3で下し、ウィンブルドン男子シングルス最多勝利記録(106勝)を更新。準々決勝では第3シードのフェリックス・オジェ=アリアシム(カナダ)と対戦する。

南仏山火事、1万人避難 ツール・ド・フランス第3ステージは無観客開催

フランス南西部ピレネー山麓で発生した大規模な山火事により、スペイン国境に近い約20の町や村から1万人以上の住民が避難を強いられている。現地当局によれば、火災は約4,600ヘクタールを焼失し、依然として制御不能な状態が続いている。強風と記録的な高温が消火活動を一層困難にしており、内務大臣ローラン・ヌネス氏は「本日も戦いは続く」と述べ、警戒を呼び掛けた。

この火災の影響を受け、同日に同地域で行われた自転車ロードレース「ツール・ド・フランス」第3ステージは、一般観客の立ち入りが禁止された。レース自体は予定通りのコースで実施されたが、大会側は救急車両の通行を確保するため、沿道への観戦自粛を要請。レースディレクターのクリスチャン・プリュドム氏は「異例の火災には異例の措置が必要だ」と説明した。第3ステージでは、スロベニアのタデイ・ポガチャルが優勝し、総合リーダーのマイヨ・ジョーヌを奪取。ライバルのヨナス・ヴィンゲゴーに2秒差をつけ、自身22度目の区間勝利を飾った。

イングランド、メキシコ撃破で準々決勝進出もヘンダーソンが負傷離脱;米国FWバログンのレッドカード取り消しにトランプ大統領介入か

2026年FIFAワールドカップ決勝トーナメント1回戦、イングランドは7月5日、敵地エスタディオ・アステカで開催国メキシコを3-2で破り、準々決勝進出を決めた。ジュード・ベリンガムの2得点とハリー・ケインのPKでリードを奪ったイングランドは、後半にジャレル・クアンサーが退場処分を受け10人となるも、守備陣の奮闘でリードを守り切った。

しかし、試合後の祝福中にベテランミッドフィールダーのジョーダン・ヘンダーソンが広告板を越えようとして転倒、手首を骨折する不運な負傷を負った。ヘンダーソンは病院に搬送され、手術が必要とみられ、今大会の残り試合を欠場することが確実となった。トーマス・トゥヘル監督は「非常に深刻な負傷だ」と述べ、チームにとって痛手となる離脱を惜しんだ。

一方、同日夜に行われた米国対ベルギー戦を前に、米国代表FWフォラリン・バログンに科されていた1試合出場停止処分がFIFAによって取り消された。この決定は、ドナルド・トランプ米大統領がFIFAのジャンニ・インファンティーノ会長に電話で直接働きかけた結果との報道が複数あり、物議を醸している。UEFAは声明で「前例がなく、理解不能で正当化できない」とFIFAを厳しく非難。FIFAの元会長ゼップ・ブラッター氏も「政治的電話でレッドカードが取り消されるべきではない」と批判した。

準々決勝では、イングランドがブラジルを破ったノルウェーと対戦する。エルリング・ハーランドを擁するノルウェーは、ブラジルから歴史的な勝利を挙げ、勢いに乗る。イングランドにとっては、守備の脆さを露呈したメキシコ戦の教訓を生かせるかが鍵となる。

アルゼンチン、エジプト戦へ警戒強める——メッシ依存脱却が鍵、サラー擁するファラオズは歴史的番狂わせ狙う

2026年FIFAワールドカップ決勝トーナメント1回戦、アルゼンチン代表とエジプト代表の一戦が7月7日、米アトランタで行われる。前回王者アルゼンチンはカーボベルデ戦で延長戦の末に辛勝したが、リオネル・メッシへの過度な依存が露呈。メッシは今大会全4試合で得点し、チーム総得点11点中7点を記録するが、他の攻撃陣の不調が課題として残る。一方、エジプトはオーストラリアをPK戦で下し、W杯ノックアウトステージ初勝利を挙げた。モハメド・サラーを中心とした堅守速攻が武器で、無敗で決勝トーナメントに進出。アルゼンチンはブラジルがノルウェーに敗れるなど波乱の続く今大会、楽観を許さないと選手らは警戒する。

両国の対戦は2008年の親善試合以来で、W杯では初となる。アルゼンチンはW杯でアフリカ勢に8連勝中だが、エジプトは1990年のカメルーン以来、アフリカ勢として5チーム目の準々決勝進出を狙う。アルゼンチンはニコラス・ゴンサレスとファクンド・メディーナが負傷で出場微妙、エジプトは複数の負傷者を抱える。勝者はスイス対コロンビアの勝者と対戦する。

ブラジル、W杯敗退とアルカンタラ宇宙基地の再起動:アンチェロッティ体制継続と産業戦略の転換点

2026年W杯でブラジル代表がノルウェーに敗れ、36年ぶりの早い段階での敗退となった。カルロ・アンチェロッティ監督の采配やネイマールの復帰が物議を醸す中、ブラジルサッカー連盟(CBF)のロドリゴ・カエターノフットボールディレクターは、アンチェロッティが2030年W杯まで指揮を執ると明言した。一方、ブラジルは宇宙産業でも転機を迎えている。北部マラニョン州のアルカンタラ宇宙基地は、赤道近接の地理的優位性を活かし、約20の外国企業と打ち上げ交渉を進めており、6月22日には韓国イノスペース社の打ち上げ許可が下りた。昨年12月の失敗を乗り越え、商業打ち上げの実証が待たれる。

サッカー面では、元ブラジル代表キャプテンのカフーが、アンチェロッティ体制への信頼と同時に、ユース年代での創造性育成の重要性を指摘した。ノルウェーのストーレ・ソルバッケン監督は、試合後にアンチェロッティから贈られたブラジル代表ユニフォームに感動を語り、両者の間に遺恨がないことを示した。ブラジル国内メディアは厳しい評価を下し、『フォーリャ・デ・サンパウロ』はブラジルのポゼッション率35%がW杯記録開始以来最低だったと報じた。アルカンタラ宇宙基地は、国家主導のロケット開発から民間企業への射場貸与へと戦略転換し、新会社アラダが顧客開拓を担う。世界の宇宙市場は2025年に約2200億ドル、2034年には3150億ドルに成長すると見込まれ、ブラジルは月1回の打ち上げ目標を掲げる。