ウェールズサッカー協会(FAW)は31日、FIFA(国際サッカー連盟)ジャニ・インファティーノ会長の2027年以降の再選支援を撤回すると発表し、初の離脱国となった。インファティーノ会長がワールドカップの商業権益を民間投資家に売却する新子会社「FIFAフォワード・エンタープライズ(FFE)」の設立計画を推進したことが、欧州サッカー連盟(UEFA)や北中米カリブ海サッカー連盟(CONCACAF)から激しい反発を買い、計画撤回に追い込まれたことが背景にある。UEFAは法的措置を検討中であり、FIFAの統治体制に深刻な亀裂が生じている。
計画はFIFAの商業運営権益の約20%をベンチャーキャピタリストのジョシュア・クッシュナー氏が率いるスライブ・キャピタル等に売却し、42億ドルの資金調達を図るものであった。しかし、UEFAは55加盟国が全会一致でFIFA主催大会のボイコットを決議。英国のアンディ・バーナム首相は計画を「不届き」と批判し、ドイツサッカー協会(DFB)のアンドレアス・レティッグ理事は「回復不能な信頼の喪失」を指摘した。計画撤回後、フィンランドやイングランドも支持撤回を表明し、インファティーノ氏の政治的基盤は急速に弱体化している。
国際政治的な側面でも動揺が広がっている。ニューヨーク・ポストの報道によれば、インファティーノ氏は米ドナルド・トランプ大統領およびマーコ・ルビオ国務長官への支援要請を試みたとされるが、米国務省は通話計画の存在を否定している。一方で、アフリカサッカー連盟(CAF)のモツェペ会長は過去の財政支援への恩義から会長を支持しており、伝統的な強豪国と新興国の間で支持の二極化が進んでいる。
来月開催予定の候補者出馬締め切りを経て、2027年3月にモロッコ・ラバトで開催されるFIFA総会での選出に向けて、インファティーノ氏は211加盟国中の106票を獲得する必要がある。UEFAやCONCACAFの離反、および法的手続きの懸念は、その再選を極めて困難なものとしている。後継候補としてCONCACAFのモンタリャーニ会長やAFCのアル・ハリファ酋長らが浮上する中、FIFAはガバナンス改革と透明性の回復を迫られ、世界サッカーの統治構造に歴史的転換期が訪れる可能性が高い。