2026年6月、国際観光とビザ政策を巡る各国の動きが活発化している。インドネシア移民局はビザ免除政策の拡大に慎重姿勢を示す一方、ニュージーランドは中国人観光客を対象としたビザ免除トライアルの成功を報告し、経済効果の高さを実証している。同時に、サッカー・クリケット・ラグビーといった主要国際競技でも代表チームの動向が注目され、各国のスポーツ界にも波及効果が生じている。
インドネシアのハルンダサム・マラントコ移民局総局長は、観光省がビザ免除対象国を拡大する方針に対し、国家の収入源を放棄し、国威の維持にも影響するとして慎重な再考を求めている。同局長は「肯定的な貢献をしない訪問者を受け入れるべきではない」と指摘し、2025年にビザ免除対象を169カ国から16カ国に厳格化し、より選択的な移民政策へ転換した経緯を踏まえた主張を展開した。観光省は「8+1枠組み」により日本、韓国、インド、オーストラリア、ニュージーランド、ベラルーシ、カザフスタン、マカオ、シンガポール永住者を対象に加えたい考えだ。政府は世界旅行・観光協議会とオックスフォード・エコノミクスの共同研究を引用し、2016年に169カ国に開放した際に観光需要が24%増加し、約40万人の雇用が創出された事実を根拠に挙げている。
ニュージーランドでは、観光省がオーストラリア経由で中国人および太平洋島嶼国の観光客にビザ免除を適用する12か月のトライアルが6か月で成功を収めた。ルイーズ・アップストン観光大臣によると、ビザ免除オプション導入後、中国人訪問者の到着数が40%増加し、経済への寄与額は推定2億1500万ニュージーランドドル(約1億2100万米ドル)に達した。5月末時点で発行された電子渡航許可は9万111件で、そのうち7万9078件が実際に渡航に使用された。観光はニュージーランドにおいて乳製品に次ぐ第2の輸収入源であり、高燃料費と不確実性に押された国内支出を補う成長戦略の要となっている。オークランド空港は中国本土向け便の座席容量が12か月で8%増加すると発表し、中国東方航空も上海-オークランド-ブエノスアイレス線を週4便に増便する。統計によると、直近12か月間のニュージーランド訪問者数は30万7940人で前年比24%増となり、平均滞在日数は9日、1人あたりの平均支出は5500ニュージーランドドルと、観光経済への貢献度は極めて高い。
国際スポーツ界では、サッカーイングランド代表がワールドカップでガーナと0-0の引き分けに終わり、トーマス・トゥヘル監督の下、ポゼッションを支配しながらも得点を奪えずに苦戦した。クリケットではイングランドとニュージーランドが第3戦で対戦し、ベン・ストークス主将がコイントスに敗れニュージーランドが先制打席を選択した。ストークスと速球手のガス・アトキソンがナイトクラブ事件を機に出場停止となっていたが、クリケット規制当局の調査でチームの規則違反は確認されたものの重大な事故への関与は否定され、出場が認められた。ニュージーランドはトム・ラザムとデボン・コンウェイが好調なスタートを切り、シリーズを1勝1分で引き分けに戻した。また、1953年のタンギワイ鉄道事故で婚約者を失いながらテストマッチで英雄打を放った元ニュージーランド代表のボブ・ブライア氏が94歳で死去し、選手団は黒い腕章を装着して対戦に臨む。ラグビー南アフリカ代表(スプリングボクス)もラッシ・エルマース監督の下、イングランドとの開幕戦に向けてジョハネスブルクで練習キャンプを完了し、国際シーズンの本格始動へ向けて体制を整えた。
これらの動向は、ビザ政策の緩和と厳格化が各国の観光経済に直接的な影響を与えていることを示している。インドネシアが国益と収入のバランスを模索する中で、ニュージーランドが示したトライアルの成功は、柔軟な入国管理が観光セクターの回復と地域経済の活性化に直結することを証明した。同時に、ワールドカップやテストマッチ、ナショナルズチャンピオンシップといった国際スポーツイベントは、観客動員やメディア露出を通じて関連産業に経済波及効果をもたらす。各国が観光客の質と経済効果を天秤にかけながら政策を調整する中、今後のビザ枠の拡大可否とスポーツ大会の運営状況が、国際的な人流と経済動向を決定づける要因となる。