米軍とイラン軍は17日、休戦合意の崩壊後初めてとなる7夜連続の空爆・砲撃を互いに実行し、中東情勢が全面衝突の危機に直面している。米中央軍(セントコム)はイランの監視施設や軍事物流インフラ、地下兵器貯蔵庫、海軍能力を標的としたと表明し、5万人以上の米軍兵が地域に展開して海上封鎖を徹底していると説明した。これに対しイラン革命衛隊は、クウェートやバーレーン、ヨルダン、カタールなど米軍基地を擁する湾岸諸国を標的とした報復攻撃を実施。バーレーンにおける米軍無人機倉庫と人工知能センターの破壊、およびホルムズ海峡での航行規則違反船舶4隻の停止を主張した。
両軍の攻撃は軍事目標だけでなく民間インフラにも甚大な被害を広げている。国連事務総長は民間インフラへの攻撃を非難し懸念を表明。イラン南部ホルモズガーン州では橋梁や鉄道施設が破壊され、ジャスク市では電力施設と海水淡水化ポンプが損傷して約1万人の飲料水供給が停止した。クウェートでも発電所と淡水化施設がイランのミサイル攻撃を受け火災が発生し、電力供給に支障をきたしている。イラン政府は南部の猛暑とインフラ被害を理由に電力節約を呼びかけており、両国で甚大な人道・経済的打撃が懸念されている。
ホルムズ海峡は世界原油供給の約5分の1が通過する生命線だが、航行規制と海上封鎖により交通量は極端に減少した。これに伴い、原油価格は前日比4%以上上昇し1バレルあたり86ドル台に高騰。米国内では11月の中間選挙を控え、トランプ大統領に対する政治的圧力が高まっている。イラン最高指導者の顧問は米軍攻撃が継続すれば「全面的な攻撃フェーズ」に移行すると警告し、ヒズボラを含む同盟国にも備えるよう指示したと伝えられる。国際社会からは中国やパキスタンが協議再開を促す声が上がっているが、停戦交渉は行詰まっており、地域の更なる拡大と全球経済への悪影響が深刻な課題となっている。