米上院は23日、イランに対する米軍の軍事行動を停止するようドナルド・トランプ大統領に求める戦争権限決議を50対48の賛成多数で可決した。この決議は、2月28日に始まった米国のイラン攻撃に端を発する紛争において、連邦議会の両院が同種の決議を通過したのは1973年の戦争権限法制定以来初めてとなる。共和党過半数の上院で4人の共和党議員が民主党側と票を揃えたことを受け、議会内での反戦世論と行政への牽制の動きが明確になった。
決議は並行決議であり大統領の署名を必要とせず、ホワイトハウスは憲法違反であるとして無効とみなす立場だ。トランプ氏はソーシャルメディアで「不適切な時期の無意味な投票」と非難したが、上院少数党党首チャック・シュマー氏は宣戦布告権を持つ政府機関からの明確なメッセージだと強調した。一方、イランのマスウド・ペゼシュキアン大統領はミサイル計画を交渉対象外と明言し、パキスタンのシャリフ首相もこれを支持した。和平合意の枠組みでは60日間の交渉期間に入り、ホルムズ海峡の開放や制裁解除が含まれるが、国際原子力機関(IAEA)のラファエル・マリアーノ・グロッシ事務局長による核査察の受け入れをイラン側が拒否するなど、両国の認識に相違が残る。
ロイター/Ipsos世論調査によると、米国民の4分の1しか戦争を正当化しておらず、トランプ氏の支持率は34%まで低下した。63%が和平合意の長期化に懐疑的だ。議会内の亀裂は11月の中間選挙を前に共和党にも影を落としており、国防総省が800億ドルの追加予算を要求する中でも、軍事行動の停止決議は法的には象徴的ながら政府の外交・軍事方針に対する議会の関与を深めている。今回の可決は今後の和平交渉の行方と、米国の対外政策における大統領権限の限界を示す転換点となりそうだ。