国際サッカー連盟(FIFA)は7月31日、ワールドカップ(W杯)の商業権の一部を民間投資家に売却する計画を正式に撤回した。ジャンニ・インファンティーノ会長は声明で「この提案は分裂を生み、もはや当初の目的に沿わない」と述べ、計画の断念を表明した。この決定は、欧州サッカー連盟(UEFA)がW杯ボイコットを脅かすなど、世界中のサッカー関係者から猛反発を受けたことを受けたものだ。
FIFAは今週初め、W杯やクラブW杯を運営する新子会社「FIFAフォワード・エンタープライズ(FFE)」を設立し、約20%の株式を民間投資家に売却することで最大42億ドルを調達する計画を発表していた。しかし、UEFAは「W杯は売り物ではない」と非難し、アジアサッカー連盟(AFC)や北中米カリブ海サッカー連盟(CONCACAF)もこれに同調。さらに、インファンティーノ氏の上級顧問カルロス・コルデイロ氏が抗議の辞任を表明し、FIFA最高執行責任者(COO)のケビン・ラモー氏も計画を「一人の人間のプロジェクト」と批判した。英国のアンディ・バーナム首相もインファンティーノ氏を「組織を率いるのに間違った人物」と非難した。
今回の失態は、インファンティーノ会長の求心力に深刻な打撃を与えた。同氏は2027年3月のFIFA会長選で4選を目指しているが、専門家は反発が再選への道を複雑にする可能性を指摘する。AFCのサルマン・ビン・エブラヒム・アル・ハリファ会長は計画撤回を歓迎しつつ、今後は「タイムリーで透明性のある協議」を求めた。FIFAは今後、加盟協会との協議を進め、結束の回復を図るとしている。