The Morning Star Observer

2026年10月13日 火曜日朝刊 (Morning Edition)ArchiveAbout

EU、ロシア軍事産業へ過去最大の制裁拡大 トランプ・プーチン製油協定と『エネルギー停戦』に欧州が反発

欧州連合(EU)の外相理事会は10月12日、ロシアの軍事産業に関与する企業・個人を対象に、過去最大規模となる制裁リストの拡大を承認した。新たに対象へ加わったのは1,569の企業と個人であり、EUの対ロ制裁リスト全体では約4,600の主体に達する。EUの発表によれば、新規対象の半数以上がウクライナ攻撃に使われる弾道ミサイルの製造工程に関係し、半導体、電気回路、レーダー、航空部品、航法システム、爆薬、弾薬の製造業者が含まれる。EU理事会のデータは、今回制裁された企業の年間売上高が少なくとも200億ユーロ、雇用が25万人超であると示す。制裁は渡航制限、資産凍結、資金・経済資源の提供禁止を含み、効力は3年間続く。EUのカジャ・カラス外務・安全保障政策上級代表は「ロシアが戦争を始めたことを忘れてはならない」と述べ、圧力を強める以外に戦争を終わらせる道はないと主張した。

この決定は、ドナルド・トランプ米大統領がロシアのウラジーミル・プーチン大統領とまとめたディーゼル供給協定と、それに続く一方的な「エネルギー停戦」発表への直接的な反発として位置づけられる。トランプは10月9日、ロシアが米国と世界市場へ「直ちに」30万トン超のディーゼルを供給し、11月に50万トン、さらに短期間で100万トン、その後300万トンを追加供給すると発表した。ロシアのアレクサンドル・ノバク副首相は国営通信タス通信に対しこの数字を確認し、将来的に月間300万トンに達する可能性があると述べた。米財務省はロシア産ディーゼルに対する制裁を来年4月まで停止する許可を即時に発出した。プーチン大統領はトランプとの電話協議後、ロシア産石油・石油製品を米国と世界市場へ供給する用意があるとし、「世界経済全体に良い影響を与える」との認識を示した。トランプは10月12日、自身のSNSで「私はアメリカ国民のために正しい選択をした。常にアメリカ・ファーストだ」と擁護し、EUがロシアへエネルギー代として2,500億ドルを支払ったと主張して報道機関を非難した。

一方、トランプが10月11日にトゥルース・ソーシャル上で「ロシアとウクライナ間の戦争でエネルギー停戦が即時発効した。両当事者が合意した」と発表した停戦は、当事者であるウクライナとロシアの双方から確認されていない。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、停戦は「私にとってニュースだった」と述べ、報道を通じて知ったと説明した。ゼレンスキー大統領はワルシャワ安全保障フォーラムで、トランプの発表後にロシアがハルキウの火力発電所、ガス生産施設、民間ガソリンスタンドを含む6つのエネルギー施設を攻撃し、全国で33人が負傷したと非難した。「プーチンはトゥルース・ソーシャルを読まないことが明らかだ」と述べ、ロシアがエネルギー停戦に合意しないなら冬に反撃すると警告した。ロシア大統領報道官のドミトリー・ペスコフは「接触は続いている。言うべきことがあれば必ず知らせる」と述べ、停戦が製油所のみを対象とするかについては言及を避けた。ペスコフはゼレンスキーが提案した60日間の停戦を拒否し、プーチン大統領は選挙当日のみ攻撃を控える命令を出せるが、60日間は「再編成と傷の回復、戦争継続のため」に必要だと主張した。セルゲイ・ラブロフ外相は「彼(ゼレンスキー)は休息に値しない」と述べ、提案を一蹴した。

米国内では超党派の反発が広がる。スーザン・コリンズ、リサ・マークスキー、トム・ティリス、ジョン・カーティスの共和党4議員と、ジーン・シャヒーン、リチャード・ブルーメンソールの民主党2議員ら7議員が、ロシア産ディーゼル輸入計画を「違法」とする声明を出した。2022年に議会がロシア産エネルギー輸入を禁じたこと、政権が議会に協議も説明もしていないことを根拠とする。「米国はロシアがウクライナ民間人を殺し続ける限りプーチンに金融的な救命索を渡すべきではない。政権は直ちに方針を改めるべきだ」と訴えた。ホワイトハウスは当初この批判に反応しなかった。分析筋は、ロシアが約束した30万トンは米国の1日当たりディーゼル消費約360万バレル(約50万トン相当)の半分程度にすぎず、価格への影響は「ゼロかほぼゼロ」だと指摘する。国際エネルギー機関(IEA)はロシアのディーゼル生産量が約30%減少したと推計する。ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシア産ディーゼルの供給量は世界の月間消費約1億2,000万トンに比べて取るに足らないとし、「米国はなぜウクライナとディーゼル協定を結ばないのか」と問いかけた。

各国メディアの論調には明確な差がある。スペインのエル・パイス、ドイツのDWとフランクフルター・アルゲマイネ、フランスのフランス24、EU専門のポリティコは、EUの記録的制裁拡大と欧州首脳のトランプ批判を前面に置く。ドイツのフリードリヒ・メルツ首相は「米国とロシアのディーゼル輸出協定に留意する。ドイツと欧州にとって、そのような決定は論外だ」と述べ、ロシアは圧力の下でのみ真剣に交渉すると主張した。ポーランドのドナルド・トゥスク首相は「西側全体」に対し、支配のために戦うプーチン政権へより強硬に対応するよう呼びかけた。フランスのエマニュエル・マクロン大統領は「過去48時間、ロシア側からのエネルギー停戦は確認していない」と述べた。リトアニアのケーストゥティス・ブドリス外相は「この協定は石油製品価格にも大西洋共同体の結束にも役立たない。欧州のやり方ではない」と断じ、ラトビアのバイバ・ブラジェ外相は「ロシアへの圧力、制裁、ウクライナ支援、ロシアの孤立が平和への道だ」と述べた。アイルランドのヘレン・マキンティ外相は協定を「憂慮すべきもの」と呼び、ドイツのグンター・クリヒバウム欧州担当相はロシア産エネルギーに費やされる1ドルがキーウ攻撃に使われる武器の購入を支えると指摘した。エストニアのマルグス・ツァフクナ外相は、協定が燃料価格を「実際に変えることはない」とし、米国の国内事情に強く結びついていると述べた。英国のスティーブン・ドゥーティー国務相はロシア産エネルギーの購入に追随する計画はないと明言した。

米国メディアの論調は国内政治と超党派批判に集中する。ナショナル・レビューは「トランプのプーチンとのディーゼル協定は権力の重大な濫用であり、米国に経済的利益をもたらさず、プーチンにとっては完全なクーデターだ」と断じた。NPRは、トランプがウクライナに戦時選挙を促しゼレンスキー交代を求める一方、燃料価格高騰を選挙戦の争点としている構図を強調する。ガーディアンは、協定が米国の運転者や企業に「意味のある」影響を与えることはほとんどないというエネルギー・外交政策分析者の予測を伝えた。中国のサウスチャイナ・モーニング・ポストは、北京が今回の米ロ取引を「取引的」と見なし、トランプが再び方針を変える可能性を踏まえて長期的影響を見極めようとしていると報じた。北京外国語大学の崔洪建氏は、ウクライナと欧州がこれを緊急の「つなぎ」と見なし、制裁の「ドミノ効果の第一歩」となることを望んでいないとし、中国の対応は「状況がどちらへ進むかを見守る」ことだと述べた。香港大学の張弛氏は協定を「自己矛盾的」と評し、米国のアプローチの「選択的」な性格を反映すると指摘した。南京大学の馬博氏は、中間選挙後に調整される可能性のある「一度限りの申し出」だとの見方を示した。ウクライナのキーウ・インディペンデントは、ロシアが停戦発表直後にハルキウの発電所を攻撃し、複数地域でエネルギーインフラへの攻撃を続けたと強調し、ロシア国営タス通信はペスコフ報道官の「接触は続いている」との発言のみを伝えた。ロシアの主張とウクライナ・欧州の認識が真っ向から割れる点が浮き彫りとなる。

市場と戦況への影響は深刻である。10月12日のブレント原油は、イエメンのフーシ派によるサウジアラビア攻撃を受けて1バレル約103〜107ドルまで上昇し、米国産WTIは約91〜93ドルで取引された。サクソUKのニール・ウィルソン氏は「米国のロシア産ディーゼル購入協定は大海の一滴にすぎない」と述べた。主要7カ国(G7)は4カ月間で戦略備蓄から最大1億バレルを放出することに合意した。国際通貨基金(IMF)は、ウクライナが来年に300億〜350億ドルの資金不足に直面すると推計する。欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は戦争が「新たな、より暗い段階」に入ったと述べ、10月16日の欧州理事会でウクライナ支援が中心議題となる見通しだ。EU首脳らは冬を前に、ロシアによるエネルギーインフラ攻撃が続く中で圧力を緩めるのではなく強めるべきだとの立場をそろえた。11月3日の中間選挙を控え、燃料価格とウクライナ政策が米国の政治と欧州の安全保障を同時に揺さぶる構図となっている。

フーシ派がリヤド空港を攻撃、サウジは「深刻な対応」を表明 イランは仲介を提案

イエメンのイラン支持派であるフーシ派が、サウジアラビアの首都リヤドにあるキング・ハリド国際空港など複数の空港やエネルギー施設への攻撃を繰り返した。土曜日の攻撃で13人が死亡し300人以上が負傷した。これは10年以上の間でサウジ領内で最悪の攻撃だった。日曜日の攻撃でも1人が死亡し11人が負傷した。サウジの民間航空当局は月曜日、キング・ハリド国際空港の運用停止を延長した。施設の安全と運用準備を確認する手続きを完了させるためだとした。運用再開の時期は明示しなかった。

サウジのアブドゥルアジズ・ビン・サルマン・エネルギー相は月曜日、リヤドでのエネルギー会議で「エネルギー安全保障は当然のものとして扱えない」と述べた。「ここ数週間の出来事は深刻であり、我々の対応も同じくらい深刻でなければならない」と語った。同相は「我々のインフラ、制度、国民、そして回復力が試された」と付け加えた。会議では石油価格が1バレル105ドルを超えた。サウジの実質GDPは今年3.6%の縮小が見込まれている。世界石油会議(WPC)は開催されたが、エクソンモービル、トタルエナジーズ、シェル、BP、シェブロンの最高経営責任者は議題から外れた。BPは「旅行の混乱により対面での参加ができない」と述べた。リヤドでは学校が遠隔学習に切り替わり、金融街の労働者も在宅勤務を指示された。

攻撃の詳細について、サウジ国営通信は国防省のトゥルキ・アル・マリキ報道官の名で、ドローンと巡航ミサイルの脅威を検知し監視していると伝えた。サウジ主導の連合は、夜間に王国を狙ったミサイルとドローンを迎撃したと発表した。ダンマーム空港への攻撃で1人が死亡し11人が負傷した。ハミス・ムシャイトに向かう弾道ミサイルも「迎撃し破壊した」とした。フーシ派の軍事報道官ヤヒヤ・サリーは、リヤドの空港を弾道ミサイルで、ハミス・ムシャイト空軍基地をドローンで攻撃したと主張した。同報道官は、メッカとメディナの空港を除き、サウジの空港と空域は「我々の部隊の作戦区域」であり安全でないとして、航空会社と旅行者への警告を繰り返した。サウジ当局が公開した監視カメラ映像には、巡礼の服装をした人々が搭乗ラウンジで待つ中、閃光が走り、燃える瓦礫が落下する様子が映っていた。

国際社会の反応は分かれた。イランのアッバス・アラグチ外相は日曜日、サウジのファイサル・ビン・ファルハン外相と電話で協議し、軍事アプローチへの固執は事態を複雑にするだけだと警告した。イラン外務省のエスマエイル・バガエイ報道官は月曜日、「アラビア半島で起きている展開を深く懸念している」と述べ、二つのイスラム諸国の間で敵対と戦争が続くことを望まないとして、対話の仲介への用意を表明した。UAEのアンワル・ガルガシュ大統領顧問は、サウジへの攻撃は湾岸諸国全体の安全を損なうとして、湾岸諸国による共同の安全保障・防衛行動の復活を求めた。トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、フーシ派の「違法で非人道的な攻撃」に対してサウジと共に立つと述べ、メッカ協定を議会に提示する用意があるとした。英国のアンディ・バーナム首相は、サウジからの追加支援要請を検討する用意があると述べた。中国外務省の毛寧報道官は攻撃を非難し、地域の緊張を高める行動を避けるよう求めた。米国のドナルド・トランプ大統領は、フーシ派への攻撃に加わることを検討していると述べた。

報道の論調には各国で差がある。欧米メディアはサウジの防衛体制の脆弱性と経済的影響を前面に出す。ロイターは、サウジが紅海のバブ・エル・マンデブ海峡からフーシ派を押し出そうと内戦に再介入した結果、他の戦線では後退していると伝えた。DWは、攻撃をめぐる複数のバイラル動画がAI生成であり、3月から出回っていたものだと検証した。ドイツのFAZは、フーシ派が「規則に従わず、民間人の犠牲を肩をすくめて受け入れる」点が優位になっていると分析し、投資家や観光業への打撃を強調した。フランス24は、フーシ派への対応における米国の保護の限界を論じた。イラン系メディアのテヘラン・タイムズは「イエメンがリヤドを地上に釘付けにした」と題し、サウジが10年間「安全な港」として売り込んできたのに首都の滑走路を開いておけないと指摘し、米国が踏み込まない理由として中間選挙と「ラフ・ライダー作戦」の高コストを挙げた。カタールのミドル・イースト・アイは、リヤドがもはや安全に感じられないという駐在外国人の声や、湾岸諸国とワシントンの関係の緊張、メッカ共同防衛協定の重要性を伝えた。イスラエル紙は、サウジがイスラエルのイエメン介入の申し出を拒否したことや、迎撃弾が不足しているとサウジ当局がWSJに語った点を報じた。バングラデシュとパキスタンのメディアは、自国民への退避・警戒の呼びかけと、攻撃で死亡したパキスタン人やバングラデシュ人聖職者、シリア人母、米国人ら犠牲者の国籍を詳しく伝えた。

影響は広範に及ぶ。航空分析会社シリウムによれば、日曜日にキング・ハリド国際空港の定期便の99.7%が欠航し、月曜日も約60%の欠航が見込まれた。ルフトハンザは10月16日までリヤド便を中止し、エールフランス・KLMは月末まで運航停止を延長した。エティハドもリヤド、ジッダ、ダンマムへの約20便を取りやめた。米連邦航空局は米航空会社に対し、サウジ上空での飛行に注意するよう求めた。英国はメディナ国際空港を除くサウジ国内の全空港への渡航を控えるよう勧告した。サウジのムハンマド・ビン・サルマン皇太子は、イエメンでの戦争と、石油依存から脱却して投資と観光の中心地となることを目指す「ビジョン2030」の間で難しい立場に立たされている。フーシ派の攻撃は、10月26日から29日にかけて予定される未来投資イニシアチブや、2034年ワールドカップ、2030年万博といった構想にも疑念を投げかけている。

ペルーが学校規律を厳格化、フランスでは14歳が校長らを撃つ 各国メディアの力点に差

ペルーのケイコ・フジモリ大統領は10月12日、公立学校に適用する新たな学校規律指針を発表した。暴力を振るう生徒の退学処分の復活、いじめや性的嫌がらせへの対処、化粧や長髪・染色髪、電子機器の教室への持ち込みの禁止などを柱とする内容だ。同じ12日、フランス南部オーバーニュのジョゼフ・ラカナル中学校では14歳の生徒が狩猟用散弾銃をギターケースに隠して持ち込み、校長と女性教員に発砲して負傷させた。フランスでは9月中旬から高校生による学校改善要求の抗議運動が続いており、政府は事態の沈静化を図る一方、生徒側は要求を維持している。

ペルーの指針は「学校規律管理のためのガイドライン」と呼ばれ、校長、教員、保護者、地域・地方の教育事務所の責務を定める。違反は軽微、重大、極めて重大の三段階に区分され、制裁は各段階に比例する形で課される。最も深刻な事例では生徒の分離または退学が選択肢に含まれる。教員は生徒を指導・是正する権限を取り戻し、素行評価も復活する。虐待の疑いがある事案は検察庁に送致され、被害者を退学させてはならないとされる。退学処分を受けた生徒が就学の機会を失わないよう、復帰支援校、ハイブリッド教室、地域センター、心理的支援が選択肢として挙げられている。

フジモリ大統領は「秩序は街路だけでなく、学校にも教室にも戻らなければならない」と述べ、いじめ、暴力、性的嫌がらせを認めない姿勢を示した。教育大臣のホセ・アントニオ・チャンは「学校内で他の生徒を攻撃する子どもは二度といなくなる」と述べ、化粧、爪の染色、過度に長い髪や染色した髪、適切な丈のスカートの使用を認めないと説明した。これらの規定はすべての公立校に適用され、私立校は独自の内規を定められる。背景には9月15日、リマの海軍運営校リセオ・ナバル・アルミランテ・ギセの生徒がスクールバス内で16歳の生徒への集団性的暴行の疑いで告発され、リマの裁判所が10代6人に4か月の予防的収容を命じた事件がある。関係者はサンミゲル区のマランギタと呼ばれるリマ少年診断・更生センターに収容された。政府は同校の再編を命じ、来年まで教育省の管理下に置いた。チャンは同校で「秩序と規律」の回復が進んでいると述べた。

教育省の通報システム「シセベ」は9月に4759件の学校暴力を通報として記録し、前年同月の2789件から70.6%増加した。1月から9月までの累計は1万6550件で、前年同期比24.9%増となる。同システムは事案ではなく通報を数えるため、一つの事案が複数回計上される場合がある。チャンは10月6日、退学処分が「確実に戻る」と述べ、草案を5日から10日間意見公募にかけた後に効力を生じさせると説明した。法的な文書の名称や効力発生の日付、どの違反が「極めて重大」に当たるか、退学を誰が決定するかは明らかにされていない。影響を受ける生徒の数や、復帰支援校の財源・人員も不明だ。

ペルーの措置をめぐる報道は、媒体によって力点が異なる。アルゼンチンのクラリン紙はフジモリ大統領の「秩序」発言や「議論を起こすことが狙いだ」との説明、深刻な暴力事案では退学が戻るとの言明を前面に出す。ブラジルのリオ・タイムズ紙は、2025年4月23日にドナルド・トランプ米大統領が署名した「常識的な学校規律政策の復活」と題する大統領令との類似を強調し、米国の議論との並行関係を軸に構成する。同紙はまた、法的文書や施行日が不明である点、私立・国際学校への適用が不明である点を「不明な点」として明示する。ペルーの国営通信アンディナは規律指針の内容と教員の権限回復、素行評価の復活を中心に伝える。いずれの報道も、退学処分の復活と三段階の違反区分という根幹認識では一致する。

フランスのオーバーニュの事案では、14歳の生徒が少なくとも4発を発砲した。マルセイユの検察当局によれば、生徒は1階で校長と教員に1、2発を撃ち、脚を負傷させた後、2階に上がってさらに2発を撃った。校長は53歳、教員は37歳で、命に別状はない。3人目がかすり傷を負った。生徒は教職員に取り押さえられ、警察に拘束された。使用されたのは12口径の狩猟用散弾銃で、弾は狩猟用の散弾だった。マルセイユの検察官ニコラ・ベソンヌは声明で経過を説明した。オーバーニュ市長のジャン・ピエール・スキラリは、生徒が銃をギターケースに隠して校内に入り、教育者に2度発砲したと述べ、校外活動の指導員が飛びかかって武装解除したと説明した。同市長は「他の子どもと同じような落ち着いた少年だ。父親が教員との面談を求めていたが、それ以上のことは分からない」と語った。検察当局のオードレイ・ジュアネトン副検事は、動機や校長と教員を狙ったかどうかはまだ不明であり、いじめが引き金だった可能性も捜査が必要だと述べた。生徒は攻撃中もその後も動機を語らず、落ち着いて見えたという。

フランスのメディアは事案の経過と動機の不在を重く扱う。ル・フィガロ紙は「教師を殺すことが目的だった」との題で、生徒が殺意をもって校内を巡った経緯を詳述する。フランス24は映像とともに速報を出し、アルジャジーラはフランスで生徒による銃撃がまれである点を強調し、2017年に南部の高校で16歳が発砲し生徒3人と校長を負傷させた事例を挙げる。ドイツの報道はジュアネトン副検事の説明を軸に、動機と標的の特定が未了である点を前面に出す。スペインのエル・パイス紙は市長の発言と、この学校が高校生の抗議や封鎖の影響を受けていないことを伝える。英国の報道は市長の「生徒は全員直ちに封じ込められ、数秒で安全が確保された」との発言を引く。カタールのアルジャジーラは、校長と教員が脚を負傷し重体ではないこと、生徒が数学教員の説明で最初の銃声を近隣工事の音と誤解したとの証言を伝える。いずれの報道も、この銃撃が学校改善を求める高校生の抗議運動とは無関係であるという警察・検察の説明では一致する。

フランスでは高校生の抗議運動が続く。9月中旬に始まった運動は10月13日火曜日の新たなデモと大規模ストライキを予定し、政府は終息を望んでいる。教育省によれば金曜日には96%以上のリセが開校した。政府筋はデモによる被害額が「少なくとも3000万ユーロ」に上ると記者団に述べた。司法省は金曜日、デモ開始以降6800人以上が拘束され、その86%が未成年だと発表した。機動隊との衝突で生徒が重傷を負い、警察の手法への批判が高まったことを受け、政府は一人の生徒が手を失ったスタングレネードの使用を停止した。警察は自らの内部の不正行為の疑い18件を捜査している。教育大臣エドゥアール・ジェフレイは、最も被害の大きい114校で欠員教員を代替するため約3000人の臨時教員を配置すると発表した。セバスティアン・ルコルニュ首相は日曜日、生徒の意見を集める政府のオンライン平台に寄せられた要求に応えるため、2027年予算案に変更を加えると約束した。高校生組合は先週の発表を「パンくず」と評し、リセへの1000万ユーロの追加投資要求を維持する。フランスの医学部生1万人は、月曜開始の専門選択に関わる試験への影響を懸念している。木曜日のデモは内務省の集計で7万1500人、火曜日の行動日は約25万6000人が参加した。イプソス・BVAの日曜公表の世論調査では54%が高校生の抗議を支持し、クラスの過密と老朽化した学校の改修への同情が最も大きい。

ペルーでは別の動きも進む。検察当局は10月12日未明の一斉摘発で、リマの恐喝組織の疑いで12人を拘束した。組織は「ロス・インへルトス・デル・リマク・ヌエバ・ヘネラシオン」と自称し、リマ北部のリマク区とサンフアン・デ・ルリガンチョ区で摘発が行われた。組織犯罪対策の専門部署の検察官セサル・アウグスト・チャンガ・エチェバリアが指揮し、警察も参加した。非正規の乗合ミニバス運転手は登録料150ソルから250ソル、週120ソル、各運行につき1ソルから2ソルを支払わされ、1台あたり月150米ドル超になる。建設業者や企業には生命や労働者、家族への脅迫のもと2万ソルから5万ソル、約5830米ドルから1万4580米ドルが要求された。現金、銃器、ダイナマイト、導火線、ノート、電話回線、QR決済コード、電子機器が押収され、犯罪に使われたとされる車両が移動不能にされた。拘束者には通称「タンケ」と呼ばれるジョエル・ルイス容疑者が含まれる。検察は恐喝、強盗、殺人を告発しているが、被害者数や集めた総額、殺人の詳細は示していない。ケイコ・フジモリ大統領は犯罪対策の統合司令部を発表し、内務大臣のセサル・アストゥディージョは上院に恐喝対策の法的・技術的手段を求めた。狩猟・スポーツ・収集用の民間銃器の登録制限を厳しくし、購入・輸入経路が犯罪組織に供給するのを止めたいと述べた。米国務省はペルーをレベル2に位置づけ、注意を高めるよう勧告している。

マレーシアでは煙霧による学校閉鎖が続く。教育大臣のファドリナ・サイデクは、煙霧に伴う学校閉鎖は保健・環境当局と共同で決定すると述べた。ジョホール州では先週木曜と金曜に全学校が閉鎖され、州政府は10月16日まで5日間延長した。閉鎖は1198校、61万7258人の生徒に加え、ジョホール州宗教学校575校、州宗教高校3校、登録済みの私立イスラム教育機関239校に及ぶ。保護者のノル・アズラ・ムド・アミンは、6歳、8歳、10歳の3人の子どもが同時にオンライン授業を受けなければならず、家庭に端末が2台しかないと述べた。別の保護者シティ・ハジャル・A・ガッファルは、在宅教育期間中に在宅勤務が認められず、特に小学生が大人の監督なしに置かれたと語った。古いiOS端末がグーグルミートなどの必須アプリに対応しないことも問題だという。

シンガポールでは、小学校の元主任が10月12日、2023年に校内で女性被害者の性器部分を意図的に撮影したとして窃視罪で起訴された。45歳のシンガポール人で、被害者を特定しうる情報の公開を禁じる報道禁止命令が出たため、学校名や被告の氏名は公表されない。被告は有罪答弁の意向を示し、11月に期日が設定された。教育省は、被告が今年6月から停職中で現在はどの学校でも教えていないとし、職員の違反を重く見て解雇を含む懲戒措置を取ると述べた。有罪の場合、最長2年の禁錮、罰金、鞭打ち、またはこれらの組み合わせが科されうる。南アフリカのデ・ドールンスでは、10月8日にヘックスファレイ中等学校の9年生フレデリコ・コンスタベルさんが、マトリック・ボールの後にトラックが学校を去る際に車両にしがみつき、車輪の下に落ちて死亡した。警察のウェスリー・トゥイッグ巡査部長は、殺人容疑で事件が立件され、状況を捜査中で逮捕者は出ていないと確認した。学校は、ヘリテージデーの日に亡くなった別の生徒グラニム・アドニスさんとともに、火曜日に合同追悼式を行うと発表した。

一連の出来事は、学校という空間が規律、安全、そして政治的抗議の交差点になっていることを示す。ペルーは暴力統計の急増と海軍運営校の事件を背景に、退学処分と身だしなみ規制を軸とする統制へ舵を切った。フランスでは銃撃事件が抗議運動とは無関係とされつつも、教育現場の緊張が同時に高まっている。各国メディアは、ペルーでは米国の政策との類似と不明点を、フランスでは動機の不在と銃撃の希少性を、それぞれ異なる角度から際立たせている。

仏スーパー数百店舗の冷蔵設備をサイバー攻撃、食品廃棄と火災が発生

2026年10月12日未明、フランス全土の大手スーパーマーケットの冷蔵・冷凍設備が大規模なサイバー攻撃を受け、数百店舗で生鮮・冷凍食品が廃棄され、複数の店舗で火災も発生した。パリ検察庁は「大規模な」攻撃であり「フランス全土の大手食品小売店の接続型冷蔵庫に影響を与えた」と確認した。被害はCoopérative U、Intermarché、Monoprix、Carrefour、E.Leclerc、Auchanなどに及んだ。

攻撃の手口は、デンマークのDanfoss社が供給する冷蔵管理ソフトウェアの脆弱性を突くものだった。ANSSIは「デンマーク企業が供給するソフトウェアの脆弱性を特定し、提供元に連絡した」と説明した。攻撃者は遠隔で冷蔵設備の「強制解凍」を起動し、庫内温度を50度まで上昇させた。Intermarchéの約150店舗では冷蔵庫が6時間にわたり50度まで加熱され、衛生リスクを避けるため全食品が廃棄された。Coopérative Uのドミニク・シェルシェル最高経営責任者はXへの投稿で「生鮮食品の保存とフランス国民の食料供給に不可欠な設備を狙う行為は極めて重大であり、前例がない。受け入れられない」と述べた。

被害規模は報道により幅がある。IntermarchéとNettoは少なくとも300店舗、Coopérative Uは100店舗弱、Carrefourは6,000店舗のうち80店舗、Monoprixは約490店舗の5%が影響を受けた。HaguenauのIntermarchéオーナー、ソフィー・マット氏は自店の損失を5万ユーロと見積もり、アルザス地方の2店舗で計27万ユーロの損失が報告された。Intermarchéのティエリ・コティヤール最高経営責任者は、全国で1日あたり数千万ユーロ規模の損失になると述べた。Les Mousquetairesは損失を「数百万ユーロ」と推定した。

フランス政府は事態を重く見ている。セバスティアン・ルコルニュ首相はANSSIに調査を指示し、首相府によれば「個人的に状況を監視している」。パリ検察庁はサイバー犯罪対策課とOFACに捜査を委ね、被害者の特定と食品損失・火災発生との関連の解明を進める。EU農業担当委員のクリストフ・ハンセンはXで攻撃を「断固として」非難し、「食料の兵器化が現実となった」と述べた。

各国メディアの論調には差がある。フランスのル・フィガロは「前例のない」攻撃を「転換点」と位置づけ、冷蔵庫からエレベーターまで日常の接続機器が攻撃対象になったと指摘し、ITと産業技術の融合が経済的被害を拡大させると論じた。アルゼンチンのクラリンは「欧州におけるハイブリッド戦争」という枠組みを前面に掲げ、市民への恐怖と威嚇を生む異例な側面を強調した。スペインのエル・パイスは食品の腐敗と数百万ユーロの損失に加え、オランダ・ベルギーでのサイバー事案を併記した。シンガポールのCNAとロイターは、マクロン大統領が先月ロシアの「ハイブリッド攻撃」への対策を命じた文脈を添え、ハイブリッド攻撃への懸念の高まりを報じた。中国系メディアはAFP発の事実を簡潔に伝えるにとどめた。南アフリカのメディアは、8月下旬に米軍のcommissary約12か所で冷蔵庫が影響を受け食品損失が起きた類似事例まで報じ、被害がフランス国外にも及ぶ可能性を示した。

事実認識では各国の報道は一致する。夜間の遠隔操作、Danfoss製ソフトの脆弱性、温度の異常上昇、食品廃棄、火災の発生、そしてANSSIとパリ検察庁による捜査である。一方で、被害店舗数や損失額の見積もり、攻撃者像、他国への波及の有無については見解が割れる。ダンフォスは影響を受けた機器が「旧式のファームウェア」で稼働していたと説明し、AK-SM800とAK-SC355が特に影響を受けたと述べた。8月9日にはClarotyのTeam82がAK-SM 800Aコントローラーの脆弱性に関する調査を公表していた。

影響はフランス国内にとどまらない。オランダのAhold Delhaizeはネットワークの「セキュリティ問題」を報告し、Albert Heijnのアプリと配送システムを停止した。米国ではStop & Shop、Giant、Hannaford、Food Lionのサイトが一時停止を表示した。Sekoiaのフェリックス・エメ氏は、スペイン、ポルトガル、ポーランド、ドイツ、ベルギーも影響を受けたと述べた。EU小売業協会Eurocommerceのクリステル・デルベルグ事務局長は「この事案はサプライチェーン全体の強靭性の重要性を浮き彫りにした」と述べ、フランス商業・流通連盟はダンフォスに「完全な透明性」を求めた。長くインターネットから切り離されていた産業機器がセンサーや遠隔監視で接続されたことが、今回の被害を可能にした。

政治 (Politics)

英首相、フェアフォード基地事件でイラン革命防衛隊を名指し 29カ国が共同声明

英国のアンディ・バーナム首相は10月12日、米軍がイラン攻撃に使用した英南西部の空軍フェアフォード基地で9月27日に起きた事件について、イラン革命防衛隊(IRGC)が「ほぼ確実に指揮した」との政府評価を議会で明らかにした。バーナムは「イランで調整された可能性が極めて高く、イラン革命防衛隊がほぼ確実に指揮した」と述べ、「我々は自国の領土におけるこうした脅威を容認しない」と強調した。ミリバンド外相はイラン大使を召喚し、2人のイラン人への制裁を発表した。

事件は9月27日未明、基地近くで20代の英国人男性5人がテロおよび爆発物関連の容疑で逮捕されたことに端を発した。警察は容疑者に関連する車両3台からガソリンを発見したが、爆発物は見つからなかった。7人全員が厳格な条件付きの保釈で釈放され、いまだ起訴されていない。6人は英国籍、1人は英国・イラン二重国籍だった。住民数十人が避難し、武装警官と陸軍の爆発物処理専門家が動員された。米国は先週、B-1爆撃機を同基地から撤退させ、ドナルド・トランプ大統領は「脅威があった」と述べた。米当局はロイターに対し、イランが関与するドローン攻撃計画の疑いがあったと語った。

エド・ミリバンド外相はイラン大使を召喚し、ロウホラ・バズガンディ(IRGC対諜報作戦部長)とシャフラム・アリ・レザ・タマルザデ・ジャッキ(制裁対象のジンダシュティ犯罪ネットワークの仲介役)の2人のイラン人を制裁対象とした。資産凍結と渡航禁止が即時に課された。米国、英国、オーストラリア、カナダ、フランス、ドイツなど29カ国は共同声明を出し、「イランによる暴力攻撃」を「最も強い言葉で」非難した。

報道の力点は地域によって異なる。ロイター、POLITICO、APなど欧米メディアはバーナムの議会発言と共同声明の文言を軸に構成し、英国の対イラン制裁と大使召喚を前面に置いた。スペインのエル・パイスは29カ国の連帯と、親イラン組織ハラカト・アシャーブ・アル・ヤミン・アル・イスラミヤがユダヤ系コミュニティーやイラン人ジャーナリストを標的にした最近の攻撃に言及した点を強調した。カタールのアルジャジーラはイランの「断固たる拒否」を大きく扱い、アリ・ムサビ駐英イラン大使がスティーブン・ドーティ中東担当相と会談し、イランが調査への協力に前向きであると国営通信IRNAが伝えた事実を記した。インドのタイムズ・オブ・インディアは、トランプ政権が「米軍兵士を可能な限り多く殺し、米軍機を可能な限り多く破壊する」意図の脅威だと主張した点を際立たせた。イラン国営IRNAは、証拠があるなら提示すべきだと英側に要求したと報じた。

一致する根幹は、9月27日の事件、7人の逮捕と全員の保釈・無起訴、ガソリンの発見と爆発物の不在、米爆撃機の撤退である。一方で、イラン関与の評価をめぐり、英米欧は革命防衛隊の指示を事実とみなすのに対し、イラン側は全面否定し、証拠提示を求める点で対立した。米国とイランの戦争は2月28日に始まり7カ月以上が経過した。フェアフォードはロンドン西方約160キロに位置し、米爆撃機の欧州における優先基地である。事件の全容はなお不明のままで、外交的緊張は一段と高まっている。

投票権と司法の狭間で——スペイン・インド・イスラエル、2026年秋の選挙をめぐる攻防

2026年10月12日、三つの国で司法と選挙をめぐる重大な判断が相次いだ。スペイン最高裁は「孫法」によって国籍を取得した者たちの投票権停止を11月29日の総選挙まで維持する決定を下した。インドでは野党連合インディア・ブロックが最高裁へ向けて行進し、選挙管理委員長ギャネシュ・クマールの辞任を要求した。イスラエル最高裁はアラブ系政党バラドの党首サーミー・アブー・シェハーデの立候補失格を支持した。

スペインでは最高裁の行政訴訟法廷第四部が、国家弁護士局と検察庁の訴えを退けた。両者は在外選挙人名簿の精査が総選挙に間に合わないとして、亡命者の子孫への投票権を認めるよう求めていた。最高裁は「司法命令の履行が不可能である場合、その不可能性の原因は命令を実行すべき行政機関自身にある」と指摘し、行政の責任を問うた。対象となる在外選挙人名簿(CERA)は2026年8月1日締めで163,020人に上る。ただし領事登録担当者が「政治的、思想的、信条または性的指向の理由で亡命した者の子または孫」であり国籍を喪失・放棄したと証明した者は投票できる。スペインのエル・パイス紙は最高裁の法的論理を克明に伝え、アルゼンチンのクラリン紙は「孫法」による国籍申請がアルゼンチンから最も多く出された点を強調した。首相ペドロ・サンチェスは「フランコ体制の亡命者の孫は投票できず、フランコ体制の孫は投票できるのか」と批判し、内務大臣フェルナンド・グランデ・マルラスカは「一部にとって投票権はそれほど重要でないらしい」と嘆いた。一方、国民党(PP)のアルベルト・ヌニェス・フェイホー党首とVoxのサンティアゴ・アバスカル党首は決定を歓迎した。

インドでは、コングレス党のラーフル・ガンディー氏が率いるインディア・ブロックが最高裁へ行進し、選挙人名簿の特別集中改定(SIR)をめぐる不正を訴えた。デリー警察は6つの地下鉄駅を閉鎖し、道路をバスで埋めて抗議を封じた。最高裁長官スーリヤ・カント氏は野党との会談を拒否し、法的手続きを取るよう促した。野党側は約1億3000万人が選挙人名簿から削除されたと主張する。若者主導の「ゴキブリ・ジャナタ党(CJP)」が抗議を先導し、創設者アビジート・ディプケ氏は土曜日に拘束され、翌日解放された。ラーフル・ガンディー氏は「我々を打ち負かすことも、脅すことも、怯えさせることもできない」と述べ、コングレス党のマリカージュン・カルゲ議長はバットマンのマスクを着けて行進に加わった。デリー警察はジャンタル・マンタルを抗議の指定地から除外し、代わりに3か所を指定した。

イスラエルでは最高裁が、バラドのサーミー・アブー・シェハーデ氏の立候補失格を支持した。失格申立ては国家安全保障大臣イタマル・ベン・グヴィル氏が起こした。カタールのミドル・イースト・アイは、最高裁が中央選挙管理委員会の政治的判断を覆さなかったことを「危険な前例」と断じ、シン・ベットの尋問を思わせる法廷風景だったと記した。同紙は、シオニスト左派の民主党までが失格を支持したと指摘し、アラブ系政党の排除が右派から中道左派まで及ぶ「シオニストの全スペクトル」の合意になったと論じた。

同一事象への報道の力点は媒体ごとに異なる。インドの抗議をめぐり、ドイツのDWはCJP主導の若者運動とデリー警察による大規模拘束を前面に出し、中国のサウス・チャイナ・モーニング・ポストはCJPが選挙政治へ進出する可能性と与党インド人民党(BJP)への打撃を分析した。米国NPRは「モディ首相への挑戦」という構図を強調し、インドのタイムズ・オブ・インディアはラーフル・ガンディー氏の演説やカルゲ議長のバットマンマスクといった演出面を詳報した。各国メディアが一致して報じた根幹は、1億3000万人規模の選挙人名簿削除と、選挙管理委員長の辞任要求、そして週末の大規模拘束である。一方で、削除を「不正」と見るか「重複・死亡・転居の整理」と見るかは立場が割れた。スペインではエル・パイス紙が最高裁の法的論理を伝える一方、アルゼンチンのクラリン紙は在外申請の多さを強調し、論点が異なった。

一連の判断は、移民・在外市民の投票権、選挙人名簿の信頼性、少数派の立候補資格という三つの論点が、いずれも司法の場へ持ち込まれたことを示す。スペインでは在外選挙人名簿が10月12日から公開され、10月23日に確定する。インドでは2029年の総選挙を前に、ウッタル・プラデーシュ、グジャラート、パンジャブ各州の選挙が若者運動の影響力を測る試金石となる。イスラエルでは最高裁の判断が今後の選挙ごとに踏襲される前例となりうる。南アフリカではクルーガースドルプ近郊で推定1億ランド相当のドラッグ研究所が見つかり、トレント・コーツァー氏ら5人が出廷した。ダーバンでは公衆暴力の罪で15人の被告が法廷に立ち、14台の車両放火については依然として逮捕者が出ていない。バングラデシュでは高等裁判所が、ムハマド・ユヌス氏が設立したグラミン・カリヤンに対し約66億6千万タカの未納税の迅速な回収を命じた。米国ではテキサス州第15選挙区がラティーノ票を読む窓として報じられた。

米連邦捜査官がオマル下院議員宅を捜索 中間選挙3週間前、政敵標的との批判が噴出

米連邦捜査官が2026年10月12日午前、民主党下院議員イルハン・オマル氏のワシントンD.C.の自宅を捜索した。米司法省は、国土安全保障捜査局(HSI)が司法令状を執行したと発表し、これが「進行中の連邦刑事捜査」の一環だと説明した。捜索は11月3日の中間選挙を3週間前に控えて行われた。オマル氏はXへの投稿で「私は大丈夫だ」と述べたうえで、「これは政敵を標的にし、連邦法執行機関を武器化する試みにほかならない」「黙らされることはない」と非難した。

司法省の報道官は「本日、ワシントンD.C.地域で、国土安全保障捜査局が司法省が確保した司法令状を執行した。この執行措置は進行中の連邦刑事捜査の一環だ」と述べ、オマル氏の名前には言及しなかった。フォックス・ニュースは事情に詳しい情報筋の話として、捜索はオマル氏の亡父が彼女の幼少期に提出した移民書類をめぐる詐欺の刑事捜査に関連すると報じた。国境担当官のトム・ホーマン氏はフォックス・ニュースに対し、公式発表前に詳細を語ることは避けるとしつつ、「捜査は以前から続いており、今朝、司法令状が執行された」と確認した。国土安全保障長官のマークウェイン・マリン氏は前月、オマル氏が移民書類で虚偽を述べたかどうかに関わる「進行中の捜査」があると述べ、「何かが起きる」と語っていた。捜索は午前6時ごろに始まり、HSIのジャケットを着た捜査官が複数、住宅前に確認された。オマル氏に対する訴追は発表されていない。

オマル氏は44歳で、ソマリア生まれ。難民として1995年に米国に渡り、2018年に初めて下院議員に当選した。ミネアポリスを含むミネソタ州第5区を代表し、進歩派議員グループ「ザ・スクワッド」の一員である。下院初のソマリア系米国人議員であり、最初のムスリム系米国人女性下院議員2人のうちの1人、また議会に選出された最初のアフリカ難民でもある。2023年に共和党が下院の支配権を握ると、反イスラエル発言を理由に外交委員会から追放する票決を行った。今年1月には、トランプ氏がアイオワ州の集会でオマル氏を攻撃した数時間後、ミネアポリスの集会で男がオマル氏に酢をかける事件が起きた。攻撃者は最近、禁錮14カ月を言い渡された。

民主党指導部は捜索を強く非難した。下院少数党リーダーのハキーム・ジェフリーズ氏、院内総務のキャサリン・クラーク氏、党員集会議長のピート・アギラール氏は共同声明で「トランプ政権によるオマル下院議員宅への強制捜査は極めて憂慮すべきもので、連邦政府が大統領の敵対者に対して腐敗した形で武器化され続けているという重大な疑問を提起する」と述べた。カリフォルニア州のロ・カンナ氏は「政敵をこのように標的にするのは実にぞっとする」とXに投稿し、カリフォルニア州のシドニー・カムラガー=ドーヴ氏は「極端なファシズムだ」と非難した。ワシントン州のプラミラ・ジャヤパル氏は「制御を失った大統領による忌まわしい権力の乱用」だと述べた。イリノイ州のデリア・ラミレス氏は国土安全保障省の解体を求め、テキサス州のグレッグ・カサール氏は中間選挙を有利に運ぶための標的化だと主張した。米最大のムスリム系市民権団体である米国イスラム関係評議会(CAIR)も「明白な政治的迫害」だと非難した。

共和党側ではトランプ氏への支持が広がった。サウスカロライナ州のナンシー・メイス下院議員は、詐欺が立証された場合にはオマル氏の米国市民権を剥奪し国外退去させるべきだと主張し、「誰も法の上にはいない」とXに記した。副大統領のJD・ヴァンス氏は過去にオマル氏が移民詐欺を犯したと非難し、ホワイトハウス副首席補佐官のスティーブン・ミラー氏とともに調査の方法を検討していると述べていた。トランプ氏は先週末のテネシー州での集会でオマル氏の生い立ちを攻撃し、ヴァンス氏と「我々の側近」が彼女を捜査していると示唆した。

各国メディアの論調には差がある。米国のフォックス・ニュースは移民書類の詐欺疑惑という捜査の性格を前面に出し、政権に友好的な立場から捜査の存在を裏付けた。同じ米国のAP通信とNPRは司法省の令状執行の確認と、選挙直前という時期の異例さ、民主党の反発を中心に据えた。英国のBBCは議会が休会中でありオマル氏が自宅にいたか不明だと指摘し、メイス氏が今年になって記録の召喚状を出して失敗した経緯に触れた。同じ英国のガーディアン紙は「無法な権力の乱用」という民主党の表現を強調した。スペインのエル・パイス紙は、トランプ氏によるソマリ系コミュニティへの攻撃の文脈を厚く描き、ミネソタ州に約8万人のソマリ系住民が暮らすことや、世論調査で民主党が両院の多数派を獲得する可能性を示した点を伝えた。ドイツのDWは、トランプ氏がソマリ系住民を「ごみ」と呼び、オマル氏とラシダ・タリーブ氏を「施設に収容すべきだ」と述べた発言を引用し、人種的な攻撃性を際立たせた。同じドイツのFAZは、死刑の生中継やロシア産ディーゼル取引、選挙広告をめぐる司法判断と並べてこの捜索を速報ブログの一項目として扱った。カタールのアルジャジーラとミドルイースト・アイは「夜明け前の強制捜査」という表現を用い、移民詐欺の疑いを前面に出す一方、トランプ氏のオマル氏への執着とソマリ系住民への敵対的な言辞を詳しく伝えた。イスラエルのタイムズ・オブ・イスラエルは、中間選挙を数週間後に控えた「トランプ氏と左派議員の確執の劇的な激化」と短く位置づけた。パキスタンのデイリー・タイムズは、ミネソタ州のティム・ウォルズ知事が選挙前に権限を乱用したとトランプ氏を非難した点を伝えた。中国のSCMPは、司法省が選挙前60日以内に候補者を巻き込む捜査行為を避けてきた歴史と、ヴァンス氏の主張を中心に構成した。根幹の事実認識、すなわちHSIが司法令状に基づいてオマル氏宅を捜索し、司法省が進行中の連邦刑事捜査の一環だと認め、訴追はまだ発表されていないという点では各メディアが一致する。一方で、捜査の対象が移民書類の詐欺疑惑なのか、政権による政敵への報復なのかという解釈では立場が割れている。

この捜索は、下院全435議席と上院の3分の1が争われる11月3日の中間選挙の3週間前に実施された。司法省は歴史的に、予備選や本選の60日前以内に候補者を巻き込む捜査行為を避けるよう努めてきたとされる。オマル氏はミネソタ州第5区で再選を目指している。トランプ氏はソマリ系住民について「彼らは地獄から来た」「ソマリアは悪臭を放つ」と述べ、ソマリ系住民の一時保護資格(TPS)を終了させ、ソマリアは渡航禁止リストに残り続けている。捜査の帰結と訴追の可能性はなお不明である。

ロシア、ウクライナ選挙当日限定の停戦を提示 米国の仲介圧力とスペイン・セウタ危機が交錯

ロシアのペスコフ大統領報道官は、ウクライナで大統領選挙が実施される当日に限り、ロシア軍にウクライナへの爆撃を停止する命令を出す用意があると述べた。これはウクライナのゼレンスキー大統領が求めた60日間の停戦を拒否するものである。ペスコフ報道官は「我々は停戦を望まない。持続的な平和を望む」と強調した。ラブロフ外相も同様の立場を示し、「ゼレンスキーに休止を与える価値はない」と述べた。

この問題を巡る報道は各国で温度差がある。アルゼンチンのクラリン紙は、ペスコフ報道官が「キエフが本当に選挙を組織したいなら、ロシア大統領が選挙当日にウクライナを爆撃しない命令を出す用意がある」と述べた点を強調し、プーチン大統領の停戦への姿勢を詳しく伝えた。一方、インドのタイムズ・オブ・インディア紙は、ロシアが「ゼレンスキーを非正統な指導者と呼び、選挙実施を繰り返し迫ってきた」という文脈を前面に出し、トランプ米大統領がゼレンスキーを批判し「ウクライナに新たな大統領が必要だ」と述べた経緯を重視している。両紙に共通する根幹は、ロシアが60日停戦を拒否し、選挙当日のみの停戦を提案したという事実である。

エネルギー停戦を巡っても見解が割れる。トランプ大統領は「ロシアとウクライナはエネルギーインフラへの攻撃停止で合意した」とSNSで発表したが、ペスコフ報道官は「接触は続いている」と述べ、ロシアはこれを確認していない。クラリン紙はこの点を「トランプ発表の否定」と明示的に報じ、ゼレンスキー大統領がハリコフ州の電力施設への新たな攻撃を非難し「プーチンはSNSを読まないようだ」と述べたと伝えた。

スペインのセウタ危機も複数国で報じられた。スペインのエル・パイス紙は、サンチェス首相が7月30日と31日の移民大量流入時にモロッコ軍艦がスペイン領海に侵入した事実を認め、「困難な日々だった」と述べたと報じた。サンチェス首相は「隣国間ではこうしたことが起こり得る」として事態を最小化した。一方、ケニアのアフリカニュースは、バルセロナで約2000人が「カタルーニャとセウタ、一つのスペイン」のスローガンの下でスペイン国旗とセウタ旗を振ったこと、Voxのアバスカル党首がマドリードの軍事パレードを欠席しセウタで献花したことを伝えた。また、7月30日と31日に7万人以上がモロッコからセウタへ流入し、10月12日に警察と兵士が最後の大規模キャンプを撤去したと報じた。エル・パイス紙が政治的首脳の動きとサンチェス発言を中心に据える一方、アフリカニュースは移民の数と現地の状況を強調している。

台湾のタイペイ・タイムズ紙は、古屋圭司氏率いる日本の超党派議員連盟27人が台湾を訪問し、頼清徳総統と会談したと報じた。同紙は、中国が日本の議員には反発しない一方、韓国の議員にはビザ発給拒否などの報復を行っていると指摘し、中国の「不平等な扱い」を批判した。2016年のTHAAD配備を巡る韓国への経済制裁と、日本への対応の差を挙げている。

南アフリカのデイリー・マーベリック紙は、シュライバー内務大臣が2026年移民指令13号に署名し、60日前のビザ申請規則の一律免除を認めたと報じた。同紙は「必要だが遅すぎた」と評価し、同規則が外国人専門家の失業や学生の学籍中断、家族の離散を招いたと指摘した。

これらの事案は、大国間の仲介外交と地域紛争が複数のメディアで異なる角度から報じられる現状を示す。ロシア・ウクライナ問題では米国の圧力とロシアの強硬姿勢が交錯し、スペイン・セウタでは移民危機と王室訪問が重なる。各国メディアの強調点の差は、読者に事実の多面的理解を促す。

NATO最高司令官、対ロシア「勝利の理論」を公表 米国の関与不透明下で欧州の警戒強まる

NATO(北大西洋条約機構)の最高司令官アレクス・グリンケウィッチ米空軍大将は10月12日、ポーランドのワルシャワで開催されたワルシャワ安全保障フォーラムにおいて、ロシアの攻撃に対する「勝利の理論」を公表した。同盟国へのいかなる攻撃も「完全に無駄」になると警告し、攻撃を阻止し、鈍らせ、破砕する三段階の構想を明らかにした。同大将は「誰かが我々を攻撃するほど愚かであるなら、我々は戦う。攻撃を止め、目的達成の可能性を否定する」と述べ、いかなる同盟国への攻撃も「全く無駄」にすると宣言した。NATOは防衛同盟であり、紛争が切迫している、あるいは不可避であるとは評価していないとも強調した。

構想の中心は、NATOが防衛同盟として全戦力を領域防衛に振り向け、攻撃者に「戦術的・作戦的敗北」を課す点にある。第一段階では地上軍を基軸とし、空軍・海軍・サイバー・宇宙領域の能力で支援しながら攻撃部隊を標的とし、領土の奪取を防ぐ。攻撃が継続する場合には、センサーや自律システムなどを用いて敵の部隊と前進を圧倒し、必要ならば「極めて有効な精密弾薬」と無人システムによって敵の作戦戦闘システムとそれを支援・維持・統制する一切を破壊する。グリンケウィッチ大将は、敵を完全に屈服させ領土を占領する「戦略的敗北」を課すことが目的ではないと明言した。エスカレーションに関しては「エスカレーションの負荷は全面的に侵略者にのしかかる」と述べ、核抑止と核による報復の用意を暗に示唆した。同盟は「大規模な効果を発揮」でき、「エスカレーションの階段における敵のあらゆる動きに対応する」能力を持つとも語った。

公表の背景には、同盟市民の不安がある。グリンケウィッチ大将は、多数のサボタージュや放火事件を踏まえて同盟内の住民がやや神経質になっていると指摘し、約10億人の市民に対して「我々は状況を掌握している」と保証する狙いを説明した。このメッセージはNATOに損害を与えようと考える者たちにも向けられている。約15分の講演の中でロシアを名指しせず、一貫して「我々の敵」と呼んだ。デンマークの情報機関はロシアによるNATO攻撃の可能性を報告したが、その可能性は低いとした。NATOの2022年の戦略概念はロシアを同盟の最も重大な安全保障上の脅威と位置づけている。

米国の関与をめぐる不透明感が事態を複雑にしている。米国は欧州における軍の展開を見直しており、年末に発表される予定だ。米国のNATO大使マシュー・ウィテカーはワルシャワで、欧州は米国の戦略的優先順位の中で4番目であり、国土安全保障、西半球、太平洋に後れると述べた。軍事インフラの近代化と「西から東への」兵力・装備の移動の重要性を強調し、チェコの国防費がGDP比約1.8%でNATOの2%基準に達していないとして批判した。欧州連合の防衛委員アンドリウス・クビリウスは、ドローン防衛や衛星通信、監視能力の開発を通じて米国への軍事的依存を減らす必要性を訴えた。リトアニアのロベルタス・カウナス国防相は、この理論が「敵対者に我々が自らを防衛するという強いメッセージを送る」と評価した。NATOの元国防投資担当事務次長カミーユ・グランは、米軍の大規模関与の有無にかかわらず戦う用意があることを示す「極めて意図的な取り組み」だと述べた。ポーランドの大統領顧問マルチン・プシダチは、西欧の同盟国に国防費の加速を促し、集団防衛の責任はEUではなくNATOが担うべきだと強調した。グリンケウィッチ大将は「米国のこの同盟へのコミットメントを誰も疑うべきではない」と主張する一方、「最終的には誰がどこに兵力を提供するかという政治的な決定である」とも述べた。

各国メディアの論調には明確な差がある。アルゼンチン紙は「完全に無駄」という表現とデンマークの情報機関による攻撃可能性の報告を前面に出した。ドイツのFAZは「勝利の理論」が32の同盟国間で内部的に合意され、約3か月前に完成し、最終版は機密の形で存在する点を重視し、ロシアを名指しせず「我々の敵」と呼ぶ姿勢を強調した。EUのPoliticoは「米国の有無にかかわらず」戦うという側面を軸に据え、トランプ大統領によるグリーンランド併合の示唆や米国・イスラエルによるイラン戦争をめぐる同盟内の対立に触れた。フランスのル・フィガロは、ポーランドが国防費をGDP比4.8%に引き上げたことを挙げて米国に良好な同盟国と見なされていると指摘し、トランプ政権下でのNATOの信頼危機と米軍の戦闘旅団が4から3に削減される点を強調した。カタールのアルジャジーラは「支援・維持・統制する一切」を破壊するという表現、プーチン大統領が欧州攻撃の計画はないと述べた点、NATOがカリーニングラードを遮断すれば核を使用し得るとロシアが警告した点を前面に出した。シンガポールのCNAは「愚かであるなら」という表現と、トランプ大統領がプーチン大統領との間でロシア産ディーゼルの世界市場供給を認める合意を発表したことを強調した。一致している根幹は、グリンケウィッチ大将がワルシャワで三段階構想を公表したこと、NATOが防衛同盟であること、紛争は切迫していないという評価、ロシアを名指ししなかったことである。一方、米国の関与の信頼性、欧州の国防費負担、ロシアの脅威の切迫性をめぐって見解が割れている。

この公表は、ウクライナ戦争が5年目に近づく中で、ロシアのサボタージュやドローン侵入、サイバー攻撃が増加し、モスクワがカリーニングラードをめぐって核の使用に言及するなど、欧州の安全保障が重要な局面にあることを示す。米国が欧州兵力の見直しを進め、ウィテカー大使が欧州の優先順位を4番目と位置づける中、欧州諸国は自らの軍隊強化を迫られている。NATOが米国の大規模関与の有無にかかわらず戦う用意を示したことは、欧州の防衛における自律性の議論を加速させる。同盟の抑止力の実効性は、加盟国が計画を実行するための兵力、インフラ、調整を確保できるかどうかにかかっている。

留学生就労許可に7万ドル提案、EU・中国はハイブリッド車35万台枠——2026年10月の国際情勢

2026年10月、移民・通商・治安・歴史認識をめぐる動きが各国で相次いだ。米国ではドナルド・トランプ政権が留学生の就労許可申請に7万ドルを課す提案を行い、EUと中国はハイブリッド車の輸入枠を年35万台とする最初の合意に達した。アルゼンチンでは国連総会が奴隷貿易を人類に対する最も重大な犯罪と宣言した決議をめぐり、ミレイ政権が「民族の日」を復活させた。ナイジェリア、ポーランド、マレーシアでも司法・治安・医療に関する発表があった。

米国土安全保障省(DHS)の提案は、F-1ビザを持つ留学生が学業分野に関連する就労をすることを認める「オプショナル・プラクティカル・トレーニング(OPT)」を対象とする。教育機関は新規申請ごとに7万ドルを支払う必要があり、後続のOPT許可には3万ドルを課す。DHSの報道官は「OPTは米国労働市場への間接的なアクセス経路や安価な労働力への補助金、制度を悪用する者への報酬となることを目的としていなかった」と述べた。現行規則ではOPTは教育段階ごとに最大12か月の就労を認め、STEM分野の卒業生は24か月の延長を申請できる。全米国際学生顧問協会(NAFSA)のデータによれば、留学生とその家族は2024-2025学年度に429億ドルを米国経済にもたらし、35万5,000人以上の雇用創出に寄与した。NAFSAのファンタ・アウ事務局長は「留学生は米国人の機会を奪うのではなく、機会を生み出している」と主張した。提案は10月8日から11月9日までパブリックコメントに供される。

EUと中国の通商協議では、中国が欧州に輸出できるハイブリッド車とプラグインハイブリッド車の枠を年35万台とすることが欧州委員会筋から明らかになった。現在の輸入台数は約80万台と推計され、大幅な削減となる。枠は12月から適用され、4年間にわたり毎年6%ずつ拡大する。中国側は欧州からの輸出40億ユーロ相当の関税を引き下げ、EU企業に約2億2,500万ユーロの節減と市場シェア拡大の機会をもたらす。EUの対中貿易赤字は1日当たり10億ユーロに達し、歴史的な最高水準に向かっている。ドイツはフランスとともに、必要なら単一市場からの即時切り離しも可能とする通商手段を欧州委員会に求める文書を送付した。フランスのマクロン大統領は欧州自動車産業をよりよく保護する協定の推進を表明し、欧州委員のマロシュ・シェフチョビッチは中国を訪問して交渉を進めた。

アルゼンチンのメディア、クラリンは、国連総会が2026年3月25日の歴史的決議で奴隷取引と人種的奴隷制の影響を人類に対する最も重大な犯罪と宣言し、派生する犯罪を時効の対象としないと決定したと報じた。決議は60か国のグループが提出し、賛成123票、棄権52票、反対はイスラエル、米国、アルゼンチン政権の3票のみだった。同紙は、ミレイ大統領が10月12日の祝日について、2010年から有効だった「文化的多様性の尊重の日」の名称を覆し、「民族の日」の呼称を復活させる大統領令に署名したと伝えた。

ナイジェリアのプレミアム・タイムズ・ナイジェリアによれば、経済金融犯罪委員会(EFCC)は車両輸入詐欺で32万ドル超の被害に関与したとされるナイジェリア系米国人のオルワトビ・アデゴケを起訴した。アデゴケは10月8日、ラゴス州イケジャの特別犯罪裁判所で裁判官オルンブミ・アビケ・ファディペの前で窃盗1件の罪に問われ、無罪を主張した。EFCCは、彼が米国からナイジェリアの購入希望者に2024年型メルセデス・ベンツG63 AMGを宣伝し、購入して発送できると持ちかけたと主張する。被害者2人が合わせて32万ドル超を支払ったとされる。公判で読まれた訴状はイフェアブニケ氏のものとされる68万ドルに言及しており、EFCCの説明と訴状の金額や車種の記載は一致していない。裁判所はアデゴケをラゴスのキリキリ矯正センターに勾留し、公判を2027年1月13日に延期した。また、ボルノ州政府は過去2年間で約2,000人の医療従事者を雇用したと、ボルノ州拠出型医療管理機関(BOSCHMA)の事務局長サレ・カザがマイドゥグリで明らかにした。カザは、カシム・イブラヒム大学などが将来の医療人材の重要な供給源になると述べ、ババガナ・ズルム知事の補助金義務の履行を評価した。

ポーランドでは、ドナルド・タスク首相が若者の暴力増加に対処すると約束したことを受け、月曜日に約2万人の警察官が学校に配置された。4日間に3件の刺傷事件が起きたことを受けた措置である。警察は金曜日以降、約8万の教育機関を検査し、135人を拘束した。タスク首相は日曜日の危機会議を主宰し、インターネット上の一部で暴力が美化されていると指摘し、ナチズムのイデオロギーと「強さの崇拝」を促すコンテンツ、暴力的なコンピューターゲームが主な要因だと述べた。ある事例では、少年がゲーム「Roblox」で学校の模型を作り生徒への攻撃を模擬し、銃と弾薬、ナイフを所持していた。木曜日にはワルシャワ北東のレスチドル・ノウィニの小学校で、ヘルメット型カメラを着けた15歳の元生徒が用務員を殺害し、教師2人を負傷させた。水曜日にはオストロレンカの学校で19歳が自分を含む10人を負傷させ、直近の土曜日にはワルシャワの高等教育機関で3人が負傷した。マルチン・キェルビンスキ内相は「ポーランドの子どもへのいかなる攻撃も、公的生活の無秩序化も容認しない」と国営テレビTVPインフォに語った。

科学分野では、考古学・人類学誌に掲載された研究が、セルビアの青銅器時代の墓地2か所から77人の子どもと若年者を分析し、歯のエナメル質に保存されたタンパク質から生物学的性別を特定した。モクリンとオストイチェヴォのマロシュ文化の墓地では、男性は一般に左側を下にして頭を北、顔を東に向け、女性は右側を下にして頭を南、顔を東に向けて埋葬された。モクリンでは6基の墓が通常の慣行に従っておらず、うち4基は男性が女性の型で、2基は女性が男性の型で埋葬されていた。ベオグラード大学のミナ・アムジルコフらは、年齢や墓の位置、副葬品に共通点を見いだせなかった。研究結果はオーストリアのフランツハウゼンIの先行研究と一致する。マレーシアのニュー・ストレーツ・タイムズによれば、パハン州で大学生が警察官を装った詐欺師にRM32,115をだまし取られ、退職した技術者は偽の株式投資計画でRM660,000を失った。ベントン警察署長代理のアズミ・マフモド副警視は、18歳の被害者が10月7日にカラクのスーパーマーケット付近でマスク姿の女性に現金と宝石を渡したと述べた。別件でベラ警察署長のズルキフリー・ナジル警視は、56歳の被害者が2月5日にWhatsAppで最低1万リンギ、10%のリターンをうたう投資話を受け、7回の取引で66万リンギを3つの銀行口座に振り込んだと述べた。両事件は刑法第420条の詐欺罪で捜査されている。米国では、ニューヨーク州ワースに住んでいた34歳のジェシカ・パトジクが、祖父から55インチのテレビと引き換えに2エーカーの土地を受け取り、YouTubeの動画と回収材料、自力の作業で4寝室3浴室、2,500平方フィートの家を約4万ドルで建て、90日で29万ドルで売却した。家族はフロリダ州サンアントニオに移り、6寝室の新築住宅を月3,200ドル、18か月契約で借りた。パトジクは54リアルティで不動産業者となり、夫とともにタンパ・ベイのカリプソ・ダイバーズの「ゼロ・トゥ・ヒーロー」プログラムでPADIインストラクターの資格を取得した。

視点の比較では、各国メディアの力点が分かれる。アルゼンチンのクラリンは、米国のOPT手数料提案を報じつつ、NAFSAの反対意見と留学生の経済貢献を前面に出し、さらに国連決議へのアルゼンチン政府の反対と「民族の日」復活を「後退した受け入れがたい決定」と批判的に論じる。スペインのエル・パイスはEU・中国協議の詳細な数値(年35万台、毎年6%増、関税削減40億ユーロ、1日10億ユーロの赤字)を重視し、ドイツとフランスの強硬な通商手段の要求を伝える。ナイジェリアのプレミアム・タイムズ・ナイジェリアはEFCCの起訴とボルノ州の医療人材雇用を国内統治の文脈で報じ、金額や車種の不一致という捜査上の疑問も記す。インドのタイムズ・オブ・インディアはポーランドの学校治安対策とセルビアの青銅器時代埋葬研究を並べて報じ、暴力の背景と古代社会の性別慣行という異なるテーマを扱う。マレーシアのニュー・ストレーツ・タイムズは詐欺被害の金額と手口を具体的に示す。一致する事実認識は、各国が政府発表や警察・司法の記録に基づいて数値と経過を伝えている点である。一方で、アルゼンチンの祝日名称変更や国連決議への評価、EUの対中通商手段の必要性、ポーランドの暴力の原因については、各紙の論調が割れている。

影響として、米国のOPT手数料提案は留学生の米国離れと大学の収入減を招く可能性がある。11月9日までの意見募集とDHSの見直しが焦点となる。EUと中国の枠組みは自動車産業と貿易赤字の調整にとどまらず、EUが検討する供給網の多様化義務や連帯基金、対抗措置手段の行方を左右する見通しだ。アルゼンチンの祝日名称変更は先住民の権利と歴史認識をめぐる国内対立を再燃させ、ナイジェリアとマレーシアの詐欺事件は国境を越えた犯罪への対応を迫る。ポーランドの学校への警察配置は若者の暴力とインターネット上の過激化という国際的な課題を映し出す。

イスラエル、独紙taz特派員の記者資格を拒否 ピレイ氏のノーベル平和賞と米ICC制裁を巡り各国メディアの論調が分裂

イスラエル政府がドイツ紙「taz」のイスラエル特派員セレナ・ビランセリ氏へのアクレディテーション(記者資格)の更新を拒否した。taz編集部は声明で「これを報道の自由への重大な介入と評価する」と述べ、ベンヤミン・ネタニヤフ政権について「民主的な法治国家の基盤を離れた。こうした手法は権威主義体制でしか見たことがない」と非難した。決定は日曜日にイスラエルメディアで報じられ、ディアスポラ問題・反ユダヤ主義対策省の助言に基づくものだった。

省の幹部アヴィ・コーヘン・スカリ氏は「反イスラエル的な主体とイスラエルを中傷する者はこの国に入るべきでない」「職業的ジャーナリズムの仮面をかぶったイスラエル・ボイコットの呼びかけは容認しない」と述べた。根拠として挙げられたのは43歳の記者による二本の記事だ。2025年11月17日の占領と入植者暴力に関するコメントで、国際社会がイスラエルに圧力をかけ、「米国、そしてドイツと欧州は財政的・軍事的制裁を科さねばならない」と要求した。2025年9月1日にはガザ地区のパレスチナ人追放計画に触れ、他の手段が効かない場合に欧州は「さらなる制裁」でイスラエルに対処すべきだと書いた。省はこれをイスラエル・ボイコットの呼びかけと解釈した。2017年の入国法追加条項は「公にイスラエルのボイコットを呼びかける」者の入国を拒否すると定める。tazはこの告発を否定した。ビランセリ氏は2025年にも入国時に問題を抱え、治安部隊がラップトップを押収し破損させた。「国境なき記者団」は調査後、無権限の者がデータにアクセスした可能性が「非常に高い」と発表した。

各国メディアの論調は大きく分かれる。ドイツのF.A.Z.とtazは報道の自由と法治国家の基準を前面に置き、イスラエル政府の決定を権威主義的傾向の表れとして批判する。フランスのフィガロ紙の論説で弁護士・エッセイストのジル=ウィリアム・ゴルドナデル氏は、ノーベル平和賞が「イスラエルと戦う」国連調査委員会のナビ・ピレイ委員長を顕彰したと論じる。同委員会のメンバー、ミルーン・コタリ氏の「ソーシャルメディアはユダヤ系ロビーに広く支配されている」という発言や、クリス・シドティ氏のイスラエル軍を「世界で最も犯罪的軍隊の一つ」とする発言を挙げ、委員会が2025年9月16日にイスラエルがガザでジェノサイドを行ったと結論したことを「汚染された結論」と断じる。一方、カタールのアルジャジーラは、ピレイ氏が米国のICC制裁を「違法」「全く不当」と非難したと報じ、制裁がローマ規程を守る裁判所への措置だとする文脈を強調する。南アフリカの報道は、アンドリース・ネル副司法大臣が米国のICC制裁に懸念を示し、「裁判官や検察官への政治的圧力」に警告したと伝える。米国とイスラエルはローマ規程の締約国ではないという事実認識は共通するが、制裁を「司法への攻撃」と見るか「不当な管轄権の主張への対抗」と見るかで評価が割れる。

イスラエルのヘルツォグ大統領は、安定した政府の樹立に努めると述べ、再選回避の必要性を訴えた。同氏は「国家的課題は膨大だ」と警告した。ラピド野党指導者はネタニヤフとの連携を否定し、過去の「偽りの」統一政府を非難した。ヘルツォグ氏はまた、暴力犯罪と入植者攻撃を止めるためにより大きな警察力が必要だと述べ、アラブ系イスラエル人が犯罪の波の中で「恐怖の中で暮らしている」と嘆き、ヨルダン川西岸の暴力を「道徳的汚点」と呼んだ。

米コメディアンのジェリー・セインフェルド氏はシカゴ公演で抗イスラエル的な妨害者に対し、チケット収益をイスラエルに送ると誓った。活動家らは同氏を人種差別主義者で「ジェノサイドの擁護者」と非難した。イスラエル南部スデロットでは、朝5時に金属的な重い臭いが空気に漂い、500メートル先のガザ地区へ向けたイスラエル砲兵の規則的な轟音が夜明けの静けさを破る。この音は外部者には血を凍らせるものだが、夜明けに市の消防署前に集まるランナーや、トト・スタジアムで靴ひもを結ぶサッカー選手にとっては日常のメトロノームとなっている。

一連の報道は、イスラエルと国際司法機関、そして報道の自由を巡る緊張が2026年秋に同時に先鋭化していることを示す。米国のICCへの制裁は、銀行・技術・その他の必須サービスへのアクセスを制限しうるもので、国連のアントニオ・グテレス事務総長は「国際刑事司法への深刻な打撃」と非難した。国連人権高等弁務官のフォルカー・テュルク氏は125の締約国に裁判所を守るよう緊急の行動を求めた。ベルギーはEUのブロッキング規程の発動を提案し、フランスのジャン=ノエル・バロー外相は対話が失敗すれば発動の用意があると述べた。オランダも裁判所の保護への関与を再確認した。人権団体は、制裁がパレスチナ以外のスーダン、ウクライナ、アフガニスタンなどの調査と説明責任の取り組みに影響しうると警告する。ヒューマン・ライツ・ウォッチなど4団体は米国の制裁制度を米国連邦裁判所で争っている。

ナイジェリア野党襲撃と米国の公開処刑計画、インドでは選管抗議が激化――世界政治の火種

ナイジェリア・エヌグ州で野党勢力への襲撃が相次ぎ、アフリカ民主会議(ADC)、ナイジェリア民主会議(NDC)、国民民主党(PDP)が合同記者会見で非難を表明した。NDCの州知事候補チニェアカ・オハーは、10月10日にアカヌ・イビアム国際空港から戻る際に支持者とともに襲撃され、複数が負傷し、車両が破壊され、記者や党員の携帯電話が奪われたと述べた。同候補は、数カ月前の襲撃でも支持者8人が負傷し、女性が胸に銃創を負い、男性が腹部の負傷で手術を受けたと説明した。PDPの州知事候補ウチェ・ナンジは「政治は死を賭けた闘いではない」と述べ、ADCの州知事候補オチョ・オボドエゼも連帯を表明し、感謝祭行事で支持者が追い払われ、テントや椅子が投げ捨てられたと訴えた。エヌグ州政府のチディエベレ・オニャ書記官は日曜の会見で関与を否定し、空港の件は党への正当な承認がなかったためNDCと連邦空港公社との間の案件だと主張したが、NDCはこれを拒否した。

ナイジェリア・オヨ州では、セイ・マキンデ知事が、セグン・オグンウイ首席補佐官の辞任から数時間後にバショルン・アキンウォレ(通称ウォレカンレ)を新首席補佐官に任命した。任命は月曜、知事のメディア特別補佐官スライモン・オランレワジュの声明で発表され、州政府書記官ムシバウ・ババトゥンデが署名した書簡で伝えられ、即時発効となった。アキンウォレは元オヨ州地方自治サービス委員会委員長であり、政府は「草の根政治家」と評する。オグンウイは10月12日付の書簡で即時辞任を表明し、理由は明かさなかった。同氏は元オヨ州議会議員および連邦下院議員で、オグボモソ北・南・オリイレ連邦選挙区を代表していた。マキンデ知事はまた、一般介入・ドナー機関担当特別補佐官のアデロンケ・アデダヨを州のデュー・プロセス局長官に任命し、同氏は既存の役割と兼務する。

マキンデ知事はイバダンのFresh FMの出演で、2023年大統領選でボラ・ティヌブ氏を支持したにもかかわらず、同氏が州に割り当てられた閣僚ポストに、自身が推薦したビンボ・アデカンビではなくアデバヨ・アデラブを選んだと述べた。アデラブは元ナイジェリア中央銀行副総裁で、2023年8月に電力相に任命され、2026年4月に辞任して全進歩会議(APC)からオヨ州知事選に出馬しようとしたが、予備選でシャラファディーン・アリに敗れた。アデカンビはアビオラ・アジモビ政権下で財務・予算計画委員を務めた人物である。マキンデは、自分がアデカンビを推薦したのは党籍ではなく公職での実績評価に基づくとし、ティヌブ氏にアデラブの任命を自分の推薦として語るよう求められたが拒否したと主張した。同知事はまた、2023年大統領選で自身を含むG5知事(ナイソム・ワイク、サミュエル・オルトム、イフェアニ・ウグワニ、オケジエ・イクピアズ)が、当時の候補者だったティヌブ氏に国民統一政府の樹立を期待して支持を伝えたと振り返り、選後の人事がその理解を反映していないと述べた。同知事の第2期は2027年5月に終了し、同氏は同盟人民運動(APM)の大統領候補として、再選を目指すティヌブ氏と争う。日曜には、当選した場合に4年間の移行型国民統一政府(GNU)を樹立すると約束した。

米国では、国土安全保障省(DHS)長官マークウェイン・マリンが、殺人犯ニダル・ハサンの処刑をライブ配信する計画を擁護し、過激化や殉教者化を招くとの批判を退けた。ハサンは元米陸軍少佐で、テキサス州フォートフッド基地で兵士13人を射殺した罪により、12月に銃撃隊で処刑される予定である。トランプ政権は処刑のライブ配信を計画しており、共和党と民主党の双方から衝撃と懸念が上がった。トランプ大統領は処刑を承認したと述べたが、ライブ配信計画は最終決定に至っていない。ほぼ1世紀ぶりの公開処刑となる。計画は先週、ピート・ヘグセス国防長官が発表し、政治家や学者、専門家から激しく批判された。アラスカ州選出の共和党上院議員リサ・マーカウスキーは「グロテスク」と評し、公開処刑は「テロリストや独裁者のすること」だと述べた。バージニア州選出の民主党議員マーク・ワーナーは、公開処刑がテロ組織に宣伝上の勝利を与え、過激化を促し、海外の米軍兵士や外交官、市民を危険にさらすと指摘した。マリンはCBSの『フェイス・ザ・ネイション』で、ハサンはフォートフッドで13人を殺したとして同情せず、リスクは検討済みだと主張した。

フィリピンでは、エネルギー長官シャロン・ガリンが、ビサヤ地方を襲う電力危機を巡る辞任要求の中で、自身の去就をマルコス大統領の判断に委ねた。インドでは、野党の主要指導者ラフル・ガンジーが中央デリーの街頭に戻り、選挙管理委員長の辞任を求める数十人の国会議員を率いた。抗議は勢いを増している。ガンジーは月曜の記者会見で、モディ政権が首都を「刑務所にした」と述べた。7月に教育相を辞任に追い込んだ若者主導の「コックローチ」運動も、火曜に中央デリーのジャンタル・マンタルでの集会を許されなければ抗議すると脅した。ガンジーの国民会議派に加え、他の野党勢力とコックローチ・ジャンタ党(CJP)に、左派組織の学生数千人が合流した。政府が更なる抗議に備える中、治安部隊は毎日数千人の学生を拘束し、拘束下の暴力の申し立てが首都に恐怖の空気を広げた。インド選挙管理委員会は、世界最大の有権者を監督する自律機関とされるが、委員長ギャネシュ・クマールが、有権者データベース変更の完全性について他の2人の選管委員の懸念を頻繁に覆したとの暴露の後、批判を浴びた。野党は数カ月にわたり、選管委がモディ氏のヒンドゥー至上主義政党BJPの利益のために選挙を妨害していると主張し、BJPはこれを否定する。昨年6月以来、委員会は州全域の有権者名簿を改訂し、1億3000万人以上の名前を削除した。批評家は、少数派や脆弱層から投票権を不当に奪ったと指摘する。ガンジーは選管委員長を反逆罪で裁くよう求め、「我々はあなたを見逃さない」と述べた。野党政治家は、ガンジーら指導者の抗議集会が暴力的で残忍な力で迎えられたと主張し、拘束される映像が示されている。

インドの抗議を巡る報道では、視点の差が際立つ。カタールのアルジャジーラは、モディ政権下で独立機関による制約が消え「民主的成果が消え去った」とする識者アシム・アリやラシード・キドワイの分析を引用し、構造的・歴史的批判を前面に出す。一方、南アフリカ発のAFP電は、デリーに集まった数千人の群衆や「政府は国民の声に耳を傾けねばならない」と語る28歳のデモ参加者アバイ・アリヤン、モディ政権の「不正義」に耐えられないと訴えるメフヴァイシュらの生の声を中心に伝える。両者が一致して報じる根幹事実は、有権者名簿改訂で1億3000万人以上が削除され、週末に数千人が拘束され、月曜に6つの地下鉄駅が「安全保障上の理由」で閉鎖され、中央デリーに数千の治安要員が配備された点である。相違点は、アルジャジーラが1975年のインディラ・ガンジー非常事態にまで遡る民主主義の後退を論じ、CJPのネハ・ボーラや学生アディティ・タクールのゲリラ的戦術を描くのに対し、AFPは警察対応と拘束者の解放、CPI(マルクス主義)のジョン・ブリッタス議員が「暴行を受けた」とする主張や、国境なき記者団が少なくとも16人の記者が拘束されたとする声明を強調する点だ。ナイジェリアの事案は英国発のPremium TimesとPunchが報じ、ほぼ単一の論調にとどまる。

これらの事象は、各国の民主主義と法の支配を巡る緊張が同時多発的に高まっていることを示す。ナイジェリアでは州政府と野党の主張が正面から対立し、選挙管理の公正性が焦点となる。米国では処刑の公開配信が国家の道義と安全保障の議論を呼び、インドでは有権者名簿の大規模削除が政権の正統性を揺るがす。2027年に大統領選を控えるナイジェリアと、モディ政権の長期支配に挑むインドの動向は、いずれも今後の地域秩序と国際世論に影響を及ぼす。

凍結ロシア資産の活用を巡る欧州の攻防 ウクライナ外相が主導権を訴え、米国の仲介に揺れる戦況

ウクライナのアンドリー・シビハ外相は、EUが凍結したロシア資産をウクライナ防衛の財源として活用すべきだと訴えた。欧州の極右・極左が「戦費は欧州の納税者が負担している」と主張するのに対し、資産活用が反論材料になるとの認識を示した。シビハ氏はPOLITICOへの寄稿で「ロシアこそが、自らが引き起こし、今も引き起こし続けている損害の代償を最初に払うべきだ」と記した。2022年にG7はロシア中央銀行準備金の約3000億ユーロを凍結し、うちEU域内に約2100億ユーロが存在する。大半はベルギーの金融保管機関ユーロクリアに保管されている。

ベルギーはイタリアの支持を得て、これらの資産をウクライナへの融資の裏付けに使うEU提案を昨年末に拒否した。法的・財務的リスクとロシアの報復への懸念が理由である。夏にはスウェーデン、オランダ、ポーランド、スペインが欧州委員会に対し協議の再開とベルギーの反対を乗り越える方策の検討を求めたが、ベルギーは再び拒否した。シビハ氏はベルギーの懸念に対処するため、ウクライナ財務省が資産をEUの集団管理下に置き、使用の決定と責任を分担する案を提案したと説明し、「ベルギーのエクスポージャーはリスクを共有する理由であり、何もしない理由ではない」と述べた。

シビハ氏は、資産活用がユーロや和平交渉での欧州のレバレッジを損なうとの懸念も退けた。ユーロの信認は「秩序と原則を守る欧州の能力」に依拠するとし、凍結資産のレバレッジは「資金を保持することではなく、使うことにある」と主張した。ロシアの報復リスクについては、モスクワがネスレ、オーシャン、メトロ、ルロワ・メルラン、FMロジスティックなど欧州企業の資産を既に掌握していると指摘し、「資産を凍結し続けても抑止にはならなかった」と論じた。ロシアは2027年に軍事費として記録的な1800億ユーロを支出する計画で、2026年比で40%超の増加となる。2027年から2029年の防衛・治安予算は合計6690億ユーロに上る。シビハ氏はEU首脳に対し、今秋の行動を求めた。

キーウ・インディペンデント紙は、シビハ氏がルクセンブルクでのEU外相理事会の記者会見で「欧州はもはやロシアの凍結資産を巡って動かないままでいられない。レバレッジは資金を保持することではなく、防衛に使うことにある」と述べたと報じた。同紙によれば、8月に4カ国が協議再開を試みて以降、進展はなく、欧州委員会は27加盟国が方針で合意するまで具体的提案を行わない姿勢を示している。シビハ氏は「依存の時代は終わった。欧州は自らの未来を自らの手に取り、一つの声で語り、平和を回復すべきだ」と訴えた。

米国のトランプ大統領が10月11日にTruth Socialで発表した「エネルギー停戦」は、キーウとモスクワの双方を驚かせた。キーウ・インディペンデント紙は、ウクライナ当局が事前に通告を受けていなかったとし、米国がロシアの石油精製施設を守るため、情報共有とPURL(優先ウクライナ要求リスト)の停止を示唆してウクライナ軍・政府高官に圧力をかけたと報じた。同紙は、大統領府副長官のパブロ・パリサ氏とウクライナ軍総司令官のミハイロ・ドラパティ氏が米国側から電話を受けたとし、パリサ氏がフィナンシャル・タイムズ紙に脅迫を受けたと確認したと伝えた。PURLは欧州主導の枠組みで、初年度に67億ドル相当の兵器が供与された。

ガーディアン紙は、トランプ氏がロシア産ディーゼル輸入の制裁を解除し、ウクライナにロシアの精油所への攻撃中止を求め、ゼレンスキー大統領の交代を促したと報じた。EUのカヤ・カラス外交安全保障上級代表は「停戦が維持されるなら歓迎するが、ロシアが従う姿はまだ見ていない」と述べ、リトアニアのケーストゥティス・ブドリース外相は米国のディーゼル制裁解除を「危機にも大西洋共同体の結束にも役立たない」と批判した。ゼレンスキー氏はワルシャワ安全保障フォーラムで「ロシアがこの冬、エネルギー停戦に応じなければ我々は応答する」と述べ、ウクライナにはクレメンチュクに精油所が一つしかなく、既に大きく損傷していると説明した。

キーウ・インディペンデント紙によれば、10月11日から12日にかけてロシアの攻撃で少なくとも10人が死亡、73人が負傷した。ハルキウ州では5人死亡、42人負傷。ハルキウのCHP-5発電所が攻撃を受け、キーウでは高圧送電線が損傷し、広範囲で断水が発生した。10月12日未明には121機のシャヘド型攻撃ドローンが発射され、うち76機がジェット推進型だった。ウクライナ空軍は89機を撃墜または無力化したと発表した。

イランのテヘラン・タイムズ紙は、イランのモフセン・レザエイ最高安全保障当局者が、米国の新たな軍事侵略があればデータシステムや人工知能インフラを含む米国の資産への報復を招くと警告したと報じた。中東情勢とウクライナ戦況を巡る米国の関与が、複数地域で同時に緊張を生んでいる構図が浮かび上がる。

ウクライナ最高会議は10月12日、国有資産の競売を迅速化する法案の第一読会を可決した。国家財産基金のドミトロ・ナタルーハ議長によれば、省庁や地方当局が資産を移管する期限を20日に厳格化し、期限を逃せば基金が直接引き継げるようにする。政府は2026年末までに2億9500万ドルの調達を目標とし、約3000件の資産を100の主要企業に絞り込む方針である。ロシアの全面侵攻開始以降、1200件の資産が基金の管轄に加わり、年末までにさらに約200件が見込まれる。

一連の報道は、欧州が凍結資産の活用を巡って法的整理とリスク分担を迫られる一方、米国の仲介を巡る混乱がウクライナの防衛とエネルギー網を直撃している実態を示す。EUメディアのPOLITICOは法的論点とベルギーの懸念を軸に、キーウ・インディペンデント紙は米国の圧力と現地被害を前面に出し、ガーディアン紙は米欧の亀裂と欧州首脳の連帯を強調する。各国の報道は、ロシアが2027年に軍事費を大幅増額する計画や、ウクライナへの圧力が強まっている点では一致する。しかし、凍結資産の使用を「レバレッジの行使」と捉えるか「法的リスク」と捉えるかで論調は割れ、停戦を巡る米国の関与の評価も分かれている。欧州が今秋に政治的意志を示せるかどうかが、戦況と和平交渉の行方を左右する。

独SPDのバス党首が労働相と党首を電撃辞任 連立与党に亀裂、後任にシュヴァイツァー

2026年10月12日月曜日、ドイツの社会民主党(SPD)共同党首で連邦労働・社会相を務めるバルベル・バスが、両職を即時辞任した。辞任の理由として、継娘の死による喪に服す時間の確保と、連立相手であるキリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)の列を含む「公然たる攻撃」を挙げた。経済停滞と低支持率に苦しむメルツ政権にとって、この電撃的な辞任は新たな動揺となった。

バスは党員宛ての声明で「継娘の死後、悲しみと向き合う時間が必要だと悟った」と記した。同時に「私に対する公然たる攻撃、残念ながら連立相手の列からのものも含めて、この個人的に困難な時期に一層強まった」と訴えた。SPD共同党首で財務相、副首相を務めるラース・クリンクバイルは月曜、バスへの政治的攻撃を「恥ずべきもの」と断じ、「これは政治的言説を毒する。誰もこの国でこんなことに耐える必要はない」と語った。SPDのマティアス・ミールシュ院内総務は「力が尽きた」と記した。

バスへの圧力は数日前から強まっていた。CDU/CSUの中小企業議員団長クリスティアン・フォン・シュテッテンは9月、バスを「もはや擁立できない」と非難し、改革を妨害していると述べた。10月初めにはカテリーナ・ライヒェ経済相が年金改革を年内に成立させるよう要求し、法案を「速やかに」提出すべきだと述べた。年金委員会は6月末に33の提案を提示し、SPDとCDU/CSUは速やかな法制化を望んでいたが、最終草案はまだ提出されていない。

後任には、ラインラント=プファルツ州前首相のアレクサンダー・シュヴァイツァーが連邦労働相に就く。同州の労働・社会相を務めた経歴を持ち、メルツ首相はその経験が「連邦政府内の良好な協力」を保証するとの自信を示し、係属中の法案が速やかに閣議決定され議会手続きに入ることを期待すると述べた。メルツはバスの主張を否定し、自分は彼女と個人的な事柄を話し合ったことはなく、喪に服す時間を取るよう明確に助言したと述べた。

SPDは12月か1月に臨時党大会を開き、新たな指導部を選出する。クリンクバイルは再立候補するかどうかを言明していない。有力候補としてメクレンブルク=フォアポンメルン州首相マヌエラ・シュヴェジヒの名が挙がる。シュヴェジヒは辞任当日、「SPDには党首がおり、副党首もいる。それゆえSPDは行動能力を持つ」と歯切れ悪く述べ、自身は州の連立交渉に集中すると語った。他にザールラント州首相アンケ・レーリンガー、元環境・開発相スヴェンヤ・シュルツェ、元ベルリン市長フランツィスカ・ギフィーの名も取り沙汰される。F.A.Z.は、SPDが男女同数制を重視するため、シュヴァイツァーやボリス・ピストリウスは党首候補にならないと指摘する。

連立与党の亀裂も深まっている。CDUは9月のメクレンブルク=フォアポンメルン州選挙で歴史的敗北を喫し、史上初めて州議会の議席を失った。党指導部は日曜と月曜に非公開会合を開き、手頃な住宅、電気料金の引き下げ、医療の改善、国民の生涯の功績への敬意など社会問題を重視する4ページの文書をまとめた。メルツは全ての人の電気税を引き下げると発表した。CDU/CSUもSPDも、早期選挙が全国世論調査で首位に立つ極右のAfDに利することを認識しており、深い亀裂にもかかわらず連立継続以外の選択肢を見いだしていない。

同じ週のシュピーゲルのニュースまとめは、他の国際的な動きも伝える。トランプ米大統領はプーチン露大統領との間でロシア産ディーゼルを米国と世界市場に供給させる取引を発表し、EU外相らはルクセンブルクでの会合で、これまでで最大となる対露制裁を計画した。制裁対象は1600を超え、ヨハン・ヴァーデフル外相は「前例のない制裁打撃」と述べた。また、アレクサンダー・ズベレフがテニス世界ランキング1位でシーズンを終えることも報じられた。

各国メディアの論調には差がある。ドイツ国内メディアは連立内の人事と政策過程を詳細に報じる。F.A.Z.の論説は、CDUの批判を「自分で挑発した批判を非人道的と描き、党員の喪を道具化するのは無慈悲だ」と逆に批判し、「連立を壊したいならこうする」と皮肉った。シュピーゲルはバスに「過剰な厳しさ」が向けられたとし、政治的営みの冷たさを強調した。ドイツ公共放送DWは英語で「政府内の亀裂」に焦点を当て、連立の信頼喪失を前面に出す。一方、マレーシアのニュー・ストレーツ・タイムズは簡潔な通信記事として、経済停滞と低支持率、AfDの台頭、ラインラント=プファルツ州CDUのゴードン・シュナイダーによる「その場合は批判されて当然だ」との発言を伝えた。なお、ドイツ語の「Stieftochter(継娘)」をNSTは「daughter-in-law(義理の娘)」と英訳しており、用語のずれも生じている。

影響は広い。バスの辞任により、連邦内閣18人のうち女性は7人に減る。SPDが率いる省で女性がトップを務めるのは、ステファニー・フービヒ司法相、レーム・アラバリ・ラドヴァン開発相、フェレーナ・フーベルツ建設相である。フランクフルトのSPD地区連は党員投票による党首選出を求めており、共同議長のコリャ・ミュラーは「今、何も歪めてはならない」と警告し、党首と財務相を同一人物が兼ねることが社会民主主義を損ねたと主張した。年金改革の工程は不透明となり、連立の安定は一層危うくなっている。

経済 (Economy)

USMCA交渉は継続も最終合意なし 米国とメキシコ、自動車・鉄鋼関税で隔たり

メキシコのシェインバウム大統領は10月12日、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA、メキシコでの呼称はT-MEC)をめぐる米国との協議が継続中であり、最終合意には至っていないと述べた。メキシコシティの国立宮殿で開いた定例の朝の記者会見での発言である。協定は終了せず、発効したまま交渉が続くという認識を示した。一方、トランプ米大統領は10日、クラークスビルでの集会で米国はカナダを必要とせず、メキシコとの新たな通商協定を結ぶと述べた。両者の発言は、北米の自動車・農業・投資の規則を左右する交渉の行方をめぐる温度差を浮き彫りにした。

シェインバウム氏は「進展はあるが、最終合意はまだない。しかし対話は続けている」と述べた。協定に書き込まれた見直し規定にも言及した。6年後に3か国が協定をさらに10年間延長するか、16年間延長するかを決める仕組みである。メキシコとカナダは16年延長を求めたが、米国は年次見直し付きの10年案を提示した。シェインバウム氏は、後のラウンドでより長い期間が実現する可能性は閉じられていないと付け加えた。メキシコは自動車、鉄鋼、アルミニウムに対する米国の関税引き下げを求めた。見直し期間中に新たな関税を課さないことも要求した。通商交渉はエブラルド経済相が担当した。

トランプ氏の発言について、シェインバウム氏は協定の終了を意味しないと応じた。米国は当面、メキシコとカナダと別々に交渉することを選んだと確認した。カナダのカーニー首相(自由党)は米国の関税に対抗措置で応じた。USMCAは2020年7月1日に発効し、旧NAFTAに取って代わった。最初の共同見直しは2026年7月1日に予定されたが、米国は16年延長に同意しなかった。6月にインフォバエ・メヒコが振り返ったところによれば、シェインバウム氏は鉄鋼・アルミニウム50%、自動車25%の関税撤廃を成果と呼んだ。

報道の論調には地域差がある。メキシコのロペス・ドリガ・デジタル、インフォバエ・メヒコ、ラティヌス、エル・フィナンシエロは、シェインバウム氏の「T-MECは終わらない」という説明と関税引き下げ要求を前面に出す論調である。カナダのCBCニュース、グローブ・アンド・メール、CTVニュースは、ポアリエーヴ保守党党首が13日にデトロイトを訪れ「関税なき自動車協定」を売り込む計画や、ステランティスが関税を最近の一時解雇と結び付けた点を重視する論調である。同党首は今後10年でカナダの自動車生産を年200万台に戻す目標を掲げた。カナダ側の報道は、9月20日のベルビル・シナゴーグ(ユダヤ教礼拝所)襲撃で使われた銃3丁が米国から流入した事実や、アルバータ州の分離国民投票の低投票率への懸念も伝えた。ブラジルのリオ・タイムズ・オンラインは、ペソが金曜日に1ドル=約18.41ペソと2025年11月下旬以来の安値で引けた点を軸に、ラテンアメリカの輸出業者への含意を強調した。

影響はまだ確定していない。両政府は草案、日程表、合意済みの論点一覧を公表していない状況だ。メキシコに工場を持つゼネラル・モーターズやフォードは現行のUSMCA規則の下にある。関税引き下げは、メキシコ製の自動車や金属製品のコストを下げる要因となる。交渉が決裂すれば逆の結果となるが、いずれの帰結も未確定だ。エブラルド氏のチームと米通商当局の協議は継続中であり、12日時点で終了期限は示されなかった。関税の変更には集会での発言ではなく、米国の正式な決定が必要となる。

社会 (Society)

アジア・アフリカで殺人公判相次ぐ、報道の力点に差

2026年10月、マレーシア、南アフリカ、台湾の各地で殺人事件や名誉毀損をめぐる司法手続きが相次いで報じられた。マレーシアのニュー・ストレーツ・タイムズはクランで窓枠設置業の男がインドネシア人男性の殺害容疑で起訴されたと伝えた。南アフリカのケープ・アーガスとウィークエンド・アーガスはググレトゥで起きた42歳男性の殺害事件で家族が真相解明を求める声を報じた。台湾のタイペイ・タイムズは新荘区の殺人事件と、台北市長選に出馬する立法委員に関する偽画像拡散事件を伝えた。

ニュー・ストレーツ・タイムズによると、ファウジ・マヒヤ被告(36)は9月25日午後1時20分、カンポン・バトゥ・ベラのジャラン・シャパドゥ・ラマ沿いの道路脇で、30代のインドネシア人ウィジャヤ氏を殺害したとして治安判事裁判所で起訴された。被告は先週金曜日、ノル・アジラ・マット治安判事の前で起訴内容を読み上げられ、理解したと首を縦に振った。殺人事件は高等裁判所の管轄に属するため、答弁は記録されなかった。刑法302条に基づく起訴は死刑または30年から40年の禁固刑を伴い、死刑が科されない場合は少なくとも12回の鞭打ち刑を伴う。裁判所は保釈を認めず、来年1月12日に予備審理を開くと決めた。検察側はアフマド・スルフィ・アブ・ハッサン副検察官が担当し、被告は弁護人を立てなかった。被害者は9月29日に死亡した。容疑者はタマン・スンガイ・カパル・インダのジャラン・ハラパン沿いで逮捕された。捜査により、容疑者は妻との不倫を疑って被害者を襲った疑いが持たれた。

ケープ・アーガスとウィークエンド・アーガスによると、モンデ・シトレ氏(42)は10月1日の夜、ググレトゥで殺害された。母親のジャブリレ・シトレ氏は、息子の遺体が洗われた上で別の家に移されていたと主張した。遺体は椅子に座らされ、目と口が大きく開かれ、下半身に刺し傷があった。弟のアテンコシ・シトレ氏は血の付いた2つのレンガを発見し、襲撃されたとされる小屋での会話を携帯電話で録音した。録音には25歳の女が暴行の様子を語る声が収められていた。警察のウェスリー・トウィッグ広報官は、成人男性と成人女性が逮捕され、アスローン治安判事裁判所に出廷したと確認した。ケープタウン市長選に出馬するBOSAのロジャー・ソロモンズ氏は殺害を非難し、警察の捜査継続と有罪の場合の厳罰を求めた。

ウィークエンド・アーガスは別の事件として、チャド・リー・アペルス被告がワインバーグ治安判事裁判所に出廷したと伝えた。同被告は5月以降警察を逃れ、先週逮捕された。国家側は保釈に反対し、組織犯罪防止法に関連するスケジュール6の犯罪でギャング関連だと述べた。被告の銃が不発に終わり、共犯に「仕事を終わらせろ」と求めたとされた。審理は10月26日に延期された。

タイペイ・タイムズによると、新北市新荘区で日曜日、59歳の林姓の女性が台所で死亡しているのが見つかった。首と腹部に10カ所以上の刺し傷があった。夫が仕事から帰宅した際に発見した。警察は監視カメラの映像を使い、李姓の甥の動きを追跡した。李容疑者は日曜日午後2時ごろに家を出た後、火鍋店で食事をし、MRTで台北駅へ向かった。そこから桃園駅へ電車で移動し、複数の交通手段を乗り継いで新北市の鳳鳴駅や桃園の中壢を経由して桃園駅に戻り、監視を逃れようとした。李容疑者は昨日正午ごろ桃園で逮捕された。予備捜査で李容疑者は無職だった。夫婦は彼の生活習慣をめぐり時折口論した。李容疑者は酒やたばこを買うため頻繁に金を求めた。林氏は退去を求めることを検討した。警察は、殺害当日に林氏が肩で李容疑者に触れたことを故意で侮辱的だと受け止めたとみなした。怒った李容疑者はナイフを買いに出て、帰宅して林氏を刺し殺したとみられた。

同じくタイペイ・タイムズによると、呉姓の60代の男が、台北市長選に出馬する民進党の立法委員、沈伯洋氏の偽造画像をフェイスブックに再投稿したとして、2年間の起訴猶予処分を受けた。台北地方検察署は、呉被告が6月7日に、沈氏と裸の女性が麻薬器具の散らばったテーブルのそばにいるように見せかけた偽造画像を再投稿したと述べた。画像は当初、X上で「薛丁丁帰来」と名乗る利用者が投稿し、IPアドレスは中国にたどられた。沈氏は法務部調査局に告訴し、偽造画像は名誉毀損に当たると主張した。調査ではリアリティ・ディフェンダー、リセンブルAI、メディア・インテグリティAIなどのソフトウェアが使われ、画像が偽造だと確認された。呉被告は偽造と知りながら投稿したことを認め、後に沈氏に公開謝罪した。検察は、反省を示し前科がないことから2年間の起訴猶予とし、2年間で10回の法律教育を受けることを条件とした。沈氏はこの決定に同意した。沈氏は11月28日予定の地方選挙で、国民党の蒋万安現台北市長への挑戦を表明した。

報道の論調には差がある。マレーシアのニュー・ストレーツ・タイムズは法的手続きの詳細を前面に出し、刑法302条の量刑や鞭打ち刑の回数まで具体的に記した。同じ同紙の別記事では刑の表現が「鞭打ち刑」と「ロタン刑」に分かれた。南アフリカのケープ・アーガスとウィークエンド・アーガスは、家族の証言や遺体発見の状況、ジェンダーに基づく暴力への非難を重視し、事件を社会問題として位置づけた。台湾のタイペイ・タイムズは、殺人事件では容疑者の逃走経路や動機を細かく再現し、偽画像事件では中国から発信された偽情報という文脈と、台北市長選の選挙戦を結びつけて報じた。

これらの事件は、各国で司法手続きの透明性、家族による真相解明の要求、選挙をめぐる偽情報対策という共通の課題を浮き彫りにした。マレーシアでは量刑制度、南アフリカではジェンダーに基づく暴力への対応、台湾では偽情報の拡散防止が、それぞれの社会で引き続き争点となる。

ネパール中部で再び鉄砲水、5人不明 復興途上の新たな危機と各国メディアの論調

ネパール中部ゴルカ郡を流れるブディ・ガンダキ川沿いで鉄砲水が発生し、200棟を超える住宅と5本の橋が流失した。5人が行方不明となっている。ネパール軍の報道官ラジャ・ラム・バスネット氏はAFP通信に対し、日曜日に95人(外国人9人を含む)を救助し、ヘリコプター4機を投入したと述べた。死者は確認されていない。

救助者数をめぐる報道は各国で食い違う。AFP配信を基にしたバングラデシュとマレーシアの報道は救助者を95人(外国人9人)とする。南アフリカの報道は96人(外国人9人)とし、シンガポールの報道は321人(外国人12人)を救助したと伝える。いずれの報道も死者は確認されていないとし、5人の行方が分からない点では一致する。バスネット氏は「5人の行方不明者について新たな情報はない」と述べた。

マナスル保全地域プロジェクトの当局者ブワン・ラジ・オジャ氏はロイター通信に対し、トレッキング道の一部が流失したため100人を超える外国人トレッカーが足止めされていると語った。「洪水のため帰還を望むハイカーは救助する必要がある。トレッキングを続けたい者は安全な場所から続けられる」と述べ、ルート沿いの食堂や茶屋は安全だと付け加えた。ネパール・トレッキング業協会によれば周辺には約150人の外国人トレッカーがおり、多くは人気のマナスル周回トレッキングに参加している。同協会会長のサガル・パンディ氏は「道路の寸断で取り残された人々の救助のため当局と協力している」と述べた。

予備的なデータは、地滑りが川をせき止め、その天然ダムが決壊して水が下流へ殺到したことを示す。地元住民のインドラ・バハドゥル・グルン氏は「人々を外へ出すため大声で叫んだ。走り出てからほんの数分後に洪水が襲った」と語った。バレンドラ・シャー首相はSNSへの投稿で「政府は通常の生活を回復するための必要な措置をすでに開始した」と述べ、住民に安全な場所にとどまり危険な道路や橋の通行を避けるよう促した。トリブバン大学災害研究センター所長のバサンタ・ラジ・アディカリ氏は「災害の頻度は危険な水準にある。従来の河川水位に基づく早期警報システムを超える必要がある」と述べ、衛星画像や地震計がより早い検知に役立つと指摘した。カトマンズに拠点を置く国際山地総合開発センター(ICIMOD)のペマ・ギャムツォ事務局長は「この洪水を引き起こした要因を理解することが、将来のリスク削減と強靱性の強化に不可欠だ」との声明を出した。

スペインのエル・パイス紙は今回の鉄砲水を8月26日の大災害の文脈でとらえ、被害の全体像を前面に出す。同紙によれば8月の災害ではネパール国内で少なくとも1,455人、国境を挟んだチベット側で43人が死亡し、行方不明者は5,285人(外国人600人超を含む)に上る。中国側の集計は9月5日以降更新されておらず、死者43人、行方不明者519人(23か国出身の外国人261人を含む)を記録する。同紙は今回の鉄砲水で被害を受けた住宅を200棟超、流失した橋を5本、損傷した橋を少なくとも674本、被害を受けた水力発電プロジェクトを3件と伝え、マナスル山塊のルートで約155人の観光客が足止めされたと報じた。ネパール水文局は上流区間での警報発信の遅れと監視機器の不足を認めており、地元住民は警察の警報が住民同士の注意喚起より後に届いたとカトマンズ・ポスト紙に語った。

8月の災害からの復興はなお道半ばにある。政府が被害者の積極的な捜索を停止し復興に軸足を移してからわずか6日後に、新たな非常事態への対応を迫られた。金曜日に公布された改正により、災害による行方不明者は通常の12年ではなく45日の経過で死亡宣告できるようになる。世界銀行はネパールの成長率が今会計年度に3.7%へ鈍化すると予測し、復興には約48億ドル(約42億8,000万ユーロ)が必要だとする政府の暫定評価を伝えている。国連児童基金(ユニセフ)によれば8月の洪水で子ども84人が死亡し、3万2,000人以上が影響を受け、23の学校が損傷または全壊した。10月初旬までに52の臨時学習施設が約1,500人の子どもを受け入れた。ネパールのセーブ・ザ・チルドレン代表タラ・チェティ氏は「子どもたちの生活は一瞬にして再び打ち砕かれた」と嘆いた。国際労働機関(ILO)は非正規雇用の多さが多くの労働者から十分な保護を奪っていると警告する。ギロン国境通過点は8月の土石流に埋もれ、ネパールの対中輸出のほぼ半分と中国からの輸入の10.8%がこの回廊を経由していた。

マレーシアの報道は、行方不明となった自国民54人の家族が抱える金融上の負担に焦点を当てる。マレーシア希望連帯家族会(Masfih)の調整役兼報道官R・マニバンナン氏によれば、マレーシア国立銀行での2時間半の会合に金融機関、保険会社、行方不明者の近親者が集まり、銀行側は「合意に達するまでローンの返済その他の支払いを求めない」と家族に約束した。会合には44人の近親者が参加した。国立銀行は被害者の金融問題を巡る家族の困難を理解し、適切かつ妥当な解決を目指すとし、金融サービス提供者が専任の連絡担当者を割り当てることで合意した。国立銀行は家族と連携する4人の担当者を任命した。Masfihは行方不明者の地位が未解決のままでも未払いのローンや信用債務に対処する仕組みを含む35ページの提案を提出し、タミル語を話し事情を理解する担当者の追加を求めた。マニバンナン氏は「出血は止めたが、傷は治療していない」と述べ、書面による包括的な枠組みを求めている。

文化面では、テイラー・スウィフトがビルボード200で通算100週首位となり、単独アーティストとして初めてこの節目に到達した。36歳のスウィフトはビートルズとこの記録を分かつことになる。最新作『The Life of a Showgirl: The Encore』からの追加曲がチャートを押し上げた。

ラッセル・ブランド性的暴行裁判が開廷 独マウト公判・米中間選挙集会・南ア連続殺人捜査も焦点

英国の俳優でコメディアンのラッセル・ブランド(51)に対する強姦と性的暴行の裁判が、ロンドンのサザーク王冠裁判所で始まった。ブランドは1999年から2009年にかけて6人の女性に関わる3件の強姦、3件の性的暴行、1件の猥褻暴行の罪に問われている。すべての訴えを否認している。陪審員の選定は月曜日に行われ、裁判は約6週間から最大10週間続くと見込まれる。ブランドは日焼け防止用のサングラスをかけ、妻ローラを伴って出廷し、法廷では被告席に座って多くを前方を見つめるか目を閉じていた。

同一事案を報じた各国メディアの論調には差がある。中国のサウスチャイナ・モーニング・ポストは、裁判官ジョエル・ベナサンが約3年前に放送されたドキュメンタリーや同時期の長い新聞記事を読んだ陪審候補者を排除した点、および「被告ラッセル・ブランドについて一切調査してはならない」と警告した点を前面に出す。英国メディアは裁判が最大10週間続くことと、法廷に詰めかけた報道陣の多さを強調する。マレーシアのニュー・ストレーツ・タイムズは、かつて左派の人物として知られたブランドが保守派の教祖として数百万のソーシャルメディアのフォロワーを抱えるようになった経緯に注目する。南アフリカのIOLとAFP通信は、1975年にロンドン東部エセックスで労働者階級の両親のもとに生まれた生い立ち、BBCラジオ2でのアンドリュー・サックスの孫娘に関する性的に露骨なボイスメール事件、米歌手ケイティ・ペリーとの短期間の結婚といった経歴を詳しく伝える。いずれの報道も、7件の罪状と全面否認という事実認識では一致する。

ドイツでは、元連邦交通相アンドレアス・ショイアー(CSU)と元次官ゲルハルト・シュルツの裁判が続く。検察は、両者が連邦議会の調査委員会で「実際の記憶に反して」通行料企業の延期提案を覚えていないと述べたと非難する。提案は2018年11月29日の連邦交通省と入札企業の会合で出されたとされる。月曜日にはチケット販売会社エベンティムのクラウス・ペーター・シューレンベルクと、オーストリアの通行料企業カプシュ・トラフィックコムのゲオルク・カプシュが証言した。シューレンベルクは、欧州司法裁判所の判決まで署名を待つ提案を自らが行ったと述べ、ショイアーがそれを厳しく拒否したと証言した。カプシュは、提案に「数秒の衝撃」を受けたとし、省の姿勢は「常に稼働させなければならないというものだった」と語った。契約は欧州司法裁判所の判決前に署名され、同裁判所は計画された形の通行料が欧州法に違反すると認定した。運営業者の損害賠償請求と和解は連邦に約2億4300万ユーロの費用をもたらした。有罪となれば3か月から5年の自由刑が科される可能性がある。

ドイツ西部アルンスベルクでは、「ゾーストの恐怖の家」事件の被告デニス・Jと3人の共犯者に対する裁判が始まった。検察によれば、Jは2025年7月末から11月初めにかけて、33歳のホームレスの女性を複数の共犯者とともに様々な形で侮辱し、虐待し、拷問した。裁判長は、多数の映像が入ったメモリーカードが最近捜査当局に渡されたことに触れ、これを機に大規模な追加捜査が行われたと述べた。9月末以降、Jの生活パートナーであるサラ・Aも証人から被疑者の一人となった。女性はテーブルの上で裸で踊るよう強いられ、その様子が携帯電話で撮影された。11月初めにJは女性を手錠と自転車錠でテラスのはりに鎖でつなぎ、つま先だけが地面に触れる状態にした。近隣住民が気づいて警察を呼び、女性は解放された。裁判は未成年の被告2人を含むため青少年部が担当し、11月2日に再開される。

米国のドナルド・トランプ大統領は、11月3日の米中間選挙を前に各地で集会を開いている。テネシー州クラークスビルでの集会では、「どんなに馬鹿げたことでも言えば皆は拍手する」と述べ、メキシコ湾やオンタリオ湖の名称変更を命じた大統領令に触れ、「トランプ海洋」の名を提案した。大統領はロシアのプーチン大統領との間で米国へのディーゼル燃料供給に合意したと発表し、自党が選挙に勝つことを条件に各国民に5000ドルの小切手を約束した。世論調査では、トランプの経済運営を承認する有権者は4分の1にとどまり、インフレ対応については20%に下がる。フィナンシャル・タイムズが日曜日に公表した調査による。ピュー・リサーチ・センターの調査では、2024年に彼に投票した人の支持率が7月の75%から67%に落ちた。

南アフリカでは、殺害されたランナーのエリザベス・「ツォンツォ」・モセラクゴモの遺品とされる物品をめぐり、警察が容疑者を逮捕した。容疑者は10月12日月曜日にケンプトン・パーク治安判事裁判所に出廷する見込みである。南アフリカ警察庁は、容疑者が盗品所持の罪で訴追される可能性が高いと述べた。警察は物品の内容や発見の経緯を明らかにしていない。モセラクゴモ(38)は9月、ケンプトン・パークのローズフィールドの自宅を出て走りに出た後に殺害された。政府は複数の女性の死亡を調べるため学際的なチームを編成した。また、ストランドのルワンドルにあるシャシャンヤマで11人が死亡した銃撃事件では、32歳の容疑者が月曜日に地元の治安判事裁判所に出廷する見込みである。容疑者は10月9日に逮捕され、11件の殺人と10件の殺人未遂などの罪に問われている。警察はノリンコ製の銃と6発の弾薬を押収した。

これらの裁判と事件は、著名人に対する性的暴行の訴追、行政手続きと政治資金をめぐる説明責任、治安をめぐる暴力、選挙戦終盤の分極化という2026年の主要な争点を映し出すものである。いずれの法廷も被害者保護と公開原則の両立を迫られ、判決は各国の司法と政治の信頼に直接影響を及ぼすことになる。

ソーシャルメディア規制とメンタルヘルス——各国メディアが描く2026年の光と影

2026年10月、ソーシャルメディアをめぐる規制と健康被害への懸念が世界各地で同時に表面化した。フィリピン下院は13歳未満の利用を禁じる法案を可決し、マレーシアの副国民団結相R・ユネスワランは宗教・民族・王制に関わる話題を発信の材料にしないよう影響力の大きい発信者に求め、スペインのインフルエンサー、ロラ・ロリータは精神的な限界を訴えて活動の一時中断を宣言した。南アフリカでは地域病院の精神科受療者が膨らみ、世界の女子サッカー選手の半数近くが早期引退を検討しているとのFIFPRO報告書も公表された。共通するのは、プラットフォームの影響力が個人の心理と社会の分断に直結するという認識である。

規制の動きを最も具体的に報じたのはシンガポールのチャンネル・ニュース・アジア(CNA)とAFPである。フィリピン下院は10月12日、13歳未満の子どもによるプラットフォームへのアクセスを禁じる措置を圧倒的多数で可決した。上院はすでに同種の法案を承認しており、両院が調整したうえで最終草案を大統領の承認に付す段階に入る。上院版は18歳未満のアカウント作成を禁じる、より厳しい内容だ。背景には6月以降に起きた3件の学校銃撃事件があり、16歳の生徒が同級生2人を射殺した後に自ら命を絶ち、8月には生徒が同級生を射殺する様子を自らライブ配信した事例もあった。フェルディナンド・マルコス・ジュニア大統領は日曜日、上院通過法案を検討中だと述べ、全面禁止は子どもがオンライン活動を隠してグルーミングや虐待の被害に遭う危険を生むと指摘した。CNAはオーストラリア、マレーシア、インドネシア、ギリシャ、ポルトガルなど各国の規制を並べ、マレーシアが16歳未満の登録を禁じ、2027年1月までに年齢確認の実施を求めたこと、インドネシアが3月の規則で高リスクと見なしたX、インスタグラム、Robloxの16歳未満アカウントを無効化し、TikTokが約900万件、メタがインスタグラム8万5000件とフェイスブック9万9000件を遮断したと伝えた。TikTok、アルファベット、メタはいずれもコメントの要請に即座に応じていない。

マレーシアのニュー・ストレーツ・タイムズ(NST)は、規制の焦点を宗教儀礼の尊重に置いた。ユネスワラン副国民団結相はベルナマ・テレビの番組「ルアン・ビチャラ」の後に、タイプサムの祝祭でバトゥ洞窟を訪れた発信者が儀式に参加したとされる拡散事例への言及として、3Rに関わる問題から距離を置くよう求めた。宗教を信仰していない発信者は特定の共同体の儀礼や慣習を理解できない可能性があるという理由である。同相は、儀式が関わる場面では敬意を払うべきだとしたうえで、調査は宗教当局と警察に完全に委ねられており、世論が性急に判断したり政治問題化したりせず、当局の調査を待つよう促した。また、連邦憲法、ルクン・ヌガラ、国民国家プログラムの普及で発信者と省が協力するよう呼びかけた。NSTは同日、アンワル首相の2027年予算演説に関する「ライハド」投稿で発信者が事情聴取された記事や、配達期限が人命を危険にさらすとする論説なども並べて掲載した。セランゴール州イスラム宗教局(JAIS)は、イスラム法に反して他宗教の儀式に参加したとされるムスリムの拡散投稿について調査を始めたと確認した。

スペインのエル・パイスは、規制ではなく個人の告白を軸に据えた。エルチェ出身24歳のロラ・モレーノ・マルコ、通称ロラ・ロリータは、インスタグラム4,200万人とTikTok1,370万人を合わせて約1,800万人のフォロワーを持つスペイン屈指のインフルエンサーである。彼女は10月11日日曜日、5分ほどの動画で「もう限界だ」と述べ、10年間の活動の中で「よくない状態」を隠し続けてきたと明かした。14歳でMusical.lyにダンスとリップシンクの動画を投稿して始めた経歴を持ち、自身のフェスティバルや代理店事業も抱える。動画では左目のあざを隠さず、ものもらいと眼瞼炎によるまぶたの腫れで最近手術を受けたこと、1月にも別の手術を受けたことに触れた。投稿はコメントを閉じたが、数時間でインスタグラムに17万6000件以上、TikTokに15万5000件以上の「いいね」が集まった。彼女は涙を流しながら、自分を後回しにしてきたこと、感受性の強さが長期的に負担になっていること、社会が脆弱さを見せた人間を嘲笑する姿勢を批判し、「これは別れではなく、また会うまでの区切りだ」と結んだ。エル・パイスは、2023年にデジタルからの一時離脱を発表したラウラ・エスカネス、2021年に同様の休止を宣言したドゥルセイダの例も併記し、スペイン人インフルエンサーによる精神的な理由での休止が繰り返されている文脈を示した。

アルゼンチンのクラリンは、発信者をめぐる労働環境の問題として報じた。ウルグアイ出身28歳のエビッタ・ルナは、インスタグラムとTikTokのユーモア動画からストリーミング、演劇、シリーズへと活動を広げた人物である。彼女は「私は計画していた。魔法のように見えるが、それが私の計画だった」と語り、2019年から継続的に投稿を始めたことが演技力の審査の場となり、新たな職業機会への扉を開いたと説明した。まずウルグアイで2年ほど働き最初の一人芝居を行い、その後ブエノスアイレスやいくつかの州へ移った。ストリーミングではBlender、OLGAを経て、現在はニコラス・オッキアートのチャンネル、LUZU TVの『PLP(ポネ・ラ・パバ)』にフロール・ハスミン、アニタ・エスポシト、ラ・ホアキとともに出演する。OLGAを離れた理由について彼女は、ライブ配信中のチャットへの常時露出が自分に与える悪影響だったと述べ、「攻撃的なチャットが目の前に常にあった」と振り返り、働きながら侮辱されるのは非常に暴力的だと訴えた。チャットの表示はMigue Granados率いるチャンネルの上層部が決めたもので、「何度も外してほしいと求めたが実現しなかった」と明かし、LUZU TVではチャットが目の前にないことを評価した。演劇ではレティシア・シシリアーニ、フリ・カストロ、モミ・ジャルディナ、セサル「バナナ」プエイレドンと『ラ・ジャマーダ』に出演し、水曜はアストロス劇場に立つ。脚本を手がけたロス・ハビスの仕事の愛好者であり、前年に作品を見て出演を望んでいたという。シリーズ『カウティバ』ではパウラ・エルナンデスとハスミン・スチュアートが監督を務め、カロリナ・コペリオフ、ロレーナ・ベガが出演、実話に基づきTNTとFlowで公開された。彼女は「自分が他の人より才能があるからここにいるのではない」と述べ、才能ある多くの人間が扉を開けてもらえずにいると指摘した。

英ガーディアンは、規制を待つ家庭の側からこの問題を切り取った。同紙が親たちに子どものソーシャルメディアとAI利用について考えが変わったかを尋ねたところ、大多数が子どもに使わせたくないと答え、多くがAIからも遠ざけようとしていた。ケンブリッジの42歳、キャロライン・グレイ・フォードは「彼らは私の人生で最も大切なものだ。なぜ時間とデータを収奪することだけを動機とするテック企業に委ねるのか」と語った。ロンドンの43歳アンディはAI分野で働きながら、AIの利用を勧める必要を感じつつも望んではおらず、ソーシャルメディアは全面的に排除し、WhatsAppで現実の関係を築く程度にとどめると述べた。フィラデルフィアの47歳ケイトは、11歳の娘に単独での利用を許さず、AI画像を嫌う娘が家族の誤ったAI画像共有を指摘すると語り、AIが大量の水とエネルギーを消費することから家族としてAIアプリを避けていると説明した。スコットランド国境地域の匿名回答者は、AI分野で働く立場から、学校が保護者の関与なく早期にツールを導入している点を懸念し、企業が子どもの利益と関与・利益のどちらを優先しているかを問うた。ケントの匿名回答者は政府の対応不足に怒りを示し、マドリードの匿名回答者は12歳の息子がソーシャルメディアとDiscord、YouTubeのインフルエンサーに強い影響を受け、学校からChromebookを渡されて画面時間の管理が「いたちごっこ」になっていると述べた。

南アフリカのIOLは、精神医療の供給逼迫という制度的な側面を伝えた。DAのカルル・ウィレム・デュ・プレ・ル・ルー議員の議会質問に対し、アーロン・モツォアレディ保健相は2023年から2026年6月までの受療者数を示した。精神科病院では2023年に6万3,720人、2024年に6万5,218人、2025年に6万332人、2026年に3万1,458人。州立三次病院の救急・外来では2023年に6万9,773人、2024年に6万9,543人、2025年に6万8,000人、2026年に3万6,060人。地域病院では2023年に17万5,642人、2024年に19万4,126人、2025年に19万6,307人、2026年に9万7,869人だった。保健情報システムが外来と救急のデータを分離していない点も明かされた。ステレンボッシュ大学精神医学部のケリー・ラウ上級講師は、72時間の評価手続きの目的が身体疾患の除外、急性症状の安定化、継続的な非自発的ケアの必要性の判断にあると説明し、精神科ベッドの不足が一般病床や救急室での不十分な評価と管理、専門治療への遅延、診断漏れ、職員と患者の安全に関わる有害事象につながると述べた。地域病院は精神医療利用者の主要な入口であり、治療の中断、薬剤の在庫切れ、併存疾患、物質乱用、社会的ストレス要因による再発と回転ドア現象が生じ、専門病院では退院困難と長期在留が常態化しているという。中間施設や地域を基盤とする居住サービス、心理社会リハビリテーション、地域包括型治療チームの資源不足も指摘された。

世界の女子サッカーの労働条件をめぐるFIFPROの2026年報告書は、経済と心理の二重の圧力を数値で示した。世界800人の選手への聞き取りで、49パーセントが予定より早い引退を検討しており、そのうち59パーセントが経済状況を、46パーセントが心理的ストレスを理由に挙げた。インフレ調整後のクラブの平均月給は2017年の前回調査から3倍の2,601ドルに達したが、中央値は1,669ドルにとどまり、成長は「不均一で断片的」だと報告書は評した。分析対象の東欧10カ国では平均給与が国の最低賃金を下回り、西欧とアジア・オセアニアでも最低賃金を大きく上回らない。雇用契約を持つ選手は56パーセント、クラブ年金は13パーセント、47パーセントがクラブのスタッフ不足を訴えた。平均契約期間は2017年の12カ月から19カ月に伸び、代理人を持つ選手は14パーセントから41パーセントへ急増した。精神面では57パーセントが自らのメンタルヘルスに苦しんだと答え、その半数はクラブから支援を受けていない。女子サッカー部門責任者のアレックス・カルビンは、上位約5パーセントの条件は劇的に改善したが、残りの95パーセントにはまだ長い道のりがあると述べ、商業的成長と選手保護は二者択一ではなく並行すべきだと主張した。報告書は、米国のナショナル・ウィメンズ・サッカーリーグが精神医療の実務家をクラブスタッフと並置し、選手に6カ月のメンタルヘルス休暇の権利を認めている例を挙げ、心理的支援の義務化を求めた。FIFAが2021年に産休の最低基準を導入して以降、家族を持つために離脱を考える選手は2017年の47パーセントから19パーセントに下がった。

南アフリカのステレンボッシュ大学精神医学部のクリスティーヌ・ロホナー教授は、比較そのものではなく比較の解釈に問題があると論じた。世界精神保健デー(10月10日)を含む10月の啓発月に寄せた分析で、226件の観察・実験研究と9万1,000人超を統合した大規模解析を引用し、理想化されたプロフィールとの比較は精神保健の悪化と身体不満足感に関連し、上方比較で負の関連が強い一方、下方比較は有意な関連を示さなかったと述べた。ソーシャルメディアは文脈を欠いた情報を提供し、宣伝は見えても不確実な年月は見えず、休暇は見えても前後の経済的苦労は見えない。通知やいいね、コメント、新規フォロワーが不規則に報酬をもたらす断続的強化が確認行動を繰り返させ、制御困難になり得るという。同教授は、頻繁な利用そのものを依存や精神疾患と同一視すべきでなく、利用の仕方、機能、日常生活への支障を見るべきだとし、睡眠や仕事、学業、人間関係を犠牲にしながら減らそうとして失敗する、といった兆候を挙げた。DSM-5-TRでは問題のあるソーシャルメディア利用は正式な診断ではなく研究領域であるとし、利用時間そのものが説明する自己評価と精神保健の変動は相対的に小さいと結論づけた。

各国メディアの論調は、同じ現象を異なる角度から照らしている。シンガポールのCNAとAFPは年齢制限の国際比較と法的手続きを前面に出し、マレーシアのNSTは宗教儀礼の尊重と3Rの自制という国内の調和維持を軸に据えた。スペインのエル・パイスはインフルエンサー個人の告白と涙を中心に据え、アルゼンチンのクラリンはストリーミング業界のチャット暴力と雇用環境という労働問題として扱った。英ガーディアンは家庭の判断と学校・政府への不信を、南アフリカのIOLは公的医療のベッド不足と予算の逼迫を、FIFPROは経済的困窮と心理的負担の数値を、それぞれ強調した。一致している事実認識は、ソーシャルメディアとAIが若年層の健康と安全に無視できない影響を与えているという点である。一方で見解が割れるのは、責任の所在と手段だ。フィリピン上院のように18歳未満の全面禁止を求める立場と、マルコス大統領のように全面禁止が子どもをかえって危険にさらすと警告する立場が対立し、マレーシアは規制よりも発信者の自制と当局の調査を優先し、ガーディアンが取材した親たちは政府の対応不足を訴えつつ家庭内の自主的な制限に頼っている。個人の告白を重んじる欧州の報道と、制度設計と統計を重んじるアジア・アフリカの報道の差は、この問題が個人の心理の問題であると同時に、規制と医療資源の配分をめぐる政治的な争点であることを示している。

遺体遺棄・汚職・暴動・汚職捜査——各国警察と司法を揺るがす事件が同時多発

2026年10月13日、世界の複数地域で警察・司法に関わる重大事件が同時に報じられた。アルゼンチンのロサリオでは若い女性の遺体がスーツケースの中から発見され、元警察官が逮捕された。南アフリカではクワズール・ナタール州のハークス(優先犯罪捜査局)将校ディーナ・ゴヴェンダー氏の自宅と職場が独立警察捜査局(IPID)の家宅捜索を受けた。スペインのマドリードではソル広場の住居要求キャンプを巡り極右集団と滞在者が衝突し、ロシアのトゥーラ州では汚職容疑で模範警察官と称された女性警官が逮捕された。シンガポール発の報道はリヴァプールのアンフィールドでの観客暴動を伝えた。これらの記事は、警察内部の腐敗、女性に対する暴力、政治的介入という三つの軸で交差する。

アルゼンチン紙クラリンによると、バルバラ・カミラ・アラゴンさん(26)の遺体はロサリオの下宿の一室でスーツケースの中から見つかった。遺体は配達用の箱のそばに置かれ、毛布に包まれていた。家族は土曜日に連絡が取れなくなった後、捜索を開始した。親族が決定的な情報を提供し、土曜日の朝に乗合タクシー運転手がアラゴンさんを遺体発見現場まで運んだと証言した。運転手は降ろした直後に「迎えに戻ってほしい」というWhatsAppメッセージを受け取り、現場に戻って何度もクラクションを鳴らしたが応答がなかったと述べた。捜査当局は37歳の男を拘束し、検察官ベルトロッティ氏は女性殺害を理由とする加重殺人罪で身柄拘束を命じた。被疑者はエリエル・S被告と特定され、サンタフェ州警察を免職され、麻薬取引に関連する前歴を持っていた。2021年にはロサリオからレコンキスタへコカインを運ぶ組織への所属で禁錮6年の判決を受けた。2024年7月には警察の記章付き衣類と模造銃の所持で別の捜査対象となった。

南アフリカのゴヴェンダー氏を巡る報道では、同じ事実に対して二つの媒体が異なる側面を強調した。IOL紙は10月9日金曜日に実施されたIPIDの家宅捜索と、マドランガ委員会での証言内容を中心に据えた。IPIDの報道官は「捜査は継続中である」と述べ、押収物の有無を明らかにしなかった。IOL紙は、IPIDのクワズール・ナタール州捜査担当副局長レン・ジョン氏が、2023年4月のダーバンでの警察作戦の前後にゴヴェンダー氏の口座へ合計205万3650ランドの現金が入金されたと証言した点を伝えた。さらにイシバヤの不動産購入に関連する現金支払いを加えると合計は273万1912ランドに達し、当時の同氏の手取り月給は2万6000ランド未満だったと報じた。一方、デイリー・マーベリック紙は、委員会が提起した三つの中心的疑問、すなわち犯罪利益が警察の特別任務班に浸透したか、警察資源がライバルのレッカー業者に対して使われたか、政治的に結びついた人物との関係が警察への政治的介入疑惑と交差したかという点を前面に押し出した。同紙は、ゴヴェンダー氏が政治的に結びついた実業家ティモシー・マリムトゥ氏を「警察や政治の人物と強い結びつきを持つ」と表現し、自分の子供がマリムトゥ氏の孫と「非常に親しい」と証言したと伝えた。また、2022年8月31日に1万ランドのATM入金を37回、約1時間で30万ランド以上行った事実を挙げ、委員会のムブイセリ・マドランガ委員長がその説明を「ナンセンス」と退け、サンディレ・クマロ委員が資金洗浄の疑いを示唆したと報じた。証拠総額は2022年8月から2023年12月までの16か月で305万574ランドに上った。IOL紙が家宅捜索と金融記録の列挙に重点を置くのに対し、デイリー・マーベリック紙は政治的介入と証言の構造的意味を強調する。両紙に共通する根幹は、ゴヴェンダー氏の資金の流れと2023年の5人死亡事件の関連性が未解明であり、最終的な認定は下されていないという点である。

南アフリカの別件では、IOL紙が伝えるAKA・ティブズ殺害事件の裁判で、元警察官がダーバン高等裁判所に出廷し、2023年4月にウムラジのL区でサイヤンダ・エディ・ミエザ被告を武器・弾薬の不法所持容疑で逮捕した経緯を証言した。同被告は2023年2月10日にダーバンのフロリダ・ロードで射殺されたラッパーのキーナン「AKA」フォーブス氏と料理人テベロ「ティブズ」モツォアネ氏の殺害事件で裁判を受けている7人のうちの1人である。元警察官は、2023年4月21日の夜勤中に犯罪情報班から武器を所持する容疑者に関する情報を受け、ミエザ被告の小屋でドアを力ずくで開け、警察官であると告げたと述べた。裁判は午前9時30分の開始予定だったが、停電とエレベーターの故障により3時間遅延し、午後12時30分過ぎに再開した。この裁判に関する二つの記事はいずれもIOL紙によるもので、ほぼ単一の論調である。

スペインのエル・パイス紙は、マドリードのソル広場で極右集団と9月26日から続く住居要求キャンプの滞在者が衝突し、男性1人、女性1人、未成年1人が逮捕されたと報じた。警察官1人が殴られ負傷し、逮捕者には権力に対する罪が適用された。午後8時以降、約100人の極右デモ参加者がプレシアードス通りから排除され、警察は通りを封鎖してカリャオ広場へ誘導した。極右集団は「警察は赤を守る」「スペイン人であることは犯罪ではない」「スペイン万歳」と唱え、フェイランヘやカルリスタの旗、憲法違反のブルゴーニュ十字の旗を掲げた。滞在者側は少なくとも400人が集まり「ファシストは我々の地区から出て行け」と唱え、テントを守る人間の鎖を形成した。広場では毎日2000人以上が眠っていると推計される。正午にも別の極右集団が広場の端に現れ、フランコ主義の敬礼を行い、フェイランヘの賛歌『Cara al sol』を歌った。

ロシアのオストロジノ・ノボスチ通信は、トゥーラ州で受賞歴のある警察官エカテリーナ・F容疑者(30)が20万ルーブル(2400ドル)の賄賂を要求した疑いで逮捕されたと伝えた。同容疑者は地域の地区担当警察官の副監督官であり、少なくとも9年間勤務し、2023年と2024年に内務省の地区担当官表彰の地域段階で受賞した。捜査当局は、息子に対する偽造運転免許を巡る詐欺事件を阻止する見返りに現金を要求したと主張する。男性は金を渡す前に法執行機関へ通報した。有罪となれば最大12年の禁錮が科される可能性があり、トゥーラの判事は1か月29日の身柄拘束を命じた。地域当局は2024年に同容疑者を模範的な警察官であり地域社会の信頼される人物であると称賛した。

シンガポール発の報道は、マンチェスター・シティがリヴァプールに3対0で勝利した試合が観客の暴動でかき曇り、10人が逮捕され警察官1人が重傷を負ったと伝えた。マージーサイド警察によると、警察官は試合後にアンフィールド・ロードで男を逮捕中に負傷し、病院で治療を受けた後に自宅で回復した。逮捕者には警察官への暴行2件の容疑者1人、悲劇を歌う行為の容疑者5人、飲酒・秩序紊乱と暴行の容疑者1人、騒乱の容疑者2人、ピッチへの物投げの容疑者1人が含まれる。試合は、シティがプレミアリーグの財務規則に114件違反したと認定された裁定を巡る緊張を背景に行われ、リヴァプールのサポーターはキックオフ前にシティの選手発表を大声で野次り、「降格だ、降格だ」と唱えた。シティは不正を否定し、裁定に対して上訴している。

これらの事件に共通するのは、警察という制度そのものへの信頼が揺らいでいる点である。アルゼンチンでは元警察官が女性殺害の容疑者となり、南アフリカでは現職のハークス将校が数百万ランドの現金と政治的関係を巡って捜査対象となり、ロシアでは模範と称された警官が賄賂容疑で拘束された。スペインとイングランドでは、政治的抗議とサッカー観戦という日常的な場面が暴力へと転化し、警察官が負傷した。各国の報道は自国の文脈を強調するが、いずれも捜査が継続中であり、最終的な司法的判断はまだ下されていない。

子どもを巡る世界の諸相——教育排除、性暴力、紛争被害、そして連帯の模索

2026年10月、子どもを巡る問題が世界各地で報じられた。バングラデシュでは障害児の教育排除、児童への性暴力、はしかの流行、収監された母親に連れられた子どもの処遇が浮上した。フランスではパリの市場火災が地域の食文化を直撃し、イランでは大統領が子どもの祭典に参加して連帯を説き、イエメンではサウジ空軍の空爆が女性と子どもを巻き込んだ。各国メディアは自国の文脈に即して論点を選び取り、事実認識の根幹と力点の差が浮き彫りになった。

バングラデシュの教育制度の失敗が、ダッカ・トリビューン紙の詳細な報道で明らかになった。ダウン症のファルシャド・アーメド氏は20代前半で、家族は20年近く受け入れ可能な学校を探し続けた。6歳で入学を試みたが複数の幼稚園と私立校に拒否され、1校が受け入れたものの適応に苦しみ、家族は4、5回転校した。姉のニシャ氏は「他の子どもは彼と混ざろうとせず、一種の境界を引いた」と語った。専門学校でも改善は乏しく、年齢も障害も異なる子どもが十分な個別支援なしに一緒に教えられた。家庭教師は訓練された教育者を見つけるのが難しく高額だった。母ジェブンネサ氏は、ダウン症支援団体がより良い機会を提供するダッカへの転居を検討していると述べた。チャンドプルのファリドガンジ・ウパジラの政府系小学校の教師も同様の困難を語り、障害児は追加支援なしに同じカリキュラムを課され、多くが最終的に中退するとした。MICS 2025によれば、2〜17歳の5.2%が少なくとも1つの領域で機能的困難を抱える。社会福祉省のデータは全国の登録障害者4,046,520人を示し、うち自閉症、知的障害、脳性麻痺、ダウン症は209,938人である。活動家は、多くの家族が公式登録を完了しないため実数は大幅に多いと見る。ダッカ・トリビューン紙が取材した神経発達障害者の10家族のうち8家族は、政府の「スボルノ」障害者身分証を申請していなかった。社会福祉省のシャー・モハンマド・マフブブ局長は「早期発見は非常に重要だが、現時点でその機会や特定の手段がない」と最大の弱点を認めた。インクルーシブ教育を巡り、インクルーシブ教育セルのMd Joynal Abedin次長は特別な教育的ニーズを持つ子ども向けの別カリキュラムは設けず、一般カリキュラムをより包摂的な教授法で支えると述べた。一方、保健国務相で障害者権利に関する議会議員連盟も招集するM A Muhit氏は、標準的な教科書では全ての子どものニーズを満たせないとして、個別教育計画(IEP)を主張した。ラムナ知的障害・自閉症学校のTahmina Parvin校長代行は、専門教育を網羅する全国共通枠組みと、小学校への専門教育者の専任採用を求めた。政府は2022年12月にUNICEFの支援で特別教育ニーズ・障害枠組みを公表したが、実施は限定的である。SWIDバングラデシュが運営する52校は教育省ではなく社会福祉省の下にあり、専門教育の分断された行政を示す。経済的負担も重い。ダッカの専門学校は通常月謝2万〜5万タカ、入学金8万〜20万タカを請求する。Vision Globalでは、シャドー・ティーチャーを要する子どもの入学金が16万5千タカ、月謝が4万タカであるのに対し、他の生徒の授業料は1万5千タカ未満である。医療費も加わる。保健・罹病状況調査2025は、障害者が過去90日間で治療に平均6,775タカを支出したと示した。アジンプルのShiuli Rahman氏は、自閉症の12歳の息子アブドゥル・ラフマン・シャリアル氏をNGO運営の学校に通わせるだけでも苦労している。夫は数年前に亡くなり、毎日の移動に少なくとも400タカかかる。「お金がないので毎日は連れて行けない。手元にお金がある時に週3日連れて行く」と述べた。ダッカ以外では専門施設の不足が状況をさらに難しくする。バングラデシュ小児病院・研究所の神経学准教授Shaoli Sarker氏は、同院の子ども発達センターに毎日少なくとも6、7家族が適切な学校を見つけられないと訴えていると語った。バングラデシュの障害者権利法制と国際公約はインクルーシブ教育を認めるが、実施は不十分だと擁護派は指摘する。大衆教育キャンペーンのRasheda K Chowdhury事務局長は、教育、社会福祉、保健、女性子ども問題の各省間の調整が「完全に欠如している」と述べた。初等・大衆教育国務相のBobby Hajjaj氏は早期発見、訓練された教師、アクセス可能な学校、適切な教材の重要性を認め、「我々は取り組んでいる」と語った。専門家は各小学校に少なくとも1人の特別訓練を受けた教師の採用、個別学習計画の作成、専門学校の教育省管轄下への移行を勧める。持続的支援の成果も示されている。Munni Sultana氏の自閉症の息子は少なくとも5回転校したが、現在はダッカ大学の3年生である。しかしファルシャド氏のような家族にとって、教育へのアクセスは依然として居住地、支払い能力、学校が受け入れる用意と設備があるかどうかに大きく左右される。

児童への性暴力を巡る論点も、バングラデシュの社会構造を映し出した。2026年5月以降、バングラデシュは児童性的虐待と性的暴行後の児童殺害の事例を繰り返し目撃し、抗議が起きた。ソーシャルメディアは悲しみと怒りで満ち、人々は正義を求めた。しかし事案は止まらず、2026年9月26日にも新たな事案が報告された。怒りの中で、子どもを非難する見方が再び現れた。何を着ていたか、どこへ行ったか、なぜ1人だったのかを問う声である。Humayra Tasnim Nisa氏の論考は、こうしたコメントが一部の子どもを「獲物」と見なす許可構造を露呈すると指摘した。Bangladesh Mahila Parishadによれば、2025年だけで543人の子どもが性的虐待の被害者である。UNICEFを含む多くの組織は、ほとんどの被害者が名乗り出ないため実数はさらに多いと警告する。多くの青少年が、ロマンスの幕の裏に搾取を隠す略取的な大人によって grooming、操作、性的虐待を受けている。かつてバングラデシュでは児童婚が広く受け入れられ、2000年代には16歳までに27%の少女が結婚していた。法律は変わったが、意識は消えていないと論考は述べる。16歳で通用する言い訳は14歳、12歳、9歳へと拡張され、年齢は変わっても論理は変わらない。子どもと青少年の脳はなお発達途上にあり、法的に同意はできない。法の下で子どもは子どもであり、同意年齢と児童婚法は、大人が若者の脆弱性を搾取しない責任を負うがゆえに存在する。解決は事後の処罰だけでなく予防であり、子どもが声を上げた時に信じ、何を間違えたかを問うのをやめ、被害者を非難する親族、隣人、オンラインのコメント投稿者を責任ある立場に置き、加害者の地位に関わらず児童婚と性的虐待の法を繰り返し執行し、少年に少女の身体はコメントし触れ支配するものではないと教え、少女に大人の暴力の責任は自分にはないと教え、生存者をカウンセリング、法的支援、安全な空間で支え、青少年を別個の使い捨ての子どもの区分として扱うのをやめるべきだとした。

はしかの流行は、子どもの命を直接的に奪い続けている。保健総局(DGHS)によれば、月曜午前8時までの24時間で、はしか様症状によりさらに2人の子どもが死亡し、流行による死者の累計は1,164人に達した。DGHSは最新の2件を疑い例に分類した。これにより疑い例の死者は1,060人に達し、確定例の死者は過去24時間に新たな確定死者が報告されなかったため104人のまま変わらなかった。新たな疑い例の死亡はダッカ管区とシルヘット管区で1件ずつ報告された。月曜午前までの24時間で疑い例は1,269人記録され、累計は206,297人となった。同じ期間に確定例は152人報告され、確定感染者は累計22,573人となった。DGHSによれば、2026年3月15日以降、全国で疑い例のはしか患者183,226人が入院し、うち175,655人が回復して退院した。

収監された母親と暮らす子どもの処遇も、司法の場で争点となった。社会福祉省は、全国の刑務所で収監された母親と暮らす303人の子どもについて、最善の利益を考慮し、希望する近親者か政府運営の児童養護施設に移すよう勧告した。高等法院に提出された報告で同省は、子どもが受刑者更生保護協会を通じて定期的に監視され、玩具、衣類、ベビーフードを含む必須の支援も提供されていると述べた。高等法院は6月15日、全国の刑務所で母親と暮らす子どもの数と年齢を詳述した報告を刑務所当局に求めたが、その報告はまだ提出されていない。Khizir Ahmed Choudhury判事とMd Ziaul Haque判事による高等法院の法廷は、最高裁判所弁護士Kamrun Nahar Mahmud Deepa氏が提起した令状請求に基づき、命令と規則を発した。規則は、刑務所で暮らす子どもの安全、福祉、教育、適切な発達、基本的人権を確保するための必要な措置を取るよう指示すべき理由を問うた。Kamrun Nahar Mahmud Deepa弁護士はバングラ・トリビューン紙に対し、最高裁判所は現在休廷中で、令状請求の最終審理は休暇後に開かれると述べた。刑務所局のデータによれば、2024年4月26日時点で全国74の中央・地区刑務所で299人の子どもが母親と暮らしていた。うち女子は153人、男子は146人である。母親の多くは麻薬関連事件の被告人である。一部は服役中で、他は裁判を待っている。管区別ではダッカが100人で最多、次いでチッタゴン90人、ラジシャヒ25人、ランプル25人、クルナ20人、シルヘット19人、マイメンシン13人、バリサル4人である。報告によれば、ガジプルのカシンプル中央女子刑務所が母親と暮らす子どもの数が最も多い。社会福祉省の報告が303人とする一方、刑務所局は2024年4月26日時点で299人を記録した。Deepa氏は、関係当局が2組のデータの報告期間と計算方法の違いを説明すれば、不一致はより明確になると考えている。

フランスでは、パリのアンファン・ルージュ市場が日曜から月曜にかけての夜の火災で完全に破壊され、地域の食文化の象徴が失われた。ル・フィガロ紙によれば、1615年に創設され1982年に歴史的記念物に指定されたこの市場には、食事用の多くの屋台があり、その中でも人気の高いMichael Grosman氏の店があった。同氏はInstagramへの投稿で「今夜、我々の歴史の一部が煙となって消えた。我々は明らかに衝撃を受けている。しかし1つ確かなことがある。レ・ザンファン・デュ・マルシェの物語はここで終わらない」と述べ、再起する用意があるとした。「今朝から、我々はすでに次のことを考えている。チームと友人を受け入れる料理、カウンター、場所をどう見つけるかだ」とも述べた。悲劇以降に寄せられた支援メッセージの嵐に感謝しつつ、同氏は「パリに一時的な家」を見つけるための「手がかり、連絡先、アイデア」を呼びかけ、「どこで、どのようにかはまだ分からない。しかし続けることは分かっている」と楽観的に締めくくった。約10年の間に、レ・ザンファン・デュ・マルシェは、予約を受け付けないため順番を待つことをいとわない世界中のシェフや美食家の間で卓越した評判を築き、ビストロ風の皿とナチュラルワインを提供してきた。1615年創設の市場には、カリブ料理のCorossol、肉屋のThe Butcher of Paris、日本食のTaeko、Burger Fermier des Enfants Rouges、モロッコ、イタリア、レバノンの惣菜、最近ではクレープリーのLuluなど、他にも多くの食事用屋台があった。毎週末、すべてが満席となり、その陽気な雰囲気は多くの人に惜しまれる。

イランでは、テヘランで日曜に「祖国の微笑み」式典が開催され、マスード・ペゼシュキアン大統領、教育相のAlireza Kazemi氏、特別なニーズを持つ子どもを含む600人以上の子どもと青少年が集まり、国民子ども週間を祝った。テヘラン・タイムズ紙によれば、子どもの知的発達のための研究所(IIDCYA)が主催し、友情、連帯、帰属意識を促進する多様な文化・芸術プログラムが行われた。詩の朗読、合唱、劇的な愛国的唱和、ビデオ上映、研究所の移動図書館で働く教育者の表彰が含まれた。ペゼシュキアン大統領は、結束から生まれる強さをいくつかの棒を束ねた例で示し、家族、隣人、都市や国の人々が共に立てば強くなり分断されにくくなると述べた。大統領は子どもと青少年に友情を築き、助け合い、仲間を支え続けるよう促し、彼らの協力が強く進歩的なイランの構築に寄与し得るとした。Kazemi教育相は今年の国民子ども週間のテーマ「子どもの微笑み、祖国のアルファベット」を強調し、子どもの権利を守り、成長と発達のための平等な機会を提供する必要を訴えた。貧困、個人差、家庭環境のために能力を伸ばす機会を奪われる子どもは誰もいてはならないと述べ、すべての子どもの才能が認められ、見過ごされたり声を聞かれなかったりする子どもがいないように努めるべきだと強調した。同相はまた、子どもの養育における家族、学校、文化機関の役割を強調し、IIDCYAを子どもと青少年の才能を特定し育成する重要な国家的資源と評した。芸術プログラムには、研究所のQaf青少年詩・文学クラブのメンバーSara Goudarzi氏による詩の朗読が含まれた。研究所の合唱団は大統領と教育相の前で「我々は立ち上がらねばならない」を歌った。研究所のメンバーSarina Seifi氏は愛国的唱和を披露した。別の場面で、ペゼシュキアン大統領はテヘラン州の研究所のインクルーシブ・センター第40番から10人の特別なニーズを持つ子どもと会った。子どもの微笑みに焦点を当てたビデオ、殉教した指導者アヤトラ・セイエド・アリ・ハメネイ師との面会、国民子ども週間のプロモーションクリップも上映された。特別な場面として、研究所の移動図書館で奉仕する教育者の活動を称える時間が設けられ、移動図書館の教育者を代表するAli Nadi氏が大統領から表彰状と記念像を受け取った。研究所の移動図書館はさまざまな地域を訪れ、子どもと青少年に本と文化活動へのアクセスを提供する。文化資源へのアクセスが限られる恵まれない地域で読書を促進し、若い聴衆を引き込むのにも役立つ。祭典は、子どもと青少年が研究所の文化芸術センターのBehnam Hallでペゼシュキアン大統領とKazemi教育相と記念写真に収まり閉幕した。イランでは国民子ども週間は毎年10月初旬に、子どもの権利、福祉、教育、創造的発達を強調するために行われる。この週には学校、文化機関、IIDCYAのような組織が文化、芸術、教育プログラムを企画する。活動は読書会、芸術ワークショップ、公演、子どもの社会文化的生活への参加を促す催しを含むことが多い。この行事は、恵まれない環境に暮らす子どもや障害のある子どもを含め、すべての子どもの保護、才能の育成、平等な機会の確保への意識を高める機会も提供する。関連して、ペゼシュキアン大統領は月曜にテヘランで大学の新年度を開講し、学者、エリート、学生に対し国の課題解決を助けるよう呼びかけた。同大統領は、大学に頼り、有能で信仰心のある人材を強化することで現在の困難な状況を克服できると述べた。自信を強調し、「我々はこれらの問題を解決できる。できないからできるへと移行しなければならない」と加えた。その確信があれば、イランは既存のすべての問題を力強く克服できるとした。

イエメンでは、フーシ派の軍事報道官Yahya Saree氏が、日曜のサウジの攻撃で女性と子どもを含む数人が死傷したと述べた。Saree氏は声明で「サウジ空軍は過去24時間で119回の空爆を行い、首都サヌアとタイズ、サアダ、マリブ、ラヒジ、アルバイダ、イッブ各州の民間目標を攻撃した」と述べた。「空爆は女性と子どもを含む殉教者と負傷者を出し、エスカレーション以降のわが国へのサウジの攻撃の総数は2,177回に達した」と声明は加えた。

各国メディアの論調と力点は明確に分かれた。バングラデシュのダッカ・トリビューン紙は、障害児の教育排除を家族の証言と政府統計、専門家の見解を積み上げて国内制度の不備として詳細に描き、政府の対応の遅れと省庁間調整の欠如を前面に出す。同じバングラデシュでも、児童性暴力を扱うHumayra Tasnim Nisa氏の論考は被害者非難の構造と社会意識の変革を訴え、はしかの流行を伝える記事はDGHSの数値を淡々と示し、収監された母親の子どもの記事は高等法院の命令と刑務所局・社会福祉省の数値の不一致を伝える。フランスのル・フィガロ紙は、火災による文化的・地域的損失とMichael Grosman氏の再起への決意を強調し、市場が1615年創設・1982年歴史的記念物指定という由緒と食の名所としての評判を前面に出す。イランのテヘラン・タイムズ紙は、ペゼシュキアン大統領とKazemi教育相の参加を国家の結束と子どもの権利保護の文脈で肯定的に報じ、IIDCYAの役割を国家的資源として称える。カタールのメディアはフーシ派の軍事報道官Yahya Saree氏の発表をそのまま伝え、サウジ空爆による民間人、特に女性と子どもの被害を前面に出す。一致する事実認識は、子どもが各地で教育、暴力、疾病、紛争の危機に直面しているという点である。対立軸は、イエメン空爆の被害の帰属と犠牲者の把握をフーシ派の発表に依拠するか否か、そしてバングラデシュのインクルーシブ教育で別カリキュラムを排し一般カリキュラムの包摂的教授法を取るか、個別教育計画(IEP)を導入するかで当局者間の見解が割れる点にある。

これらの報道が示す影響は多層的である。バングラデシュでは、障害児の教育機会が居住地と支払い能力に左右され、登録制度と早期発見の弱さが支援の空白を生み、児童性暴力とはしかの流行が子どもの安全と命を直接脅かし、収監された母親の子どもの処遇が司法の判断を待つ。フランスでは市場火災が地域の食文化と雇用の場を奪い、再建と代替拠点の模索が課題となる。イランでは国家的行事と大学の新年度が、子どもの権利と国の課題解決を結びつける政策の方向を示す。イエメンでは空爆が民間人、とりわけ女性と子どもに被害を及ぼし続けている。各国のメディアが自国の文脈で論点を選ぶ一方、子どもを巡る根幹の事実は共通しており、その対応の差が今後の国際的な議論を左右する。

科学・技術 (Science & Tech)

AI規制をめぐる国際論争が激化 米マイクロソフト社長が規制強化を要求、各国メディアの論調に温度差

米マイクロソフトのブラッド・スミス社長は、人工知能(AI)に対する厳格な規制の必要性を改めて訴えた。同氏はBBCのインタビューで「われわれは他の製品でそれがどう機能するかを知っている」と述べ、「その知識を土台にし、AIにどう応用できるかを検討すべきだ」と主張した。同氏によれば、家庭用電化製品や食料品はAIよりも厳しい監視下に置かれている。「スーパーの牛乳パックはすべて安全規則の対象であり、検査を受けている」という。この発言は、AIの能力が高まり潜在的リスクが増大する中で、規制の枠組みを求める動きの一環である。

スミス氏は、AI開発企業に対し、新製品を独立した評価機関にリスク審査させることを世界的に義務付けるべきだと述べた。さらに、制御不能に陥ったAIモデルを停止させる「緊急ブレーキ」を組み込むべきだとした。加えて、ソフトウェア企業が自社プログラムを通じて第三者のITシステムに不正侵入した場合、被害者に通知する義務を負うべきだとした。公式なインシデント報告義務も必要だと強調した。同氏は、AIを「道具であり武器でもある」と表現し、政府が安全要件の策定を始めるよう促した。同氏はまた、特定の状況下では独立した政府評価者が公開前にAI製品を審査すべきだとした。

このスミス氏の立場は、ドナルド・トランプ米大統領のアプローチと異なる。トランプ大統領は、AI競争に勝つことが米国の競争力にとって重要だと繰り返し主張し、国内企業の動きを鈍らせる規制に反対してきた。同大統領は代わりに、大手テクノロジー企業との間で「道徳的に義務付けられる」自主的な取り決めを結び、その中には「堅牢な内部統制」の開発などが含まれる。スミス氏は、ホワイトハウスで米大手テクノロジー企業の経営陣が署名した最近の合意を歓迎しつつも、「良い一歩であり、必要な一歩だ……しかし、もはや十分ではないと私は考える」と述べ、自主的な取り決めだけでは不十分だと主張した。「心配すべきは、それほど責任感のない企業だ」と説明した。

マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏も、来年におけるAIを活用したサイバー攻撃の増加に警告を発した。同氏は米ABCニュースに対し、制御不能に陥ったAIの危険性は今後数年はむしろ低いと述べた。はるかに大きいのは、「悪意ある人々」が保護措置なしにAIシステムをサイバー攻撃やバイオテロに利用する危険だとした。「現時点では、これらすべての保護措置を無効にすることが許されている」とゲイツ氏は指摘した。「悪意ある人々がいて、保護措置がなく、最新モデルがあるなら、来年は特にサイバー分野で多くの負の驚きに直面するだろう」と述べた。同氏は8月末にもブログで約6000語の長文エッセイを公表し、AIの危険性を封じ込める計画が誰にもないと警告していた。

規制をめぐる議論では、英国の役割が焦点となっている。スミス氏は、AI規制の主導権を握るのに適した国は英国だと述べた。元首相リシ・スナクの下で発足したAI Security Institute(AISI)の存在を理由に挙げた。同氏は、ワシントンの当局者がロンドンを、リスクの度合いに応じてAI法で規制するブリュッセルとは全く異なる目で見ていると述べた。AI担当相のカニシュカ・ナラヤン氏は月曜日、AISIが最新世代のAIモデルへのアクセスを得て、米国政府やグーグルを含む主要開発者と協力し安全性を評価していると明らかにした。「AI Security InstituteのAI科学者たちは現在、Gemini 4 Argonを含む最新世代のモデルに対して厳格な評価を実施し、リスクを早期に特定し、堅牢な保護措置を試験し、人々の安全を守る手助けをしている」とナラヤン氏は述べた。主要開発者との自主的合意の下、同研究所は展開前にモデルへのアクセスを得て、能力とリスクを評価し、新たな国際安全基準の策定に貢献している。ナラヤン氏は、現在の仕組みが不十分と判明した場合、英国は高度なモデルの規制を検討する用意があるとロイター通信に語った。

一方、米紙ガーディアンに寄稿したマシュー・ボトヴィニック氏は、AI安全の最も重要な要件の一つとして立憲民主主義を挙げた。同氏は、自由で公正な選挙、保護された市民的自由、強固な法の支配を備えた健全な民主主義の下ではAIが科学や医療を前進させ、教育を拡大し経済的繁栄を支え得る一方、権威主義体制の下ではAIが監視や検閲、プロパガンダ、政治的抑圧の道具になると論じた。中国、ロシア、イラン、ベネズエラ、複数の湾岸諸国などで既にこの事態が現実化していると指摘した。「AIがいかに『安全』であっても、権威主義の支配下に生きるなら安全ではない」と述べ、AI安全には政治的自由が不可欠だと主張した。同氏は、過去1年間、多くのAI業界指導者が海外での競争に向けて軍や情報機関にAIを装備する必要性を強調する一方、国内の民主主義の健全性に関する議論には目立って不在だと批判した。2013年にアップル、グーグル、マイクロソフト、フェイスブック、ツイッター、ヤフー、リンクトイン、AOLが政府監視手法に反対する公開書簡を出したことや、2018年にマイクロソフトが議会に顔認識技術の政府利用制限を求めたこと、2021年にアルファベット、アマゾン、アップル、フェイスブック、IBM、マイクロソフト、ツイッターなどが州投票法の変更に反対する公開書簡を出したことに触れ、近年の沈黙を問題視した。

同一事象を報じた各国メディアの論調には明確な差がある。ドイツのBusiness-Tickerは、スミス氏の発言を「牛乳はAIよりも厳しく管理されている」と伝え、規制強化の要求に加え、AIエージェントによるサイバー攻撃の連続や「Hugging Face」への攻撃、一部研究者が人類の絶滅さえ危惧している点を強調した。同記事は、トランプ大統領が国際的な法規制を拒否し、大手テクノロジー企業との「道徳的義務付け」による自主的取り決めを結んだ事実を対置している。インドのTimes of Indiaは、スミス氏が「鏡を示す」と題し、洗濯機と牛乳パックの例えを前面に出しつつ、トランプ大統領が過剰な制限は中国の競合に対する米国企業の弱体化につながると主張している点を明示した。マレーシアのNew Straits Timesとシンガポール発の記事は、いずれもロイター系の内容を基に、英国が主要AI開発企業を持たないにもかかわらず評価・管理で主導的役割を求めている点、AISIが展開前アクセスを自主的合意の下で得ている点、ナラヤンAI相が高度モデル規制を検討する用意があると述べた点を伝えた。シンガポールの記事はさらに、AISIが9月の書簡でアンソロピックが米国外の組織にMythos 5.1モデルへのアクセスを与えていないと明らかにしたこと、ホワイトハウスが米国の審査が終わるまでOpenAIとアンソロピックに新モデルを英国の試験者に提供しないよう求めたとの報道に触れている。各国メディアが一致して報じる根幹は、スミス氏が独立評価、緊急ブレーキ、インシデント報告を含む拘束力ある国際規制を求めている点、およびトランプ大統領が規制に反対し自主的取り決めを優先している点である。一方、対立軸は、規制の主体と範囲をめぐる見解の相違にある。欧州系メディアは規制の緊急性とリスクの深刻さを強調し、インド系メディアは米中間の競争力問題との対比を際立たせ、東南アジア系メディアは英国の主導的役割と米国との信頼関係に焦点を当てている。

この一連の議論は、AIの安全性をめぐる国際的な枠組みづくりが、技術・政治・経済の交差点で本格化していることを示す。スミス氏やゲイツ氏、ボトヴィニック氏らが提起した論点は、規制の実効性、自主的取り決めの限界、そして民主主義の防衛という三つの軸を浮かび上がらせた。英国のAISIが果たす役割と、米国のトランプ政権が取る自主規制路線との間の緊張は、今後、国際的なAI安全基準の形成を左右する重要な争点となる。

生活・健康 (Life & Health)

レオ14世、肺結節の手術へ——南米訪問を前に各国メディアの論調が分かれる

ローマ教皇レオ14世(71)は2026年10月11日、聖ペテロ広場でのアンジェラスの祈りの終わりに、肺に結節が見つかったことを自ら公表した。結節は「非常に早い段階」で「よく限局されている」状態で発見されたという。教皇は医師の助言に従い、摘出のための手術を受ける決断をしたと述べた。バチカン報道局によれば、手術は10月13日火曜日の正午、ローマのアゴスティーノ・ジェメッリ総合病院で行われる。術後の入院は約7日間に及ぶ見込みだ。教皇は71歳で、2025年5月8日に選出されたアメリカ合衆国出身の初の教皇である。

手術は低侵襲の手法で行われる見通しだ。ブエノスアイレス大学のエドゥアルド・ジューニョによれば、2センチ未満の切開を1つか2つ行い、肋骨を広げずに済むため、術後の痛みははるかに少ない。サナトリオ・デ・ラ・トリニダード・パレルモの胸部外科医オマル・ガルシアは、第3・第4・第5肋間の前腋窩線に2〜3センチの切開を加える単孔式VATS(ビデオ胸腔鏡手術)が用いられると説明した。手術時間は約2時間と推定される。術中に凍結切片による生検が行われ、悪性か良性かが評価される。最終的な病理診断は約15日後に判明する。通常の退院は2〜4日目だという。

各国メディアの論調には差がある。アルゼンチンのクラリン紙は、ジューニョ、ガルシア、サナトリオ・カセロスのマルセラ・スムラといった専門家の詳細な証言を並べ、手術手技や術後管理の医学的側面を前面に押し出した。スペインのエル・パイス紙は、11月6日から17日にかけて予定されるウルグアイ、アルゼンチン、ペルーへの使徒的訪問に焦点を当て、ペルーが彼の第二の祖国であり司教として長年暮らした国である点、アルゼンチン訪問がヨハネ・パウロ2世以来の教皇訪問となる点を強調した。ドイツのDWは、肺結節の定義や悪性度とサイズの関係(8〜10ミリで9〜10%、1センチ超で約15%)といった科学的解説を中心に据えた。

カタールのアルジャジーラは、10月20日まで教皇の謁見が中止されたと報じ、結節が悪性かどうかは明らかにされていないと指摘した。ケニアのアフリカニュースと台湾のタイペイ・タイムズは、イタリアのメローニ首相、ウクライナのゼレンスキー大統領、モンテビデオのダニエル・ストゥルラ大司教、アルゼンチン司教会議の反応を伝えた。ベトナムのVnExpressは、米国胸部学会の「肺結節全体の5%未満が癌化する」というデータを引用し、教皇が喫煙者でなくテニスを楽しむなど健康体である点を添えた。南アフリカのAFPは、ジェメッリ病院が歴代教皇を治療してきた歴史(ヨハネ・パウロ2世は9回、計153日間)を詳述した。

教皇は手術前日の10月12日月曜も通常の予定をこなし、6件の私的謁見を行い、3件の任命を実施した。バチカンは、教皇が南米訪問を変更するかどうかについては明らかにしていない。専門家らは、合併症がなければ2〜3週間で通常業務に戻れると述べる一方、スムラは「航空機の与圧システム」への曝露が問題になり得ると指摘した。教皇は以前、アメリカ合衆国のトランプ大統領によるイラン破壊の脅しを「真に受け入れられない」と非難し、トランプ大統領から「犯罪に弱く、外交政策でひどい」と評された経緯がある。今回の手術が11月の南米訪問と、教皇の国際的な発信力にどう影響するかが注目される。

スポーツ (Sports)

ズベレフが2026年ATP年間最終1位を確定、アルカラスの上海敗退が決定打となる

アレクサンダー・ズベレフが2026年シーズンをATP年間最終世界ランキング1位で終えることが確定した。カルロス・アルカラスが上海マスターズ3回戦でベルギーのジズー・ベルグスに敗れたことで、ズベレフの地位は公式に裏付けられた。ズベレフは全仏オープンと全米オープンを制した今季、悲願の頂点に立つ。

ベルグスは7-5、7-6(4)でアルカラスを破った。試合時間は2時間3分である。世界39位、27歳のベルグスにとって自己最高の勝利だった。彼はマスターズ1000で3度目の16強入りを果たし、次戦ではトミー・ポールとバレンティン・バシュロの勝者と対戦する。アルカラスは第2セットで第2サーブの確率が第11ゲームまで100%だったが、そこでベルグスにブレークを許した。アルカラスは「今日は自分の側にとって良い試合ではなかった。良い感触がなかった」と語り、重要な局面で最善のプレーができなかったと認めた。

現在1位のヤニク・シナーは11,000ポイントを持つが、右膝の故障で2026年シーズンの残りを欠場する。ウィーン、パリ、ATPファイナルズで防衛すべき3,000ポイントを失い、年末には8,000まで減る。ズベレフは9,720ポイントで2位につけ、守るべきポイントは930のみである。アルカラスは東京のATP500優勝後、上海入り前に5,560ポイントを蓄えていた。年初にはアルカラスが12,050、シナーが11,500、ズベレフが5,110だった。

29歳のズベレフは全仏オープンでフラビオ・コボッリを5セットで破り、全米オープンではベン・シェルトンを4セットで退けて初のグランドスラム2冠を達成した。1973年のランキング導入以来30人目の世界1位となり、ボリス・ベッカー(1991年に12週間)以来2人目のドイツ人である。年間最終1位としてはドイツ人初であり、初めてこの地位に就く選手としては最年長となる。年末ランキング日(2026年11月23日)で29歳217日となり、1999年のアンドレ・アガシ(29歳214日)より3日上だ。2022年全仏準決勝でラファエル・ナダル戦中に右足首を重傷し、7カ月離脱した過去がある。

各国メディアの論調は分かれる。アルゼンチン『クラリン』は「夢の実現」と2022年の負傷からの再起を軸に据え、トップ10と1人しか対戦せずに2冠を挙げた点への批判者に反論する形で、ズベレフの体力面の強さを強調する。ドイツ『FAZ』は公式に確定した事実と、1位に立つ最短時期(ウィーンのATPトーナメント、11月2日)を前面に出す。英国BBCは「目の前の相手に勝つしかない」という視点を示しつつ、シナーとアルカラスの不在という留保を明記する。インド『TOI』は最年長初1位という歴史的記録を軸に据える。スペイン『エル・パイス』はアルカラスの苛立ちとボールのバウンドへの不満、ベルグスの人物像を詳述する。カタールのアルジャジーラとシンガポール発のロイター系記事は波乱とシナーの不在を軸にする。一致する根幹は、ズベレフの年間最終1位確定、ベルグスの番狂わせ、シナーの膝故障による欠場である。

ズベレフは11月2日以降に世界1位に浮上する見通しである。上海では火曜日にアレクサンダー・ブブリクと16強で対戦する。ズベレフ自身は、両ライバルが健康で最高の状態なら自分が最高の選手ではないかもしれないと述べた。それでも今季の実績は揺るがず、年間最終1位という地位が確定した。

レンショーが二度の猛打、豪州が南アを追い詰める――同一試合を巡る各国報道の力点は分かれる

南アフリカ・ダーバンのキングスミードで開催中の第1テストは第4日を終え、オーストラリアが南アフリカに421の勝利目標を突きつけた。オーストラリアは第1イニングで390、第2イニングで314の6ウィケットで宣言し、南アフリカは第1イニング284、第2イニング102の4ウィケットでスタンプスを迎えた。南アフリカは残り6ウィケットで319ランを追う立場にある。テンバ・バブマ主将の下で無敗を続けてきた南アフリカにとって、初黒星の危機が迫る展開だ。

主役はマット・レンショーである。3年間のブランクから復帰して2試合目となる30歳は、第1イニングで190を記録し、第2イニングでも99球で82ラン(英国BBCは89と表記)を積み上げ、両イニングでチーム最高打者となった。さらにパートタイムのオフスピンでバブマを1ランに抑え、テスト初ウィケットを奪った。パット・カミンズ主将は12球で32ラン(うち6本塁打4本)を叩き出して宣言を決断し、ジョシュ・ヘイズルウッドが2ウィケット、ケシャフ・マハラジとアンリヒ・ノルチェがそれぞれ2ウィケット56ランを記録した。

各国メディアの力点は明確に分かれる。英国BBCは「レンショーの驚くべきテスト」を軸に据え、バブマ体制の無敗記録(11勝1分け、2025年ワールドテスト選手権決勝でローズの地で豪州を破った事実を含む)が終わりかねない点と、アイデン・マルクラムの第4イニング平均45.56(現役ではスリランカのクサル・メンディスに次ぐ)を強調する。パキスタン『デイリータイムズ』はレンショーの「攻撃的な82ラン」と、マハラジがジャグリングで捕球したとされる物議を醸すキャッチ・アンド・ボウル、そしてテスト間の11カ月の空白が南アフリカの試合勘に影響した可能性を前面に出す。カタール『ザ・ペニンシュラ』はスティーブ・スミスが打者としての通算223捕球のテスト記録を更新し、イングランドのジョー・ルート(219)を抜いた事実を最大の見出しに据える。シンガポール『チャンネル・ニュース・アジア』は280ランまで広がったリードと、トップのトラビス・ヘッド(11ラン)の役割が第2テストで問われる点、マルヌス・ラブシャーニュの37ランに批判の目が向かう点を記す。南アフリカ『デイリーマーベリック』はレンショーの「10年間の失敗が結実した」という本人の談話や、精巣がんで生存したマディンソンの48ラン(38球)の挽回劇、マハラジの「ソフトなウィケットをまた失った」との証言を伝える。

一致する根幹は明確である。豪州が第1イニング390、南アフリカが284で応え、豪州が第2イニングで314の6ウィケットを宣言し、南アフリカが102の4ウィケットで終えたという事実、レンショーが両イニングで最高打者となった点、ノルチェとマハラジがそれぞれ2ウィケット56ランを挙げた点、マルクラムが115球で45の未敗で踏みとどまった点、そして悪光が第1日から第3日までプレーを短縮した点は、いずれの報道でも共通する。一方で割れるのは、レンショーの第2イニングの得点(82か89か)という数値の扱い、マハラジの捕球が正規のものかという解釈、そして「誰がこの試合の主役か」という評価である。豪州が残り6ウィケットを奪えばバブマ体制の無敗は途切れ、南アフリカが最終日を戦い切れば引き分けとなる。

マンチェスター・シティ財務違反評決、プレミアリーグの信用と英国政治を揺るがす

イングランド・プレミアリーグの独立委員会は、マンチェスター・シティが約10年にわたりリーグの財務規則に組織的に違反したと認定した。審査対象となった115件のうち114件で有罪とされ、2009年から2018年までの9シーズンにわたり「見せかけの」契約を用いて収入を水増しし、費用を過少計上したと認定された。不正な資金の規模は9億ポンド(11億9000万ドル)を超え、クラブは競合他社に対して巨大な優位を得て選手への支出を増やした。事案は2024年に12週間にわたる非公開審理を経て、先月公表された厳しい評決は広範な非難を招いた。クラブは評決に対して包括的な異議申し立てを行い、不正を強く否定している。

制裁はまだ決定されていない。異議申し立てが退けられた場合、深刻な勝ち点剥奪による降格、あるいはイングランド最高峰からの追放も選択肢に上がる。2009年から2018年に獲得したプレミアリーグの3つのタイトルが剥奪される可能性も指摘される。ドイツのFAZ紙は、手続きはクリスマスまでに完了し、その後リーグに30日間の判決宣告期間が残ると報じた。マレーシアのNST紙と台湾の台北時報は、異議申し立て手続きが数カ月に及ぶ可能性が高く、シティの全試合結果に疑問符が付くと伝えた。

英国政治への波及が各国メディアの焦点となった。シティは2008年以降、UAE副大統領でアブダビ首長家の一員であるマンスール・ビン・ザーイド・アル・ナヒヤン氏が過半株主として所有する。UAEは英国の重要な経済パートナーかつ同盟国だ。英紙テレグラフの調査によれば、シティ会長ハルドゥーン・アル・ムバーラク氏はダウニング街でジョナサン・レイノルズ事業相と会談し、プレミアリーグが有罪と認定する2週間前に、UAEがオックスフォードとケンブリッジ周辺の技術プロジェクトへの数十億ポンドの投資を撤回すると脅したとされる。事業省は、会談はシティの決定に関するものではなく通商と防衛についてのものだったと主張した。

アンディ・バーンハム英首相(労働党)は当初、アブダビの所有者がクラブを売却すれば「非常に懸念する」と述べ、その後、誰も規則の上には立たないと語った。同氏は2017年から2026年6月までマンチェスター市長を務め、地元のサッカー界とクラブ所有者に深く結びついていた。2018年9月には中国・深圳を訪れ、シティの中国本土2番目の事務所開設を歓迎し、中国のサッカーが革命を遂げていることに感銘を受けたと述べた。英政府の国際投資サミットでは2021年10月にアル・ムバーラク氏と公式に会談し、2019年9月のコンパニー引退試合ではスタンドで非公式に会った。大マンチェスター統合行政機構はこれらの事実を公表した。野党・保守党のスポーツ担当報道官ルイ・フレンチ氏は、この声明は会談で何が議論され合意されたかについてほとんど情報を含まず、完全な透明性には程遠いと批判した。保守党のケミ・ベーデノック党首は、バーンハム氏に全ての関係を開示するよう迫った。

ロビー活動と贈答品をめぐる疑惑も浮上した。英紙サンの調査によれば、議会登録データに基づき、クラブとその所有者は長年にわたり政治家に総額47万6000ポンド近くの贈答品を提供し、その半数以上が労働党の議員に渡った。労働党副党首でマンチェスター選出のルーシー・パウエル氏は数千ポンド相当の試合招待を受けた。同紙はクラブが政治家を喜ばせるためにシャンパンを潤沢に注いだとも報じた。マンスール氏は2013年、英国帝国勲章の名誉ナイトの称号をウィンザー城での国賓訪問で授与された。UAEは英国最大の外国投資国の一つであり、その保有資産は200億ポンド台の中位に達する。

ピッチ上では、有罪評決後初の試合となった10月11日のアンフィールドで、シティがリバプールを3対0で下した。エンソ・マレスカ監督の下、シティは6戦全勝で勝ち点18の首位に立つ。リバプールのライアン・グラフェンベルフが62分に退場処分を受け、シティはエルリング・ハーランド、ジェレミー・ドク、ラヤン・チェルキが得点した。FAZ紙は13分間で3得点とし、アルジャジーラは後半6分間で試合をひっくり返したと伝えた。リバプールのファンは「詐欺師」を意味する「cheats」のeをポンド記号に置き換えた横断幕を115回分掲げ、オアシスの楽曲の歌詞を引用した幕や「ハルドゥーンを信じる」と記した幕、「一世代のサポーターが騙された」と読める幕を掲げた。ハーランドは「精神的に強く持ちこたえ、団結し、自分が影響を与えられることに集中することが重要だった」と語り、マレスカ監督は「外野の雑音に対処する方法を学び、自分たちの音を立てる必要がある」と述べた。

論調の差は明確だ。中国のサウスチャイナ・モーニング・ポスト紙は、この事案を英国の法の支配への関与を試すものと位置づけ、外交と経済への含意、とりわけバーンハム首相にとっての問題であると強調した。ドイツのFAZ紙は労働党とクラブの癒着、政治家への贈答品、ロビー活動の規模を前面に押し出した。カタールのアルジャジーラはバーンハム氏とクラブ所有者の関係の開示要求と、アンフィールドで掲げられた横断幕の内容を詳細に報じた。マレーシアのNST紙と台湾の台北時報は、制裁が未決定のままリーグ全体が停滞する「機能不全の状態」に注目した。米国のガーディアン紙のジョナサン・ウィルソン氏は、勝利ではこの危機から抜け出せないと論じ、調査対象9年間のシティの純移籍支出が12億ポンド(16億ドル)を超え、他のプレミアリーグクラブより約50パーセント多かったと指摘した。一方、各国メディアが一致して報じた根幹は、114件の違反認定、9億ポンド超の不正、異議申し立ての係争中という事実認識である。

影響はサッカー界にとどまらない。元マンチェスター・ユナイテッド主将のゲイリー・ネビル氏はスカイ・スポーツに対し、これはプレミアリーグにとって実に悪いことで数カ月続くと述べた。リバプールのアンドニ・イラオラ監督は不確実性は誰にとっても良くないと語り、元リバプールのジェイミー・キャラガー氏は今季中に決着させる必要があると訴えた。元ユナイテッドのロイ・キーン氏は、背後で怪しいことが行われていたならリーグタイトルを獲得したとは感じられないと述べた。プレミアリーグは世界で最も視聴されるリーグを自称し、その整合性と評判が問われている。手続きが長引けば、シティの全ての結果と他クラブへの意味に疑問符が付き続ける。中国紙が指摘したとおり、この事案の解決はスポーツの整合性の問題にとどまらず、英国の法の支配への関与を試すものとなる。

ジョーダンの「ラストダンス」ジャージが1400万ドル——独米メディアが伝えるスポーツ記念品の新記録

1998年NBAファイナル第2戦でマイケル・ジョーダンが着用した赤いアウェイ用ジャージが、1400万ドルで売却された。競売大手ハント・オークションズが発表した。バスケットボール関連の記念品としては史上最高額となる。購入したのはマイアミの不動産投資家ロン・ファーマンである。ジョーダンは1998年6月5日の第2戦でこの赤いジャージを着用し、シカゴ・ブルズはユタ・ジャズを破ってシリーズを1勝1敗に戻した。ブルズは最終的に4勝2敗で優勝し、これはジョーダンの6度目かつ最後の優勝だった。1997-98年シーズンはネットフリックスのドキュメンタリー「ザ・ラストダンス」の題材となり、大きな反響を呼んだ。

ドイツのFAZ紙と米国のガーディアン紙はともにこの記録を伝えるが、強調点に差がある。FAZ紙は「記念品市場におけるジョーダンの重要性は確立されており、今や美術品に典型的に取って置かれる資産クラスへと格上げされた」というハント・オークションズ社長デイビッド・ハントの言葉を引き、史上最高額のスポーツ収集品であるベーブ・ルースのジャージ(2024年、2410万ドル)との比較を前面に出す。一方、ガーディアン紙は購入者ファーマンの「購入を非常に楽しみにしている」というコメントを伝え、同一の1998年ファイナルから少なくとも3着のジャージが1000万ドル以上で取引された点を強調する。ガーディアン紙によれば、第1戦のジャージは2022年に約1010万ドル、第3戦のジャージは先月約1230万ドルで落札された。FAZ紙は、この赤いジャージが第2戦のもので「ラストダンス」の一部であること、ジョーダンが1991年から1997年にかけてスコッティ・ピッペンとともにフィル・ジャクソン監督の下で優勝を重ねた事実、さらに3年後にワシントン・ウィザーズで2シーズンを戦った経緯を記す。

両紙が一致して伝える根幹は、これがバスケットボール記念品の最高額記録だという点である。ハントによれば、このジャージは2003年にブルズから個人収集家が購入し、当初の購入者から一度しか所有者が変わっていない。FAZ紙はドイツの読者に向けて、ジョーダンのジャージが依然としてベーブ・ルースのジャージには及ばないという序列を明確に示す。これに対しガーディアン紙は、ジョーダンの1998年ファイナルのジャージが繰り返し高値で取引されている傾向そのものを米国の文脈で際立たせる。同じ事実を扱いながら、独紙は「美術品級の資産クラス」という格付けの物語を、米紙は「同一シリーズからの複数高額取引」という市場の熱を、それぞれ軸に据える。

スポーツ以外の分野でも記念品的・不動産的な取引が相次いでいる。アルゼンチンのクラリン紙は、ドナルド・トランプ大統領が幼少期を過ごしたニューヨーク・クイーンズ区ジャマイカ・エステーツの家が193万ドルで売却されたと報じた。このチューダー様式の住宅は1940年に父フレッド・トランプが建設し、一家はドナルドが約4歳になるまで暮らした。長く空き家となり、水害や湿気による損傷を受け、野良猫の群れが住み着いた時期もあった。昨年、開発業者のトミー・リンが83万5000ドルで購入し、さらに50万ドルを投じて全面的に改装した。改装後はプロ用厨房やヘリンボーン模様の木床、スパ仕様の浴室が加えられ、7月に買い手と合意に達し、193万ドルで登記された。2017年には214万ドルで取引され、2019年には290万ドルで売りに出されたが買い手は現れなかった。

世界銀行のアジェイ・バンガ総裁は、今後12年から15年の間に新興国で12億人の若者が労働市場に参入する一方、用意される雇用は4億人分にとどまるとの予測を示した。バンガ総裁はバンコクでの世界銀行年次総会の記者会見で「正しく取り組めば巨大な機会となり、失敗すれば巨大な問題となる」と述べた。中国は1200万から1500万の雇用を創出する必要があるが、それを達成していないとも指摘した。同総裁は、希望を失った若者が薬物や犯罪、国外移住に走る可能性に言及し、インド、バングラデシュ、ネパール、スリランカでの抗議や、5000人がモロッコ経由でスペインを目指した試みを例に挙げた。世界銀行は2026年度に1120億ドルの民間資本を動員し、これは2022年の3倍以上となった。独自資金と合わせて2000億ドル以上を拠出した。

米国のメイン州の屋根裏で発見された17世紀の肖像画は、当初の評価額1万ドルから1万5000ドルを大きく超え、141万ドルで落札された。オークショニアのカヤ・ヴェイユーは、オランダの巨匠レンブラント・ファン・レインの作品とみられると述べた。絵は「若い少女の肖像」と題され、メイン州カムデンの農家で数十年間保管されていた。裏面のラベルは1970年にフィラデルフィア美術館で展示されたと記録するが、同美術館は展示歴を確認できなかった。美術鑑定の専門家マーク・ウィンターは、帰属が確定すれば価値は1500万ドル程度になるとの見方を示した。ユタ州では、ユーチューブ・スターで不動産投資家のクリス・クローンが、2017年に発注した2万8446平方フィートの邸宅を1395万ドルで売りに出した。ベラージオのO・シアターに着想を得た油圧式床の屋内プールを備え、操作するとプールが下降して柱のないボールルームが現れる。敷地は1.64エーカーで、5500平方フィート超の車庫やボクシング・MMA用のスパーリングリングを備えたジム、ラケットボールコートも含む。

カンザスシティ・チーフスのタイトエンド、トラビス・ケルシーが関与するシックス・フラッグスは、北米とカナダの7つの遊園地を3億3100万ドルで売却する。2025年10月にケルシーはJANAパートナーズと組み、シックス・フラッグスに2億ドルを投資した。対象にはミネアポリスのバレーフェア、カンザスシティのワールズ・オブ・ファン、グランドラピッズのミシガンズ・アドベンチャーなどが含まれる。シックス・フラッグスはジェットコースターX2を死亡事故訴訟の和解後に閉鎖し、影響を受けた利用客から100件の訴訟を抱えている。オーストラリアのブリスベンでは、1921年に建設された住宅が105年間同じ家族に所有された後、203万豪ドルで競売にかけられた。98歳の女性が売りに出した3ベッドルームの住宅で、10人が入札登録し、5人が実際に参加した。

一連の取引は、スポーツ記念品、由緒ある住宅、そして巨匠の作品が、いずれも当初の想定を超える価格で市場を動かす現象を映し出す。ジョーダンのジャージをめぐる独米メディアの論調の差は、同じ記録を「資産クラスへの格上げ」と見るか「同一シリーズの反復高額取引」と見るかの視点の違いとして表れた。一方で、世界銀行が警告する雇用不足や、紛争に苦しむ最貧国で民間資本の動員が停滞している事実は、資産市場の熱気とは対照的な現実を示す。記念品や不動産の高値取引が続く一方、若者の雇用と開発資金という構造課題は、2026年の世界経済が抱える未解決の焦点として残る。