ロシア軍は8月1日未明、ウクライナの首都キーウに対し弾道ミサイルによる大規模な攻撃を実施し、現地の救急当局の発表によれば少なくとも9人が死亡、23人が負傷した。キーウ市のヴィタリ・クリチコ市長は、市内複数の地区で住宅や商業施設が損壊し、車両が炎上したとTelegramで報告した。攻撃により5階建ての集合住宅が部分的に崩壊し、住民が閉じ込められる事態も発生。負傷者には13歳と17歳の少年2人が含まれている。
この攻撃は、7月30日にウクライナ全土を標的とした大規模攻撃(少なくとも8人死亡、50人以上負傷)からわずか48時間後のものであり、ロシア軍はキーウへの攻撃をここ数か月で激化させている。ウクライナは弾道ミサイルを迎撃できる防空システムを慢性的に不足させており、パトリオット迎撃ミサイルが唯一の有効な防御手段とされるが、その供給も枯渇しつつある。
一方、ドナルド・トランプ米大統領は7月31日のキャンプ・デービッドでの閣議で、ウクライナへのパトリオットミサイル生産ライセンス供与について「合意していない」と述べ、先月初めにNATO首脳会議で示した供与方針を撤回した。トランプ氏は「これは大きな一歩だ」「この種の技術を譲るのは難しい。いつか彼らがこちらに牙をむくかもしれない」と語り、技術移転への慎重姿勢を強調した。ウクライナのゼレンスキー大統領は今週ホワイトハウスでトランプ氏と会談し、ライセンス供与を要請していたが、具体的な合意には至っていない。
また、ロシアのタタールスタン共和国ニジネカムスクにある大手石油化学工場「ニジネカムスクネフテヒム(NKNK)」で7月31日夜、爆発と大規模な火災が発生した。ウクライナの監視チャンネルは、ドローン攻撃によるシステム過負荷が原因の可能性を指摘。ウクライナ軍はロシア深部の産業・軍事施設への攻撃を強化しており、ゼレンスキー大統領は「ロシアはもはや主導権を握っていない」と主張している。
さらに、ロシアのミサイルがポーランド領内に落下した事件を受け、ポーランド政府はロシア大使を召喚し抗議した。ポーランド国防相は、落下したミサイルが今年第2四半期にモスクワ近郊で製造された新型であると明らかにし、ロシアの弾薬備蓄が枯渇しつつある証拠だと指摘した。