米国ワシントン発の報道によれば、アマゾン創業者ジェフ・ベゾスが率いる宇宙企業ブルーオリジンは、29階建ての重力ロケット『ニューグレン』のブースターを再使用し、初の着陸に成功した。この成果は、同社が新たに確立したブースター回収技術を実証したもので、ロケットの打ち上げ頻度向上と、イーロン・マスク率いるスペースX社との競争力強化に直結する。
今回のミッションでは、ニューグレンがAST SpaceMobile社の『ブルーバード7』衛星を低軌道へ投入した。再使用されたブースターは、昨年11月に実施されたNG-2ミッションで使用されたもので、回収後に「Never Tell Me the Odds(確率は教えてくれないで)」と名付けられた。この名称は、映画『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』に登場するハン・ソロのセリフに由来している。
ブルーオリジンは、これまで小型ロケット『ニューシェパード』での再使用実績はあったものの、重力ロケット規模でのブースター再利用は初めての試みである。スペースXが先行して実証したファルコン9の再使用技術に対抗すべく、同社は打ち上げスケジュールの加速とコスト削減を狙っている。
この成功は、米国の商業宇宙産業全体に波及効果をもたらすと見られる。再使用可能ロケット技術の標準化が進めば、打ち上げコストの大幅な低減が期待でき、衛星通信や地球観測、さらには有人月面ミッションへの応用が加速するだろう。さらに、政府系機関との協働や民間投資の拡大が見込まれ、米国の宇宙競争に新たな局面を迎えることになる。