米国とイランが和平合意に達し、中東地域で3ヶ月以上にわたる戦闘が終結する見通しとなった。パキスタン政府の仲介により成立した枠組み合意は、全戦線での軍事行動の即時かつ恒久的な停止と、戦略的に重要なホルムズ海峡の開放を柱としている。合意の発表を受け、世界のエネルギー市場と株式市場は急激な反騰を見せ、緊張感に包まれていた国際情勢に転機が訪れた。
合意の骨子は、両国が軍事作戦を全面的に停止し、イランに対する米国の海上封鎖を解除することだ。ホルムズ海峡は通行料無料での開放が表明され、船舶の航行が再開される。署名式は6月19日にスイスで開催される予定で、その後は60日間の交渉期間を経て、イランの核プログラムや制裁解除、凍結資産の扱いを巡る最終合意に向けた協議が進められる。国連のグテレス事務総長は「紛争の平和的解決への重要な一歩」と歓迎し、英仏独伊のE4諸国もイランの核開発に対する検証可能な措置を条件に制裁緩和に備える姿勢を示した。日本を含む各国首脳も、海峡の安全な航行と核問題の早期決着を期待する声明を出している。
合意発表直後、原油価格は急落し、世界経済への打撃が和らいだ。特に中東依存度の高いアジア市場では株式が大幅に上昇し、リスク資産への資金流入が加速した。主要通貨ではドル安傾向やリスク資産への資金流入が進んだ。一方、合意の具体的な実施には依然として課題が残る。海峡の機雷除去や航行安全の担保、そしてイラン支援勢力ヒズボラとの関係を含むレバノン情勢の沈静化が鍵となる。また、核問題の最終合意には時間がかかり、交渉が破綻した場合の再発リスクも指摘されている。市場関係者は、エネルギー供給の完全な正常化までには数ヶ月を要すると見通し、慎重な楽観論が支配的となっている。