パレスチナ自治政府は4月25日、占領下の西岸地域およびガザ地区のデイル・バラハで地方選挙を実施した。これは2006年の立法評議会選挙以来、ガザで初めて行われる投票であり、西岸でも2022年以来の選出となる。有権者は西岸で約150万人、ガザで7万人が登録されており、自治政府は両地域を一つの政治システムとして統合する意図を示している。
選挙は厳格な条件の下で行われた。候補者はパレスチナ解放機構(PLO)をパレスチナ人民の唯一の正当な代表として認め、その政治プログラムを受諾することを誓約することが義務付けられている。この規定により、PLOを支持するファタハや無所属候補は立候補できるものの、イスラエルを承認しないハマスや他の反PLO派閥は事実上排除された。その結果、西岸の主要都市では対立候補が現れず、ファタハ支持のリストが無投票で当選する「称揚」方式が採用された地域も少なくない。
ガザでの投票は、イスラエル軍の地上侵攻を免れたデイル・バラハに限定され、実質的には象徴的かつ実験的な性格を持つ。ハマスはガザの半分を支配しているものの、今回の選挙には関与していない。国連の中東和平プロセス担当副特別調整官のラミズ・アルアクバロフ氏は、「極めて困難な時期における民主的権利行使の重要な機会」と評価する一方、有権者の間では自治政府への不信感や無力感が根強く、意味のある変化をもたらすか懐疑的な見方が広がっている。
トランプ米大統領の和平計画に基づく停戦交渉の文脈の中で、自治政府はガザでの統治権を再主張しようとしている。しかし、イスラエルの入植地拡大や軍事支配が続く中、地方選挙がパレスチナ人の生活実態や国家建設の展望にどのような影響を与えるかは不透明なままとなっている。