6月27日、米イラン間で締結された暫定的な停戦合意を巡り、ホルムズ海峡を挟んで両国が再び軍事衝突を起こした。米軍がイランの沿岸監視施設や通信塔を標的とした軍事作戦を実施したのに対し、イランはバハレーンや米軍関連施設を標的としたドローン攻撃で報復した。合意の履行を巡る互いの非難が激化する中、中東地域の平和維持とシーレーン安全保障の行方が極めて不透明な状態にある。
米中央軍は、イラン軍のドローン攻撃を受けた商船の航行を脅かした行為を正当ならざる攻撃と非難し、イラン南部の施設を空爆した。これに対し、イラン外務省は国連憲章とMOUに明らかな違反だと強く非難し、革命防衛隊も米軍関連施設への決定的な応答を表明した。バハレーン政府は自国領へのドローン攻撃を主権侵害として強く非難し、防衛権を留保するとした。一方、イラン側は海峡における船舶の航行規則をテヘランが決定する権限を主張し、違反には断固たる対応を取ると警告している。米国のJD副大統領は対話による解決を促しつつ、暴力には暴力で応じるとの警告を発している。
政治・経済面でも影響が波及しており、米国内世論調査では有権者の四分の一しか戦争のコストに見合った成果があったと認識していない。経済的には衝突再開前の金曜日に原油価格が約3%下落し、サウジアラムコはラスタヌラ港での原油積載を再開した。また、イスラエルとレバノンはヒズボラ解散とイスラエル軍撤退を柱とする枠組み合意に署名したが、ヒズボラは非協力を表明しており、地域全体の緊張は依然として高い。
湾岸協力会議やエジプト、クウェートなどの地域諸国もイランの攻撃を非難し、外交的対話による緊張緩和を呼びかけている。しかし、イランの最高指導者軍事顧問らは米国の行為は合意違反であり、迅速かつ決定的な対応で臨むと明言。直接通信ルートの設置を巡る対立も深まっており、両国が60日以内に包括的な最終合意に到達できるかは不透明な状況が続く。ホルムズ海峡の通航安全と中東の平和構築に向けた国際社会の調整が、これまで以上に重要な課題となる。