米国駐イスラエル大使は4月、イスラエルがUAE(アラブ首長国連邦)へ防空ミサイル迎撃システム「アイアン・ドーム」のバッテリーおよび運用要員を派遣したことを明らかにした。中東地域での安全保障協力の一環として、両国間の軍事連携がさらに強化される形となった。
同大使の発表によれば、移送されたシステムはUAE領空の防空能力を補完する目的で運用される予定だ。現在、ウクライナ・ロシア紛争やレバノン・イスラエル国境付近での緊張が続く中東情勢を背景に、イスラエルは地域内の友好国に対する防空支援を拡大している。トランプ政権下にある米国政府は、この動きを中東の安定維持に寄与する積極的な外交・安全保障協力と位置づけている。
今回のアイアン・ドームの派遣は、単なる兵器供与にとどまらず、イスラエルとUAEの防衛産業・情報共有の枠組みを制度化する契機となる可能性がある。中東の安全保障環境が依然として流動化する中で、地域内の防空ネットワークが統合されれば、ミサイルやドローンによる脅威への共同対応能力が大幅に向上する見込みだ。一方で、周辺国や非国家アクターからの反発を招くリスクも指摘されており、今後の外交調整が焦点となる。