2026年7月、世界各地で産業構造と資本市場に重要な転換点が訪れている。ブラジルの国営石油大手ペトロブラスは、36年ぶりに鉱業分野への再参入を検討しており、カリウム、ウラン、希土類元素、ニオブ、リチウムの探査を推進している。同社のマグダ・シャンブリアール社長は、ブラジル開発銀行(BNDES)およびヴァレ社との三者間連携枠組みを構築し、探査段階から資本を投じない軽資産型の調査を優先する方針を示した。これは、長年の洋上石油開発路線を転換し、エネルギー転換期における新事業の柱を模索する戦略的シフトである。
資源市場においても需給の再編が進んでいる。ロンドン金属取引所(LME)の亜鉛スポット価格は約3,529ドル/トンで4年ぶりの高値圏を維持し、ペルーやブラジルで事業を展開するネクサ・リソースやブエナヴェントゥーラなどの株価に影響を与えている。供給面では製錬所の操業停止が響く一方、建設・インフラ分野における亜鉛めっき鋼板の需要が鈍化傾向にあるため、価格の行方は実需の回復度合いに敏感に反応している。一方、日本では金利上昇局面が企業債券市場を再形成している。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の野村典明氏によれば、インフレ環境の回復に伴い、企業はコスト削減より設備投資を優先しており、2026年3月期の企業債券発行額は過去最高の16兆7,000億円に達した。小売分野でも、韓国では夏季観光需要の取り込みが顕著で、GS25の沿岸観光地における外貨決済売上高は前年比137%増を記録し、訪韓外国人旅行者数は2026年に2,000万人超を見込む勢いだ。
これらの動向は、機関投資家や国際資本が資源安全保障とインフレ耐性を重視する姿勢を強めていることを示している。ペトロブラスの鉱業再参入や亜鉛市場の需給バランス、日本の債券市場拡大は、長期的な資本配分と産業政策の方向性を示唆する。リチウムや希土類元素は電池や電気自動車、電子機器の製造に不可欠であり、供給制約と実需の回復ペースを見極めながら、資源採掘からインフラ建設、小売消費に至るサプライチェーン全体の動向を注視する必要がある。世界経済は金利環境と資源価格の二重の圧力下で新たな均衡点を模索しており、企業戦略と市場流動性の連動が今後数四半期の鍵となる。