2026年7月、ロシア軍がウクライナ全土に対して弾道ミサイルとドローンを大量発射し、首都キエフや主要都市で多数の市民が負傷・死亡する事態となっている。ウクライナ側は防空弾薬の不足により弾道ミサイルの迎撃に苦戦している一方、ウクライナ軍無人機部隊のロベルト・ブロヴディ指揮官は、アゾフ海においてロシアのタンカーなど計28隻を沈没または機能停止させたと発表し、両軍の非対称戦が激化している。
ロシア軍は夜間を通じて弾道ミサイル6発、巡航ミサイル6発、ドローン121機を発射した。ウクライナ空軍は巡航ミサイル2発とドローン111機を撃墜したと主張するが、高速で飛行する弾道ミサイルの迎撃には失敗した。首都キエフでは防空警報発令前に民間インフラが被害を受け、11人が負傷した。北部スームィでは滑空爆弾の直撃で4人が死亡、17人以上が負傷し、南部オデッサや東部ハルキウでも攻撃による死傷者が出ている。ウクライナ側は、ロシアが対空ミサイルS-400を地上攻撃用に転用している可能性を指摘している。
これに対し、ウクライナのボロディミル・ゼレンスキー大統領は、NATO首脳会議で合意した防空支援パッケージの迅速な履行を同盟国に求めた。特に、米国ドナルド・トランプ大統領がウクライナにパトリオット迎撃ミサイルの製造ライセンス供与を表明した事案について、技術的合意の早期完了を強く要請している。一方、ブロヴディ指揮官はアゾフ海での攻撃に加え、占領下の物流網やエネルギー施設への打撃を継続し、ロシアの軍事補給線を分断する作戦を強化している。
防空網の脆弱化が市民生活に直撃する中、ウクライナは自国でのミサイル生産体制構築と対弾道ミサイル防衛システムの共同開発を欧州に働きかけている。ロシア側もアゾフ海航路の封鎖や穀物輸送の一時停止を余儀なくされるなど、両軍の攻撃が国際的な物流・経済に波及影響を与えつつあり、戦闘の長期化と外交的解決の難しさが浮き彫りになっている。