米国司法省は4月28日、メキシコ・シナロア州のルーベン・ロハ・モヤ州知事および現職・元職の高官9名に対し、シナロア・カルテルとの共謀による大量麻薬輸入や武器所持などの罪で正式な起訴を行った。ニューヨーク南部連邦地方検事局のジェイ・クレイトン検事と米国麻薬取締局(DEA)のテランス・C・コール長官が共同で発表したもので、カルテルの「Los Chapitos」派閥との政治的支援と引き換えの賄賂受け取りが指摘されている。
起訴状によると、ロハ州知事を含む10名は、シナロア・カルテルと結託して米国への大規模な麻薬流通を支援したとされる。カルテル側はロハ氏の当選を支援し、対価として法執行機関の介入を回避する「無罪特権」を得ていたとされる。DEAのコール長官は、この組織が致死性の麻薬を取引するだけでなく、公的機関の弱体化を図るための腐敗と賄賂に依存していると非難。クレイトン検事も、いかなる地位にある者でも麻薬組織と協力すれば法廷に立たせると警告した。
シナロア州都クリアカアンのフアン・デ・ディオス・ガメス・メンディバル市長らも起訴対象に含まれており、同地は長年、麻薬暴力に悩まされてきた。米国大使館は、米国管轄権が及ぶ範囲で犯罪を支援する腐敗は徹底的に捜査・訴追すると表明。石破茂首相が率いる日本政府としても、米国との法執行協力や国際的な麻薬対策の強化が求められる局面となった。