国家统计局は2026年第一四半期の国内総生産(GDP)を前年同期比5.0%増と発表し、"十五五"計画の開幕に相応しい好調なスタートを示した。成長率の裏側には、AIを中心としたスマート産業の急速な拡大と、ハイテク製造業・サービス業の構造的転換がある。
四月十六日の記者会見で、国家统计局ニュース発言人兼国民経済総合統計司副司長の王冠華は「中国経済は総量の安定的拡大に加え、動能の新化、構造の最適化、質の向上が顕著であり、成長の含金量・含新量・含緑量・含智量が持続的に向上している」と述べた。
製造業購買担当者指数(PMI)は3月に50.4%、非製造業ビジネス活動指数は50.1%と、いずれも拡大領域に回復した。規模以上の工業企業の利益は1~2月に前年同期比15.2%増と急速に回復し、前年全体に比べて成長スピードが14.6ポイント上昇した。
外需面でも好調で、第一四半期の貨物輸出入総額は11.84兆元で前年同期比15.0%増、輸出は11.9%増、特に機械電気製品の輸出は18.3%増と、グローバルな需要回復と中国の産業チェーンの安定性が相まって、外需の牽引力が強まっている。
AI・デジタル技術の急速な進展が経済全体に波及している。AI動画生成モデル「Seedance 2.0」やAIロボット「OpenClaw」の普及により、デジタルコンテンツ制作や自動化サービスが拡大。第一四半期のデジタル製品製造業付加価値は前年同期比11.2%増、3Dプリンティング、産業ロボット、シミュレーションチップ等の主要製品の生産量も大幅に伸びた。AI関連産業は「ヘッドワゴン」効果を発揮し、化学・エネルギー産業への波及効果も顕在化している。
ハイテク製造業の付加価値は全体の増加率を上回り、12.5%の伸びを示した。投資面でも、固定資産投資は前年同期比1.7%増とマイナスからプラスに転換し、ハイテク分野の投資は7.4%増加した。低空経済や6G、具身型AIといった新興産業への資本流入が投資成長の新エンジンとなっている。
需要側でも、テクノロジーが消費行動を変容させている。AI搭載家電やスマートウェアラブルの販売が急増し、スマートウォッチ・スマートグラスの小売額は前年同期比でほぼ倍増、5Gスマートフォンは30%増加した。サービス経済の拡大も顕著で、第一四半期のサービス業付加価値は5.2%増、特に情報通信・ソフトウェアサービス、レンタル・ビジネスサービスは成長率が最も高く、全体経済への寄与率は60%以上に上る。
しかし、成長目標である4.5%~5%の範囲を維持するには、外部環境の不確実性や国内の供給過剰と需要不足の構造的矛盾への対処が不可欠である。政府は「スマート経済新形態」の創出を政府工作報告に明記し、AIを中心とした産業転換を加速させる方針を示した。
総じて、第一四半期のデータは中国経済が新動能へとシフトしつつあることを示す好材料であるが、持続的な成長を実現するためには、技術革新と産業構造の高度化をさらに推進し、リスク管理体制を強化する必要がある。