米国とサウジアラビアは29日、イラク東部でイラン支持の民兵組織に対して共同空爆を実施した。これは過去72時間でサウジの石油施設などに対して行われた30回以上のドローン攻撃への報復である。この軍事行動は、数日間の戦闘停止期間を経て発動され、中東地域の緊張を再燃させることとなった。
米中央軍とサウジ国防省は、攻撃対象をイラン革命防衛隊(IRGC)が指揮する民兵と明記。サウジは自衛権に基づく対応であり、エスカレーションを望まないとしたが、イラクの人民動員部隊(PMF)は複数の施設が攻撃され、少なくとも10人が死亡、複数人が負傷したと報告している。イラン側はサウジ向け攻撃への関与を否定し、米国の非難を「大きな誤算」と反論。さらにIRGCは、ホルムズ海峡で警告を無視したタンカー3隻を拿捕・停止したと主張し、海峡への「完全な支配」を維持すると声明した。軍事行動の最中、イラン側はジョルダン内の米軍施設に対し弾道ミサイルを発射したが、米軍はすべての迎撃に成功したと発表した。また、ドナルド・トランプ米大統領はベニヤミン・ネタニヤフイスラエル首相とホワイトハウスで会談し、閉門会談を「前向きで生産的」と評価。両首脳はイランの核開発阻止を共通目標として挙げた。
ホルムズ海峡の通航を巡り、オマーンが国際法に基づく自主的課徴金案を提案したが、イランはこれを拒絶し、米国も反対の立場を堅持している。インドの国連代表部大使パルヴァタネーニ・ハリシュ氏は国連安保理で商業船舶への攻撃を強く非難し、直ちなる緊張緩和を呼びかけた。この新たな軍事衝突により、原油価格は1バレル3ドル超、4%超上昇し、世界のエネルギー供給に対する懸念が強まっている。地域情勢の安定化と国際航路の安全確保が、各国に求められる緊急課題となっている。