2026年7月25日、イエメンのイラン支持勢力フーシ派が紅海沿岸のサウジアラビア石油施設をミサイルで攻撃した。これに対し、サウジ主導の連合軍がイエメン国内のフーシ派拠点を空爆する応戦に回り、中東情勢は新たな段階へ突入している。同時に、ドナルド・トランプ米大統領はイランへの追加軍事行動を考慮しつつも、交渉が「次第に真剣になっている」と述べ、直近の連続攻撃を初めて停止した。また、トランプ政権はサウジアラビアとの民間核エネルギー協力合意をアブラハム合意(イスラエルとの国交正常化)の条件と付け、外交・エネルギー両面で地政学的な転換点が訪れている。
軍事面では、ハーティ(アンサールッラー)軍報道官ヤヒヤ・サリー氏がジザンとヤンブーのサウジ国営石油大手アラムコの施設を標的としたと発表し、ジザンの製油所からは煙が上がる映像が確認された。ヤンブーでは、イラン支持勢力から発射された弾道ミサイル2発が、サウジと契約を結んだギリシャ軍が運用するパトリオットミサイル防衛システムによって迎撃された。サウジ側もフーデイダ港やカマラン島、マリブ州およびアルジャウフ州のフーシ派施設を空撃し、両勢力間で交戦が再燃している。経済・市場面では、イランによるホルムズ海峡封鎖と紅海航路の脅威により、ブレント原油価格は1バレル100ドル台前半まで急騰し、2か月ぶりの高値を記録した。民間セクターでは、Canva共同創業者のメラニー・P氏らがマラウイへ1億5000万ドルの無条件現金給付を実施し、大規模な経済支援が進行中である。
紅海航路の分断とペルシャ湾の封鎖は、全球のエネルギー供給網に二重の圧力をかけている。米国の対イラン軍事行動の停止と交渉継続の姿勢は、短期的な市場の混乱緩和に寄与する可能性がある一方、核合意の条件付けやフーシ派の封鎖維持により、中東の安全保障環境は依然として不安定な状態が続く。レバノンではヒズボラが関与する衝突も進行しており、国際社会は、外交解決の枠組みとエネルギー供給の安定化を同時に図る難題に直面している。